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2.公共施設の現状と課題

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2.公共施設の現状と課題
公
2 公共施設の現状と課題
2-1.公共施設の現状
本区には、主に区職員が職務を遂行する場所としての庁舎や、区民が利用する集会施設、
図書館や体育施設、子どもや高齢者、障害者のための様々な用途の施設などがあります。
本計画では、設置根拠や使用目的などを基に、【図表 2-1】のように分類します。
【図表 2-1】対象施設分類
施設分類
主な施設
集会施設
集会施設
学校教育施設
小学校、中学校
子育て支援施設
保育園、児童館・こどもクラブ
高齢福祉施設
高齢者福祉施設、高齢者住宅、特別養護老人ホーム
障害福祉施設
障害者施設
文化施設・公会堂
文化施設、公会堂
体育施設・校外施設
体育施設、校外施設
生涯学習・図書館施設
生涯学習施設、図書館
保健所
保健所
産業・観光施設
観光施設、産業施設
環境・清掃施設
環境施設、清掃施設
庁舎等
庁舎、区民事務所・地区センター、その他の事務所、職員寮
その他の区有施設
旧学校、病院
【図表 2-2】対象施設分類別の施設数
生涯学習・図書館施設
3
集会施設
3
環境・ 清掃施設
3
産業・ 観光施設
4
その他の区有施設
2
学校教育施設
27
保健所
4
体育施設・校外施設
5
文化施設・公会堂
5
障害福祉施設
6
高齢福祉施設
11
子育て支援施設
17
庁舎等
13
上段:施設分類名
下段:施設数
施設数合計:103棟
-5-
対象施設のうち、最も多い施設が<学校教育施設:27施設(26%)
>、次いで、<子育て
支援施設:17施設(17%)
>、<庁舎等:13施設(1
3%)>となっています。
また、対象施設のうち、築 30年以上経過した施設が全体の過半数(53
%)を占めています。
さらに、10年後の平成 38年度には全体の 8割の施設が築 30年以上になるなど、区有施
設の老朽化が急速に進行します。
なお、全体の半分近くある旧耐震基準(昭和 56年以前)の施設に対しては、耐震化が
完了していますが、確実に安全性を確保するためには、計画的な保全計画が必要となりま
す。
【図表 2-3】対象施設の築年数
5 0 年以上
6 施設
5 .8%
築 30年以上の建物
55棟(53%)
1 0 年未満
9棟
8 . 7%
1 0 ~19年
12 棟
1 1 .7%
4 0 ~49年
21 棟
2 0 .4%
棟数合計:1
03棟
3 0 ~39年
28 棟
2 7 .2%
2 0 ~29年
27 棟
2 6 .2%
【図表 2-4】建築年別棟数および累計延べ床面積
(施設数)
(延べ床面積:㎡)
8
500,000
旧耐震基準(昭和 56年以前)
新耐震基準(昭和 57年以降)
395,442㎡
7
累計延べ床面積:1
74,6
84㎡
累計延べ床面積:2
20,7
58㎡
450,000
400,000
6
350,000
施設数
5
18,294㎡
延べ床面積(㎡)
4
300,000
250,000
200,000
3
150,000
2
100,000
1
50,000
0
0
(建築年)
-6-
2-2.公共施設の課題と今後の取組み
1.施設の長寿命化
これまでの施設整備の考え方は、新築、改築が前提となっており、建物の大規模改修や
機器の更新などが適切な時期に行われていませんでした。今後は、財政状況や環境配慮の
視点などを踏まえて、既存施設の有効活用を中心とした施設整備の考え方に転換する必要
があります。
そのため、適切な保全を行い、施設の長寿命化を図る必要があります。
(1)施設性能要求への対応
建築物は、使用年数の程度により部位・部材および設備ごとに劣化や陳腐化が進行する
とともに、バリアフリーや省エネルギー化といった新たな要求と現状の建物との性能に差
が生じてきます。そのため、改修に際しては、その時の要求性能に合わせた改修工事の実
施を検討します。
(2)ライフサイクルコストの縮減
施設を改築、大規模改修する場合、ライフサイクルコストの縮減にも視点を置いた設計
を行う必要があります。
2.事後保全から予防保全への転換
中長期保全計画の策定や定期の点検を実施し、機能・性能の劣化を事前に把握し、故障・
事故を未然に防ぐ「予防保全」に転換する必要があります。
(1)計画的な保全の実施と財政負担の平準化
これまでの施設の保全は、所管ごとに短期的な計画に基づき実施しており、取組みにば
らつきが見られました。また、長期的な視点での修繕計画が無いため、長期の財政負担の
予測が困難な状況でした。さらに、施設の使用年数を設定しておらず、建替えの直前に修
繕工事を行うなど、無駄な保全措置が行われる可能性もあります。
本区の施設の半数以上が建築後 30年を経過していることから、今後の改修・更新費用
が増大することは確実です。
そのため、全施設の長期的な保全計画を策定し、将来の財政負担を予測して、全庁的に
計画的な保全に取組む必要があります。
(2)点検の充実
建築物は、建築・電気設備・機械設備の各部位で構成されています。施設の点検につい
ては、建築基準法に基づく点検等を実施していますが、予防保全実施のためには、施設の
状況を早期かつ的確に把握していくとともに、建築・電気設備・機械設備といった部位別
に劣化度の判定を行っていく必要があります。
-7-
そこで、点検項目を充実し、修繕の優先度の判断ができるような劣化評価が必要となり
ます。
(3)保全情報の一元管理
施設の修繕履歴、劣化状況、点検報告などの情報が各所管課で保管され、一元化されて
おらず、施設の状況を把握するのに時間がかかり、十分に活用されていない状況です。
そこで、施設情報、修繕履歴や点検記録などの情報を電子化し、一元管理することが必
要です。
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