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集 鼎特
生 (1993.8) 1説 特研 集鼎 45巻 8号 産 研 究 UDC 624.131.53/5.5 土質試験 による地盤材料 の減衰特性 Damping Characteristics of Geomaterials in Laboratory Sol Tests *・ * 龍 岡 文 夫 木 幡 行 宏 * * 。 スポ ッ ト テ ィチ ャフ ォラシ ンス ク ン 童 軍 *** Yukihiro KOHATA,Fumio TATSUOKA,Supot TEACHAVORASINSKUN and JOung DONG 一般 に,地 盤材料の減衰特性 を表す履歴減衰係数 hに はひずみ レベル依存性がみ られる。ま た,室 内土質試験 で得 られる hは ,原 地盤の地震の地震時応答から逆解析 された値よりも大 きすぎる場合があると言われている.本 解説では,従 来発表 されてきた室内土質試験による減 衰は,実 験技術上に由来する測定誤差 ・精度の問題 と地盤材料の本来の性質に関連 した実験方 法の問題から,原 地盤の値を過大評価 している可能性があることを示す. 1.は じ め い る (Tokimatsu et al,1989). に 一般 に, 地 盤材料 は, 0 . 0 0 1 % 以 下 の非常 に微少 なひ ず み レ ベ ル で は き わ め て 弾 性 に 近 い 挙 動 を示 す 本解説では,従 来発表 されて きた繰 り返 し三軸試験等 の静的な繰 り返 し載荷試験 による減衰は,い くつ かの理 由によって原地盤 の値 を過大評価 してい る可能性がある (TatsuOka and Shibuya,1992, 龍 岡 ら, 1992) し か し, 厳密 に言 うと完全 な弾性体ではないので,繰 り返 し載荷 の もとでは,非 常 に刻ヽさな内部 エ ネルギ 「が消費 され, こ とを示 す。す なわち,実 験技術上 に由来す る測定誤 差 ・精度 の問題 と地盤材料 の本来 の性質に関連 した実験 方法 の問題 に分 けて地盤材料 の減衰特性 について論 じる 履歴 減衰係 数 h(図 1)は ゼ ロ にはな らない (Kim et J,1991).hは ,ひ ずみ レベ ルが増加 して応力 ∼ ひずみ 関係が非線形 になるに従 って着実に大 きくなる。 このよ うなひずみ レベ ル依存性があ る hは ,地 盤 ・構造物 の 2.1 三 軸試験での測定システムの例 と測定例 図 2(a),(b)に , 微 小 ひず み レベ ルか らの地盤材料の変 地震応答解析 に必要 な基本的パ ラメータである.室 内土 質試験 に よる hの 研 究 の歴 史 は非常 に長 いが,一 般的 形特性 を測定す る目的で開発 された小型および大型三軸 試験機 の模式図を示す.軸 受けの微小 な摩擦力で も測定 に室内試験で求めた値 は,原 地盤 の地震時の応答 か ら逆 解析 された値 よ りも,大 きす ぎる場合がある と言 われて された変形係数 と履歴減衰係数 h(特 に h)│こ誤差 をお よぼすので,軸 応力 を測定す るロー ドセルを三軸 セル内 2.実 験技術上の問題 ﹂ “ も ︰ も =σ 2X(ε a)sA 図 1 土 と岩 の応力 ∼ ひずみ関係の模式図 *東 京大学生産技術研究所 第 5部 **大 成建設技術研究所 ***東 急建設技術研究所 h=-1)ギ 鶯 マ 生 産 研 45巻 8号 (1993.8) 究 ` `ミ く詰 ヽ ノ竃 。 ∼ 。 ・ 。 Fr"uency(H2' 図 3 LDTと Donse Ticino Sand Oc'=49 kPa e=0680 Monotonic Loading ――Proximeter 1 一 LDT 0 1 ・ 3: 4: 5: 2 ¨ ︵●∝ y︶σ び のoL一の 、0一0 , 0● 2: Load cell Oisplacement lransducerLD.T. Proximeter Clip gauge 2 'l: 3 Pedsstal ギ ャ ップセ ンサ ー に よる変位 測定 の比 較 3 ・ Cycllc Loading (:rc Proxlmgt€r H LOT r 議 畔 時 ¨ い ︲ 一 一 ﹂ 一 。 。 0 ● 0 ● O O ゛ 。 ・ C ︲ 0 ‘ ¨ 0002 AxialStraln,ea (%) """?t3+'"/{""::gr: ︵oL y︶σ ‘ ●o﹂一∽ ﹄0一0, 0● 5 型および大型三軸試験機の模式図 図 2(a),(b)4ヽ に設 置す るの は必 須 であ る (Kokusho,1980).また, 供試体 とキ ャップ ・ペ デスタル との接触が完全 でない と, キ ャップの動 きか ら測定 された軸 ひず みは過大評価 され る。この誤差 をベ デ ィングエ ラー と呼ぶが,ヤ ング率に Axial Strain,C8(%) 図 4●)(b)単 調載荷三軸圧縮試験 と繰 り返 し三軸試験による 砂 と礫の微小 ひずみ レベ ルでの応力 ∼ひず み関係 の代表的結果 対する影響が大 きいこ と力玖日られてい る.本 装置では, 後藤 (Goto et al,1991)が 開発 した局所変形測定装置 (LOcal DeformatiOn Transducer,LDT)を用 い て供試体 側面 で局所 的 に軸 ひず み を測定す る。 キ ャ ップの軸変位 を測定す るの に用 いてい るギ ャ ップセ ンサ ー は,大 きな 載荷速度 に対 す る応答性が非 常 に よい。 図 3は ,ダ ミー サ ンプ ル を用 い た ベ デ イ ン グ エ ラー が 無 い 状 態 で の LDTと ギ ャ ップセ ンサ ー に よる変位 測定 の比 較 で あ る が ,こ れ に よる と LDTも この程度 の載荷周波数で の繰 り返 し載荷 で の測定 には まった く問題 ない こ とが わか る. なお,こ の二 つ の装 置 で は側圧 一 定 の試験 で供試体 の半 4 径 の変化 を厳密 に測定す る方法 を用 いているが,本 解説 ではこれには触れない。 図 4(aλlb)は,こ の装置 を用 いた単調載荷三軸圧縮試 験 と繰 り返 し三軸試験 による砂 と礫の微小 ひずみ レベ ル での応力 ∼ ひずみ関係 の代表的結果である.図 5に ,本 解説 で示す試験 に用 いた材料の粒径加積 曲線 を示す. 2.2 測 定時の時間誤差 の影響 応力 とひずみの同時測定がで きない場合 は,正 確 な履 歴減衰係数 hと は異 なる見かけ上 の値が得 られ る.こ のことを説明 したのが図 6で ある.図 に示す ように,今 45巻 8号 (1993.8) 生 産 研 究 OE S t 2 ●OQく g Oc一 ^ ま ︶二 0 一 OC¨ ●0●α 一CO●﹄OL 01 1 囃 △ ▽ 口 。 呻 明 崚 咄 m 001 10 Diameter of Particle(mm) 図 5 試 験で用 いた試料 の粒径加積 曲線 σ orC ^ ま ︶‘ d,g O〓QE ”● t oたと0■ Tlmg lagrAt= 7 3x1O-' .ea Frequonoy.1(Hz) 図7 履 歴減衰係数∼載荷周波数関係 (繰り返 し三軸試験) (a)通 時サ 常 の A/D変 換ボー ドを用 いた検定結果 (bl同 ンプリングA/D変 換ボー ドを用いた検定結果 て記録 された場合 の減衰率 の補正式 と して次式力M尋 られ る. h=hap-1/2 sin(2π - Trus olr€ss-strain curue - Rmorded slress-slrain curye when e lags behind o ここで ,h:真 f・ムt) の履歴減衰係数,hap:実 測 の見 かけの履 歴減衰係数,f:載 荷周波数 こ こに示 す 実験 で は,ロ ー ドセ ル ・ダイヤ ル ゲ ー ジ ・ ギ ャ ップセ ンサ ー お よび LDTの 各 々の 出力電圧 をア ン プ に よって増 幅 した後 ,パ ー ソ ナ ル コ ンピュー タ内の 力 (or 図 6 ひ ずみが応力より遅れて記録された場合の,(a)応 ひずみ)∼時間関係 (b)応 力∼ひずみ関係 ひずみが応力 に対 して ムtだ け遅れて記録 された時の時 刻 t―△t(A点 )と t(B点 )の 応力 とひずみの組み合 わせ を考えると,そ の応力 ・ひずみは△ 。● (C点 )と なる.し たが って,こ の場合 には真 の履歴 ループに比べ て膨 らんだ形状 とな り,見 かけの減衰率は大 きくなる. す なわち,正 確 な履歴減衰係数 hを 求め るためには, 試験 を実施す る前 に必ず測定系 の時間誤差 の検定 を実施 し,見 か けの hの 補正 をす る必 要 が ある 図 6よ り, ひずみが応力 (いずれ も正弦波)に 対 して 乙tだ け遅れ A/D変 換 ボー ドによ リデー タを取 り込 んでい る.検 定 の際には,実 際の試験 とまった く同 じ測定システム構成 を用 いて,同 一 のア ンプの感度設定値 (減衰値,A質 値),ロ ーパ スフイル ター値,載 荷周波数 を設定 しなけ ればな らない。繰 り返 し三軸試験装置 の検定 で は,ダ ミー供試体 として線形バ ネを用 い,ね じりせん断試験装 置 の検定 では減衰率がほとんどゼ ロ と見なせ る直径10∼ 15mmの ジュラル ミン丸棒 を使用す る.入 力波形 は正弦 波 で,載 荷周波数 は最小二乗法 によって検定直線 を求め るため,少 な くとも 3種 類以上 (たとえば,0.01 Hz, 三 0.l Hz,l Hz)を選択 し,hを 求 める.図 7(a),(b)に hの 関 軸試験 における載荷周波数 と測 定 された減衰率 556 45巻 生 産 研 究 8号 (1993.8) 係 を示す。図 7(a)は,通 常 の A/D変 換 ボー ドを,図 7 (b)は同時サ ンプ リング A/D変 換 ボー ドを用 い た結果で ある.図 に示す ように,載 荷周波数 の増加 とともに減衰 率 も変化 して い る.な お,図 7(a)にお い て,正 接続 は CH lに ロー ドセル,そ れ以降に各種変位計 を接続 し, 逆接続 は各種変位計 の後 にロー ドセルを接続 したことを 示 してい る.こ の測定 システ ムでは,f=0.2Hzの 実験 より小 さい.さ らに,そ の差 は密な豊浦砂の場合 に顕著 で ある。 また,hに 対す るベデ イングエ ラーの影響 は, 緩 い豊浦砂では顕著 な差 は見 られないが,密 な豊浦砂で はギ ャップセ ンサ ー による h(以 下 hcs)が LDTに よ る h(以 下 hLDT)よ り大 きな値 を示 してい る.図 9(a), は,図 中の │で 示すひずみ レベルで1200回の繰 り返 (b)に し載荷履歴 を与えた後に繰 り返 し三軸試験 を実施 した結 では最大約 5%も の補正が必要であることがわかる.こ 果 を図 8と 同様 な関係で示 した。 この試験結果 について の値 は,土 の減衰率か らみると許容で きない誤差 で ある。 も,(Ecq)LDTに 比べ て (Eeq)CSは,ベ デ イングエ ラー の影響 によ り小 さい値 を示 してい る。 また,hに およぼ 図 7(Dの 検定結果 では,荷 重 と変位 の時間誤差が わずか 0.00073秒で あ るに もかかわ らず, l Hzで 0.23%の 補 すベデ ィングエ ラーの影響 は,密 な場合に顕著であ り, ひずみ レベ ルが10 4(0.01%)付 近で hcsは ,hLDTの 正が必要であることがわかる。 2.3 .ベデ ィングエラー 約 2倍 程度大 きな値 を示 してい る.さ らに,緩 い豊浦砂 図 8(a),価)は,密 お よび緩 い豊浦砂 に対 して実施 した 繰 り返 し三軸試験 による等価ヤ ング率 Eeq・履歴減衰係 数 hと 軸 ひずみ片振幅 (ら)sAの 関係 をそれぞれ示 して い る (供試体 上 下端 面 はポー ラスス トー ン).図 中, 〇 ・● は LDT,□ ・■ はギ ャップセ ンサ ー による測定 か ら得 られた結果である.通 常,供 試体 の上下端面 の不 虫のために,キ ャップの動 きか ら測定 された軸 完全 な接角 ひずみにはベ デ イングエ ラーによる誤差が含 まれ過大評 価 される.図 に示す ように,ベ デ イングエ ラーの影響 に よ リ ギ ャッ プ セ ン サ ー で 測 定 さ れ た Eeq(以 下 ) LDT) (Eeq)CS)は LDTで 測定 された Eeq(以 下 (Ee。 の場合 で も10 4(0.01%)以 下 で は,hLDTに 比 べ て hcsは 大 きい。すなわち,こ の試験結果 は,微 小 ひずみ 領域 にお いて はベ デ ィングエ ラーの影響 によ りhが 過 大評価 されることを示 してい る。図10にはおのおのの試 験 に対 して得 られた hcsと hLDTの 比較 を示 した 図 中, 宙rginは圧密後 に繰 り返 し三軸試験 を,prestrainedは 圧密後 にひずみ履歴 を与 え,そ の後 に繰 り返 し三軸試験 を実施 した結果 をそれぞれ示 して い る。緩 い砂 ではベ デ ィングエ ラーの影響が明確 ではないが,密 な砂では明 らか にベ デ イ ングエ ラー の影響 に よ り hGS>hLDTと なってい る ま た,ひ ず み履歴 を与 えるとさらにその影 】 滞 p=Ψ‐2∞ 路電 ♂ 躍摯2刈 Dense prostrained Toyoura sand (e=O.706) ndけ い0 ura“ Single amplitude axial straln d(ca)sA “ 漁 脚 蝉激 Ψ鸞 Iふ T ♂ E o ヽ一。こ︶ 8 Ш tude axlal etrain,d(ca)sA SIngl● a mp‖ 図 8 処 女供 試体 の繰 り返 し三 軸試験 に よる E c q お よび い豊浦砂 h∼し)SA関係 (a)密 な豊浦砂,(b)緩 Singlo ampl誡 ェく o”o﹁oφ¨ う0 ﹁,生0ヽコ ● 0●3 0¨ 態鮮 雪路」 δ・コ 工K■0﹁ SヨЦヨ0 3 一 0∽ご O 〓覇” o﹃ o●お 0●ヨ ■ 戻 ヒ S 一3 ・コ ごE oヽゅど、澤u Slngleamplitudeaxlalstrain,d(c.)s ude axial strain,d(ca)鉢 図 9 繰 り返 し載荷履歴を与えた供試体の Ecqおよびh∼(OsA い豊浦砂 関係 la)密な豊浦砂,lb)緩 生 45巻 8号 (1993.8) 響 は顕著 になってい る。 以下 に,ベ デ イングエ ラー の影響 に よ り hcs>hLDT となることを理論的に検討す る。い ま,図 11に示す よう な緩みがない部分 を上下端面 の緩み層 で挟 まれた二層系 の供試体 を考える (ただ し,供 試体高 さを h,上 端面緩 み層 お よび下端面緩 み層 の高 さをそれぞれ ah/2と す る).こ の供試体 で繰 り返 し三軸試験 を実施す ると,図 12に示す ような 3つ の異なる応力 ∼ひずみルニプが得 ら れ る と仮定す る。す なわち,1)緩 み層 の応 力 ∼ ひず み ループA(測 定 で きない),2)緩 みが ない部分 の応力 ∼ よ り測定),3)供 試体全体 の平 ひず みループB(LDTに ー ∼ 均 としての応力 ひずみループC(ギ ャップセ ンサ に より測定)で ある.い ま,供 試体全体 の平均 として軸 ひ ずみ片振幅を 可,偏 差応力片振幅 を qと す ると,等 価 ヤ ング率 は次式 となる. Eeq(=(Eeq)CS)三q/可 ここで,εaは緩み層 と緩みのない部分でのひずみか ら 構成されているので, 二 a ( 仏) + ( 1 - a ) ( 先 ) = a ( q / E A ) + ( 1 a ) ( q / E B ) 可 (2) より となる (EB=(Eeq)LDT)・ (1),(2)式 百eq=EB(1/(aX+(1-a))) (3) を得 る こ こで,X=EB/EA=ε A/ε B さらに,供 試体全体 としての減衰エネルギー ムWは , △W=aム WA十 (1-a)△WB ) に となる.定 義 よ り,hA=△ WA/(2π WA),hB=△ WB/ ・qで あ り,さ らに, ・q,WB=先 (2πWB),WA=転 W=aWA十 (1-a)WBで あ るので,供 試体全体 の平均 としての履歴減衰係数 hは , ll(=hcs)=ムW/(2πttD =(a。 (1-a)。 2π WBhB)/(2π 2π WAhA十 十( 1 - a ) W B } ) =(aXhA+(1 a)hB)/(ax+(1-a)hB) -OH r@ 究 部分 でのひずみ レベ ルは 先 である。 よって,次 式が得 られる. ε l=a(%)十 (1-a)(ら ) この測定時点では ε A=ε 2な ので, X=駄 2) /亀 =(の (1-a))/(εl―aε (6) となる.こ こで,aは 非常 に小 さいと考 えると, X≒ %/εl ひずみ レベ ルに依存 せず一 また,(3)式よりある応カ レベルに対 して, a=((EB/Eeq) 1)/(X-1) 示す例 では,そ れぞれ a=0.023, を得 る.図 9(a),(b)に 0.051であ る.さ らに,εBが 測定 された時 の hAは 転 (=X・先)で の hLDTの 値 に等 しい 以上 よ り,(5)式に よって 先 =d(ら B)sA,hB=hLDT が測定 された時 の履歴減衰係 数 hcs〒 五の理論値 が求 で求 め られる 面を△で示 した。h め られる.図 9に (5)式 は hcsの 測定値 に よ く一致 してい る。 したが って,一 般的に, ベ デイングエ ラーの影響 により履歴減衰係数は 過大評価されることがわかる。 3.実 験 方 法 3.1 繰り返 し載荷履歴の影響 従来,減 衰に及ぼす繰 り返 し載荷履歴の影響は主に共 h et al, 振法土質試験 によって行 われて きた (Drnevに は,数 千回 1970,Thomann et al"1992.).Drnevichら の繰 り返 し載荷履歴を与 えた後のオタワ砂のせん断剛性 率および履歴減衰係数は増加する傾向にあることを示 し 鳥 T ml Ψ r ン . vtrsh--L. . - @ g6v]fr-1{ (5) (aoWA 研 中, 未 知 のパ ラメー タは, a , となる ( h B = h L D T l ・( 5 ) 式 h A , お よび X で ある。 2か ら, hcs(=⊃ は 図 9に よれば hLDT(=hB)は ε ε い い ε る.言 えると 換 lを 測定 した時点 lか ら増加 して ベ ルは であ レ り,緩 みのない での緩み層 でのひずみ ら が得 られ る.こ こで,Xは 定であると仮定す る. (1) 産 6. 0 ♂ 1 ︲ 図 砂 の hcsと hLDTの 比較 図11 上 下端面に緩み層が存在 する供試体 の模式図 ∼ 図1 2 図 1 1 に示す供試体か ら得 られる応力 ひ の模式 図 ずみ関係 生 産 研 究 45巻 8号 (1993.8) た。一方,Thomannら は繰 り返 し載荷履歴 を与 えた後 の砂 のせん断剛性率はわずかに減少することを示 してい る.こ のように,減 衰 に及 ぼす繰 り返 し載荷履歴 の影響 に関する研究は未解明な部分が多 い。本節 では,等 方圧 密後 の繰 り返 し三軸試験 (VR試 験)結 果 と,等 方圧密 後 に 載 荷 周 波 数 0.5Hz,軸 ひず み 片 振 幅 (■)sA= 0.04%の 繰 り返 し載荷履歴 を500および68,000回与 えた 後 の繰 り返 し三軸試験 (CP試 験)の 結果 を示す。なお, 繰 り返 し三軸試験 は載荷周波数0.lHzで ,一 定 の偏差 応力片振幅 を15波与えるステ ージ試験 で行 った。図1訳a) して正規化 してい る.CP試 験か ら得 られた初期ヤ ング 率 (Emax)PREと VR試 験 か ら得 られた初期 ヤ ング率 &問 黒溜10.5粧 蜘mA2 1Dr a ( )=No.oF bading cycles dutt CP 3 0 ” きはあまり変 わ らないが,履 歴ル ープの面積 は大 きく減 は,軸 ひずみ片 少 してい くことがわかる。図14(a)∼ (C)に 振幅 (LDTに よる)と 履歴減衰係数 の関係 を示 した。 図1まa)(b)での履歴 曲線 に対応 す るデ ー タポイン トを記 履歴 の影響は大 きい と言 える. 図15にVR試 験 と他 の CP試 験で得 られた初期ヤ ング 率 の比較 を示 した.初 期ヤ ング率は間隙比の影響 を考慮 ぃ 一 o﹁●L ¨綱 ヽ口罵 ∩ (b)は ,密 な豊浦砂 とTicinO砂に対 して実施 した VR, CP試 験 の15波 目の履歴 ループを示 している.繰 り返 し 載荷履歴 を与えると履歴 曲線 の ピークとピークの間の傾 CP 500回 後 で は 約 0.015%,CP 70,000回 後 で は 約 0.02%).こ のことは,砂 に与 えられる繰 り返 し載荷履 歴の増加 につ れ,弾 性的なひずみ レベル も増加す ること を示 してい る。 したが って,減 衰に及ぼす繰 り返 し載荷 号 a∼fで 示 した.密 な豊浦砂 および TicinO砂で繰 り返 し載荷履歴 の増加 とともに hは 減少 して い ることがわ か る.さ らに,VR試 験結果で は0.001%(10 5)程 度 の ひずみ レベ ルか らhが 増加 してい るのに対 して,与 え られる繰 り返 し載荷履歴の増加 につれて,hが 増加す るひずみ レベ ル も増加 して い る (密な豊浦砂 の場合, 剛 毬 悧躙渕 _05 kgttlnA2 LDr ()=No cyclcs durlng CP 剛 ジ ofloading 晰 〓 握 曽〓 パ 嘘 ︵NくE pc“こ σ ″∽oし ∽o■9 輌 >o 0 DenseToyoun smd LDT 〆 (b) 000L O ∞1 .001 .01 A対 al strttn(%) Axial s■dn(%) 8 0 ・ 0 ( ) = No. of loading cycls duing cP 噺 酬 燎 バき , ¨綱 3日 ヽ ∩ 嘘 σ メ 一2 ● o¨ ﹄9 綱 ≧ バ ︻ ■ 0 あ 0 0 お くE ミ ﹂¨こ /ノ DeN Ticino smd P.u.tut" = 0.5kgf/cm^2 ffning (c) ( )r^'o ddiorsk&qe 1 ﹂0 0 ∞Ю 1 Axialsmh(%) 図 13 V R 試 験 お よび C P 試 験 で の 履 歴 曲線 l a ) 密な豊 浦 砂 , lb)密 なTldnO砂 Axial strJn(a/● ) 図 14 繰 り返 し載荷履歴 による履歴減衰係数の減少 な豊浦砂 , ( b 緩 い豊浦砂 , ( C ) 密なT i d n O 砂 la)密 生 45巻 8号 (19938) △Dralned o O.alnod (p.jkgi′̀m2.r=σ 1/o3ゞ (075.252) a (O 5.1.O) 研 究 Cyclic Mdotonic A oc=/6cKF€ 産 E O LDT I a Proximeter : ・ undralnod (lo.10) Orained(1010) . eШ︶ u c o︼ヽ 共x ︵ ” 枷 鰤 g 8 0。 ︵cC, ︶ u ﹂ Ш O (No. ol cfclic preslraining. cycles) ﹂輌 (=3O.OOO) Toyoura sand | flaxtat Iesl 2000 ca or(Ca)sA(%) 2500 差異 は±10%以 内の範囲 にある.す なわち, (Emax)vIRの 初期ヤ ング率 に及ぼす繰 り返 し載荷履歴 の影響 は,月ヽさ い と言 える. 3.2 載 荷波形 ・載荷速度の影響 砂 の実験 では,同 一 の繰 り返 し回数で共振法土質試験 と静的繰 り返 し試験での減衰 はほぼ同一であ り,載 荷速 度 の影響 はないこ とが示 されている (Kim et」,1991). OL O.OIX11 0.OIX11 しか し,粘 性土 では載荷周波数が10Hzを 越 えると減衰 が大 きくなることが示 されてい る.こ れは,共 振法土質 試験では載荷周波数が大 きくなることによる水 の粘性抵 抗 の影響 によると考 えられる。一方,澁 谷 ら (Shibuya び載荷波形がせ ん断剛性率お よび減衰に及ぼす影響 を報 告 してい る.澁 谷 らによれば,繰 り返 し載荷周波数がせ ん断剛性率 に与 える影響 は小 さいが,繰 り返 し載荷周波 数 (f=0.005∼0.083Hzの範 囲)が 大 きい ほ ど減衰 は 小 さ くなってい る.こ れはク リープの影響 によるもの と 0 1X11 0 01 0・ Slngle nmputllde ttal s嗣 ヽ(CDゝ(%) 1 aお よび (りsA関係 図16 礫 のEsccおよびEeq∼ε な名古屋礫,(b)密な姫礫 la)密 む だE ︵oαΣ ︶ ︵ 0︶ ミ ■5 ︵ Ш︶ et al,1994,澁 谷 ら,1993)は ,正 規圧密粘性土 に対 し て繰 り返 しね じりせん断試験 を実施 し,載 荷周波数 およ Dese ElEe Gnvd σ。 一一 ● 一●E O﹁ S¨ ´c卜 一E聖 ●こ ョけい ば ●¨ 比較 図15 砂 の VR試 験 とCP試 験での (Emax)/F(elの ︵c﹄ ゝ じ (E_x)vn/f(e) Nagoya Gravel ProximeterLDT. initialslress oc'(kPa) r O 0 20 △ ▲ 0 ■ 49 785 100 考 えられる。 したが って,粘 性土 の減衰に及ぼす載荷速 度 の影響 については,未 解明な部分が多 く,微 小な載荷 周波数領域か ら大 きな載荷周波数領域 に至 る広範囲な領 域での系統的な研究が必要 とされる。 さらに,載 荷波形 としてサイ ン波 と三角波の影響 について検討 してい るが, せん断剛性率 お よび減衰特性 に顕著な差 は見 られない と してい る. 4.密 な礫の減衰特性 密 な礫 に対 して実施 した静的単調載荷 図16(a),(b)に (ML試 験)お よび繰 り返 し三軸試験 (CL試 験)の 試 よれば,拘 束圧 に依存せ 験結果 の例 を示 した。図16(a)に 一 ず ML試 験 と CL試 験 の初期弾性 ヤ ング率 は 致 して い る (図17参照)。 また,ギ ャップ セ ンサ ー を用 いて Eeqは,LDT キャップ上部 の預1定か ら得 られた Esec・ {1at= ‐ 0 0 (2.17-ef ( 1+ s ; - 150 2∞ 1∞ ((鴫nax)monolont)/f(e)(MPa) 比較 図1 7 礫 の V R 試 験 と C P 試 験 で の ( E m a x ) / F ( e ) の 50 Eeqよ り小 さい。これは, に よる測定か ら得 られた Esec・ ー 砂 の場合 と同様 ,ベ デ イングエ ラ によるものである. 図laa),(Dは,cL試 験か ら得 られた履歴減衰係数 hと 軸 ひず み片振幅 (ε a)sA関係 の例 を示 してい る 図 19に は,ギ ャップセ ンサ ーによって得 られた hcsと LDTに よって得 られた hLDTの 比較 を示 した.図 よ り,ベ デ イ ングエ ラーの影響 によ りhcsは 過大評価 され ることが 45巻 8号 (19938) 生 産 研 究 . OF一 “0 ∽一 〇0﹂0一 ●、エ 〓 0〓●C OC一 キ ャ ップの動 きか ら測 定 され た軸 ひず み に は ベ デ ィ ング エ ラ ー に よる誤 差 が含 まれ過 大 評価 され る。 す σcI=78 5 kPa ● ° なわ ち,従 来 の 方 法 で測 定 され た等 価 ヤ ン グ率 は過 小 評 価 され て い る. { :悪 告h d e r : 《 lTrギ:l「 駈 ぉi:lii:f f、 ロ 従 来 の 方 法 で 測 定 さ れ た 履 歴 減 衰 係 数 hは ,ベ デ ィ ン グエ ラ ー の 影 響 に よ り過大 評 価 され て い る (a) らに,hが 急 増 しは じめ るひず み レベ ル は大 き くな る 口 ° 口 。 θ 地 盤材 料 に繰 り返 し載荷 履 歴 を加 え る と,等 価 ヤ ン グ率 は変化 しな い が ,履 歴 減 衰係 数 は減 少 す る.さ (1993年5月 12日受理) Single Amplitude Axial Strain, (Da)sA(%) DenseHime Grav€l 参 考 文 献 1) Drnevich,V oc'=78.5kPa ed).480 P and Richart Jr,FE(1970)Dynamic ●■日 “●■ 日 ●● ´3 ﹄o場ど ■. PreStraining of dry sands, Journal of The SOil Mecha‐ nics and FOrndations Division,ASCE,V0196,Sh/12,pp 451-469 Got。,S,TatsuOka,F,Shibuya,S,Kim,YS,and Sato,T (1991)A simple gauge for 10cal small strain measurements in the labOratory,Soils and FOundations, 31-1,pp lo9-180 Kim,DS,Stokoe,K H II,and Roesset,JM (1991) 0 0 . ﹂ 呻 鳳 CharacterizatiOn Of Meterial Damping Of SOils Using Resonant Column and TOrsional Shear Tests,Proc 5th lnt COnf,On SDEE,Univ Of Karlsruhe,Germany,Spt Single amp■ tude a蓋 al strain,(ca)sA(%) 図1 8 礫 の h ∼ ( ε a ) s A 関係 (a)密 な名古屋礫 , ( b ) 密な姫礫 K o k u s h o , T ( 1 9 8 0 〉C y c l i C t r iaal対t e s t O f d yi nc a ‡ sOil vide strain range,Soils and Foundations, properties fOr、 Vo1 20,No 3,pp 46-60 Shibuya, S, Mitachi, T, Fukuda, F and Degoshi, T 02 (1994)Strain rate effects On shear modulus and damp‐ ing of nOrmally consOlidated caly, ASTM STP1213, Dynamic Geotechnical Testing,in print 澁谷啓 ・荒川哲一 ・細野高康 ・井口弘 。中島雅之 。田中 01 ∽OC 洋行 ( 1 9 9 4 ) : いくつ かの沖積粘性土地盤 のせ ん断岡1 性 率 ( その 2 ) 室 内繰 り返 し試験による測定, 第 2 8 回土質 工学研究発表会講演集 TatsuOka,F and Shibuya,S(1992)DeformatiOn char‐ σc l ( k P a ) acteristics Of sOl and rOcks form ield and laboratOry tests, Keynote Lecture for SessiOn l, PrOc 9th Asina Reginal COnference,BangkOk,VOI II,pp 101-170(re : i!51Nagoya ● 785 Hime 0002 0002 001 01 02 hLDT 図19 礫 の hcsと hLDTの よヒ較 わかる. 調査 ・室内試験 ・逆解析による土 と岩の変形係数 ( その 1 , そ の 2 ) , 生 産研究 V o 1 4 4 , N 0 1 0 , 3 6 4 2 頁 Thomann,T G and Hryciw,RD(1992)Stiffness and strength changes in cohesiOnless soils duetO disturb ance, Canadian GeOtechnical JOurnal, VO1 29, pp 5.ま と め 以上 をまとめると以下のようになる。 1)正 確 な履歴 減衰係数 hを 求め るためには,試 験 を 実施す る前 に必ず測定系 の時間誤差 の検定 を実施 し, 見かけの hの 補正 をする必要がある。 10 printed as Report of the lnstitute of lndustrial Science, Univ of Tokyo,VO1 37,No l) 龍 岡文夫 ・木幡行宏 ・金有性 ・澁谷啓 ( 1 9 9 2 ) : 原位置 853-861 TOkimatsu,K,MidOrikawa,S and Yoshimi,Y (1989) Dynamic soil prOperties obtained frOm strOng motion records,Proc Of The 12th lnt Conf on SMFE,V01 3, pp 2015-2018