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クリーンコール技術セッション CO2 石油増進回収法で加速される クリーン・コール・テク
NEDO FORUM クリーンコール技術セッション CO2 石油増進回収法で加速される クリーン・コール・テクノロジー 2015年 2月13日 © 2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 目次 1. 2. 3. 4. クリーンコール技術におけるCO2 EORの重要性 米国における商用CO2 EORの実施状況 東南アジアにおけるCO2 EOR市場拡大の可能性 MHI/MHPSが手掛けるクリーンコールプロジェクト 石炭ガス化複合発電(IGCC)プロジェクト (日本) クリーンコールプロジェクト (米国) 石炭ガス化 + CO2 EORプロジェクト (インドネシア) 5. 結論 / 今後の課題と展開 © 2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 1 クリーンコール技術におけるCO2 EORの重要性 石炭焚き発電所からの排出CO2削減は世界各国の政府及び 産業分野において最重要課題の一つである。 クリーンコール技術開発には多大な予算が投じられてきた が、CO2削減に関する方策(環境規制・炭素税・クレジット 制度等)の不確かさがその投資決定の障害となっている。 現状は、CO2 EORによる収益及びクリーンコール技術に対 する民間投資が不足している状況 CCS実施時の収益確保の制度が確立するまでは、CO2 EORが クリーンコール技術商用化に向けてのキーとなると考える。 © 2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 2 米国における商用CO2 EORの実施状況 2013年までに、1.2 Billion BLL以上の原油がCO2 EORにより増産された。 これは石油業界にとって約 US$ 90 Billion (@ $75/BLL)の追加収益。 (但し、クリーン コール技術への投資のために有効活用されていない。発電業界への還元は無し。) CO2 EORによる米国での回収可能原油量は50 Billion BLL以上と推定。 • 地中からの“天然”由来 CO2源 (緑丸印;●) • パイプライン(黒線)業者は US$30/tonでCO2を購入 • CO2回収による“工業”由来 CO2は、天然由来CO2に対し て価格競争力劣る • 石油業界はCO2を購入してい るが、原油増産収益をCO2回 収コストへの還元のための投 資は無し © 2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 3 東南アジアにおけるCO2 EOR市場拡大の可能性 東南アジアでのCO2 EOR事業可能性の検討は未実施。 2013年にADB(アジア開発銀行)が“Prospects for CCS in South East Asia”を発表。 1. CO2 EOR適用可能性の高い油田/ガス田を多く存在するので、それらフィールドへの貯留 がCO2対策の最も有効な方法である。 2. 全143の油田の中から選定された113の対象油田におけるCO2貯留可能総量は約3,900 Million Tonと推定。 国 評価対象油田数 推定CO2貯留可能量 備考 インドネシア 55 900 M Ton 直ちにCO2 EOR適用が可能 タイ 41 1,400 M ton 直ちにCO2 EOR適用が可能 フィリピン ベトナム 計 3 300 M Ton 14 1,300 M Ton 113 油田 3,900 M Ton 2024年まで枯渇油田なし 直ちにCO2 EOR適用が可能 CO2 EORの実施経験のない東南アジアの産油企業にとっては、その商業化に向 けた協議の前に事前検証が必要との認識。 → CO2 EOR商業化に向けた実現可能性調査(FS)及びパイロット・実証試験等の 実施が急務。 © 2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 4 石炭ガス化複合発電(IGCC)プロジェクト (日本) 日本におけるIGCCプロジェクト 250 MW IGCC @ 勿来(常磐共同火 力) (実証及び商業プラント) • NEDO委託事業による空気吹きIGCCパ イロットプラント開発(200TPD) • 2007年 ~ 2013年に実証試験実施 • 2013年以降は商用運転継続中 166 MW 大崎クールジェンプロジェクト 東京電力 福島IGCCプロジェクト <2020年以降 (2020s~) : 運転開始予定> @ 勿来・広野 • METI補助による高効率酸素吹きIGCC実 証試験 • 2017年より実証試験開始予定 540 MW IGCC @ 勿来・広野 • 2020年以降に運転開始予定 大崎クールジェンプロジェクト <2017年 : 実証試験開始予定> © 2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 常磐共同発電所 勿来 #10 <2007年 ~ 2013年 : 実証試験実施> <2013年 ~ : 商用運転> 5 MHI/MHPS クリーンコールプロジェクト (米国) HECA IGCC + CO2 EORプロ ジェクト @ ベーカーズフィールド, カリフォルニア州 • US DOE資金 $400 M • 2011年にNEDO委託によるガス化 試験&FSを実施 • 2012年にFEED完了 • CO2引取り白紙によりプロジェクト保 留 120 ton/day CO2回収試験設備 @ シャンド発電所, カナダ • MHPS / SaskPower共同による CO2回収試験設備 • 試験期間 : 2012 ~ 2016年 クリーンコールショーケースプロジェクト @ オクラホマ州 別資料を参照 実証プラント • 排ガスCO2回収 • 石炭改質 @ バリー発電所, アラバマ州 • MHI / サザンカンパニー共同による 500 ton/day CO2回収実証 50 ton/Day 石炭改質実証 商用CO2回収プラント @ パリッシュ, テキサス州 4,776 Ton/day 2016年運転開始 別資料を参照 © 2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 6 MHI 排ガスからのCO2回収プロジェクト MHIは日本-米国共同CO2 EORプロジェクトとして、石炭焚き発電所 排ガスからの世界最大のCO2回収プラントを2014年に受注。 CO2吸収塔 再生塔 排ガス冷却塔 排ガスダクト 冷水塔 CO2コンプレッサー •構成 : CO2回収 + EOR •概要 : NRGエナジー社 & JXグループに よる共同プロジェクト。 •US DOE及びJBIC出資により実施。 •顧客 : ペトラノヴァCCS社 •プラント建設地 : NRGパリッシュ発電所, テキサス州 •CO2回収量 : 4,776 メトリック トン/日 •CO2回収プロセス : MHI KM CDRプロセス •CO2吸収液 : KS-1 •運転開始 : 2016年 • CO2 EORによる原油増産収益によって、プロジェクト事業費回収を図る。 © 2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 7 クリーンコールショーケースプロジェクト (米国) NEDO委託及びUS DOE出資により、新環境規制への対策を目的として、オクラホマ州の540MW既設石炭焚き 発電所にて複合クリーンコール技術に関するFS検討を実施中。(~2015年6月) 米国の石炭焚き発電所は、CO2排出のみならずその他の大気(Hg, NOx, SOx)及び排水(無排水システム)における 環境規制値を遵守する必要あり。 MHI/MHPSは複合・最適化システムの為のワンストップソリューションの提供が可能。 脱硝 HES (熱回収 + 除塵) 脱硫 CO2回収 & 圧縮 主要技術 石炭改質 既設ユニット - CO2回収システム CO2 EORシステム 石炭改質システム 無排水システム 原油増産による収益がプロ ジェクト経済性成立のカギ © 2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 8 MHI/MHPS インドネシア SNG + CO2 EORプロジェクト SNGプロジェクト (スマトラ島南部) • MHI石炭ガス化技術により、 低品位炭(含水率45%)から 150 MMSCF/日の合成天然 ガスを製造。 • 2013年にNEDO委託により 石炭ガス化試験及びFSを実施 し、技術面・商用面において プロジェクト実現性を確認済。 • しかし、CO2排出に関するイ ンドネシア国内政策が未決の 為、プロジェクト保留状態。 CO2 EOR実証プロジェクト (スマトラ島南部) • • • スマトラ島南部でのPERTAMINAとMHI共同によるCO2 EOR実証プロジェクトのMOUを締結。 (2014年10月) CO2 EOR実証だけでなく、EORへのCO2供給源としてSNGプロジェクトとの一体化開発を実施。 スマトラ島南部は低品位炭鉱・既設天然ガスパイプライン・枯渇油田が同域に存在する為、プロ ジェクト実施場所として最適。 © 2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 9 結論 / 今後の課題と展開 • NEDO殿からご支援いただき、日本のクリーンコール技術は実証 済みであり、商用化可能段階にある。 • 今後の課題 • • 日本と異なり、エネルギーコストの安い国においては、CO2排出規制無くし ては、高コスト(CAPEX&OPEX)を伴うCCS付石炭火力の経済性成立が困難。 クリーンコール技術への投資回収の為に、CO2 EORによる原油増産収益を活 用する必要あり。 • 今後の展開 • • • 昨今の石油価格の大幅下落で、更なるコストダウン/性能改善が必須。 → NEDOの開発した低コストCO2回収技術等の最新技術の適用も検討 してコストダウン/ 性能改善を検討したい。 商用規模のCO2 EOR実証プラント実施には多大な建設コストがかかる。 → 低炭素社会構築に向けた大規模CO2 EOR実証の為には政府間合意に基づく 支援が必要。 (各CO2 EORプロジェクトへの民間単独投資は投資リスクが 高い) NEDO殿ご支援を得て実施中の、米国クリーンコールショーケースプロジェ クト及びインドネシアSNG + CO2 EORプロジェクトを通じて、クリーンコール 技術商用化に必要な、“具体的ビジネスモデル構築”並びに“コスト・性能改 善ターゲットの定量化”を目指す。 © 2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 10