...

前十字靭帯(ACL)再建術を受けられる患者様へ

by user

on
Category: Documents
15

views

Report

Comments

Transcript

前十字靭帯(ACL)再建術を受けられる患者様へ
前
前十
十字
字靭
靭帯
帯(
(AACCLL)
)再
再建
建術
術を
を受
受け
けら
られ
れる
る患
患者
者様
様へ
へ
(
(配
配布
布用
用パ
パン
ンフ
フレ
レッ
ット
ト)
)
県立奈良病院
整形外科
リハビリテーション部
1、入院中のリハビリの予定について
☆手術前日
手術前日に入院していただき、松葉杖の調整と歩行練習を行います。また手
術後には脚の筋肉が萎縮しますので、その程度を把握するために脚の周径を
測らせていただきます。大腿部を出せるような服装で来ていただくようお願
いします。
あわせて脚の筋力を測定します。
☆手術翌日(術後 2 日)~
松葉つえで歩くことができます。しかしまだ手術した足に体重をかけること
はできません。足を床から浮かした状態(免荷歩行)で歩いていただきます。
歩くことが不安な方は車いすを使用していただきます。
病室で CPM を使った他動運動を始めます。
☆術後 4 日あるいは 5 日~
手術翌週の月曜日からリハビリ室で運動を始めます。脚の拳上運動を行いま
すので、動きやすい服装で、またスポーツインナー等をつけてください。
またこの日から ACL 装具をつけていただきます。
☆術後2週~
片松葉つえ歩行になります。これまで両松葉つえを使っていましたが、手術
していない側に松葉つえをついて歩いていただきます。
☆術後3週~
フリー歩行になります。
2、手術後の安静について
手術後の活動制限期間は、大きく3つに分かれます。
活動性最大制限期 (手術後~術後2週間)
この期間は、手術の影響から回復する為の安静が最も必要な時期です。
ACL 装具は、リハビリでのトレーニング以外は外さないようにして下さい。入
浴時にもつけていただきます。
活動性制限期 (手術後2~8週間)
膝周囲の腫れや痛みは軽減してきますが、移植した腱の強度は最も低下して
いる危険な時期です。トレーニングの負荷強度と種類は増えてきますが、決
まった角度の範囲内で行っていただきます。
活動性回復期 (手術後8~16週間)
装具を付けた状態で、軽いジョギングなどが可能になってくる時期です。
痛みも和らぎ力も入りやすくなりますが、まだまだ無理は禁物です。
主治医による指示範囲内での活動量を留意して下さい。
3、 手術後してはいけない動作
下腿部が前方に引き出される動作や、膝を捻る動作は、絶対にしないで下さ
い。
・ 足を組む
・ 枕等の上に足を乗せる
・ 横座り、あぐら 等
足を組む
枕の上に下腿を乗せる
4、装具について
リハビリ開始時から ACL 装具をつけます。ただ膝の腫れが強い方は、治まっ
てから着用していただきます。
膝の動きを制限するために、装具の角度は屈曲 60 度
伸展-30 度に設定され
ています。退院後、主治医の指示により設定角度は変更していきます。
5、関節可動域訓練について
術後2日から病室で CPM を使ってヒザ関節を動かします。またリハビリ開始
日より徒手的に動かしますが、愛護的に行いますので心配はいりません。手
術後早期には移植腱の強度と固定力が弱いため、ゆっくりと動かさないと危
険です。決して自分で頑張って動かさないでください。
可動域は術後2週で 90 度、3週で 110 度、4週以降 120 度を目標にします。
6、リハビリトレーニングメニュー
リハビリ開始時よりのトレーニング
同時収縮
大腿前面の筋と後面の筋を
同時に力を入れます。
脚上げ
ヒザの筋を同時収縮したまま
足を上げ、5秒間保持した後に
ゆっくりと下します。
脚横上げ
横向きに寝た状態で脚を上げ、
5秒間保持しゆっくり下ろします。
脚後ろ上げ
うつ伏せの状態から脚を上げ、
5秒間保持しゆっくり下ろします。
脚閉じ
ゴムバンド利用し、内股に抵抗
を加えながら股を閉じます。
手術後1週間からのトレーニング
静止スケーティング
ハーフスクワット様の肢位
で、10秒間ずつ体重を左右に
移動させる。
2分間×3セット~
手術後2週間からのトレーニング
膝伸展運動
膝屈曲70~90°
°の範囲で
ゴムバンドで抵抗をかけ、
ゆっくり膝を伸ばして5秒間
保持します。
20回×3セット
膝屈曲運動
膝屈曲45°
°の位置から
ゴムバンド使用して
可能な限り膝を曲げ、
5秒間保持する。
10回×3セット
手術後3週間からのトレーニング
カーフレイズ
静止スケーティングの姿勢
で、踵をゆっくりと
上げ下げする。20回×3セット
踏み台昇降
高さ20~30cm の階段
や台を使い、患側下肢を
乗せ、膝の角度を変えず
に、ゆっくり昇降する。
10回×3セット~
バランスボード
静止スケーティングの姿勢
をバランスボード上で保持
する。
5分~
ローウォーク
体を少し前傾させ、
膝屈曲90°
°のままゆっくり
歩く。
2往復×3セット
立位外転
患側立位で、反対側の脚
をゆっくり開閉させる。
30回~
立位開排動作
患側立位で、膝を挙げた
反対側の脚を、体が開か
ない程度にゆっくり開閉さ
せる。
30回~
立位での脚振り動作
患側立位で、反対側の脚
をゆっくり前後に振る。
30回~
7、退院後のトレーニング
2ヶ月後
トレーニング
日常動作
術後
階段交互昇降
ハーフスクワット(屈曲 30。~90。)
速歩
ハーフフロントランジ
3ヶ月後
ジョギング(6~8km/h)
自転車
レッグカール(腹這い位)
(立ちこぎ)
水泳(クロール)
片脚スクワット
フロントランジ、サイドランジ
4ヶ月後
速いジョギング(7.5~10km/h)
ハーフスクワット(屈曲 0。~90。)
サイドステップ、クロスステップ
5ヶ月後
しゃがみ込み
ダッシュ(50%)、縄跳び
自転車 (制限なし)
両脚ジャンプ着地動作
8字走行
ラダー
6ヶ月後
正座
水泳(平泳ぎ)
カリオカステップ
※筋力測定
ダッシュ(100%)
片脚ジャンプ着地
ノルディックハムストリング
7ヶ月後
直線的な急激ストップ動作
本来の競技への参加(徐々に)
8ヶ月後~
※筋力測定
スポーツ復帰へ
上記項目はあくまで標準的経過によるものです。
筋力等、個人差がありますので、主治医とご相談の上、トレーニングを行なって下さい。
8,半月板縫合術
8,半月板縫合術も
半月板縫合術も併用した
併用した場合
した場合について
場合について
ACLのみ
リハビリ開始
ACL
手術後4~5日目
片松葉つえ歩行
2週間~
+
半月
両松葉杖歩行
リハビリ開始
免荷歩行
フリー歩行
3週間~
免荷歩行継続
静止スケーティング開始
4週間~
両松葉杖1/3荷重
5週間~
片松葉つえ歩行
6週間~
フリー歩行へ
全てのトレーニングメニュー可能
Fly UP