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“自分には撮れない写真”と言わしめた作品が決選投票の末にグランプリ!

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“自分には撮れない写真”と言わしめた作品が決選投票の末にグランプリ!
第 6 回 写 真「 1_WA L L」展
2 012 年 3月2 6日(月)∼ 4月19日( 木 )
公開最終審査
2 012 年 4月5日( 木 ) 6 : 0 0 p . m .∼ 9 : 0 0 p . m .
“自分には撮れない写真”と言わしめた作品が決選投票の末にグランプリ!
写真を撮ることは何かを信仰する行為に似ていると話す熊谷さん。ときに笑いを誘うほどのユーモラスな言葉選びと、不器用なまで
にストレートな熱情が、断片的なイメージに未知の深みを感じさせ、審査員たちの心を捉えました。
「私 たちは自分のみたいものしか見ていないだろう。写 真でシャッターを押すというのは、その断定をさらに強くする。しかし、あ
らゆる事 柄は想 像の 余 地を孕んでいる。デジタルからフィルムに記 録 媒 体を変えたことにより、想 像するためのワンクッション
が できた。何かが すぐに現 前 するのではなく、想 像を介することにより、現 前 するものも変わってくるのではないだろうか。強い
断定のメディアで、断定ではない余白を表現したかった」
小 林 紀晴
秋山伸
「 彼はまだ 言 葉にできないものを撮りたいのかもしれ ない。見
「ひとつひとつの写真に迫力があり、また、話が一番面白かった。
た瞬 間、僕にはこれ は 撮 れ な い なと思って、そういう意 味 では
自分とその過去、あるいは身のまわりの人たちとの関係性を、写
すごく魅 力的 。可 能 性と真 逆 を同 時に 感じさせる人 だと思う。
真を 使って 築いていくという所に立 脚しな がら、写 真を完 全に
選 ぶ立場としてもすごく面白い大きな賭け」
は信用していないところが 面白い。その自由さにおいて、次の展
示を見てみたいという気にさせる」
光田ゆり
「本人の 話し方と写 真 から受けるインパクトが 近い。応 募 者 の
鈴木理策
多くは静かな日常を淡々とデリケートな感 覚 で撮っているが、
「 撮りたいという写 真 家 の 欲 求と 、実 際 にそ の 作 品 を 見る人
彼 は 淡々として い な かった。が むしゃらで 切 羽 詰まった 感じ、
の 気 持 ちには 距 離 が あ る。撮って い る時 の テンション だ け で
前進 力がある。その強さが 魅力だと思う」
あるとか、最 終 的に出 来 上 がったもの の クオリティとか、そう
いう“部分”だ けでも写 真 表 現 は 成 立するが、彼は全 部 をコン
姫 野 希美
トロ ールしたい 、全 部 に 意 見をしたい の だろうという印 象を
「可 能 性 をすごく感じる人。意 味 や 名前 から離 れて、流 れて い
受けた」
く何かが あって、握りしめたいものが ある。言 葉 がまだ 気 持ち
に 追 いつ いて い な い の だろうとは 思うが 、やろうとして い る
方向 性には何か 響いてくるものがある」
熊 谷 勇 樹 Yu k i Ku m ag a i
1988年生まれ。玉川大学在学中。
(グランプリ受賞時)
F I N A L I S T S ※五十 音 順
小 山田 邦 哉
鬼頭志帆
熊 谷勇 樹
小池 裕 也
齋藤圭芸
真鍋奈央
J U D G E S ※五十 音 順、敬 称 略
秋 山 伸( グ ラ フィッ ク デ ザ イ ナ ー・パ ブ リ ッ シ ャ ー )
小 林 紀 晴( 写 真 家・作 家 )
鈴 木 理 策( 写 真 家 )
姫 野 希 美( 赤 々 舎 代 表 取 締 役・デ ィレ ク タ ー )
光 田ゆり( 美 術 評 論 家 )
FINALISTS
■出品者のプレゼンテーションと質疑応答の概略
小 山 田 邦 哉 Kuniya
小 池 裕 也 Yuya
Oyamada
Koike
「out line」
「displacement」
震 災後、青 森 の 家の 窓 から外を 見 たとき、いつもの風 景 が 違って見 える体 験 をした。今 回、素 材 や
写 真 のデジタル表 現とアナログ 表 現の明らかな差を 縮めようと試 みたのが今 回の 作 品。紙 ネガを
次 元に 違 和 感 をおぼえることで、写 真そ の もの の 存 在 が 強く認 識されるような 作 品にした。この
使って目の前にある風 景を記 憶 の 中 の 景 色に 変 換しようと思って 撮った写 真。結 果 的に 意 図した
不 可思 議な 窓 が、見る人にとって世界と交 信 するきっかけになればと思う。
変 換ではなく、曖 昧な記 憶を一枚の鮮明な記 憶へと変 換する作 業になった。
〈質 疑 応 答〉
〈質 疑 応 答〉
● 鈴 木:この 作 品は見る人 がどう感じてくれたら、あなたにとって成 功なの?
● 姫 野:ポートフォリオには 変 換前と変 換 後 の写 真があるのに、な ぜ 変 換 後 だけ展 示したの?
○ 小山田:見る人によって様々に捉えてもらえれば……。
○ 小池:ポートフォリオは 説 明的過ぎ た。展 示では見る人にもっと考えてほしいと思った。
● 小 林:プレゼンテ ー ション や 個 展 プランを聞 いて違 和 感 を覚 え た。写 真を 使って自分 の 切 実 な
● 秋山:フライヤーに載った写 真が象徴 的 だと思うが、な ぜ 展 示 作 品に入れ な かったの?
思いを表 現しているのか? それとも頭の中の 空 想やイメージを表 現しているのか?
○ 小池:自分にとって大事 な写 真 だが、この 一枚の 存 在 が大きくなり過ぎるのを避けた。
○ 小山田:いつもは写 真に自分の感 情を出さないようにしているが、今回は結果的に出てしまった。
熊 谷 勇 樹 Yuki
齋 藤 圭 芸 Tamaki
Kumagai
Saito
「幻肢痛」
「贅沢」
切 断され 失 わ れ た 四 肢 に 痛み を 感じることを「幻 肢 痛」という。不 安 や 孤 独 は 幻 肢 痛と似て、失 わ
と同じ感 覚 が ある。見る、ということを疑ってほしい。写 真を見ていろん な思いを巡らせてほしい。
れ た 部分 が 痛 む のに、触 れることも 薬 で 治すこともできな い。しかし自分 の 外 側 の 世 界 を 見ると、
そう思って撮った。好きに想 像できる贅 沢な作品にしたいと思った。
痛みがやわらぐことを発 見した。その 感 覚を写 真に撮りたいと思った。
〈質 疑 応 答〉
〈質 疑 応 答〉
● 秋山:見ることを疑ってほしいと言ったが、自分の写 真をどれくらい信じているの?
● 秋山:展 示に使った棚や 作 品 を装 飾している箱はどうやって作ったの?
○熊 谷:不 確 かな 部分はある。だけど、何か 引っ掛か るものは写っていると思う。
○ 齋 藤:棚は事 務局に借りたもので、箱は 既 製 品を使 用した。
● 光田:限られたスペースに 展 示する場合、今 言った「贅 沢」というテーマは完 結 するの?
● 菅 沼:展 示してみて、自分で上手くいったと感じる部分はある?
○熊 谷:写 真を撮る、という根本 的な 部分では 変わらないと思う。
○ 齋 藤:作品 の 数やバランスはよかったが、近くで見ると手作りの 部分が安っぽくみえるかも。
● 小 林:写 真を撮ることはあなたにとって、どのくらい切実なものなのか?
○熊 谷:お金をかけ、時間をかけ、それだけの 労 力を費 やす価値 がある根 源 的 な欲 求。
鬼 頭 志 帆 Shiho
真 鍋 奈 央 Nao
Kito
「WALLS」
Manabe
「眼をあけて夢をみる」
5 年ほどイギリスとインドで 写 真の 勉強をした。出会いと別 れをくり返した5 年 間で、文化 の 違い な
眼 をあけて 夢 をみ る。私 が10 歳 の 夏休 み 最 後 の 夜 に 父 が 突 然 亡くなった。今でも悲しい 時、皆 の
ど「壁」を 感じることもあった。そ の 壁を、写 真を 通して深く探ってみようと撮り続 け た。4×5 のカ
輪 の中にいる時、どこか 夢 の中の出 来 事 のよう。しかし写 真を始めて、暗い気 持ちで撮った写 真 の
メラを持って対 象となる人のいる場所に出向いて自然 光で撮った作 品。
〈質 疑 応 答〉
中に、かすかな 光がみえた。写 真をやることでもっと世界が 面白くなってきた。
〈質 疑 応 答〉
● 鈴 木:写 真を標 本のように「物」として展 示すると撮 影 者のまなざしが見えにくいが?
● 秋山:個 展プランで写 真では表せないことをやりたいと言ったが、な ぜ今、写 真を撮るの?
○鬼 頭:自分の立ち位置はあまり重 視しない。撮 影したその瞬 間があったことを残したい。
○真 鍋:写 真を撮っていると、その瞬 間の世界 の 表 情がみえる。だから写 真で表している。
● 小 林:展 示 の中にベタ焼 の小さな写 真があるが、どういう意図なのか?
● 小 林:個 展 プランと今回の展 示とはどうリンクしているの?
○鬼 頭:サイズが 違うことで、見る人に近づいたり離 れたりして作 品 を見てもらいたい。
○真 鍋:今回は故 郷の四国で撮 影した作品ばかり。個展ではそれに東京で撮 影した作品を加えたい。
● 姫 野:撮 影 のプロセスでは、被 写体となる相手と話をしたりするの?
● 光田:撮 影に対 する姿 勢 が すばらしい。自分の写 真を他 人に見せることをどう思ってるの?
○鬼 頭:その人 が自然体 でいてくれるようにお願いし、自然 光 の中で撮 影する。
○真 鍋:写 真に自分の暗さや 気 持ちは入れ ないようにしている。押しつけがましくしたくない。
Photography 1_WALL
母を亡くした時に骨を食べた。不思 議 なことに存 在しないはず の 母を感じた。写 真に対してもそれ
■ 審 査 員の 感 想
出 品 者 のプレゼンテ ーションが 終 わり、ここからガー ディアン・ガー デ ンの 菅 沼が 進
の 展 示を 見 てみ たい 」。鈴 木 さん:
「作品
行して各 審 査 員 に 全 体 的 な 感 想 を 聞く。小 林 さん:
「 震 災 後 2 度 目の 公 募 に な った が 、
を 見る人を 全 部自分でコントロールした
全 体 的に低 調 で 元 気 が な かったように 思う。展 示したファイナリストの 6人は 完 成され
いという気 持 ちを 感じた。言 葉 の 選 び 方
た 作 品ば かりで、難しい 審 査になりそう」。光 田さん:
「プレゼンテ ー ションを聞 いて、皆
も もっと 考 えるとい い 」。光 田 さ ん:
「作
さんすごく率 直 で、しかも深 い 話 だった。写 真を 撮って作 品 をつくるというのは、そ の人
家 本 人 の 話 し方と 写 真 か ら 受 ける 印 象
の人 生そ のものという印 象を 受け た」。鈴 木さん:
「良 か れ 悪しか れ、写 真 で自分 の 気 持
が 一 致した 。プレ ゼ ンテ ー ションは 説 得
ちの テンションをキ ープ するような自己セラピー 的 な 作 品 が 多かった 。でも 、それで は
力 が あった が、展 示 は 少し 弱 かった」。小
見る人と 思 い を 共 有 できな い ので は な いか 」。秋 山さん:
「 ポ ートフォリオ を 見 たり、作
林 さん:
「 この人 は 、きっと言 葉 に できな
家と直 接 話したりして、作 家自身 の 過
い 何か を 撮りたい のでは 。この 写 真 は自
去 の 出 来 事 と 関 連 深 い 作 品 だと 思っ
分には 撮 れ な い 写 真。可 能 性もそ の 逆も 感じさせる」。● 齋 藤 さん の 作 品について。光
た 。作 品 の 評 価 には 入らな い が 、聞 い
田さん:
「これまで の 作 品はど れもすごくて 実 力 派。今 回 の 写 真 は 犯 罪 を 思わせる 独 特
た 以 上 、何 ら か の 影 響 は あ る の で
さ で 、展 示 方 法 も良 かった 」。秋 山さん:
「 好きな 展 示 だ が 、棚 も 箱 もすべ て手 作りにし
は 」。姫 野さん:
「 一次 審 査 の 時 には 閉
たほうが良 かった。ポートフォリオの 中には1点の 駄 作もなく、力のある人」。姫 野さん:
塞 感 をすごく感じた が 、今 回 のプレゼ
「最 初 に 見 た 時 から良い 写 真 だと思った。突き抜けていく何か を 感じた。箱 の 中に 入り
ン テ ー ションを 聞 いて 、作 品づくりに
込 んで いく力と 、そこから先 に 行く力 を 感じた 」。鈴 木 さん:
「 すごく緻 密 に 計 算して い
対 するエネ ルギ ー が 伝 わってきた 。そ
るようで 、そこに 収まらな いチ ープ さもあ る 。いい意 味 で 変 な 人 」。● 鬼 頭 さん の 作 品
れはとても大事 なこと」。
に つ いて 。秋 山さん:
「 写 真も 展 示 もソツ なく上 手くまとめて い る 。でも 、もう少しハミ
出してもいいと思った」。光 田さん:
「どの 被 写体も 遠 い 存 在に 見 える。
“ 壁”というテ ー
マに 結 び 付いている作 品 だ が、この 表 現 でなくちゃいけな い 部分も見 たかった」。鈴 木
ここで ファイナリスト一人一人 に つ いての 感 想 を 聞 い た 。まず 、● 小 山 田 さん の 作 品
に ついて 。鈴 木 さん:
「 展 示 も 個 展 プ ランも“ 肝 心 なも の は 見せ な い ”というコン セ プト
さん:
「 距 離 の あ る 写 真 。でも面白い 作 品 。作 業 的 にはもっと 量 が 必 要 だ 」。小 林 さん:
「 最 初 に 写 真 を 見 た 時 、全く知 ら な い 人を 撮 った の で は と 思った 。写 真 とは“ 鏡 の 法
は 面白かった。た だ、プレゼンテ ー ションでは 余 計なことをしゃ べり過ぎ て いた」。光 田
則 ”。実 は作 者 本人 が 相 手 に 対して 壁 をつくって い る ので は?」。● 真 鍋 さ ん の 作 品 に
さん:
「 逆 説 的 に 写 真 の 窓 の ま わりが フェイクっ ぽく見 え た の も 面 白 かった 」。秋 山 さ
ついて。姫 野さん:
「相 手とやりとりするエネルギ ーを 感じる。信 頼 感 が 伝わってくる」。
ん:
「 非 常 にコン セ プ チュアルな 作 品づくりの 印 象を 受 け た 。考え 方 が しっかりして い
小 林 さん:
「 好 きな 作 品 。写 真 と自 分との 距 離 の 近 さ が すごく伝 わ ってきた 」。秋 山さ
て 、写 真 というメディア に 対して 非 常 にクール 」。小 林 さん:
「 写 真 のプ ロセ スとして最
ん:
「写 真 は あまり好きでな かったけ れ
初 にコン セ プトが あ る の は 分 かった 。次 に自 分 のど ん な 感 情 から 撮 影したくなる の か
ど、展 示 が良 かった。装 飾してある蔓 の
が分 かりづらかった 」。● 小 池 さん の 作 品 について 。姫 野さん:
「 展 示 に 入れ な かった写
留 め 方 が 良 か った 」。光 田 さ ん:
「山に
真 こそ 大 事 なも の 。自 分 の 中 で 整 理し 過 ぎ た 。整 理さ れ な いも の も大 事 に する べ き 」。
入って 蔓 を 採 ってくる な んて 、ファイト
小 林 さん:
「 ポ ートフォリオと 展 示 にギャップ が あり残 念 だった 。考え 過 ぎ だと 思う 。自
が あ る と こ ろ が 好 き 。プ レ ゼ ン テ ー
分 の 中 だ け で 完 結して い るが 見る人 に は 分 か ら な い 」。光 田さん:
「大事 なものは 捨て
ション の 言 葉 も 良 かった 」。鈴 木 さん:
な い方 が いい。ポートフォリオにあ る変 換 前と変 換 後を 並 べ て展 示することは、説 明 的
「 写 真 の 善 し 悪 し に 囚 わ れ ず に 、出 来
で は なく“ 対 比 ”な の で 良 い と 思う 」。鈴 木 さん:
「 言 葉 選 び が 良くな かった 。最 終 的 に
上 がった写 真 をすごく本人 が 見つ めて
ポ ートフォリオ の見せ 方 は 展 示 に 残 すべ きだった 」。● 熊 谷 さ ん の 作 品 に つ いて 。姫 野
いる。力のある人 だと思う」。
さん:
「 ポ ートフォリオ を 見 た 時 に 可 能 性 を 感じ た 。展 示 作 品で やろうとして い ること
は 分 か るが 手 応えを 感じにくかった 」。秋 山さん:
「 話 が 一 番 面白 かった 。自 分 の 過 去 や
見 たものとの 関 係 性 を構 築していくところに 立 脚しているが、何かやってくれそう。次
■審査員による投票
■ 出 品 者インタビュー
作 家一人一人に対する感 想を聞いた後で各審 査 員にグランプリ候 補を3 名ずつ選 んで
小山田 邦哉
もらった。結果は……
今 回 は 長 い 間 、自 分 の 作 品と向 か い合 う貴 重 な 機 会 に なりました 。プ レ ゼ ンテ ー ショ
ンではもう少し言いたい 事をストレートに言えばよかったと思います。今 後も自分のス
秋山/熊谷 齋藤 真鍋
タンスで作品を撮っていくでしょうが、もっと素直になりたいですね。
小林/熊谷 鬼頭 真鍋
鈴木/齋藤 鬼頭 真鍋
小池 裕 也
姫野/熊谷 齋藤 真鍋
展 示 の方法 が 課 題 です。誰 かに見せるということを 突き詰 めて考え、人 がどういうふう
光田/熊谷 齋藤 真鍋
に 見るかということを考えら れ な かったで す ね。そこをもっと考えて いきたいで す。人
に見せる“やさしさ”が足りな かったのかも。
票を集計すると、
真鍋5票/熊谷4票/齋藤4票/鬼頭2票
熊 谷勇 樹
グランプリという結 果は、自分一人ではできなかったので助けてくれたまわりの人 たちの
菅 沼 の 進 行で、5 票 の真 鍋さん、4 票 の熊 谷さん、
お かげ です。今 回 は他 のファイナリストの人 たちとグル ープ 展 が できてよかったと思い
齋 藤さん の 3 名に 絞って 議 論 することになった。ま
ます。一年後に向けて責任があるので、期 待に応えられるよう努力していきたいですね。
ず、熊谷さんについて。秋山さんが「1点1点の写真に
迫力があった。ポートフォリオの中に駄作が少なく、
齋藤圭芸
しっかりトレーニングしている」と言い、光田さんは
自分 の 中にあった課 題を克 服してファイナリストになれました。作 品づくりのプ ロセス
「淡々と撮るのではなく、エネルギッシュなところが
の中 で 何度も言 葉にする機 会 が あって、すごく勉強になりました。また今日いただ いた
魅 力 」と 推 す 。次 に 齋 藤 さん に つ いて 。姫 野 さん が
課 題をもとに、次の 作 品づくりを頑 張りたいと思います。
「わかりやすい 写 真ではないが奥に入って行きな が
ら、そこから先に行く強いエネルギーがある」と言え
鬼頭志帆
ば、鈴 木さんは「緻 密に計算されていそうで、ヌケて
このような 機 会 をい た だ い たことに 感 謝します 。審 査 の 過 程 で 作 品 を 見て い た だき 、
いる部分もある。写 真と 展 示 のバランス が良い」と
さらに真 剣な言 葉をいただけてありが たいです。他のファイナリストの人と一 緒に 展 示
褒める。最後に真 鍋さんについて。光田さんが「この
できたことは財産。写 真 家の方に2 票 支 持されたのは 励みになります。
人 は 迷 い が なく 、自 分 の 道 が 定 まって い る気 が す
る」と評 価し、秋山さんが「話を聞いてみて、ポンとヌ
真 鍋 奈央
ケている部分が見えた」と印象を述べた。
一 連 の 作 品づくりは すごく大 変 でした が、気 持 ちよかったで す。ポートフォリオに 始 ま
ここで、秋山さんから一年 後 の 個 展プランを聞きたいという提 案があり、一人1分ずつ
り、展 示、プレゼンテ ーションまで自分の やりたい 事 は出 来ました。これからも、もっと
個展プランを発表。3人のスピーチを聞いた後で、あらためて各審査員に1位票を挙げても
世界を写 真で表 現していきたいですね。
らうことになった。小 林さんが最後まで熟 考するも絞り込んだところで、進行の 菅沼さん
が挙手を求める。
「 まず、熊谷さんだと思う方」との声に、秋山さん、小 林さん、姫野さん、光
< 文中一 部 敬 称 略 取材・文 /田尻 英 二 >
田さんの4 名が 手を挙げ て過半 数を超えた。この瞬間、菅 沼さんが「グランプリは熊 谷さ
んに決定しました」と高らかに宣言。会場から盛大な拍手が起こり、公開審査が終了した。
■お問い合わせ先
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