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災害護身術 「火災編」 シナリオ Ver2(PDF形式:166KB)

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災害護身術 「火災編」 シナリオ Ver2(PDF形式:166KB)
災害のその瞬間を生きのびる
災害護身術「
災害護身術「火災編
火災編」シナリオ
対象:4歳児以上 所要時間:20~30分
1.家にひとりでいる
にひとりでいるときに
でいるときに火事
ときに火事になったら
火事になったら
(1)火事になったら警報が聞こえる
必要なもの ※住宅用火災警報器
実施者 住宅用火災警報器を見せて「これ見たことある?」
子ども 「見たことある!」
「煙探知機!」
「火災報知機!」
「火災警報器!」etc
実施者 「そう。火災警報器と言います。これはなにをする機械かな?」
子ども 「火事を知らせるやつ!」
実施者 「そのとおり。火災警報器はみんなのおうちのお部屋の天井か壁に付いています。どんな音がな
るか聞いたことがある?」
子ども 「ない!」
「ある!」
実施者 ある子に対して「どんな音だった?」
ある子
「火事です、火事ですって言う」
ある子 「ピー、ピーって鳴る」
実施者 「そうやね。じゃあ、聞いたことがない子のために、どんな音が鳴るのか一回鳴らしてみます。
実際に火災警報器を鳴らしてみる
「火災警報器は、こんな音を鳴らして火事を知らせてくれます。マンションとかの集合住宅では共
用廊下に大きなベルがあって、それが『ジリリリリッ!!!』という音を出すようなところもあり
ます。家にいるときにこんな音が聞こえたら、火事がおこったということだから、みんなはすぐに
逃げなければなりません。
」
(2)けむりは火よりもこわい
必要なもの ※大きな布・職員か先生に手伝ってもらう
実施者 「火事では火の他に、とても怖いものがあります。なにかわかる?」
子ども 「???」
「・・・けむり?」etc
実施者 「火事では火よりもまず怖いのは煙です。火事の煙には体に悪い毒がたくさん入っていて、吸っ
てしまうと体が動かなくなったり、気を失ったりして逃げ遅れて死んでしまいます。だから、火事
のときは煙を絶対に吸ってはいけません。
だから、
煙がどうやって広がっていくのか覚えましょう。
」
大きな布を使って「煙はまず上に昇っていきます。そして天井で広がって
だんだん下にさがってきます。ということは・・・煙を吸わないためには
どうやればいい?」
子ども 「???」
「息を止める」
「口を押さえる」
「かがむ」etc
実施者 「煙は上からだんだん下がってくるから、きれいな空気は下のほうにあ
ります。だから姿勢を低くしてかがんで逃げます。そして、なんでもいいので近くにある布で口を
おおって煙を吸わないようにします。
」
(3)部屋からの脱出
必要なもの ※模擬ドア・模擬破壊板・模擬避難ハッチ
実施者 「ここはおうちの自分の部屋だと思ってください。一人で留守番をしていると・・・」
火災警報器を鳴らす「家のどこかからこの音が聞こえてきました。この音が聞こえたら?」
子ども 「火事!」
実施者 「そう!この音が聞こえたら逃げないといけません。ドアから逃げましょう。逃げるときに姿勢
はどうだった?」
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神戸市長田消防署
子ども 「かがむ!」
「低くする!」
実施者 「そう!四つん這いになってドアに向かおう!」
ドアまで行くと、ドアを開けようとする子どもがいる
「いきなりドアを開けてはダメ!」
子ども 「ええっ!?」
「逃げられない・・・」etc
実施者 「ドアを開けるときは、先に軽く手で触って、ドアが熱くないか確認します。
」
子どもがべたべたとドアをさわる
「普通、ドアが熱いなんてないよね。ドアが熱いってことはどういう
ことだと思う?」
子ども 「ドアのむこうが火事になってる!」etc
実施者 「そのとおり!ドアが熱いということは、もうドアのすぐそこまで火
が迫っているということです。特に鉄のドアノブをいきなり握ったらど
うなる?」
子ども 「あつい!」
「やけどする・・・」
実施者 「だからドアをいきなり開けてはダメ。先にすこしだけ触って熱さを確かめます。ドアを触って
熱くなかったら、少しだけドアを開けて、火がまだ来てなかったら煙を吸わないようにして急いで
家の外まで逃げます。でも、ドアが熱かったら、そのドアは開けてはいけません。
」
子ども 「え~!どうするの?」
「逃げられない・・・」etc
実施者 「どうしよう? ほかに逃げ道はないかな?」
子ども 「窓!」etc
実施者 「そう!ドアがダメなら今度は窓側に逃げます。
」
窓側に子どもたちを四つ這いで移動させて「みんなの部屋は何階にある?」
子ども 「1階!」
「2階」
「5階」
「8階!」etc
実施者 「いろいろあるよね。1階に部屋がある子は?」
子ども 何人か手をあげる
実施者 「君たちはラッキーやね。一階の子はそのまま窓から外に逃げられるね。
」
「マンションとか集合住宅に住んでる子は?」
※未就学児の場合、ここから省略でも可
子ども 何人か手をあげる
実施者 「マンションとかの集合住宅に住んでいる子は、こんなのを見たことない?」
模擬破壊板を見せる
子ども 「あっ!ある!」
「見たことな~い!」
実施者 見たことある子に対して 「どこで見た?」
見た子 「ベランダ」
実施者 「これは破壊板といって、ベランダのお隣さんとの間にあります。そして、こんなことが書いて
あります。
『非常の際はここを破って隣戸に避難してください』
。ここを破って避難してくださいと
書いてあります。破壊板があるマンションの子は、これを破って隣に逃げてください。
」
子ども 「破れるの?」
実施者 「破壊板は、思い切り叩いたり足で蹴ったりすると簡単に破れるようになっています。そして、
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神戸市長田消防署
一番下に『この付近に物を置かないでください』と書いてあります。破壊板の前に大きな棚とかを
置いていたらどうなる?いざというときに逃げられないね。だから破壊板の前には物を置かないよ
うにしないといけません。
」
「次に、これを見たことがある人は?」
模擬避難ハッチを見せる
子ども 「あっ!ある!」
「見たことな~い!」
実施者 見たことある子に対して 「どこで見た?」
見た子 「ベランダ!」
実施者 「そう!ベランダにこんな避難ハッチがあるところもあります。この避難ハッチがある人?」
子ども 何人か手をあげる
実施者 「この避難ハッチは、こうやってパカッと開きます。中には折りたたんだ梯子が入ってて、ここ
から下の階に逃げることができます。
」
(4)助けを呼ぶ
実施者 「では、一戸建の2階とか3階に部屋がある子とか、破壊板や避難はしごがない集合住宅の子
は?」
子ども 何人か手をあげる
※未就学児の場合、ここまで省略でも可
実施者 「さあ、どうする? あきらめるか?」
子ども 「やだ!」
「どうしよう・・」etc
実施者 「絶対あきらめたらあかんな! そういう子は自分はここにいるよ~っと、下にいる人に知らせ
るのが大切です。じゃあ、みんなで助けを呼ぶ練習をします。みんな立って!」
子ども 立ちあがる
実施者 「みんなよくおうちや保育所で『静かにしなさい!』って言われてるね。
でも今日は日頃のストレスを発散するつもりで、
思いっきり大きな声で
『助
けて~!』と叫んでみましょう。
」
実施者に続けて「助けて~!」と子どもたちに叫ばせる(3回)
「大声を出してどうだった?」
子ども 「すっきりした!」
「たのしかった!」
「つかれた!」
「のどが痛くなった!」etc
実施者 「今、3回大きな声を出したね。たった 3 回でも大きな声を出すとのどが痛くなったり、疲れた
子もいます。火事の中では煙が周りにたくさんあります。そんな中で大きな声を出すと、余計に煙
を吸ってしまったり、いざというときには声が枯れて声が出せなくなります。だから「助けて」と
叫ぶのは下に人がいてあの人には聞こえそうだと思ったときだけ。声が出せなかったらハンカチを
振ったり手を振ったりなんでもいいから、自分がそこにいることを分かるようにしてください。そ
うすると消防士はそこを目がけて助けに向かいます。
」
2.着ている服
ている服に火がついたら
実施者 「次に、自分の着ている服に火がついたときにどうするか覚えよう。どうしたらいいと思う?」
子ども 「服をぬぐ!」
「水をかける!」
「消火器で消す!」
「手ではたく」etc
実施者 「どれも正解!水がすぐそばにあれば水で消せばいいし、手ではたいて消えたらそれでいい。服
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を脱げたらそれもいいけど、あわててしまって多分うまくいかない。じゃあ、そばに水も消火器も
なくて、手ではたくくらいじゃ消えなかったら?」
「びっくりして走りまわるか? これはダメ。びっくりして走ると、火は余計に大きくなります。
だから、絶対走ったらダメ。その場に『とまって!』
。
」
おおげさにその場に立ち止まるポーズを取る
「そして次に、その場に『たおれて!』
、地面に燃えているところをこすりつけます。
」
燃えている部分をこすり付けるポーズをする
「火が大きいときはさらに左右に『転がって』
、火を消します。そのとき、両手で顔を隠してるや
ろ? これはなにしてんのかな? 泣いてるんかな?」
両手で顔を隠しながら左右に転がる
子ども 「煙を吸わないように!」
「火から守るために!」etc
実施者 「これは火から顔を守るためです。顔は命やからね。
」
「じゃあ、みんなでやってみよう!」
場所があればみんなでおこなう
3.自分が
自分が起こした火事
こした火事でも
火事でも逃
でも逃げろ
実施者 「今日は、家に一人のときに火事になったときの逃げ方と、着ている服に火がついたときの消し
方を覚えました。最後は消防士からみんなにお願いです。みんなの家には一つや二つ、ライターが
あると思います。
ライターで火遊びをするのは絶対にやめてください。
ライターで火遊びをすると、
その火がカーテンとか家の中の物とかに燃え移ってとても大きな火になってしまいます。すると火
遊びをしてしまった子どもは、
『とんでもないことをしてしまった』と子どもなりの責任感で、自分
で火を消そうとします。そして、逃げ遅れて死んでしまう子どもが毎年何人もいます。みんなは絶
対に火遊びなんかはしないと思うけど、もしも、自分が火事を起こしてしまっても、自分で火を消
そうとするよりも、その場から逃げてください。これがお願いです。そして近くにいる大人に『火
事になった』と知らせるか、自分で119通報してください。家が一軒燃えて無くなってしまうよ
りも、みんなのような未来のある子どもの命が無くなってしまうほうが、悲しいことです。そして
何よりも、みんなのお父さん、お母さんがものすごく悲しみます。今日の話は忘れないで覚えてい
てください。
」
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