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西濃地区南部
わたし ち え 私たちが守り伝える先人の知恵 で ん と う て き ぼ う さ い し せ つ 伝統的防 災 施 設 かすみてい わ じゅう てい ち いき こうずい ∼「霞堤」や「輪中堤」を残し、地域を洪水から守ろう∼ 清流ミナモ ぎ ふ けん せいのう ち く なん ぶ ばん 西濃地区南部版 岐阜県(福束、高須、多芸輪中等) ふくづか たか す 養老郡養老町・昭和 34 年 8 月多芸輪中の洪水のようす た ぎ わ じゅうなど はじめに 岐 阜県 では、洪 水から県民のみなさんの暮 らしを守るために、 これまでに川を広げたり、堤防やダムなどをつくったりしてきま した。また工事だけでなく、洪水で水がもしあふれたらどこまで 来るかを示した地図(ハザードマップ)を作成したり、携帯電話 に雨や川などの情報をメールでお知らせしたりすることもしてい ます。その一方で、最近は地球温暖化の影響で集中豪雨があちこ ちで発生しており、大規模な洪水が全国各地で起こっています。 こうした大規模な洪水が起こった時の備えとして、先人たちの 知恵によって造られた霞堤や輪中堤等の伝統的な防災施設の持つ 役割などを知ることが重要になってきています。 岐阜県には霞堤や輪中堤が存在する地域がありますが、若い人 や新しい住民が増えたことにより、地域の伝統的な防災施設が忘 れられようとしています。 この冊子により、これらの施設の存在とその役割を地域の財産 として次の時代に伝えることで、防災意識を高めて、住民自ら共 に助け合い、少しでも水害を小さくすることの助けとなればと考 えています。 ※本資料の活用に当たって 本資料は、広く霞堤や輪中堤などの伝統的防災施設をわかりやすく知っていた だくために作成したものですので、地域によっては霞堤や輪中堤の区分が明確で ない部分もありますが、本資料の趣旨をご理解いただきご活用ください。 岐阜県伝統的防災施設 目次 1 水害の多い岐阜県 .............................................................. 2 2 水害から身を守るための対策............................................ 3 3 伝統的防災施設とは?....................................................... 5 4 霞堤と輪中堤のあるところ ............................................... 7 5 あなたのまちの伝統的防災施設マップ ............................. 9 6 伝統的防災施設から学ぶこと.......................................... 15 背景写真:堤防が壊れて氾濫したようす (安八郡安八町・昭和 51 年 9 月 提供:国土交通省中部地方整備局木曽川 上流河川事務所) 1 1 水害の多い岐阜県 ā岐阜県は、飛騨地方の標高三千メートルほど の山々から、西濃地方に広がる海抜ゼロメート ルの地域まで変化に富んだいろいろな地形から 成り立っています。 このような地形では、ひとたび大雨が降ると、 山から低い土地に向かって、水がどっと流れて きます。 とくに、岐阜県は、土地の 80%以上が山 地 でその多くは森林でおおわれているので、ある 程度は山のほうで水をたくわえることができま 急流河川殿川における浸水状況 (飛騨市古川町信包・平成 11 年 9 月) すが、山地では急な斜面がほとんどであること などでそのたくわえる力に限界があり、長雨の 後に大雨がふりだしたりすると、洪水が一気に 下流の地域に流れ込んできます。 そのため岐阜県では、昔から大雨が降るたび に、低い土地では川があふれ、何度も何度も洪 水による大きな水害にみまわれてきました。 台風 15 号による土岐川左岸 住宅地の浸水状況 (多治見市平和 町 ・平成 23 年 9 月) 2 2 水害から身を守るための対策 すいがい たいさく ā水害から地域の暮らしを守るために、昔の人は、たくさんの失敗や苦労の中で、知恵をふりしぼって、 「治水 ※」とよばれるいろいろな対策をあみ出しました。 「治水」には大きく分けて、川の流れる部分(河道)での対応、川の水を貯めることによる対応、お よび川の水を分離させる対応の3種類があります。 治水対策 ā■川の流れる部分(河道)での対応 かわぞこ ほ ふ くっさく ・川底を掘り下げて深くし、川に流れる水の量を増やす「掘削」 ていぼう ・川の水があふれないようにして水を流す「堤防」 ā■川の水を貯めることによる対応 たいりょう へ ・大量の雨による川の水を川の上流で貯めて、川に流れる水の量を減らす「ダム」 かわ ぞ こうずい ・川の水の量が多くなった時 ( 水位が上がった時 )、川沿いにある土地に洪水を一時的に ゆうすい ち 貯めて川の水の量を減らす「遊水地」 ā■川の水を分離させる対応 ふ たん けいげん ほうすい ろ ・新しい川をもう1本つくり、川に流れる水の量を減らし、川の負担を軽減させる「放水路」 ※「治水」とは「水」を「治める」と書き、 洪水を安全に海へ流したり、いったん水を貯めたりして、洪水などから人命や家、 まちを守るという意味があります。 ■もし堤防がなかったら 洪水は川からあふれてしまいます まち まち ■堤防があると 堤防 洪水から人命や家などを守ります 洪水から人命や家などを守る堤防(長良川) 3 治水対策のいろいろ 掘 削 堤 防 堤防 掘削 川を掘り下げて、川の面積を大きくして、水が あふれないようにする。 ダ ム 堤防をつくって、川の水があふれないように する。 遊 水 地 ダム ダムに洪水を貯めて、川に流れる水の量を減らす。 一時的に洪水を貯めて川に流れる水の量を減 らす。 放 水 路 放水路 水害から身を守る ための、いろんな対策 があるんだね。 新しい川をもう一本つくって、川に流れる水の量を減らす。 4 遊水地 3 伝統的防災施設とは? でんとうてきぼうさい し せつ 堤防の中には、 「霞堤」「輪中堤」と呼ばれるものがあります。岐阜県では、これらの堤防を「伝統的 防災施設」と呼んでいます。古くから受け継がれ、今でもなお使われている施設が存在しています。 霞堤とは ā 昔の人は堤防にすき 洪水の後 人が住むところで川が 氾 濫しないようにしま した。そのすき間のあ る堤防のことを「霞堤」 といいます。 ■霞堤があると ā霞堤があると、洪水の時に、堤防のすき間から洪水を入りこませるため、川の水位が上がりにくくなっ て、大きな水害を避けることができます。また、一時的に洪水が「遊水区域※」に貯まるため、下流に 流れる水の量を減らすこともできます。「遊水区域」にたまった水は、洪水の後、自然に川に戻ってい きます。 ※「遊水区域」とは、霞堤からあふれた水が入りこんで、水につかるところ。 ■霞堤がなくなると 普段の時 ā霞堤がなくなると、洪水の時に、より広い地域 洪水の時 にまで被害が拡大したり、下流に流れる水の量が 増えることで下流に住む人たちが危険にさらされ ることになります。 霞堤や輪中堤が私たちの 家やまちを守っているんだね。 昔の人が考えた自然に逆らわ ない知恵なんだ∼。 5 遊水区域 洪 水 を 入 り こ ま せ て、 洪水の時 遊水区域 普段の時 遊水区域 間をつくり、そこから 輪中堤とは ā昔の人は、木曽三川の洪水から身を守る 尻 無 堤 輪 中 堤 ため、集落の周りに堤防を作りました。そ の堤防がつながって「輪」のようになった ものを「輪中堤」といいます。 昔は、川の周りに強い堤防を作れなかっ たため、自分たちの家の周りにみんなで堤 防をつくったのが、「輪中※」の始まりと言 われています。 始めは、上流から水が流れてくるのを防 ぐために上流側に「尻 無堤」「築 捨堤 」と いわれる堤防をつくりました。 その後、水が下流から入りこむことを防 ぐために下流側に「懸廻堤」といわれる堤 (洪水時の様子) (洪水時の様子) ※「輪中」とは、洪水から集落や農地を守るため、周りを堤防で囲んだ地域の 防をつくるようになり、それらが輪のよう ことをいいます。輪中の「輪」は、土地を囲む堤防の形だけではなく、水害 な形となり「輪中堤」となりました。 から暮らしを守るための人々のつながりも表しているといわれています。 遊水機能を持つ上流の霞堤により 守られる岐阜市街 霞堤と遊水区域 美濃市 ā長良川やその支川の津保川には多くの霞堤 があります。その霞堤は関 市 や美 濃市にあ えんせん 霞堤により守られる沿川地域 り、この地域の街や暮らしを守っています。 岐阜市の長良川には霞堤はありませんが、 川 長良 洪水の時、上流の関市、美濃市の霞堤によっ 川 保 津 今 川 え、岐阜の街は大きな洪水被害が起こらな いま がわ て岐阜市内の長良川の水位が上がるのを抑 関市 川 いよう守られています。 保 津 堤防 川 霞堤と遊水区域 長良 きん 堤防 か ざん 金華山 上流の霞堤により 守られる岐阜市街 6 岐阜市 4 霞堤と輪中堤のあるところ かすみてい わ じゅうてい こと 霞堤と輪中堤のあるところは地形により大きく異なります。 霞堤はどこにあるの? ā霞堤の多くは、地形が山から平地へ変わる扇状地(傾斜地)につく ほん 霞堤 てい 本 堤 霞 堤 られています。 牧田 岐 阜県 内に霞堤が多くありますが、特に集まっているのは、中濃 川 地区(関市・美濃市)の長良川・津保川、西濃地区(揖斐川町・池田 町)の揖斐川・粕川、飛騨地区(飛騨市)の宮川です。 山から平地へ変わる 霞堤 N 霞堤 霞堤 ところに霞堤が作られ 扇状地 ているんだ∼。 牧田川→ 平地 山地 霞堤 かつて牧田川にも霞堤があったことを示す「牧田川 通 絵図」(提供:伊藤安男氏) 輪中堤はどこにあるの? 牧田川 → ȹȩȯɭɈᆾෂรȦ ȜȽȹɭȺɇă 養老山地 ༏ྪိᄘɅɉ 高須輪中 多芸輪中 三重県 木曽三川通絵図(提供:岐阜県図書館) 7 愛知県 市・輪之内町・養老町に輪中堤が残っています 木曽川↓ 濃地区中部の大垣市・神戸町・安八町と、西濃地区南部の海津 岐阜 県内では濃尾平野に輪中堤が残っています。その中でも、西 福束輪中 大垣輪中 確認できます。 長良川↓ す。川は網の目のように輪中の間を流れていることが右の図で 岐阜県 N 揖斐川↓ ā輪中堤は、平野に川が流れ土地が低く平らなところにありま 岐阜県内の伝統的防災施設(霞堤、輪中堤) はん れい 凡 例 䛝䜏㻃㻃䛓㻃㻃䜅䛳 Ⓣᮄᓙ 霞堤の あるところ 䛕䜓㻃㻃䛿㻃㻃㻃䛚㻃㻃㻃䜓䛌㻃䛦䛗 䜅䛪䜄䛥䜒䜙㻃㻃䛘㻃㻃䛦䛗 㯦㒂㑳ᒾ ಚⶀ⳱ᒾ 䜊䜐㻃䛒㻃䛥䛗 ᵍ䝺ᒾ 䛑䛛㻃䛒㻃䛥䛗 ➗䝺ᒾ 䛐䛊䛟䜑㻃㻃㻃䛒㻃㻃䛥䛗 ➋䝺ᒾ 䜁㻃㻃䛦䛑䛦䛗 ✉㧏ᒾ 輪中堤の あるところ ᚒ๑ᒾ ᒾ (宮川) Ⓣᒜ ᗁᕖ 否呕吕吚䜕 䛿䛩䛛䜙 ืᒜ ↕ᒾ ᐋᕖ 䛵䛕䛛䜙 䜊䛗䛦䛗 霞堤:飛騨地区 䛚㻃䛢䜙㻃䛦䛗 䛦䛗 㻃 䛴䜐䛕䜏䛦䛗 䛦䛊䛱䛧䛒䛦䛗 䜕䛝㻃䛒㻃㻃䛥䛗 ኬ䝺ᒾ 㮎䝺ᒾ 㠙ᒾ 䛎㻃㻃㻃㻃䜂㻃㻃㻃䛝㻃㻃䛦䛗 ⅪᖐᏄᒾ 叽 叽 㣍㦄 ᕖ 䛐䜙䛥䛗䛛䜙 呀 吮㻃 君䜕 ᚒᕅᒜ 䛴䛌䛚䛌䛵䛕䛛䜙 ⬗㒋Ⓣᒜ ᥤᩣᕖ 䛛 䜙䛝䜋䛌㻃䛒 㻃 䛥 䛗 ࿔䝺ᒾ 䜅㻃㻃䛕䛱㻃䛦䛗 䛐䛕䛛䜙䛒䛊䛦䛗 ዚ⏲ᒾ ᅗᒾ 䚭䚭䚭䚭 䚭䚭䚭䚭 䚭䚭ಕ ಕ ᕖ 霞堤:西濃地区 (揖斐川・粕川) 䛓㻃䚭䛣 ᕖ 㛏Ⰳ (長良川・津保川) 䛊㻃䛼䛓㻃䜊䜄 㻃䜊 䜊䜄 䜊䜄 ྻᒜ ྻᒜ ᒜ ᕖ ᮄ᭦ 霞堤:中濃地区 ⢉ᕖ 䚭䛒䜕 䛮㻃㻃䚭 輪中堤:西濃地区中部 䛓䚭䛒 䛎㻃㻃㻃䛰㻃㻃㻃䛛䜙 䜕 ᜠ㑛ᒜ ᕖ ᅰᒪ など 呌吜吜 吜吮君 君君䜕 ∶⏛ᕖ (大垣輪中等) 䜕 䛔䛒 輪中堤:西濃地区南部 䜎䛌䜓䛌䛛䜙 㣬⩹ᒜ 㣬 㣬⩹ ⩹ᒜ ⩹ᒜ (福束・高須・多芸輪中等) ȱ ȵȾ ȱɛ Ŧ௫ూɅȜɥ๙ຕโ႕ૈಡɉࡎॻ໘ɈൣโɄૈಡɬȱɀȞɘȳ 8 㻃䛵 䜊 ᕖ ష ▦ 5 あなたのまちの伝統的防災施設マップ でんとうてきぼうさい し せつ せいのう ち く なん ぶ ふくづか たか す た ぎ わ じゅうなど 西濃地区南部(福束・高須・多芸輪中等) ・西濃地区南部の濃尾平野は土地が低く、東が高く西が低い地形です。また木曽川、長良川、揖斐川が つらなり、川が網の目のようになっていた地域です。 ・かつて洪水時には木曽川から長良川へ、そして揖斐川へ水が落ち込んだため、揖斐川の周りは最も水 害が大きい地域でした。 ・江戸時代(1600 年ごろ)に新田が開発されて、その土地に水が入らないように堤防で囲ったのが輪 中の始まりです。その後、住んでいる集落も堤防で囲い、この地域に輪中がどんどん増えていきました。 ・多くの輪中は川に囲まれた地域のため水害に悩まされ続け、地域内での水争いが絶えませんでした。 ・福束輪中や高須輪中は、上流側の輪中堤を残し守ってきたため、昭和 51 年の大水害から逃れること ができました。 ・多芸輪中は、昭和 34 年の伊勢湾台風のときに最も水害を受け、その後、地域住民の水防意識が高ま り水害からまちを守り続けています。 ・木曽三川を分流する治水工事が明治 33 年に完成すると水害は少なくなり、交通の発展とともに輪中 堤が取り壊されていきました。これからは、水害を乗り越えてきた歴史を理解し地域の治水を見直し ていくことが大事です。 西濃地区南部にある現在の輪中堤 ○福束輪中堤(安八郡輪之内町楡俣) ○古高須輪中堤(海津市平田町岡) ŜᆾෂรɁȩȞોɛɣɦȹ৯ɉɭɣɭ 揖斐川 ○金 輪中の微高地(海津市海津町金 ) ・昭和 51 年 9 月、台風 17 号により、長 長良川 良川の堤防が壊れ、安八町、墨俣町のほ ぼ全ての地域が水につかりました。 牧輪中 安八町 ・そのなかで、輪之内町にある福束輪中や 安八町内にある牧輪中は輪中堤が残され ていたため、洪水を食い止めることがで きました。 ・現在、水害からまちを守った福束輪中堤 輪之内町 福束輪中堤 (十連坊堤) 輪中堤でくい止められた洪水はんらん は、その役割が見直されて、後世に残る サクラとモミジなどによる並木道の堤防 となっています。 (安八郡安八町、安八郡輪之内町・昭和 51 年 9 月 提供:大垣市輪中館) 9 ● 伝統的防災施設探訪マップ 䛥䜑㻃㻃䛊㻃䛧䜍䛌 ᆱ⏣ 䛐䛐䛒䛓䚭䛝 㻔㻃ᐄ㻃ཋ 㻖㻃♵∏Ờ 㻗㻃Ờ㻃᭮ 西濃地区南部 㻘 㻙 㻚 㻔㻔 㻛㻃Ⅺ㻃Ờ 㻔㻛 㧏㡪㍧୯ 㻔㻜 㸝NP㸞 㻔㻘 㻔㻙 ᾇᕰ には「高須輪中」と「多芸輪中」 㻕㻔 䈓䠃 中と三郷輪中)を一般に「福 㻕㻓㻃ᮿᒜ୯ᓞ 㻕㻔㻃㻃ཋ 㻕㻓 㻕㻕 ኣⰹ㍧୯ 䈓䠃 㻔㻜㻃ཿ㧏㡪 㻕㻗 㻕㻖 ᮄ᭦ᕖ ※ 2 輪之内町内の輪中(福束輪 䛵㻃㻃䛝䜄㻃㻃㻃䛝 㻔㻗 中といいます。西濃地区南部 2つの複合輪中があります 㻔㻚 ⚗㻃ᮨ ᕖ ᥤᩣ な輪中となったものを複合輪 䈓䠄 ⩒ᓞᕰ 㻔㻚 㻜 㻔㻕 㻔㻖 㻙㻃ኬ㻃ᄂ ※ 1 小さな輪中が集まり、大き ㍧හ⏣ 㻔㻓 㻘㻃㣜㻃✒ 㻚㻃ᓞ㻃⏛ 㻗 㻛 䜎䛌㻃䜓䛌㻃䛧䜍䛌 㣬⩹⏣ Ꮽඳ⏣ 㻖 㛏Ⰳᕖ 㻕㻃⺤㻃ᣚ ⚗ᮨ㍧୯ ኬᇄᕰ 㻔 㻕 束輪中」といいます 㻕㻖㻃⚗㻃Ờ 㻕㻗㻃ᕲ㻃ᘤ 㻕㻘㻃㔘㻃ᘌ 㻕㻘 注意:輪中名は、明治初年時点 㻕㻕㻃ᮇ㜷ᘲ における名称を示します ȲɡȠȪȞ ŜᆾෂɈฤ৪ɅȾȞɀ 取り決められた 輪中堤の高さ ・輪中に暮らす人にとって、となりの輪中との境にある堤防の高さは大 きな問題でした。堤防を高くすることで洪水被害が大きくなる地域も あったため、堤防の高さをめぐって水争いが絶えませんでした。 ・そこで、輪中堤の高さをお互いにとり決めるため、 町指定文化財として残る定杭 杭を打って約束を決めたのが「定杭」です。 ( 養老郡養老町直江 ) 輪中堤 ・現在、養老町に残る定杭は町指定文化財として大 定杭 切に保管されています。 定杭の模式図 ȱɡȠȬɭ Ŝಀ༏ණࣾငɈᇘષɬඪɥၫɈሇĪဏഩĆీĆഽ॑ᆾෂɅȾȞɀɈī Ȼ Ȣɭ ĶණܯɁय़ɊɦɥᆾෂɁၙɣȳఱęķ ・水害が少なくなった現代、輪中の生活記録を残したいと考え、昭和 30 年頃から写真を撮り続けてきました。 ・輪中で暮らした先祖の知恵には、たくさん学ぶべきものがあります。 木曽三川流域は水害から逃れられない宿命を背負った土地と思います。 ・輪中で暮らす人は、治水においても合理的であった輪中の知恵を見直し、 自主防災の意識を持つことが大切かと思います。 ・一般的に人は血縁で結ばれますが、輪中で暮らす人は地縁により結ば れていました。近年、地縁の関係が薄れてきましたが、輪中で暮らす 人にはとても大事なことだと考えます。 多芸輪中の洪水のようす 【輪中写真家:河合 孝 氏 (80 歳代 ) の話】( 養老郡養老町・昭和 34 年 8 月・撮影:河合孝 ) 10 ᩺ 5 あなたのまちの伝統的防災施設マップ でんとうてきぼうさい し せつ ᩝ ྚᑚ 㣬ᑚ ᩝ ᩝ まき た がわ せいのう ち く なん ぶ ふくづか たか す た ぎ わ じゅうなど 西濃地区南部(福束・高須・多芸輪中等) 牧田川 䛥 䛑 㻃 䛦 㻃䛧䜋䛌 ኬአ㻃 ᩝ 㣬⩹⏣ᙲሔ 㣬⩹⏣ᅒ᭡㤃 䐖 ⚗ᮨ㍧୯ላ 凡 例 䜎 䛌 䜓 䛌 䛝䜍䛌 ࡈࡗ࠻࠷ 㣬⩹ᑚ ┷␊ྒ࡛᧔ᙫ᪁ྡྷ ࡅࢆࡑࢆ ⨶⃨ 䛥䛑㻃䛦㻃䛎䛓 㧏⏛㥈 ⌟Ꮛࡡἑᕖላ㜭ࡵྱࡳ ⅪỜ㥈 ᩝ 䜽䝡䞀䝈䝛䝭䜺㣬⩹ 㣬⩹㻃 ᩝ 䛸 䜓 䛵 䛥䛝䜍䛌 ㍧୯ላ ࡈ ᗀᖦᑚ ๎ࡽୖࡅࡼࡿࡒ㍧୯ላ ࡎ࠷ ࡦ ➗㒋ᑚ 㣬⩹㥈 ᩝ 㣬⩹පᅧ ኣ䚭ⰹ䚭㍧䚭୯ ࡆࢂ ᩺ࡒ࡞ᩒങࡊࡒ ࠾ ࡎࢆ ࡙࠷ ࠹ ἑ ᕖ ላ 㜭 䛑 䛛 䛚 䛌 䛝䜍䛌 䜎䛌䜓䛌䛎䛓 ᚜㧏ᆀ࡛ࡊ࡙⌟Ꮛࡊ࡙࠽ ࡽࠉහỀệ࡞ୌᏽࡡ Ềຝᯕ࠵ࡾࡵࡡ ཱི ࡽ ቪ ࡈ ࡿ ࠵࡛࠾ࡒ ㊟ᙟࡡ࠷㍧୯ላ ⅪỜᶣ 䛑䜏䛟㻃䛎㻃䛎䛓 㣬⩹㆑ᐳ⨣ ⌟Ꮛࡊ࡙࠷ࡾ㍧୯ላ ࡛ 䛑䜏䛟㻃䛎㻃䛶䛝 䜅㻃㻃䛴 れい ࡄࡍ 䛐䛐㻃䛮㻃㻃㻃 㧏⏛୯ ୯ኳපᅧ ߆ 㣬⩹㻭㻦㻷 㧏⏛ᶣ 䛧䜋䛌䛐 䛌 䛙 䛌 䛎 䜙 はん ཪ 䜎 䛌 䜓 䛌 䛧䜍䛌 䐗 ⚗ᮨ㍧୯䛴㝛䛙䛌 㣬⩹⏣ 䛑 䜅 㻃 䛥 㻃 㻃 䛯 㻃䛝䜍䛌 䛮 䛌 㻃 䛼 㻃䛧䜋䛌 ୕ኣᗐᑚ ᮶㒂୯⣵ờ ᩝ ᩝ 㛚䜇䛥䛴㧏䛛 ࡴ࠷ࡊࡺ࠹ ㍧ ୯ ⚗ᮨ㍧୯ࡡྞ⛘ ㍧୯ላ 㝛䛙䛌 䛝䜈㻃㻃䛥㻃㻃䛯㻃䛝䜍䛌 㝛ࡆ࠹ࡡన⨠ ୯ Ꮥ ᰧ ࡆ࠹ ࡐࡂ ࠹ ࢀ 㧏 ㏷ 㐠 ࡊࡸࡻ࠹ ㊨ ࠹ ࢀ ࡐࡡࡡこ㐠㊨ 㐠 ࡛ ࠾ ᕰ 䐙 ཿ㧏㡪㍧୯ላ ⏣ ࡐࢆ ᮟ ཬờ 䚭䚭䚭䚭㻃㕪 䚭䚭䚭䚭䚭䚭䚭㐠 㥈 䛝 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⺤ᣚ㍧୯ላ ᕖ୩ᑚ ⥜㔓ᑚ ᩝ 䛰㻃䜈䜐䛝䜍 䛰㻃 䜍䛌 䛌 䛱 䛩 䛝 䜙䛝䜍䛌 Ꮽඳ⏣ᙲሔ Ꮽ ඳ⏣ᙲሔ ྞᑚ ᑚ ᩝ ᩺ᑚ ᩝ չ ㍧୯ላ᮶ 䜄 䛓䛝䜍䛌 ∶ᑚ 䛮䜈䚭䛎䚭䛎䛓 ཪỜ㥈 䛣䚭㻃䛼䚭㻃䛎 㻖 ♵∏Ờ 䛐䛐䛒䛓㻃㻃䛝 䛈䜙 䛷䛧 䛧䜍䛌 ኬᇄᕰ 㻃㻃䛫䜅 䚭䚭ᾇ ᾇ 䚭䚭䚭䚭㐠 䚭䚭㐠 㐠 ⩒ 䚭 䚭䚭䚭䚭䚭䚭᩺ 䚭䚭䚭䚭᩺ 䚭䚭᩺ 䚭䚭 ᩺ 䚭ᓞ Ⓡ㱗 Ⓡ㱗୯ 㱗୯ ୯ 䚭䚭䚭䚭䚭䚭䚭䚭ᖷ 䚭 䚭䚭ᖷ ᖷ䚭 䚭 ኬ 䚭 䚭䚭䚭䚭䚭䚭䚭䚭䚭 䚭䚭䚭䚭䚭䚭䚭䚭⥲ 䚭䚭䚭䚭⥲ ⥲䚭 䚭 ᶣ ᩝ ᩝ Ꮽඳ⏣ 䚭䛎䚭䚭䛪䛓 㻗 Ờ᭮ ✒ ኬᇄ㻬㻑㻦 պ 䐟 㣜✒㍧୯ላ ྞ䚭♼ 䚭㧏䚭 ㏷䚭㐠 䚭㊨ ᥤᩣᕖᶣ 䛐䛐䚭䛮䚭䛶䚭䛎䛓 ኬአ⩒㥈 ᩝ 䛎 䛸䛒䛝䛝䜍䛌 Ờ᮶ᑚ 㛏Ⰳᕖኬᶣ 㛏Ⰳ 㛏 Ⰳᕖ Ⰳ ᕖኬᶣ ᕖ ኬᶣ ኬ ᶣ 䛑䜏䛟䚭䛎䚭䛶䛝 䛑䜏䛟䚭䛎䚭䛎䛓 䛑䜏䛟㻃㻃䚭䛎 㻛 ⅪỜ ㍧୯ላ長 䛻 䛕 䛫 䛑䛝䜍䛌 ᩝ 䜎䛌䜓䛌䛐䛐䛵䛝 㻔㻓 ⚗ᮨᑚ 吓䜕 呍启 叽 ᒷ㐠 㣬⩹ኬᶣ 否呐 君㻃㻃吤 叽 ୖ➗ ᩝ 䛑䛛䛚䛌 䛝䜍䛌 ➗㒋ᑚ ㍧හ⏣ 䝛䝭䝑䝇䝌䝛䝭䜺 ㍧හ⏣ᙲሔ 䐣 ᭯ᑹ㍧୯ላ ㍧හ୯ ⚗䚭ᮨ䚭㍧䚭୯ 䛮䛌䚭 䛼䚭䛧䜋䛌 㐠䛴㥈 㐠䛴㥈 䜳䝰䞀䝯ᖲ⏛ 䜳 䝰䞀䝯ᖲ⏛ ᖲ⏛ ⣵ờ ᩝ ㍧୯ላ ᩝ ᾇけᑚ 䛱 㻃 㻃 䛓 㻃 㻃䛝䜍䛌 ᩝ ொᮄᑚ ᖲ⏛පᅧ վ ᰷ཿᆀ 㻔㻗 䛧㻃㻃㻃䜎㻃㻃㻃㻃䜂㻃䛊䛰㻃㻃㻃䜐㻃㻃㻃䛞䜙䛞䜉 䐤 㧏ᰏ㍧୯ላ ༞⃨ ༞⃨ኬᶣ ༞ ⃨ኬ ⃨ ኬᶣ ኬ ᶣ ཋᑚ ᑚᩝ ཋ୯ ᩝ さん 吻 吢 吰 叽叽 㻃㻃㻃㻃叽 㻃㻃㻃㻃 ༐ಕ⛼Ⲭ♼♣ がわ 吙吙 吾 㻃㻃㻃 否㻃㻃呝 吵㻃㻃㻃呝 ኬሔ᩺⏛ ᾇᕰᙲᡜ ᖲ⏛ᖿ⯃ 㤷 䚭㣣 䚭䚭 䚭䚭 ᩝ 䛸 䜏 㻃 䛥 㻃䛧䜋䛌 䛊䛗㻃䛿㻃 䛝䜍䛌 ᩝ ờ㎮ᑚ ᩝ 䛊䜄㻃䛐㻃 䛝䜍䛌 ᖲ⏛୯ ᑹᑚ がわ 川 ኬ⸥ኬᶣ ᩝ 䜕 㻃 㻃 㻃 䛴 㻃 䛌 䛧䛧䜋䛌 ኣ䚭ⰹ䚭㍧䚭୯ ᮶㒂୯ ⩒ᓞᕰ ኬ⸥ᑚ 䜕㻃㻃㻃䛴㻃㻃䛌䛧㻃㻃䛧䜍䛌 㻜 ᇷᑚ ᑚ ᑚ ᩝ 䛐䛐䜊䛼䛝䜍䛌 ㍧හ⏣ 揖 斐 川 ᩝ 良 川 ⚗ 䚭 ᮨኬ 䚭 䚭䚭 䚭䚭ᶣ 䜽䝡䞀䝈䝛䝭䜺㣬⩹ 五ご 三 㻔㻖 川 ⩒ᓞ㻬㻑㻦 ⩒ᓞ㻬㻑㻦 ⅪỜᶣ ⅪỜ㥈 ㍧୯ላ 䛑䛊㻃㻃䛫㻃㻃㻃㻃䛝 ᑹᶣ ཬờ ྚ㔓ᑚ 木 曽 川 がわ 㧏䚭㡪䚭㍧䚭୯ 14 ᩝ 䜎䛝䛛䛮䛝䜍䛌 そ 㥎㔕ᶣ 䛝 䜓 䜊 䜄䛝䜍䛌 ᇖᒜᑚ ᩝ 㻔㻙 き 䚭䚭䚭䚭㐠 տ 吭吚 呒 㻃㻃㻃吸吝 吚呌 吮呝 叽 䚭㻃㕪 写真⑨、⑩、⑪(提供:大垣輪中研究会) 叽㧏ᰏ 㔡ṹ 㻔㻘 ⩹ ᾇᕰ 6 伝統的防災施設から学ぶこと でんとうてきぼうさい し せつ わたし ■昔の人は私たちにどのようなことを伝えているのでしょうか? さいがい ・それは、災害から身を守るために自分自身や家族を守り、人々が共に 助け合って行動することが大切だということです。 霞堤から学ぶこと ā川の洪水から私たちのまちや かり 下流で大きな 浸水被害を起こさない 暮らしを守るために、霞堤があ 上流で仮に水があふれても霞 ゆうすい く いき しんすい ひ がい 遊水区域 やくわり 堤が堤防の役割を果たして、 もど あふれた水を本川に戻します る地域では、もし堤防から水が 霞堤 あふれたとしても堤防が開いた ほんてい 本堤 ところから川に戻 すことによ 本堤 本堤 霞堤 り、大きな被害から逃れること 遊水区域 ができました。 また、上流の霞堤のある地域 に水を入り込ませることで、下 流の地域の洪水被害を減らして 昔は遊水区域が 水につかることをよく知っていたため、 そこに自分たちの家をつくることは きました。 なかったよ。 ■私たちはこれからどのようなことに気をつけていけばよいでしょうか? ・霞堤の遊水区域は、洪水で川の水位が高くなると水につかる場所です。 き けん ・霞堤の遊水区域に家や工場などを建てることはとても危険です。 ひか ・霞堤の考え方を知って、遊水区域の利用を控えましょう。 㐗Ề༇ Ề༇ᇡ ᇡහࡡ හࡡᘋ ᘋ ∸ 建物が建つと 水につかるだけでなく、 ᮇላ㻃 霞堤の効果が小さくなったり、 なくなったりしちゃうね。 霞堤の本当の役割を忘れちゃ 㐗Ề༇ᇡ 㟐ላ いけないよね。 15 㻃 㻃 䛑䛊䛙䛌㻃㻃㻃䛼 㟐ላ㛜ཾ 㟐ላ㛜 ཾ㒂㻃 輪中堤から学ぶこと ā 輪中地域では洪水から集 落 や農地を守るために、 (「自ら守ること」と「互いに助け合うこ 「自助共助」 と」)を大切にしました。毎日の暮らしの中で自分た ちでできる「水 害の備 え」や共 同 で土 のうを積 むな どの「水防活動」を行ってきました。 土のうを積む水防訓練のようす(安八郡輪之内町・提供:輪之内町) ᆾෂɈၙɣȱɅɉĂ ȞȱȦȧ ಒɬȩಓə௫Ȭɀ८ɀȹ əȴ ɞ ĶݎķɞĂݎɬ૩ȹɄȞ༔მȦ Ɍ Ʉɭ ȲɡɛȞȺɭ ɃȠ Ȫ ྤȱȹĶჩඡķĂྤັइɂȱɀɈ Ȝ ɐɇ Ķ௫ȬୖķɄɃĂȞɧȞɧɄబɬଳɥ ྩȢȦȜȽȹɭȺɢă 水屋(安八郡輪之内 助命壇(海津市海津 上げ舟・大垣市輪中 生 活 館 町四郷) (大垣市入方) 町本阿弥新田) ࠷ࡦࢂ ࡼࢂ ᥤᩣᕖ げんさいたいさく ■洪水被害を大きくしないための「減災対策 ※」 㛏Ⰳᕖ ࡱࡀࢂࡋࡸ࠹ ∶㍧୯ しんすい ・輪中堤は、洪水をくい止めて浸水被害が大きくならないよう にする役割を持っています。 こわ ・また洪水により堤防を壊して入ってきた水を、いざという時 には輪中堤でくい止めます。 ࡨࡂࡘ࠾ࢂࡋࡸ࠹࡙࠷ࠈࠈࡋࡸࡿࢆ࠹࡙࠷ ⚗ᮨ㍧୯ላ㸝༎㏻ᆎላ㸞 輪中堤でくい止められた洪水はんらん(安八郡 ※減災とは、災害時に起こりうる被害が、できる限り小さくなるようにするための取り組み。 安八町・昭和 51 年 9 月・提供:大垣市輪中館) ■その他の役割 げんざい ・輪中堤は、現在道路などとして使われています。 輪中堤は災害時、 使えなくなった道路の代わりとなったり、 浸水した人たちの避難場所となるのよ。 散策路として利用されている古大垣輪中堤 普段は散策ができるなど、 (安八郡神戸町) 私たちの憩いの場となっているわ。 すいぼうそう こ 水防倉庫 ■洪水に備えて輪中堤の管理を地域で協力して行うことが大切です。 こう さ かいこう ・一方で、輪中堤が道路と交差するところには、部分的な開口 ぶ と ふせ 部があります。洪水時には開口部を閉じて、洪水の浸入を防 りっ 洪水による浸水 陸こう 道路 輪中堤 し せつ ぐ「陸こう」という施設があります。 輪中堤と陸こう イメージ 陸こうは道路管理者と地域の 水防団が一緒になって開閉しているんだ。 陸こうを閉める水 洪水時に、より早く閉めるには ũᆌȭȠ 地域の人たちの協力が必要なんだよ。 防訓練のようす (大垣市十六町・提 供:十六町自治会) 16 でんとうてきぼうさい し せつ 伝統的防災施設について自分で調べてみよう ・このページは、伝統的防災施設や水害について、自分で撮った写真を貼ったり、聞いてなるほどと思っ たことなど、自分で調べたことを書き込みましょう。 17 ā 地 球 温 暖化 の影 響 により、水 害の危 険 度 が大きく なっています。 このため堤防を新たにつくるだけでなく、霞堤や輪 中堤のような伝統的防災施設を活用することが求めら れています。 そのためにはこれらの伝統的防災施設を守り、次の 時代に引き継ぐことが重要です。 表紙写真:多芸輪中の洪水のようす ( 養老郡養老町・昭和 34 年 8 月・撮影:河合孝 ) ぎ ふ けん けん ど せい び ぶ か せん か 岐阜県 県土整備部 河川課 〒 500-8570 岐阜市薮田南 2 丁目 1 番 1 号 TEL 058-272-1111(代表)FAX 058-278-2753 河川課ホームページ http://www.pref.gifu.lg.jp/kendo/michi-kawa-sabo/kasen/ このパンフレットは、 「岐阜県伝統的防災施設継承委員会」のご助言をいただきながら作成したものです。 (平成 25 年 3 月作成版)