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神経科精神科(心身医学科含む)

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神経科精神科(心身医学科含む)
神経科精神科(心身医学科含む)
科長のメッセージ
「自分やご家族が重い病気になった時、どんな医療者に出会いたいでしょうか?」卒後研修を通
じて、あなたらしい答えを見出すために、患者さんやご家族のこころに配慮できる医療者となる
努力を、わたしたちは支援します。
科長
川㟢 康弘
教授
(かわさき やすひろ)
◦専門分野
神経精神医学、認知神経科学、精神腫瘍学
◦得意な分野
統合失調症の病態研究と臨床応用、精神疾患の早期介入、コンサ
ルテーション・リエゾン精神医療
◦職歴
金沢大学医員(1990)、金沢大学助手(1992)、ドイツ連邦共和国デユッセル
ドルフ大学客員研究員(1995)、福井県立精神病院(現 福井県立病院神経精
神センター)医長(1998)、富山医科薬科大学(現富山大学)講師(2000)、
英国ロンドン大学精神医学研究所客員研究員(2000)、富山大学診療准教授
(2007)、富山大学診療教授(2009)、金沢医科大学精神神経科学教授(2010)
◦主な所属学会
日本精神神経学会、日本生物学的精神医学会、日本臨床神経生理学会、
日本神経心理学会、日本サイコオンコロジー学会、日本緩和医療学会
◦専門医資格等
精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本臨床神
経生理学会専門医、緩和ケア研修会における精神腫瘍学講師
◦研究課題
精神疾患の客観的診断や治療反応予測のための生物学的指標の開発。
精神病の発症予防や早期治療に関する生物・心理・社会的エビデンスの確立。
コンサルテーション・リエゾン精神医療に関する生物・心理・社会的研究。
◦研究の概要
画像診断や分子生物学など脳科学の最新技術を用い、情動や気分の変化、社会性や
共感性など、従来は科学的な測定対象とみなされなかった「こころの働き」を客観
的に評価する。この技術をもちいて精神疾患のみならず、がん患者や青少年の「こ
ころの問題」にも取り組み、心理・社会的側面と生物学的側面の統合をめざしている。
概要
神経科精神科および心身医学科では、あらゆる精神医学的対応をこなせる臨床精神科医を育成するとと
もに、自身の専門性を生かして後進を育成できるような指導的人材を輩出することを使命としています。
これからの精神科医は、器質性・機能性精神疾患を脳科学や人間科学の視点から捉え、客観性を持った科
学的診断・治療を実践すること、身体疾患に伴う精神医学的状態への対応、精神科救急や司法精神医学な
ど、医療機関における脳とこころの専門家としてのニーズが高まっています。医療の将来像として社会か
ら望まれている、従来の生物モデルにとどまらない生物・心理・社会モデルによる全人的医療の実践や、
多職種協働によるチーム医療を基本とした患者中心の問題解決型医療を推進することも、高度なコミュニ
ケーション技術を習得した精神科医が率先しておこなうべき役割であると考えます。
特徴・特色
精神疾患患者の外来・入院のチーム医療にメンバーとして参加し、チーム医療に必要な行動力や臨床能
力の醸成をおこないます。また、コンサルテーション・リエゾン精神医療を通じて身体疾患に伴う精神医
学的状態への対応を経験し、患者や家族のこころに配慮する医療についての理解を深めます。診療場面に
合わせて必要となる精神医学的知識・技術の習得を基本に、脳とこころの深遠にも触れられる専門医研修
もおこなえます。
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指導担当医
上原 隆 (うえはらたかし)
渡辺 健一郎 (わたなべけんいちろう)
新田 佑輔 (にったゆうすけ)
◦専門分野
精神薬理学
◦学会活動
精神保健指定医、
日本精神神経学会精神科専門医指導医
◦得意な分野
神経精神薬理学
◦専門分野
神経心理学
◦学会活動
日本老年精神医学会専門医、精神保健指定医、
日本精神神経学会精神科専門医指導医
◦得意な分野
神経心理学
◦専門分野
精神神経科学一般
◦学会活動
精神保健指定医
◦得意な分野
精神神経科学一般
准教授
嶋田 貴充
助教
(しまだたかみつ)
◦専門分野
精神神経科学一般
◦学会活動
精神保健指定医、認定産業医
◦得意な分野
脳画像診断学
講師
助教
木原 弘晶 (きはらひろあき)
北本 福美 (きたもとふくみ)
◦専門分野
精神神経科学一般
◦学会活動
精神保健指定医
◦得意な分野
脳画像診断学
◦専門分野
臨床心理学
◦学会活動
臨床心理士、芸術療法士
◦得意な分野
臨床心理学、芸術療法(音楽、箱庭など)
助教
講師
橋本 玲子 (はしもとれいこ)
助教
◦専門分野
臨床心理学
◦学会活動
臨床心理士
◦得意な分野
臨床心理学、集団精神療法
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2.主な精神障害
プログラムの目的
⑴多様な疾患についての経験を積む(器質性精神障害、統合
失調症、気分障害、不安障害、身体表現性障害、解離性障
神経精神科領域の患者の神経・精神症候を的確に捉え、患
害、睡眠障害、適応障害、人格障害、てんかん、その他の
者の生活状況や環境なども詳細に聴取したうえで、適切な治
神経疾患などの診断と治療の修得)
。
療ができるようになることを臨床目標とする。
当科の特色、特徴としては、臨床・研究ともに神経精神科
全般にわたって行っており、医局はアットホームで、宴会な
どの行事も盛んである。
⑵多様な患者についての経験を積む(小児、青年、成人、老
人にわたる患者の診断と治療の修得)
。
⑶薬物依存(アルコールを含む)
、薬物乱用の診断と治療を
修得する。
⑷軽度発達障害(自閉症、ADHDなど)、精神遅滞の患者の
期間割(後期臨床研修開始後)
診断と治療を修得する。
⑸外来治療と入院治療(閉鎖病棟・開放病棟での治療、作業
第1年次〜第3年次
毎週
(火)の午前:病棟入院・退院患者の動向についてミー
ティング、病棟回診。チーム医療による多職種参加のカンファ
療法などを含む)の経験を積む。
⑹内科や外科など他科へのリエゾン精神医学と精神医学的コ
ンサルテーションの基本を修得する。
レンス。
午後:抄読と症例検討会、および不定期な臨時クルズス。
3.治療のための知識と技能
⑴精神薬理学的薬物療法(精神薬理学的知識と向精神薬の使
研修内容と到達目標
い方)
。
⑵個人精神療法。
以下のことを3年で習得してもらう。
⑶身体療法(電気けいれん療法を含む)
。
第1年次
⑷危機介入と精神科救急医療。
神経科精神科臨床一般。
⑸入院の要否。
⑹自殺の可能性の判断。
第2年次
⑺集団精神療法。
神経科精神科臨床一般。
⑻看護師、保健師、精神科ソーシャルワーカー(精神保健福
祉士)、臨床心理士、精神科作業療法士、薬剤師などのコ
第3年次
専門治療体制の経験。
メディカルスタッフとのチーム医療を修得する。
リハビリテーション(社会復帰活動)、地域精神医療につ
いての知識と実際を修得する。
到達目標:
1.神経科精神科診断のために必要な技能と知識
⑴精神医学的面接の技能。
⑵精神的現在症の把握。
⑶身体的・神経学的診察。
⑷心理・社会的問題点を整理する。
⑸鑑別診断を系統だてて考え診断計画をたてる。
⑹DSM-Ⅳ、ICD-10などの診断分類を整理し述べること
ができる。
⑺補助検査法(脳波、CT、MRI、SPECTなど)を習得する。
⑻精神測定(知能検査、性格検査など)をオーダーし結果を
理解する。
音楽療法の場面
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c )
5年以上の臨床経験があり、うち3年以上の精神科
プログラム修了後のコース
臨床経験を有するもの
大学院進学と研究内容、概要、学位取得後
の道すじ
大学院(博士課程)入学または精神保健指定医、精神科専門
医を目指す。
取得できる認定医、専門医(必要な期間)
資格と、その取得にかかわる概要
1 )大学院進学:
大学院(医学博士号)
:金沢医科大学大学院 内科系 精神
神経科学専攻
1 ) 精神保健指定医:当大学は認定施設である。資格取得は
最短は入局1年目よりその後はいつでも大学院受験(入学)
は可能
5年(研修期間を含む)。
2 ) 日本精神神経学会精神科専門医:当大学は研修施設であ
*すなわち、最短では研修(スーパーローテート)2年目
の3月に大学院を受験できる
る。資格取得は学会入会後5年(研修期間は含まず)
。
※1 )、2 )いずれも詳細は以下を参照
4年間で大学院は修了し、医学博士号の取得を目指す
3 ) 日本心身医学会認定医:当大学は研修指定病院である。
資格取得は研修診療施設で3年の研修、学会入会歴5年
2 )研究内容および概要:
以上、心身医学に関する学会発表3回以上などの後、認
1.脳画像診断学研究( SPECTを用いた抗精神病薬の作用
定医試験を受ける(試験問題は公表されている)
4 ) 日本老年精神医学会専門医:当大学は研修指定病院であ
機序、f-MRIを用いた記憶のメカニズムに関する研究)
2.神経精神薬理に関する動物実験研究
る。資格取得は研修診療施設で3年の研修、学会入会歴
3.近赤外線法( NIRS )による脳機能の研究
5年以上、臨床経験7年以上で認定医試験を受ける
4.てんかんの臨床研究
※1 )2 )4 )について必要な症例が揃わなければ関連病院への出向
5.老年精神病の研究
を通じて揃えることも可能
6.神経心理学研究(統合失調症の神経心理学的異常、失語、
失行、失認、記憶障害など)
7.心理学研究(自律訓練法、音楽療法、認知行動療法、遊
1 )精神保健指定医:厚生労働省
戯療法、精神測定法など)
指定を受ける要件とは
8.分子精神医学(統合失調症と遺伝子多型との関連など)
①臨床医として実務経験5年以上
②精神科臨床医として実務経験3年以上
③厚生労働大臣が定める精神障害につき、厚生労働大臣が
定める程度の診断又は医療に従事した経験を有すること
統合失調症圏
措置入院又は
医療保護入院
中毒性精神障害
(統合失調症圏
は3例 の 内1例
児童・思春期精神障害
症状性又は器質性精神障害 は 措 置 入 院 で
あること)
老年期認知症
3 )学位取得後:
大学助教となり、その後は関連病院への出向もある。
3例以上のレポート
躁うつ病圏
他科研修、他教室での研究、留学の可能性
1例以上のレポート
いずれもその都度相談し、医局としてはできる限り可能な
ものは認める。
④厚生労働省令で定めた研修過程を終了していること
指定前研修
18時間
指定後研修( 5年ごと)
7時間
2 )精神科専門医:日本精神神経学会
①精神科専門医制度は平成17年度より開始
②精神科専門医認定試験 受験資格
a ) 本国の医師免許証を有するもの
b ) 精神科専門医認定試験申請時に学会員であるもの
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活躍する先輩達
大久保 裕章(おおくぼひろあき)
大嶋 一彰(おおしまかずあき)
◦代表所属学会
日本精神神経学会
◦得意な分野
気分障害
◦コメント
臨床、研究、教育いずれの夢も捨
て難く、全てが揃った本学医局に
入局しました。個性豊かな先輩後
輩に囲まれ楽しく日々を過ごして
います。
◦代表所属学会
日本精神神経学会
◦得意な分野
脳画像診断学
◦コメント
一人一人の患者さんのおかれた環
境や要望を重視して最善の治療を
提供できるように心がけていま
す。明るい医局ですのでどうぞ気
軽に声をかけてください。
康山 俊樹(やすやまとしき)
澤井 和幸(さわいかずゆき)
◦代表所属学会
日本精神神経学会
◦得意な分野
脳機能画像診断学
◦コメント
頼りになる先輩に囲まれ、臨床・
研究共に充実した毎日を送ってお
ります。
◦代表所属学会
日本精神神経学会
◦得意な分野
精神療法
◦コメント
日々、臨床に励んでおります。大
変な事もありますが、自分の時間
を有効に使えるところが非常に魅
力です。
医員大学院生
医員大学院生
医員大学院生
医員
週間スケジュール
午 前
月
火
予診および初診筆記係、外来処方
週間・多職種ミーティング
病棟回診
午 後
担当入院患者診察
医局会
水
予診および初診筆記係、外来処方
担当入院患者診察
木
予診および初診筆記係、外来処方
担当入院患者診察
金
予診および初診筆記係、外来処方
担当入院患者診察
土
予診および初診筆記係、外来処方
担当入院患者診察
週1回の頻度で大学当直
※上記は基本スケジュールであり、外勤(院外出張勤務、いわゆるパート)のところは、各自、決まり次第上記より除く。
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