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杉村 宗泰氏(国際連携担当)

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杉村 宗泰氏(国際連携担当)
PMI® Leadership Institute Meeting 2016 North America
PMI® Global Congress 2016 North America
派遣報告
PMI 日本支部 理事
杉村 宗泰
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はじめに
2016 年 9 月 22 日から 27 日にかけて、PMI® Leadership Institute Meeting (LIM) 2016
North America (NA)、及び PMI® Global Congress 2016 NA に参加して参りました。参加
にあたり、事前のセッション情報から、NA 地区でのプログラムマネジメント事例収集、コ
ミュニティー活性化、PMI®タレント・トライアングルの進捗をメインに情報を収集するこ
とを目的としました。

PMI® Leadership Institute Meeting 2016 North America

PMI®LIM では各地区のリーダーシップが集まり、その地区のコミュニティー運営、地
区メンバーの満足度向上のための施策についての情報交換、及び地区同士の今後の連携に
ついて、オフィシャル/アンオフィシャルにコミュニケーションが行われました。LIM の
中ではセッションも開催され、新しく地区のリーダーシップに参加された方向けに PMI®
が各コミュニティーに提供する TOOL やプロセスを説明が行われるセッションの他、各地
区での活動が報告されました。
セッションの中でも、PMI®ダラス地区が発表された、”Multi-Generational
Community”での成功事例は PMI 日本支部の今後の活動にとって、大変参考になる事例で
あると考えます。PMI®ダラスでは、Multi-Generational(多世代)所以の様々な問題に直面
していました。それは、プロジェクトマネジメントに対する考え方から、コミュニケーシ
ョンスタイル、振る舞い、意識に至るまでの違いであり、それらは非常に複雑に絡み合い
それらの複雑性および解決策について来るべき次の世代に向けて何ら活動が行われていま
せんでした。PMI®ダラスでは、この問題を解決するために、新たな戦略を立案し、
PMI®ダラスの中でこの戦略を推進・実行するコミュニティーを立ち上げることにより解
決に至る道筋を模索しています。その第一歩として、PMI®ダラスでは、このコミュニテ
ィーに関わるメンバーの人選について、多くの世代からメンバーとして加わって頂く工
夫、コミュニティーの中で問題解決にあたるためのルールの定義(コミュニティーの中で
も Multi-Generational 所以の問題が起こります)し、少しずつ成果が出てきているよう
です。
PMI 日本支部を取り巻く環境も、同じ問題に直面していると考えられます。具体的に
は、少子高齢化に伴うプロジェクト内での世代分布の偏り、経験豊富なシニア・プロジェ
クト・マネジャーの退職による知識・経験の不連続、そして、それらを解決するための具
体的な施策の不備は、日本でも大きな問題です。PMI®ダラスでの取り組みは、PMI®の
支部内での取り組みではありますが、PMI®ダラスのメンバーが各プロジェクトでリアル
に直面している問題の縮図であり、PMI®の支部活動として取り組む意義あるもののよう
に考えます。PMI 日本支部でも、ソーシャル PM の取り組みとしてこの問題の一部の解決
を目指していますが、今後は PMI 日本支部も Multi-Generational 問題には積極的に取り
組んでいく必要性を強く感じました。
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PMI® Global Congress 2016 North America
当初の計画通り、PMI® Global Congress 2016 North America では、プログラムマネ
ジメントと PMI®タレントトライアングに関連するセッションをメインに受講しました。
このテーマについていくつかキーとなるセッションがありましたが、それらのセッション
を通して、プログラムマネジメントの PMI®タレント・トライアングは密接に関係してお
り、PMI®の今後の方向性、またプロジェクトマネジメントの方向性がより明らかになっ
たと考えます。
ご承知の通り、PMI®タレントトライアングは、「テクニカル・プロジェクトマネジメン
ト」
、「リーダーシップ」
、「戦略とビジネス・マネジメント」の 3 つの柱で構成されていま
す。PMI® Global Congress 2016 North America のセッションでは、開かれるセッショ
ンが具体的にどの柱に属するかが明示され、参加者は自身の興味、また自身の CCR に基
づいてセッションを受講する流れとなります。一方、プログラムマネジメントは大規模な
プロジェクトをある管理単位で細分化したプロジェクトにし、それを束ねるマネジメント
を実施することが目的の 1 つです。(その他、長期にわたるプロジェクトを、ビジネスイ
ベント、マイルストーン毎にプロジェクトに分割する事例も示されまた)プロジェクトマ
ネジメントがフォーカスする主な結果責任は、品質、コスト、納期(QDC)であるのに対
し、プログラムマネジメントは、プログラムを通してユーザにもたらされる便益に結果責
任を負います。私が受講したセッションでは、異口同音に PMI®タレントトライアングは
これまでのプロジェクトマネジメントのスタイルでは、ユーザのニーズにこたえることは
出来ず、すべからくプロジェクト・マネジャーは PMI®が提唱する、PPPM/OPM や BA
へキャリアを発展させる必要性があると強調していました。PMI®タレントトライアング
が PMP®の CCR の要件として取り入れられた背景は、明らかに PMP から PgMP へのス
テップアップを意図したものであり、今後プロジェクト・マネジャーは顧客の便益を第一
にプロジェクト運営を行っていくべきであるという強いメッセージがセッション主催者か
ら発せられ、またそれは PMI®が推進する PPPM 以降の流れに合致するものであると感
じました。
PMI 日本支部でも、PgMP への取り組みを昨年から加速していますが、今後はますます
その重要性が高まることから、PMI 日本支部メンバー、また他の支部と協力しながら
PgMP への取り組みを強化させる必要があると考えます。
一方、PMI® Global Congress 2016 North America のセッションでプログラムマネジ
メントの重要性を唱えられていた方は、すべからくユーザ企業の代表者でした。北米で
は、プロジェクト・マネジャーやプログラム・マネジャーはユーザ企業からアサインされ
ることが通常であり、日本のようにベンダーから出されるパターンとは大きく前提が異な
る点については公平性の観点から本レポートに追記しておくべき情報と考えます。北米で
は、プログラムマネジメントはプログラムを通してユーザにもたらされる便益について責
任を負うため、ユーザ企業からプログラム・マネジャーがアサインされることは非常に自
然な流れのように感じます。一方日本では、そのような形でプログラム・マネジャーがア
サインされることは非常にまれで、多くの場合ユーザとベンダー間のコンフリクト・マネ
ジメントに多くの時間が割かれ、プログラムとして重要な便益の部分についてのマネジメ
ントが難しい側面があります。この点についても PMI 日本支部メンバーの協力を得なが
ら乗り越えて行かなくてはならない課題であると考えます。
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