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参考資料1 - 経済産業省

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参考資料1 - 経済産業省
参考資料1
諸外国における営業秘密管理について
平成21年10月30日
事
務
局
Ⅰ.アメリカ
(1)概観
米国連邦法上、営業秘密の要件を定めた法令としては、連邦経済スパイ法
(Economic Espionage Act of 1996)がある(刑事)。また、多くの州は、1979
年に作成された統一営業秘密法(Uniform Trade Secrets Act) をモデルに州法
を制定しており、同法の営業秘密の定義が多くの州法で採用されているところ
である(民事)。また、法令ではないが、コモンロー(common law)の集大成
であるリステイトメント(restatement)1にも営業秘密を定義する条項があり、
複数の州は、1993 年に策定された第三次リステイトメント(Restatement of the
Law Third, Unfair Competition 1993)等の定義に従って州法を定めている。
(2)営業秘密の定義
営業秘密侵害に係る民事上の措置については、1979 年に州統一法委員会全国
会議(National Conference of Commissioners on Uniform State Laws)が、模範
法としての統一州法案として、統一営業秘密法を作成し、州ごとに多少の修正
が加えられた上で、現在までの間に、カリフォルニア州などの 46 州により採択
されている。
統一営業秘密法における「営業秘密」の定義については、同法 1 条 4 項によ
り、「営業秘密とは、製法(formula)、雛形(pattern)、編集物(compilation)、
プログラム(program)
、装置(device)、方法(method)、技術(technique)又
はプロセス(process)を含み、以下の情報を意味する。
(ⅰ)その開示又は使用によって経済的価値を得ることのできる他の者に、一般に
知られておらず、かつ適切な手段によっては容易に解明されないことによ
り、現実の又は潜在的な独立の経済的価値が得られるもの。
(ⅱ)秘密性の保持のために、当該状況の下において合理的な努力の対象となって
いるもの。」
1
リステイトメントとは、契約、代理、信託、不法行為等、米国法の主要分野のうち判例を中
心に発達した諸領域をとりあげ、それぞれの分野における過去の膨大な裁判例により示され
た準則をアメリカ法律協会(The American Law Institute)が条文的に整理して記述したもの
であり、法源としての拘束力はないが、実際には当事者により、また裁判所によってしばし
ば引用され、間接的にではあるが米国法の統一に一定の役割を果たしている。
1
と規定されており、①非公知性、②独立した経済的価値、③秘密性保持のため
に当該状況の下において合理的な努力の対象となっている、という 3 要件が要
求されている。
次に、刑事については、情報化・デジタル化の進展とともに物理的な侵害行
為を伴わない形での営業秘密の侵奪が容易になったこと等を背景に、1996 年に
連邦経済スパイ法が制定された。
同法においては、行為者が外国政府等を利することを知って営業秘密を窃取
したり、正当な権限なく複製を作成、あるいは媒体を持出したりする行為等や、
それ以外の図利加害目的でなされた窃取等の行為が刑事罰の対象となる(同法
1831 条、1832 条)。
また、同法は、「営業秘密」の定義として、「営業秘密とは、全ての形式、種
類の金融、商業、科学、技術、経済、あるいは工学情報で、有体物であるか無
体物であるかを問わず、また、物理的、電子的、図形的、写真的、あるいは書
面により、貯蔵、編集、あるいは記憶化されているかどうか、又はその方法に
関係なく、図案、計画、編集物、プログラム・デバイス、公式、デザイン、プ
ロトタイプ、手法、技巧、プロセス、手続、プログラム、あるいはコードを含
むものであり、以下の場合に該当する必要がある。
(A) その所有者がかかる情報を秘密にしておくために、合理的な手段を講じて
いる場合。
(B) 情報が、社会には一般に知らせていないもので、かつ既に突き止められて
いないものから、適切な手段を通じて、現実的であれ、潜在的であれ独立し
た経済的価値を引き出している場合」(同法 1839 条 3 号)
として、①秘密性維持のための合理的措置、②独立した経済的価値、③非公知
性、の 3 要件を規定している。
(3)秘密性維持のための合理的措置の要件について
(2)で述べた経済スパイ法の「秘密性維持のための合理的措置」の要件は、
日本の「秘密管理性」の要件に相当するものであると考えられるが、これは完
璧な秘密管理措置である必要はなく、個別の事案のもとで合理的であれば足り
るものと解されており、この点は統一営業秘密法の「秘密性の保持のために、
当該状況の下において合理的な努力の対象となっている」という要件において
も同様であると解されている。
具体的には、ライセンシー、取引相手等の第三者に、限られた目的で開示し
た場合には、秘密保持契約の締結を全ての情報受領者に要求するなど、開示前
又はその期間中に合理的な秘密管理措置がとられていれば、営業秘密性を失わ
ないものとされている。
2
この点に関し、統一営業秘密法に係る裁判例として、①図面を貴重品保管室
で保管し、図面にアクセスすることが許されるのは身分証明書を有した従業員
のみで、これらの従業員は図面の頒布や開示しないことを約する契約書に署名
し、持ち出す場合には用途終了後に元に戻す必要があり、下請業者に製造を依
頼する場合には、用務終了後に図面を返却させる契約書を締結していたが、下
請業者においては部品を再注文する際に再度図面が必要となることから、その
返却が強制されておらず、図面が相当数流布している状況にあったという事案
で、会社が図面へのアクセスをより制限した場合には、下請業者は仕事を進め
るのがより困難となったであろうことから、会社がより高いレベルの予防策を
講じることが可能であったとしても、そのような過大な保護措置をとらない限
り営業秘密として保護されないとすれば企業の開発に対する投資意欲を損なう
ことになるとして、営業秘密性を否定した事実審を差し戻した事件2や、第一次
不法行為法リステイトメント下の裁判例として、②原告会社の工場が建設中で
あったため、空中から工場内を見ると同社のメタノールの製造方法が判明して
しまう状況であったところ、第三者から依頼を受けた被告が空中からプラント
工場の航空写真を撮り、当該写真を第三者に引き渡したという事案で、営業秘
密を空撮することは営業秘密の不正取得に該当するとした上で、そもそも不正
な行為から営業秘密を守るために当事者に過大な予防措置を講じさせるべきで
はないことから、原告会社に対して工場の建設中に屋根を設置させることは、
子どものいたずらを防ぐために巨額の出費を投じさせるようなものであり、妥
当ではないと判示した事件3等が存在する。
Ⅱ.イギリス
(1)概観
英国においては、営業秘密についての制定法が存在しないことから、営業秘
密性が認められるための要件は、法令上は定められていないが、コモンロー
(common law)上の秘密保持義務違反(breach of confidence)の法理により、
一定の場合に、秘密情報を取得した者が衡平法上の秘密保持義務(equitable duty
of confidence)を負うことになり、営業秘密を含む秘密情報の漏洩について、
民事責任が生じうることとなる。
他方、営業秘密侵害の刑事責任については、2006 年に立法された詐欺法
(Fraud Act 2006)により、他人の金銭的利益を保護し、又はこれに相反しない
ことを期待される地位にある者が、不誠実にその地位を濫用することによって、
2
Rockwell Graphic Systems, Inc. v. DEV Industries, Inc., and Robert Fleck, 925 F.2d 174 (7th
Cor. 1990)
3
E.I. DuPont deNemours & Co., Inc. v. Rolfe Christopher et al., 431 F. 2d 1012 (5th Cir. 1970)
3
自己又は第三者の利益を図り、又は他人に損害を生じさせ、若しくは損害を生
じさせるおそれにさらす行為が、
「地位の濫用(abuse of position)
」として、刑
4
事責任の対象となる 。
(2)秘密保持義務違反の法理により保護される要件について
英国では、アメリカのように営業秘密としての独自の明確な概念は判例法上
形成されておらず、商業上、技術上の情報だけでなく、個人の生活上の情報や
社会・政治に関する情報等をも含む、より広く多様な概念である秘密情報
(confidential information)の一部として、その保護が図られてきたということ
ができる。そして、そのような秘密情報がコモンロー上の秘密保持義務違反の
法理(民事)によって保護されるためには、Coco v A.H. Clark (Engineering)
Ltd.事件5以来、①当該情報自体が秘密に必要な性質(秘密性)を有しているこ
と、②当該情報が秘密保持義務を生じさせる事情のもとで伝達されること、③
当該情報の伝達者に損害をもたらすような無権限の利用があること、の 3 つの
要件を充たしていることが必要であるものとされている。
(3)秘密性の要件について(民事)
(2)で述べた秘密保持義務違反が成立するための要件のうち、①の秘密性
の要件については、Thomas Marshall (Exports) Ltd v Guinle 事件6以降、以下の
基準が用いられている。
(a)当該情報の開示が、情報の保有者を害するか又は競合者等にとって有利にな
ると保有者が確信していること。
(b)当該情報が依然として秘密である(公知になっていない)と保有者が確信し
ていること。
(c)上記 2 点に関する保有者の確信が合理的であること。
(d)関連する特定の産業又は取引の慣行に照らして、当該情報が秘密情報として
保護されるべきものであると判断されること。
このように英国では、秘密情報又は営業秘密として保護されるためには、厳格
な意味での秘密管理性までは要求されていない。
4
なお、現時点においては、営業秘密の侵害行為が同法に違反するものとして有罪とされた裁
判例は確認されていない。
5
Coco v A.H. Clark (Engineering) Ltd. [1969] R.P.C. 41, Judge Megarry, J. para 11
6
Thomas Marshall (Exports) Ltd v Guinle [1979] Ch 227, [1978] IRLR 174, [1978] ICR 905
4
Ⅲ.ドイツ
(1)概観
ドイツにおいては、不正に営業秘密を侵害する行為には、不法行為に基づい
て損害賠償責任が生じうるほか(民法 823 条 2 項)、不正競争防止法(Gesetz
gegen den unlauteren Wettbewerb、UWG、以下「不競法」とする。)3 条の要
件を充たす限りにおいて、差止請求の対象にもなりうるものとされている(不
競法 8 条)。
他方、刑事責任については、競争の目的や事業主に損害を加える意図をもっ
て、複製の作成や媒体の取得等の一定の手段で業務秘密(Geschäftsgeheimnis)
又は企業秘密(Betriebsgeheimnis)を無権限で入手する行為や、不正に入手し
た業務秘密又は企業秘密を使用・開示する行為等が刑事罰の対象となる(不競
法 17 条 2 項、4 項)。
(2)営業秘密の要件
(1)で述べた不正競争防止法上の「業務秘密」とは、企業の商業上の観点
に関係する情報(例えば、顧客データ、納入業者データ、計算書類、契約書類)
であり、他方、
「企業秘密」は、技術的領域に関係する情報(例えば、設計計画、
製造方法)をいうものとされているが、保護上の違いはないため、厳密な区別
の必要性等はないと解されており、「営業秘密(Unternehmensgeheimnis)」は
その上位概念として捉えられている。
もっとも、不正競争防止法には営業秘密についての定義規定はなく、営業秘
密性の要件に関しては、裁判例によって、①事業関連性、②非公知性、③秘密
保持の意思、④秘密保持の利益、の 4 要件が必要であるとされており、通説も
これに従っている。
(3)秘密保持の意思について
(2)で述べた営業秘密の要件のうち、日本における秘密管理性の要件に相
当するものは、③の「秘密保持の意思」の要件であるものと解される。この意
思は明示的に表示されていなくてもよいが、外部に認識しうる程度には表明さ
れていなければならないものとされている。
また、秘密主体に秘匿の意思が必要であるということは、その主体が問題と
なった事実を知っているということまでを前提とするものではない。例えば、
ある職務発明について使用者が全く知らない場合であっても、彼がその発明を
知れば秘密として取り扱うであろうということから、秘密保持の意思が認めら
れうるものと解されている。
5
Ⅳ.フランス
(1)概観
フランスにおいては、企業の経営者若しくは従業者が、「製造上の秘密
(manufacturing secret)」を漏洩した場合、あるいは漏洩を試みる行為が刑事罰
の対象となる(労働法 L.152-7)。
(2)製造上の秘密の要件について
フランス破毀院(日本の最高裁判所に相当)によれば、
「製造上の秘密」とは、
「製造者によって使用された、実務的又は商業的に利益をもたらし、かつ、そ
れを知らない競争業者から秘密にされている製造方法」であるとされており、
大きく、①利益性、及び、②秘密性、の 2 つが要件とされているものと解され
る。
(3)秘密性の要件について
(2)で述べた「製造上の秘密」の 2 要件のうち、
「それを知らない競争業者
から秘密にされている」
(秘密性の要件)とは、当該秘密が特定の分野における
競業者に知られた要素の一部であってはならないこと7、及び、秘密の保有者が、
製造プロセスが公にならないように、従業者に秘密性の警告を行う等の必要な
手順を踏んでいることの両者を含む概念であると解されており8、フランスにお
いても日本の秘密管理性に相当する要件が要求されているということができる。
Ⅴ.中国
(1)概観
中国においては、窃盗や脅迫等の不正な手段による営業秘密の取得や、約定
等に違反する不正な使用・開示行為により被害を受けた事業者は、裁判所に損
害賠償の訴えを提起することができるとともに(反不正競争法 20 条)、監督検
査部門は違法行為の停止を命じなければならないものとされている(同法 25 条)
。
また、刑事については、それらの営業秘密侵害行為が刑事罰の対象とされて
いる(刑法 219 条 1 項)。
(2)営業秘密の要件について
中国において営業秘密性が認められるための要件としては、刑法において、
「公知ではなく、権利者に経済的な利益をもたらすことのでき、実用性を備え、
かつ権利者が秘密保持措置を講じている技術情報及び経営情報をいう」(同法
7
8
Court of Appeals of Paris, 18 November 1968.
Melvin F. Jager,’Trade Secrets Throughout the World’ (Thomson/West, 2005) p.14-6
6
219 条 3 項)と規定されており、これは、①非公知性、②実用性、③秘密保持
の措置、の 3 要件を必要としているものと解されている。
(3)秘密保持の措置の要件について
日本の秘密管理性に相当する要件であると考えられる「秘密保持の措置」の
要件については、「営業秘密侵害行為を禁止することに関する若干規定」(国家
工商局 1998 年)2 条 4 項において、
「『権利者が秘密保持措置を講じること』に
は、秘密保持協議の締結、秘密保持制度の確立及びその他合理的な秘密保持措
置を講じることが含まれる」と定められており、ここで合理的な秘密保持措置
とは、講じる措置がかかる営業秘密に対して適切であるということを指してい
るものと解されている。
また、刑法 219 条と同様の要件を定めている反不正競争法 10 条 3 項の「権利
者が秘密保持措置を講じていること」という要件につき、
「最高人民法院による
不正競争民事紛争案件の審理における法律適用の若干の問題に関する解釈9(意
見募集稿)」
(2005 年 11 月 18 日)20 条は、
「講じられた秘密保持措置が、合理
的・具体的かつ有効なものであると理解されなければならない。合理的といえ
るためには、その秘密保持措置が保護客体にとって適切であり、他人が窃盗・
買収・脅迫等の不正手段を使い又は約定に違反しない限りは取得が困難である
ことが必要である。具体的かつ有効とは、権利者の秘密保持措置が、守秘義務
を負う対象者に対し、相応の情報が秘匿を要する情報であることを認識させる
に足りることをいう」とするとともに、2007 年 2 月 1 日に施行された「不正競
争民事案件審理における法律適用の若干問題に関する解釈」
(最高人民法院)11
条は、次の状況の 1 つに該当する場合等には、権利者が機密保持措置を採ると
認定しなければならないとして、以下の 7 つの場合を例示している。
①機密に関わる情報を知る範囲を限定し、知る必要のある関連人員についての
み、その内容を告知する
②機密情報に関わる媒体に鍵を掛けるなどの防犯措置を採る
③機密情報に関わる媒体に機密保護のしるしをつける
④機密に関わる情報にパスワードやコードを採用する
⑤守秘契約を締結する
⑥秘密に関わる機械、工業、生産現場等の場所への来訪者を制限する、あるい
は守秘を要求する
⑦情報の機密を確保するその他合理的な措置がとられている
9
中国における司法解釈は、憲法上、全国人民代表大会に与えられた法律の解釈権について、
全人代の決議を受けて最高人民法院及びその部門等が行使するものであり、下級の人民法院
の判断を拘束する法的拘束力を有している。
7
Ⅵ.韓国
(1)概観
韓国においては、窃盗・欺罔・脅迫等の不正な手段で営業秘密を取得等する
行為について、営業秘密の保有者からの差止請求(不正競争防止及び営業秘密
保護に関する法律 10 条 1 項、以下「不競法」とする。)、廃棄・除去請求(同法
10 条 2 項)、損害賠償請求(同法 11 条)が認められている。
また、刑事においては、不正の利益を得る目的で、又は企業に損害を加える
目的で、その企業の有用な営業秘密を不正に取得ないし使用・開示する行為等
が刑事罰の対象となる(同法 18 条 1 項、2 項)。
(2)営業秘密の定義について
韓国における営業秘密の定義については、法律上、「公然と知られておらず、
独立の経済的価値を有し、相当な努力によって秘密として維持、管理されてい
る生産方法、販売方法その他営業活動に有用な技術上又は経営上の情報」
(不競
法 2 条 2 項)と定められており、日本とほぼ同様の、①非公知性、②独立的経
済性、③秘密管理性、の 3 要件が要求されている。
(3)秘密管理性の要件について
韓国において、
(2)で述べた営業秘密の 3 要件のうち、秘密管理性の要件が
どのように解されているかということについて、韓国の最高裁に当たる大法院
は、「「相当な努力により秘密として保持される」とは、その情報が秘密である
と認識することができる表示を付し、又は告知を行い、その情報にアクセスす
ることができる対象者若しくはアクセス方法を制限し、又はその情報にアクセ
スした者に対して守秘義務を負わせる等、客観的にその情報が秘密として保
持・管理されているという事実が認識可能な状態であることをいう」と判示し
ており10、日本と同様に、(a)アクセス制限の存在、(b)客観的認識可能性、の 2
つの要素が判断基準として挙げられている。
具体的には、日本の「営業秘密管理指針」に相当する韓国・特許庁作成の「営
業秘密保護ガイドブック 2005」
(別紙参照)において、
「当該情報の保有者が秘
密保持のために「相当な努力」をしなければならない。すなわち、営業秘密保
有者が主観的に秘密を保持しようという意識を持たなければならず、客観的に
第三者又は従業員が知ることができる方法により、秘密であることを表示し、
管理しなければならない」ものとされている。
そして、「相当な努力」の具体的例示としては、
(a)当該情報に秘密表示をし、アクセスすることができる者に対して、それが営
10
大法院 2008 年 7 月 10 日宣告 2008 ド 3435 判決
8
業秘密であるという事実を周知させている場合
(b)当該情報にアクセスすることができる者の数を制限し、アクセス者に対して
その情報を使用・公開することができないという趣旨の秘密遵守義務を負わ
せる場合
(c)当該情報に対するアクセスを空間的・物理的に制限する場合
等が挙げられている。
以上
9
別紙
「営業秘密保護ガイドブック 2005」(韓国)の項目一覧
I. 営業秘密保護制度の概要
1.営業秘密の概念
2.韓国の営業秘密保護制度の発展過程
3.営業秘密保護制度の目的
4.営業秘密の法的性格
II.営業秘密の定義
1.非公知性
2.独立した経済的価値
3.秘密管理性
4.情報性
III.営業秘密侵害行為の類型
1.不正取得行為に関する侵害行為
(1)営業秘密を不正取得・使用・公開する行為
(2)不正取得された営業秘密を悪意・重過失により取得・使用・公開する行
為
(3)善意取得後の悪意・重過失による使用・公開行為
2.不正公開行為に関連する侵害行為
(1)営業秘密を不正公開・使用する行為
(2)不正公開された営業秘密を悪意・重過失により取得・使用・公開する行
為
(3)善意取得後の悪意・重過失による使用・公開行為
IV.営業秘密の侵害行為に対する救済手段
1.民事的救済
(1)禁止及び予防請求権等
(2)損害賠償請求権
(3)信用回復請求権
2.営業秘密の善意取得者に対する特例
3.刑事的制裁
10
V.営業秘密の管理及び保護戦略
1.企業内部における管理・保護
(1)制度的装置
(2)人的管理
(3)物理的措置
2.産業スパイからの営業秘密の保護
(1)産業機密の流出類型
(2)産業スパイの識別要領
3.実施契約における留意事項
<付 録>
I.不正競争の防止及び営業秘密の保護に関する法律
II.営業秘密保護に関する会社社規(例示)
III.営業秘密に関する主要判例
11
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