...

患者・家族からの暴力に対する対応

by user

on
Category: Documents
16

views

Report

Comments

Transcript

患者・家族からの暴力に対する対応
6‐12: 暴力・セクハラ
6‐12‐1 ●暴力等に対するマニュアル
1)患者・家族からの暴力に対する対応マニュアル
患者・家族からの暴力に対する対応
マニュアル(No.34,251, 421, 625の改訂)
医療安全対策
No.688
文書 過去に院内で「刃物で看護師が切られそうになった、点滴の支柱を振りまわされた、のこぎりを持った人が入ってきた」というよう
な大変な脅威を感じる事例が発生しています。このような暴力事例が発生した場合、「コードホワイト」という暗号で、他の部署から
職員が参集する防犯システムを平成19年8月1日に新設しました。さすまた(3本)は防災センター内に常備されています。次に
暴力・暴言に対する対応マニュアルを示します。
①: ○○部署です。暴力が発
生しました。コードホワイトの
放送をお願いします。
②: コードホワイト、
コードホワイト。ホワイト
チームは○○へ集合して
ください。
③: 関係者
参集
さすまた持参
総務課(複数)
医事課(複数)
医療安全管理室
防災センター(複数)
①: ○○部署です。暴
力が発生しました。ホ
ワイトチームを派遣し
てください。
さすまた持参
②: さすまたを
持ってかけつけ
る。関係者にも
連絡する。
防災センター
③: 関係者参集
< 6-12: p.1 >
次頁に続く
患者・家族からの暴力(暴言・暴行など)に対する対応マニュアル
A 暴力の危険を感じた場合の対応
1. 情報の共有
患者からの暴力に関する情報を関係者で共有する (看護師長、主治医、上司等への報
告、申し送り、表示、その他)。
2. 2人以上で対応する
患者と1対1で対応しない(職員2人以上で対応する)。部屋のドア、カーテンなどを開け
ておく。
3. 防災センターへの連絡
防災センターに連絡し、近くで待機してもらう。
4. 逃げ道の確保
必要以上に患者に近づかない、逃げ道を確保しておく。まさに暴力を受けそうになったと
きは、とにかく逃げる。
5. 所属長への報告
上司・所属長に報告し、対応を協議する。
B 実際の暴力に対する対応
1. ウィークデイ
の日勤帯におけ
る対応
1) 【緊急参集】
コードホワイトの
放送依頼
職員の緊急参集が必要な場合、電話交換室(内線9)にコードホワイトの放
送を依頼する: 「○○部署ですが、暴力が発生しました。コードホワイトの
放送をお願いします」。
2) 連絡手順
前述の緊急参集が必要ない場合でも、被災者は、ただちに所属長に報告。
所属長は、医療安全管理室に連絡。
3) 医療安全管
理室
医療安全管理室は、関係者(被災者、所属長、総務課長・課長補佐など)
を招集し、対応を協議。必要に応じ、院長に連絡。
傷害事件とする意思決定がなされた場合、室長・所属長等が警察に連絡
する(110番通報)。
2. 夜間、休日に
おける対応(救急
外来および病棟
4) 被災状況報
告書
被災者は、治療を受けた後に「被災状況報告書」を作成し、所属長に提出
する。
1) 【緊急参集】
ホワイトチームの
派遣要請
職員の緊急参集が必要な場合、暴力発生部署の職員は、防災センターに
連絡する: 「○○部署です。暴力が発生しました。ホワイトチームを派遣し
てください」。
防災センターは、その日の責任当直医、当直看護師長、事務当直(休日の
み)などを呼ぶ。
2) 連絡手順
前述の緊急参集が必要ない場合でも、看護部所属の被災者は、まず看護
部管理当直者に報告。管理当直者は状況を把握し、責任当直医師に連絡。
看護部以外の被災者は、直接責任当直医師に連絡する。
3) 責任当直医
師
① 責任当直医師は、関係者(被災者、看護部管理当直者、事務当直な
ど)を招集し、対応を協議。必要に応じ、医療安全管理室に連絡。
② 傷害事件とする意思決定がなされた場合、責任当直医師等が警察に
連絡する(110番通報)。
3. 傷害に対す
る治療
4) 被災状況報
告書
被災者は、治療を受けた後に「被災状況報告書」を作成し、所属長に提出
する。
1) 救急外来で
の診療
傷害に対する治療は、原則として救急外来で行う。診療する医師は、日勤
帯では、救命救急センターの医師または当該科の医師。夜間・休日では責
任当直医または当該科の医師。
2) 被災者のカ
ルテ作成
被災者自身のカルテを必ず作成する。診察医は、場所、時刻、加害者、状
況、障害の状態などを具体的にカルテに記載。
3) 診療費
後日室長が関係者と協議(労災扱い、加害者負担、本人負担)
4) 被災者に対
するケアおよび
治療
所属長は被災者の健康状態について把握し、医療安全管理室と次の事項
について相談 ①被災者へのケア・治療(外傷の治療だけでなく、カウンセ
リングなどの精神的な支援や治療も含む)、②被災者の家族への対応、③
被災者の業務への配慮、④その他。
4. カルテ記載と
家族への説明
医師および看護師は、患者(加害者)のカルテにも必ず事実を記載する。患者が加害者の場合は、
家族に事実を説明する。説明者を誰にするかは、室長と所属長が協議する。
5. インシデント
報告書
後日、所属長が報告書を医療安全管理室に提出する(インシデント報告書を使用)。
< 6-12: p.2 >
2)凶器を所持する患者・家族への対応マニュアル
凶器を所持する患者・家族へ
の対応マニュアル
医療安全対策
No.336
文書 凶器(きょうき)とは、人を殺傷するに足る器具。銃砲・刀剣類などの
ほか、用法によっては殺傷の道具となりうるものも含まれる。
1) 現場で対面している人は、まず自分自身の安全を確保する。必要以上に相手に近
づかない。他の患者および病院職員に危害がおよばないように配慮する。
2) 決して相手を刺激しない。
3) 現場で対面している人は、できるかぎり1対1では対応しない。他の医療従事者に
応援体制を整えるように依頼する。
4)応援体制を整えるための連絡手順
① 直属の上司に連絡する。医療安全管理室に連絡する。
② 総務課に連絡する。
施設管理者は事務局長であり、その職務代理者は総務課長である。
施設管理者は、相手に対して退去命令を出すことができる。
③ 総務課から防災センターおよび医事課に連絡する。
④ 関係者が集まり、対応を協議する。
5) 夜間・休日:責任当直医、当直看護師長、事務当直の3者で対応を協議する。
< 6-12: p.3 >
3)怪文書・怪電話に対する対応マニュアル
怪文書・怪電話に対する対応
マニュアル(安全対策文書No.86の改訂)
?
?
医療安全対策
No.436
文書 怪文書
怪電話
いわゆる怪文書(中傷的、暴露的内容を持ち、出所の明らかで
ない、いかがわしい文書)が当院の職員に届いた場合、次のよう
に対応してください。電話・電子メールの場合も同様の対応を
行ってください。
●決して「個人」で対応しないこと。「船橋市立医療センター」
として対応いたします。
●郵送されてきた封筒および同封されていた文書に手で触れるの
は最小限にしてください(警察で指紋などの検査をすることがあ
ります)。
●送られてきた文書を大きな封筒に入れてください。その状態で
総務課課長補佐まで届けてください。
●自宅や実家に怪文書・怪電話があった場合も、総務課課長補佐
にご連絡ください。
< 6-12: p.4 >
4)不審者が侵入したとき、盗難事件が発生したときの対応マニュアル
不審者が侵入したとき、盗難事件が
発生したときの対応マニュアル
医療安全対策
No.592
文書 不審者が院内に侵入したとき、または盗難事件が発生し
たときは、本マニュアルにしたがって対応してください。
?
?
?
?
?
?
1) 不審者と体面している場合の対応
(1) 不審者と対面している人は、まず自分自身の安全を確保する。必要以上に相手に近づかない。他
の患者および病院職員に危害がおよばないように配慮する。
(2) 決して相手を刺激しない。
(3) できるかぎり1対1では対応しない。他の医療従事者に応援体制を整えるように依頼する。
2) 応援体制を整えるための連絡手順
(1) 発生現場にいる職員は、状況を判断し、必要と考えられる部署に連絡する。
例: ①防災センター、②総務課、③直属の上司、④医療安全管理室、⑤医事課
注意: 当院の施設管理者
施設管理者は事務局長であり、その職務代理者は総務課長である。
施設管理者は、相手に対して退去命令を出すことができる。
(2) 関係者が集まり、対応を協議する。
(3) 必要に応じ、所轄警察に連絡する。
3) 盗難事件またはその疑いがある場合の対応
(1) 直属の上司に連絡する。
(2) 総務課に連絡する。
(3) 関係者が集まり、対応を協議する。
(4) 必要に応じ、所轄警察に連絡する。
4) 夜間・休日における対応
責任当直医と当直看護師長等(事務当直がいる場合は事務当直を含む)が対応を協議する。
< 6-12: p.5 >
5)ノーバイオレンスのポスター
4月23日から「ノーバイオレンス」ポス
ターを救命救急センターと医療安全管
理室掲示板に掲示します。
医療安全対策
No.611
文書 平成19年4月23日から、犯罪防止のために、次のポスターを救命救急センターの外来とA3病棟、およ
びエントランスホールの医療安全管理室掲示板に掲示いたします。他の部署で同様のポスターが必要
な場合、その部署の責任者は医療安全管理室に連絡してください。
No Violence
暴言・暴力お断り
平成19年4月23日
船橋市立医療センター 院長
救命救急センター長
医療安全管理室長
110番通報
平成18年度、院内で下記のような事件が17件
発生しました。このうち5件は、警察に110番通報
しました。患者・家族の皆様と職員の安全確保の
ために、このような犯罪に対しては院内の規定に
したがって迅速に対応させていただきます。
●不審者侵入:3件、●暴言・暴行・威圧・脅迫・
恐喝:9件、●盗難(疑いも含む):5件
< 6-12: p.6 >
医療安全対策
5月2日から「ノーバイオレンス」
の新しいポスターを院内に掲示し
ます。
No.700
文書 5月2日から、犯罪防止のために、ノーバイオレンスの新しいポスターを院内(救命救
急センターの外来とA3病棟、およびエントランスホールの医療安全管理室掲示板等)
に掲示いたします。他の部署で同様のポスターが必要な場合、その部署の責任者は
医療安全管理室に連絡してください。
No Violence
暴力行為お断り
わいせつ行為お断り
平成20年5月2日
船橋市立医療センター 院長
救命救急センター長
医療安全管理室長
職員が暴力行為等により、身の危険を
感じた場合には、防犯ブザーを鳴らします。
ご了承下さい。
暴言
ピッ ピッ ピッ ピッ ピッ 暴力行為
セクハラ
わいせつ行為
ピッ ピッ ピッ 助けて!
当院における重大な暴力行為・わいせつ行為の発生は、平成17年度・18年度
はそれぞれ9件・8件でした(このうち4件・4件は警察に通報)。平成19年度は前
年度の4倍の36件発生し、このうち10件は警察に通報しました。
患者家族の皆様と職員の安全確保のために、このような犯罪に対しては院内
の規定にしたがって迅速に対応させていただきます。
< 6-12: p.7 >
6)防犯ブザー
5月2日から当直者・夜勤者用防
犯ブザーの使用を開始
医療安全対策
No.697
文書
当院における重大な暴力行為・わいせつ行為の発生は、平成17年度・18年度はそれぞれ9件・8件でした
(このうち4件・4件は警察に通報)。平成19年度は前年度の4倍の36件発生し、このうち10件は警察に通報
しました。医療従事者、特に当直者・夜勤者の安全を確保するために、平成20年5月2日から防犯ブザーの
携帯を開始します。
使用にあたって
部署
個数
手術室
0
ICU/CCU
3
A3
5
2 当直者・夜勤者は、勤務を開始するときに携帯し、
勤務終了後各部署の所定の場所に返却する。
A4
3
A5
3
3 各部署に定数配置し、故障・紛失時は総務課に
届け出る。
A6
3
A7
4
B3
3
B4
3
B5
3
B6
3
当直師長
1
救急外来
5
その他
1
1 当直者・夜勤者は、勤務中に携帯して必要時に
使用する。
看護部
4 使用説明書を参照すること。
ピッ ピッ ピッ ピッ 暴力行為
ピッ 診療局
薬剤部
1
検査科
2
放射線科
1
事務局
1
予備
5
合計
わいせつ行為
50
ピッ ピッ 助けて!
ピッ ピッ 次頁に
< 6-12: p.8 >
セクハラ被害を防
止するために
セクハラ被害を防止するために
未然に防止するために
●ドアは開けておく
●カーテンは開けておく
●相手が視野に入る位置にいる
●出入り口側に位置し、避難路を確保する
●できるだけ一人では対応をしない
●必要以上に接近しない
●密接な身体ケアを行うときはできるだけ二人以上で行う
●防犯ブザーを携帯する
●監視カメラを活用する
●ポスターを掲示し保安体制をPRする
●十分かつ効果的な照明
●安全な勤務経路
もしも被害にあったら
●大声を出して人を呼ぶ
●「止めてください」とはっきり言う
●遠くに(一定の距離をおく)にげる
●ナースコール(緊急ボタン)を押す
●防犯ブザーを鳴らす
●被害にあったことを我慢しないで信頼できる人に相談する
●すぐに上司に報告する
●実態(客観的事実)をメモしておく
●すぐに警察に通報する(現行犯逮捕)
●被害届を出す
●病院組織として(個人として)の対応について警察に相談する
●病院組織として加害者に通告する(被害者が傷ついていること、
組織として適切なケアの提供ができなくなること、このようなこと
があった場合の対処について)
< 6-12: p.9 >
7)乳幼児連れ去りが疑われた場合の対応マニュアル
医療安全対策
乳幼児連れ去りが疑われた場合の対
応マニュアル(No.712の改訂)
No.733
文書 過去に他院で「入院中の乳幼児が連れ去られた」という事例が発生しています。厚労省から、このような事例に
対する安全体制を整備するようにとの通達も出ています。
平成20年6月18日に船橋警察の協力を得て防犯セミナーを開催し、対応のシミュレーションを行い、6月23日
に本マニュアルが発行されました。このたびE館新設にともない、本マニュアルを改訂します。
①: ○○病棟です。入院中の
乳幼児(赤ちゃん)がいなくなり
ました。コードピンクの放送を
お願いします。
③: 出入り口で乳幼児を
連れた人の退館チェック: 「退館チェックをさせてい
ただきます」
②: コードピンク、
コードピンク。関係
部署の職員は出入
り口でチェックをお
願いします。
出入り口
①: ○○病棟です。入院中の乳幼児
(赤ちゃん)がいなくなりました。出入り
口で退館チェックをお願いします。
②: 責任当直医、
当直看護師長、事務
当直(休日のみ)を
呼ぶ。
③: 退館チェック
防災センター
< 6-12: p.10 >
6‐12‐2 ●セクハラ対策
1)セクハラ防止3原則
医療安全対策
セクハラ防止3原則
No.153
文書 平成15年10月24日に「職場におけるセクシャル・ハラスメントを防ぐた
めに」という講習会が開催されました。防止対策の中でとくに重要な3原
則を以下に掲載します。
●接触するな!
●近づくな!
●密室にするな!
●「職場のセクシュアルハラスメントの防止のために」という冊子を配布
しますので、よく読んでおいてください。
●相談の窓口について
★メンタルヘルス健康相談日(医療センター内)毎月実施 < 6-12: p.11 >
6‐12‐3 ●法律・厚生労働省通達
1)刑法第130条 住居侵入罪と不退去罪
医療安全対策
刑法第130条
住居侵入罪と不退去罪
No.368
文書 ●「ここは病院です。どういうご関係ですか。現在
患者さんは面会できません。」
●次の2点を伝える:①「お帰りください」、②「退
去しないと不退去罪になります」。これが退去に
関する当方の意思および命令になります。
●110番通報する。
患者に会わせろ
院長を呼べ
会わせるまで帰らないぞ
刑法
(住居侵入等)
第130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建
造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所
から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
(注釈:前半が住居侵入罪、後半が不退去罪に該当します)
●暴力団関係者等が、不当な理由により病院内に侵入し、退去命令に従わないとき
は、すぐに院内関係者の応援を要請してください。
日勤帯:上司、防災センター、医療安全管理室、総務課、医事課など
夜間・休日:防災センター、責任当直医、看護管理当直、事務当直など
●退去命令に従わないときは、110番通報してください。
●自分の安全と患者の安全を考え、柔軟に対応してください。
●次のページに暴力団対策・総会屋対策の資料から参考になる応対方法を掲載し
ておきます。
次のページに続く
< 6-12: p.12 >
暴力団関係者などとの対応のポイント:
「わかりません、できません、当院の方針です」
対応の基本
★相手の挑発に
乗ってはいけない
★相手を挑発して
はいけない
●どうしてこうなったか、
わかっているんだろ
★わかりませ
ん。
●院長を出せ
★できません。
●△△しろ
★できません。
●なんとかしろ
★できません。
●どうしてできないん
だ
★当院の方針です。
●責任をとれ
★どういう意味なのかわかりません
●誠意を見せろ
★具体的にはどういうことですか?
★当院の決定事項です。
★お金を出せということですか?
●裁判をおこすぞ
★どうぞ
●返事をもらうまで帰
らないぞ
★会議がありますので○時で終了とさせてい
ただきます。お帰りください。
お帰りにならないと不退去罪になります。
●置物などを投げつけたら
器物破損罪、暴行罪
●お帰りくださいといっても退去しない
不退去罪
●「金を出せ」、「どうなっても知らんぞ」と
言ったら
脅迫罪
< 6-12: p.13 >
2)被害にあった医療従事者の味方になってくれる法律
医療安全対策
被害にあった医療従事者の味
方になってくれる法律
No.521
文書 ● 医療従事者が暴力・暴言などの被害にあうことがあります。加害者が「患者・家族」のこと
もあれば、「医療従事者」のこともあります。
● 一緒に働いている仲間に対して「暴言を浴びせることは侮辱罪」、「おれに謝れと強要する
とは強要罪」、もちろん「セクハラは強制わいせつ罪」ですよ。
● 被害にあった医療従事者の味方になってくれる法律を下の表に掲載しておきます。参考にし
てください。
No.
医療従事者にとって迷惑となる行為
法律
1
泥酔し、騒ぐなどして他の患者に迷惑をかける
こと
酒に酔って公衆に迷惑をかける行為
の防止等に関する法律(酒酔い防止
法)⇒法律違反
2
医療者や他の患者に対して、殴る・蹴る・小突
く・胸倉をつかむなどの暴力行為
刑法204条⇒暴行罪、傷害罪
3
院内の設備や備品を破壊すること
刑法261条⇒器物破壊罪
4
医療者や患者に暴言を浴びせること
刑法231条⇒侮辱罪
5
医療者に対してみだりに接触すること
刑法176条⇒強制わいせつ罪
6
わざと大声や奇声を発し、居続けて業務を妨害
すること
院内で怒鳴り散らす等して、医療者の業務を妨
害すること
刑法234条⇒威力行為妨害罪
7
「お前ら、不幸が起きるぞ」等、脅迫的暴言を
吐く行為
刑法222条⇒脅迫罪
8
医療者に物を投げつけること
刑法204条⇒暴行罪・傷害罪
9
卑猥な発言等、公然わいせつ的行為をすること
刑法176条⇒公然わいせつ罪
10
土下座させたり、謝らせる行為
刑法223条⇒強要罪
11
正当な理由がないのに院内に侵入し、「退去し
てください」と言っても従わない
刑法130条⇒住居侵入罪と不退去罪
文献:佐合茂樹(木沢記念病院企画総合部長)、平成17年「医療安全管理者養成課程講習会」の資料
< 6-12: p.14 >
3)ストーカー規制法について
医療安全対策
No.667
文書
ストーカー規制法について
平成12年11月24日からいわゆる「ストーカー規制法」が施行されています。当院で
もストーカー被害が発生する可能性があり、本文書でストーカー規制法について院
内周知します(警視庁のホームページ及び警察庁ホームページから引用)。
院内で「ストーカー」に関係したことで、心配があれば、所属長または医療安全管
理室に相談してください。
ストーカー規制法
とは?
この法律は、ストーカー行為等を処罰するなど必要な規制を行うことと、被害者に対す
る援助等を定めており、あなたの身体、自由、名誉、生活の安全と平穏をストーカー行
為の被害から守るためのものです。
この法律による規
制の対象となるの
は?
(1)「つきまとい等」と(2)「ストーカー行為」の二つです。
(1)「つきまとい
等」とは?
特定の者に対する恋愛感情などの行為の感情又はそれが満たされなかったこ
とに対する怨恨(えんこん)の感情を充足する目的で、その特定の者又はその
家族等に対して行う次の8つの行為を「つきまとい等」と規定しています。
① つきまとい・待
ち伏せ・押し
かけ
つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在
する場所(以下「住居」等という。)の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛ける
こと。
② 監視している
と告げる行為
その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
【例】「今日はAさんといっしょに銀座で食事をしていましたね」と口頭・電話や電子メール
等で連絡する(「告げ」ることや、自転車の前カゴにメモを置いておくなどする(「知り得る
状態に置く」)こと。
③ 面会・交際の
要求
面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
④ 乱暴な言動
著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
【例】大声で「バカヤロー」と粗野な言葉を浴びせることや、家の前で車のクラクションを鳴
らすこと。
⑤ 無言電話、連
続電話、ファ
クシミリ
電話をかけても何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して電話をかけ若しくは
ファクシミリ装置を用いて送信すること。
【例】無言電話をかけることや、拒否しているにもかかわらず、短時間に何度も電話や
FAXをしてくること。
⑥ 汚物などの送
付
汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又は
その知り得る状態に置くこと。
⑦ 名誉を傷つけ
る
その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
⑧ 性的羞恥心の
侵害
その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的
羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置くこと。
【例】わいせつな写真等を送りつけたり、電話や手紙で卑猥な言葉を告げて辱めようとす
ること。
(2)「ストーカー行
為」とは?
同一の者に対して、「つきまとい等」を反復してすることを「ストーカー行為」と規
定しています。
つきまとい等
をされたらど
うしたらいい
のか?
すぐにあなたの最寄りの警察署・警察本部にご相談ください。
●あなたの申し出に応じて、「つきまとい等」を繰り返してはならないことを警察本部長等
が警告することができます。
●警告に従わない場合には、都道府県公安委員会が禁止命令を行うことができます。
禁止命令に違反して「ストーカー行為」をすると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰
金に処せられます。
●あなたが、「ストーカー行為」の被害に遭っている場合には、あなたが告訴して、警察
に検挙を求めることができます。「ストーカー行為」の罰則は、6ヶ月以下の懲役又は50万
円以下の罰金です。
●これらの他にも警察はいろいろな援助を行います(略)。
< 6-12: p.15 >
4)院内暴力対策に関する厚生労働省通達
医療安全対策
院内暴力対策に関する
厚生労働省通達
No.711
文書 平成18年9月25日に、厚生労働省から院内暴
力対策に関する通達が出ました。次の表にこの
要点を示します。
医療機関における安全管理体制について (院内で発生する乳児連れ去りや盗難等の被害
及び職員への暴力被害への取り組みに関して) 医政総発第0925001号 平成18年9月25日
方策
1
2
3
4
項目
注
安全管理体制に
対する病院の方
針の明確化
1) 方針の明確化: 病院全体
で取り組む
実態把握、暴力を容認しない姿勢、
掲示
2) 体制整備に係る経費につい
て検討
防犯設備・システム導入の経費
予防: 暴力事件・乳
児連れ去り事件
発生のリスクを
低減する
1) 職員の意識を高める
来院者への日常的な「声かけ」
2) 出入・動線を工夫
患者・家族の利便性と不審者の制限
3) 防犯設備・システムの拡充
防犯カメラ、電子ロック、防犯ベル、防
犯システムについて掲示、警察との連
携・定期的な巡回依頼、警報
4) 警備員の配置の充実、病院
職員との連携促進
渉外・警備担当(警察OB)、警察との
連携
5) 暴力事件を起こす患者・家
族への対応を検討
マニュアル、ルール遵守につき掲示、
対応の経緯の記録、顧問弁護士と相
談の上、内容証明郵便で診療を行わ
ない旨を送付
6) 乳幼児の両親の意識醸成
乳幼児の両親:「病院は安全だ」という
思い込みが強い
7) その他(環境改善、人員配
置等)
禁止持込物を指定し、掲示・明示
1) 暴力事件が発生⇒直ちに関
連機関に連絡
直ちに警察に通報
2) 乳幼児が院外に連れ出され
ないように迅速な対応
合言葉で院内放送、不審者発見、施
錠、通報
3) 報道機関への対応窓口・方
法を定める
マスコミ対応窓口及び担当者を一本
化
4) 病院の機能回復、被害者・
職員のケア
メンタルケア、労災扱い
5) 再発防止策の検討
原因分析、対策マニュアルの改訂
1) 対策マニュアルの整備と定
期的な改訂
マニュアルの整備と改訂
2) 職員教育の充実
暴力事件を防ぐ観点からの接遇研修
事件発生時及び
事後の対応
安全管理対策マ
ニュアルの整備
と職員教育の実
施
< 6-12: p.16 >
Fly UP