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台湾で、渡り鳥から鳥インフルエンザウイルスが 分離されました。
飯田家畜保健衛生所 飯伊家畜畜産物衛生指導協会 16−6号 平成 16 年 12 月 21 日発行 TEL 53-0439 FAX 53-0441 e-mail iidakachiku@pref. nagano.jp 台湾で、渡り鳥から鳥インフルエンザウイルスが 分離されました。 日常の鶏群管理に注意しましょう。 1 経緯 平成16年12月15日、台湾における通常のサーベイランスにおいて、渡り鳥の2検体 から鳥インフルエンザウイルス(H5N2,H5N6)が分離されました。 2 これまでの台湾のサーベイランス状況 台湾においては、鳥インフルエンザのサーベイランスを実施してきており、平成16年1月 から11月までの間に、野鳥2,950件、養鶏場1,002戸、鴨農場608戸、ガチョウ 農場76戸について検査を実施しましたが、この間、H5亜型のウイルスの検出はありません。 3 日本への鳥インフルエンザ再度侵入防止のための対策 本病の発生を防ぐには、ウイルスを養鶏場内に「入れない・持ち込まない」対策が重要で す。以下の侵入防止対策の徹底に引き続き努めて下さい。 (1)養鶏場内へは部外者の立入りを禁止しましょう。 (2)養鶏場内出口に踏込み消毒槽を設置し、ウイルスの侵入を防ぎましょう。また、鳥舎 及び養鶏場内に入る車両や器具等の消毒を徹底しましょう。 (3)野鳥の糞の混入が考えられる河川の水の鶏等への給与は止め、水道水を利用しましょ う。 (4)養鶏場の入口や窓にネット等を張り、野鳥やネズミなどの野生動物の侵入を防ぎまし ょう。 (5)ウイルスを媒介する可能性のあるハエ、ゴキブリ等の衛生害虫への対策を強化しまし ょう。 4 高病原性鳥インフルエンザとは (1)鳥インフルエンザのうち、病原性が強く高致死性の疾病を言います。 (2)家畜伝染病予防法により、家畜伝染病(監視伝染病)に指定されています。 (3)発生すると治療法はなく、殺処分措置等によりまん延を防止します。 (4)国内では、2004年1月、1925年以来79年ぶりに発生しました。 区分 内 感受性動物 感染経路 容 鶏、あひる、七面鳥、うずら等 鳥から鳥への直接感染・水、排泄物、人及び車両等を介して感染 ・突然の死亡率上昇(3日間に10%を越える) ・肉冠、肉垂のチアノーゼ、出血、壊死 ・脚部の皮下出血 急性の死亡例で ・顔面の浮腫 は、認められない ・産卵率の低下または産卵停止 ことが多い ・神経症状(首曲がり、元気消失等) ・呼吸器症状 ・消化器症状(下痢、食欲減退) 症状 発生状況 香港、中国、韓国、インドネシア、タイ、ベトナム、アメリカ等、 アジアを中心とした世界各地で発生 5 鳥インフルエンザに関わる消毒について **鳥インフルエンザウイルスは 一般的な消毒薬が有効です** インフルエンザウイルスは、次亜塩素酸ナトリウム液、アルカ リ液、石灰、ホルムアルデヒド液、クレゾール液、逆性石鹸液な どの一般の消毒薬が有効です。 ウイルスの感染性は75℃1分間の加熱によっても失われます。 <現在、よく使用されている消毒例> 成 分 名 方 法 等 備 考 消石灰 塩化ベンザルコニウム (逆性石鹸液:商品名例オスバン、ベ (消毒効果のあるアルカリ性のもの) タセプト、プロクール等) ●一般の薬局等で販売されています ●ホームセンター等で販売されています。 ●希釈濃度:200∼500倍 (生石灰は水と混ぜると高温になり危険で (希釈方法の例・・200倍ならば) すので、取り扱いやすい消石灰の使用をお 水20Lに消毒薬 100ccを加える。 奨めします。) ● 方 法 :噴霧器等で、鳥小屋全体に ● 方 法 :飼育舎の周囲2∼3mの範囲 かけて下さい。特に鶏舎入口は、念入り に、土の表面が白く覆われる程度(300g/ にお願いします。汚れがひどい場合には、 ㎡)の量を散布します。 効果が落ちるので、よく洗浄した後に実 施して下さい。 ● なお、消毒は天候の良い日を選び定期 的に実施するよう心掛けて下さい。 他の逆性石鹸液(商品名例 パコマ500∼2000倍希釈 アストップ、クリアキル、クリンエール、デスマッ ク、パンパックス、ベストシールモルホナイト等) (文書なし)