Comments
Description
Transcript
動物医のアドバイスダイアリー - 松波動物病院メディカルセンター
皮膚の状態までは普段あま 被われており、毛で隠れた 犬や猫はたくさんの毛で 毛は1本~数本ですが、犬 す。人の毛穴から出ている 富な被毛に覆われていま 皮膚が薄い分、犬猫は豊 猫の毛穴からは多いと数十 り目がいかないものだと思 います。犬猫の皮膚は人と また、人の皮膚のpHは 本以上の毛が伸び出してい 弱 酸 性 な の に 対 し て、 犬 比 べ て 半 分 以 下 の 厚 さ で、 をご存じですか? 強くこ や猫は弱アルカリ性の皮膚 ます。 するなど、物理的な刺激に とても薄くデリケートなの は非常に弱いのです。 を持っています。犬猫 用シャンプーは、犬猫 の皮膚のpHに合わせ てつくられているので す。 犬猫が人と同じよう に汗をかくのはイメー ジしにくいのではない でしょうか? 実は犬 猫も汗をかきます。た だ、 汗 の 質 が 人 と は 違っていて、毛穴から とてもデリケートな犬猫 ピー性皮膚炎、膿皮症、疥 アレルギー性皮膚炎、アト 下のようなものがありま の皮膚ですが、たくさんの べたつきのある汗がジワジ 毛 で 保 護 さ れ て い る た め、 癬 ヒ ( ゼンダニ な ) どです。 もちろんこのような皮膚疾 す。食物アレルギー、ノミ ある程度の健康は保たれて 患がある場合は、獣医師の ワと出ています。 います。けれども、何もケ 指示に従ってケアを行って 自宅でスキンケアを行う アをせずほったらかしにし 起こってもおかしくありま ことも大切です。定期的な ください。 せん。まず直接目でみて手 シャンプーや日々のブラッ ていたら、いつトラブルが で触れて、皮膚に異常がな シングを行うこと、スキン ケア向けのフードに切り替 いか確かめましょう。 皮膚に関するトラブルは みを伴う皮膚トラブルに も原因もさまざまです。痒 環境を快適に管理してあげ を保ち、愛犬愛猫が過ごす また、適度な温度と湿度 えるのも有効です。 は、アレルギー性のものや の頻度やフードなどで迷っ 犬 猫 に 多 い 病 気 で、 症 状 細 菌、 真 菌 カ (ビ な ) どが 原因のものが多くみられま た時には、私たち看護師や 獣医師にご相談ください。 ましょう。もしシャンプー す。 代表的なものとして、以 2015.11 77 桜庭麻佑 動物看護師 松波動物病院分院 ベッツアニマルクリニック瀬戸 愛するペットのために…Vol.384 動物医のアドバイスダイアリー 【デリケートな犬猫の皮膚】