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NO.343号

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NO.343号
THE KEISHO
NO. 343 号
発行日 2016 年 11 月
編集者 形象編集事務所
発行者 小野恒子
徳島市南佐古六番町 1-15
TEL 088-653-4306
E-mail [email protected]
2017年度形象派美術協会総会
新会長に谷元通裕氏選出
みんなで前進
会長 谷元 通裕
岐阜支部の皆様方、デッサン大学に参加してくださいました皆様方ありがとうございました。
この度、岡本功氏の後任として会長を引き継ぐことになりました。もとより微力ではありますがよろしく
お願い申し上げます。
今まで長期間会長として私たちを導いていただきました岡本功氏には心から感謝申し上げます。ご苦労さ
までした。今後とも見守っていただきたいと思います。
これからのことを考えますと、身の引きしまる思いです。
形象派美術協会にとりましては、とても大事な時にさしかかっていると思います。
皆様と共に一歩一歩前に進んでいきたいものです。
各支部の皆様方には大変お世話になります。
知恵を出し合い、みんなが希望の持てる形象派美術協会にしていきましょう。
第67回夏季デッサン大学開催
2016年7月29日(金)∼ 31日(日)羽島市文化センター
(前日研修 7月28日
(木)
)
芸術選奨賞 渡邉 浩行
優 秀 作 品 カルトン
最高カルトン賞
カルトン賞
鳥居 眞千子
井上 史江
カルトン賞
神谷 清久
上瀧 智子
早川 剛生
青山 悦子
−2−
優 秀 作 品 デッサン
最高デッサン賞
宮城 照巳
デッサン賞
岡本 功
松野 純也
デッサン賞
前田 和子
芸術選奨賞
大竹さよ子
夏季デッサン大学受講記
小野 恒子
三河支部 渡邉 浩行
① もともとデッサンには苦手意識がありますが、今回の研修でも、皆さんの自由な表現に感心しつつ、自分
は今ひとつ殻を破れない停滞に陥っていました。そうした中、
「常識を打ち破ることがデッサンのたのしみ」
との研修委員長の発言があり、
「それなら、いつもの非常識ネタで勝負できるかも」と考えました。そこで、
ホテルの部屋で缶ビールを飲みながら、できるだけ『非常識な』ヴィーナス像を20パターン描き、その中で
最も自分の感覚に近いと感じたものを、翌日のデッサンで試すことにしました。
② カルトンについては、研修会場の前の公園で、夜遅くまでポケモン狩りに興じる人々をテーマにしています。
持参のネタ帳に、絵のイメージを軽く描いておいたのが役に立ちました。
③ 芸術選奨賞とは、研修の全課程にわたるトップ賞であり、特別多くの票を集めたわけでもないのに、より
によってなぜ自分なのかという疑問はありました。しかし、
「得票と作品の価値は無関係」という講評を受け、
きっとどこかに見所があったのだろうと、改めて作品を見直しています。
④ いずれにしても、この三日間を通じて、自分を変えるきっかけをつかむことができたような気がします。
また、
岐阜支部の皆様には大変快適な環境を作っていただきました。
有意義な時間をありがとうございました。
−3−
デ ッ サ ン ダイジェスト
仁宇 暁子
『感じること』知覚を刺激して心を揺さぶるデッサンとカルトン作品を見たい
「殻を破りたい」と思って遠路はるばるデッサン大学に参加している。
今回は岐阜支部から今の形象派の核となる旬なテーマをいただいた。=見つめる・みつける・自分の表現=い
つもとは違った感覚を探り、自分を解放しもっと深く追求していくことが目標だ。知覚を刺激して心を揺さ
ぶるデッサンとカルトン作品を目指した。そのためには今まで以上に自分の感性に耳を澄まさねばならぬ。
中でも群を抜いていたのは
◇ 岡本 功のデッサンは生だ。一貫して筋が通っていた。じっと内観する姿勢と画面とビーナス像が緊張
感を保たれた正三角形だった。挑む姿が美しい。
◇ 宮城照巳のビーナス像の横顔はヨーロッパの歴史と日本的なライトグレィッシュとソフトトーンが調和
されて、自然で力みがない。
デッサンを解説する角谷薫に唸る岡野富子の両研修委員、仁宇の前日研修のデッサンの一幕と近藤義行のデッ
サンについて
◇ 角 「どうしてこんな風に幅広く木炭を塗ったり、ここんところ、ぐじゅぐじゅに線を引いたり、消した
りしたの?」
仁 「う∼ん。よく覚えていない。多分そう感じたからだと思う」
角 「きっと、像だけを見ているのではなく、画面から像までの空間を体がババーッと感じて手が動いた
んですね。それから、像に絡みついている影のようなものをこうやってくりくり感じて体と手が直結し
ているんですね」
仁 「まさしくその通り」
岡 「覚えていないことなんてあるんや」「感じるってことは、もしかしたら雲を見るみたいに瞬間瞬間
感じては消えていく感動のことのような気がする」
「覚えていないことに衝撃を受けた」
「それを角谷さんにきちんと解説してもらってよくわかった」
◇ 近藤はデッサンの自己批評で
「自分では、いつもはしていないことをした」
仁 「私はそうは思わない、いつもと変わらないと思う」
デッサンはあらゆる知覚、感性、知識や経験を総動員して取り組むいわば美の追求原点である。精神、心構
え、技法。その3つのどれを欠いても一流の感動は得られない。技法といってよいか分からないが、例えば、
木炭の白黒のトーンを美しい光に変えることや余白の等価性、比例、画面の隅々まで気を配り、自らの美意
識を反映させる覚悟等々そんなことがやや、忘れかけているのでは。心を打つ作品にめぐり会うにはその基
本的な修練も並行して行う必要を感じる。
1
2
3
−4−
4
参 加 者 だ よ り
最高デッサン賞
第67回夏季デッサン大学に参加して
宮城 照巳
小生は小学校五年生の時の戦争中に兵隊さんの葬
儀の時の肖像画を見て、肖像画の美しさに心を惹か
れた。戦争中は兵隊さんの葬儀がたくさんありまし
た。肖像画を見る度に肖像画が描きたくなって豊橋
市大村町のお寺の和尚さんに4年間肖像画を描くた
めに入門し、その肖像画を持って鬼頭鍋三郎(日展
の審査員、光風会会員)先生のところへ行きました。
先生の批評を受けました。そのときに鬼頭先生が肖
像画を描いてお金儲けをするのか、絵画として芸術
を勉強したいのかと云われました。芸術を勉強した
いというと、福山先生を紹介してくれました。
(当時、
福山先生が昭和 20年から 26年日展に出品し、又光
風会会員でした。)福山先生は台湾から日本に帰国
して安城市在住の時でした。その時先生を中心とし
た美桃会に入会しました。メンバーの中に「杉浦艶
子」
「木村政夫」
「牧野正則」
「川角虎男」
「三浦幸子」
「加
藤博」「太田政敏」「宮城照巳」「兵藤康彦」約 17∼
18名のメンバーでした。そのときのメンバーは福山
先生の指導を受けて上野の美術館に出品しました。
日展、行動、春陽、国会、二科、独立、二紀、日本
水彩、水彩連盟等に入選していました。昭和25年第
1回講習会を安城女子専門学校で開催しました。そ
の後、教育素描協会を先生が創立して、昭和27年に
美桃会の会員を中心として形象派を創立した。デッ
サン大学は年2回冬と夏に行われました。第67回は
岐阜羽島でしたが、皆さんの温かく親切なおもてな
しのおかげで心地よい時間を過ごす研究会であった
と思う。最高デッサン賞を頂いて高齢であるが原点
に戻って勉強する賞だと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最高カルトン賞
二度目の岐阜
鳥居 眞千子
7月28日自宅を出発して、岐阜羽島に到着しまし
た。前日研修も無事終わりましたが、今回のテーマ
『見つめる・みつける・自分の表現』なのに、
私の頭は、
まだ切り替えができていません。
一日目が過ぎ二日目を迎え、野外スケッチで外の
空気を吸ってやっと頭がすっきりし、気負いがなく
なりました。カルトン画、最後の三作目にして、初
めて無理のない表現が、自分の中では、できたと思
います。
(色使いは大胆に、
図形は、
筆の赴くままに)。
最も、この絵、自分の心の中を見られているようで
怖いです。でも、描き終えたとき、自分の想いを出
し切ったと思います(ヤッター)。そして、審査も始
まり、結果として、最高カルトン賞を頂きました。
本当にありがとうございました。
審査も終了して楽しい日々に、別れを告げるとき
が来ました。今思えば十年前、夏季デッサン大学初
参加がここ岐阜羽島文化センターでした。暑かった
ことだけが思い出されます。二度目の岐阜羽島も苦
しい連続でしたが、帰路につく頃は、楽しい時間を
過ごしたことを、集まった皆様に感謝しつつ、これ
からも良い絵が描けるように、頑張ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「第67回形象派夏季デッサン大学」 に参加して
水谷 ひづる
形象派に出会って間もなくデッサン大学に参加し
たときは、半分観光気分で、少し場違いなところに
来てしまったという感じでした。それから何年か経
ち、やらない後悔よりやって後悔と思い立ち、今回
思い切って参加することにしました。それは私に
とって一つのチャレンジでした。
申し込みや宿泊予約の時、なかなか日程調整がつ
かず、二転三転。岐阜の事務局には何度も変更のお
電話をすることになってしまいましたが、その度に
温かく対応して下さいました。そのやりとりの快さ
から前日研修の受付では、初めてお目にかかるよう
に思えず、思わず事務長さんの手を取りたいって
言ってしまい大変失礼致しました。
そんな岐阜支部の方々や岡本会長さんをはじめと
して幹部の方は年配の方が多い印象でしたが、人間
的な熟成(アルコールみたいですが・・・)と作品の
瑞々しい新鮮さのギャップに大変驚きました。本当
に魅力的な方々に囲まれて、今までにない幸せな感
覚に包まれたことはきっといつまでも心に残る経験
でした。
今回のテーマは『みつめる みつける 自分の表
現』でしたが、自分の絵の描き方はいかに漫然と筆
を動かしているだけかを自覚するものになりました。
五感を働かせ感動を表現する。ずっしりと重い命
題が、私の今後に課せられたと思っています。
今回のデッサン大学は、アートはその人の生き方
そのものである事。又人はいつでも向上することが
できるということを教えて頂きました。お世話に
なった方々ありがとうございました。
−5−
2016年 夏季デッサン大学
感じて ∼ 見つめる・みつける・自分の表現 ∼
10年ぶりの岐阜羽島。2016年夏の研修会場は、円空
さんが親しみ深くやわらかな空気を漂わせ、緊張を解
きほぐすかのように私たちを迎えてくれました。
描くことのみにどっぷりと浸ることのできる貴重な時
を、味わい尽くしたい。それぞれの思いに満たされた
この場から、今夏もまた個性豊かな心に残る多くの作
品が誕生しました。
[前日研修]
12 :30 受付
13 :00 石膏デッサン
4.実習講師紹介
研修委員長 : 仁宇暁子
研 修 委 員 :井上四雄、新実正男、近藤義行、
角谷薫、岡野富子
【石膏デッサン I 】
(仁宇・岡野)
(仁宇)冒険したい。緊張が高まっている。
1. 感じて みつめる
2. 感じて 見つける
3. 感じて 自分の表現
(前日研修不参加のため、画像のみとなりました。)
第1日 7月29日(金)
午前
開講式 9 :30∼ 10 :15
1.萩原文美子岐阜支部長挨拶 :
この4日間羽島市民となって、
「見つめる・見つけ
る・自分の表現」を目標に大暴れしてください。
2.学長任命 :福岡支部長 藤澤昌子
3.学長挨拶 :
「涙が出るほど感動するデッサン大学にしたい」
との萩原文美子岐阜支部長の言葉に感動して学長
を引き受けました。
変わりたい!(しかし、何でも変わったことを
すればいいのではない!)
(岡野)前日研修の仁宇さんのデッサンは、一瞬の
感動を表現した。しかし、その後その感動が何
であったか思い出せない。しかし、その時の感
動が確かにそこには存在している。
−6−
10 :45 ∼ 11 :00
(描く1)∼感じて・・・見つめる∼
(みる1)
研修委員コメント
・ 伸びやかさを感じる
・ 感じた動きをつかまえている(作者:感じた
ように描いたつもりだが,萎縮している)
・ 不思議な宇宙人のような このような形が
あるのに気づいた。ヴィーナスを創った人が
彫りだしたような!像を見ていてどんどん
湧いてきている
・ 細部とのつながりをよく見ている
・ もう少し思い切りも必要か?
・ 頭部について感じようとしている・直線を中
心に描いているが直線だけでは感情を表し
きれない
・ 頭部と首の後ろが全体を動かしている
・ 感じるということを考えていると、“こうで
いいのか?どうかな?”という思案の仕方
このような姿勢がいいのかな。
11 :20 ∼ 11 :35
(描く2)∼感じて・・・見つける∼
(みる2)
・ 暗部の積み上げ方が良い
・ 何だ!これは!
・ 表面だけではなく像の中
(内)に入っている。
・ 前が良かった。リスクを超えて乗り越える
・ 1回目にしっかりぶつけた・メディチの顔の
線についてどう感じて描いたか?(本人:感
じたつながりの線を入れた)
・ 美しい!
約1時間描いて途中で一度見る
(中間審査)
13 :40 (みる)
・ 祈りの形が見える
・ 中央の斜めの線が1枚紙がめくれそうに面
白い試み
・ ユーモラス
・ 仏像より人物を感じる
(風のイメージで)
・ 鉈で割った感じ
・ 円空さんもびっくり!エネルギッシュで元
気をもらう
・ おもちゃ箱から出てきたような
4 4
・ 「円空さん・・」(優しい、岐阜の人を感じ
る)
・ 内観
・ この像を見ると幸せがくる・拝みたい
・ 見ているとワクワクする(何もしないでも楽
しい)
・ 安楽椅子に座って円空さんの膝にいる
・ 見ていると
「舞妓さん」と言いたいような
・ 描いて楽しんでいる
(円空仏は厳かに鎮座した仏像とは全く異質で、庶民の傍ら
で安らぎと生きる力を与えてくれる)
(円空コンクール)
大賞 :廣江洋子
円空賞:井筒菊、早川剛生、冨山定子、萩原文美子
(3枚ボンド塗り)
12 :05 カルトン準備
午後
【円空さんを描こう!】(萩原)∼自分の円空∼
“円空”は像を彫るのではなく、内に宿っている
仏の姿を表に顕している。
(萩原文美子氏)
(ひたすら内なる仏を創りつづけて放浪する円空に思い
が向かう。
)
−7−
15 :00
【室内スケッチ】 (角谷・仁宇)
① 岐阜羽島の
「光と影」を見つけて描く
② 動きを感じて描く(対象物それぞれの動き・岐
阜羽島の動き)
20分間 1∼2枚
準備:画用紙2枚、パネル、鉛筆、消しゴム
【カルトン】 (角谷)
ボディは作者の感情がそのまま表れるすばらしい
形象派の画材である
(デモ)
1. 絵の具 :ボディ=1:3 or 1:2
(今回のボディはやわらかめ)
混ぜるのではなく練る
2. 全面に塗る
3. 顔料(同封のティスプーン1杯)を水性テンペラ
(PE :水=1 :3)で溶かす
4. 3で描く
スケッチを基にカルトン制作
(みる)
・ これからなにがはじまるのかな?
・ 調子がいいな!
(走っている いい調子)
・ 面の表情が豊か
・ 手が走っている感じがするが奥行きがあっ
ていい
・ 光と影が美しい
・ ここで止めてちょうど良い・明日がたのしみ
(みる)研修委員コメント
「光と影」
・ 光と影がゆれ動いている
・ 自分の見た光の感じを真剣に追求し、着実に
進んでいる
・ まとわりつくような感じ
・ 光と影とはコントラストを思うのだが、この
ような表現もあるのだ
・ 花の中に入り込んで自分の中の光と影を感じ
ている
・ 縦の動き このような影もあるのだ
・ 光そのものを正面から摑もうとしている
(写しているけど写していない。自分の中を写し
ている)
「動き」
・ 動きそうで動いていない・芯は動いていない
が今から動く
・ 配置のリズムも面白いが人の動きのリズムも
うまい
・ 上からも下からも四角いなどさまざまなもの
が飛び出している・・・
・ 突き抜けて感じないとこれは出来ない・作者
に聞きたい・自分と全く違った動きが面白い、
いろんな動きがある
・ ゆるやかな動きがこころの動きと重なってい
い心地
・ ハンモックでゆったり揺れているような気持
ちよい揺れ方
・ 最初のひもを引っ張ると次々と全体が動き、
ゆったりした感じ
・ どこから見ても次々と 楽しかったな
・ 下から上を見上げたような視点の高さを感じ
る動き
【石膏デッサン II 】
∼集中と拡散∼
部分と全体を感じながら描く
10 :50∼描く 11 :15∼話を聞く 11 :40∼みる
第2日 午前
【屋外スケッチ】 9 :00∼ 10 :00 (近藤)
細長い画用紙 2 枚(八つ切りを縦に切る)
・鉛筆
気になる作品
・ あきらかに後から入れたであろう線、面白い、
次に進めそう
・ 今ある形の中で気づいたものを持ち続けてほ
しい
−8−
・ デッサンの醍醐味が自分の常識と戦っていく
面白さ
・ 自分の感じたものを如何に画面に入れるか、
それが出ている
・ もう少し乗ってこない、気分的には良い
・ 消したところ、残したところ、絶妙だな・集
中と拡散
・ 作者が感じた形、良い・余白が美しい
・ よく見て感じている
・ パカッと割れた、後戻りしないように!
・ 作者が面白いなと思うところを素直に表現し
ている
・ A 氏 真ん中に暗部、美しい
B 氏 ヴィーナスの美しさを出してほしい
常識的作品?
C : ギュッと凝縮した感じと拡がり (早川)
D : ・ ぐっと引きしまって、呼びかけるような引
き込み (井上史)
・ 燃えるような作者らしい (早川)
・ 色からくる力強さに惹かれる (鳥居)
・ 赤に作者の感情を託している
E : 何とも言えない形、考えさせる絵、すばらし
い (大竹)
F : メルヘンの不思議な家のような誘われる形
(冨山)
G : 羽島の陰と日向が全て出ている、気持ちよい
H : 単純な形だけど宇宙空間を感じる
総会
岡本会長勇退 新会長に鹿児島支部谷元通裕氏選出
O氏:常識を打ち破っている
N氏:常識的だ
懇親会
作者:常識的ではないと思っている
歓談と笑いのひととき。英気を養って、最後の半日、明
N氏:もっと打ち破ることができる
日は心残りなく描き尽くそう!
とても単純なやりとりのようだが、作者と評者との緊
張感を漂わせる。作者はどこへ向かうのだろう?
作品を前に感動の声・異論・反論と活発な意見が飛び
交ってこそ、我がデッサン大学。
午後
13 :00
【カルトン】 (角谷)
(5分間)ボディ(+油絵の具)の下地が乾く前に水
性テンペラで描く
・・水性テンペラで描いたときに感じたこと・・
思い通りにならないなどこれまでにないその都
度の感じで使い方を変えれば良い :これが
“チャ
ンス”
昨日の続き∼
・ 水性テンペラをまだつづけても OK
・ 油絵の具+ほんの少しの PE(初めはグレージ
ングオイルを約 10%加え、その後徐々に約
50%まで増やす(入れすぎると割れる))
13 :15∼ 14 :15 カルトン3枚 描く
14 :20 (みる) 自分の絵を感じる
(カルトンコンクール)
研修委員コメント
A : とても意識が高い (渡邉)
B : 美しい (新実)
第3日 午前
9 :00
【石膏デッサン III】
(新実)
∼暗部を感じる∼
(しばらく描かずに)
・・・
(描く)
(みる)
・ 表情を感じると変わってくるかな
・ 暗部を描くというとこう描くんだな・・
と思う
・ (作者コメント )後頭部の髷から突破口になる
かなと
・ (研修委員)初めはどうかなと思っていたが、
形と形がつながっている気がしてきた
(石膏デッサン審査)
コメント
・ 新鮮な空間性を感じる
−9−
・ 前段階の方が良い、もっと良くなるだろう・
以前の良さをどう感じたか?
・ 魂が入っている
(じっくり感じている)
・ 様々な形が楽しそうに響き合っている・こん
な捉え方があるのか、デッサンをやって“楽
しい”気持ちが最もよく出ている
・ みたことのない形
・ あなたに頼りたいけど、
私一人でやっていく・
不安とともにある・懐かしいところに何か感
じる
・ 進化!進化!進化!
・ 肩と首のくびれが発見したのかな・・、戻っ
てないな
・ (作者コメント) 二つの人格を描いてみた
かった (表紙デッサン 渡邉)
「真剣にぶつかった。しかし、あなたのように楽し
めなかった」(岡本前会長)
“カルトン”
角谷研修委員コメント
感じたものをどう表現するか? 材料と自分が一体
になると楽しめる。自分が使うのではなく、向こう
が待っている。
学長 :長かったようで短かったようだ。前日研修
はウォーミングアップと思っていたが、皆のやる気
を感じた。研修委員のあつい熱意を感じた。岐阜支
部の温かいおもてなしに感謝。4日間、学ぶべきこ
とが多いデッサン大学で温かさと絆を感じた。
表彰
芸術選奨賞
渡邉浩行
閉講式
最高カルトン賞 鳥居眞千子
支部長挨拶: こころとこころのふれあいの時、最
高にすばらしい会でした。この場所から世界に発信
したい
カルトン賞
青山悦子、上瀧智子、早川剛生、
井上史江、冨山定子、神谷清
最高デッサン賞 宮城照巳
松野純也、前田和子、大竹さよ子、
岡本功、小野恒子
デッサン賞
講評
“デッサン” 仁宇研修委員長コメント
進化しよう!本気でぶつかるといろんなものが見え
てくる。
(
“感じている”今を進化させ、進化した今の重なりが創造
的な作品と自己を形成する。筆者3日間の総括)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2016 年夏季デッサン大学の様子が地元岐阜の新聞で紹介されました。
岐阜新聞 (2016年8月19日)
を
受
け
た
。
︵
一
部
抜
粋
︶
ぎふ羽島ホームニュース (2016年8月27日)
し
て
い
ま
し
た
︵。
一
部
抜
粋
︶
め
る
良
い
機
会
で
す
﹂
と
話
ま
す
。
本
来
の
自
分
を
見
つ
い
気
持
ち
が
一
気
に
花
開
き
宇 暁講
子師
さで
ん研
は修
﹁委
進員
歩長
しの
た仁
ま
し
た
。
の
感
想
を
発
表
し
合
っ
て
い
が
あ
る
﹂
な
ど
互
い
の
作
品
感
じ
ら
れ
る
、
ス
ピ
ー
ド
感
現
。
﹁
心
理
的
な
リ
ズ
ム
が
と
影
や
変
化
す
る
動
き
を
表
線
な
ど
公
園
で
見
つ
け
た
光
の
葉
の
曲
線
や
、
電
柱
の
直
ま
し
た
。
ス
ケ
ッ
チ
で
は
蓮
ん
で
の
デ
ッ
サ
ン
な
ど
も
し
チ
や
円
空
仏
を
数
体
持
ち
込
モ
パ
ー
ク
周
辺
で
の
ス
ケ
ッ
四 日参
間加
通者
しは
て石
描膏
きの
、胸
コ像
スを
− 10 −
い
、
そ
れ
ぞ
れ
の
表
現
に
刺
激
は
完
成
し
た
作
品
を
批
評
し
合
ら
仕
上
げ
て
い
っ
た
。
参
加
者
り
少
し
ず
つ
濃
淡
を
つ
け
な
が
使
っ
て
描
き
、
布
な
ど
で
こ
す
ン
に
取
り
組
ん
だ
。
木
炭
を
中 、緊
石張
膏感
像の
円
漂
空
仏う
の雰
デ囲
ッ気
サの
形
象
派
美
術
全協
国会
か羽
ら鳥
会市
員で
集講
う習
デ
ッ
サ
ン
の
表
現
力
磨
く
続・F 氏からのメッセージ
かつて本誌連載の
“F 氏からのメッセージ”は、中断されたままになっていましたが、福山先生の資料整
理を再開いたしました。デッサンや形象論、教育問題ばかりでなく、さまざまな内容の随筆原稿などあ
ります。その中から逐次
“続・F 氏からのメッセージ”としてご紹介したいと思います。
執筆年や内容の前後関係など順不同であることご了承ください。
続編第1回目は、台湾新竹・台中附属僚友会(日本メンバー)の集いを、福山氏が幹事で開催し、その終
了報告を出席者に宛てた文面です。
とき :1983年3月28日・29日
ところ :静岡県浜名湖畔村櫛町 ①福山氏農場ハウス / ②ヤマトマリーン(船宿)
出席者 :16名
(この中には、愛媛形象故近藤克己氏も僚友会会員として出席。その他
夫人同伴・亡夫代理の夫人・村櫛町知人・安城形象 2 名含む・)
<浜名湖残照>
古今東西、天下の名宰相は耶律楚材
(1190−1244)であると言う。27才という若年でチンギスカンに
招かれ、
蒙古帝国の宰相となった。
当時55才のチンギスカンが、
この若者を重用して大帝国を建設できた。
新竹附属の創立に招かれた僚友たちは、皆 27・8才の者ばかりであったが、今は70才前後、浜名湖の
宿は夜を徹して歓談。ただ月輪のみが冴えわたっていた。午前3時!
「一事を生ずるは 一事を減ずるにしかず」これは耶律楚材の名言。
お互いは、この文明社会の中でどれだけ減ずる努力をし、一事を達成しようとして来たか。
人間が無駄をして来た苦労という奴は、内に求めることを怠って外に求めていたこと、組織や制度を萬
能視して、あえぐ。これを精神だと誤信する。コレハムリだね。
ムリはホルモンの作用を激減する。(ホルモンは、増と減をコントロールする機能であろう。)このホル
モンは頭脳の支配におかれている。頭脳が哲学的で +(プラス)になる。科学的で−
(まいなす)になる。
情緒的なのは頭をカラにする。カラッポはどこまでもカラッポである。周囲の情報に動かされて身動き
できない。果ては、これが人生だと思ってしまう。ナムアミダブツ。
お互いが集まると昔話がでる。至極当然だ。情緒的にただそれだけに終るなら意味がない。昔にかえ
るわけにはいかんではないか。その思いで(=思い出?編注)、は何であるかをふまえている頭を科学とい
う。 (芸術は己の中に統一創造させるものであろう。
)
この辺の思考もめんどうに思えるようでは、ゴインキョなんだ。
「この僚友会の雰囲気は流石ですネ」佐藤ツナエが言った。
「主人が亡くなって、ひとしお、主人の価値をしみじみ味わう」とも言った。
女は思考に弱いとされるが 彼女は冴えていた。沼 久枝も徳永公子も夜を徹していた。彼女たちを見て
いると感能(これは私だけの語)の優を感ずる。
宮田の夫人も鋭い。愛熊は頭ではたちうちできない。剣道五段とはいえ、胃をなくした青山が頗る元気
に采配テキパキ。新調の洋服に夫人の気配りが光る。外田の笑顔千金に値す。長谷川のユーモアこれに
おとらず。川辺はしっとりと全てを吸収して意あり。
近藤(克己氏 編注)より速報あり。
“来年会場は愛媛に決定す。 横田も気乗り”と。
みんなが帰って、中馬がただ一人のこった。
「福山は一貫して人を射てきた。 父を、先生を、上官を、文部大臣を、そしてお前は射ることによって
相手を一段と高めて来た。
」そういって
「礼記射義」をくれた。
「俺は、お前の言葉に射られて、興奮すること40有余年」とも言った。
―オイッ、外に出ろ。 コレハ、こまめちゃんという耕うん機だ。やってみろ。
中馬は、初めての経験を楽しんだ。10米四方をなんなく片付けてくれ、
「これは、
いいな」と言った。以上、
第五報として、終る。
4 月 2 日 福山すすむ − 11 −
形 象 の 可 能 性 の た め に No.2
−展開する画法−
角谷 薫
PE PM グレイジングオイル(GO)が我々の溶剤として定着するきっかけは、カルトン画であった。
1984年 12月
“形象派カルトン画”として、まずは安城市民会館での発表だった。その展示を終了後年末 25日か
ら広島県呉市美術館でのカルトン画展開催へとつながった。安城での展覧会を見た広島支部の会員が、帰郷後
すぐ手配するという素早い対応のお蔭で実現したデビュー展だった。その後は翌年9月の台北市立美術館、翌々
年1月岐阜県立美術館、さらに鹿児島県立美術館、鹿児島画廊、浜松市美術館、由美画廊など各地で提唱・発表
した。
簡便なカルトン画と共に、PM PE と油絵の具の遊びに夢中になった。それで、この溶剤はカルトン画専用で
キャンバスには使えない、と思い込んでいた人もあり、その傾向はかなり長く続いていた。実際、この溶剤がキャ
ンバスにも不安なく使えるようになったのは、福山氏没後数年してファンダ ボディのテムペラ化に成功してか
らではある。当時はかつてのファンダ ボディと区別してテムペラボディと名づけたが、お互い昔の名前に馴染
んでいてそこに定着した。略記号は FB としている。以下にカルトン画提唱時の福山すすむ氏の記述をご紹介
させて頂こうと思う。認識を新たにすると共に溶剤についての整理の一助になるものである。
―本文抜粋―
カルトン(Carton―Cartoon)というのは、厚紙に
描くということで、油絵の支持体には 布(キャン
バス)板(パネル)厚紙(カルトン)の代表的なもの
が使われているが、今日カルトンは殆ど用いられて
いない。(スケッチブックの中に 油絵もかけるよう
な 表面塗料を施したものはある)―これに描けば
カルトン画ということになるが、一般にはそういう
言い方はしてない。ただ支持体をボード
(紙)
にした
というまでである。 つまり、キャムバス画である
とか、パネル画というのは慣例上ないのだ。これら
はひっくるめてオイルペンティングである。それな
のに何故にカルトン画として発表しようとするの
か。
このことは、最も重要なんだ。
素人の誰もが 油絵は失敗しても すぐに上から描き
なおせば、簡単になおせるが、水彩はそうはいかな
いと言う。その通りそうだ。油絵は上から上へとべ
たべたとやり それで出来るというたのしさがある
と考える。しかしそうではない。
やたらに本をよんで、たくさんの知識を得て、あれ
これやった人間が学者ではない。そんなのも多くい
るだろう。いるよネ。
失敗したと思う絵を、何ども塗り重ねてみると、油
くすみして、ちょうど老人のようにみえるものだ。
わたし自身、倉庫の中にほりこんで、再び見る思い
がしないものを、山ほどかかえている。
要するに リンシードオイルの酸化という現象で馬
鹿げた老廃現象といえる。
① この酸化現象をくいとめる、表面の空気に作用
されても変わらないものと、内部の質(絵具)
とに不変な体質を與えるべきだ。
② 人間のやることに失敗はつきものだ。その失敗
が生きるような、絵具でいえば媒剤(Medium)
がいる。くりかえせば、それだけの効果的体質
になるというー
この二つの問題は、テムペラとオイルとのミックス
から発見されたものである。不老長寿は人間の最も
希望するところだが、
絵の不老長寿と考えたらよい。
日本画の色紙
(シキシ・編注)というのは誰が考案し
たものか不明だが、これほど大衆化したものは珍し
い。油絵の色紙が、このカルトン画であるという時
代も来るであろう。しかし色紙とはちがう。いいか
げんで、安物で鼻もちならぬものが氾濫しているの
とは、一線を劃したい。 <1984・12・24>
− 12 −
の出方が違う。又はナイフで絵の具を置く→
オリジナルのわけ
そのまま下層が受けとめる。
cf. 大気感や雰囲気をもたらすために指や筆です
テムペラで描いているのではなく
りこむ
テムペラ化する画法である。
cf. 拭き取る。
水彩絵の具で描くから水彩画、テムペラ絵の具で描
これらの描画操作は、下層が完全に乾いてしまうと
くからテムペラ画と称されている。それらを複合し
できないことである。
てミックス(混合)画法になるが、形象派のテムペ
ラと油彩の混合画法は、“画面でテムペラ化する”
絵の具で描く=デッサンすること
という福山すすむの独自の発想に基いている。
デッサンはよかったのに、絵の具に入ってその良さ
前述の書簡にある“酸化現象をくいとめ・・・内部の
が半減したように感ずる時、
“いいと感じた”のに、
質(絵具)とに不変な体質を與える”ためにエッグ
絵の具の扱い方は感じたようになっていなかった。
テムペラを採用した。
例えば、デッサンでは何も無くて美しい余白だった
一方、絵の具を塗り重ねても油くすみしないために、
のに、絵の具に置き換えたら、どうも伝わるものが
樹脂(ダンマル、コーパル)
を油性媒材の主体とした。
違うと思ったりすることないだろうか。
また、くすみの原因とするリンシードオイルも樹脂
あるいは逆に、スケッチの動きが面白くて絵の具で
への配合に必要なものとしている。
追ってみたら、
スケッチを全部辿らないうちに、はっ
それは、樹脂は速乾ではあるが、
表面に皮膜層を作っ
とする画面にぶつかった、ということはないだろう
て強い艶を見せる。それに対してリンシードは速乾
か。それは、いつもその時その画面にデッサンがあ
ではないが、絵の具を奥から乾燥させ、画面に深い
る、ということだろう。その時に感じたことで動か
艶をもたらす。絵の具層の強度だけでなく、人間の
されるから、デッサンなのだ・・・と。
心の機微や雰囲気をより豊かに表現するには、両方
いかに上手くいったスケッチでも、それを写して絵
必要としている。
の具を使えばいいというのでは、絵の具で描くこと
*参考・オリジナル溶剤の主な内容
にはならない。
FB/PE・・・エッグテムペラ
(全卵・樹脂)
描く=感ずる=デッサンは いつも一体なのだ。
PM・・・・・ダンマル樹脂・揮発油
GO・・・・・リンシードオイル加熱精製
試作1
テムペラの性質は一般的には、乾きが速くまた一度
乾燥すれば、その上に絵の具をカバーしても混ざる
ことなく描ける、とある。
形象派のものは、乾きは速いが、固着までにはやや
時間を(日数を)要する。従がって、
時間経過によっ
ては前の絵具と混ざる。性質としてはテムペラとグ
ワッシュとの中間のようである。
だが、それこそが感じたままに描くという要求に応
えるところなのだ。絵の具で描くことができるので
角谷 薫
ある。
cf. 筆を感じたままに動かす→絵の具が動く→感
じたままの混色となる。
黄色ペイント(水で希釈)のコーティング。
クレパス・水性 PE と顔料を使う。(39.5×27.5 cm)
cf. ペンティングナイフで削る→削る深さで下層
− 13 −
試作2
感動を逃さないで画面に映そう
“ Go on working, freely and furiously;
you will make progress, and sooner or later
your worth will be recognized, if you have any.
above all, don’
t sweat over a picture.
A strong emotion can be jotted down at once;
Dream about it and seek to express it
in its simplest form.”
Paul Gauguin(1848- 1903)
とにも かくにも 描くことだ。 自由に そして
猛烈に;
君は 進歩し、 そして 君の中にある価値は
遅かれ早かれ 認められることだろう。
なによりも キャンバスに 苦心惨憺の労働をして
はならない。
角谷 薫
ボンドコーティング(水多目に希釈)。
FB+油絵の具をペンティングナイフで適宜な面に配す。
クレパスでスクラッチする。水性 PE と顔料を使う。
(26.9×26cm)
強烈なエモーション
(感動)は一気に描けるものだ。
それを夢見て、そして最もシンプル(簡潔)な形で
表現することを追求しよう。 ポール・ゴーギャン
試作3
角谷 薫
1987 水牛 (福山すすむ)
コート白ボール紙(表面ツルツル、裏は灰色)を使用。
コーティング不要。
墨汁・PM と油絵の具を使う。 (26×20cm)
− 14 −
支部
NEWS
静岡支部
第60回静岡形象派展
会期: 2016年5月10日(火)∼5月15日(日)
会場: 静岡県立美術館 県民ギャラリー
美術館の辺りが萌え
木色に染まる中、会員
4名一般2名で、計38
点の作品を広い空間の
中に心地よく展示する
ことができた。
鑑 賞 者 か ら の 感 想、
6名の作者それぞれの
想いが感じられる。色
の使い方が鮮やかで透
明感があり、気持ち良
い等の話が聞けた。
今回の鑑賞者数546名
(望月保夫 記)
岐阜支部
第33回岐阜形象派展
会期: 2016年9月6日(火) ∼9月11日(日)
会場: 岐阜県美術館(岐阜市宇佐 4−1−22)
心の景色 油彩で表現
形象派岐阜支部の作品展が開かれ、日常生活の情
景をのびのびと描いた絵画などが、来場者を魅了し
ている。萩原文美子支部長は「作者が感じたことを
自分なりに表現している。その思いが伝われば」と
話した。 (岐阜新聞より一部抜粋)
岐阜新聞 2016年9月7日
山田真己 作品展
会期 :2016年8月25日(木)∼8月30日(火)
会場 :岐阜信用金庫本店(岐阜市神田町)
岐阜市文化振興事業団の 2015年度芸術文化奨励
賞を受賞した山田真己さんの作品展が開かれ、彩り
豊かなラベンダーや薄墨桜などの花や風景をテーマ
に独特なタッチで描かれた水彩画6点が展示されま
した。6日間で 1568名のお客様にみてもらいまし
た。元気なことが分かって県内の皆さんに喜んでも
らいました。
岐阜新聞 2016年9月7日
− 15 −
広島支部
第52回広島形象派展
会期: 2016年6月7日(火)∼6月12日(日)
会場: 広島県立美術館(広島市中区上幟町)
人間年をとると、だんだん忘れっぽくなる。支部
展の案内を本部へは送っておきながら、肝心の編集
長の小野さんへは忘れてしまっている。それを話し
たら、案内状を作ってくれる小田さんが残っていた
葉書を送ってくれた。
第52回広島形象派展は大盛会であった。450名余
の人たちが見てくれた。
(原田さんの話では、
去年は、
500名を超えたそうだが・・・・。
)
私が嬉しかったことは、鑑賞者の声である。展示
室の真ん中に、“貴方のご感想をお聞かせください”
と、ポストを置いた。その中のほとんどが、“ひと
りひとりみんな違って、のびのび描いている”とい
う声だった。数年前までは、“一人の人が描いてい
るみたい”とか“やっぱり似てますね”という声だっ
た。“みんな違ってみんな良い”というセリフのと
おり、素直に喜びたい。
広島県立美術館は、地下に5室展示室があり、今
回は写真、書、能面、書画等、いろんな分野が集まっ
た。“形象ってどういう意味ですか?
“具象も抽象も
あるんですね”と、ずいぶん熱のある人たちが何度
か入ってきた。退職して、写真を始めた人たちのよ
うだった。“52回も続くなんて、すごいですね!”
と励まされ、嬉しい当番の1日だった。また、岐阜
支部の萩原文美子さんと、舞子さんが来てくれると
いうハプニングもあり、52回を盛り上げてくれた。
欲を言えば、もっと大きい作品が、たくさん並べば
嬉しいんだが。
(井上史江 記)
編 集 後 記
長年、形象派美術協会会長として私たちの創作活
動の支柱であり、現在に至るまで意欲的な作品で私
たちを魅了し勇気づけて下さいました岡本功先生が
2016年度限りでご勇退されました。今年のデッサ
ン大学でも挑戦し続けておられる姿に感動するばか
りでした。今後も変わることなくご指導下さいます
よう心より願っています。ありがとうございました。
そして新会長として谷本通裕氏が就任され、新体制
がスタートしました。新しい風を吹かせて、形象派
の未来がますます輝きを増して、創造性と個性豊か
な魅力ある作品を生み出す場となりますように!谷
元先生、よろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、岐阜支部の皆様の温かなお
もてなしのこころに厚くお礼申し上げます。その心
は円空さんとともにあったのですね。
ありがとうございました。 (小野)
− 16 −
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