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売る商品を決める

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売る商品を決める
売る商品を決める
化粧品の安全衛生と品質表示
■■化粧品の安全確認
化粧品に配合する成分は、製造業者の責任の下に安全性を確認して使用するように薬事法で定められています。
化粧品は許可を受けた製造業者によって製造されることもあり、配合成分の安全性に関する問題の発生頻度はそれほど高く
ありません。
また、仮に問題点があったとしても、通信販売業者が管理できることは現実にはそう多くありません。
しかし、製造業者でなくても確認可能な内容については、しっかりと確認して安全性の確保に心掛けることが通信販売事業
者の責務です。
●配合が禁止されている成分
添加剤として使用する成分を除く医薬品成分の配合や第一種・第二種特定化学物質などを配合することは禁止されています。
●使用目的による配合の制限
化粧品基準には、化粧品の種類や使用目的によって配合が認められない成分や配合量が制限されている成分が定められてい
ます。
“粘膜以外に使用する化粧品を粘膜への使用を進める”
“洗い流すべき使用方法が正しく伝えられていない”など、化
粧品基準で配合が認められない用途に消費者を誤って誘導するような広告表現にならないよう留意しなければなりません。
化粧品の種類又は使用目的による配合禁止事例.pdf
●その他の安全確認事項
・本来医療機器として取り扱われる過酸化尿素等を歯の表面に塗布する「ブリーチング材」や、医薬部外品の頭髪用パーマ
ネント・ウェーブ用剤と同様の「まつ毛パーマ液」など本来の用途外への使用をうながす商品に該当しないか?
・ヘンナ(ヘナ)及びヘンナ由来物を含有する頭髪用化粧品類等や小麦由来成分を配合する医薬部外品及び化粧品の使用上
の注意事項 が正しく記載されているか?
化粧品類の注意表示事例.pdf
■■化粧品の基本的義務表示事項<一括表示(枠囲い表示)>についての確認
化粧品や薬用化粧品は、消費者が必要な最低限の事項を化粧品が直接入っているや箱(直接の容器又は直接の被包)に表示
することが薬事法によって定められています。(下表参照)
この内容が不適切な場合は、薬事法に基づく回収の対象となります。
販売商品を決めるときには、これらの表示内容が適正であるか、取引先から資料を入手するなどして確認する必要がありま
す。
化粧品の本体表示に関する主要な確認事項
化粧品
製造販売業者の氏名又は名称
製造販売業者の住所
種別名称
販売名
医薬部外品
(薬用化粧品)
「医薬部外品製造販売承認申請書」や「化粧品製造販売届書」の記載と
異なっていないか確認しましょう。
同上
販売名だけではで用途がわかりにくい化粧品は、種別名称を記載するよ
う公正競争規約で定めています。
「医薬部外品製造販売承認申請書」や「化粧品製造販売届書」の記載と
異なっていないか確認しましょう。
「医薬部外品」の文字
記載を確認
製造番号又は製造記号
記載を確認
重量、容量又は個数等
記載を確認
-
有効成分とその他の成分に分けて
成分の名称
配合量の多い順に全成分を表示す 配合量の多い順に全成分を記載す
るよう日本化粧品工業連合会の自 るよう法で定めています。
主基準で定めています
アスコルビン酸や酵素を含有する化粧品、及び3年以内に性状及び品質
使用の期限
が変化するおそれのある化粧品には、使用期限を表示しなければなりま
せん。
原産国
問い合わせ先
【参考資料】
・薬事法(抜粋).pdf
明らかに国産と分かる場合を除いて、原産国を表示するよう公正競争規
約で定めています。
公正競争規約で表示するよう定めています。
・化粧品公正競争規約 及び 施行規則(抜粋).pdf
・医薬部外品の成分表示に係る日本化粧品工業連合会の基本方針.pdf
・使用の期限を記載しなければならない医薬品等.pdf
・使用の期限を記載しなければならない化粧品.pdf
食品の安全衛生と品質表示
■■食品の安全確認
安全は、食品にとって最も優先されるべき事項です。食品衛生法では、細菌等微生物や有害金属・化学物質などの基準が定
められています。
食品衛生法で微生物の基準が定められている食品.pdf
食品衛生法で有害金属・化学物質の基準が定められている食品.pdf
食品衛生法で定められている容器包装材料の基準.pdf
食品衛生法で定められている不検出農薬リスト.pdf
これらの安全品質は製造業者の管理によって左右されるところが大きいとはいえ、通信販売業者も、販売商品を決定すると
きには、少なくとも法定基準を遵守するための管理が製造時に行われていることを製造業者に確認するほか、流通や保管時
の管理に留意して安全な食品を消費者に届けるよう努めなければなりません。
■■食品の表示についての確認
包装された生鮮食品や加工食品には、食品衛生法、JAS法、健康増進法等によって表示すべき内容が規定されています。
販売する商品を決めるときにこれらの表示が適正になされていることを確認することは、お客様に安心して商品を買って頂
くため、さらには、不適正な商品を販売することで自らの事業がコンプライアンス上のリスクにさらされないようにするた
めに、通信販売業者が行わなければならない最低限の業務です。
確認すべき表示内容は、“一括表示(枠囲い表示)”と呼ばれる基本的義務表示事項と、商品の優れた品質など優位性を表
示する事項に分けられます。
■基本的義務表示事項<一括表示(枠囲い表示)>
以下の一括表示(枠囲い表示)項目は、法に定める基準に従って順番を違えることなく表示しなければなりません。
①食品の名称
②原材料名(加工食品)
③内容量/固形量/内容総量
④消費期限又は賞味期限
⑤保存方法
⑥原産国(輸入加工食品)
、及び原産国・原産地(生鮮食品)
⑦製造業者等の氏名及び住所
①食品の名称
名称の表記については、食品衛生法、JAS 法の定めに従う必要があります。いずれも、その内容を適切に表す一般的な名称
で表記することを求めています。
具体的な注意事項は、以下の通りです。
●ブランド(商品名)(関サバ、越前ガニなど)
ブランド(商品名)は、JAS 法に基づく「名称」ではない。ブランド(商品名)の表示自体は差し支えないが、名称欄にはマ
サバ、ズワイガニといった“一般的な名称”の表記が必要になる。なお、名称に括弧を付けて商品名を併記する“マサバ(関
サバ)”といった表記は、内容に偽りが無ければ認められる。
なお、ブランド名については商標権についても確認してください。
●一般的名称を商品名にしている場合(例:“○○味ポテトチップ”)
一般的名称を商品名にしている場合には、名称の記載を省略できる。ただし、“○○ポテチ”といった商品名の場合、“ポ
テチ”は一般的名称と認められておらず、名称の省略はできない。
●個別の加工食品に係る品質表示基準が制定されている食品
個別の加工食品に係る品質表示基準が制定されている食品(加工食品品質表示基準別表 4)の名称は、対応する品質表示基
準に適合したもの以外表示してはならない。
●名称中に主要原材料名を冠する場合
主要原材料と一致しなければならない。
●名称に冠すべき主要な原材料を 2 種類以上混合している場合
1 種類の原材料名のみを冠することは認められない。
●新製品等で業界内にあっても、未だ名称が広く通用しない食品
社会通念的に内容がどんな食品であるかを判断できる名称を表記すること。
●珍味等のように魚介類加工品、菓子、つくだ煮その他広範囲の区分にまたがる食品
「珍味」のみでは食品の内容を適切に表さないので、認められない。この場合、「珍味たこくん製」等と必ず食品の具体的
な名称を表示すること。ただし、それらを複合したいわゆる「おつまみ」等、固有の名称もなく、食品の区分も不可能なも
のに限っては、
「珍味」の名称が認められる。
●
冷凍食品
名称のほか、冷凍食品である旨を表示する。
●食肉
食肉(鳥獣)の種類を記載する。内臓は、「牛心臓」
、「心臓(豚)」などと記載する。
●乳等省令に規定される乳や乳製品など
同令の区分に基づいて「種別名称」もしくは「名称又は商品名」を記載すること。
無脂乳固形分含有
殺菌の有無
分類
表示例
未殺菌
乳製品
種類別 乳酸菌飲料(乳製品)
殺菌
乳製品
種類別 殺菌乳酸菌飲料(乳製品)
無脂乳固形分 3.0%以上
未殺菌
無脂乳固形分 3.0%未満
殺菌
乳又は乳製品を主要原料とする
食品
清涼飲料水
名称
乳酸菌飲料
名称
清涼飲料水
【参考資料】
魚介類の名称のガイドライン(国産魚類).pdf
魚介類の名称のガイドライン(輸入魚類).pdf
②原材料名の表示
原材料名の記載方法は、加工食品品質表示基準に定められています。
原材料名表示内容の確認にあたって、主要な注意すべき事項は以下の通りです。
●原材料の名称と記載の順序
食品と食品添加物に分け、重量割合の多いものから最も一般的な名称で記載しなければなりません。(魚介類原材料の名称
については、国産魚類と輸入魚類に分けてガイドラインが定められています。
魚介類の名称のガイドライン(国産魚類).pdf
魚介類の名称のガイドライン(輸入魚類).pdf)
●原材料の原産地
原材料名記載に当たっては、「加工食品品質表示基準.pdf」に従って原材料の原産地を表示することができます。ただし、
加工度が低く原材料の品質に大きく左右されるものとして、「加工食品品質表示基準別表2.pdf」に掲げる加工食品は、原
材料に占める割合が 50%以上の「生鮮食品品質表示基準に規定する生鮮食品」の原産地を表示しなければなりません。
さらに、調理冷凍食品、かまぼこ類、はちみつ類、カット野菜・カットフルーツにあっては、「東京都消費生活条例.pdf」
に従って原料原産地等を表示しなければなりません。
●医薬品原材料に該当しないこと
部位によって医薬品原材料と食品原材料に分かれるもの(例:クコの実は食品だが根皮は医薬品)があります。
明らかに食品原材料に該当するもの以外は「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト.pdf」等で医薬品原材
料に該当しないことを確認しなければなりません。
●米トレーサビリティー法に基づく産地情報の記載
以下の食品には、米トレーサビリティー法に基づく産地情報の記載が必要です。
玄米、精米、米粉、米穀をひき割りしたもの、ミール、米粉調製品(もち粉調製品を含む)
、米菓生地、米こうじ等、
各種弁当、各種おにぎり、ライスバーガー、赤飯、おこわ、米飯を調理したもの、包装米飯、発芽玄米、
乾燥米飯類等の米飯類(いずれも、冷凍食品、レトルト食品及び缶詰類を含む。)もち、だんご、米菓、清酒、
単式蒸留しょうちゅう、みりん
●野菜調理冷凍食品、農産物漬物、うなぎ加工品、削り節の表示
野菜調理冷凍食品、農産物漬物、うなぎ加工品、削り節にあっては、上記の基準にかかわらず原料原産地表示が義務づけら
れており、個別の品質表示基準を確認してください。
【参考資料】
・加工食品品質表示基準改正(原料原産地表示等)に関するQ&A.pdf
・刺身盛り合わせの原料原産地等表示自主指針.pdf
・豆腐・納豆の原料大豆原産地表示に関するガイドライン.pdf
③内容量/固形量/内容総量
包装した生鮮食品、及び加工食品にあっては、内容量を内容重量、内容体積又は内容数量のいずれかの方法で表示しなけれ
ばなりません。表示単位、許容誤差など具体的な表示方法は、以下のように定められています。
●表示単位
グラム又はキログラムの単位で、内容体積はミリリットル又はリットルの単位で、内容数量は個数等の単位で、単位を明記
して記載する。
●表示値の許容誤差
計量法によって定められた方法で内容量の表示を行なう必要があります。
全国計量行政会議によるガイドライン.pdf がある。ただし、別途定めのあるものとして、以下のものが挙げられる。
・計量に関する政令第5条に定める特定商品.pdf
・内容物が固形物と充てん液に分離できる缶詰・瓶詰
内容量に代えて固形量と内容総量を表示する。(いずれもグラム又はキログラム単位)ただし、内容総量については、固形
量と内容総量がおおむね同一の場合又は充てん液を加える主たる目的が内容物を保護するためのものである場合は省略で
きる。
・水煮タケノコやコンニャクなど缶詰、瓶詰以外の容器に密封され、内容物が固形物と充てん液に分離できるもの
内容物に変えて固形量を表示することができる。
④消費期限、又は賞味期限
加工食品(表 1 に示すものを除く)と食肉、生かき、刺身用鮮魚介類(凍結させたものを除く)及び鶏卵には、消費期限(期
限を過ぎたら食べない方が良い)と賞味期限(おいしく食べることができる期限)のいずれかを年月日(3ヶ月を越える場
合は年月でも可)の順に表示しなければなりません。
【消費期限、又は賞味期限の概念図】
表示に当たっての注意事項は、以下の通りです。
①名称や原材料など一括表示の枠外に表示する場合は、単に「枠外に記載」や「別途記載」ではなく、記載箇所を明示する
こと。
②「.」で区切ることなく、年月日を連続して表示することは可能だが、その場合には、月又は日が1桁の場合は2桁目に
「0」を付して表記すること。(例:4月を示す「4」については、
「04」とする)
③「.」で区切ることなく、年月日などを連続して表示した消費期限、又は賞味期限に、さらにロット番号などを続けて記
載してはならない。
(誤った表示) 040421A62
(正しい表示) 平成 16 年 4 月 21 日 A62 もしくは、040421/A62 など明確に区切ること
消費期限、又は賞味期限の表示を省略できる加工食品
・でん粉
・チューインガム及び冷菓
・砂糖
・アイスクリーム類
・食塩及びうま味調味料飲料
・水及び清涼飲料水(ガラス瓶入りのもの(紙栓をつけたものを除く。)又はポリエチレン製容器入りのものに限る。)並
びに氷
⑤保存方法
開封前の保存方法は、商品の特性に従って、「直射日光を避け、常温で保存すること」、
「10℃以下で保存すること」等と記
載しなければなりません。
具体的な保存目安温度を示さず「冷蔵保存」とのみ表示することは不適切です。ただし、常温で保存すること以外の注意事
項がないものは、表示を省略できます。
なお、開封後の保存方法は、開封前の保存方法と離して、加工食品品質表示規定に定める一括表示の枠外に表示しなければ
なりません。
⑥原産国(輸入加工食品)、及び原産国・原産地(生鮮食品)
輸入加工食品は、最終的な製造国を原産国として表示しなければなりません。
最終的な製造とは、異種混合、加熱処理、調理、調味などの“実質的な変更をもたらす行為”を指し、カット、及び小分け
包装はこれに該当しません。
生鮮食品は、国産品、輸入品を問わず原産地の表示が求められます。
ただし、同じ種類の生鮮食品であって複数の原産地のものを混合した場合にあっては当該生鮮食品の製品に占める重量の割
合の多いものから順に記載し、異なる種類の生鮮食品であって複数の原産地のものを詰め合わせた場合にあっては当該生鮮
食品それぞれの名称に併記することになります。
【参考資料】
・生鮮食品の原産地表示方法.pdf
・加工食品に関する共通Q&A(第1集).pdf
・生鮮食品品質表示基準Q&A
・加工食品品質表示基準改正(原料原産地表示等)に関するQ&A.pdf
・畜産物の原産地表示に関するQ&A
⑦製造業者の氏名及び住所
JAS法では、製造業者等の氏名、及び住所の表示方法は、表示責任者である“製造者”、“加工者”、“輸入者”、もし
くはこれらの事業者との合意を得た“販売者”の名称と住所を表示しなければなりません。
一方、食品衛生法では、国産品の場合「製造者、又は加工者の氏名」、及び「“製造所、又は加工所”の所在地」、輸入品の
場合は、
「輸入業者の氏名」、及び「輸入業者の“営業所”所在地」と定めています。
JAS 法二十二条(食品衛生法の適用を排除しない)に従って、製造者の本社住所と製造所の所在地が異なる場合や“販売者”
が表示責任者となる場合は、食品衛生法の定義する製造業者の表示が必要になります。この場合、あらかじめ厚生労働大臣
に届けた製造所固有記号を併記する方法で表示することができます。
(例)
・製造者の住所(法人の場合本社住所)
、氏名+固有記号
・販売者の住所(法人の場合本社住所)
、氏名+固有記号
■JAS 法における個別品質表示基準
個別品質表示基準が定められている品目は、個別の基準に従ってください。
>>JAS 法における個別品質表示基準一覧
JAS 法における個別品質表示基準一覧
対象食品
ファイル名
玄米及び精米
水産物
個別品質表示基準-1.pdf
しいたけ
農産物缶詰及び農産物瓶詰
畜産物缶詰及び畜産物瓶詰
個別品質表示基準-2.pdf
調理食品缶詰及び調理食品瓶詰
個別品質表示基準-3.pdf
果実飲料
炭酸飲料
豆乳類
個別品質表示基準-4.pdf
にんじんジュース及びにんじんミックスジュース
ベーコン類
ハム類
個別品質表示基準-5.pdf
プレスハム
混合プレスハム
ソーセージ
個別品質表示基準-6.pdf
混合ソーセージ
チルドハンバーグステーキ
個別品質表示基準-7.pdf
チルドミートボール
魚肉ハム及び魚肉ソーセージ
乾めん類
個別品質表示基準-8.pdf
干しそば
即席めん
マカロニ類
凍り豆腐
個別品質表示基準-9.pdf
パン類
農産物漬物
トマト加工品
ジャム類
個別品質表示基準-10.pdf
干ししいたけ
うに加工品
うにあえもの
乾燥わかめ
個別品質表示基準-11.pdf
塩蔵わかめ
削りぶし
うなぎ加工品
ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料
食酢
個別品質表示基準-12.pdf
風味調味料
乾燥スープ
ウスターソース類
しょうゆ
みそ
個別品質表示基準-13.pdf
めん類等用つゆ
食用植物油脂
個別品質表示基準-14.pdf
マーガリン類
レトルトパウチ
個別品質表示基準-15.pdf
野菜冷凍食品
個別品質表示基準-16.pdf
調理冷凍食品
個別品質表示基準-17.pdf
■アレルギー原因物質
アレルギー体質の人は、食品によって重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性があります。食物アレルギーに関する情報
は、基準に従って正確に表示しなければなりません。
・アレルギー原因物質を含む旨の表示
えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生の 7 品目は「特定原材料」として指定され、これらの食品を含有する旨表示する
ことが義務づけられています。
さらに、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、ま
つたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンの 18 品目についても「特定原材料」に準ずるものとして、可能な限り表示す
ることが推奨されています。
表示対象食品の詳細、表示方法については下記に参考資料を示しました。
食物アレルギーは、人によっては微量でも重篤な症状が出ることがあるので、製造工程で起こる微量の混入が排除できない
場合に、欄外に注意表示を行う場合にも「同一ラインで○○を含む食品を製造しています」といった具体的な注意喚起表示
をしなければなりません。
通信販売事業者は、仕入れ先から原材料に関する資料を入手して適正な表示がなされていることを確認するとともに、製造
工程における混入の可能性についても詳しい情報の入手に努めることが求められます。
消費者等から製品に使用した原材料等についての問い合わせがあった場合は、適切に情報提供できるような体制の整備を行
うことが望まれます。
【参考資料】
・特定原材料等代替表記リスト.pdf
・特定原材料等の範囲(日本標準商品分類より).pdf
・アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
■商品の特長や品質を表示する場合
商品の品質に関する表示項目は義務表示ではありませんが、以下の事項を表示する場合は法に従って表示しなければなりま
せん。
・有機栽培食品
・特定保健用食品
・栄養機能食品
・栄養成分
・遺伝子組み換え原料に関する内容
□有機食品の表示
有機食品は、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本とした栽培管理方法を採用した農産物、及び、有
機農産物を飼料、原材料として生産された畜産物、加工食品で、登録認定機関の認定を受けた上で有機JASマークが貼付
されます。
有機食品を取り扱おうとする通信販売事業者は、認定証の内容から商品が正しく認定を受けたものであること確認する必要
があります。
輸入品の場合、登録認定機関(登録外国認定機関を含む)から認定を受けた外国の農家、製造業者が有機JASマークを貼
付するか、国内の登録認定機関から認定を受けた輸入業者が有機JASマークを貼付しなければなりません。
特に、後者の場合は、
「同等性要件」
(*)の満たされた国の政府機関等から発行された証明書の写しを添付することが前提
となっているため、慎重に確認する必要があります。
●有機食品の名称の表示
生鮮食品にあっては次の例のいずれかによることとされています。
・「有機農(畜)産物」
・「有機農(畜)産物○○」又は「○○(有機農(畜)産物)
」
・「有機栽培農産物」
・「有機栽培農産物○○」又は「○○(有機栽培農産物)」
・「有機栽培○○」又は「○○(有機栽培)」
・「有機○○」又は「○○(有機)
」
・「オーガニック○○」又は「○○(オーガニック)
」
(注)「○○」には、当該農(畜)産物の一般的な名称を記載すること。
●有機加工食品の名称の表示
名称欄に以下のいずれかにより記載する他、有機食品である原材料名に「有機」又は「オーガニック」の文字を付さなけれ
ばなりません。
・「有機○○」又は「○○(有機)
」
・「オーガニック○○」又は「○○(オーガニック)
」
(*)「同等性要件」とは
・「格付の制度とその適切な運用の担保措置」と「格付表示の信頼性確保を確保する制度」が存在し、その内容が JAS 制
度と同等の水準であること
・対象となる農林物資についての規格が日本農林規格と同等であること
平成19年8月現在、EU 15カ国、オーストラリア、アメリカ合衆国、アルゼンチン、ニュージーランド及びスイスが農
水省令で指定されています。
□特定保健用食品に関する表示
食品の機能性(身体の構造や機能に影響を及ぼす効果)は、原則として医薬品の効能効果に該当するものであり、特定保健
用食品と栄養機能食品に該当するものに限定的に認められた機能性を表示すること以外に広告等で表示することはできま
せん。(「医薬品的な印象を与える表示・表現 効能効果」を参照)
特定保健用食品の広告については、
(財)日本健康・栄養食品協会の定めた「特定保健用食品」適正広告自主基準.pdf があ
る。特に注意を要する点としては、以下の各項が挙げられます。
●広告文中で許可表示を使用する場合
許可書に記載された文言どおり正確に表示し、言い換えをする場合は、内容が誤認される恐れの無いよう留意すること。
(審
査申請書に添付した表示見本に記載されたコピーは、そのまま使用して差し支えない)
●表示許可内容以外の表示
□栄養機能食品に関する表示
栄養機能食品の表示に関する基準(栄養機能食品の表示に関する基準.pdf)に定める5種類のミネラル、及び 12 種類のビ
タミンについて、食品の一日当たりの摂取目安量に含まれる含有量が同基準に定める条件を満たすものは、同基準に定める
機能と注意事項を併せて“言い換えなしに”表示することで、栄養成分の機能を表示できます。
栄養機能食品の表示に当たっては、特定保健用食品のような承認は不要で、事業者の責任で表示が可能ですが、商品には以
下の各項を正しく表示する必要があります。
・栄養機能食品である旨(
「栄養機能食品(ビタミンA)」等栄養成分の名称をかっこ書きで付すこと)
・栄養成分の名称及び機能
・一日当たりの摂取目安量
・摂取の方法及び摂取する上での注意事項
・一日当たりの摂取目安量に含まれる機能の表示を行う栄養成分の量の栄養素等表示基準値(「日本人の食事摂取基準
(2005 年版)」の策定に伴う食品衛生法施行規則の一部改正等について」(平成 17 年 7 月 1 日付け食安発第 701006 号厚生労
働省医薬食品局食品安全部長通知)第 1 において示されている栄養素等表示基準値)に占める割合
・調理又は保存の方法に関し注意を必要とするものはその注意事項
・バランスの取れた食生活の普及啓発を図る文言として、「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」
の表示
・“本品は、特定保健用食品と異なり、厚生労働大臣による個別審査を受けたものでない”旨
栄養機能食品である旨表示をする場合は、エネルギーをはじめとする基本栄養成分の表示が必須となります。
栄養機能食品を取り扱うに当たって通信販売事業者は、当該栄養成分の含有量とその管理状況に関する取引先から資料を入
手し、表示内容が適正であることを確認しなければなりません。
□栄養成分に関する表示を行う方法
加工食品、及び鶏卵に栄養成分に関する表示をする場合は、栄養表示基準.pdf(厚生労働省告示第百七十六号)に従った表
示を行わなければなりません。
栄養表示基準の対象となる栄養成分は、タンパク質など基本栄養成分、ビタミン類、ミネラル類と熱量です。
栄養成分表示に関する具体的注意事項は、以下の通りです。
●必ず表示しなければならない項目
栄養成分の表示を行う場合、①熱量(又はエネルギー)、②たんぱく質、③脂質及び④炭水化物(食物繊維と糖質に分けて
表示も可)に⑤ナトリウムを加えた基本5項目は、必ず表示しなければならない。表示順もこの順番で表示することが求め
られており、含有量が0である項目も省略できない。
●表示値の単位
栄養成分の表示は、可食部分の 100g、100ml、1 包装、又は 1 食分(相当するg、ml、又は個数などを併記のこと)等、1
食品単位当たりの数量で表示し、「微量」などの言葉や「○○%」といった割合での表示は行わないこと。
●表示値の範囲
表示値は、下限値と上限値を表示するか一定値で表示すること。表示単位、一定値で表示した場合の許容誤差、及び 0 と表
示できる基準については、栄養表示基準に定められている。
栄養成分表示の許容範囲.pdf
●栄養表示基準に定める19栄養成分の表現
栄養表示基準に定める 19 栄養成分について「○○が豊富」
「○○を含む」といった強調表示を行う場合には、含有量が同基
準に定める値以上であること。
栄養成分の含有量が高い旨表示する基準.pdf
栄養成分を含む旨・強化された旨表示する基準.pdf
●栄養表示基準に定める6栄養成分
栄養表示基準に定める6栄養成分について「○○を含まない」
「○○の含有量が低い」といった強調表示を行う場合には、
含有量が同基準に定める値以下であること。
栄養成分を含まない旨表示する基準.pdf
栄養成分の含有量が低い旨・低減された旨表示する基準.pdf
●他の食品との比較表示
他の食品に比べて多く含有する場合は,
「含む」旨表示するための基準値以上、又少なく含有する旨表示する場合は、
「含有
量が低い」旨表示するための基準値以下の差がある場合に限る。これら相対表示をする場合は比較対象品名を明示し、数量、
又は割合を記載すること。
(例)低カロリータイプ (当社従来品○○比30%カット)
・・・この値にマイナス誤差は認められないので注意のこと。
□遺伝子組み換え原料に関する内容
遺伝子組換えを行った作物の内、我が国において安全性が確認されているのは、大豆、とうもろこし、じゃがいも、なたね、
綿実、てんさい、アルファルファ、パパイアの8作物です。
これらの食品、及びその加工食品には、以下の流通区分に応じた適切な表示を行わなければなりません。(遺伝子組換えの
表示をする必要がある食品.pdf)
ただし、組み換えられた DNA によって生じたタンパク質が混入する恐れの無い、醤油や食用油については、義務表示の対象
外となっているが、表示を行う場合は流通区分に応じて適切に行わなければなりません。
また、表示対象外の食品について遺伝子組換えでない旨の表示をすることは禁じられています。
●義務表示
・分別流通管理(IP ハンドリング)が行われている遺伝子組換え食品の場合
遺伝子組換えである旨が明瞭に分かる表示(
「遺伝子組換え」など)を名称(生鮮食品)、原材料名(加工食品)の後に括弧
書きで付すこと。ただし、原材料の重量に占める割合の高い原材料の上位4位以下、もしくは、原材料の重量に占める割合
が5%未満のものを除く
なお、高オレイン酸大豆、及びこれを原材料とするものは、「大豆(高オレイン酸遺伝子組換え)
」等の表示をすること。
・分別流通管理(IP ハンドリング)が行われていない食品の場合
遺伝子組換え不分別である旨が明瞭に分かる表示(「遺伝子組換え不分別」など)を名称(生鮮食品)
、原材料名(加工食品)
の後に括弧書きで付すこと。ただし、原材料の重量に占める割合の高い原材料の上位4位以下、もしくは、原材料の重量に
占める割合が5%未満のものを除く
●任意表示
・分別流通管理(IP ハンドリング)が行われている非遺伝子組換え食品の場合
遺伝子組換えでない旨が明瞭に分かる表示(
「遺伝子組換えでない」など)を名称(生鮮食品)、原材料名(加工食品)の後
に括弧書きで付すことができる。
いずれも、分別流通管理(IP ハンドリング)が行われているか否かが重要なポイントとなっており、通信販売事業者は、販
売商品決定に先立って分別流通管理(IP ハンドリング)を証明する書類を取引先から入手し、内容を確認することが望まれ
ます。
健康器具、美容器具の表示
身体に対する効果を訴求する商品である健康器具、美容器具は、疾病の治療や予防、身体の機能や構造に影響を及ぼす旨を
標榜しないように注意しなければなりません。
商品への表示を確認するとともに、広告を行う際の表現においても注意してください。
主な注意事項は以下の通りです。
●美容器具の効果は、化粧品の範囲内。
美容器具の効能効果は、“承認を要しない化粧品の効能効果”の範囲に限られます。ただし、これらの効果は、化粧水等に
よって肌(角質層)に水分を補給するなど、身体組織に本質的な変化を生じることなく発現するものに限られていますので
注意が必要です。
●EMSなどの効果は、筋肉の運動のみ。
EMSなど筋肉運動補助器具の目的は、筋肉の運動のみに限られます。コリをほぐす、筋肉の疲労回復、体型の改善などを
標榜すると医療機器に該当してしまいます。
●視力回復、聴力補助は不可。
視力回復(仮性近視を含む)や聴力障害者(老人性のものを含む)の聴力を補助する目的を持った商品は、医療機器に該当
します。
●姿勢矯正や体型改善機能は、一時的なものに限る。
矯正サポーターや補正下着の矯正・補正効果等は一時的なものに限ります。姿勢、体型の恒久的な改善や関節痛の緩和、血
行促進、体質改善、むくみの改善等効能効果を標榜するものは、医療機器に該当します。
日用雑貨(洗剤、消臭剤、ワックス類など)の品質表示
■家庭用品品質表示法
消費者が日常使用する家庭用品について、商品を購入する際に適切な情報が提供されるよう、品質に関し表示すべき事項や
表示の方法等について定めています。
日用雑貨の表示は雑貨工業品品質表示規程に定められた方法で行わなければなりません。
■洗浄剤の表示
洗浄剤などには、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律によって含有量が規制されている成分(塩酸や水酸化ナ
トリウムなど)を含むものがあるため、通信販売事業者は、含有成分に関する情報の確認を怠ってはなりません。
●有機溶剤等を含む場合
消防法の規制(例:第四類危険物)を受け商品本体へ表示等が必要になる可能性に加えて、倉庫等大量に集積する施設の規
制を受ける可能性もあるため、特に慎重な確認が必要です。
●エアゾール製品
高圧ガス保安法に基づき、容器に表示すべき事項が定められています。
■除菌、抗菌、防かび商品
医薬品、医薬部外品以外の商品は、
「殺菌」
「消毒」効能効果を標榜することはできません。
これに対し、
「除菌」
「抗菌」
「防かび」といった効能効果は、科学的に実証された根拠があれば表示することができます。
除菌剤等微生物に対する効果を標榜する商品は、対象物・用途、使用条件(使用方法と使用量)などを明示するとともに、
消費者の安全に配慮した使用上の注意を明記しなければなりません。
インフルエンザ等疾病の予防に有効であるとの印象を与える表現は認められません。
科学的な実証方法については、以下に示すJIS規格や公正競争規約、その他業界の自主基準等で定められています。
【参考資料】
抗菌、抗かび関連JIS規格
L 1902 繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果
R 1702 ファインセラミックス-光照射下での光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果
R 1705 ファインセラミックス-光照射下での光触媒抗かび加工製品の抗かび性試験方法
Z 2801 抗菌加工製品-抗菌性試験方法・抗菌効果
Z 2911 かび抵抗性試験方法
台所用/住宅用の洗剤について、「除菌」と表示できる基準
繊維製品の抗菌防臭加工、制菌加工等について
電化製品の安全と表示
■電気用品安全法、電波法(PSEマーク、技適マーク)
日本国内で販売する電化製品や無線を使用する製品は、それぞれ電気用品安全法、電波法の規制を受けます。
売ろうとする商品にPSEマーク(Product Safety Electrical Appliance & Materials)や技適マークが付されているか
どうかチェックしてください。
●PSEマーク
・特定電気用品
電気温水器、電熱式・電動式おもちゃ、電気ポンプ、電気マッサージ器、自動販売機、直流電源装置、など全116品目
上記マークに加えて、認定・承認検査機関のマーク、製造事業者等の名称(略称、登録商標を含む)、定格電圧、定格消費
電力等が表示される。
・特定電気用品以外の電気用品
電気こたつ、電気がま、電気冷蔵庫、電気歯ブラシ、電気かみそり、白熱電灯器具、電気スタンド、テレビジョン受信機
音響機器、リチウムイオン蓄電池、など全341品目
上記マークに加えて、製造事業者等の名称(略称、登録商標を含む)
、定格電圧、定格消費電力等が表示される。
●技適マーク
・無線機
特定小電力のトランシーバー、無線 LAN、コードレス電話、携帯電話、携帯電話中継装置(ホームレピーターを含む)、アマ
チュア無線、業務用トランシーバ、ラジコン玩具、ワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボードなど
知財に関して確認すべきこと
商品独自の名称やデザイン、製造方法などは、知的財産権として法により保護されています。
これらの権利を侵害した場合は、意図的に行ったかどうかにかかわらず、販売差し止めや賠償など大きな経営ダメージを受
ける恐れがあります。
つい見落としがちですが、販売商品を決める前に知的財産権に関する確認を行うことは決して怠ってはなりません。
取引先に対しても、これらの権利を確認するための資料を前もって準備しておくように要求しておくことが大切です。
>>解説・詳細「商品形態をめぐるリスク」
広告を行うにあたっての知財の侵害がないかどうかも確認してください。
>>売り方を決める「準備した広告の著作権等」
■商品名、マーク
先ず、それがメーカーのつけた名称であることを確認しましょう。
そうでない場合には、直ちに商標権の調査が必要です。
呼びやすい・インパクトがある・分かりやすいなど良い名称であればあるほど、そして、商品の性質そのものを表していな
い名称の場合には、既に他人によって使用されていると想定して慎重に権利関係をチェックする必要があります。
他人の権利を無視して使用し続けると、或いは、調査をせずに使用していた場合でも、商標権侵害に問われて商品名の使用
停止と、損害賠償請求の対象になります。
商品名がたとえメーカーがつけたものであっても、念のために権利処理の状況を確認する裏付け資料を請求しておくと良い
でしょう。
商標権については、商標法で規定されています。詳しくは、以下を参照して下さい。
特許庁「知っておこう商標の基本」
特許庁「商標制度の概要」
■デザイン
ファッション商品を初め家具なども従来は「類似商品が出てナンボ」の世界でしたが、最近はデザインに関する創作性への
評価とともに権利意識が高くなってきており、意匠権侵害となると販売停止は勿論、在庫商品の破棄や損害賠償請求の対象
となります。
「どこかで見たことあるな」と感じたら、直ちに専門の弁理士に依頼して、意匠権調査をすることをお勧めします。
意匠権については、意匠法で規定されています。詳しくは、以下を参照して下さい。
特許庁「意匠の登録制度の概要」
■製造方法など
特許権の問題になります。
最近は、先に述べたデザインと同時に製造方法に関しても権利化するケースが増えております。
意匠権と併せて、特許権の有無の調査を行うことをお勧めします。
さらに、取引先から特許申請中或いは国際特許取得などの解説付きで商品が持ち込まれることがあるようですが、必ず申請
書類(特に、審査請求)や各国における権利化を証する書類などの添付を要求して、事実関係を確認するようにしましょう。
確認を怠ったまま広告表示を行ってしまい、万が一事実誤認があった場合には、虚偽表示となり処罰の対象となります。
特許権については、特許法で規定されています。詳しくは、以下を参照して下さい。
特許庁「特許・実用新案とは」
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