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犬の病気 耳の病気:外耳炎
犬の病気 耳の病気:外耳炎、中耳炎 外耳炎 耳の入口から内側にある鼓膜までの炎症で、原因は、耳垢に細菌や真菌が異常繁殖し、感染が起こるもの、その他、異 物、耳疥癬(ダニ)の感染、アレルギー性などある。 症状としては、頭を振ったり、後肢で耳を引っ掻いたり、首を傾けたり、痛みのために家族に対して攻撃的になることもあ り、耳垢が多くなり、悪臭を伴う。 内耳炎 外耳炎からの感染の波及や鼻咽頭からの感染も起こることもある。感染は難治性である。症状としては、痛みがあるた め、元気消失や首付近を触られることを嫌がったり、頭を傾ける。また、炎症が神経にまで及ぶと運動失調、顔面神経麻 痺などを引き起こすこともある。 目の病気:白内障、角膜潰瘍 白内障 原因としては、先天性のものと後天性のものがあり、後天性の白内障では老齢性、糖尿病性など、また遺伝によって5 歳未満にみられる若年性のものなどもあ る。症状としては、眼球の中のレンズ(水晶体)の一部または全部が白濁し、程 度が進行すればするほど白く濁り、物にぶつかったり、行動範囲が制限される視 力障害が発現してくる。 角膜潰瘍 原因として、涙膜の異常や擦過、感染、外傷などで、症状は流涙、羞明(眩しがるような仕草)、眼ヤニ、結膜充血などに なり、角膜内に血管や炎症細胞が入り、角膜の透明性が失われ視覚を妨げる。 口腔の病気:歯周病 歯周病 症状は、歯の表面に歯垢・歯石が付き歯肉が赤く腫れ出血しやすく、口臭が強くなり、歯がぐらつき抜け落ちる。 循環器の病気:僧帽弁閉鎖不全症、犬糸状虫症 僧帽弁閉鎖不全症 マルチーズ、シー・ズー、ポメラニアン等の小型犬種およびキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに多発する。 左心房と左心室の間にある僧帽弁が変性 して起こる弁膜疾患で、症状としては初期には心雑音のみで臨床兆候を示さ ないが、進行するにつれ、心拡大に伴って咳や運動不耐性がみられ、更には肺のうっ 血および肺水腫を引き起こし、呼 吸困難となり、死の転帰を取る。一般的には慢性経過を辿るが、時には急激な症状の進行から突然死することもある。 犬糸状虫症(犬フィラリア症) 犬糸状虫は蚊によって媒介され、肺動脈内に寄生することにより肺高血圧を伴う右心不全を引き起こし、咳、浮腫、腹水 の貯留など極めて深刻な症状を発現させ る。この病気の最も重要なことは予防であり、予防薬を定期的に適切に投与 することにより完全な予防ができる。フィラリア感染犬に予防薬を投与すると重篤な 副作用を引き起こすので投与前に は必ずフィラリア感染の有無の検査を受ける必要がある。 呼吸器の病気:気管虚脱 気管虚脱 小型犬種に多くみられる。気管を輪状に保つ気管軟骨が、その形状を保てなくなり扁平となり、ガーガーというアヒルの 鳴き声のような咳が特徴である。特に激 しく吠えたり、運動や興奮した後に症状が悪化する。 症状が進むと呼吸困難、運動不耐性となり、この状態が長く続くと、失神して倒れることがある。 消化器の病気:胃拡張‐捻転症候群、膵炎 胃拡張‐捻転症候群 大型犬や胸腔の深い犬種に多くみら、食後に突然発症し、胃がねじれることから腹部が膨満し、ショック症状を起こす。 そのまま治療せずにいると数時間で死亡する。 膵炎 急性、慢性に分類される。壮齢から老齢期、ミニチュア・シュナウザーやヨークシャ・テリアに多く、高脂肪食や食べ慣れ ていない食事、肥満などは膵炎の危険 因子となる。症状は、食欲廃絶、嘔吐、下痢、発熱、腹部圧痛などがみられ、重 度のものでは致死率が高く合併症を併発する。 泌尿器の病気:腎不全、膀胱炎 腎不全 経過によって、急性と慢性に分けられ、急性腎不全は、食欲廃絶、嘔吐、乏尿などを伴い、尿毒症、高カリウム血症など 急激に症状が現れ数時間から数日のうち に悪化し死亡する危険が高いため迅速な治療を必要とする。 それに対し、慢性腎不全は、数年以上にわたる経過で次第に腎機能が低下し、多飲多尿、体重減少、 嘔吐、貧血など 様々な症状が現れ、痙攣などの神経症状を示すものもある。急性では、低下した腎機能が回復する可能性はあるが、慢 性では、低下した腎機能の 回復は望めないため、早期発見し、早期治療を開始することが重要である。 膀胱炎 症状として、少量頻回尿や排尿困難、尿が白濁する膿尿や出血を伴えば血尿となる。膀胱の痛みのために食欲不振、 元気消失することもある。主に尿路細菌感染が多く、治療としては、適切な抗生剤を適切な用量で、充分な期間投与す ることで良くなることが多い。 生殖器の病気:前立腺肥大、潜在精巣、子宮蓄膿症 前立腺肥大症 一般に去勢手術をしていない5 歳以上にみられ、骨盤腔内で前立腺が肥大することによって、直腸が圧迫され、症状と して排便障害や尿のしぶり、血尿がみられる。 潜在精巣(陰睾) 精巣が陰嚢内に降りず体内に停留する。精巣は体内の高温条件下にあると、精巣腫瘍の危険率が高くなるためできる だけ早期に両側の精巣を摘出する必要がある。 子宮蓄膿症 5歳を過ぎる頃から多くみられ、特に発情期終了後60 日以内の特に未経産での発症が多い。症状として、食欲および 元気の低下、多飲多尿、腹部膨満、陰部からの排膿などがみられ、治療が遅れると多臓器不全となり死に至る。診断し たら可能な限り早期に摘出手術を行う。 皮膚の病気:膿皮症、アトピー性皮膚炎 膿皮症 表在性のものと深在性のものがあり、表在性のものでは、初期に毛包を中心に皮膚の中で細菌が増殖し炎症を起こす。 原因菌は、本来病原性の強いものではな く、生体側の皮膚バリア機能の低下などの条件で感染が成立する。 症状として、丘疹や膿疱で、広がると円形に脱毛し周囲に炎症が残る。治療は、抗生剤を投与 するが、症状が改善した からといって、抗生剤を短期間で止めてしまうと、再発や薬剤耐性菌を生む原因となるので、構成剤治療の用量、用法、 期間は厳守が必 要となる。 アトピー性皮膚炎 アレルギーの一つで、ある物質に対して体が過剰に反応してしまうことにより、いろいろな症状が出る。 遺伝的要因が関与するとされており、更にいろいろな要因が重なって発症するため大変複雑な病気であり、完治するこ とはなく、うまく病気と付き合っていく形となる。