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最終報告会 リサイクル工作&手工芸の本ができました!
☆青 年 海 外 協 力 隊 ニカラグア通 信 No53☆ 2013 年 3 月 7 日 発 行 者 夏 目 佳 代 子 ¡Hola!3 月に入り、長く感じられた時もあった時間も今は待ってくれず、1 日 1 日と帰国の日が近づ いています。日本との時差は 15 時間、地球の反対側にあるニカラグアですが、時にすぐ隣にあるよう にも感じ、何だかまたすぐいつものように「オラ !」と言って来そうな気もしてきます。多くの人 との出会いが本当に特別なものだと感じる日々。残りの日々も大切に過ごしたいと思います。 ☆最終報告会 2 月は、これまでの活動のまとめとして、首都の JICA 事務所と配属先で最終報告会を行ないました。 2 年間の活動内容と成果と課題、今後に向けてについてスライドを使って発表をしました。配属先で の報告会当日、急きょある研修会の参加者も来るということになって大勢の前で発表することに!緊 張しましたが、突然のインタビューなどに鍛えられたおかげで(!?)無事 に発表を終えました。発表の最後に話したことは、子どもや青少年の可能 性や力を伸ばす活動を今後も続けていってほしい、ということです。子ど もや青少年たちのもっている可能性はどの国も同じ、その可能性を伸ばす 機会が多いか少ないか、なのだと思います。私の活動期間は 2 年弱と限ら れていますが、これまで一緒に活動してきたことが、青少年の家の活性化、 ヌエバギネア市の子どもたちの将来につながっていくことを願っています。 ☆リサイクル工作&手工芸の本ができました! これまでいろいろな機会で行なってきたリサイクル工作や手工芸、これからも継続できるようにし たいと思って考えたのが、作り方の本を作ること。これまでとりあげた約 50 作品の作り方をできるだ け分かりやすく、写真と文章で説明することにしました。8 月の終わり から作り方の手順の写真を撮り始めたのですが、晴れると午後は日差し が強くて写真に影が入り、雨が降ったら写真が暗くなってしまう・・さ らに、選挙で配属先が使えなかったり、政権が変わるにあたって事務処 理や備品整理なども入ったりし、カウンターパートのアウラともなかな か一緒に原稿を見直す時間がとれず、アートマイル同様、本当に完成で きるのか心配が耐えませんでした。でも、一緒に作ると言ってくれたこ とを果たしてくれて、退職した後も、休日やお互いの仕事が終わった後、(アウラは障がいをもった 子どもたちを支援する団体で働き始めました。)彼女の家で夜な夜な、ス ペイン語チェックや表紙のデザインを考えたりしました。裏表紙には、 「1 人の 100 歩より 100 人の 1 歩」のメッセージと、たくさんの足跡の絵 を載せました。作業をしている時、アウラが「全部失っちゃったと思った けど、アートマイルやこの本みたいに残っていくものもあるわね。」と言い ました。私が来る以前は、青少年の家は彼女1人でいろいろな仕事を行い、 建物も倉庫のようだったそうです。 ( 以前はヌエバギネアに国内線の空港 があり、青少年の家はその乗り場だったのです!)そこから新たなスタ ☆ 頭 上 に 洗 濯 物 、足 下 に に わ と り・・ ッフが加わり、去年は今まで以上に様々な活動ができて、少しずつ向上してきたことを彼女自身も感 じていただけに、政権が変わって退職することを決めた時、これまで積み重ねて来たことがまたゼロ に戻ってしまったように感じていたようなのです。彼女の言葉をとてもうれしく思うのと同時に、ア ートマイルや本作りなど最後まで一緒に行なってくれて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。 印刷・製本は JICA に協力していただき、200 冊でき上がりました。そして、市内の小中学校や青少 年団体、他の市の青少年の家に配布しました。どの施設でも、「ありがとう。すごくいい本だね。」 と喜ばれました。工作教室に来ていた先生は、「紙ビーズは、算数の時間に子どもたちに数を数えさ せるのに応用して使ったのよ。教えてもらったことがいろいろ役に立っ ているわ。」と言って下さいました。また、ある先生は、市内の中心部 からトラックバスで 2 時間、さらにそこから 3 時間歩いたところにある 小さな集落の学校で 1 人で教えています。広い広いヌエバギネアには、 そのような学校がたくさんあります。「今までこういうことを学ぶ機会 はなかったけど、これを使って先生たちの研修会をやるよ。」と話して くれました。本当はこの本を使った研修会を行なう予定だったけれど、完成が遅れてできなかったの が心残りなのですが、そのような言葉を聞くと、大変だったけれど作ってよかったと思います。リサ イクル工作で環境問題がすべて解決できるわけではないけれど、1 人の 100 歩より 100 人の 1 歩。ゴ ミに対する見方が変わるきっかけ、そしてものづくりの楽しさが伝わることを願っています。 ☆ヌエバギネアの子どもたち 働く子どもたち ヌエバギネアに来た当初、驚いたことの 1 つは靴磨きや食べ物を売るなど、働く子どもたちがいる こと。彼らを見ると、学校に行っているのかな、家でどんな生活をしているのだろうかなどいろいろ なことを思います。顔見知りになると、道ばたで出会った時に声をかけてくれるようになりました。 話を聞くと、「働くのは家族を助けるため。」午前中学校に行って午後働く子、学校には行っていない 子、さまざまです。私が国際協力に携わりたいと考えるようになったきっかけは、 「世界には教育を受 けられない子どもたちがたくさんいる。」ということを知って、自分にできることで貢献したいなと考 えたことからでしたが、実際にそのような子どもたちを目の前にし、彼らのために何かできないかと 思いながらも、何ができるのか、どうするのがよいのか、自分の中でも答えが出ず、具体的に何かで きたわけではありません。彼らに「学校に行った方がいいよ。」と言っても、その日に家族が生活でき なかったら、学校に行くことより働くことが優先的になってしまうのは当然のことにも思えてきます。 アレクサンデルは、この日お母さんがゆでたビヒワイ(ヤシの実一種)を売っ ていました。「家族みんなが生活していくためには働かないとね。」という言葉が さらっと口から出てきた彼はとても 10 歳とは思えませんでした。ハディルはヌエ バギネアに来て間もない頃に知り合った のですが、すっかり大きくなってもう 14 歳。会うとにこっと笑って話しかけてく れます。以前は靴磨きをしていたのです が、最近はお母さんが作ったエンチラー ダを売っています。今年は学校にも行っているようです。行 けない年もあって今年は 4 年生。7 人兄弟ですが、上のお兄 ちゃんたちは別の所に住んでいるので、家では彼が一番上の お兄ちゃん、2 人の小さな弟たちの面倒もみています。 10 歳のアントニオはお兄ちゃんと一緒に朝早 くから市役所の前で靴磨きをしています。かつ いでいる木の箱から、靴墨やタオルを出して、 靴をぴかぴかに磨きます。でも彼の靴はぼろぼ ろ、手は真っ黒です。ルイスは 13 歳、靴磨きや トルティーヤを売ったりし ています。かばんもノート もないから学校に行けるか分からないと言っていました。お母さんは病気なので、 彼が生活を支えているようです。 「好きなことは?」と聞くと「働くこと」という 答えが返って来ました。そう答えたのは彼だけではなく、彼らにとって、働くこ とは家族の一員として当たり前に感じているのかもしれません。子どもたちの生 き方を知り、すごいなと思うこと、考えさせられることがたくさんありました。 町を歩いていると、あちこちで子どもたちが「カヨーコ!」と声をかけてくれます。活動の中で怒 れたり、悲しかったりすることがあると、ついつい顔も暗くなって下を向いてしまいがち、さらに足 下はどろだらけで、はぁ といつも励まされました。 とため息。でも彼らの元気な声を聞くと、顔をあげて笑顔でいなきゃな、