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英語学科ニューズレターNo.14

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英語学科ニューズレターNo.14
英語学科ニューズレターNo.14
[職位など 2008 年 3 月現在]
外国語学部長としての4年間を振り返って
外国語学部長
山﨑 俊次
英語学科卒業生のみなさま、社会の様々な業種でご活躍のことと思います。今年度末を
持ちまして2期4年勤めました外国語学部長の職を任期満了で終えることになりました。
この間、いろいろな行事や変革が行われ、英語学科には従来の英語コースの他にヨーロッ
パ2言語(英独・英仏)のコースが設置され、概ね 50 名の英語学科の学生がそのコースを
選択しています。今年度からドイツ・フランスへの短期語学研修と長期留学制度が開始さ
れ、大多数の学生が参加しています。外国語学部は当初文学部外国語学科でありましたが、
そこから独立し今年度設立 35 周年の節目を迎えました。その記念行事として昨年末慶応義
塾大学名誉教授、鈴木孝夫氏の講演を皮切りに学部の教員・学生のシンポジュウム、記念
祝賀会も開催されました。そして、外国語学部の歴史を概略で著し、また教員の研究論文
を掲載した『外国語学部 35 周年記念論文集』も間もなく発行される予定になっています。
大学も来年度は創立 85 周年を迎え、さまざまな記念行事が企画されています。どうぞ、み
なさま機会を見つけて新装なった板橋校舎、総合グランドが今年中旬に竣工します東松山
校舎に足を運んでくたさい。ご健勝でご活躍を祈念いたします。
退職教員挨拶
さようなら わが愛しの大東文化大学
三好 郁夫
(英語学科教授)
大東文化大学に専任教員として奉職して 30 年が経ち、今年(08 年)3 月 31 日をもって
定年退職をすることになりました。30 年間の長期にわたり同じ職場にいたことは、基本的
には、よほどこの職場が気に入っていたことを証明してくれるでしょう。同僚の先生方に
恵まれていたことと、学生諸君が1,2,3,4年と階段を上るに従い、人間として成長
してゆく姿を英語の授業を通して実感できたことは、大きな喜びでした。
英文法関係の授業で一番よく使った教科書は R. W. Zandvoort の A Handbook of
English Grammar。毎年毎年使い、ついに最後は品切れになってしまい終了。永遠の名著
である Otto Jespersen の Essentials of English Grammar もよく使いました。私はなぜ
か多くのひとが嫌いだという文法が好きです。美しい景色を見たときのように、優れた文
法書を読むと心が平静になります。和みます。多忙なときほど癒されます。
読解関係の授業でよく読んだのは John
Steinbeck の諸作品、なかでも Red Pony。
William Saroyan の Papa, You’re Crazy からは今でも他の講義で引用する個所があるほど
大好きでした。これも品切れになるほど使いました(再版された)が、これは私の担当科
目が無くなって終了。また、行間に溢れる感動が詰め込まれている Ernest Hemingway も
よく読みました。それから、ごく短期間ではありましたが、ヴィデオを見ながら読んだ
Thornton Wilder の戯曲 Our Town。誕生、恋、結婚、そして、死後の世界。授業の最後
に映写が終わると、点燈して教室を明るくするタイミングに苦労しました。諸君の目(私
の目は大丈夫!)がウルウルしているのがわかっているので、わざと「さて試験の範囲で
すが・・・」などと無粋なことを言ったり、
「結婚相手は、やっぱり大東の人がいいよね」
などとよけいなことを言ったり・・・。
最後に、人生の岐路にたったとき、大学時代に読んだ小難しい教科書をもう一度紐解い
てみることをお勧めいたします。そこには確固とした世界があり、指針となるヒントが隠
れているかも知れません。読み継がれる書物には、それなりの理由がるのです。それでは、
みなさん、さようなら。お元気で、ご活躍のほど祈念いたします。
お世話になりました!
米山 朝二
(英語語学科教授)
英語学研究科博士課程後期の発足に際し、大東文化大学に奉職いたしました。本年4月
から、後期課程は人事権を含む完全なオートノミーを得ることになります。この間、課程
担当の同僚各位のご助言、ご指導を得ながら大過なく勤めることができました。3年とい
うごく短期間でありましたが、本学での経験は私にとって意義深い、また楽しい思い出に
なりました。
板橋校舎での勤務に加え、東松山キャンパスでも教える機会を得ました。朝未き、起伏
のある広大な敷地を抜け、散歩の道すがら物見山展望台から遥か秩父連山を臨みながらの
深呼吸は一日の活力となりました。山を下り、谷を下って岩殿観音堂を参拝し、参道を後
にして動物園に到る街道を陸上競技部の一団が駆け抜けて行くのを目の当たりにするとき、
競技での成功を祈る思いが溢れ出るのを感じました。
院生はもちろん、学部の学生の多くも熱心に勉学に励んでくれたことは教員としてあり
がたい幸せでした。本学、とりわけ英語学科のますますの発展と皆様方の今後のご健勝を
祈念し、ここに改めて感謝の気持ちを込めてお礼を申し上げます。ありがとうございまし
た。
退職スタッフ挨拶
園田 佳世
(英語学科研究補助員)
4年間学んだ大東文化大学英語学科で、平成17~19年度の3年間研究補助員として
主に留学業務のお手伝いをさせていただきました。これまで学生として学ぶ立場にあった
自分が指導する側・サポートする側へと変わったわけですが、初めの頃は戸惑いのような
ものもありました。しかしそのような不安要素は、ご指導して下さった先生方や事務職員
の方たちのおかげですぐに消え徐々に慣れていくことができ、この仕事が大好きになりま
した。留学の相談から始まり学生が自分で意志を固め決意をし、そして実際に留学を終え
て帰ってくるまでをトータルでサポートできるこの仕事は、とてもやりがいがあり、また
私も多くの学生たちから刺激を受け学ばせていただきました。
このお世話になった大東文化大学で微力ながら貢献させていただけたことは、私にとっ
て大きな喜びです。温かい心で支えて下さった先生方・職員の皆様・学生たち…本当にあ
りがとうございました。
新任教員自己紹介
Life is never boring at Daito.
鈴木 敬了
(外国語学部英語学科准教授)
平成 19 年 4 月に本学外国語学部に赴任し、当初は戸惑うことも多い中で特に学部の先生
方からのご教示やご助言を頂き大いに助けられ今に至っております。小生の出身大学、大
学院は早大、ICU, 東北大とさまざまですが、勤務先も郷里である福島県の県立高校に 8
年、私立大学文学部に 10 年半、高専 3 年半といろいろな職場を経験してきました。本学で
も英語学科は E プラス 1(白井先生の表現を拝借)のヨーロッパ2言語コースがあるなど、
他の英語学科にはないユニークな面があり、また新たな発見と経験が続くものと思います。
小生の専門は歴史英語学で、特に古英語の語順に関する研究を行ってきました。言語は
常に変化するといわれますが、英語は特に変化の激しい言語です。現在の英語の発音とつ
づりの不一致をみれば容易に想像できるかと思います。英語は 449 年、ゲルマン民族のブ
リテン島上陸から始まりましたが、当時、語順は日本語と同じ SOV が多いのが特徴で、ま
た発音とつづりも一致していました。しかし 1400 年以降、大母音推移(すべての長母音が
一段階上昇)で発音とつづりの不一致が拡大しました。意味も変化し、例えば deer はかつ
て「動物」を意味していました。多くの名詞複数形語尾は-n でしたが、今では oxen, children
等に残るのみとなっています。1066 年のフランスのノルマン人による英国征服等を通じて、
フランス語その他の言語から多くの語が英語に入りました。ノルマンのフランス語 hostel,
パリのフランス語の hotel が入るなど類義語も増大しました。小生のゼミではこうした英語
の歴史的変化をコーパス言語学の手法を取り入れ、解析することを目的としております。
現在の研究テーマとして科研費では古英語詩の電子データベースの構築に取り組んでおり
ます。古英語を研究する利点は英語母国語話者にとっても、ほとんど外国語と同じ感覚で
あるため日本人が対等に研究できる点です。近年、国際学会等で日本人研究者の活躍が目
立ってきています。
本学の学生を教えてみて気づくことは素直な学生が多いということです。その意味でも
一層、教育、研究に邁進し、進化する大学、大東文化大学のために貢献できればと思いま
す。今後とも、教職員の皆様方のご指導、ご鞭撻の程をお願い申し上げ、新任のご挨拶と
致します。
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