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アルコール混合燃料による農用小型火花点火機関の運転

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アルコール混合燃料による農用小型火花点火機関の運転
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アルコール混合燃料による農用小型火花点火機関の運転
寺尾, 日出男; 近江谷, 和彦; 松見, 高俊; 野口, 伸
北海道大学農学部邦文紀要, 15(2): 173-185
1987-01-20
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/12062
Right
Type
bulletin
Additional
Information
File
Information
15(2)_p173-185.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
アルコーノレ混合燃料による農用
小型火花点火機関の運転
寺尾日出男・近江谷和彦
松見高俊・野口
伸
(北海道大学農学部農業原動機学教室)
(昭和 6
1年 6月初日受理)
Gasohol and i
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s Application to a Small Spark
Ignition Engine for Farm Use
Hideo TERAO,Kazuhiko OHMIYA,Takatoshi MATSUMI
and Noboru NOGUCHl
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しかしながら,メタノール・エタノールについて全く
1.緒
問題がない訳ではなく,メタノールについては毎日 8時
車両が様々な分野で、重要不可欠な位置を占め,その主
間吸入するとして, 1
,
0
0
0ppm以 上 は 危 険 で あ る と さ
な使用燃料である石油系燃料の年間使用量がおびただし
れへ排気ガス対策が不可欠であるし,またエタノール
いものであることは容易に推測される。この車両用燃料
については,日本にアルコール規格が存在し,不純物処
を石油代替燃料に転換を図ることは,電源開発などと共
理に対する規制が厳しいためコストが高く,その上,食
に重要であり,諸外国ではそれぞれの国情に照らし合わ
糧としての芋・穀類とアルコール発酵用の資源との兼ね
せてメタノールあるいはエタノール生産の推進,並びに,
合いなどの問題を内包している。両者は共に金属・ゴム
それらを使用する車両の開発が行われている。(J
I
比ば,
類を腐食する,体積当たり燃料経済性の低下などの短所
9
8
1
ブラジルでは国家アノレコーノレ計画法に基づき,既に 1
を有する。
年度から自国で生産するサトウキピ・マンジョカイモな
本研究は,アノレコール混合燃料の性状及び、農用小型火
どを発酵させて得たエタノーパ〆単味を使用したエタノー
花点火機関がもっ既存の燃焼技術を即利用する形態で機
ノレ車が実用運転されているし,スウェーデンは豊富な森
関運転のフィージピりティー調査を試みたものであり,
林資源ーから,西ドイツは石炭からそれぞれメタノールを
0容量%混合することにより
ガソリンにメタノーノレを 2
生産しこれを用いた車両が街を試走している 3)。
軸平均有効圧力を 3
.
6
3
%向上させることができ,それに
数ある石油代替燃料の中で,このようにメタノール・
対して,エタノールを 2
0容量%混合すると 7.23%低下
エタノーノレが車両用燃料として使用されているのは,以
することが分った。また,水分混入により,相分離を起
下の条件7) をある程度具備しているからである。
したメタノール混合カ‘ソリン・エタノール混合ガソリン
(
1
) 経済性に優れている。
9
) を添加することで相分離
に数%のペパーミント池 8),
(
2
) 資源が豊富で長期的安定供給が可能であること。
を解消できることづ確認できた。
(
3
) 資源からのエネノレギ一変換効率が高く,安全性に
I
I
. アルコール混合燃料
富み,低公害燃料であること。
1
. メタノール混合ガソリン
(
4
) 液体燃料のようにエネルギー密度が高く,輸送・
メタノールは単味,あ
貯蔵・取扱いが簡単で,現行の石油燃料供給シス
るいはガソリンと混合しても,中期的には最も優れた代
テムと共存可能で移行が容易で、あること。
替燃料であるとされ,現在,天然カ スの改質化,あるい
o
1
7
3
北海道大学災学部邦文紀要第 1
5巻 第 2号
1
7
4
は石炭のカス化により生成される H と COから合成す
と│司様,エターノルをガソリンに混合することにより,
る方法があり,後者の方法は有望祝されている。本報で
NOxが排気力ス中から減少したり,オクタン価がカソリ
は,あくまでも既存の火花点火機関に使用する代替燃料
ン単味に比べて高くなるなどの長所が見られる。また,
を問題としており,カ、ソリンとの混合燃料としてのメタ
短所もメタノール混合ガソリン同様な点が指摘され,治l
j
品2
0C において 0.5%の水分混入により相分離を生じ
0
ノーノレを取り上げることにした。
メタノール混合ガソリンの特徴としては,希薄混合気
たり,経質留分がガソリン単味よりも増加するので,ベ
の安定燃焼及び燃焼速度の増加に伴う出力・熱効率の向
ーノミロックを引き起したり,樹脂の膨i
悶化,軽金属の腐
上が見込まれる点や,排気ガス中の HCゃ COがガソ
食などを生じたりするものの,一般にその傾向はメタノ
リン仕様の場合よりも減少する点,または気化性の改善,
ール混合ヵーソリンの場合よりも少なく,在来の火花点火
オクタン価が高くなるなどの長所がある。その反面,排
機関に少しの調節を施すのみで使用可能であるとされて
0
0
Cに
気ガス中の NOx・アルデヒド類の場加や,油温 2
し、る。
おける 0.1%の水分混入による相分離,また,燃料ホー
TabJe1にエタノーノレ単'*の性状を示した。
スやパッキン,燃料ポンプのダイヤブラムなどの樹脂類
I
I
I
. 材料及び方法
に対する膨潤化,軽金属の腐食などの短所も多く,メタ
ノーノレの製造コストが相当低くないと,石炭及びメタノ
1.供試機関
火花点火機関の性能を左右するこ大パ
ールからの合成カソリンの出現により,メタノールの持
ラメータは点火時期及び空燃比であり,この両者が機関
つ代替燃料としての役割が後退する可能性も大きい。メ
連転性能を決定する。供試機関は Table2に示す単気
タノール単味の状況を Table1に示した。
筒 4サイクル機関であるが,本機は研究用として, A/F
2
. エタノール合混ガソリン
ブラジル・アメリカ中
部農業州において,マンジョカイモ・トウモロコシ・サ
値の可変機構及び外装した可変点火機構を特別に備えて
いる (
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.1
)
。
トウキビを発酵させて得たエタノーノレを1O ~20 容量%
2
. NOx分析装置(株)掘場製作所自動車排気力ス
力ソリンに混合して使用しており,特に,プラ、ンノレでは
測定装置 MEXA-1120CLT-Lを用いた。本装置は窒素
現在,エタノーノレのみのアルコール率が街を実用走行し
酸化物 NO
x の濃度を化学発光法 (CLD法)を用いて連
続測定するもので,この化学発光法の測定原理は一酸化
ている。
エタノーノレ混合力ソリンの特徴としては,メタノール
窒素 N Oにオゾン 03 を反応させると二酸化窒素 N Oz
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800rpm)
司
寺尾・近江谷・ i
公見・野仁1: アルコール混合燃料による炭)目小型l
火花点火機関の運転
1
7
5
の混合比率での運転は避けたい。
燃料の蒸発潜熱により,気化器のスロットノレに空気中
の水分が凝結・固着して機関の不調をきたすことを気化
器氷結(アイシング)と呼び,燃料の 50%留出温度が大
きく影響する
δ
この点での温度が低すぎると蒸発量が多
くなりすぎ,アイシング傾向が大となる。メタノール混
合燃料とガソリン単味とを比較すると, 50%
留出温度に
0
40
C近くの差があり,
またエタノーノレ混合燃料とでは
3
0C近くの差が認められ,両者共にガソリン単味の方が
0
留出温度は高い。この傾向は低混合比率・高混合比率い
ずれの場合にも指摘される。
つぎに蒸気閉塞(ベーパロック)であるが,機関熱など
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が生成する。この N 02 は励起状態にあり,直ちに基底
状態になるが,このときを発しこの化学発光の光量は
NO濃度に比例する。また,資料中の三酸化窒素 NOzは
)
NO+NOz
x(
コンパーターにより NOに変換され,N O
によって熱をもった燃料配管や気化器中の燃料蒸気圧が
大気圧より大となって気泡を生じ燃料供給を不整にす
ることを言う。これは1O ~60% 留出温度の影響を受け,
この付ー近の温度が低すぎるとその傾向は大となる。エタ
/ール混合燃料では 25%程度の混入でもかなりの温度
2
0
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として測定される。
3
. 実験方法
アルコール混合ガソリンの性状試験と
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rTesting Mateして ASTM(American S
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)蒸留試験法 JIS-K2254,引火点試験法 JIS-K2265,
動粘度試験法 JIS-K2283,及び比重試験法 JIS-K2249,
をガソリン単味・メタノーノレ混合ガソリン・エタ/ーノL
括合ガソリンの 3種傾の燃料に対して実施し,その総合
判定から適正な混合比率(容量%)を求める。つぎに,
時期可変運転を実施し,供試燃料 3点に刻
空燃比・点火l
寺期を検討する。最後に最大
する最適空燃比,最適点火H
MinimllJl1 Advance f
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出力点火 1寺期 MBT (
)運I
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訴を実施し,排気ガス中に含まれる N O
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. 結果及び考察
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. 燃料性状試験
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性,気化器氷結,蒸気閉塞,加速性及び潤滑油の希釈な
•
どに関係する。始動性を良好にするためには,機関が冷
@
えているときでも,シリンダ内に可燃限界内のガス状混
合気が形成されていなければならない。それゆえ, 10%
留出温度は低いことが望ましい。 Fig.2及び Fig.3か
らは,メタノール混合燃料も,エタノーノレ混合燃料も共
に,アルコールのガソリンに対する混合比率の低い場合
は
, 10%留出温度にカソリンとの大差はないものの, E
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) 引火点試験
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メタノーノレ単味では 8
.
5C,エタノ
7
.
5C とし、う結果が得られた。 これらは,
ーノレ単味て、は 1
0
低下が見られ,メタノール混合燃料に至ってはエタノー
一般に記載されている引火点温度よりも若干高めである
ル混合燃料以上にベーパロック傾向が見られるため,な
が,空気中の水分をアルコーノレが吸収したために引火点
るべく両者共に,ガソリンへの混合比率を低く抑えるこ
とが望ましい。
が上昇したものと思われる。ガソリン単味の引火点温度
寺に燃料に適当な締発性がない
加速性の面で、は,力1速H
と,薄すぎたり,逆に濃すぎたりする混合気がシリンダ
は -430Cであり,メタノーノレ・エタノールはカソリンに
比べて安全性・貯蔵性に優れていることが分る。
メタノーノレ・エタノーノレに水が混合したときの引火点
に流入し遅延燃焼や不完全燃焼を引き起こす。そのた
試験を同時に行ったが, その結果を Fig.4 に示した。
め,一般に 35~65% 留出温度はあまり高くない方が良
本図から混合比率が大きくなる程引火点温度は上昇して
いとされている。メタノール混合燃料・エタノーノレ混合
ゆくことを知る。水を混合することで安全性・貯蔵性は
燃料ともその付近の温度はガソリン単味よりも低いもの
高くなるものの,水の混合比率を大きく取りすぎると,
の,低すぎの感もあり,ここでもアルコールのカソリン
シリンダ内で燃焼しにくくなるおそれがある。また,既
に対する混合比率はあまり大きくしない方が良いと思わ
述したように,アルコールとガソリンとの混合物に水分
れた。
が混入すると相分離を起こすため,アルコール混合燃料
最後にオイル希釈の面であるが,これは 90%留山温度
が高すぎると見られる傾向で,原因は未燃分のクランク
ケース内への流入によるものである。木図を見る IS1~ り両
者共にこの心配はないと判定された。
を用いる場合,水の混入は極力避ける工夫を施さねばな
らなし、。
3
) 動粘度試験
Fig.5を見ると,メタノール混合燃
料では,メタノールの混合比率が増すにつれ動粘度は大
177
寺尾・近江谷・松見・野口: アノレコーノレ混合燃料による農用小型火花点火機関の運転
)
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and ethanol
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きくなっていくが,その割合は小さし特に 4
0C以上で
点からもエタノールの混合比率は低い方が望ましいと判
はメタノール混合燃料とガソリン単味との聞には大差は
定される。
ないと判定される。いす.れの混合比率で、も温度変化に伴
4
) 比重試験比重の大きさは,空燃比・燃料消費率・
う動粘度の変化は小さしこの点からも使用に適してい
正味熱効率などに影響を与える。したがって,あまり燃
ることが分る。
料の比重が大きすぎると燃料消費率や正味熱効率は悪化
i
g
.6を見る
つぎにエタノーノレ混合疹燃料であるが, F
i
g
.7及び Fig.8 より見て,メタノーノレ・
するため, F
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'ソ
リ
と,いずれの温度でもエタノール単味の動粘度はブ'
エタノーノレいずれもガソリンへの混合比率を 25%前後
ン単味の 3倍近く大きくなっており,特に低温の場合そ
にとどめた方が望ましいと判定された5)。
の差は顕著である。したがって,既存の農用小型火花点
以上 1)~4) の結果及びメタノール・エタノールの供給
火機関に改造を加えず,エタノール混合燃料を使用する
可能量・経済性・金属・ゴムに対する腐食性などを勘案
とすれば,低い混合比率でエタノールをガソリンに混合
してなるべく低い混合比率が良いと判断し,メタノール・
することが望ましい。また,エタノールの混合比率を増
エタノールのガソリンに対する混合比率を 20%と定め,
すと低温時と高温時の動粘度差が顕しくなり,始動性か
fMBT運転実験を
空燃比・点火時期可変運転実験及 t
通常運転性のいずれかを犠牲にしなければならず,この
実施した。
1
7
8
北海道大学農学部邦文紀要第 1
5巻 第 2号
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methanol
.
2‘ 空燃比・点火時期可変運転
1
) 空燃比空燃比及び点火時期が軸平均有効圧力及
び燃料消費率に及ぼす影響についての結果を F
i
g
.9
",
Fig.14に示した。図中の当量比ゆとは,空気過剰率』
の逆数であり,れま圧縮着火機関などの論議に用いるが,
火花点火機関では空燃比・当量比ゆが用いられる。ゆ=
1
.0では理論空燃比の状態,
1
0
20
30 40
Temper
αture (
0C)
Temperature (
0C)
1>1
.0では混合気が濃い場
.0では混合気が薄い場合である。
合
, 1<1
軸平均有効圧力は Fig.9~Fig. 1
1において,供試燃料
0
3者共に.BTDC2
0 C Aのとき最大となっている。ま
たその場合,軸平均有効圧力は当量比ゆが1.1付近にな
るまでは増加し続けるものの,それ以降ではほぼ一定値
となる。これは当量比併が1.1 ~1.3 の聞では燃料への
点火が確実で,燃焼速度が大きいため,高い軸平均有効圧
力が得られたものと判定された。また,当量比ゆが1.1
以下のときはこの逆の理由から高負荷時の当量比併を
A=
0
.
9
1
) として運転することにより高出力を期待し
1
.
1(
得ることが分った。
つぎに F
i
g
. 12~Fig. 1
4において燃料消費率を見る
0
F
i
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.
では,可燃成分が少なく,燃焼温度が低いため,比熱の
増加や熱解離は少なく,また伝熱損失も少ないため,正
と
, BTDC20 CAで最低となり,当量比ゅでは 0
.
9
5付
味熱効率が良好となり,その結果,燃料消費率は良好に
近が最良となっている。これは比較的混合気が薄い状態
なったものと考えられた。この事実は更に Fig.15から
1
7
9
寺尾・近江谷・松見・野口: アノレコーノレ混合燃料による農用小型火花点火機関の運転
・
。 。
量
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ると低い燃料消費率が得られる。なお,このときの空燃
比を,前者が出力空燃比と呼ばれるのに対して,経済空
燃比と呼ばれる。
出力空燃比は,理論空燃比よりも値が小さく,必要な
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酸素が十分でないため,完全燃焼できず, CO,CH類が
排出されて環境保全上望ましくない。低燃費が要求され
ている農用機関にあっては,経済空燃比での運転される
ことの意義は大き¥, ,
2
),
1
0
)。
3
) 点火時期
当量比ゆ=1.1(
,
1
=0
.
9
1
)における点火
時期と軸平均有効圧力・燃料消費率・正味熱効率との関
係を Fig.16に示した。本図から, M20・E20・ヵ‘ソリ
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0 C Aにおいて,刺1
平均有
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効圧力・燃料消費率・正味熱効率のすべてに渡って最も
0
0
.
4
良好であった。
ここで典型的な点火時期と指圧線図を F
i
g
.1
7に示
す 6)。着火が早ければ燃焼ガスは圧縮され,燃焼速度・
最大圧力は共に大きくなるが, p-V線図の面積は必ずし
)
。逆に着火が遅すぎると,出
も大きくならない(図中 a
力・熱効率は低下する(図中 c
)
。この事実から最良の点
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火時期がその中間に存在していることが分かる。一般
M20・E20の 3燃料の軸平均有効圧力・燃料消費率を
に,着火点と最高圧力点の中央が上死点となる点火時期
Table3 に 示 し た 。 木 表 よ り 燃 料 消 費 率 に 関 し て は
は出力・熱効率共に最良とされる(図中 b
)
。供試機関で
M20とカソリン単味との聞に差はほとんど見られない
0
は,そのような点火時期が BTDC20 CA付近である
4
) 機関各部温度
が
, E20はガソリン単味よりも悪い結果となっている。
軸 平 均 有 効 圧 力 で は E20は ガ ソ リ ン 単 味 に 比 べ
と判定された。
F
i
g
.1
8 に点火時期と機関各部温
度との関係を示した。点火時期が遅れるに従い排気温度
が高くなっていくのは,排気管内に放出された未燃ヵース
が燃え続けるため生じたものと判定される。その結果,
ー7.8%と低下しているが, M20は逆にカソリン単味よ
りも 3.1%程増加していることを知った。
以上のように,エタノーノレは一部代替としての役割は
期待できるものの軸出力は低下する。一方,メタノーノレ
吸気行程でシリンダー内に吸い込まれた燃料は十分に活
は一部代替のみならず,出力増加剤としての役割をも果
用されず,効率は下がり,結果として軸出力は減少する。
すことが可能であると推論された 1)。
プラグ座温度が点火進角量を増すにつれて高くなってい
3
. 最大出力点火時期運転
くのは,高温ガスに触れ続ける時間が長くなっていくた
1
) 運転実験 1 MBT条件下における供試燃料 3者
が放出する NO
",と軸平均有効圧力・正味熱効率・ MBT
めと判定された。
5
) 供 試 3燃料開の比較
出力空燃比(ゆ =1.1
,I
.
=
0
.
9
1
),点火時期 BTDC2
0 CAにおけるカ、ソリン単味・
0
進角量との関係を F
i
g
.1
9 に示した。 N Ox の最大値は
燃料 3者いずれも), =1.1付近で得られ,ガソリン単味で
寺尾・近江谷・松見・野口: アノレコーノレ混合燃料による農用小型火花点火機関の運転
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.
Table3
Results o
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l
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BMEP(MPa)
BSFC(MJjkWh)
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0
.
5
0
8
M 20
0
.
5
2
4(
+
3
.
1
5
7
0
)
1
9
.
2(-0.5%)
E 20
0.
4
4
8(
ー 7.87%)
2
0
.
4(+5.7%)
000ppm,M 2
0・E20では,いずれもやく 1
,
600ppm
は 2,
であった。'<=1.1付近,即ち,N Ox の最大値が得られた
空気過剰率付近での軸平均有効圧力の大きさは,空燃比・
点火時期可変運転の結果と同様, M20・ガソリン単味E20の順であり ,N Ox 濃度Ii頂とは異なった。
1
9
.
3
さらされている時間が短くなるので,③項に適合してお
り,これがガソリン単味よりも M20・E20の NOx が
少ないことの一因であると推定された。
2
) 運転試験 2 N O
<
=
1
.1におい
x が最大となった '
てアルコールのガソリンに対する混合比率を変えて
N Ox は一般に,①ある程度の O2が存在し,②燃焼
MBT運転を実施した。 Fig.20を見ると ,N Oxはやは
ガス温度が高い程,また,③高温にさらされる時聞が長
りアルコールを増していくに従って減少している。これ
い程,多く放出される。 ,
<
=
1
.1の MBT進角量を見ると
に対し,軸平均有効圧力は,エタノール混合燃料に関し
M20・E20共にガソリン単味よりも遅角気味となって
てはほぼ一定であるものの,メタノール混合燃料につい
いる。点火時間が遅いということは,燃焼ガスの高温に
ては,その混合比率を増すにつれ N Ox の傾向とは逆に,
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1
8
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北海道大学農学部邦文紀要
第
1
5巻
第 2号
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t
i
o
n
.
増加する結果を得た。したがって,ここでは軸平均有効
共に,その混合比率を増すにつれて下降しているが,い
圧力の大きさと N Ox との間に直接関係は見られない。
ずれの温度もメタノール混合燃料の方が若干高い。即ち,
また,正味熱効率と N Ox との関係についても同様のこ
アルコールの混合比率が檎加するに従って MBT進角
とが指摘される。
量が減少して,それに伴い,メタノール混合燃料・エタ
以上の点から,アルコール混合比率の増加に伴う N O
x
ノール混合燃料共に NOx は減少していくが,燃\~温度
低減の理由は,MBT進角量の減少が最大要因というこ
は常にメタノール混合燃料の方が高いので,NOx はエ
とになる。アルコール混合比率を増すと MBT進角量が
タノール混合燃料よりも大きい値を得るのである。
少なくてすむ理由は,アルコールの燃焼速度がガソリン
摘
単味に比べて速いことによる。点火進角量が減少すれば,
燃焼ガスは高温にさらされる時間が短くて済み,N Ox
要
ガソリンにメタノール・エタノールを 20%混合した混
は減少するのである。しかしながら,本図では,MBT
合燃焼 2者及びガソリン単味で火花点火機関を運転し,
進角量の多いエタノール混合燃料の方がメタノール混合
次の結論を得た。
燃料よりも N Ox は少なくなっている。これは,先に述
1
. 混合燃料両者とも燃料消費率を重視するならば,
べたように,エタノールの高粘度が引き起こす軸平均有
最適空燃比は当量比にして 0
.
9
5前後に,また,出力を重
効圧力の低減に伴う燃焼室内温度の低下によって N Ox
視するならば当量比にして1.1前後に設定することが望
量が減少したものと推定された。
ましし、。
Fig.21 からは, プラグ座温度・潤滑油温度・排気温
2
. 最適な点火時期は BTDC2
00 CAで,ガソリン
度いずれも,メタノール混合燃料・エタノール混合燃料
仕様の供試機関本来の点火時期と同程度である。したが
寺尾・近江谷・松見・野口. アノレコーノレ混合燃料による農用小型火花点火機関の運転
って,この程度の混合比率であれば,アルコール混合燃
料だからといって特別な設定は不要である。
3
. 機関の運転条件を整えて比較した 3供試燃料ガソ
リン単味・ M20・E20で E20は ガ ソ リ ン 単 味 よ り 燃 料
消費率が 5.7%増加した。
しかしながら,軸平均有効圧
45・3,3
8
9
2
9
6
.1983
9
) 寺尾日出男・西村弘行他: ハ ッ カ 泊 の 火 花 点 火 機
関への応用(第 2報)一室燃比・点火時期 .NO
xに
5
: 4,437-443,1984
ついて,農機誌,4
1
0
) 古浜庄一・ 内燃機関,森北出版. 1
9
7
9
力では M20は約 +3.2%,E20は 約 一 7.9%それぞれガ
Summary
ソリン単味に対して増減することが分った。
4
. アルコーノレの混合比率を増すにつれ,排気刀ス中
に占める N O
x の低減が確認され,ガソリンの一部代替
と合わせてアルコールは農用機関にとって将来とも有望
な再生産可能資源であることを確認した。
引用文献
1
. ASAE: THEBIOLOGICALLIQUIDFUELS
ALTERNATIVETechnology Status and Engineering Considerations,a t
e
c
h
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i
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a
lr
e
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o
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i
cp
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c
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s
s
u
e
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program. 1
9
8
1
2
. 五味
努: 自動車工学金書 4,方ソリンエンジン,
山海堂 1
9
8
0
3
. 平尾
収: 代替エネノレギーとしての燃料アノレコー
ノレの問題(第 1集),開発社. 1
9
8
2
4
) 平尾
収: 代替エネノレギーとしての燃料アノレコー
ノレの問題(第 2集),開発社. 1
982
5
) 平尾
The purpose o
ft
h
i
s studyi
s focused on d
e
t
e
r
miningthepropera
i
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u
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収: 代替エ不ノレギーとしての燃料アルコー
982
ノレの問題(第 4集),開発社. 1
1
9
7
9
)
6
) 古浜庄一: 内燃機関,森北出版. (
7
) 農業機械学会編: 新版,農業機械ハンドブック,コ
ロナ社. 1
9
8
4
8
) 寺尾日出男・西村弘行他. ハ ッ カ 油 の 火 花 点 火 機
関への応用(第 1報)ー燃料性状と負荷性能,燥機誌,
1
8
5
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rM 20andf
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