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成果論文
放 射 電磁 雑 音低 減 のため の 高速ディジタル 回路 の 高 周 波 モデル 化と EMC実 装 設 計 法 和田 修己 岡 山大学工学部 Wada@Cnc Okttama‐ u.acJp 郎 Mlodeling ofHigh‐ Speed Digital Circuits and EWIC Design for Reduction ofRadiated Electromagneticoise lゞ Osarni Wada Facultt OfEnginccring,Okayama Universi呼 Abstract: Modcling and silnulatlon of digital printcd circuit boards arc rcquircd to rcallzc intcractive design of EMC compliant equipmcnt.In this papcL some reccnt results on EMC dcsign of printed circuit boards arc reported. A multi-layer printcd circuit board is analyically modclcd as a planar cavitt and thC resonそ mce characteristics arc simulatcd with an tt po、ver currcnt modcl of a digital IC. The tt po、 ver current model that has bccn proposed by thc author's rescarch group is composcd of linear cquivalcnt circuits and internal currcnt source to silnulatc unintentional tt noisc and radiatcd crnisslon from a N4tl sirnulation、 vith thc rnodcling is dcmonstratcd. printcd circuit board.Finally]ヨ 1 . は じめ に る経 験 的手 法 と事 後 の対 策 が 主流 で あ つ た 。 これ は ,そ もそ もデ ィ ジ タル 回路 や 従 来 , デ ィ ジ タル 回路 の設 計 は論 理 回 路 設 計 の 延 長 と して 行 われ て きた が , 近 IC/LSIが 高周 波 回路 として は設 計 され て ロ の の い い なか っ た こ とに起 因す る 。 そ の た め不 年 ク ック周 波数 高速 化 に伴 , も はや そ の 高周 波 回路 と して の 振 舞 い を無 要 電 磁 波 放 射 の 原 因 の理 解 が 進 ま ず , EMC設 計 がで き る理論 的 な基盤 が構 築 さ 視 す る こ とはで きな くな った。す なわ ち, デ ィ ジ タル 論 理 として の 0 / 1 の み で な く れ な か った 。結 果 と して ,せ いぜ い 基 板 信 号 の 伝 搬 遅 延 は も とよ り, 立 ち上 が り グ ラ ン ドの 強化 や デ カ ップ リ ン グ コ ンデ ンサ ・EMIフ ィル タ の使 用 に頼 らぎるを 時 間や 信 号波 形 を考 慮 せ ず して設 計 は 成 り立 た な くな つてい る。そ の た め の 設 計 得 なか っ た 。設 計 の元 にな る等価 回路 モ モ デ ル や シ ミ ュ レー シ ョンに 関す る技 術 デ ル もほ とん ど無 い 状況 で あ つ た。 の 必 要性 は 増 大す る一 方 で あ る。 それ に 本 研 究 は ,筆 者 らが 近 年 進 め て い る べ の 加 え , 考 慮 す き高調 波 波長 が 回路 基 EMC設 計 のた め の デ ィ ジ タル 回路 のモ デ ズ って ル 化 とそれ に基 づ く低 雑 音 実 装 設 計 法 に イ と同 にな た サ め 板 きた 等 ,回 路 か ら の 不 要 な 電 磁 雑 音 ( E M I : E l c c t r o関す ― るもの で あ る。 magncdc lntcrfcrencc)が 増 大 し,電 磁 環 境 高速 デ ィ ジ タル 回路 の 動 作 時 に発 生 す 基 準 と して の 電 磁 気 的 適 合 性 (EMC: る不 要電磁 妨 害波 (EMI)を 低 減す るた め Elcctromagnctic CompatibilⅢ)の 実現 ヤ まま には ,そ の発 生機 構 を理 解 す る と同時 に, EMIの 大 き さ と回路 の各部 分 の設 計 パ ラ す ま す 困難 にな つて きた 。 一方 メ ー タ との 関係 を定量 的 に把 握 す る必 要 , E M C 実 現 の た めの低雑音 実装設 が あ る。 これ まで に も,デ ィ ジ タル 回路 計 法 は とい う と, 従 来 の 事 例 の集 積 に よ つた る。一 つ は 「 信 号系配線 に よる EMI」 で 一 あ り,も う つ は 「電 源 系 配 線 に よ る EMI」 で あ る。信 号系 につ い て は ,高 速信 ー 号系 が 原 因 とな るい わ ゆ る 「コモ ンモ ド放射 」 が あ る 。他 方 ,信 号 系 に 高速 の パ ル ス 信 号 を流す た め に は ,電 源 供 給 系 に も高速 に変化 す る電 流 が 流 れ る。 これ が 回路 基 板 全 体 を高周 波 的 に揺 す つて , EMIの 原 因 とな る。 本 質 的 に ,信 号 系 電 流 と電 源 系 電流 に 特段 の 区別 は無 く,上 記 の 電 流 の す べ て が不要 放 射 を引 き起 こす 可能 性 が 有 る 。 信 号系電 流 に 関 して は ,何 らか の か た ち で コモ ンモ ー ド電 流 を発 生 させ た り,理 想 的 で な い 信 号帰 路配 線 に よ り大 き な ル ー プ を電 流 が流 れ て 放 射 を発 生 す る。 あ るい は信 号 系 ジタ ー ン電 流 が グ ラ ン ド面 ー や グラ ン ド配 線 系 の イ ン ピ ダ ンス に流 れ る とグ ラ ン ド電位 を変 動 させ て ,そ こ につ なが つた ケ ー ブル な どを ア ン テ ナ と して励 振 す る こ とに よ り放 射 を発 生 す る 。 これ を よ り単純 に考 え る と,Fig.1の よ うに理 解 で き る。す べ て の 放 射 は ,駆 動 源 で あ る IC・LSIが 原 因 で あ り,駆 動源 が無 けれ ば い か な る放 射 も発 生 しな い 。 ー ー 回路動 作 自体 は本 質 的 に は ノ マ ル モ ド (差動 モ ー ド)で あ るか ら,そ の往 復 電流 に よ る電磁 波 は打 ち消 しあ い 大 き な 放射 は発 生 しな い が ,こ れ が 何 らか の ア か らの EMIを シ ミュ レー シ ョンに よ り見 積 ろ う とす る試 み が 数 多 くな され て い る が ,現 状 で は解 析速 度や適 用 可能 な範 囲, シ ミュ レー シ ョンの 精度 な どの点 で ,十 分 に実用 に足 るもの は無 い とい える。 回路 の 設 計段 階 で EMC特 性 を考慮 す と EMC設 計 (EMC design)」 る設 計法 を 「 呼ぶ 。 本研 究 で は,デ ィ ジタル 回路 の EMC 設 計 の うち で 特 に EMI低 減 設 計 に関 して , ー 電子 回路 C畑 )に 連 動 す る EMC設 計 ツ ル と して ,デ ィ ジ タル 回路 お よび デ バ イ ス のモ デ ル 化 手 法 の 開発 に つ い て 検討 し て い る。 具 体 的 に は ,デ ィ ジ タル 回路基 板 上 お よび基板 内 の 高周 波 電 流 ・電圧 お よび 高周 波 電磁 界 を高速 に解 析 す るシ ミ ュ レー タ を開発 す る こ とを 目標 として い る。本稿 で は,そ の研 究成果 と して ,EMI 特性 を大 き く左 右 す るプ リン ト回路基板 モデ ル 化 , (PCB:Printcd Circuit Board)の EMI励 振 の そ もそ もの原 因 とな るデ ィ ジ タル IC/LSIのモ デ ル 化 の方 法 ,さ らにそ の IC/LSIモデ ル とPCBモ デ ル を組 み合 わ せ た不 要 電磁 波 シ ミ ュ レー シ ョン (EMI シ ミュ レー シ ョン)の 結 果 に つ い て ,幾 つ かの結果 を紹介す る。 2.EMiシ ミュ レー シ ョンの要素 高速 の デ ィ ジ タル プ リン ト回路基板 が 原 因 とな つて発 生 す る EMIに は 2種 類 あ Dcvicc 》 )i熱雑盟縄 F鳥 /′ Port へ D Port I a POwcr/Grounf Piallc as an EMI Alltcnt、 ′ Port O WC「 P° P lanc Fig,2i Silnulation lnodcl consisting ofplanar Fig.1:Thrcc factors for cvaluating radiatcd EMI. clcctromagnetic circuit and dcvicc modcls. 13 ︱ ンテ ナ 構 造 を高周 波 的 な結合 に よ り励 振 す る と不 要 な電磁 放射 が発 生 す る。 す な わ ち,不 要放射 の発 生機 構 は,次 の 3段 階 に分 けて 考 えるべ きで ある. ー ー [1]駆動源 (ノ マ ル モ ド): IC・LSIな どと回路 [2]励振 (あるい は結合 )経 路 [3]ア ンテナ構造 最 終 的 な不 要放射 は上 記 の 3段 階 が複 合 して決 定 され る。 す なわ ち ,ま ず 駆 動 源 で あ る IC・LSIな どが ,そ の動作 速 度 や 回路構 成 に よ り,特 定 の周 波数 帯域 で 高周 波 電 流 を流 す 。 また ,ア ンテ ナ と し て 働 く構 造 は ,そ の 寸 法や構 造 あ るい は イ ン ピー ダ ンス の 周 波数 特性 に よ り,そ の 放 射 効 率 は特 定 の周 波数 で大 き くな る 。 さ らに この駆 動源 とア ンテナ構 造 の 間 の 結 合 も周 波 数 に依 存す る ので ,駆 動源 か らア ンテ ナ ヘ の 励振 効 率 も周 波 数 特性 を 持 つ 。 した が って ,最 終 的 な不 要 放 射 電 磁 波 の ス ペ ク トル は ,駆 動源 ス ペ ク トル と,励 振 効 率 の周 波数 特性 と,ア ンテ ナ 構 造 の周波数特性 の 3者 の合成 で決 定 さ れ る.EMIシ ミュ レー シ ョン を考 え る場 合 に も,上 記 の 3段 階 を個別 にモ デ ル 化 す れ ば よい こ とにな る。 通 常 ,こ の種 の 回路 ・電磁波 問題 で は , ま とめてた とえば FDTD法 な どの [2][3]を 数 値 的 解 析 法 に よ り扱 うこ とが多 い 。 し Driving Point ︲ ︲︲ ︱ ・ 島 _′ 3.プ リン ト回路 基 板 電源 系 の 電 磁 界 シ ミュ レー シ ョン 電源 ・グ ラ ン ド層 を持 つ 多層 プ リン ト 回路 基 板 (PCB)の電源 系 は,平 行 平板 共振 器 を構 成 す るた め ,そ の 共振 周 波 数 で 不 要 電磁 波放射 を発 生 す る。 このモ デ ル の .本 手 法 で は 数 値 解 析 法 を 開発 した [1]□ ー PCB内 の 電磁界 を グ リ ン関数 に よるモ ー ド展 開法 同円で 解 析 的 にイ ン ピ ー ダ ン ス行 列 で表現 し, さ らに 2重 級数 展 開 を 解 析 的 に 1重 級数 に簡 略化す る こ とに よ り高速 化 を図 つてい る。集 中定数 デ バ イ スモ デ ル とFig.2のよ うに電気 回路 的 に接 続 す る事 で解 析効 率 を上 げて い る。本 手 法 は多 層 基板 を多 ポ ー ト平 面 回路 と して 表 し,必 要 な ところにだ け ポ ー トを仮 定 して 解 析 す る。 した が つて 本 質 的 に領 域 分 割 は 不 要 で あ り,基 板 全 体 を通 常 の FDTD法 あ るい は集 中定数 等価 回路網 で 展 開す る手法 円と比 較 して ,精 度 の 向 上 , Decoupling (SMA connectoD // __ 戸 か しこれ らの 手法 は ミク ロ な構 成 方 程 式 か ら直接 結果 を得 る方 法 で あ り,そ の 結 果 か ら[2]の結合機 構 を抽 出 して 設 計 改 善 を行 な うこ とは難 しい 。本研 究 で は結 合 機 構 を物 理 的 にモ デ ル 化す る こ とで ,低 EMI実 装設 計法 を原 理 的 に 明確化 す る と ともに ,解 析 効 率 自体 を大 幅 に 改 善す る こ とを 目指 してい る。 Capaclors /′ F "BB / / レ ――――Calculatcd 一 ヽ4eaSured Dielectric Thickness 力= 1 0 m m 0 312mm 500 1000 Frequency(MHZ) 4:Rcncction cocfrlcicnt、 Fig。 vith 8 dccoupling capacitors. Fig 3i Four-laycr PCB undcr tcst. 14 因 とな る。E M I を 抑 えるた めには, I C / L S I の 電流雑 音 ( 高周 波 電流) の 把握 と制御 1 が重 要 で あ る。 1 C / L S I が回路 に流す電流 には , 電 源 ピ ン に流 れ 込 む電 流 と入 出力 の 信 号 系電 流 が あ る 。信 号 系電 流 に 関 して は , こ れ ま で に も回路設 計 の観 点か ら S P I C E モ デ ル や I B I S モデル な ど, シ ミュ レー シ ョンの た めの モ デ ル が 開発 され て い る。しか し, 電源 系電流 に 関 して は回路動 作 とは 直接 関係 が な い た め適 当なモ デ ル が 存在 しな か った。 近年 , 電 源 系 の 電流 が大 きな E M I の 駆 動源 にな る こ とが明 らか にな り, E M I 低 減設 計 の 必要 か ら, I C / L S I と そ の周 辺 の 電源 系 回路 の 電流 シ ミュ レー シ ョンが 要 求 され る よ うにな つた。 そ の た めの電源 系 の モ デ ル が い くつ か 提 案 され て い る 「 朝1 1 明 。 しか し解 析 時 間 ・精 度 ・汎用性 な ど全 て の 条件 を満 た す 万能 モ デ ル は未 だ 存在 しない 。そ こで 筆者 らは E M C シ ミュ レー シ ョンに特化 して解 析 時 間 と精度 の 向 上 を図 る I C / L S I の電源 系 マ ク ロモ デ ル α . L S I の 電源 の 開発 を行 な つてい る[ 1 1[1l‐ ピン に流れ こむ 電流 五c は , F i g . 5 のよ うに 入 出カ バ ッ フ ァ回路 に流 れ 込 む電 流 五Ю と, コ ア 回路 に流れ 込む電流 ぇ。 r c に分 け 一 る こ とが で き る。 出カ バ ッ フ ァ は 般 に 大 きな電流 駆 動 力 を持 つ ので , 規 模 の 小 さい L S I や バ スバ ッフ ァ タイ プ の I C で は , バ ッ フ ァ回路 に流 れ 込 む 電 流 ( 充放 電 電 流 ) が支配 的 にな る。また逆 に集 積 度 が大 き く1 / O の動 作速度 が比 較 的低 い L S I で は , コ ア 回路 を流 れ る電 流 ( コア 電 流 ) が支 配 的 にな る。 計算 の 高速化 が実 現 で きた 。 円.解析対 象 は F七.3 次 に解析例 を示す 1句 電源 ・ 信 に示す 4層 基板 (信号 ・グラ ン ド・ 号)で ,表 面層 にバ イ パ ス コ ンデ ンサ を 実 装 す るた めの ラ ン ドと基板 励 振 お よび 共振観 測 用 の コネ クタを設 け て い る 。本 解 析 で は ,多 端 子 対 回路 として モ デ ル 化 す る こ とに よ つて ,バ イ パ ス コ ン デ ンサ な どの 単純 な素子 だ け で な く IC/LSIな どの大 規模 な素子 や 多数 の 部 品 が 実 装 さ れ た 場合 の 共振 の 予 測 も可能 とな る。 バ イ パ ス コ ンデ ンサ を 8個 実装 した 場合 の 共 振 特性 の解 析値 を実測結 果 と合 わせ て Fig 4に示す 。バ イ パ ス コ ンデ ンサ に よる 共振周波数 のずれや 共振 の oも 精 度 良 く 再現 で きてい る事 が分 か る。 4 EMIシ ミュ レー シ ョンのた め の iC/LSi のモデル化 デ ィ ジ タル 回路 基板 か らの 電磁 妨 害波 (EMI)の根 源 は ,高 速 ス イ ッチ ン グす る IC/LSIの 高周 波電流 で あ る。 た とえば , これ らの 素子 の 高速 ス イ ッチ ン グ に よ つ て生 じた 高周 波 電流 は ,多 層 基 板 の 電源 グ ラ ン ド層 間 の 平行 平板 共振 を励 振 し, 基 板 そ の もの をア ンテ ナ とす る放 射 の原 ↓ち C(LS) l IC・ LSIの EMI駆 動 源 と して の 特 性 評 価 に 「半 導 体 つ い て 現 在 、 IECの SC47用 WG9で EMC測 定 方 法 、 IEC 61967:Integrated Circuits, lisslons,150 Fig.5:Powcr currcnt ttor corc circuit and Measurement of Electromagnetic E■ 1/O circuit of LSI. kHzto l GHz」として国際的な標準測定法 の ー 規格化 が進 め られてい る。筆者 はメ ンバ . 15 筆者 らは コア電 流 に よる電 源 系 の EMI 励 振 お よび 電源 系 デ カ ップ リ ン グ に よ る 放 射 低 減 を定 量 的 に評 価 す る た め に , Fig 6に示 す よ うな等価 内部 イ ン ピー ダ ン ス と内 部 電 流源 に よ るモ デ ル を新 た に提 。 また そ のモ デ ル パ ラメ ー タ 案 した [11][1例 の 同定 法 に つ い て 検 討 し, さ らに これ を 用 い た PCBの 回路 シ ミュ レー シ ョンな ら び に EMIシ ミ ュ レー シ ョン を行 な っ た [1朝 [ 1句 。 このモ デ ル の 等価 内部 イ ン ピー ダ ンス は集 中定数 素 子 (LCR)で 表 され , 線 形 の 回路解 析 が 可能 で あ る 。 CMoslcを 考 え る と,半 導 体 内 の機 能 ブ ロ ックは Fig.6(a)の よ うな ス イ ッチ ン グ を表 す 電流源 と MOSト ラ ンジス タ の ON 抵 抗 と ド レイ ン ソ ー ス 間容 量 か らな る RC直 列回路 と考えるこ とが出来る。した が って,パ ッケー ジ された ICの モデル は モデル となる。さらに規模 の大 Fig.6(b)の きな LSIは , この機能 ブ ロックが多数集 よ うに表 現 ま った もの として,Fig.6(c)の できる。 等価内部イ ンピー ダ ンスは,ICの 電源 グラン ド間をイ ンピー ダ ンスアナ ライザ で測定す る事により決定できる.Fig.7 は 10Kゲ ー トFPGAの イ ンピー ダンス測定 結果 とモデルによる再構成結果 である. また,内 部電流源 もやは り,測 定によ り 求まる.こ のマ クロモデル を用 いて,I C 外部 の電源供給系 のイ ンピー ダ ンス を変 シミ 化 させた ときの電源高周波電流 /1/の い ュレー シ ョン結果 を Fig.8に 示す。広 イ 電源 端子 電源 端子 /DD Fbloc【 ck 孔〕 。 るs CЫock (づintCrnai modcl (c)LSI modcl (b)Smalllc modcl Fig.6:Lincar cquivalcnt circuit and currcnt sourcc(LECCS)mOdel. > くュロ増] ヽ ︻ [ C モN 1 10 100 1000 10 Frequencs/[MHZ〕 50 100 500 1000 Frequency[MMZ] Fig.7:Equivalent intcrnal impcdancc of10K gatc FPGA, Fig.8:Sirnulatcd powcr currcnt spcctra ver― supply impcdancet for scvcral po、 16 ンピーダ ンス範囲 にわた つて,良 い精度 で電流 スペ ク トル が求ま つてい る。 の電源供給接続 に直列 にイ ンダクタを挿 入 してデバイ ス と基板上 の給電系をデ カ ップ リングすれ ば,基 板 に流れ込む高周 波電流 は小 さくな りEMIも 小 さくなる. あるい は,デ バ イ ス に並列に入 るバイパ ス コンデ ンサ のイ ンダクタ ンス を小 さく して,高 周波電流 をデバ イ ス近傍 に閉 じ 込めれば,や は り基板上 の高周波電流 は 電源デ カ ップ リ 小 さくなる。これ らの 「 ング」手法 は EMI低 減 に有効 である。実 際 に,こ のデカ ップ リング ・イ ンダクタ やバイパスコンデ ンサ (キャパ シタ)は , 基板 上 ,パ ッケー ジ上 ,お よびチ ップ上 な どに配置 され る。この ときのデカ ップ リング効果 を解析す るためには,こ れ ら のデ カ ップ リング素子 のイン ピー ダ ンス 5 . E M l シ ミュ レー シ ョン 3 節 で述べ た基板 の平行平板共振器 モ デル と, 4 節 で述 べ た IC/LSIの電源系電 流 のマ ク ロモ デル を組み合わせ る と,プ リン ト回路基板 の放射性 EMIシ ミュレー シ ョンを行な うことがで きる。 3 節 での解析 は,部 品が搭載 された基板 が どの よ うな周波数 で共振す るかを解析 す るもので ある。そ の際 には,励 振源 と しては一 定 レベ ル の電流源 を仮定 してい る。一方 , 実 際 の基板 において は,実 装 された能動デバ イ スが基板 に電流を流す . この電流 の大 き さは,基 板 と駆動側デバ イ スのイ ンピー ダ ンスの関係 で決まる。 示す よ うに, 基 板 か ら た とえば F i g . 9 に V Lph十 市rC Equivalcnt lntcmal lmpedancc名 抑血 r郎 e m ∞I ニ 民2 二it Fig.9 Po、vcr dccoupling schcme. Fig 10.Equivalcnt(LECCS)mOdCl for powcr dccoupling and EWII simulation FB ce占 tC BCads) Fig。12.Equivalent circuit ofthe module. Fig ll.Intemal decoupling in packagc. 17 と基 板 の 入 カ イ ン ピー ダ ンス に加 えて , 能 動 デ バ イ ス (Ic/LSI)の内部イ ン ピー ダ ンス 及 び 内部電圧 (あるい は電流 )源 のモ デ ル を知 れ ば よい こ とにな る。 筆者 等 は ,こ の デ バ イ スのモ デル とし て ,Fig。 10に 示 す よ うな線 形 の等価 回路 モ デ ル を提 案 し,そ の EMI解 析 に対す こ こで は る有 効 性 を示 して きた [11] [lq。 バ デ イ ス 自体 の低 EMI設 計 として の 電 源 デ カ ップ リン グ解 析 と,そ の結果 とし て の EMIレ ベ ル 予 測 に つ い て述 べ る [14][15]. 用 い たデ バ イ ス は , パ ッケ ー ジ上 で の Batett modulc :十 -1 Fig 13.Evaluation board;帥 o-laycr FR4) 、 vith rcctangular po、 vcr and ground plancs (01)(11) 4 3 口′主口巳 噴 電 源 デ カ ッ プ リ ン グ効 果 を模 擬 す るた め に作 成 した , F i g . 1 1 に示 す モ ジュー ル で あ る . 2 0 M H z の 水 晶発振 子 とC M O S ―I c ( 7 4 L V C 0 4 ) を2 5 m m 角 の 4 層 基 板 上 に実 装 した 。 そ の 等価 回路 を F i g . 1 2 に示す 。 このモ ジ ュー ル を F i g . 1 3 に示す基板 上 に 実装 し, バ ッテ リー 駆動 して , 3 m 法 電波 半無響 室 内で E M l を 評価 した。まず , 内部 でデ カ ップ リン グを行 なわ な い 場合 に は F i g , 1 4 のよ うにモ デ ル に よるシ ミュ レー シ ョン結 果 は実 測 とよ く一 致す る。 さ らに , ( a ) モ ジ ュー ル 内部 にバ イ パ ス キ ャパ シ タ ( 1 0 0 0 p F ) 単体 , お よび ( b ) 同じ キ ャパ シ タ にデ カ ップ リン グ用 の イ ン ダ クタ( 3 0 n H ) を追力日した 場合 を F 屯 1 5 に 示 す 。( a ) の場合 , お よび ( b ) でイ ンダ クタを 電源 側 に 実 装 した 場 合 につ い て は , シ ミ ュ レー シ ョン に よ リデ カ ップ リン グ効 果 の 評価 が 出来 て い る。た だ , ( b ) でモ ジ ュ ー ル の グ ラ ン ド接 続 側 にイ ン ダ ク タ を実 装 した 場合 に つい て は, 実 測 の E M I 低 減 効 果 は小 さ くな つ て い る . 現 在 のモ デ ル で はイ ン ダ ク タ の位 置 を変 えて も直列 イ ン ピー ダ ンス は変 わ らな い はず で あ る の で , こ の 結 果 は 高周 波域 にお いて 現 モ デ ル で は表 現 で きて い な い 寄 生 容 量 な どが 存在 し, こ の 定量 化 が 高周 波域 での E M I 評 価 の た め に重 要 で あ る こ とを示 唆 して Collncctor 〕For品 1 30 1oo 200 300 400 500 600 Frequency図 lHZl Fig。 14.Silnulatcd and FnCaSured far― fleld 、 vith no intemal decoupling. い る。この 寄 生容 量値 は数 pFと 見積 も る こ とが 出来 る 。 デ バ イ ス が大 型 化 し実 装 密 度 も上 が って くる と,こ の 程 度 の 寄 生 容 量値 の発 生 は不 可避 で あ る。す なわ ち, 今 後 の デ バ イ ス お よび 回路 の さ らな る 高 速 化 を視 野 に入 れ る と,こ れ ら寄生 効 果 も考 慮 に入 れ たデ カ ップ リン グ手 法 とそ の評価 法 の必 要性 が見 えて くる 。従 来 の , 半導体 チ ップ ,パ ッケー ジ ,PCBと 物 理 構 造 で 切 り分 けた設 計 ・評 価 法 で は この 問題 に対応 す る こ とは難 しく,こ の 3者 相 互 間 の 電磁 的結合 も考 慮 に入 れ た モ デ ル 化 。設計手 法 を導入す る必 要 が あ る。 物 理 的 な構 成 に着 目 して モ デ ル 化 した 。 さ らに この 両 モ デ ル を組 み合 わせ て ,LSI 給電 系電流 に起 因す る EMIの 定量 的解 析 一 を試 み,実 測 と良 い 致 を得 た 。 さ らに ー 高周 波領 域 にお いて は ,パ ッケ ジ 等 の 寄 生 イ ン ピー ダ ンス に よ る影 響 が無 視 で きな い こ とを示 し,今 後 の研 究方 針 を示 した。 本研 究 に よ り,従 来 は 困難 で あ つた デ ィ ジ タル 回路設計 時 にお ける EM虹 特 性 の ー 考 慮 と設 計 へ の フ ィ ドバ ッ クが ,少 な く とも電源 系 に関 して は可能 とな る 目処 が つ い た 。今 後 そ の 範 囲 を拡 大す る と と もに,さ らに高周波 域 で も有 効 な新 た な 実装設 計 手法 につ い て 検 討 して ゆ く予 定 で あ る。 ― ヽlcasurcd ――毎はCaCulated(乙 h=ln的 …… ヽ Calcultted(と h2nHl 0 0 2 5 ユ 争 裂∞ 帥鴫 (11)(1° 30 100 200 300 400 500 600 Fttquttcy N阿 (のCin=1000 pF. 一一一や絶astued(151111t15刺 り● ……i―Calculabd lLふ =1対的 △ ヽ ヽ ……Cttculabd lLh=2対 的 LⅥメ >ュ臼巳 噴 中 謝辞 本研 究 は,(財 )高 柳記 念 電子 科 学 技術 振 興術財 団 の 平成 11年 度研 究助成 を うけ た 。 ここに記 して感 謝 す る。 ま た ,本 研 未 来 開拓 学 術 研 究 究 は 日本 学術 振 興会 「 ロ ェク ト 「 ジ デ ィジタ 推 進 事 業」研 究 プ 一 ル 回路 か らの 不 要電磁 波 の低 減 」 の 環 と して行 なわれ た 。 同 プ ロ ジ ェ ク トの プ ロ ジ ェ ク トリー ダー 岡 山大学 ・古 賀 隆治 教授 お よび 関係 諸 氏 に感 謝す る 。 の 塩甲ド 上相i Frequency脚 (b)Ch=1000p■ □H2] ttDI=30nH(33nH) 参考文献 i [1]Z.L.Wang,0.Wada,Y.Toyota,and R. form expression Koga,``An improved closed一 flcld EWII with an intcrllal Fig.15,Far― dccoupling capacitor and intcrnal dccoupling inductor. for accurate and rapid calculation of power/ground plane impedance in multilayer P C B s , " 電 学電磁界理論研資, E M T 0 0 - 6 8 , 6.む すび 高 速 デ ィ ジ タル 回路 が発 生 す る不 要放 射 電磁 雑音 ( E M I ) を低 減 す るた めの E M C 実 装 設 計 法 として , プ リン ト回路 基板 と デ ィ ジ タル I C / L S I のモ デ ル 化 を行 な つた. 特 に , デ ィ ジ タル 回路基板 の 電源 給 電 系 の 共振 と, こ れ を励 振す る L S I 給 電 系 を Oct.(2000). 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