Comments
Description
Transcript
枚方市立総合福祉会館「ラポールひらかた」
枚方市立総合福祉会館「ラポールひらかた」 1.概要 循環型社会の形成を目指す枚方市は、高度処理した下水を利用する先進的な取り組みを進めてい ます。なかでも、下水の高度処理水をトイレの洗浄水や植栽への散水の他、下水処理水の熱エネル ギーを利用して冷暖房や温水プールに利用している枚方市立総合福祉会館「ラポールひらかた」 は、 画期的なシステムとの評価が与えられています。 施 設 名 枚方市立総合福祉会館「ラポールひらかた」 所 在 地 大阪府枚方市新町2−1−35 施 プール、ミーティングルーム、研修室、和室、保育室 設 オープン 平成10年8月 【枚方市立総合福祉会館「ラポールひらかた」】 【淀川左岸流域下水道渚処理場】 2.雑用水利用システム概要 (1) 概要 ・熱源である処理水は、「ラポールひらかた」から約2キロ離れた渚処理場において、標準活性汚 泥法+急速砂ろ過及び曝気付礫間接触酸化池で高度処理されたものです。 ・この処理水の放流幹線が「ラポールひらかた」の近くに埋設されており、幹線に設置した取水 ポンプより日量約4,000m3を「ラポールひらかた」へ圧送し、建物内に設置したヒート ポンプで下水熱エネルギーを活用、冷暖房用・プールの加温に使用後、一部は再度トイレの洗 浄用水として利用しています。 ・処理水の水温は、冬期約16℃、夏期約28℃であり、「ラポールひらかた」に設置したヒート ポンプにより熱源として利用しています。また、夏場の電力需要の軽減を図るためヒートポン プの運転は夜間に行い、得られた熱は氷蓄熱槽に氷として蓄熱し昼間に利用しています。 ・渚処理場では下水の高度処理を行い、市内の各施設に供給しています。 - 16 - 広域循環方式 利用箇所 京阪2号線 (高架側道) せせらぎ水路 利用形態 修景用水 散水用水 京阪電車枚方市駅 駅舎内トイレ 枚方市役所北 緑道内せせらぎ水路 水洗用水 300m3/日 修景用水 2,300m3/日 枚方市立総合福祉会館 「ラポールひらかた」 熱利用による 温水プール 水洗用水 消火栓用水 4,000m3/日 枚方市駅前災害消火栓 利用水量 1,500m3/日 ― 備考 歩道と緑に囲まれたせせらぎ水路を設置。 植栽の潅漑と水路の水に高度処理水を利用。歩道舗装 材、河床に下水汚泥の溶融スラグを利用した磁器質タ イルを使用。 道路延長 380 メートル。 トイレの水洗用水。高度処理水を都市における安定し た水資源としての利用を紹介する役割を担う。 緑道全体を天の川に見立て、せせらぎ水路や壁泉に高 度処理水を利用している。水路と壁泉の材料には、下 水汚泥の溶融スラグを利用。 下水処理水の水温を利用して、高度処理水を冷暖房と 温水プールの熱源に利用。一部は、さらに水洗用水と して利用。 大地震時の消防用水として利用。 淀川左岸流域下水道渚処理場 ・処理場面積 24ha ・処理区域面積 5,838ha ・処理能力人口 692,000人 ・供用開始 平成7年4月 ・処理方式 標準活性汚泥法+高度処理 ・汚泥処理方式 濃縮→脱水→溶融 (2) 雑用水利用の流れ 生物反応槽 最初沈殿池 脱リン槽 脱窒槽 硝化槽 最終沈殿池 砂ろ過施設 塩素混和池 川に放流 雑用水として 利用 (3) 再生処理水の利用 下水処理で生まれる汚泥を 材料にした磁器質タイル 災害時に力を発揮する消火栓 高度処理水利用のトイレ 高度処理水利用のせせらぎ、池 - 17 -