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環境科学部とは
Faculty of Environmental Studies Nagasaki University 日本の西端に位置する長崎県は、日本一長い海岸線や多 の日本の近代化の礎を築きました。 くの島々と半島からなる自然豊かな所であります。また、 このように長崎は、異文化交流の窓口としての輝かしい 長崎は東・東南アジアの海域に面し、古い昔から朝鮮半島 歴史を持っています。その一方では、第2次世界大戦にお をはじめ、中国大陸、それに東南アジア諸国との長い交流 いて原爆を投下され、現在まで尾を引く多くの問題を抱え の歴史をもっています。 ています。長崎が広島とならんで、平和の尊さを世界に発 長崎は2000年に日蘭交流400年を迎えました。そのヨ 信してきたことは広く知られています。 ーロッパや中国との貿易、文化の交流の拠点になったのが 古来からの外国との交流、そして原爆の経験、これらは 「出島」や「唐人屋敷」でした。これらが東西文化の「海 いずれも長崎に「歴史的実験の現場」という特別な意味を のクロスロード」となり重要な役割を担っていました。 与えてきました。近年はアジア諸国との経済的なつながり 出島の3学者と称されるケンペル、ツュンベリー、それ を強めていますが、同時にアジアの産業の目覚ましい発展 にシーボルトらは、きわめて精緻な日本研究を行い、風土、 は、この地域に独特の環境問題を生み出しています。こう 本草、政治、経済、信仰、伝統文化など当時の日本のすが した中にあって長崎大学環境科学部・大学院生産科学研究 たをヨーロッパに伝えました。一方、西洋や中国の文物流 科(環境科学系専攻)は、歴史・文化の蓄積と経験、及び東・ 入の玄関口であった長崎に、海外の新知識を学ぶために日 東南アジアの海域に位置する地域的特性を生かし、九州と 本全国から多くの長崎遊学の学生がおとずれました。彼等 いう地域的アプローチはもとより、さまざまな地球規模の はヨーロッパやアジアの文物や情報を受け入れるばかりで 環境研究の先駆的役割や文化交流、そして平和の追求に真 なく、医学、自然科学、兵学、思想等のほか、オランダ語、 摯に取り組む人材の育成をめざしています。 英語、中国語などの言語を学び、それを普及させ、その後 環境科学部とは ……………………………… 2 何をどう学ぶのか …………………………… 4 カリキュラムの特徴 入学から卒業まで 履修モデル ………………………… 6 …………………………… 8 …………………………………… 10 研究の深化をめざして 研究分野 ……………………… 18 ……………………………………… 20 卒業後に予想される進路 …………………… 24 快適な学生生活をおくるための制度と施設 …… 26 課外活動 ……………………………………… 30 在学生メッセージ 学部長あいさつ …………………………… 32 ……………………………… 33 1 環境科学部とは 教員組織 環境科学部 環境科学科 環境政策コース 人間社会環境学系 環境保全設計コース 環境保全設計学系 ◎入学定員 140名 (うち外国人留学生 8名) ◎第3年次編入 10名 大学院生産科学研究科(環境科学系専攻) 教育学部・教育学研究科 経済学部・経済学研究科 医学部 歯学部 薬学部 工学部 長崎大学 環境科学部 水産学部 生産科学研究科 医歯薬学総合研究科 国際健康開発研究科 熱帯医学研究所 医学部・歯学部附属病院 附属図書館 2 3 何をどう学ぶのか 4 5 カリキュラムの特徴 ■ 文理共通の共通科目、そして文系は理系の科目から、理 環 境 科 学 科:授 業 科 目 系は文系の科目からそれぞれ融合科目として履修するこ とになっていますので、他の系列の知識を吸収すること ができます。 ■ 基礎的科目(共通科目)から専門科目への履修がよりス 共通科目 ムースに行えるように、橋渡し的役目を果たすコース基 礎科目群を充実させています。 ■ 全学教育の「情報処理入門」だけではなく「環境情報処 履修コース 理」などコンピュータを用いた情報処理教育が充実して います。インターネットなどを通じた地球規模での環境 保護のネットワークなども身近に感じることができます。 ■ 環境に関連する職業に従事されている方々を講師として 招いて開講される「環境科学特別講義」では、現場での コース基礎科目 (必修科目) 環境問題の取り組みについて理解を深めることができる 環境科学概論A, B, C 言語コミュニケーションAⅠ, AⅡ 環境情報処理, フィールドワーク入門 環境倫理学, 環境経済学Ⅰ, 環境法Ⅰ, 環境社会学Ⅰ 基礎数学A・B, 基礎物理学A・B, 基礎化学A・B, 基礎生物学A・B 環境政策Ⅰ 環境国際関係論 社会調査論Ⅰ 環境哲学Ⅰ 文化環境論 環境政策基礎演習 環境政策演習 応用数学 熱力学 有機化学Ⅰ 環境計測学 地球科学 生態学Ⅰ 生理科学 環境保全設計演習 環境保全設計基礎実験 環境保全設計実験 環境法Ⅱ 民法Ⅰ 行政法 環境マネジメント論 環境社会学Ⅱ 環境哲学Ⅱ 環境思想史 メディア環境論 言語環境論 異文化交流論 中国文化論 日本文化論 環境人類学 社会調査論Ⅱ 環境政策Ⅱ 環境アセスメント論 地域計画論 民法Ⅱ 環境紛争処理法 自治体環境行政法 環境経済学Ⅱ 生活環境論 環境教育論 環境史 環境民俗学 地域文化論 文化構造論 都市文化論 廃棄物経済学 地域技術論 地域環境研究(中国語圏) 地域環境研究(フランス語圏) 地域環境研究(ドイツ語圏) 環境科学特別講義A, B, C, D インターンシップ 環境放射能論 動物自然史 植物自然史 野外生物調査 都市環境学 環境水理学 生態学Ⅱ 大気環境学 複雑系の科学 有機化学Ⅱ 分析化学 環境制御工学 衛生工学 都市設計学 地圏水圏環境学 地震・火山学 環境統計学 環境シミュレーション 生物無機化学 環境化学 環境材料学 環境毒性学 環境遺伝学 保全生物学 植物機能学 環境生理学 適応生理学 分子生理学 環境内分泌学 環境科学特別講義A, B, C, D インターンシップ 環境政策特別研究 環境保全設計特別研究 でしょう。 ■「野外生物調査」や「地域技術論」では、大学の外に出 て現場の体験をすることができます。 ■ 所定の単位を取得すれば「社会調査士」の資格が取れ ます。 ■ 「環境政策演習」や「環境保全設計演習」など少人数の ゼミナールが充実しています。自分で積極的に問題を見 つけだして討議することができます。 ■ 合宿オリエンテーションや担当教員を割り当てるクラス・ 担任制度がありますので、身近に個別指導を受けること ができます。遠慮なく知識を吸収しましょう。 ■ 企業、官庁、NPO などでの就労体験や職業体験を通じて、 実際の仕事の内容、社会人としての自覚と責任などにつ いて学ぶ「インターンシップ」科目が設けられています。 コース専門科目 (選択科目) ■ 環境科学部ではGPA(Grade Point Average)方式により 成績の総合評価を行い、成績優秀者には早期卒業(3年 間で卒業)の道を開き、より高度な学問により早く接す る機会を制度化しています。 卒業研究 (必修科目) 環境保全設計コース (主領域:自然科学) 環境政策コース (主領域:人文・社会科学) 全 学 教 育(一般教育) 共通基礎科目,情報処理科目,健康・スポーツ科学科目,外国語科目 人文・社会科学科目,人間科学科目,自然科学科目 総合科学科目,開放科目,留学生用科目 6 7 入学から卒業まで 8 9 履修モデル [環境政策コース] 地域の環境問題に関わる 1年次 〔共通科目〕 環境社会学Ⅰ 環境科学特別講義 (地域技術論入門) 環境行政を学ぶ ∼地域と関わりながら 問題を発見し解決する∼ 環境問題は理解するためにあるのではありませ ん。「解決」するためにあります。 2年次 〔コース基礎科目〕 社会調査論Ⅰ 〔コース専門科目〕 地域技術論 環境マネジメント論 異文化交流論 環境人類学 生活環境論 環境アセスメント論 環境政策Ⅱ インターンシップ 4年次 〔卒業研究〕 雲仙をフィールドにした研究 地域監査 NGO,NPOに関する研究 など 10 〔共通科目〕 環境法 環境経済学 環境社会学Ⅰ 環境科学概論 環境情報処理 ∼文理融合の知識を生かして、 地域の環境行政に取り組む∼ 平成18年度から、滋賀県が「環境行政」を専 門とする職員の募集をはじめました。県や市町村 そこで、地域の具体的な環境問題を発見し、そ のような地方公共団体における、こうした環境行 れを解決する能力が求められています。そのため 政職のニーズは今後ますます高まっていくものと に求められるのが、地域作り、地域とのコミュニ 考えられています。 ケーション能力です。長崎大学環境科学部には、 その能力を養うために必要な科目がそろっていま す。 1年次に環境科学の基礎を学びながら、同時 に、「環境科学特別講義」(地域技術論入門)で 具体的な地域の課題を学ぶことが出来ます。2年 次では環境マネジメント論や地域技術論で、実際 に地域にでかけて調査したり、外部の人の監査を 3年次 1年次 2年次 こうした職種に必要なのは、行政や法律、社会 全般のことだけでなく、環境問題にかかわる「文 〔コース基礎科目〕 理融合」の知識です。そのため滋賀県は、環境行 社会調査論 環境政策Ⅰ 政職の採用にあたって、物理や化学といった理科 〔コース専門科目〕 環境法Ⅱ 行政法 環境社会学Ⅱ 系科目をも試験に課しています。 環境科学部の「環境政策コース」は基本的には 文系科目からできていますが、2年次・3年次に する能力を身につけます。 は「融合科目」として理科系科目を複数履修する 3年生になるとそれぞれのゼミに所属しなが ことが必要とされています。 ら、より実際的な内容のカリキュラムに接するこ こうした公的機関で環境に関わる職業に就くた とができます。 環境科学部では雲仙市と提携しているので、4 年次には卒業研究として雲仙市をフィールドに問 題解決型の研究を行うこともできます。 進 路 〔これまでの実績と予想される進路〕 一般企業:環境シンクタンク、コンサルタント 地方自治体:環境政策関連 そのほか:地域作りのNPO起業(会社を起こす) など 3年次 都市設計学 都市環境学 環境アセスメント論 環境政策Ⅱ 環境紛争処理法 インターンシップ 4年次 〔卒業研究〕 環境法に関する研究 環境行政に関する研究 など めには、この学部はうってつけの場所だといえま す。 進 路 〔これまでの実績と予想される進路〕 中央官庁:環境省や国土交通省などの省庁 地方自治体:農林水産業と関連した部門、地域 環境計画や防災計画に携わる部門 11 環境の比較文化を学ぶ 1年次 〔共通科目〕 環境法Ⅰ 環境経済学 環境社会学Ⅰ 社会調査士資格を取得する ∼生物多様性と文化多様性∼ 環境問題解決のキーワードの一つは「生物多様 性」です。生態系を支える生物種の多様性を守る ことが地球環境を守ることにつながる、という考 〔共通科目〕 ∼環境科学部のカリキュラムで 資格を取得する∼ 〔全学情報処理科目〕 「社会調査士」とは、社会調査の知識や技術を 1年次 フィールドワーク入門 情報処理入門 え方です。 る能力を有する「調査の専門家」のことです。社 しかし同時に、地球上の人類社会には数え切れ 会調査士資格には、「社会調査士」と「専門社会 ないほどの多様な文化が存在します。そして、こ 2年次 〔コース基礎科目〕 社会調査論 文化環境論 〔コース専門科目〕 メディア環境論 言語環境論 中国文化論 日本文化論 環境人類学 調査士」の2種類がありますが、環境科学部では の「文化多様性」は環境の多様性と密接につな がっています。 「社会調査士」のみ取得可能です(専門社会調査 環境科学部では、こうした「文化多様性」を、 2年次 文化を比較することを通して学ぶことができま 〔コース基礎科目〕 社会調査論Ⅰ す。 〔コース専門科目〕 この履修モデルでは2年次と3年次に、文化に 用いて、世論や市場動向等をとらえることのでき 社会調査論Ⅱ 士は、大学院レベルの資格です)。 資格の認定は、社会調査士認定機構が行います (日本教育社会学会、日本行動計量学会、日本社 会学会の三学会が、相互の連携協力のもとに、 2003年11月に「社会調査士資格認定機構」が設 関わる科目ラインナップを備えています。 立されました)。これまでに資格制度に参加した 大学は、東京大学や京都大学など128校となって います。 3年次 3年次 生活環境論 環境史 環境民俗学 地域文化論 文化構造論 都市文化論 4年次 進 路 〔卒業研究〕 〔これまでの実績と予想される進路〕 地域文化と環境に関する研究 伝統的な環境利用に関する研究 アジアの環境問題の比較研究 など 12 文化構造論 環境統計学 ・マスコミ・出版など情報コミュニケーション産業 ・環境・開発などに携わるNGO ・大学院進学 など 4年次 〔自由科目〕 社会調査演習AB 環境科学部では、指定された科目を受講し、所 定の事務手続きをすれば社会調査士資格を取得で きます。 進 路 〔これまでの実績と予想される進路〕 ・シンクタンク、新聞社 など 13 履修モデル [環境保全設計コース] 環境修復・環境改善について学ぶ 1年次 共通科目を中心に 基礎化学、基礎生物学、 基礎物理学、基礎数学、 環境情報処理 など 化学・生物学・工学などの幅 広い知識を活用して、生活環 境の改善方法・環境に対する 負荷の少ない新しい材料の開 発に取り組む 地球科学の視点から環境を学ぶ 1年次 共通科目を中心に 基礎物理学、基礎数学 環境情報処理 など 水・大気・土壌など私たちの環境が劣化してい 2年次 基礎科目・専門科目を中心に 応用数学、熱力学 有機化学Ⅰ,Ⅱ 環境計測学、都市環境学 環境保全設計基礎実験 A ・B など 3年次 コース専門科目を中心に 衛生工学、都市設計学 環境制御工学、植物機能学 環境材料学、環境化学 環境統計学、環境シミュレーション 環境保全設計実験 C, D など る今、このような環境を修復・改善する方法や、 環境に優しい新素材の開発が求められています。 例えば、安全な水質を確保するための水の浄化 方法、環境負荷の少ない新しい化学素材の開発、 生物を利用した環境修復、安全な住環境の設計な 火山活動や地震、海流・海洋環境の変化、河川 2年次 基礎科目・専門科目を中心に 応用数学、地球科学 大気環境学、環境水理学 熱力学、複雑系の科学 環境保全設計基礎実験A・B など 〔卒業研究〕 14 物の生存に直接的な影響を与えます。 これらの事象の発生や変化を観測・把握し、そ の仕組みを解明すると同時に、環境改善に向けた 実現可能な提言を行うためには、地球科学の各論 を学ぶとともに、その基礎となる物理学や数学の 素養や生物機能に関する知識が必要です。 素養が必要です。 1年次に、物理学、化学、生物学、数学、情報処 1年次に、物理学、数学、情報処理の基礎を身 理の基礎を学んだ環境科学部生は、2、3年次に に付けた環境科学部生は、2、3年次には地球科 は左のような関連分野を幅広く学び、多角的な視 野を身につけます。 卒業研究では、それら物理学・化学・生物学・ 数理モデル・工学に関する知識と技術を活用し て、環境修復・改善のための手法の開発、環境負 3年次 コース専門科目を中心に 地圏水圏環境学 地震・火山学 環境統計学 環境シミュレーション 環境保全設計実験 A など 〔これまでの実績と予想される進路〕 一般企業:環境測定技術・環境リスク評価部門、 環境開発・産業廃棄物に関する環境関 連企業、都市環境に関する土木・建築 業界、エネルギー・化学産業界 など 官庁・自治体:環境測定・保全部門、廃棄物処理 に関する部門 など 学の各分野とこれに関連する専門分野を幅広く学 びます。 卒業研究では、大気、地質、火山、海洋など研 究室ごとの解析対象について、観測データを収 集・解析し、計算機シミュレーションなどを用い た将来予測を行います。 進 路 進 路 ・公共用水域・飲料水の浄化・浄水手法 ・導電性や蛍光性を示す機能性化合物 ・植物の機能を活用した環境修復技術 ・斜面市街地の住環境 など 堆積地層の生成、大気の組成や温度の変化は、生 どを目指す場合、環境を工学的・化学的に捉える 荷の少ない新規素材の開発などに取り組みます。 4年次 大気、火山、地質、河川、海 洋など地球科学に関する知識 を学び、グローバルな環境に 目を向ける 4年次 〔卒業研究〕 ・火山の活動、地震、河口域における堆積過程、 アジア・豪州など地域における降水量、沿岸域 の潮流や内湾の水質 などに関する解析 など 〔これまでの実績と予想される進路〕 一般企業:環境アセスメント部門、環境測定技 術、環境解析部門 など 官庁・自治体:地域環境のモニタリング部門、 環境情報の収集・解析部門、環 境問題に関わる国際協力の推進 部門 など 15 生態系の変動と保全について学ぶ 生物学・生態学の知識を活用 し、動植物と生態系の保全を 目指す 1年次 共通科目を中心に 基礎生物学 フィールドワーク入門 環境情報処理理 など 2年次 共通科目を中心に 基礎化学、基礎生物学 フィールドワーク入門 環境情報処理 など 化学と生物学(主に生理学・ 生化学)の知識を活用して、 化学物質の環境影響評価に取 り組む 産業活動であれ日常生活であれ人間活動によっ 小・分断、温暖化や海流変化による環境の変化に て生じる化学物質による環境汚染は、日々、深刻 全体の大きな変化を招いています。 生態学Ⅰ・Ⅱ 動物自然史、植物自然史 野外生物調査、生理科学 環境保全設計基礎実験 A・B など 1年次 人間活動による野生生物の生息環境の悪化・縮 より、特定の動植物の分布に変化が生じ、生態系 基礎科目・専門科目を中心に 環境汚染物質を分析し、生物に対する影響を学ぶ 元来の生態系を保全し、均衡の保たれた個体群 2年次 基礎科目・専門科目を中心に 有機化学、分析化学 環境保全設計基礎実験 A ・B 環境放射能論 など さを増しており、そこに棲息する生物と生態系に 与える悪影響が懸念されています。 化学物質による環境負荷の問題を解決に導く 分布を維持・管理するためには、生態学に関する ためには、どのような種類の化学物質がどれく 素養が必須となります。 らいの量あるかを明確にする正確な分析と生物 に与える影響の評価の双方に関する知識と技術 1年次に基礎的な生物学を学んだ環境科学部生 が必要です。 は、2、3年次において生物と生態系、それらの 保全に関連するさまざまな学問領域を幅広く履修 3年次 し、専門的知識を習得します。 コース専門科目を中心に 卒業研究では、それら知識・技術を生かし、各 保全生物学 適応生理学、植物機能学 環境毒性学、環境統計学 環境保全設計実験 B など 研究室のテーマに応じたフィールド調査を実施 し、生態系の現状解析と保全に向けた提言を行い 3年次 コース専門科目を中心に 環境毒性学、環境内分泌学 分子生理学、環境生理学 環境制御工学、環境統計学 環境保全設計実験 B ・C など ます。 1年次に化学・生物学と分析データ処理方法 の基礎を学んだ環境科学部生は、2∼3年次に おいて関連する専門領域を幅広く習得し、多角 的な視野を身につけます。 卒業研究では、それら知識・技術を活かし、 実際にフィールドから採取した環境水・生物試 料の分析や、化学物質による生物影響評価を実 施します。 進 路 進 路 4年次 〔これまでの実績と予想される進路〕 〔卒業研究〕 ・哺乳類個体群の調査と保全 ・植物(藻類、蘚苔類など)の生息域や 多様性の調査と保全 16 など 一般企業:環境に関連する土木・建築業界、生物 的環境測定・環境リスク評価部門など (関連資格:ビオトープ管理士) 官庁・自治体:環境のモニタリング・保全部門、 農林水産業と関連した環境評価部 門 など 4年次 〔卒業研究〕 ・環境中の化学物質の分析 ・化学物質が生物に与える影響の評価(微生物か ら哺乳類まで) など 〔これまでの実績と予想される進路〕 一般企業:化学物質の分析部門、化学的環境測 定や環境リスク評価部門、環境アセ スメント部門、医薬品業界、など 官庁・自治体:生物学・化学的手法を用いた環 境モニタリング・環境保全部門 など 17 研究の深化をめざして 大学院生産科学研究科 博士前期課程 博士後期課程 機械システム工学専攻 システム科学専攻 電気情報工学専攻 海洋生産科学専攻 環境システム工学専攻 物資科学専攻 物資工学専攻 環境科学専攻 水産学専攻 環境共生政策学専攻 環境保全設計学専攻 ―環境科学系専攻― 博士後期課程 博士前期課程 環境科学部 18 環境科学専攻(8名) 共生環境創成学 環境動態解析学 ・人間環境基礎学 ・地球環境解析学 ・地域共生環境学 ・化学環境計測学 ・環境調整政策学 ・生物機能解析学 環境共生政策学専攻 (8名) 環境政策・管理 社会文化環境 環境保全設計学専攻 (17名) 環境設計・解析 環境化学 環境生物科学 環境科学科(140名+編入学10名) 環境政策コース 環境保全設計コース 19 研究分野 ■人間社会環境学系 人間社会環境学系は、環境政策学、環境経済学、環境法 環境としての人間社会の具体的姿は、人間の諸活動の直 学、環境社会学、環境歴史学、民俗学、文化人類学、文化 接的痕跡がほとんど見られない原生自然wildernessに近い 環境学、環境倫理学、環境哲学等の諸学から成ります。 ものから自然を様々に改変し多くの人工物を有する極めて 私たちがその中で生きる環境は、自然に根源的に支えら 高度に発達した現代社会に至るまで多様です。人間社会環 れながら、生命が再生産される生態系という側面と人間の 境学系に含まれる諸学は、このような環境としての人間社 活動によって築き上げられてきた人間社会という二つの側 会の現状分析、実現すべき持続的社会のあり方とそれへの 面を有しています。本学部は、この環境の二つの側面に着 移行をめぐる諸問題、環境としての人間社会の歴史的変遷 目し、前者を主として研究対象とする諸学を環境保全設計 等について、主として人文学的・社会科学的方法を用いて 学系に、後者を主として研究対象とする諸学を人間社会環 考察します。 境学系に編成しています。 20 氏 名 専門分野 主な担当科目 主 な 研 究 内 容 法 環 Ⅱ 環境問題,家族問題,児童福祉,情報化社会の諸問題,生命倫理に ついて法律学,とくに民法の側面から研究中です。 学 環 境 政 策 Ⅰ 環境政策に関する経済学からの土台づくり,とりわけ廃棄物政策に おける日独比較を研究しています。 佐 久 間 正 日 本 思 想 史 環 境 思 想 史 自然をどのように捉えてきたのか,自然と人間の関係をどのように理解してきた のか等,自然と人間の相関的認識の歴史,環境思想史について研究しています。 菅 原 潤 哲学・倫理学 環 境 哲 学 Ⅰ 風景を軸として人間と自然,東洋と西洋の関わり方を哲学的,思想 史的に考察します。 園 田 尚 弘 都市文化環境 都 市 文 化 論 ヨーロッパの大都市の環境に社会的,文化的視点からアプローチするこ とが研究の中心です。文化比較,偏見の研究にも長く関わっています。 谷 村 賢 治 生 活 環 境 学 生 活 環 境 論 生活者の目で消費・廃棄,福祉,労働環境の現状ならびに歴史への 接近を試みています。 戸 田 清 環 境 社 会 学 環境社会学Ⅰ 環境問題と南北問題の関連,環境その他の市民運動,<環境正義> 等を研究しています。 早 瀬 隆 司 環 策 環 境 政 策 Ⅰ 多様な利害が交錯し,しかも不確実さが大きくなりつつある環境問 題といかにつきあっていくかを考えます。 姫 野 順 一 経 済 学 環境経済学Ⅰ 経済思想史および経済学の観点から環境評価法の研究に取り組んで います。 福 島 邦 夫 民 俗 学 環 境 民 俗 学 かつて自然と一体化して営まれてきた日本人の生活がどうあったか,そして今後どうあるべ きかを考察します。また,生活文化の総合されたものとして,民俗宗教を考察しています。 吉 田 雅 章 環境倫理思想 環 境 倫 理 学 人と自然とのかかわり方としての文化という観点からの人間と環境 をめぐる基礎を研究しています。 連 清 吉 中 化 中 国 文 化 論 儒家の人間共生と道家の自然共存の綜合から生まれた中国文化の特 質「寛容」について研究しています。 池 田 幸 恵 国 学 言 語 環 境 論 語彙や文字,文体を中心とした日本語の歴史や,現代の敬語,方言 など,日本語の諸問題を研究しています。 才津祐美子 民俗学・文化人類学 地 域 文 化 論 文化環境の継承と活用の現在的な在り方を、文化遺産保全の事例を もとに研究しています。 中 村 修 環 済 環境マネジメント論 地域を豊かにする「いい仕事」の研究と実践(起業)を学生ととも にやっています。 葉 柳 和 則 文化社会学・テクスト理論 メディア環境論 「人間的」環境とは広義のメディアによる表象作用の「効果」であ るという立場から研究しています。 保 坂 稔 環 境 社 会 学 社 会 調 査 論 社会学や社会心理学の観点から,環境保護意識の計量的な分析や, 緑の党の事例研究をしています。 正 本 忍 フ ラ ン ス 史 環 史 自然との共存を危うくしている人間,その人間の歴史と現在につい て研究しています。 増 田 研 社 会 人 類 学 環 境 人 類 学 フィールドワークによるアフリカ(エチオピア)の地域研究を通じて, 文化・政治・経済・自然の複雑さを解きほぐす作業をしています。 松 田 雅 子 英文学・英語教育 言語コミュニケーション 19世紀および現代イギリス小説の研究と環境科学のための英語教 育研究をしています。 和 達 容 子 国 係 環境国際関係論 国家エゴにとらわれず,国境を越えて生じる問題を如何に解決する か。これが研究テーマです。 渡 辺 貴 史 地 域 計 画 学 地 域 計 画 論 都市や農村部に存在する緑地やランドスケープの保全・再生に関わ る研究を行っています。 赤 渕 芳 宏 環 環 科学的な不確実性を伴うリスクの管理に関する法実践の観察と法理論の考 察を行っています。環境汚染の浄化に係る責任論にも関心があります。 生 野 正 剛 民 小 野 隆 弘 経 済 境 政 国 文 語 境 経 際 関 境 法 境 法 境 境 法 Ⅰ 21 ■環境保全設計学系 専門分野 主な担当科目 上江田一雄 構造生物化学 環 学 環境関連物質と生体物質との分子レベルでの相互作用,機能性分子 の構造機能相関 北 村 美 江 植 物 生 理 学 植 物 機 能 学 植物特有の機能を用いた環境修復と環境負荷を減らす有用物質の生 産、および環境ストレスに対する植物の応答の解明 高 良 真 也 環 学 衛 学 新しい化学物質の生体影響(安全性/毒性)評価法の確立,地域に おける環境中の化学物質の動態調査 境 化 主 な 研 究 内 容 自然環境の変動や人為的活動に伴う環境問題を、物理学的、 て環境動態および変動によるストレスを解明し、生物への 化学的、生物学的および情報科学的アプローチによって多 影響を的確に評価して環境保全と負荷低減に向けた実現可 元的かつ複合的に研究・解析しています。環境保全に関わ 能な提言を行っていきます。 後 藤 信 行 環 境 物 理 学 熱 学 地球上の物質循環とエネルギー散逸に熱力学を適用し,環境問題を エントロピーの立場から研究しています。 生態系の変動と保全に関する研究: 田井村明博 適 応 生 理 学 適 応 生 理 学 暑熱・寒冷などの環境ストレスによるヒトの生体反応(特に体温調 節機能)解析と温度適応に関する研究 武 政 剛 弘 大 気 環 境 学 都 市 環 境 学 公共用水域の水質浄化の研究,局地気象の観測および解析,土壌中 の熱移動と地温変動の解析 土 肥 昭 夫 動 物 生 態 学 生 Ⅱ 中・大型哺乳類の生息地における社会生態学的研究と保護管理手法 に関する研究 富 永 義 則 有機合成化学 有 機 化 学 Ⅱ 有機硫黄試薬を用いて合成される蛍光性や化学発光性の機能性複素 環化合物による環境汚染物質の定性・定量法の新規開発 中 村 武 弘 海 域 環 境 学 環 境 水 理 学 沿岸海域における潮流や波に関する研究,内湾の水質汚濁機構や海 水交換現象などの水環境に関する研究 中 村 剛 統 学 環 境 統 計 学 環境変化の健康への影響を評価する為の研究計画設計法と統計モデ ル・シミュレーション・GISを用いた環境健康リスク解析 平 岡 教 子 高分子材料学 有 機 化 学 Ⅰ 極性及びイオン性高分子に関する研究,導電性ポリウレタンの開発 宮 西 隆 幸 分 子 生 理 学 分 子 生 理 学 細胞外環境情報に対する動物細胞組織の分子生命応答 武 藤 鉄 司 地 質 学 地圏水圏環境学 海水準変動のもとでの河川デルタ堆積系の進化と地層形成ダイナミ クス,地層保存のメカニズム,自己組織的地層形成過程。 山下樹三裕 薬 理 学 環 境 毒 性 学 内分泌撹乱物質の生体影響評価およびストレス応答など中枢神経機 能への薬理学的アプローチ。 飯 間 雅 文 藻 類 学 植 物 自 然 史 緑藻アオサ目植物の種分化・環境指標に関する研究や,絶滅危惧淡 水紅藻の保全に関する研究を行っています。 馬 越 孝 道 地震・火山学 地震・火山学 地震発生の仕組み,地震活動の地域性,火山噴火,地震,火山災害 と防災について研究しています。 岡 田 二 郎 動 物 生 理 学 環 境 生 理 学 昆虫などの無脊椎動物における物理化学環境の受容と適応的行動発 現の神経機構 河 本 和 明 大 気 物 理 学 大 気 環 境 学 雲や雨やエアロゾルといった大気粒子の特性や相互作用を主に衛星 観測から解明しようと試みている。 下町多佳志 生物環境工学 環 境 計 測 学 植物の環境ストレス適応応答の非破壊計測,自然エネルギー利用シ ステムの研究,植物の環境適応応答を利用した機能性植物の開発 杉 山 和 一 都 都 市 設 計 学 斜面市街地における居住環境の分析・評価と改善策の提案,都市交 通計画に関する代替案の作成と分析・評価 高 尾 雄 二 環境分析化学 分 環境中の有害有機化合物類の分析手法の開発と環境動態解明 高 辻 俊 宏 物 学 環境放射能論 放射線の生物作用の物理的な枠組みによる検討,原爆や原子炉事故 あるいは天然に起因する環境中の放射線や放射性物質の動態の解明 冨 塚 明 環 境 物 理 学 環境シミュレーション 自然界の複雑な現象や地球環境を理解するために計算機シミュレー ションを用いたアプローチを試みている。 長 江 真 樹 魚類生殖生理学 環境内分泌学 魚類のバイオマーカーを用いた環境ホルモンの生体影響評価に関す る研究,性ホルモンおよび環境ホルモンの生体内輸送に関する研究 中西こずえ 植 物 生 態 学 生 蘚苔類植生を対象に,地域のフロラおよび植生多様性,群落の種多 様性を研究しています。 西 山 雅 也 土 壌 圏 科 学 生物無機化学 る基本技術と応用技術の開発および設計を行って課題解決 につなげていきます。 生存環境の変化に伴って絶滅を危惧される生物種が指摘さ 地球規模の環境変動と保全に関する物理学的アプローチ: れています。指標生物の動態解析や生息域調査等を踏まえ 火山活動や地震、海流・海洋の変化、地層や河川の変化、 て、生態系の保全に向けた実現可能な提言を行っていきま 大気や大気温度の変化は生物生存に直接的な影響を与えま す。 す。これら事象の発生と遷移を観測・把握し、その仕組み を解明すると同時に計算機シミュレーション等の手法によ 生活環境の変化および保健に関する研究: る将来予測を行って、環境改善に向けた実現可能な提言を ヒトをとりまく生活環境および社会環境は、自らの活動に 行っていきます。 よって変化し続けています。生活および社会環境の実際を 明らかにし、それらがどのように変化してきたかの変遷を 22 氏 名 生存環境の変動と保全に関する化学的、生物学的アプローチ: 解析することにより、将来どのような社会環境を設計し、 海洋・河川・土壌・地表環境は、そこに棲息するあらゆる どのような生活をしていくことがヒトと環境との共生並び 生物との相互作用によって化学的にも変化しています。地 に社会の持続的発展をもたらすのかを提言していきます。 球規模の環境変動や人為的活動による環境変化は、生物生 さらに、有害物質への曝露等による健康リスクを評価する 存に直接的な影響を与えます。温度環境、様々な化学物質、 ための数理モデルを構築して、個人の特性に応じた健康リ 環境中の放射線や放射性物質等の環境因子を観測・解析し スク低減と環境保全のための提言を行っていきます。 境 化 計 科 市 計 理 画 生 工 力 態 析 態 学 化 学 学 Ⅰ 土壌圏における微生物および生物化学反応の解析と制御・利用 23 卒業後に予想される進路 地球の温暖化、原油流出事故、産業廃棄物の埋立問題、都市居住環境の悪化など、 現在私たちが直面している環境問題は多岐にわたり、関連する産業はすべての分野にまたがります。 しかし、このような環境問題の原因を的確に把握し、迅速に対処できる専門家はまだ限られています。 したがって、企業や官公庁では、現在人文・社会・自然科学など専門的に分化したさまざまな学問分野を越えて、 総合的な視点にたち、地球環境の保全と人間社会の持続的な発展を図ることができる人材が強く望まれています。 このような状況を反映して、本学部の卒業生に対する各界の期待は大きいものがあります。 卒業生はあらゆる産業分野に迎え入れられています。 このような社会的状況から、本学の卒業生に対して各界から熱 い期待がよせられており、就職内定率は、一期生96%、二期 生97%、三期生99%、四期生99%、五期生100%、六期生92%、 七期生94%となっています。また、卒業後の進路は多岐にわ たることが期待されています。 その一例を以下で紹介します。 ※企業名等は長崎大学環境科学部ホームページ http://www.env.nagasaki-u.ac.jp/mainJ.html(在学生の皆さまへ→企業・公務員/大学院)を参照 時代は日々刻々変化し、環境問題も複雑になっています。 このことから、昨日学んだ知識では対応できない環境問題が今日出現することも予想されます。 そこで、本学部で学んだ専門知識をさらに深化させ、環境科学のリーダーとして、 他の研究者を牽引する人物となる道を歩むことも、本学の卒業生には期待されています。 一期生から四期生の就職内定率は100%、五期生の内定率は95%でした。 24 25 快適な学生生活をおくるための制度と施設 学生生活をサポートする制度(平成20年度) 入学料 282,000円 授業料 535,800円 第二種奨学金(有利子) 45,000円 51,000円 26 27 施設・福利厚生 ■附属図書館 ■留学生センター 長崎大学附属図書館は、中央図書館(文教地区)、医学分館(坂本地区)及び経済 長崎大学には、平成20年6月1日現在で世界各地の37ケ国・地域から341名の 学部分館(片渕地区)で構成されています。附属図書館では、学部学生への学習支援 留学生が学んでおり、今後も留学生数は増加することが見込まれます。これらの と研究者への研究支援の各サービスを提供しています。また、館内に設置されたコン 留学生が日本での生活に適応し、修学に専念できるよう、様々な問題を解決する ピュータネットワークを利用して、学内・学外の学術情報の検索等もできます。 ために本センターが設置されています。 ■研修施設 ■国際交流会館 [臨海研修所] 国際交流会館は、本学における外国人留学生及び外国人研究者の宿泊施設とし 大学前からバスに乗り約30分で風光明媚な大村湾を望む時津町子々川(ししがわ) て設置されたもので、多くの外国人に利用されています。 に臨海研修所(海の家)があり、学生・教職員の研修会、ミーティングなど大いに利 用されています。 宿泊設備も整っており、魚釣りや海水浴もできます。なお、同敷地にはヨット・端 艇部及び漕艇(ボート)部の艇庫もあります。 [九州地区国立大学島原共同研修センター] 九州地区国立大学の学生及び教職員の合宿研修のための施設として昭和51年3月に 完成したものです。共同生活を通じて大学間の交流と相互理解を図り、かつ、学外に おける演習、課外活動など大いに利用されています。同センターは、島原半島の一隅、 市街地まで8キロ、背後に名峰雲仙がそびえ、前方眼下に田園風景や有明海が開ける 景勝地に位置し、同敷地には体育館、ソフトボール場、テニスコート等の施設もあり ます。 ■保健管理 ■大学間協定 [国 名] [大 学 名] 韓 国 釜慶大学校、済州大学校 他 タ イ チェンマイ大学、マヒドン大学 他 アメリカ合衆国 サウスカロライナ大学、アリゾナ大学 他 中 福州大学、武漢理工大学、淡江大学(台湾) 他 国 インドネシア サムラトランギ大学 他 マレーシア マレーシア科学大学 イ タ リ ア トリノ工科大学、ラクイラ大学 他 カザフスタン ※他14国18校 セミパラチンスク医科大学 ■福利厚生 学生及び教職員の保健管理機関として、保健管理センターがあります。同センター 学生生活の便宜をはかるため「長崎大学生活協同組合」運営による食堂、食料 には、医師、歯科医師及び看護師がおり、健康診断、保健相談、精神衛生相談、一般診察、 品販売店、理容室、美容室があります。また、書籍、文具、日用品などの販売、 応急処置並びに簡単な処方を行っています。 プレイガイド、旅行案内のサービスなどを行う売店も充実しています。 ■学生何でも相談室 長崎大学では、入学時から卒業に至るまでの学生生活のあらゆる相談(いわゆる「な んでも相談」)に対して、全学的な見地から、気軽に相談ができ、指導・助言が受け られるような体制をとっています。 28 29 課外活動 RPGサークル アマチュア無線クラブ E.S.S E−Rockers ISOP(イソップ) 裏千家茶道部和心会 NSI∼学生情報局∼ 演劇部いろは団 MVP教育研究サークル部 表千家茶道部流生会 華道部 奇術部 Curl チョーダイ CAM 管弦楽団 クラシックギタークラブ アルペヒオス グループ すくらんぶる 軽音楽部 国際交流サークル アミーゴ 午前二時 コンピュータクラブ GSP(Girls Studies Philosophy) 自然を観る会 っじゃすみん 写真部 しゃっきりPON 就活支援プロジェクト(就活サポーター・クラブ) 新聞会 吹奏楽部 体験学習サークルリーダー会 地域教育研究会 東洋学術研究会 NISH (Nagasaki International Study for Humanity) 日本教育研究会 能楽部 バンガーズ P.M.C歌おう会 ビオトープ・パレット 気象研究会「ひまわり」 産業企業研究会 美術部 Spica フリースペース「つくしん坊」 野生メダカ保護倶楽部 文芸部 Borderless Action Team(BOAT) 放送研究会 漫画研究会 ユースホステルクラブ 落語研究会 リーガース・アケント 留学生協会 Rock部 ロマンツアー合唱団 RON YMCA浦山寮 わっかもん! 30 ■環境科学部:文化系 平和・環境ボランティアKUSU アーチェリー部 アイスホッケー部 アメリカンフットボール部 漁火 E-males(イーメールズ) NSC F・D・C(フライングディスクサークル) 空手道部 器械体操部 弓道部 キシリッシュ Kファイターズ 剣道部 剣友会 硬式庭球部 硬式テニスサークルHELLO 硬式野球部 小茶会バレーボールサークル ゴルフ部 サイクリング部 サッカー部 山岳部 自然探索部 自転車競技部 龍踊部 ジャグリングサークル「Jack pot」 射撃部 ジャミラーズ 柔道部 少林寺拳法部 女子アイスホッケー部 女子サッカー部 女子ソフトボール部 女子バレーボール部 新極真カラテ部 水泳部 水球サークル SKYJET N.K すまいりい∼部 3on3 Nagasaki SEVEN STARS ソフトテニス部 ソフトボール部 卓球部 探険部 男子バレーボール部 チアリーディング部 テコンドー部 トトカルチョ トライアスロン部 軟式野球部 軟式野球同好会 波男 NATUREZ(ネイチャーズ) バスケットボール部 バドミントン部 バドミントン同好会 ハンググライダー部 ハンドボール部 BVS フィッシング同好会 フットサル部 ぺーロン同好会 ボート部 ボクシング部 マジン部 マッスル部 ■環境科学部:体育系 マッチポイント Maybe’s(メイビーズ) Suporuto モーターサイクル部 野外活動部 ワンダーフォーゲル部 89V よさこい部 突風 ヨット部 ラグビー部 ラケットスポーツ部 陸上競技部 ワンダーフォーゲル部 ■主な課外活動施設 集会所・合宿所 体育施設 部室 学生会館 総合グランド サークルセンター 補助体育館 課外活動棟 学生プラザ 臨海研修所 総合体育館 テニスコート ハンドボールコート 弓道場 体育管理棟 北門部室 課外活動共用施設 31 在学生メッセージ 金丸 佳矢 藤原 麻美 「環境」という言葉には細分化された様々な分野の「環境」を含んでい ます。そしてこれまでは、ある1分野を深く突き詰めていった先に「環境」 がありました。しかし、現実は様々な分野や問題が絡み合い、それらに 関する諸問題を「解決」また世の中に「発信」するには既存のアプロー チでは限界があります。広い分野を学び、1つの事柄に対して多面的な 考え方でアプローチする必要があり、この環境科学部もそうしたニーズ に応えるためにあると思います。 こうした背景のなか環境というキーワードを混ぜつつ、自分の興味の ある分野を能動的に勉強する生活は大学生でしか体験することができな い貴重な時間です。そして環境科学部は10年の歴史と新しく、発展段階 です。学生と教員と職員、みんなが協力してよりよい存在へ昇華できる ように、頑張ろうではありませんか。そんな御託はともかく、長崎の空 の下で黄砂や大雨・台風を体験しながら環境を勉強してみませんか。 環境とは、自分自身と、自分自身を取り巻く世界のことを指す、抽象 的な言葉です。そのため、考える対象や視点も様々です。そのため、環 境科学部では、多様な視点からのアプローチ・多様な視点からのアプロ ーチができるように、カリキュラムが設定されています。扱っている分 野がたくさんあるので、幅広い視野を持つことが出来ますし、考える機 会や行動できる機会も数多くあります。その多くの機会の中から、自分 自身が探求していきたいことや、自分なりの視点を見つけていくことが、 <環境科学部で学ぶ>ということだと思います。 これから入学されてくる皆さんには、大学生活を送る中で、講義をき っかけに、大いに学び・行動し、視野を広げるとともに、多くの出会い と感動を経験していってほしいと思っています。皆さんの大学生活が、 素敵な思い出でいっぱいになることを応援しています。 堀 温子 坂田 志保美 (4年生、環境政策コース、福岡県) (3年生、環境保全設計コース、長崎県) 「環境」という言葉に定義はありません。「環境」という言葉がこれほ ど社会に定着していながらも定義が存在しないのは、それほど幅広く柔 軟な概念であるからだと思います。本学部では、この大きなテーマに対 し、文系・理系の両視点から捉えていきます。 ここでは、文系コースについて簡単に説明します。みなさんは、地球 温暖化等のイメージにより、環境問題=理系分野の問題というイメージ があるかもしれません。しかし、環境問題には理系の問題だけでなく、 私達文系が考える問題もたくさんあります。文系では、自然環境問題に ついて物質に関する専門的な知識を習得するよりも、 「『持続可能な社会』 を築くために、これまでの歴史を見直し、私たちが今後どのように行動 すべきか」について知見を広げ、考えていきます。現代の生活環境にお いて不安要素が指摘される今、歴史の反省点に立ち、未来世代のために 適切な行動を考えることが必要です。現実に起きている身近な問題を直 視し、私たちが今何をすべきか、ともに考えましょう。 環境科学部は分離融合という形をとるとても珍しい学部です。受験も 文系受験か理系受験を選ぶことができ、これは2年次のコース選択には 関与しないため、1年間総合的に環境を学びながら将来的に特にどちら を専攻するか選ぶことが出来ます。また、2年生からは再び文理に別れ るものの、必ず自分の専攻しなかったコースの講義を受講することで1 つの問題を両分野の視点から考察する能力が身につきます。専攻したコ ースでは更に細かい分野に別れていくので、広い深い知識を得ることが できる、環境科学部はそんな素敵な学部です。 鶴山 尚子 大学に入る理由は人によって異なると思います。環境科学部の場合だ と、環境の勉強をしたいと思っている人はもちろん、何かやりたいこと を見つけたいと思っている人などさまざまでしょう。ですがどんな人に も言えることは、大学ではすべて自分で決めなければならないというこ とです。受ける講義、講義の受け方やサークルと学業の比重のかけ方な ど周りに流されることなく選ばなければいけません。環境科学部特有な のが文系と理系の選択です。この選択は2年以降の大学生活を大きく左 右するもので、とても大切な選択でしょう。 人との出会いもその人その人の選択が関わってくるでしょう。私は、 大学で得られる最も大きなものは人との出会いだと思っています。大学 では高校の時とは違った出会いが数多くあります。それは大学の教授か もしれないし、社会人の方かもしれない。一緒に入学した友達かもしれ ない。ですが、どんな人と出会い接していくかはその人の選択次第です。 どうぞ、多くのよい出会いをしてください。 (4年生、環境保全設計コース、静岡県) (3年生、環境政策コース、熊本県) 近年「環境」という言葉は生活環境、自然環境、または環境破壊、環 境汚染…などより身近なものになってきました。環境科学部は文理融合 で多面的な方向から物事を見ることができ、きっとみなさんの研究・追 及したいことが見つかると思います。 環境科学部では1年生のうちは基礎的なことを学習し、2年生以上にな ってからそれを環境政策コースと環境保全設計コースという文系・理系 の勉強に徐々に応用させていくいう構図になっています。しかし、融合 科目という形で2年次に進んだコースとは別の授業もきちんと取ること もできます。例えば『政策に興味があるけれども生物のことももっと知 りたい』などといった所や、文理どちらの先生も学部内にいらっしゃら れるのでいろいろな分野の質問もしやすいといった所など文理融合なら ではのメリットもあります。 尾崎 祐未 (4年生、環境保全設計コース、長崎県) 環境科学部は文理融合の学部なので、文系と理系の両方の幅広い知識 を学べます。 さまざまな分野の基礎から専門的な部分まで学べるので、高校の時に 理系だったから…、文系だったから…など気にする必要はありません。 また、文理融合の利点としては、一見何のつながりもないような文系の 学問と理系の学問も、掘り下げて学んでいくうちにつながりが見えてき ます。そこから様々な発見があり、学ぶことが面白く楽しいと感じるこ とができます。 「環境」という幅広い分野を扱う学部ですが、問題意識を持って勉強や 課外活動に取り組むことで自分を大きく変えることができると思いま す。何か今までの自分とは違う新しいことに挑戦したいと考えている人 は、ぜひ環境科学部に来てください。きっと、新しい自分を見つけるこ とができると思います。 32 学部長あいさつ (4年生、環境政策コース、長崎県) 佐貫 敬史 (3年生、環境政策コース、京都府) 環境科学部長 武 政 剛 弘 21世紀は環境の世紀と言われて8年が経過しました。世界では2008年から京都議定書による地球温暖化防止 のためのCO2削減の実行プランが施行されますが、依然として地球を取り巻く環境は深刻な状況にあります。私 は、環境問題の解決には、新しい技術の開発と共に、それを活かすための政策の提案・実行が不可欠だと考え ます。内閣総理大臣を議長とする総合科学技術会議は、「科学技術の戦略的重点化」の中で、政策課題対応型 研究開発の重点推進4分野の一つに環境を掲げ、「アジアを始めとする世界の若者が我が国で環境技術や環境 政策を学び、帰国して母国の環境調和型経済と持続可能性社会の実現に貢献し、世界で活躍できるよう、世界 の環境リーダーの育成を行い、科学技術外交の強化を図る」をひとつの柱としています。この「環境リーダー の育成」こそが、まさに長崎大学環境科学部の教育に求められているものだと考えます。 環境科学部では文部科学省の研究課題として、環境教育の充実があげられているのを受けて、昨年、環境教 育の推進を図る環境教育研究マネジメントセンター(ERMAC)を学部独自で開設するとともに、そこを中心 に市民と行政と共同で、雲仙地区に環境教育研究のフィールドを築いていく雲仙Eキャンレッジ構想を始動しま した。これにより、今まで以上に地域と連携した教育研究活動が可能になるものと期待しています。 修士・博士課程の教育においては、日本はもちろんアジア地区の環境問題の解決に向けて、自国で指導的立 場に立つことのできる人材の輩出を目的とした、環境政策を中心とした教育プロジェクトの立ち上げを進めて います。これには、民間企業や官公庁への協力もお願いしています。 山部 倫照 大学での教育と並ぶもうひとつの柱は研究です。研究に関しては、環境科学部の多分野横断的構成の特長を (3年生、環境保全設計コース、長崎県) 活かした研究プロジェクトを立ち上げ、研究の活性化を図り内外へアピールしていくことが、学部長である私 私は、植物を通して環境問題の解決を目指そうと思い、環境科学部に入 学しました。入学して、驚き気づかされたことは、環境問題と一口に言っ ても、様々な種類の問題があり、それに伴う数多くの捉え方があるという ことです。高校時代まで、一つの問題に対し、一つの考え方、一つの解決 方法という対応だった私が、いかに未熟だったかを実感しました。 また、大学生活は高校時代とは違い、強制がありません。すべてでは ありませんが、ほぼ自由と言ってもいいくらいです。しかし、そこには 自己責任というものが必ず付きまといます。これを逆手にとれば、多く の事に挑戦もできますし、多くの仲間も作ることもできます。大学生活 を良くするも悪くするも、あなた方の自由です。でも、過ごすなら無駄 にするより、有意義なものにしようじゃないですか。幸いわが学部には、 よき先生方と先輩が勢ぞろいしています。実際に、私も多くの先生や仲 間に助けられて、大学生活を過ごしていると、実感することが多々あり ます。環境に興味がある、問題解決の第一線を目指したいという人は、 是非わが学部をチャレンジしてみてください。 に課せられた重要事項であると考えています。将来は、その中から、卓越した環境研究の拠点となるようなプ ロジェクトの育成を目標としています。 環境科学部は、昨年10月に10周年を迎えました。この間の努力で、現在では大学院博士前期・後期課程を有 する充実した組織となり、学会、行政機関および産業界との連携も密接になりました。しかし、最初にも触れ たように、環境問題解決への道のりは険しく、また「環境」の意味は時代とともに変化しています。皆さん将 来に向かって取り組むべき環境問題の方向性を、この学部で学んで社会に貢献しませんか。 地球環境は「これからどうなるだろう」の受け身ではなく、自分自身の責任で「そのためにはどうするべき か」を考える時期にきています。 33 Faculty of Environmental Studies, Nagasaki University 〒852-8521 長崎市文教町1-14 Phone:095-819-2713 Fax:095-819-2716 http://www.env.nagasaki-u.ac.jp/mainJ.html 佐世保 西浦上駅 赤迫 諌早・大村 (長崎空港) 長 崎 バ イ パ ス 長崎 大学 長崎大学前 電 停 ●純心高校 岩屋橋 大橋 ●浦上天主堂 ●国際平和公園 国道206号線 浦上駅 長崎駅 長崎港 諌早・大村 ●市役所 ●県庁 野母崎 ※このパンフレットは再生紙を使用しております。 平成20年6月作成