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北十字

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北十字
短周期食変光星の測光観測
情報工学科3年 大嶋 真以 ・ 岸部 仁美
平成25年度 チャレンジゼミナール発表会
目的
1. 食変光星のはくちょう座V1191とカシオペヤ座
V0523を測光観測し、得られたデータをIRAFで解析
する。
2. データ解析をするにあたって、IRAFの使い方を理
解する。
3. 画像データを解析しExcelでデータをまとめ、光度
曲線を作成する。
4. 食変光星の公転周期と大小関係を考察する。
IRAFとは?
IRAF(Image Reduction and Analysis Facility)とは
NOAO(アメリカ国立光学天文台)で開発された天文学用の
画像解析ソフトである。
食変光星とは?
基本的に主星と呼ばれる大きな恒星を中心として、そ
の周囲に小さな伴星がある。これらはそれぞれ重力を
持っていて、それらが影響し合うことによって、主星と伴
星はその重心の周りに軌道運動をしている。
これによって、地球から見たときに2つの星が互いを隠
しあうことで変光する。
極大
主極小
極大
副極小
はくちょう座(V1191)
はくちょう座(Cygnus)は、トレミーの48星座の1つで、北天の有名な星座
である。この星座は天の川の上に翼を広げ、北から南に向けて飛ぶ形
をしている。夏の代表的な星座で、この星座を構成するデネブは夏の大
三角の一部である。
変光星
はくちょう座の中心部の別名で
北十字星やノーザンクロスと呼
ばれる。南十字星と対応した関
係でも関連付けられている。
比較星
カシオペヤ座(V0523)
カシオペヤ座(Cassiopeia)は、北天に見られ、トレミーの48星座の1つである。
5個の星がローマ字のWの形に並ぶ。
周りには、他に明るい星が無いので、
比較的探しやすい。北極星(ポラリス)
を探すために用いられる。
β星からα星への延長線と、ε星からδ
星への延長線が交わるところから、γ
星へ線を伸ばし、その方向へさらに
線を5倍に伸ばすと、「北極星」にた
どり着く。
比較星
変光星
観測方法
V1191 Cyg
V0523 Cas
撮影
8/6(火)
22:00∼翌4:00
10/12(土)
23:00∼翌5:00
露出時間
70秒
40秒、60秒
撮影枚数
277枚
244枚
望遠鏡
美星スペース
ガードセンター
50cm望遠鏡
美星天文台
101cm望遠鏡
CCDカメラ
2048×2048pixel 1024×1024pixel
画素数
視野
100分×100分
6.8分×6.8分
フィルター Wi(5880-9380Å) R(1380-6380Å)
データ解析
比較星として、V1191 Cygの場合はHD228695(A0)、V0523 Cas
の場合にはUSNO-A2.0 1350- 00691230を使用した。
1. IRAFを用いて撮影画像からダークとバイアスをひき、画
像をフラットで割る。
2. 整約済み画像の位置情報を取得し、連続測光する。
3. 変光星と比較星のフラックスを測定し、ポグソンの式を
用いて等級差を求める。
=2.5
※
:比較星に対する等級差、 ଵ:比較星のフラックス、 ଶ:変光星のフラックス
ダーク補正
亜鈴状星雲①とダーク画像②
①
③=①−②
②
※OB向井さんの資料より
周期の求め方
1. 半周期のT1とT2を決める。
2. T1とT2の平均をだし、2倍
して公転周期を求める。
3. 周期の一部を取り出
し6次の近似曲線を
求める。
4. 近似曲線を微分(y´)
し y´=0となるときの
解を求める。
T1
T2
解析結果と考察(V1191 Cyg)
グラフより、V1191 Cygの公転周期は7時間23分である。
<仮定>
(1)公転面上に地球がある (2)星が接触している (3)星の大きさが異なる
<分かったこと>
仮定(1)より、地球から見た星の断面積が食によって変化する。
仮定(2)より、星の明るさは極大時に
連続的に変化する。
仮定(3)より、星の明るさは極小時に
変化しない時間帯がある
文献データとして、この食連星はお
おぐまW型(EW)であり、周期は7時
間31分であるから、分析結果はほ
ぼ一致している。
解析結果と考察(V0523 Cas)
グラフより、V0523 Casの公転周期は5時間43分である。
<仮定>
(1)公転面上に地球がある (2)星が接触している (3)星の大きさがほぼ等しい
<分かったこと>
仮定(1)より、地球から見た星の断面積が食によって変化する。
仮定(2)より、星の明るさは極大時に連続的に変化する。
仮定(3)より、星の明るさは極小時に急激に変化する。
文献データとして、この食連星はお
おぐまW型(EW)であり、周期は5時間
31分であるから、分析結果はほぼ一
致している。また、測定誤差を考慮し
てもグラフよりわずかであるが主極
小、副極小があることが判断できる。
まとめ
 食変光星を測光観測し光度曲線を作成した。
 その光度曲線から公転周期と星の大小関係を考
察した。
 IRAFの操作方法を習得した。
 V1191 Cygはカーブがなめらかな部分とそうでない
部分があったが、V0523 Casはカーブがなめらかで
あった。
 V1191 CygとV0523 CasはおおぐまW型(EW)である
が、カーブが同じようなものにならなかったので、
追加データを解析したい。
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