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血液凝固因子製剤によるHIV感染問題 という深甚な苦難

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血液凝固因子製剤によるHIV感染問題 という深甚な苦難
輸血医療の安全性確保のための総合対策
血液製剤の安全性向上を追求の中で明らかになったこと
血液凝固因子製剤によるHIV感染問題
という深甚な苦難から得た教訓
輸血医療の安全性確保のため、日本赤十字社をはじめ厚生労働省の
担当部局が中心となり、その時々の最新のスクリーニング検査技術を
取り入れるなど種々の方策を進めてきた。 しかし、・・・・・・
我が国は、今後、健康被害が生じないよう血液製剤の安全性を
向上するための施策を進める
・ 供血者の血液中のB型肝炎ウイルスがNATで検出できずに輸血され、
その受血者がB型肝炎に感染した可能性の判明(2003年6月)
血液製剤の安全性向上の追求
・ 日本赤十字社における遡及調査の実施と、関連する血液製剤の回収
など必要な措置
輸血用血液製剤の検査・製造体制を充実
・ 遡及調査を徹底して行ったところ、NATで検出できず輸血され、受血
者がHIVに感染していた事例があることが判明(2003年12月)
• 最新の検査技術の導入
– 核酸増幅検査(NAT)の導入
NATなどの最新の検査技術を導入しても、感染初期のウインドウ・ピリ
オドの存在などから見て、感染性ウイルスをすべて検出して排除するこ
とは不可能
• 供血者遡及調査
– ウイルス検査陽性が判明した場合、過去に供血された血液を遡って調査し、関連す
る血液製剤の回収、受血者に対する健康状態の徹底的な経過観察を実施
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こういうことを強調すると、高橋先生から「国だって、都道府県だって、いろいろ責務があり
ますよ」と言われそうですが、それはもちろん大前提としてあり、そういう国や都道府県の役
割の一つとしてこのたび開催していただいている合同輸血療法委員会とか、医療機関内に設置
している輸血療法委員会で、県の合同輸血療法委員会といったものの体制整備を評価するため
に輸血管理料というのが設けられたということになっています。これが輸血管理料の背景です。
ただ、認められたものの、まだまだ課題が多いので体制整備が有効かどうかについては、ま
だ何らエビデンスがない。そこについては引き続き、いろいろな努力をしていかないと、「や
っても意味がありませんでしたね。」ということで、保険局のほうが無くしてしまうことがあ
ってはいけないと思っています。
<スライド 6>法律のような、かたい話をしましたが、やはりその法律がなぜこのように定
められたかという背景は、皆様ご存じのようにこの分野は血液凝固因子製剤によるHIV感染
症という過去があります。それを踏まえて、製造や献血の段階でいろいろな安全対策を講じて
きたわけです。このNAT検査の導入であるとか、供血者の遡及調査という様々な努力をそこ
でやってきたのですが、どんなに頑張っても血液製剤という、人から持ってくる、化学薬品で
はないものからつくる輸血用血液製剤ということから、なかなか安全性が確保できないという
のがわかってきました。
<スライド 7>具体的には、供血者のB
型肝炎がNATで検出できなくて、その受
輸血医療の安全性確保のための総合対策
血液凝固因子製剤によるHIV感染問題
それでも無くならない
という深甚な苦難から得た教訓
輸血による感染症
血者が肝炎に感染した可能性が 2003 年に
判明しましたし、いろいろなHIVの、い
血液製剤の安全性向上へのあくなき追求
わゆるすり抜け事例も出てきました。もと
輸血用血液製剤の検査・製造体制を充実
もと非常に少ないウイルス量のキャリア
• 最新の検査技術の導入
がいるというようなこと、また感染直後の
•
–
–
ウインドウ・ピリオドの問題等々あり、ど
核酸増幅検査(NAT)の導入
感染性ウイルスの完全な排除は不可能
供血者遡及調査
ウイルス検査陽性が判明した場合、過去に供血された血液を遡って調査し、関連する血液製剤の回収、受血者
に対する健康状態の徹底的な経過観察を実施
うしても製造であるとか献血者のいろい
血液製剤に対する新たな安全対策の方向性
ろな問診で無くなることは不可能だとい
献血の時から安全な血液を確保するとともに
医療現場での適正使用の推進する全体最適
うのがわかってきたわけです。
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