...

線形計画法による制限付き選抜のためのプログラム"LPRS"マニュアル

by user

on
Category: Documents
6

views

Report

Comments

Transcript

線形計画法による制限付き選抜のためのプログラム"LPRS"マニュアル
線形計画法による制限付き選抜のためのプログラム"LPRS"マニュアル
2007.11.12[2011.8.10改訂]
佐藤 正寛
1.はじめに
"LPRS"は,相対希望改良量を達成するために,推定育種価(EBV)が得られている選抜候
補個体の中から,線形計画法に基づいて種畜となる個体を選抜するプログラムです.雌雄両性
の EBV が得られている場合と,片性の EBV だけが得られている場合の双方に対応した演算が
可能です.
2.プログラムの仕様と制限
"LPRS"のソースプログラム言語は FORTRAN90/95,実行形式(アプリケーション)プログ
ラムは LPRS.exe,現在のバージョンは ver.1.0 です.今後,線形計画法による mate selection や
近交抑制法などの機能を追加する予定ですが,当面の間,ソースプログラムは公開いたしませ
ん.また,プログラムの制限は以下の通りです.
① 個体数: 100000 以内
② 形質数:
20 以内
③ 個体番号:
9桁以内の整数
なお,①および②の範囲を超えたデータを分析したい場合には,著作者までご連絡下さい.
3.データファイルの作成方法
"LPRS"を実行するためには,あらかじめデータファイルを作成しておく必要があります.
データファイルの作成方法は以下のように要約できます.
① 第1行目:両性に基づいた選抜 = 0,片性に基づいた選抜 = 1.
② 第2行目:形質数.
③ 第3行目:各形質における相対希望改良量を形質順に記入.
④ 第4行目:
① = 0:選抜候補♂個体数,選抜候補♀個体数,選抜♂個体数,選抜♀個体数.
① = 1:選抜候補個体数,選抜個体数.
⑤ 第5行目以降:同一行内に,個体番号,各形質の推定育種価(EBV)を形質順に記入.
① = 0:選抜候補♂の個体番号と EBV を各行に個体数分記入の後,選抜候補♀を記入.
① = 1:選抜候補の個体番号と EBV を各行に個体数分記入.
以下はデータファイルの1例です.データファイルは自由書式(桁やカラムをそろえる必要
はない)です.① = 0 の場合,第4行目に記入した選抜候補♂個体数,選抜候補♀個体数に
よって,選抜候補の最初の20頭が♂,残りの20頭が♀であると認識されます.
0
...
0=両性, 1=片性
4
...
形質数
2
...
相対希望改良量
10
...
候補(♂数,♀数),選抜(♂数,♀数)
2
0
20
20
1.5
5
3101
0.28090
0.44005
0.02076
-0.03399
3102
0.23333
-0.05287
-0.27084
-0.07454
3103
0.19889
0.23180
-0.34774
0.08284
3104
0.13415
-0.10770
-0.57340
-0.10115
3105
0.26773
0.17705
-0.21101
-0.20551
3106
0.12717
0.14836
-0.53573
-0.46555
3107
0.00019
-0.00874
-0.50279
-0.34073
-1-
...
個体番号,形質1~4の推定育種価
(最初の20行が♂,次の20行が♀)
3108
0.23993
0.39906
-0.00821
-0.03737
3109
0.65890
0.42835
0.17346
0.11587
3110
-0.14406
-0.34211
-0.05764
-0.65032
3111
-0.10584
0.03612
0.14166
-0.29188
3112
0.16197
0.00988
-0.01641
0.14986
3113
-0.03408
-0.25998
-0.18538
-0.10148
3114
-0.23011
-0.30466
0.01718
-0.25764
3115
-0.05328
0.02428
0.33065
0.08078
3116
0.14313
0.12293
0.11767
-0.40823
3117
-0.19421
-0.38492
-0.29305
-0.70225
3118
-0.03986
0.21222
0.00886
0.05807
3119
0.37472
0.50108
0.39097
0.25102
3120
-0.23339
-0.12481
-0.08853
0.33771
3221
-0.31758
-0.52022
-0.17224
-0.29176
3222
-0.12827
-0.14326
0.29132
0.44083
3223
0.10096
-0.07174
-0.18176
0.36627
3224
0.40492
0.18973
0.28477
-0.16081
3225
0.66207
0.27250
0.54779
0.10173
3226
0.29614
-0.02289
0.09302
-0.05443
3227
0.42410
0.28763
0.07012
-0.07456
3228
0.65215
-0.12013
-0.05669
-0.02583
3229
-0.49110
-0.27652
-0.49014
0.79765
3230
-0.33672
-0.04836
0.17172
-0.48559
3231
-0.34195
-0.48064
-0.36656
-0.53353
3232
-0.13785
-0.31205
0.62475
0.62256
3233
0.13162
-0.04469
-0.43962
-0.19787
3234
-0.26259
-0.21336
-0.56842
0.33993
3235
-0.18027
-0.37760
-0.60286
-0.42611
3236
0.28264
0.08658
-0.41368
0.42912
3237
-0.58660
-0.18818
-0.65285
-0.71699
3238
-0.05101
0.01343
-0.09836
-0.32471
3239
0.19908
-0.52508
-0.41378
-0.42191
3240
-0.16482
-0.20274
-0.46850
-0.33526
4.プログラムの実行方法
"LPRS"を実行させると,以下の実行例と同様の質問が出力されます.
データファイル名を入力してください.
lpdata.txt
出力ファイル名を入力して下さい.
lpout.txt
演算開始時刻
=
2007年11月12日14時41分35.45秒
プログラムは正常終了しました.
ファイル名の入力後,計算がスタートします.なお,誤った入力を行うと,その旨のエラー
メッセージが出力されます.エラーが致命的な場合,プログラムは強制終了します.たとえば,
プログラムの制限を超えていたり,選抜個体数が選抜候補個体数よりも多い場合,相対希望改
良量がすべて0の場合,形質数が1の場合などが該当します.そのような場合には,エラーメ
ッセージの指示にしたがって,データファイルの見直しを行って下さい.
-2-
5.実行結果の出力
実行結果は,プログラムの実行時に指定したファイルに出力されます.先の例の結果は,以
下のようになります.
♂候補個体
選抜
個体番号
LP-解
EBV1,
EBV2, ...
S
3112
0.20000
0.16197
0.00988
-0.01641
0.14986
S
3115
0.20000
-0.05328
0.02428
0.33065
0.08078
S
3119
0.20000
0.37472
0.50108
0.39097
0.25102
S
3120
0.20000
-0.23339
-0.12481
-0.08853
0.33771
S
3109
0.15967
0.65890
0.42835
0.17346
0.11587
3114
0.04033
-0.23011
-0.30466
0.01718
-0.25764
3101
0.00000
0.28090
0.44005
0.02076
-0.03399
3102
0.00000
0.23333
-0.05287
-0.27084
-0.07454
3103
0.00000
0.19889
0.23180
-0.34774
0.08284
3104
0.00000
0.13415
-0.10770
-0.57340
-0.10115
3105
0.00000
0.26773
0.17705
-0.21101
-0.20551
3106
0.00000
0.12717
0.14836
-0.53573
-0.46555
3107
0.00000
0.00019
-0.00874
-0.50279
-0.34073
3108
0.00000
0.23993
0.39906
-0.00821
-0.03737
3110
0.00000
-0.14406
-0.34211
-0.05764
-0.65032
3111
0.00000
-0.10584
0.03612
0.14166
-0.29188
3113
0.00000
-0.03408
-0.25998
-0.18538
-0.10148
3116
0.00000
0.14313
0.12293
0.11767
-0.40823
3117
0.00000
-0.19421
-0.38492
-0.29305
-0.70225
3118
0.00000
-0.03986
0.21222
0.00886
0.05807
LP-解
EBV1,
EBV2, ...
♀候補個体
選抜
個体番号
S
3221
0.10000
-0.31758
-0.52022
-0.17224
-0.29176
S
3222
0.10000
-0.12827
-0.14326
0.29132
0.44083
S
3223
0.10000
0.10096
-0.07174
-0.18176
0.36627
S
3224
0.10000
0.40492
0.18973
0.28477
-0.16081
S
3225
0.10000
0.66207
0.27250
0.54779
0.10173
S
3226
0.10000
0.29614
-0.02289
0.09302
-0.05443
S
3228
0.10000
0.65215
-0.12013
-0.05669
-0.02583
S
3232
0.10000
-0.13785
-0.31205
0.62475
0.62256
S
3239
0.09726
0.19908
-0.52508
-0.41378
-0.42191
S
3229
0.07775
-0.49110
-0.27652
-0.49014
0.79765
3227
0.02498
0.42410
0.28763
0.07012
-0.07456
3230
0.00000
-0.33672
-0.04836
0.17172
-0.48559
3231
0.00000
-0.34195
-0.48064
-0.36656
-0.53353
3233
0.00000
0.13162
-0.04469
-0.43962
-0.19787
3234
0.00000
-0.26259
-0.21336
-0.56842
0.33993
3235
0.00000
-0.18027
-0.37760
-0.60286
-0.42611
3236
0.00000
0.28264
0.08658
-0.41368
0.42912
3237
0.00000
-0.58660
-0.18818
-0.65285
-0.71699
-3-
3238
0.00000
-0.05101
0.01343
-0.09836
-0.32471
3240
0.00000
-0.16482
-0.20274
-0.46850
-0.33526
選抜個体の推定育種価の平均
形質1,形質2,...
♂
=
0.18178
0.16776
0.15803
0.18705
♀
=
0.12405
-0.15297
0.05270
0.13743
平均
=
0.15292
0.00739
0.10537
0.16224
全選抜候補個体の推定育種価の平均
形質1,形質2,...
♂
=
0.08931
0.05727
-0.09448
-0.12972
♀
=
0.00775
-0.13488
-0.14210
-0.04756
平均
=
0.04853
-0.03881
-0.11829
-0.08864
形質毎の選抜差
形質1,形質2,...
♂
=
0.09248
0.11049
0.25250
0.31677
♀
=
0.11631
-0.01809
0.19480
0.18499
平均
=
0.10439
0.04620
0.22365
0.25088
形質毎の標準選抜差
形質1,形質2,...
♂
=
0.41760
0.42578
0.95863
1.14487
♀
=
0.32739
-0.07721
0.51937
0.44944
平均
=
0.37249
0.17428
0.73900
0.79716
6.おわりに
計算内容は養豚学会誌44巻3号136-140.(2007)を参照して下さい.本プログラムを利用して
報告書,論文等を作成した場合の参考文献は,「佐藤正寛,線形計画法による制限付き選抜の
ためのプログラムの開発」日本養豚学会誌45巻2号65-69.(2008)[英語名:Satoh, M., A
program of linear programming for restricted section. Japanese Journal of Swine Science] として下さ
い.本プログラムを部分的に使用したい場合には,いかなる場合でも著作者に使用許可を得て
下さい.
プログラムのダウンロードおよび計算内容等に関する質問は,直接著作者まで問い合わせて
下さい.
ダウンロード・計算内容等に関する問い合わせ先
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 家畜育種繁殖研究領域
佐藤正寛(著作者)
TEL: 029-838-8625, E-mail: [email protected]
-4-
Fly UP