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2011年為替相場の回顧と2012年の展望 2011年12月14日

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2011年為替相場の回顧と2012年の展望 2011年12月14日
2011年為替相場の回顧と2012年の展望
2011年12月14日(水)
欧・米景気の悪化でチャンス到来?
2012年、誰が世界を救えるのか・・
講師:石原順
1
〔外国為替証拠金取引(楽天FX)の取引にかかるリスク〕
外国為替証拠金取引(楽天FX)は取引通貨の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合が
あるため、売り付けた際の精算金額が買い付けた際の精算金額を下回る可能性があり、損失が生じるおそれがあります。また、
外国為替証拠金取引(楽天FX)は差し入れた委託証拠金を上回る金額の取引をおこなうことができ、大きな損失が発生する可能
性があります。その損失額は差し入れた委託証拠金の額を上回るおそれがあります。
〔外国為替証拠金取引(楽天FX)の取引にかかる費用等〕
外国為替証拠金取引(楽天FX)の取引手数料は無料です。また、各通貨の売付価格と買付価格には差(スプレッド)があり、その
スプレッドは通貨ペアごとに異なります。
〔委託証拠金等について〕
外国為替証拠金取引(楽天FX)をおこなうには委託証拠金の差し入れが必要です。必要委託証拠金は通貨ペアごとに異なり、各
通貨ペアの1万通貨当たりの建玉必要証拠金額は、日々、取引日終了時点の為替レートをもとにレバレッジが25倍を超えない水
準で設定いたします。また、必要委託証拠金として取引金額(建玉や想定元本という場合もあります)の4%以上の金額を預託して
いただく必要があります。
商号等:楽天証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第195号、商品先物取引業者
加入協会:日本証券業協会、社団法人金融先物取引業協会、日本商品先物取引協会
12月14日勉強会「事前のコメントおよび質問」
ブラジルレアルの動向
日本国債暴落の可能性
円高はいつまで続くか?
豪ドルの見通し
日本の国家破綻はあるのか
いったい日本はどうなるのか
アジアにも危機は起こるのか
2012年相場の展望は
ゴールド相場はどうなる
欧州危機の今後の展開
テクニカルチャートの設定方法
トレンドがないときはどうするのか?何もしないほうがよいのか?
QE3はなさそうな気がするが・・
欧州国債の金利の見方「GOOGLE イタリア国債チャート」VIX指数「YAHOOファイナン
ス」
3
ドル/レアル(日足)
1.70以下は金融取引税引き上げで資本流入を阻止?
インフレにもかかわらず、3連続利下げ12.5→11.0 1月・3月利下げ予想
(出所:ブルームバーグ) 4
「大恐慌が迫る!」週刊誌の恐慌特集ブーム
「国債暴落・超円安・ハイパーインフレ」
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大恐慌が迫る
第二のリーマン危機
欧州の後は日本国債が標的に
IMFも日本国債の危機を報じる
日本国債に黄色信号をつくるCDS
あなたの預金がパーになる
日本国債が大暴落するとき
預金封鎖が行われる
ヘッジファンドが日本国債を大暴落させる
高齢化により生産人口が減り、債務のGDP比が急上昇する
個人投資家が国債を支えるのは限界に近い
高齢者が預貯金を取り崩すと、金融機関も国債を買えなくなる
2015年、牛丼が1000円になる!
インフレにはゴールドと不動産が強い
テキサスの有力ヘッジファンド「ヘイマン・キャピタル・マネージメント」が日本売り
を宣言
短期は円高・中長期は超円安
5
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国際通貨基金(IMF)は2011年11月23日ウェブサイトで、日本国債の利回りが突然急騰し債務が突然持
続不可能となり、国際経済を揺るがす恐れがあると警告した。 日本の政府債務残高の対国内総生産
(GDP)比は約200%に達し、債務危機に陥っているスペインやイタリアを含め他のどの先進国をも上
回っている。 IMFは報告で、「日本国債の利回りが現行水準から上昇すれば、債務は直ちに持続不可
能になる恐れがある」と指摘。 IMFによれば、銀行や生保、年金などからなる日本の民間部門の純対
外投資残高は1兆5000億ドル(約115兆5000億円)と巨額に上っており、「日本国債の利回り急騰に伴い
キャピタルロスが発生し、急激な海外からの資本引き揚げが起きる恐れがある」。 ただ、日本の国債は
欧州各国と違い、発行済み分の95%は国内投資家が保有しているため、財政状況の悪化にもかかわら
ず利回りは低位で安定している。(WSJ)
「金利が1%上昇すると・・」
低金利の日本国債は日本経済の命綱
平成23年度当初予算の国債発行計画では、約170兆円もの国債が発行される予定です。内訳は、新
規に発行される国債が約44兆円と、既に発行されている国債が満期になって借り換えをするために発
行される借り換え債などが126兆円となっています。
すなわち、金利が上昇してくると、年間で170兆円ほど発行される国債については、今後の利息の支払
額が増えていくという勘定になります。したがって、金利が1%上昇すると、利息の支払額は毎年1.7兆
円ずつ増えていくこととなります。
問題はこれだけではありません。先程の例で金利が1%程度上昇するということは、逆に既に発行され
ている10年国債の価格が100から90に1割下がるということでもあります。償還期間が10年以上の長
期国債は2011年9月末現在で約515兆円ありますが、大雑把に言って、この部分の価格が1割下落
するということです。そうなると、これらの国債を保有している投資家は、50兆円以上もの評価損をかか
えることになります。日本の国債は日本の金融機関がほとんどを保有していますから、日本の銀行や保
険会社に巨額の評価損が発生するということです。わずか1%の金利上昇でも、これだけ巨額なのです。
おそらくは、これだけでほとんどの金融機関は赤字に転落しかねません。したがって、どの金融機関も、
国債が売られ始めたら、人よりも先に売ろうと焦りますから、売りが売りを呼ぶ事態が起こることも容易に
想像されます。
(出所:WSJ、石原順) 6
日本10年国債金利(日足)
国債暴落のネタはオオカミ少年化しているが、起こったら手に負えない
政府は消費税を担保に安全をアピール?
(出所:ブルームバーグ) 7
ドル/円(月足) 1984年~2011年
日本の財政破綻・円安に賭けるなら・・
20ヶ月移動平均線(赤)
(出所:ブルームバーグ) 8
ドル/円(月足) 1989年~2011年
大円安相場に乗るには?
月足の終値で移動平均をブレイクすると相場が転換?
(出所:ブルームバーグ) 9
ドル/円(週足)1983年~2011年
一目均衡表の週足の<雲>が支持・抵抗に
(出所:ブルームバーグ) 10
ドル/円 週足一目均衡表の直近の動き
雲が78円台まで降りてくる
(出所:楽天証券マーケットスピード) 11
ドル/円(月足)
2011年も年後半はドル安=円高時代
(出所:ブルームバーグ) 12
ドル/円相場の想定レンジ
(出所:ブルームバーグ) 13
経済混乱時に報われる株式投資
―分散投資で資産防衛を―
ジンバブエの株価・賃金・物価
年間1000万‐1500万%のインフレ率に(ハイパーインフレの事例)
(出所:日本経済研究センター、日経ヴェリタス) 14
アルゼンチンの株価・賃金・物価
2001年12月に外国債に関してデフォルトに陥ったアルゼンチン
(出所:日本経済研究センター、日経ヴェリタス) 15
日本の物価・賃金・株価
デフレは居心地がよい?が経済の死
茹でカエル状態の日本
(出所:日本経済研究センター、日経ヴェリタス) 16
イタリア10年国債金利(日足)
イタリアは大きすぎて救えない?
(出所:ブルームバーグ) 17
自国通貨を持っていないと大変・・
変動相場制も最後の貸し手もない状態
「現在の欧州債務危機は1980年代の中南米危機(ラテンアメリカの債務危機)と同じ
にみえます。こういう借金の処理は時間をかけて解決するしかないのですが、一つ大
きな違いがあります。メキシコやブラジルと違って、例えばギリシャは自国通貨を持っ
ていません。安い自国通貨がないと、経済の再生は不可能です。まあ、ギリシャが財
政統合なんてついていけるわけがありません。今すぐには出来ませんが、ユーロ圏
の弱小国は長期的にはユーロから離脱しないと再生は不可能です」
ギリシャには「ブレイディ・プラン」型の救済が必要-ワインバーグ氏
6月22日(ブルームバーグ):ギリシャは債務再編によって財政危機を終息させるため、「ブレイ
ディ・プラン」のような措置の実施を目指すべきだと、ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチー
フエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は指摘した。 ブレイディ・プランは1989年にブレイディ米
財務長官(当時)の下で考案された。同様の措置が導入されれば、投資銀行などにギリシャ債
を公開市場で購入するよう求め、価格を押し上げるため購入の予定を事前に発表する。買い手
は購入した債券をギリシャ財務省が新たに発行する期間30年以上の債券と交換した上で、この
新発債を市場で売却することになると、ワインバーグ氏は述べた。 ブレイディ債によって、中南
米やアフリカ、アジア、東欧諸国・地域は不良債権を新発債と交換することが可能になった。ブ
レイディ債の一部は米国のゼロクーポン国債が担保となった。
ワインバーグ氏(ニューヨーク
在勤)はブルームバーグラジオの番組「ブルームバーグ・サーベイランス」でトム・キーン、ケン・
プレウィット両司会者のインタビューに答え、ブレイディ・プランを「次のステップの一部にしなけ
ればならない」と指摘。このプランが実施されれば「デフォルト(債務不履行)は起きない。投資
銀行を使った単純な解決方法だ」と語った。
ブレイディ債:1980年代に起こった中南米ソブリン危機の際に、信用力の低下した中南米に代わり米国が信
用を付与し(米国債を担保とする)債務減免の代わりに新たに発行された債券。 当時の米財務長官ブレイディ
がIMF+世銀と協力して行ったことから、この一連のプロセスをブレイディ・プランと呼ばれている。これにより
問題はその後も続くが、危機と呼ばれる状況ではなくなった。
(出所:ブルームバーグ、ブログ『日々の泡』 http://ameblo.jp/ishiharajun/
18
クルーグマンの主張(NYタイムズコラム抜粋)
「不況真っ直中に歳出削減なんてしたらヨーロッパの二の舞だぞ」
•歳出削減しなければ日本はギリシャみたいになる
•歳出削減しなければアメリカ日本はギリシャみたいになる
•ユーロ圏の政治家は欧州危機の問題点を債務国の歳出が多すぎると考えている
•危機の本質は欧州全体で歳出が少なすぎること
•緊縮財政や不良債権処理で問題を解決しようとすればするほど、欧州の状況をいっそう悪化させることにな
る
•リーマン危機(バブル崩壊)後の欧州の課題は「民間部門の支出削減が欧州全体の景気下降につながらな
いようにするには,どうしたらいいのか?」ということだが、現在、逆の政策を行っている
•「歳出削減をしないとギリシャの二の舞だ」とか言っていたら,こう返すのが正解だ。「不況の最中に歳出削減
なんてしたらヨーロッパの二の舞だ」 欧州はもう順調にその道を辿ろうとしている。
このまま行けば、不景気確定。誰が世界を救うのか?
•欧州債務危機問題は、世界経済を緊縮財政路線(借金減らし)へ向かわせている。世界の銀行の自国外の
融資金額は約32兆ドルであるが、その6割は欧州系の銀行である。財政出動が行われず、銀行もカネを貸さ
ない世の中になっているので、景気がよくなるわけがない。
•米国では「スクリューフレーション」で中間層が没落した結果、米国民が分裂し政治的軋轢が発生している。
民主主義的な国家運営を資本主義でやっていこうとすれば、中間層を厚くすることが至上命題である。
「ティーパーティー」と「ウォール街を占拠せよ運動」の主張は逆であるが、中間層が没落した不満や不安の表
れという意味では同根である。二大政党の対立が激しく米国の議会は機能していないので、残る景気浮揚手
段はFRBの金融政策ということになる。
•にっちもさっちもいかない世の中となっている現状で、ここからの相場は政治的な「協調行動」や「中央銀行
の政策如何」で決まってくるだろう。欧州の国債危機問題は既にECBの手に負えないレベルまで拡大している
が、市場の混乱が深まれば否応なくECBが介入せざるを得ない。リーマン危機以降の株やドルの相場は、一
言で言うとFRBの政策次第という動きになっている。株やクロス円が上がるかどうかは、基本的に世界の中央
銀行であるFRBが握っているのである。
(出所:NYタイムズ、外為市場アウトルック)19
NYダウ(左)と英FTSE(右)の週足
米・英(アングロサクソン)の株価は比較的堅調
量的緩和効果が株価を下支え
(出所:ストックチャーツ) 20
独DAX(左)と仏CAC(右)の日足
緊縮財政+不良債権処理路線で株価は萎縮
(出所:ストックチャーツ) 21
上海株(左)と伯ボベスパ(右)の日足
欧州危機で投資資金が引き上げ・利下げで持ち直すか・・
(出所:ストックチャーツ) 22
ユーロの危機が煮詰まるとき
危機は相場の反転につながるか・・米欧の同時緩和はあるか?
•
欧州債務危機解決に向けた協議が注目された先週のEU首脳会議。英国を除くEU26ヶ国が財政
規律厳格化に向けた新たな財政協定の締結を目指すことで合意し、中長期的な財政統合に向け
て一歩踏み出したほか、欧州安定メカニズム(ESM)の前倒しやユーロ圏から国際通貨基金
(IMF)への最大2000億ユーロ拠出も決定するなど、一定の安心感を誘う内容となった。ただし、今
回の合意によって、足元の欧州債務問題が解決されたわけではなく、ESMの銀行免許付与は見
送られ、ユーロ共同債については検討継続となったほか、米格付け会社S&Pによるユーロ圏の格
下げ懸念もあり、引き続き欧州を巡る不透明感が払しょくされない状況が続く可能性が大きい。
•
リーマン危機後のEU首脳会議は既に20回を越えているが、時間稼ぎと堂々巡りの議論が続いて
いるだけである。EUの政治家の尻に火がつくのは、イタリア国債が巨額の償還に直面する来年で
あろう。
•
ユーロの危機は危機国の大規模償還の前に起こる。ユーロ売りがどの時期に起こるのかを当て
るのは困難だが、PIIGSの国債償還スケジュールが一つの参考となるだろう。イタリアが大量の国
債償還(来年2~4月に1,500億ユーロ規模償還)を迎える来春がユーロの大きな転換点となりそう
だ。
•
イタリアの財務省は現在350億ユーロの現金を持っているため、2月までの償還は問題ないと言わ
れている。しかし、2月以降にイタリアがデフォルトを回避するためには、なんらかの国際協調や景
気浮揚策が必要となるだろう。おそらく来春には何らかのパニック相場が演出されるだろう。ここで
追い詰められたECBがQE1、米国がQE3を発動すれば、相場の景色は一変する。ファンド勢はそれ
を待っている。
23
PIIGSの国債償還スケジュール
(出所:ブルームバーグ) 24
NYダウ(週足)と米国の量的緩和政策
欧州クラッシュに備えてQE3を温存
QE3はドル安・株高・クロス円の買い
(出所:ブルームバーグ) 25
米国の量的緩和政策とドルインデックス先物の推移
量的緩和期間はドル安・株高傾向
(出所:ブルームバーグ) 26
来年の相場はQE3の有無と時期で決まる?
ドル安・株高のリスク資産ラリーはあるか?
少し前の調査では、米国のプライマリーディーラー19社中16社が「2012年中に追加の金融緩和が行われる」
と予測している。欧州債務危機が激化したことで、市場関係者の多くがQE3はあるという見方を取っている。
問題はQE3の時期である。QE2終了後の調査では、米大統領選を控えて「2012年の秋頃まで」に実施されると
いう見方が50%となっていた。また、ツイスト・オペが期限切れになる「2012年6月」がQE3の発動時期になると
いう見方も多かった。しかし、欧州危機の世界的な連鎖で、「それまで相場が持つのか」「そんな悠長な相場
ではない」との声が多くなっている。
(出所:フィラデルフィア連銀、ブルームバーグ) 27
FRBにとって、QE3が必要となる条件は次の2つだ。
• NYダウが大幅に下がること
• 実体経済が一段と悪化すること
•現在、米国の経済指標は小康状態を保っており、NYダウの株価の位置も高い。したがって、欧州危機の炎
上に備えてQE3は温存されている。しかし、欧州の国債危機は金融機関の危機へと発展しており、今後の相
場展開は予断を許さなくなっている。米サンフランシスコ地区連銀は11月14日、「欧州債務危機を背景に米国
がリセッション(景気後退)に陥る確率が高まっており、2012年初頭までに景気後退となる確率は50%以上あ
る」とのリポートを発表した。
•中央銀行の政策に注目
1月24~25日・3月13日FOMC
1月26日・2月9日・3月22日ECB
•QE3に関してはFRB内部でも賛否両論あり、バーナンキFRB議長は、雇用改善のためにあらゆる措置を講じる
必要があると主張しているものの、FRB内の意見集約が難しいのが現状である。だが、今年の12月FOMCを最
後にタカ派(追加の緩和に反対)のプロッサー、フィッシャー、コチャラコタ、ハト派(追加の緩和に賛成)のエバ
ンズの4人がFRBのメンバーから抜ける。
•FRBの来年の輪番制の投票メンバーは
• Cleveland ピアナルト(ハト派)
• Richmond ラッカー(タカ派)
• Atlanta ロックハート(ハト派)
• San Francisco ウィリアムズ(ハト派)
•となっており、QE3に反対のタカ派はラッカーリッチモンド連銀総裁のラッカーだけである。FRBは2012年1月以
降、追加緩和を実施しやすい状況となる。深刻化するいっぽうの欧州債務危機にあって、世界的な株安が起
こればFRBはQE3に動くだろう。欧州危機の行方と米株価の動向次第だが、来年の1月か3月のFOMC(2月は
FOMCがない)で、QE3が発動される確率は高まっている。
•
28
QE3の内容は住宅PKO
•
•
•
米国は民主党と共和党の対立で、財政・金融政策が手詰まり状態にある。いずれにせよ、QE3への期待
は高いが、実施されるとしたらQE3はどのような内容になるのであろうか?
QE3は間違いなく「住宅PKO政策」となるだろう。
FRBのメンバーの発言は「住宅ローン市場での買い入れを含む追加的な資産買い入れが果たせる役割
はある」「モーゲージ担保証券(MBS)の買い入れは、住宅ローン市場のさらなる改善に寄与すると思う。
そのためこの可能性に対して多大な関心を持っている」(エバンズ)、「景気の低迷とインフレ率の低下が
続けば、MBSの買い入れを支持する」(ウィリアムズ)と、住宅市場のテコ入れが焦点となっており、タ
ルーロやダドリーも同様の発言をしている。
FRB元金融副部長ジョセフ・ギャニオンが提唱するQE3案は強烈だ。
•
•
•
•
FRBが2兆ドルの住宅ローン証券を購入
(株高・金利安・ドル安・雇用増加を狙う。これによりGDPを2%押し上げ、2年後に
は最大400万人の雇用創出が可能)
30年住宅ローンを3.0~3.5%に固定
(家計の負債を年平均2,500ドル圧縮。借り換え可能な世帯は300万世帯。ローン
金利の低下で住宅取引が活発化)
•
•
というのが、大まかな内容である。
•
QE1は1兆7,500億ドル、QE2は6,000億ドルの規模であった。したがって、現実的に考えると、ここまで巨
額のQE3が行われるとは思えない。しかし、小出しではなくこの規模の「バズーカ砲」をFRBが打たないこ
とには、中間層の没落(貧困化)は止まらないのかも知れない。
29
2011年ドル/スイス(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)
(出所:ブルームバーグ) 30
2011年 ゴールド先物(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ(緑)
(出所:ブルームバーグ) 31
2011年 ユーロ/ドル(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)
(出所:ブルームバーグ) 32
2010年 ユーロ/ドル(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)
(出所:ブルームバーグ) 33
2011年 原油先物(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ(緑)
(出所:ブルームバーグ) 34
現在の相場は?
ドルインデックス(左)と豪ドルインデックス(右)の日足
(出所:ストックチャーツ) 35
円インデックス(左)とユーロインデックス(右)の日足
(出所:ストックチャーツ) 36
スイスフランインデックス(左)とポンドインデックス(右)の日足
(出所:ストックチャーツ) 37
13‐21日移動平均バンド
•
準備するのは2本の移動平均だけである。その移動平均線のパラメータ
にはフィボナッチ・ナンバーである「13日」と「21日」を使う。これを筆者は
「13-21日の移動平均バンド」と名付けている。この移動平均バンドが意
味するところは、過去13日から21日間の市場参加者の平均コストである。
一目均衡表の「雲」に例えるとわかりやすいが、13日と21日の移動平均
を組み合わせることで、相場の「支持帯」と「抵抗帯」が出来上がる。
•
この売買の基本的なトレンド認識は、価格が13‐21日移動平均バンドの
上にあるときは「買い」、価格が13‐21日移動平均バンドの下にあるときは
「売り」となる。これはトレンドについていく「順張り」の手法だ。簡単である。
•
押し目買い・戻り売りのポイントは、「13日と21日の移動平均バンド」から
導き出される。売買を仕掛けるポイントは「13‐21移動平均バンドの上限・
下限」である。押し目買いや戻り売りを仕掛ける前に「13日移動平均の方
向」を確認する。13日移動平均が上昇しているときの押し目買い、13日
移動平均が下降しているときの戻り売りは比較的リスクが小さい。
38
ユーロ/ドル(日足)
13‐21日移動平均バンド(青)
(出所:楽天証券マーケットスピード) 39
ユーロ/円(日足)
13‐21日移動平均バンド(青)
(出所:楽天証券マーケットスピード) 40
豪ドル/円(日足)
13‐21日移動平均バンド(青)
(出所:楽天証券マーケットスピード) 41
豪ドル/円(日足)
下段:9日RSI(赤)
ノーマル相場40‐60・トレンド相場20‐70
(出所:ブルームバーグ) 42
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