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高血糖の合併により多腺性自己免疫症候群 3型が判明した一例

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高血糖の合併により多腺性自己免疫症候群 3型が判明した一例
゛
防衛衛生 (National DefenseMedical Joumal)
105
57( 6 , 7 ) : 105 ~ 109 (Jun., Jul. 2010)
2010年 6 , 7 月
症例報告
高血糖の合併に よ り多腺性 自己免疫症候群 3型が判明 し た一例
講 師(医) 柳川
19 (E) 今村
2回 (E) 今長 慶志
3ゆ佐(E) 岩本慎一郎
洋一
友典
CASE R E PO RT
A case of autoimmune p01yglandular syndrome type 3
associated with hyperglycemia
Y OUiChi Y A N A GA W A ,
A ssistant Profess(jr ( M D )
T OmOnOri I M A M U RA ,
(MC) Captain, ASDF
K eiShi I M AN A GA ,
(MC) Lieutenant, GSDF
ShiniChirO n VA M OT 0 ,
Major (MC) GSDF
AB ST R A CT
A forty-eight-year-01d fem ale with depression w as transported to this departm ent due to
unconsciousness, dyspnea and hyperglycemia (440mg/ d1) . H er past medical history induded vi血igo
vulgaris at 10 years of age around, convulsive attack at 46 and 47 years of age, depression at 46
years of age, and chronic thyroiditis at 48 years of age. 0 n arrival, she show ed systemic vitiligo
vulgaris and muscle atrophy. T he laboratory and rad1010gical h dings indicated a diagnosis of postconvulsive unconsciousness, aspiration pneumonia, glucose impairment and chronic thyroiditis、 H er
unconsciousness and respiratory dysfunction improved a few days f0110wing admission. F urther
examination of her bIood revealed r)ositjve antiglutamic acid decarboxylase antibody ( 25000U / ml)
and antinuclear antibodies [ ×80 ( homogenous patEern) ] so that she received a diagnosis of
autoimmune p01yglandular syndrome type 3.
She stin maintained residual insulin secretion and her
glucose concentration w as w ithin the nor m al lim its w ithout insunn therapy under non, stress
conditions。
Patients w ith vitiligo vuigaris that is com plicated with an autoim mune disease such as chronic
thyroiditis and other symptoms, which are not eχplained by already-know n disease, should therefore
be tested for other types of antibodies because they m ay have autoimm une p01yglandular
syndrome.
防衛医科大学校病院救急部
Department of T raumatology & Cr4面 a1 Care M edidne, N aUonaI Defense M edical CoUege ( N DM C) Hospita1
〒359-8513 埼玉県所沢市市並木 3 - 2
電話 : 04-2995-1888 : 内線 : 8-ぶ卜3699 Fa : 04-2吻 5-5221 ・ mal : yanagawa@ ndmc、
acjp
106
防衛衛生
要
第57巻第 6 , 7号
2010年 6 , 7 月
旨
症例 は48歳, 女性 で , 既往歴 と し て 10歳 頃尋常性 白斑, 46, 47歳時に痙撃発作 , 46歳 よ り う つ病, 48
歳時, 慢性 甲状腺炎 を保有 し て いた。 う つ病 で入 院中に, 意識障害 ・ 呼吸不全が 出現 し , 血糖440mg/
dlと高値 を示 しかた め, 当科 に転院 と なっ た。 来院時, 視診上全 身に皮膚色素脱失を認め, 全身筋肉の
萎縮を認めた。 血液検査, 放射線学的検索結果か ら , 痙學発作後の意識障害, 誤嘸性肺 炎, 糖尿病型耐
能異常, 尋常性白斑, 慢性 甲状腺炎の診断 と なっ た。 意識状態 は第 1病 日には改善 し た。 後の検査で,
GAD抗体 25000 U/m1, 抗核抗体 ×80 (homogenouspattern) が判明 し , 多腺性 自己免疫卵候群 3 型 と
診断 し た。なお, 内因性 イ ンス リ ン分泌 は保た れてお り, 転 院後は イ ンス リ ン非投与で血糖 は良好 だ っ た。
白斑 を 呈す る症例が, 甲状腺機能異常等の 自己免疫疾患 に罹患 し , 更 に他の疾患罹患 を疑わせ る場合,
多腺性 自己免疫症候群 を疑い, 抗体検索が推奨 さ れ る。
索引用語 : 尋常性白斑/ 慢性 甲状腺炎/ GAD抗体/ 多腺性 自己免疫症候群/ 緩徐進行 1型糖尿病
Key words: vitiligo vulgaris/ chronic thyroiditis/ antig1utamic acid decarboχylase anUbodyノ
autoimmune polyglandular syndrome/ sIowly progressive jnsulin, dependent diabetes
1。 緒
言
斑 と 診断さ れた。 以降, 白斑 は全 身に拡大 し て い っ た。
多腺性 自己免疫症候群 は自己免疫疾患 に よる特定内
46歳頃 よ り う つ状態 と な り , 食欲低 下, 体 裁減少 を呈
分泌 2臓器以十。の異常 を認める疾患群で あ る。 多腺性
し た。 4 ヶ 月前か ら寝た き り状態 と な り, う つ病の診
自己免疫症候群は 4 型に分類 さ れ 卜, 1型 は主 にアジ
断で , 近医 に 入院 し た。 う つ病 原 因検 索 で , T SH :
ソ ン病, 副甲状腺機能低下症, カ ン ジダ症 を示す もの
8. 25 μU/ m1, FT 3 : 2.7 pg/m1, F T 4 : 0.7ng/ dl と
で, 第21染色体の autoimrnune reguLator gene の欠
異常 を認め た ため, 当院内分泌科 を受診。 そ こ で抗マ
損で 生 じ る 極 めて稀 な疾患 で あ る 口よ 。 HAM症 候群
イ ク ロ ブー ム抗体が51,200倍 で あ っ たた め, 慢性 甲状
と 同疾患で あ る。 2 型は ア ジ ソ ン病 と 甲状腺疾患 を合
腺炎を 診断 し , 近医で チ ラ ーヂ ンS 50μgを処方 さ れ
併 し た も の を指 し , 原因 は多種 で あ る。 Schmidt 症候
たが, 経口摂取困難で, 服薬は充分ではなかっ た。 そ
群 と 同疾患で ある。 3 型 は甲状腺機能異常, 糖尿病を
の後, 意識 障害 ・ 呼吸不全 が 出現 し, 血糖440mg/dl
合併 し , ア ジ ソ ン病, 副 甲状腺機能低下症 を併発 して
と 高値 を示 し た た め, ヒ ュ ーマ リ ン10U を静脈注射 さ
いない雑多な疾患群で, 甲状腺疾患や自己免疫疾患を
れ, 同 日, 当科に転院と な っ た。
扱 っ て いる 医師の問で は, そ の認識 も浸透 し て い る。
4 型 は 1- 3 型 に属 さ な い 自己免 疫疾患 に よ る 内分泌
【既往歴】 46, 47歳時に痙学発作。
【家族歴】 父親が脳梗塞, ほ親が虚血性心疾患で死亡。
疫症候群 で は非内分泌臓 器 で ,
2臓 器以 卜の異常 を認め た も ので あ る。 多腺性 自己免
自己免疫疾 患 と し て,
過換 気症候 群 で 入院の既往歴 があ り o 姉 は全身性 エ リ
悪性貧血, セ リ ア ッ ク病, 自己免疫性肝炎, 尋常性自
テマ ト ーデス。 娘 は鎖肛で , 現在 当校拒 否中。
二人い る兄の う ち , 長兄が統合失調症で 人院, 次兄が
斑, 円形脱毛症, Sj6gren syndrome, 令 身性 エ リ テ
【来院時現症】 Glasgow ComaScale: E 3 V I M 6 ,
マ ト ーデス, 慢性関節 リ ウマ チ, 重症筋無力症が合併
瞳孔 5/5 mm, 対光反射 - / - , 血圧70/のmmHg, 脈拍
す る こ とがあ る ≒ 今回, われわれは, 多腺性 自己免
104/ 分, 体温35.9℃, Sp0298%
疫症候群 3 型 を経験 し た ので, 文献的考察 を加 え報告
視診土全身に皮膚色素脱失 を認 め (図 1 ) , 全身筋肉
す る。
の萎縮 を認め る以外, 理学的は異常 を烈め なかっ た。
(酸素 3 £ /分投与下) 。
【動脈血液ガス分析結果 (酸素 M /分投与下) 】 pH 7.43,
2。 症
例
48歳
女性
pC0 2 42.4 T orr, p0 2 153、4 T orr, HC0 3 28.5 mm01几
【主訴】 意識障害, 呼吸不全
【現病歴】 10歳頃, 両腕に白斑があるこ と に気付 き,
93.5% , リ ンパ球3.3% , 他3.2% ) , RBC 3.84 m/μ1, Hb
拡大傾向にあるた め, 近医受診 し た と こ ろ , 尋常性自
12.2 g/ dl,
【血算 ・ 生化学分析結果 】 WBC 18400/μ卜 好 中球
H t 36.1 % , PL T 17.8 / μ1, T -BI L 0.7m g/ dl,
7 ゛ ¯
107
防衛衛 生
第57巻第 6 , 7 号
2010年 6 , 7・月
多腺性 自己免疫症候群 を疑い, 自己免疫疾患の併発を
考え て 第 4 病 日に実施 し か採 血で は, TSH 10.7g U/
面,
FT 3 2.54 pg/ 面 , F T 4 0,93 ng/d1, intact. PT H
肘 pg/ ml,
A CT H 皿 7 pg/ m1,
コ ル チ ゾ ー ル 15忍 μg/
dl, LH 26.9 mI U/ ml, FSH 67.58 mI U/ ml,
GA D抗 体
25000 U / ml, I A ・2 抗 体 0.4 U/ m1, RF < 20 1U / ㎡ ,
CCP抗 体 < 0.6 U/ml, 抗 核 抗 体 ×釦 (homogenous
皿t恍rnし 抗DNA抗体 < 1 m /mX, 抗サ イ ロ グロ ブ リ
ン抗 体 < ×100, 抗 マ イ ク ロ ブ ー ム抗体 ×51200, 抗
胃壁 ・ RNP ・ Sm ・ SS-A ・ SS, B ・ ScI-70 ・ Jo- 1 ・ セ ン
ト ロ メ ア ・ カ ル ジ オ リ ピ ン ・ GBM ・ デ ス モ グ レ イ ン 1 ・
デスモ グ レ イ ン 3抗体 : 全 て 陰性 と の結果で あ っ たた
図1
め, 多腺性 自己免疫症似ミ群 3型 と 判断 し た。
症例 の頚 祁
尋常性 白斑 による色素脱失 を認め る。
D-BI L Oj mg/ dl,
認 1 1U/ I ,
A ST 63 1U / ¦ ,
A LP 292 1U / 1,
A L T 271U / ¦ ,
y -GT P 9 1U / 1,
1U/ X, TP 6.2 gノd1, Alb 3、S g/ d1,
139 mg/ dl,
GLU 249 mg/ dl,
前医で生 じ た意識障害の評価 と し て, 頭部MRI を実
LD
Ch-E 253
A / G 1.6, T -Cho
H bA l c 4.2% ,
A my 28
施し たが, ラ ク ナ梗塞の散発のみの所見であっ た。 脳
波も実施 し , 特異的所見は認め なかっ たが, 過去の痙
嫌発作の既往 と , 当院来院時の横紋筋融解症 の所 見か
ら, 痙撃 発作 の両発か疑われた。 嘸下障害に関 し て は,
透視造影や頚 部造影CTで 異常 を認 めず, 耳鼻科 に よ
1U/ 1, U A 6.4 mg/ dl, BU N 6 mg/ d1, Cr 0.51 mg/ d1,
る判断で は心 囚性の要素が強い と 判断さ れ, 経管栄養
Na 139 mE q/ 1, K 3. 1 mE q/I , C1 98 mE q/ 1, Ca 8.7
で管理 と なっ た。 来院時に見 られた 高血糖 は, 入院後,
ア ン モ ニ ア 52 μ
イ ンス リ ンや血糖下降薬 を必要 と せず, 糖補充を行っ
g/d1, ア ルコ ー ル 10mg/(U以下, CRP I .2mg/dl, PT活
ても , 血糖が 100-150g/d1 で推移 し , 一過性 の高血糖
口g/ dj,
PT 3.3 mg/ dj,
CK 16981U/ 1,
性 77.0 % , INR L.19, Fbg 285mg/dl, TSH 11.82 μU/
を示 し た のみで あっ た。 イ ンス リ ン分泌は保 たれて い
m1, F T 3 2.29pg,/m1, F T 4 0.86ng/ d1, A CT H 4.0pg/
ml, (ンベ プ チ ド ロ 6ng/ m1.
るが, 抗GAD抗体が異常高値 のため, 1 型糖尿病の
イ ン ス リ ン非依存型糖尿病期 (緩徐 進行 1 型糖尿病)
ご く 初期の可能性があ り, 退院後内分泌科 で外来 フ ォ
尿定性 : 糖 ( 5 + ) , 潜血 ( 士) , 蛋白 ( 1 + ) , ケ ト ン
ロー と な っ た 。
屈,
コ ル チ ゾ ー ル 17,6 μg/ dl,
イ ン ス リ ン 2.8 μU/
(- ) 。
【心電図】 洞性頻派の所見のみ。
【胸部 レ ン ト ゲ ン】 心陰影がやや拡大 して い る所 兄の
3。 考
み。
く は多腺 性 自己免疫症 候群 3 型 を 用 い て , Medline
l頭部CT】 軽度の萎縮を認める のみ。
以上の所見か ら, 尋常性 白斑, 慢性 甲状腺炎, 糖尿
病型耐能異常, 誤嘸性肺炎疑いの診断で 入院 と なっ た。
己免疫 症 候 群 3 型 の報告 例 は20例 以 上 の 報 告 例 が
【経過】 来院 1時間後にはイ ンス リ ン追加 し ないにも
副腎抗体 を測定 して お らず , こ れが陽性の場合, 将来
拘わ ら ず血糖が 156mg/dは で 低下 し た た め, イ ン ス
的に 2 型 に発展 す る 可 能性 はあ る 回。 Polyglandular
察
P01ygtandular autoim m une syndrolne type 3 も し
も し く は医中誌 を検索 し か と こ ろ , 過去の多腺 性 自
ある お-1≒ 本症例は, 臨床的に は 3型 と考 え られ るが,
リ ン は使 用せ ず , 抗 菌 薬投 与 で 経 過 観察 を 行 っ た。
autoim n! une syndl りHle Lype 3 は ,
血糖は200mg/dl 未満で推移 し た。 第 2 病 H には意識
泌疾患 に 1 型糖 尿病 を伴 う も の ( 3 Λ) , 悪性貧血 を
は回復 し たが, 略下が困難で あっ た た め甲状腺機能低
伴う も の ( 3 困 , 白斑 また は脱毛 を 伴 う も の ( 30
自己免 疫 性 の 内 分
下斥に対 し て は経鼻 胃管経 由でチ ラ ー ジ ンS投与 を開
と の分類 も あ り , 本症例 は こ の場合,
始し た。 尋常性 自斑, 慢性 甲状腺 炎が存存 し た た め,
分類表示 に な る。
3A+ C と の型
108
防衛衛生
第57巻第 6 , 7号
2010年 6 , 7月
尋常性 白斑 はメ ラ ニ ン色素か脱失す る もので あ り,
3) Briscoe NK, et al: POlyglandular autoimmune Syndrome
こ の機序の一つ と し て, メ ラ ニ ン細胞に対す る抗体形
type 3 1n a patient w ith ocuh r m yaSthenia graviS. M uscle
成か報告 さ れている ・8), 1‰ こ のた めか尋常性 白斑 は同
Nerve 2009 Jul l ) . [EpUb ahead of pri闘
様の機序で 自己免疫性疾患 と の合併 も多 く 報告 さ れて
い る 6), 尋常性 白斑保有患者の観察報告 で は, 100人
の尋常性白斑 と 診断 さ れた連続の新患を対象に内科的
異常の有無 を調査 し た と こ ろ , 自己抗体の有無は定か
で な いが, 糖尿病 9 % , 甲状腺機能低下症 2 % の合併
を見出 し た と の報告かあ る2㈹ 一方, 64例の 1 型糖尿
病患 者の皮膚疾思 の有無 を調査 し た と こ ろ ,
9 % の症
例に白斑を認め, こ れは乾癖 と と も に最頻度で あ っ た
と す る報告か ある2‰ ま た , 220例 の甲状腺疾患 か ら
患者の皮膚疾患の有無 を調査 し た報告で は, 6.8% の
症例 に白斑 を認め, こ れは慢性葦麻疹 と と も に最頻度
であ り, 自己免疫性甲状腺疾患 に限定 し た検討で も正
常人 と 比較 し て, 明 らか に白斑の頻度は有意に高頻度
と さ れ て い る z‰
4 ] Farkas K, et a1: Ulcerative c011tiS and primary SClerosing
choLangitiS as part of autoimmune pOlyglanduklr Syndrome
type m .
l nnam m B ow eI D is 2(瓶 ) M ar 25. 1E pUb ahead of
printj
5) Elefsiniotis rS, et a1: Atypical autoimmune p01yglandular
syndrome type 3 0verlapped by Chronic H CV infection
resulting in CarcinogeneSiS and fatal infection.
J
SOUth M ed
101 : 756-8, 2帥8.
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diseases: pOlyglandular autoimmune Syndrome typeS 3B十C
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I Il accom panied by cOm m on variable im m unOdefiCiency.
Gynec01 Endocrino1 19 : 47-a) . 既旧4,
糖尿病 と 甲状 腺疾患 の 合併 に 関 し て は, Hunger-
8 ) Ugur-Altun B, et al: Autoimmune polyglandular Syndrome
Battefeld らが139人の 1 型糖尿病症例の中で他の内分
type I H in m onozygotiC tw ins: a Ca託
泌学的疾患の合併の有無 を調査 し た と こ ろ , 50% 以上
Belg
に他 内分泌学器官 に対す る 抗体異常 を 認め,
1 型糖
report, A Cta Clin
59 : 225- 8. 2(X) 4.
91) ¦ 沁zlC,letlatlG11traLnervOussysrem hWdvement・ aUti mmlune
尿病患者 で は他の抗体 を 測定す る必要 を 強調 し てい
polyglandUlar syndrOme. Clin N eUr01Neurosurg 105 : 102-
る23)。 合併内分泌疾患の中で一番, 高頻度であ っ たの
4 2003、
は 甲状 腺 に 対 す る 抗 体 の 存 在 で あ っ た 。 Hunger-
10) PapadopoUIOs KL et ・ : P01yglandular autoimmune syndrome
Battefeldの調査結果か ら, 多腺性 自己免疫症候群は,
比較的高頻度 に存在 し て い る と 考 え ら れ る。 従 っ て,
尋常性 白斑等の 自己免疫疾患 を疑 わせる疾患に罹患 し
11) Pereira BJ, et al: Type-m polyglandular autOimmune
type H l aSSociated w ith coeliac diseasc and Sarcoidosis.
Postgrad M ed J
69 : 72- 5, 1993.
ている症例が慢性甲状腺炎や高血糖 の存在 も判明 した
Syndrome. J Ass cPhySicianslndia 34 : 878-80, 1986.
場合, 多腺性 自己免疫症候群を疑 い, 少な く と も該当
12) FunauChi M, et al: A case of aUtOimmune pO】yglandular
疾患 に対す る 自己抗体測定 の必要があ る と 考 え られ
syndrome type H I w ith a sI Ow ly progresSive form of
た。
type-1 diabetes m el皿 us LI lat I I 皿 nifested in the Course of
autoimm une diseases. Scand J Rheumat01 35 : 8 1- 2, 2函 6.
謝 辞
13) Shimomura H. et a
l: A rarecaseof autoimmuneμ)lyg㎞ndular
本論文を作成にあた り, ご協力 を頂いた 防衛医科大
学校内科 3 所属の大野洋介先生, 盛 田幸司先生, 田中
祐二先生に深謝致 し ます。
syndrOme type 3、Diabetes Res Clin Prad
associated with vitiligO vulgaris. Chronic thyrOiditjs. and
perniciouS anemia. l ntem M ed
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腺性 自己 免 疫 症 候 群 の 1 例. 小 児 科 臨 床
49 : 223F 42,
2009年 H 月30 日受付
2010年 1 月29日受理.
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