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ビーナスライン沿線の現状と課題の整理(PDF:19KB)

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ビーナスライン沿線の現状と課題の整理(PDF:19KB)
(3)ビーナスライン沿線の現状と課題の整理
ここでは、ビーナスライン沿線の現状や課題を関連性という観点でまとめてみました。(図3)
ビーナスライン沿線の利用形態は、農地利用が衰退し、観光利用が増大、多様化しています。
まず、農地利用の衰退により、草原が管理されなくなったため、ビーナスラインの魅力のひとつ
である草原景観が失われ、観光、レクリエーション、文化といった点で問題視されています。また、
草原独自の生態系も失われつつあることから、生物多様性の点からも問題だといえます。
観光利用の増大は、渋滞等の発生や過剰利用によるトイレ等施設の不足、歩道外への踏み込みを
引き起こしています。観光利用の増大は、利用環境を悪化させているのに留まらず、温暖化や湿地
の乾燥化に繋がり、踏み込みによる裸地化も拡大しています。また、裸地には外来種が侵入しやす
くなり、在来種の減少、生態系の攪乱を招くことになります。
観光利用の多様化では、ペットの持ち込みや冬期間のスノーモービル走行等に加えて、ビーナス
ラインでの暴走行為などが報告されています。こうした利用によって、静寂が破壊されたり、植物
が損傷されたり、動物が轢き殺されたりといった現状が引き起こされています。これらによって、
在来の生態系はバランスを失い、在来の野生生物が減少しています。
図3 ビーナスライン沿線の課題の要因と関連
農地利用
観光利用
衰退
増大
多様化
過剰利用
渋滞の発生
トイレの不足
歩道外への
踏み込み
ゴミのポイ捨
て
ペットの
持ち込み
冬期の利用
暴走行為
裸地化
温暖化
静寂の破壊
外来種の拡大
踏圧等による
植物損傷
交通事故
による殺傷
草地の森林化
湿地の乾燥化
生態系の攪乱
在来野生生物の減少
ビーナスライン沿線の魅力低下
ビーナスラインの開通と観光客の増加によって環境負荷が増大し、自然環境への様々な影響が現
れている。草地の森林化、湿地の乾燥化、踏み込みによる裸地化、外来種(移入種)等の拡大とい
った自然環境における課題があげられます。
さらに、利用環境における課題として自動車利用の増加による渋滞等の発生、夜間・早朝の二輪
車等の騒音、冬期間のスノーモービル走行等による生態系への影響、ペットの持ち込み、ゴミのポ
イ捨てなどが野生生物に与える影響が指摘されています。
今後のあり方を検討していくなかで重要な課題として、過剰利用(オーバーユース)、自然保護
センターの活用、維持管理費の利用者負担もあげられます。
図4 ビーナスライン沿線の課題の質
短期的課題
(早急な取り組みが可能)
・踏み込みによる裸地化
・外来種(移入種)等の拡大
・自動車利用の増加による渋滞等の発生
・夜間・早朝の二輪車等の騒音
・ゴミのポイ捨て等
・湿地の乾燥化 ・草地の森林化
・冬期間のスノーモービル走行等による生態系への影響
・ペットの持ち込み
・過剰利用
・自然保護センターのあり方
・維持管理費の利用者負担
・その他
中長期的課題
(十分な検討が必要)
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