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アルコール混合燃料による農用小型火花点火機関の運転
Title Author(s) Citation Issue Date アルコール混合燃料による農用小型火花点火機関の運転 寺尾, 日出男; 近江谷, 和彦; 松見, 高俊; 野口, 伸 北海道大学農学部邦文紀要, 15(2): 173-185 1987-01-20 DOI Doc URL http://hdl.handle.net/2115/12062 Right Type bulletin Additional Information File Information 15(2)_p173-185.pdf Instructions for use Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP アルコーノレ混合燃料による農用 小型火花点火機関の運転 寺尾日出男・近江谷和彦 松見高俊・野口 伸 (北海道大学農学部農業原動機学教室) (昭和 6 1年 6月初日受理) Gasohol and i t s Application to a Small Spark Ignition Engine for Farm Use Hideo TERAO,Kazuhiko OHMIYA,Takatoshi MATSUMI and Noboru NOGUCHl ( D e p a r t m e n to fA g r i c u l t u r a lE n g i n e e r i n g,F a c u l t yo fA g r i c u l t u r e, HokkaidoU n i v e r s i t y,Sapporo0 6 0,J a p a n ) しかしながら,メタノール・エタノールについて全く 1.緒 問題がない訳ではなく,メタノールについては毎日 8時 車両が様々な分野で、重要不可欠な位置を占め,その主 間吸入するとして, 1 , 0 0 0ppm以 上 は 危 険 で あ る と さ な使用燃料である石油系燃料の年間使用量がおびただし れへ排気ガス対策が不可欠であるし,またエタノール いものであることは容易に推測される。この車両用燃料 については,日本にアルコール規格が存在し,不純物処 を石油代替燃料に転換を図ることは,電源開発などと共 理に対する規制が厳しいためコストが高く,その上,食 に重要であり,諸外国ではそれぞれの国情に照らし合わ 糧としての芋・穀類とアルコール発酵用の資源との兼ね せてメタノールあるいはエタノール生産の推進,並びに, 合いなどの問題を内包している。両者は共に金属・ゴム それらを使用する車両の開発が行われている。(J I 比ば, 類を腐食する,体積当たり燃料経済性の低下などの短所 9 8 1 ブラジルでは国家アノレコーノレ計画法に基づき,既に 1 を有する。 年度から自国で生産するサトウキピ・マンジョカイモな 本研究は,アノレコール混合燃料の性状及び、農用小型火 どを発酵させて得たエタノーパ〆単味を使用したエタノー 花点火機関がもっ既存の燃焼技術を即利用する形態で機 ノレ車が実用運転されているし,スウェーデンは豊富な森 関運転のフィージピりティー調査を試みたものであり, 林資源ーから,西ドイツは石炭からそれぞれメタノールを 0容量%混合することにより ガソリンにメタノーノレを 2 生産しこれを用いた車両が街を試走している 3)。 軸平均有効圧力を 3 . 6 3 %向上させることができ,それに 数ある石油代替燃料の中で,このようにメタノール・ 対して,エタノールを 2 0容量%混合すると 7.23%低下 エタノーノレが車両用燃料として使用されているのは,以 することが分った。また,水分混入により,相分離を起 下の条件7) をある程度具備しているからである。 したメタノール混合カ‘ソリン・エタノール混合ガソリン ( 1 ) 経済性に優れている。 9 ) を添加することで相分離 に数%のペパーミント池 8), ( 2 ) 資源が豊富で長期的安定供給が可能であること。 を解消できることづ確認できた。 ( 3 ) 資源からのエネノレギ一変換効率が高く,安全性に I I . アルコール混合燃料 富み,低公害燃料であること。 1 . メタノール混合ガソリン ( 4 ) 液体燃料のようにエネルギー密度が高く,輸送・ メタノールは単味,あ 貯蔵・取扱いが簡単で,現行の石油燃料供給シス るいはガソリンと混合しても,中期的には最も優れた代 テムと共存可能で移行が容易で、あること。 替燃料であるとされ,現在,天然カ スの改質化,あるい o 1 7 3 北海道大学災学部邦文紀要第 1 5巻 第 2号 1 7 4 は石炭のカス化により生成される H と COから合成す と│司様,エターノルをガソリンに混合することにより, る方法があり,後者の方法は有望祝されている。本報で NOxが排気力ス中から減少したり,オクタン価がカソリ は,あくまでも既存の火花点火機関に使用する代替燃料 ン単味に比べて高くなるなどの長所が見られる。また, を問題としており,カ、ソリンとの混合燃料としてのメタ 短所もメタノール混合ガソリン同様な点が指摘され,治l j 品2 0C において 0.5%の水分混入により相分離を生じ 0 ノーノレを取り上げることにした。 メタノール混合ガソリンの特徴としては,希薄混合気 たり,経質留分がガソリン単味よりも増加するので,ベ の安定燃焼及び燃焼速度の増加に伴う出力・熱効率の向 ーノミロックを引き起したり,樹脂の膨i 悶化,軽金属の腐 上が見込まれる点や,排気ガス中の HCゃ COがガソ 食などを生じたりするものの,一般にその傾向はメタノ リン仕様の場合よりも減少する点,または気化性の改善, ール混合ヵーソリンの場合よりも少なく,在来の火花点火 オクタン価が高くなるなどの長所がある。その反面,排 機関に少しの調節を施すのみで使用可能であるとされて 0 0 Cに 気ガス中の NOx・アルデヒド類の場加や,油温 2 し、る。 おける 0.1%の水分混入による相分離,また,燃料ホー TabJe1にエタノーノレ単'*の性状を示した。 スやパッキン,燃料ポンプのダイヤブラムなどの樹脂類 I I I . 材料及び方法 に対する膨潤化,軽金属の腐食などの短所も多く,メタ ノーノレの製造コストが相当低くないと,石炭及びメタノ 1.供試機関 火花点火機関の性能を左右するこ大パ ールからの合成カソリンの出現により,メタノールの持 ラメータは点火時期及び空燃比であり,この両者が機関 つ代替燃料としての役割が後退する可能性も大きい。メ 連転性能を決定する。供試機関は Table2に示す単気 タノール単味の状況を Table1に示した。 筒 4サイクル機関であるが,本機は研究用として, A/F 2 . エタノール合混ガソリン ブラジル・アメリカ中 部農業州において,マンジョカイモ・トウモロコシ・サ 値の可変機構及び外装した可変点火機構を特別に備えて いる ( F i g .1 ) 。 トウキビを発酵させて得たエタノーノレを1O ~20 容量% 2 . NOx分析装置(株)掘場製作所自動車排気力ス 力ソリンに混合して使用しており,特に,プラ、ンノレでは 測定装置 MEXA-1120CLT-Lを用いた。本装置は窒素 現在,エタノーノレのみのアルコール率が街を実用走行し 酸化物 NO x の濃度を化学発光法 (CLD法)を用いて連 続測定するもので,この化学発光法の測定原理は一酸化 ている。 エタノーノレ混合力ソリンの特徴としては,メタノール 窒素 N Oにオゾン 03 を反応させると二酸化窒素 N Oz P r o p e r t i e so ft e s t e df l 1e l s,e t c . . Table 1 Gasoline Methanol Ethanol Peppermint Spearmint El1c a l y p tl1s 0 . 7 5 ー) S p e c i f i cg r a v i t y15WC( Flash point(OC) -43 a ll1e( k c a l j k g ) Lowc a l o r i五cv 1 0 , 5 0 0 0 . 8 0 0 . 8 2 0 . 9 3 0 . 9 2 4 8 5 4 8 . 5 1 7 . 8 71 .0 5 9 . 0 4, 800 6, 4 0 0 , 5 0 0 9 9 , 0 0 0 9 , 5 0 0 0 1 .4 8 / 5 0 C 0 C 2 . 0 1 / 3 0 Kinematicv i s c o s i t y( c S t ) 0 o o 0. 48 / 4 0 C 0 . 5 8 / 4 0 C 1 .2 4 / 4 0 C Octanenumber(RON) 8 3 1 0 2 Table2 . 0 . 9 0 1 1 2 1 1 1 0 2 . 1 0 / 5 0 C 9 3 . 8 1 2 0 . 6 1 0 0 Speci五c a t i o n so ft h eTest Engine i s h iG 700P Mitsl1b Engine CylinderBore x Stroke 1-72X63m m P i s t o n displacement 256c c Compressionr a t i o 6 . 0 a t e d horsepower Continl1ol1sr 3 . 6 8kW / 3, 6 0 0rpm( 5PS/3, 600rpm) Maximl1m horsepower 5 . 1 5kW/4, 000rpm( 7PS/4, 000rpm) Maximum t o r ql1e 1 3 . 7N.m/2, 8 0 0rpm( 1 .4kgfm/2, 800rpm) 司 寺尾・近江谷・ i 公見・野仁1: アルコール混合燃料による炭)目小型l 火花点火機関の運転 1 7 5 の混合比率での運転は避けたい。 燃料の蒸発潜熱により,気化器のスロットノレに空気中 の水分が凝結・固着して機関の不調をきたすことを気化 器氷結(アイシング)と呼び,燃料の 50%留出温度が大 きく影響する δ この点での温度が低すぎると蒸発量が多 くなりすぎ,アイシング傾向が大となる。メタノール混 合燃料とガソリン単味とを比較すると, 50% 留出温度に 0 40 C近くの差があり, またエタノーノレ混合燃料とでは 3 0C近くの差が認められ,両者共にガソリン単味の方が 0 留出温度は高い。この傾向は低混合比率・高混合比率い ずれの場合にも指摘される。 つぎに蒸気閉塞(ベーパロック)であるが,機関熱など F i g .1 . Remodeledt e s tenginet og e tv a r i a b J ei g n i t i o n timingandv a r i o u sa iト f u e lr a t i o . が生成する。この N 02 は励起状態にあり,直ちに基底 状態になるが,このときを発しこの化学発光の光量は NO濃度に比例する。また,資料中の三酸化窒素 NOzは ) NO+NOz x( コンパーターにより NOに変換され,N O によって熱をもった燃料配管や気化器中の燃料蒸気圧が 大気圧より大となって気泡を生じ燃料供給を不整にす ることを言う。これは1O ~60% 留出温度の影響を受け, この付ー近の温度が低すぎるとその傾向は大となる。エタ /ール混合燃料では 25%程度の混入でもかなりの温度 2 0 0 として測定される。 3 . 実験方法 アルコール混合ガソリンの性状試験と 1 8 0 o c i e t yf o rTesting Mateして ASTM(American S r i a l s )蒸留試験法 JIS-K2254,引火点試験法 JIS-K2265, 動粘度試験法 JIS-K2283,及び比重試験法 JIS-K2249, をガソリン単味・メタノーノレ混合ガソリン・エタ/ーノL 括合ガソリンの 3種傾の燃料に対して実施し,その総合 判定から適正な混合比率(容量%)を求める。つぎに, 時期可変運転を実施し,供試燃料 3点に刻 空燃比・点火l 寺期を検討する。最後に最大 する最適空燃比,最適点火H MinimllJl1 Advance f o r BeSl 出力点火 1寺期 MBT ( )運I ! 訴を実施し,排気ガス中に含まれる N O Torql1e x濃 . .1 6 0 U 。 、 . . . ~ コ 1 4 0 吟J O 包120 E ω ザ c 1 0 0 O u 8 0 吟d 度の量を検討したc I V . 結果及び考察 1 . 燃料性状試験 1 ) ASTM蒸留試験燃料の揮発性は,機関の始動 ・ ー ' ω て コ 芝 ト ( f ) 《 METANOL: GASOL lNE 性,気化器氷結,蒸気閉塞,加速性及び潤滑油の希釈な • どに関係する。始動性を良好にするためには,機関が冷 @ えているときでも,シリンダ内に可燃限界内のガス状混 合気が形成されていなければならない。それゆえ, 10% 留出温度は低いことが望ましい。 Fig.2及び Fig.3か らは,メタノール混合燃料も,エタノーノレ混合燃料も共 に,アルコールのガソリンに対する混合比率の低い場合 は , 10%留出温度にカソリンとの大差はないものの, E 2 0 o ( ! ) O O @ 0 25 50 7 5 1 0 0 目 1 0 0 75 50 25 O 2 0 40 6 0 8 0 1 0 0 P e r c e n te v a p o r a t e d( m l ) F i g .2 . Averaged ASTM d i s t i l J a t i o n curves f o r r e g 1 1 1 a rgradeg a s o l i n eo fl e a df r e e,meth. a n o l blendedg a s o l i n e,and methanol . 牟 7 5ではかなりの留 I l ¥ i 昆度上昇が見られるため,この付近 1 7 6 北海道大学淡学部邦文紀要 2 0 0 1 8 0 一 「 包1 2 0 E ω 司炉d c1 0 0 O . O . ω コ て 芝 ト , ・o E T H A N O L: G A S O L N E ( ) 2 5 ・ o 50 e 75 @ ) 1 0 0 o METHANOL 5 . 0 Uヲ 《 3 0 . 0 t 内 n t ' 1 4 1 1 4 0 「 一 一 一 nunununU RdnURlvnu ~ コ o . 喝d 第 2号 3 5 . 0 ﹂a E2HC oazωUE (UO)220φ 一 ~ 1 6 0 第 1 5巻 25 0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 P e r c e n te v a p o r a t e d( m l ) i s t i l l a t i o ncurvesf o r Fig.3. Averaged ASTM d regular grade g a s o l i n e o fl e a d f r e e, ethanol blended g a s o l i n e,and ethano. l ETHANOL 。 。20 ∞ 75 50 ・ • 0 0 40 6 0 8 0 1 O f o) A l c o h o l W αter b l e n d( F i g .4 . Characteristics o ff l a s hp o i n ttemperature change a s water i s added t o methanol, and ethanol . 2 ) 引火点試験 0 メタノーノレ単味では 8 . 5C,エタノ 7 . 5C とし、う結果が得られた。 これらは, ーノレ単味て、は 1 0 低下が見られ,メタノール混合燃料に至ってはエタノー 一般に記載されている引火点温度よりも若干高めである ル混合燃料以上にベーパロック傾向が見られるため,な が,空気中の水分をアルコーノレが吸収したために引火点 るべく両者共に,ガソリンへの混合比率を低く抑えるこ とが望ましい。 が上昇したものと思われる。ガソリン単味の引火点温度 寺に燃料に適当な締発性がない 加速性の面で、は,力1速H と,薄すぎたり,逆に濃すぎたりする混合気がシリンダ は -430Cであり,メタノーノレ・エタノールはカソリンに 比べて安全性・貯蔵性に優れていることが分る。 メタノーノレ・エタノーノレに水が混合したときの引火点 に流入し遅延燃焼や不完全燃焼を引き起こす。そのた 試験を同時に行ったが, その結果を Fig.4 に示した。 め,一般に 35~65% 留出温度はあまり高くない方が良 本図から混合比率が大きくなる程引火点温度は上昇して いとされている。メタノール混合燃料・エタノーノレ混合 ゆくことを知る。水を混合することで安全性・貯蔵性は 燃料ともその付近の温度はガソリン単味よりも低いもの 高くなるものの,水の混合比率を大きく取りすぎると, の,低すぎの感もあり,ここでもアルコールのカソリン シリンダ内で燃焼しにくくなるおそれがある。また,既 に対する混合比率はあまり大きくしない方が良いと思わ 述したように,アルコールとガソリンとの混合物に水分 れた。 が混入すると相分離を起こすため,アルコール混合燃料 最後にオイル希釈の面であるが,これは 90%留山温度 が高すぎると見られる傾向で,原因は未燃分のクランク ケース内への流入によるものである。木図を見る IS1~ り両 者共にこの心配はないと判定された。 を用いる場合,水の混入は極力避ける工夫を施さねばな らなし、。 3 ) 動粘度試験 Fig.5を見ると,メタノール混合燃 料では,メタノールの混合比率が増すにつれ動粘度は大 177 寺尾・近江谷・松見・野口: アノレコーノレ混合燃料による農用小型火花点火機関の運転 ) L 3 . 0 0 0 2 . 7 5 0 3 . 0 0 0 ETHANOL トーー 2 . 7 5 0 トーー 2 . 5 0 0 ・o METAI 司OL : GASOUNE O 1 0 0 • @ 2 . 5 0 0 O @ ~ 0 u ω 。 7 5 50 2 5 0 @ 7 5 1 0 0 ・ 一 ﹀ 討' . 7 5 0 2 5 円 I ω o u ω 一 4 司 4 1 2 . 0 0 0 nununU F3nυEJ 勺 乙 nU O ( f ) 〉、 ( ) o 50 L 司 : : : ; -2 . 2 5 0 75 50 25 (︼的 υ)KAH @ 2 5 5 0 7 5 1 0 0 ETHANOL:GASOLNE 1 0 0 〉 u u 吉1 . 5 0 0 吉1 ・ 500 E E ω 三'.250 三 1 .250 ' : 0 0 0 、 . ‘ 1 . 0 0 0 0 . 7 5 0 0 . 7 5 0 0 . 5 0 0 ト除、与 ミ トE ミ ト も. - 。Temperature (OC) 1 0 20 30 0 . 5 0 0 40 i s c o s i t yand F i g .5 . Relationbetweenkinematicv f u e ltempeartureo fr e g u l a rgradeg a s o l i n e a s o l i n e, o fl e a df r e e,methanol blended g and methano. l 0 O 1 0 20 30 T e m p e r a t u r e (0C ) 40 i s c o s i t yand F i g .6 . Relationbetweenkinematicv f u e ltemperatureo fr e g u l a rgradeg a s o l i n e a s o l i n e, o fl e a df r e e,ethanol blended g and ethanol . きくなっていくが,その割合は小さし特に 4 0C以上で 点からもエタノールの混合比率は低い方が望ましいと判 はメタノール混合燃料とガソリン単味との聞には大差は 定される。 ないと判定される。いす.れの混合比率で、も温度変化に伴 4 ) 比重試験比重の大きさは,空燃比・燃料消費率・ う動粘度の変化は小さしこの点からも使用に適してい 正味熱効率などに影響を与える。したがって,あまり燃 ることが分る。 料の比重が大きすぎると燃料消費率や正味熱効率は悪化 i g .6を見る つぎにエタノーノレ混合疹燃料であるが, F i g .7及び Fig.8 より見て,メタノーノレ・ するため, F j 'ソ リ と,いずれの温度でもエタノール単味の動粘度はブ' エタノーノレいずれもガソリンへの混合比率を 25%前後 ン単味の 3倍近く大きくなっており,特に低温の場合そ にとどめた方が望ましいと判定された5)。 の差は顕著である。したがって,既存の農用小型火花点 以上 1)~4) の結果及びメタノール・エタノールの供給 火機関に改造を加えず,エタノール混合燃料を使用する 可能量・経済性・金属・ゴムに対する腐食性などを勘案 とすれば,低い混合比率でエタノールをガソリンに混合 してなるべく低い混合比率が良いと判断し,メタノール・ することが望ましい。また,エタノールの混合比率を増 エタノールのガソリンに対する混合比率を 20%と定め, すと低温時と高温時の動粘度差が顕しくなり,始動性か fMBT運転実験を 空燃比・点火時期可変運転実験及 t 通常運転性のいずれかを犠牲にしなければならず,この 実施した。 1 7 8 北海道大学農学部邦文紀要第 1 5巻 第 2号 0 . 8 5 0 0 . 8 5 0 METHANOL ETHANOL 0 . 8 2 5 0 . 8 2 5 0 . 8 0 0 0 . 8 0 0 . 〉、 〉 、 司炉d 〉 〉 U 50775 円 f F3 ハU υ 包 0・ 7 5 0 0 . 7 7 5 n u υ一 どυ @ a ω ~ U l f ) 07 25 0700 0 . 7 2 5 o 1 0 20 30 0 . 7 0 0 40 o F i g .7 . Relationbetweenspeci五cgravityandf u e l temperature o fr e g u l a rgradeg a s o l i n eo f a s o l i n e,and l e a df r e e,methanolblcndedg methanol . 2‘ 空燃比・点火時期可変運転 1 ) 空燃比空燃比及び点火時期が軸平均有効圧力及 び燃料消費率に及ぼす影響についての結果を F i g .9 ", Fig.14に示した。図中の当量比ゆとは,空気過剰率』 の逆数であり,れま圧縮着火機関などの論議に用いるが, 火花点火機関では空燃比・当量比ゆが用いられる。ゆ= 1 .0では理論空燃比の状態, 1 0 20 30 40 Temper αture ( 0C) Temperature ( 0C) 1>1 .0では混合気が濃い場 .0では混合気が薄い場合である。 合 , 1<1 軸平均有効圧力は Fig.9~Fig. 1 1において,供試燃料 0 3者共に.BTDC2 0 C Aのとき最大となっている。ま たその場合,軸平均有効圧力は当量比ゆが1.1付近にな るまでは増加し続けるものの,それ以降ではほぼ一定値 となる。これは当量比併が1.1 ~1.3 の聞では燃料への 点火が確実で,燃焼速度が大きいため,高い軸平均有効圧 力が得られたものと判定された。また,当量比ゆが1.1 以下のときはこの逆の理由から高負荷時の当量比併を A= 0 . 9 1 ) として運転することにより高出力を期待し 1 . 1( 得ることが分った。 つぎに F i g . 12~Fig. 1 4において燃料消費率を見る 0 F i g .8 . Relationbetweens p e c i五cg r a v i t yandf u e l temperature o fr e g u l a rgradeg a s o l i n eo f ine,and l e a df r e e,ethanol blended gaso1 . ethanol ・ G1 0 0 9 4 m 0 u B o T n DC t i m i n A g I( O C A J 0 . 81 ~30 ・ ・ 020. . o a 。10. . . 芝 0 . 6 <v 0. C ! J a . 8ATDC ト一一寸一一一 E04 ∞ 0 . 2 O 0 . 4 . .炉。 。記 〕王 r i : 2 l ーぐ l : : I ' V " ノ 杉 づ " r f いJ 伊 ヲ ー ~恒 ← 企-<! .~..【 戸 0 . 6 0 . 8 1 0 12 . 14 . 16 Equivalence r a t i o F i g .9 . Relation between equivalence r a t i o and brake meane 任e c t i v ep r e s s u r ef o rr e g u l a r grade g a s o l i n eo fl e a df r e e . The t e s t engine speed o f2, 500rpmwaskept c o n s t a n ta t thewide open t h r o t t l e . では,可燃成分が少なく,燃焼温度が低いため,比熱の 増加や熱解離は少なく,また伝熱損失も少ないため,正 と , BTDC20 CAで最低となり,当量比ゅでは 0 . 9 5付 味熱効率が良好となり,その結果,燃料消費率は良好に 近が最良となっている。これは比較的混合気が薄い状態 なったものと考えられた。この事実は更に Fig.15から 1 7 9 寺尾・近江谷・松見・野口: アノレコーノレ混合燃料による農用小型火花点火機関の運転 ・ 。 。 量 " , . 町 、 020" 10" 0 . 6@ 0 " 、 同 . , @ 8ATDC ~30 'Q n 仏υ 凶芝∞ ・ f i i 〆 p " ' 0 . 2 主 D 鼻 s I ?V伊 0 . 4 0 . 6 0 . 8 芝 四 戸v 1 0 1 2 ・ -4 1 1 . 6 E2 0I " 020" o Q . . . 10" 芝 0 . 6@ 0 " @ 8ATDC 。 . c Yi l 、 ト 円 埼反 必至正度 f ¥ ¥ 20 ¥トd 車周 トーー 匹λJ ' , 1 0 -0 ' . 2 0 . 4 0 . 6 0 . 8 1 ~γ ・ @ I g 4 3 n 0 0 i t B i o 1 H 3 nC t i m i n A g j 3 。 ( C t 戸f? 。 イ , F 間ど 0 . 4 0 . 6 0 . 8 60020" 。 。 4 トー 協 1 . 0 1 . 2 工 5 主 - 16 Equiva¥ence r a t i o F i g . 11 . R elationbetweenequivalence r a t i o and brake mean e 任e c t i v ep r e s s u r ef o r 20% . Thet e s t ethanolblendedg a s o l i n ef u el enginespeedo f2, 5 0 0rpmwaskeptc o n s t a n ta tt h ewideopent h r o t t l e . ' . 6 。 1O H @ U" M2 0 . 川 ? 7 ; さ 、 目 50 Z 1 . 4 一」 F i g . 12. Relation btween equivalence r a t i o and brake s p e c i五cf u e l consumption f o rr e g u l a rgradeg a s o l i n eo fl e a df r e e . The t e s tengine speedo f2, 500rpmwaskept constanta tt h ewide opent h r o t t l e . m . o :〉え 与Z ト F . 1 -4 Equivalence r α t i o 7 0 a ト一一ト ー 降 格P E ~30 0 「 一 一 l L . ∞30 9 4 n 0 i t B i o T n DC t m l 1 ( ・ C n A 口 I 0 . 81 0 . 2 門 トーート一一 L μど r J ) F i g . 10. R e l a t i o nbetweene q u i v a l e n c er a t i o and brake mean e旺e c t i v ep r e s s u r ef o r 20% methanol blended g a s o l i n ef u el . The t e s tenginespeed o f2, 500rpmwaskept c o n s t a n ta twideopent h r o t t l e . 岩0 . 4 トー G1 0 0 l ヤ ト 一 一 0 u4 同「 陪 ー Equiva¥ence r a t i o ∞ @ 8AT 主50 住 rイ 0 . ・ @ i g 4 3 m 0 i 8 l o T a , D r 1 1 1 m l n A 9 ) C ( O C 3 -60 工 四' J IV トー 7 0 M2 0 n mC t i m i n A g } ( O C 0 . 8 lg4m0iBlo r J ) ∞30 ト一一 2 0 k f 降' トー 向 u4 0 l L . 民 o l L 匂J 民 主 0. 1 よ トQ Z包注 、 f 、 で~ y d J ! 1 ' ' r マ家 も確認された。したがって,燃料消費率を重視するなら 1 0 0 . 4 0 . 6 0 . 8 1 . 0 12 1 -4 1 . 6 ば,当量比ゆで 0 . 9 5( , 1 = 1 .0 5 )前後に設定して運転をす Equivalence r α t i o ると低い燃料消費率が得られる。なお,このときの空燃 比を,前者が出力空燃比と呼ばれるのに対して,経済空 燃比と呼ばれる。 出力空燃比は,理論空燃比よりも値が小さく,必要な F i g . 13. Relation betweenequivalence r a t i oand brakes p e c i五cf u e lcomsumptionf o r2 0 7 0 methanol blended g a s o l i n ef u el . The 5 0 0rpmwaskept t e s t enginespeed o f2, const a ntatt h ewideopent h r o t t l e . 酸素が十分でないため,完全燃焼できず, CO,CH類が 排出されて環境保全上望ましくない。低燃費が要求され ている農用機関にあっては,経済空燃比での運転される ことの意義は大き¥, , 2 ), 1 0 )。 3 ) 点火時期 当量比ゆ=1.1( , 1 =0 . 9 1 )における点火 時期と軸平均有効圧力・燃料消費率・正味熱効率との関 係を Fig.16に示した。本図から, M20・E20・ヵ‘ソリ l ・- J 70 i m 4 O i B l o T D 1 @30H C。 (C . . . .60I020" Z 5 主 第1 5巻 第 2号 北海道大学農学部邦文紀要 1 8 0 ー 民 」 、 ート一一 。 10 ・~ o 0" 10 8ATDC I I < 2 主50 / タ ト一一 u 40 り! I . L l f ) ∞30 ,% 10 I~ / 炉 / i 色 由 j<V 可 0 30 ~民 乙 20 w ト 一 回 ド一一一ー 0 8 16 LF 戸 ;A J n -L . mて r v H 内Jq4司l E 20 ﹂ h d mハUnununUハUno 川町 "HHHm k. , ・ @ 。 。 @ @ 441 内 F i g . 14. Relationbetweenequivalence r a t i o and 0 r o brake s p e c i f i cf u e lconsumptionf o r2 ethanolblendedg a s o l i n ef u el . Thet e s t enginespeedo f2, 5 0 0rpmwaskeptc o n s t a n ta twideopent h r o t t l e . J 内 10 12 . 1 4 E q u ivalence r α t i o 10 nunununU 0 . 6 M 20 4 炉心 「西 ¥ ふ k宍 宮問 20 O . 4 20 l ¥ v 芝 10 30 E 20 ン1#.味のいずれも BTDC2 0 C Aにおいて,刺1 平均有 0 効圧力・燃料消費率・正味熱効率のすべてに渡って最も 0 0 . 4 良好であった。 ここで典型的な点火時期と指圧線図を F i g .1 7に示 す 6)。着火が早ければ燃焼ガスは圧縮され,燃焼速度・ 最大圧力は共に大きくなるが, p-V線図の面積は必ずし ) 。逆に着火が遅すぎると,出 も大きくならない(図中 a 力・熱効率は低下する(図中 c ) 。この事実から最良の点 0 . 6 0 . 8 1 2 Equivalence r α t i 。 ' . 4 1 -6 F i g . 15. Relationbetweenequivalence r a t i o and brake thermale 伍c i e n c y . The t e s te r ト ginespeedwaskeptc o n s t a n ta tt h ewide open t h r o t t l e . 火時期がその中間に存在していることが分かる。一般 M20・E20の 3燃料の軸平均有効圧力・燃料消費率を に,着火点と最高圧力点の中央が上死点となる点火時期 Table3 に 示 し た 。 木 表 よ り 燃 料 消 費 率 に 関 し て は は出力・熱効率共に最良とされる(図中 b ) 。供試機関で M20とカソリン単味との聞に差はほとんど見られない 0 は,そのような点火時期が BTDC20 CA付近である 4 ) 機関各部温度 が , E20はガソリン単味よりも悪い結果となっている。 軸 平 均 有 効 圧 力 で は E20は ガ ソ リ ン 単 味 に 比 べ と判定された。 F i g .1 8 に点火時期と機関各部温 度との関係を示した。点火時期が遅れるに従い排気温度 が高くなっていくのは,排気管内に放出された未燃ヵース が燃え続けるため生じたものと判定される。その結果, ー7.8%と低下しているが, M20は逆にカソリン単味よ りも 3.1%程増加していることを知った。 以上のように,エタノーノレは一部代替としての役割は 期待できるものの軸出力は低下する。一方,メタノーノレ 吸気行程でシリンダー内に吸い込まれた燃料は十分に活 は一部代替のみならず,出力増加剤としての役割をも果 用されず,効率は下がり,結果として軸出力は減少する。 すことが可能であると推論された 1)。 プラグ座温度が点火進角量を増すにつれて高くなってい 3 . 最大出力点火時期運転 くのは,高温ガスに触れ続ける時間が長くなっていくた 1 ) 運転実験 1 MBT条件下における供試燃料 3者 が放出する NO ",と軸平均有効圧力・正味熱効率・ MBT めと判定された。 5 ) 供 試 3燃料開の比較 出力空燃比(ゆ =1.1 ,I . = 0 . 9 1 ),点火時期 BTDC2 0 CAにおけるカ、ソリン単味・ 0 進角量との関係を F i g .1 9 に示した。 N Ox の最大値は 燃料 3者いずれも), =1.1付近で得られ,ガソリン単味で 寺尾・近江谷・松見・野口: アノレコーノレ混合燃料による農用小型火花点火機関の運転 BTE rτ三十一 ー一 三宅?当』 唱司 雨、 ‘ h 凡 0 . 7 0 . 6O ト ー 一 』 BMEP a . . 0 . 5芝 -~・・ 二」一一三宅ミ : ; : ; . . . . 下 、 ト ー 一一一 G100 ---- M 20 一一一 E 20 、 l . 0 . 3岩 0 . 2c o 0 . 1 F . . . . . . . 5 0 トー 工 500 rpm 2, WOT 入= 0 . 9 1 3 : よ t : ミ ニ 40 芝 0 d f t y ' 30 ιJ BSFC LL ぴ3 T 一 一 10ト 1! I I I I I 8TOC50 μ p〆 ←-一一一~"-"--~ ∞20 F i g . 16. 0 . 4a . . 40 30 I¥¥¥¥ 一 20 10 0 I g n i t i o n timing (OCA) 10ATDC I g n i t i o ntimingv s . brakethermale 伍c i e n c y,brakee f f e c t i v e p r e s s u r eand brake s p e c i f i cf u e lconsumption. 且 且 日1 トー十一泊火it[れ 火昌 花火 9 s TDC (a) p-O線│刈 日 ( b ) t-v 線 l 刈 F i g . 17. 3t y p i c a li g n i t i o ntimingsand t h e i rpV diagrams( 5 .FURUHAMA,1 9 7 9 ) 1 8 1 182 第1 5巻 北海道大学農学部邦文紀要 第 2号 仁目下│ 800 750. . . . ~~I-~= ー- 700~ 十-.::::-:4~.C=-」戸 650w 600 550 500 1 " " ハ υ お3221 (U 。)aH j ゴ宇品 ー -~ ~~0t I 一一一 E 2 • l L 」上生当三官辛半 1L 』← とヰ仁 1 100. . . . . > 90; 8 O . . . . J 1 (﹀﹀ぷ) 2, 500rpm 仏工∞ 1?:091i-pl ト 一 一 ト ー ハl BTDC50 F i g . 18. rt 士、 7 0 60 H 一一?っ ー==ー -FQ 下判』 II 40 30 20 1 0 0 I g n i t i o nt i m i n g ( OCA) 10ATDC I g n i t i o ntimingv s . ehausttemperature,plug s e a t temperature, l u b r i c a n to i ltemperature,and brakehorsepower . . Table3 Results o ft h e3t e s t e df u e l s BMEP(MPa) BSFC(MJjkWh) G 100 0 . 5 0 8 M 20 0 . 5 2 4( + 3 . 1 5 7 0 ) 1 9 . 2(-0.5%) E 20 0. 4 4 8( ー 7.87%) 2 0 . 4(+5.7%) 000ppm,M 2 0・E20では,いずれもやく 1 , 600ppm は 2, であった。'<=1.1付近,即ち,N Ox の最大値が得られた 空気過剰率付近での軸平均有効圧力の大きさは,空燃比・ 点火時期可変運転の結果と同様, M20・ガソリン単味E20の順であり ,N Ox 濃度Ii頂とは異なった。 1 9 . 3 さらされている時間が短くなるので,③項に適合してお り,これがガソリン単味よりも M20・E20の NOx が 少ないことの一因であると推定された。 2 ) 運転試験 2 N O < = 1 .1におい x が最大となった ' てアルコールのガソリンに対する混合比率を変えて N Ox は一般に,①ある程度の O2が存在し,②燃焼 MBT運転を実施した。 Fig.20を見ると ,N Oxはやは ガス温度が高い程,また,③高温にさらされる時聞が長 りアルコールを増していくに従って減少している。これ い程,多く放出される。 , < = 1 .1の MBT進角量を見ると に対し,軸平均有効圧力は,エタノール混合燃料に関し M20・E20共にガソリン単味よりも遅角気味となって てはほぼ一定であるものの,メタノール混合燃料につい いる。点火時間が遅いということは,燃焼ガスの高温に ては,その混合比率を増すにつれ N Ox の傾向とは逆に, -'il' 民 ' u 耳 、 , 岨 ~= 205 15E 1O ~ J 勾 。 03oE ¥¥ミ「ド 一一J ト¥ 司 、 ・a 25 50 75 100 Alcohol-Gαsolineblend (句。) F i g . 20. 刈子 u l午 前 ゆ 奨 44行片が瀬沼、﹂ 躍︾話加古ハ務翠 δ悩宵 J x c e s sa i rr a t i oand F i g . 19. Relationbetweene b t a i n e dt oo p exhaust N Ox emissiono e r a t et h et e s t engine with 3 t e s t e d f u e l sa tMTBo p e r a t i n gc o n d i t i o n • 0 . 4 0色 hH ・ 山 崎 ‘ ロ 戸O 1 . 6 卜¥¥ 白 O tnt'141 l 噌 1 -2 14 Excessair ratio 0.50~ BMEP 4nU 1 . 0 比の白 司正内 8 ~ 0・60~ JU﹃ 司 。 W ト∞芝 20 10 0 . 6 U@) 、、. 、色 ‘Jヘ ~ (︽ (︽U。)ト∞芝 30 04E 0 . 2 B J T 1E t 噌 k 2 , 500rpm WOT ~ I w P 並 医 主 MBT 内正咽 a ぜ、 60 50 40 0 . 8 o 0 . 6量 BMEP . ・ 竺千三 qL N 竺ト RJnUEJnunu ~q ~ ∞ ↑ 以r . 。 ' ' . ( a e p ) ω J 内 松 ) υ 1000 トー 1 A /~ BSFC _ _ _ _ _ _ づ ト--- f R V R d '匂 司 J h . . A . 2 , 500rpm WOT 入 =1 . 1 0 ー-4 円 トー ごζ 孟 O . O OMETHANOL ~ト~ • ETHANOL (£・の内比三凶 トー 白 、 r 一隆三ミた丘二 NOx M ト←ー nunununununu nunununununu nunu nunu nunu ♂z paa) • G100 o M 20 L > E2 0 nunu nunu υ 円 υ 円 つ色噌 l 、 - 1h 円 品調・山同門門訟・診 (Eaa)HOZ 25_ BTE ]戸∞印 ExhaustN Ox emission, brakes p e c i五cf u e lconsumpi e n c y, andbrakemeane 任e c t i o n,brakethermale伍c t i v ep r e s s u r eo b t a i n e dt oo p e r a t et h et e s t engine withv a r i o u sa l c o h o lblendedf u e l sa t MBT o p e r a t i n gc o n d i t i o n . 1 8 4 北海道大学農学部邦文紀要 第 1 5巻 第 2号 nurDnurD 4 司 J 円 司 4 t 噌 (L・﹀﹀ミ v ﹁芝 ) U 工的∞ BSHC 7 5. . . 705 65E 6 0 VE トーー oMETHANOL 8 0 01 eETHANOL U7 5 0 乙7 0 0 ト一一 2 , 5 0 0rpm . : u650卜 6 0 0ト一一 WOT 入 =1 . 10 tE 「岡 4 0 0. . . 3 0 0 γ . . . 2 0 00 1 0 0 tp 、 r (UO)JH ︾ nunυnununu Qq f hvFD , 円n t L F 。 2 5 7 5 5 0 1 0 0 A(coho(-Gaso(ineblend ( 句 。 ) F i g . 21 . Brake s p e c i五cheat consumption,volumetic e f 五ciency,exhaust temperature,plug s e a t temperature,and l u b r i c a n to i l temperat u r e obtained t o operate the t e s t engine with v a r i o u sa l c o h o l blended g a s o l i n ef u e l sa tMBToperating c o n d i t i o n . 増加する結果を得た。したがって,ここでは軸平均有効 共に,その混合比率を増すにつれて下降しているが,い 圧力の大きさと N Ox との間に直接関係は見られない。 ずれの温度もメタノール混合燃料の方が若干高い。即ち, また,正味熱効率と N Ox との関係についても同様のこ アルコールの混合比率が檎加するに従って MBT進角 とが指摘される。 量が減少して,それに伴い,メタノール混合燃料・エタ 以上の点から,アルコール混合比率の増加に伴う N O x ノール混合燃料共に NOx は減少していくが,燃\~温度 低減の理由は,MBT進角量の減少が最大要因というこ は常にメタノール混合燃料の方が高いので,NOx はエ とになる。アルコール混合比率を増すと MBT進角量が タノール混合燃料よりも大きい値を得るのである。 少なくてすむ理由は,アルコールの燃焼速度がガソリン 摘 単味に比べて速いことによる。点火進角量が減少すれば, 燃焼ガスは高温にさらされる時間が短くて済み,N Ox 要 ガソリンにメタノール・エタノールを 20%混合した混 は減少するのである。しかしながら,本図では,MBT 合燃焼 2者及びガソリン単味で火花点火機関を運転し, 進角量の多いエタノール混合燃料の方がメタノール混合 次の結論を得た。 燃料よりも N Ox は少なくなっている。これは,先に述 1 . 混合燃料両者とも燃料消費率を重視するならば, べたように,エタノールの高粘度が引き起こす軸平均有 最適空燃比は当量比にして 0 . 9 5前後に,また,出力を重 効圧力の低減に伴う燃焼室内温度の低下によって N Ox 視するならば当量比にして1.1前後に設定することが望 量が減少したものと推定された。 ましし、。 Fig.21 からは, プラグ座温度・潤滑油温度・排気温 2 . 最適な点火時期は BTDC2 00 CAで,ガソリン 度いずれも,メタノール混合燃料・エタノール混合燃料 仕様の供試機関本来の点火時期と同程度である。したが 寺尾・近江谷・松見・野口. アノレコーノレ混合燃料による農用小型火花点火機関の運転 って,この程度の混合比率であれば,アルコール混合燃 料だからといって特別な設定は不要である。 3 . 機関の運転条件を整えて比較した 3供試燃料ガソ リン単味・ M20・E20で E20は ガ ソ リ ン 単 味 よ り 燃 料 消費率が 5.7%増加した。 しかしながら,軸平均有効圧 45・3,3 8 9 2 9 6 .1983 9 ) 寺尾日出男・西村弘行他: ハ ッ カ 泊 の 火 花 点 火 機 関への応用(第 2報)一室燃比・点火時期 .NO xに 5 : 4,437-443,1984 ついて,農機誌,4 1 0 ) 古浜庄一・ 内燃機関,森北出版. 1 9 7 9 力では M20は約 +3.2%,E20は 約 一 7.9%それぞれガ Summary ソリン単味に対して増減することが分った。 4 . アルコーノレの混合比率を増すにつれ,排気刀ス中 に占める N O x の低減が確認され,ガソリンの一部代替 と合わせてアルコールは農用機関にとって将来とも有望 な再生産可能資源であることを確認した。 引用文献 1 . ASAE: THEBIOLOGICALLIQUIDFUELS ALTERNATIVETechnology Status and Engineering Considerations,a t e c h n i c a lr e p o r t developedthroughASAE'sp u b l i cp o l i c yI s s u e s program. 1 9 8 1 2 . 五味 努: 自動車工学金書 4,方ソリンエンジン, 山海堂 1 9 8 0 3 . 平尾 収: 代替エネノレギーとしての燃料アノレコー ノレの問題(第 1集),開発社. 1 9 8 2 4 ) 平尾 収: 代替エネノレギーとしての燃料アノレコー ノレの問題(第 2集),開発社. 1 982 5 ) 平尾 The purpose o ft h i s studyi s focused on d e t e r miningthepropera i rf u e lr a t i oandpropera i rf u e l r a t i o and proper i g n i t i o n timing o ft h e blended g n i t i o nenginef o rfarm f u e l s,whenasmallsparki use i s operated with 20% by volume methanol blended g a s o l i n e and20% byvolume ethanolb l e e s p e c t i v e l y . nded g a s o l i n e,r 五rmed that regarding BSFC as I t has been con important equivalence r a t i oi sd e s i r e d0 . 9 5,and regarding BHPa s important equivalence r a t i oi s 1 . 1 . I t was observed t h a t an appropriate i g n i t i o n g n i t i o ntiming timingwasa tBTDC20oCA. Thisi showed l i t t l ed i f f e r e n c e fromo r i g i n a ls e tvalueo f t h ee n g i n e . For t h e spark i g n i t i o n timing i t can be seen t h a t a conventional i g n i t i o n system used f o r commercial ones i s wellmatchedt othesetwo f u e l s . I twas a l s o found t h a t on BSFC E20 increased 収: 代替エ不ノレギーとしての燃料アルコー 982 ノレの問題(第 4集),開発社. 1 1 9 7 9 ) 6 ) 古浜庄一: 内燃機関,森北出版. ( 7 ) 農業機械学会編: 新版,農業機械ハンドブック,コ ロナ社. 1 9 8 4 8 ) 寺尾日出男・西村弘行他. ハ ッ カ 油 の 火 花 点 火 機 関への応用(第 1報)ー燃料性状と負荷性能,燥機誌, 1 8 5 o rM 20andf o rE20were 57%. However,BMEPf 目 +3. 2 %and -7.9%,and i t was increased and d e creasedthant h a to fG 1 0 0 . Thiswasa l s oobserved missionobtainedt ooperatetheengine fromN O xe with t h e s e s 3t e s t e df u e l sa tMBT operating cond i t i o n .