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5年・道徳授業研究会/PDF

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5年・道徳授業研究会/PDF
第5学年●組
道徳学習指導案
平成26年6月12日(木)
在籍児童数
1
主題名
資料名
男女の友情
言葉のおくりもの
第5校時
20名
活 動 場 所
第5学年●組教室
指
教諭 ○○
導
者
出典『みんなのどうとく5年』学習研究社
○○
内容項目2-(3)
2 主題設定の理由
(1)ねらいとする道徳的価値について
真の友情は、お互いの向上を求めて、切磋琢磨したり、助け合ったりする中で生まれる感情であ
り、相互信頼に支えられている。小学校高学年の内容項目2-(3)は、「互いに信頼し、学び合って友
情を深め、男女仲良く協力し助け合う」を主内容としている。この内容は低学年の内容項目2-(3)「友
達と仲良くし、助け合う」ことや中学年の内容項目2-(3)「友達と互いに理解し、信頼し、助け合う」
を通じて育まれ、中学校内容項目2-(3)「友情の尊さを理解して心から信頼できる友達を持ち、互い
に励まし合い高め合う」に発展している。この段階においては、これまで以上に友達を意識し、仲
の良い友達との絆を深め、閉鎖的な仲間集団を作る傾向が見られてくる。そのために、友達関係で
の悩みを持つことが多くなるため、健全な友達関係を育てていくことが重要になる。また、この段
階においては、異性に対する関心が強まり、これまでとは異なった感情を抱くようになる。同性だ
けでなく、異性に対しても、信頼をもとにして正しい理解と友情を育て、互いに磨き合い、高め合
うような真の友情を育てていくことが大切であると考える。また、人権感覚の視点「共感と連帯感」
を育むことにもつながっていくと考える。
(2)児童の実態について
【意識調査 20名】
質
問
項
目
1
2
3
4
1 クラスの中に仲の良い友達は 1はい 2どちらかといえばはい
いますか。
3どちらかというといいえ
18
2
0
0
4いいえ
2 異性で仲良くできる友達はい 1はい 2どちらかといえばはい
ますか。
3どちらかというといいえ
11
9
0
0
4いいえ
3 異性の友達と仲良くしていて
1はい 2いいえ
19
1
よかったことはありますか。
4 よかったことはどんなことで ・遊びにさそってくれた。
すか。
・間違えたことをしている時、注意してくれた。
・話がまとまらない時、まとめてくれた。
・心配してくれた。
・教えてくれた。
・親切にしてくれた。 ・物をかしてくれた。
・クラスが明るくなった。
・考えや行動の仕方が同性と違うので、気が合うことがあった。
5 異性の友達と仲良くしていて
いやな思いをしたことがあり 1はい 2いいえ
2
18
ますか。
6 それはどんなことですか。
・遊んでいる時に、喧嘩してしまった
・無視された。
7 これからどんな学級にしてい ・争いがない学級
・いじめのない学級
きたいですか。
・みんな笑顔の学級
・仲が良い学級
・仲良く勉強する学級 ・男女関係なく仲が良い学級
・助け合う学級
・みんなの意見を生かせる学級
- 1 -
本学級の児童は、アンケート調査からも、同性だけでなく、異性とも仲良く接することのできる
児童が多い。また、全員が学級の中に仲の良い友達がおり、学級の中の関係性もよい。しかし、何
人かの児童は学級編制により、仲の良い友達と別れてしまったことを淋しいと思っている児童も見
られる。また、男女間の関係においても、比較的関係性は良好であるものの、何かをしてもらえる
から良いといった短絡的な考えにより、異性の友達を意識している児童もおり、本来の男女の良さ
を理解し、信頼し合うという関係性にはなっていない。異性の良さを理解し、だからこそ一緒に接
することが良いことに気が付いている児童もいることから、それぞれの友情のとらえ方を一歩深め
高められるよう資料を通して話合いを深めていきたい。
(3)資料について
本資料の主人公一郎は、すみ子との仲を冷やかされることがとても不快である。友達の視線が気
になり、すみ子と普通に接することができずにいる。そんな一郎が、すみ子からの「言葉のおくり
もの」で考え方を変えていく資料である。一郎の冷やかしに対する気持ちに共感させ、どうして、
男女が同性と同じように仲良くできないのかを考えさせながら、一郎がどのように考え方を変えて
いったのか、また何が一郎の気持ちを変えさせたのか話合う中で、男女間の友情の在り方について
考えさせたい。
3
4
ねらい
男女が互いに理解し、信頼し合い、向上していくことのできる友情関係を持とうとする態度を養
う。
研究主題とのかかわり
《研究主題》
『自ら学び、考え、心豊かに生きる児童の育成』
∼ともにつながり 高め合う学習活動を通して∼
【仮説1】
自己を見つめることや、他者とのかかわりについて意図的に考える学習指導の充実を
図れば、共に生きる人との間に、自分の思いを豊かに伝えあう子が育つであろう。
①話合い活動の工夫
子どもたち同士での話合い活動を展開するため、児童相互の指名を取り入れる。また、自分の
考えを持って話合い活動に参加するため、立場を明らかにしてから話合い活動に参加するように
する。
②書く活動の工夫
展開後段に書く活動を取り入れ、授業前の自分と授業の自分を比べながら、今日の授業を振り
返る中で、道徳的価値の自覚を再確認し、自己の生き方につなげていけるようにする。
③発問の工夫
場面発問だけではなく、テーマ発問を取り入れたり、切り返し発問を工夫したりして、より児
童が道徳的価値の自覚を深められるようにする。
④役割演技の活用
資料に自己を重ねるために、実際にロールプレイを行いながら、資料の中の子どもたちの気持
ちになれるようにする。
【仮説2】 自他の大切さを互いに認め合うことができる体験・交流活動の充実を図れば、自分も
他の人も好きといえる子が育つであろう。
①人権感覚育成プログラムの活用
人権感覚育成プログラム「こんな時どうする」を行い、日常生活で起こりそうな場面のロールプ
レイから、身近にある差別や偏見に気付いたり、公正・公平の大切さを理解させたりしていく。
②他教科領域の体験活動
オアシスカードへの取組を通し、クラスの友達の良いところを探したり、伝えたりする機会を
多く取っていく。また、帰りの会で、今日一日のスターの発表を継続していく。
③他教科領域の体験活動(褒め言葉のシャワー)
その日の順番の児童について一日良いところを見つけながら過ごし、帰りの会で、その児童の
良いところを見つけた児童が順々に発表する。
- 2 -
5
人権教育上のねらい[共感と連帯感]
まわりの人の言動に関心を持つとともに、相手の立場や心情を受け止めながら、仲良く協力して
生活しようとすることができる。
6
人権教育上の視点
①まわりの人の言動に関心を持ち、相手の立場や心情を受け止める良さを知る。
②相手の立場や心情を受け止めながら、仲良く協力して生活しようとする態度を養う。
7
展
開
段
階
導
入
展
開
〔理解〕
〔態度〕
学 習 活 動
◇主な発問
○指導上の留意点 ※評価
◎人 権教育上の配慮
時
間
○一人一人が出した意見を共感的
に聞かせる。
○一人一人が考えを持って参加で
きるように配慮する。
3
〈登場人物〉一郎 すみ子 たかし 信男 秋子
・一郎とすみ子はずっと同じクラスで家も近い。
・一郎のクラスでは、誕生日を迎えた仲間に「言葉
のおくりもの」をする。
・一郎の誕生日は6月。もうすぐである。
○一郎の気持ちになって、資料を
聞かせる。
○話合いたいところを発表させ、
児童と共に、話合いの柱を決め
ていく。
7
予想される児童の反応
気
づ
く
1「言葉のおくりもの」 ・ありがとう
について考える。
・上手だね
・すてきだね
と
ら
え
る
2 資料について知る。
1)主人公や相手方、条
件・情況について知る。
2)資料の判読を聞く。
3 話合いの柱立てをす
る。
深
め
る
4 資料をもとに話合う。
◇たかしに冷やかされ
た一郎はどんな気持
ちだったろう。
25
・お礼の気持ちを表す
のは自然なことなの
に、どうして冷やか
すんだ。
・恥ずかしい。
・いやだなあ。
・やめてほしい。
○資料のクラスの子どもになった
という雰囲気作りを行う。
○以前も冷やかされたことがあり、憂
鬱になる一郎の気持ちに共感さ
せる。
◇どうしてたかしや信
男は冷やかしてしま
うのだろう。
・うらやましい
・ちょっとからかいたい
・友達が言っているか
ら一緒になって。
○たかしや信男の気持ちも考える
ことにより、男女の関係につい
て冷やかしたくなってしまう気
持ちについても共感させる。
◇一郎がすみ子に冷た
くあたったのは、ど
んな思いからか。
・すみ子さんは悪くな
いのにごめんね。
・でも恥ずかしい。
・冷やかされたくない。
・すみ子さんがなれな
れしくするからこん
なことになるんだ。
○自分の思いを心情ハートを用い
て明らかにし、黒板に立場を貼
らせ、貼った理由について二人
組で話合う。
- 3 -
◇本当は、一郎はどう
したかったか。
・ありがとうと伝えた
かった。
・感謝している。
○一郎の本当の心の底の思いにも
ふれさせる。
◇すみ子がたかしを励
ます声を聞き、一郎
はどんなことを考え
ただろう。
・どうして、自分のこ
とを冷やかす人にま
で優しくできるのだ
ろう。
・たかしさんが悪いの
だから、そんなこと
言わなくてもいい。
○たかしを励ますすみ子の姿から、
すみ子の友達に対する考え方に
ついて深く考え始める一郎の心
の内に気付かせる。
◇すみ子からの「言葉
のおくりもの」を聞
いて、一郎はどんな
ことを考えたか。
・自分のことを本当に
よく分かってくれて
いるんだな。
・ありがとう
・すみ子さんは、冷や
かされたことを気に
していないんだな。
・自分が恥ずかしい。
・ごめんなさい。
○一郎やたかしの思いを役割演技
を通して引き出させる。
◎まわりの人の言動に関心を持ち、
相手の立場や心情を受け止める
よさに気付かせる。 (視点1)
◎相手の立場や心情を受け止めな
がら、仲良く協力して生活しよ
うとする良さに気付かせる。
(視点2)
※すみ子の自分への友情の深さや、男女仲良く協
力できる学級にしたいという願いを聞いて、本
来の友情について考えられた一郎の思いに迫る
ことができたか。
【発言、表情】
見
つ
め
る
◇みんなの拍手は、何
に対する拍手だった
のだろう。
・すみ子が冷やかされ
ることを気にするこ
となく、一郎のこと
を心から考え大切に
接している姿勢。
・本当に男女関係なく
接しているすみ子の
姿。
○みんながすみ子の男女関係なく
大切に接している姿勢、態度に
共感し、拍手を送っていること
に気付かせる。
◇たかしは一郎になぜ
握手をしにいったの
だろう。
・冷やかしたりしてご
めんなさい。
・すみ子さんは本当に
良い友達だね。
○すみ子の思いを理解できず、自
分の興味本位で冷やかしてしま
ったたかしの反省と、たかしも
すみ子の接し方に共感して感動
している思いを理解させる。
5 「男女が仲良く協力
し合う」とは、どうい
うことかを考えなが
ら、これからの自分の
生き方を考える。
・それぞれの良さを生
かして協力する。
・相手のことを理解す
る。
・それぞれの思いを大
切にする。
○道徳ノートに今日の授業を振り
返りながら記入させる。
○今後の自分について考えさせる
ことにより、ねらいとする価値
に対する意識化・態度化を図
る。
○具体的な行動や態度の発言を称
賛する。
- 4 -
8
終
末
あ
た
た
め
る
6 教師の説話を聞く。
・男の子が女の子を励
ますこともあるんだ
な。
○教師自身が、男の子から励まし
をもらった経験を話す。
2
7 ふりかえりカードを
記入する。
8 事後の指導
(1)ワークシート、道徳ノート等の記述を掲示(または教師がノートへ朱書き)する。
(2)学校生活でねらいにかかわる良い活動があった時に帰りの会や学級通信で称賛していく。
(3)他の教科等の学習の中で、ねらいとする価値や人権教育上のねらいを意識させていく。
(4)オアシスカードを活用し、友達の良いところに対し、言葉のおくりものを送る活動を続けていく。
9
評 価
○男女が互いに理解し、信頼し合い、向上していくことのできる友情の良さについて考えられたか。
○これまでの自分を振り返り、男女を尊重し、信頼し合い、助け合う友情関係を自分のこととして
とらえられたか。
【授業の様子】
★登場人物の心情に共感させる。
★心情ハートで明らかにした
自分の思いを黒板に貼る。
★自分の思いを二人組で話合う。
★道徳ノートに授業の
振り返りを記入する。
- 5 -
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