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会計職業倫理

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会計職業倫理
開講セメスタ・履修形態
2 年次・春学期・昼・夜・必修
科目分類
監査系
授
会計職業倫理
担当教員
田中 恒夫
業
科
目
名
発展科目
健全な資本市場を育成するために、さらには健全な財政を支えるため倫理観を備えた職
業会計人となることを目的とする。
監査においてその信頼性に疑問を抱かれる事例が多発し、それらの監査実施者の倫理観
授 業 テーマ・目 的
の欠如が浮き彫りとなったことから会計倫理が強調されるようになった。また、租税につい
ても非違事例が多発している。本講義では倫理的行為とはどういうことかを、倫理学を出発
点に考察を進める。後半では授業に興味がもてるよう実際に訴訟された事例、倫理規則違反
を問われた事例、社会的に問題となった事例などを交えて、責任感を醸成できるようにする。
達
授
評
成
業
職業会計人としての社会的使命感を持ち、なるべく早く実務をこなせる人材となることを
目
標
の 形
態
レジュメを使用した講義形式で、授業を進行する。
方
法
ディスカッションへの取り組みに対する平常点20%、試験80%を基準とする。
価
履修者への要望
(履修条件等)
目標とする。
必修科目であり、全員が2年次において履修すること。
授
業
内
容
会計職業倫理が何故強調されるのか、その意味するところと、その学習の必要性について、
第
1
回
特に規範倫理学と関連づけながら理解する。本講義では、倫理学が会計倫理におけるその判
断や行動と正当化するための根拠をどのように提供してくれるかに焦点を置いている。
規範倫理学の中の義務論及び功利主義について論及する。
第
2
回
人としてなすべきことを説く義務論及び最大多数の最大幸福をめざす功利主義は、それぞ
れどういう行為が善であるかについての示唆を与えてくれる。
ここでは一転して、行為する人の人柄、性格が善い、又は悪い行為にどのように結果する
第
3
回
か、善い人柄を育むためには、教育・習慣化、性格へと一連の経験の習熟過程をアリストテ
レスの説く徳倫理学に則して学ぶ。
功利主義が幸福の産出について論じるが、その分配については論及がない。その結果もた
第
4
回
らされた社会の不平等に対して、どう対処すれば良いかが、ロールズの公正としての正義で
ある。ここでは幸福の分配が論じられる。
応用倫理学の一つとして会計倫理を位置づけ、倫理理論と会計倫理の橋渡しを行う。応用
第
5
回
倫理は、生命倫理、環境倫理、経営倫理など多様な展開をしている現状についても理解を深
める。
第
6
回
会計倫理の特有の問題についての理解を深めると共に、倫理の必要性を強調するプロフェ
ッション論の位置づけについて検討を加える。
授
第
7
回
第
8
回
業
会計倫理の核心をなす、Public
内
容
Interest(公益)について、倫理理論からどのように正当
化されるかについて、義務論、功利主義、正義論からの議論を展開する。
会計倫理の規範体系について法的規制とソフトローとしての自主規制に分けて全体像の
理解を図る。会計士と税理士との規制の相違にも言及する。
会計倫理の中心である倫理規則の基本原則が、基本的には徳論理学で言うところの徳目に
第
9
回
より構成されていること、更に、守秘義務については義務論域は功利主義からも導かれるこ
とを論じる。
第10回
監査人を支える中心概念である独立性を主として法律及び倫理規則等でどのように定め
られているかについて理解を深める。
独立性を支える法的側面からの理解としての「利益相反」について、新しく定められた「利
第11回
益相互に関する指針」を基礎に、その定義及び、利益相反を避けるための倫理規則のフレー
ム・ワークアプローチとはどういうものであるかについて論及する。
第12回
第13回
第14回
第15回
テキスト
参考図書
会計倫理との関連での内部告発・守秘義務及び監査人の責任追及の全体像について理解を
深める。
税理士の倫理違反、非違事例を検討すると共に、他のプロフェッションの倫理規定の参考
として、医師及び弁護士の倫理規定について検討する。
会計不祥事の実例を、法的側面、行政処分、会計士協会の懲戒処分に則して検討し、それ
らの事例から、監査人としてどのような倫理的教訓を学ぶべきかを討議しながら理解する。
会計職業倫理の必要性及びそれらを深めるための教育、研究上の課題についてまとめて行
く。
「会計倫理」田中 恒夫著 創成社
「会計倫理の基礎と実践」/藤沼亜起監訳(同文館出版)
監査実務ハンドブック(日本公認会計士協会出版局)
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