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卸電力取引所の在り方(PDF形式:13.9KB)

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卸電力取引所の在り方(PDF形式:13.9KB)
卸電力取引所の在り方
(取引所運営の中立性確保と市場の流動性)
第3回市場環境整備WG資料
1.考えられるオプション
(1)取引所運営主体として考えられる主体とその評価
取引所運営主体
評価
備考
1事業者の持株比率を制限す ○ 株式会社方式を採用することから資金調達が容易であ
る株式会社(出資制限)
る。
○ 設立時の持株比率を適正に割り振り、株式会社の定款に
おいて、株式譲渡制限等を行う等の方途により、意思決
定メカニズムにおける中立性の担保は可能ともいえる
が、定款は株主総会を通じて変更可能であることを踏ま
えると、株式会社が運営主体となる場合には、運営主体
の中立性を確保するために法的措置を講じる等の対応が
求められる。
○ 他方、法的措置を講ずることになると市場運営や商品設
計面等での柔軟性を損なうおそれがある。
○ 仮に法的措置を講ぜず、事実上設立される場合には、中
立性の担保が不十分となり市場参加者からの信頼が得ら
れない一方、競争当局からも設立段階以降、取引所とし
て活動を続ける限り、常時厳格な監視の対象とされ、独
禁法上のリスクを過度に内包し続けることとなる。
中立的法人
○議決権について定款で任意に定めることが可能である場
合には、上記出資制限と同様に法的措置等が求められ、
また事実上設立された場合には設立以降独禁法上のリス
クを内包し続ける。
○法律上指定される中立法人により取引所が運営される場
1
我が国の「取引所」は、先物取
引を扱う等の理由から、通常、
法定化されているが、その中で
運営主体の中立性を担保するた
めに、①「取引所」を「非営利
の会員組織」と規定する(商品
取引所法等)、②株式会社形態の
場合には特定事業者の出資比率
を一定以下に抑制することを法
定化(証券取引法)する、と
いった形での対応が取られてい
る。
複数の取引所が存在する場合に
中立機関が各取引所との関係を
公平に扱い、取引所と系統ルー
ルとの整合性を図ることが求め
られる。
合には、中立的運営の確保のために追加的な法的措置を
講ずる必要はない。
○この場合、中立性が法的に担保された組織により担われ
るため、ルールの実施が競争当局から常時監視されると
いうことにはならない。
(2)初期流動性の確保
確保策
行政コスト
信用度(社会的納得感)
法規制
適正な流動性の算定、達成状況の審査等 行政自ら流動性の適正水準を規定し、その履行状況を
に相当の行政コストを要する。
審査することから流動性の確保に対する社会的信用は
高い。
コミットメントの公表と 流動性の水準については事業者のコミッ コミットされた水準が適正であることを確保し得る
事後的検証
トに委ねる分行政コストは軽減される。 か。他方、コミットされた水準の履行について、国又
検証作業を行政が行えば、なお、達成状 は中立的な市場運営主体が統計値の公表等を通じて社
況のチェックに一定の行政コストがかか 会的信用度を確保することが可能。社会的信用度は、
るが、検証作業を中立的な市場運営主体 市場運営主体の中立的性格に依存する。
に委ねることとすれば、行政コストは当
該機関の中立性のチェックのみで足り
る。
自主的なコミット
行政コストは発生しない。
コミットされた水準が適正であること、コミットされ
た水準が履行されたことを制度的に保証する仕組みが
ともに存在しないため、社会的信用について疑念。
2.第1回WGでの議論
(1)取引所運営の中立性
○中立性を確保することは重要。
○株式会社方式とした場合に中立性を保てるのか疑問。
2
○株式会社方式とした場合、出資額の多寡によって中立性が損なわれる余地の無い仕組みを作るべき。
○中立機関と取引所が同じ組織の場合には、中立機関の決定に偏りが生じるのではないか。複数の取引所が存在する場合、中立
機関が運営主体となる取引所と、そうではない取引所の関係を検討すべきではないか。中立機関と取引所が別に存在しても、
現在の情報技術を駆使すれば、技術的にはどちらでもかまわない。
取引所運営に中立性が求められることについては概ね意見は一致したが、これを具体的に実現する方法を巡り見解の相違がみ
られた。
(2)流動性の確保
○取引所の健全な発達のためには流動性(市場の厚み)が必要。
○強制的な一定量の玉だしも必要。
○電力の特性から、ピーク時の売り惜しみによる市場支配力の行使を懸念。
○一般電気事業者に対する一定規模の電力拠出義務には疑問。
○稼働させていない非効率な電源を稼働させることは国民経済的に好ましくない。
取引所創設時にクリティカル・マスとなるボリュームの流動性が必要な点では、概ね意見は一致したがその達成方法を巡り見
解の相違がみられた。
(3)その他概ね合意が見られた事項
スポット市場
取引の匿名性の担保
先渡市場
成約後の顕名性の担保
3
値決め方式:1価格・1オークション制
ザラ場等
系統成約発生時には市場分断方式(マーケット・スプ
リッティング方式)による調整
取引所による信用リスクの担保
取引当事者間の信用管理
参入制限的とはならない手数料水準
参入制限的とはならない手数料水準
参加者のニーズに対応した商品設計
(例)
①kW型商品の提供(常時バックアップ的メニューの創
設)
②負荷率、需給を適正に評価したkWh型商品
③1年、半年、3か月、1か月等きめ細かな期間設定
等
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