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水戸市新観光基本計画(PDF形式:1173KB)
目 序章 第1 第2 第3 第1章 次 水戸市新観光基本計画の策定に当たって 計画策定の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 計画の位置付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 計画の期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 基本計画総論 第1 観光を取り巻く情勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 1 一般社会における観光の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・2 2 茨城県における観光の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 3 水戸市における観光の動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 (1)入込み観光客数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 (2)観光資源・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 (3)水戸徳川家に関わる観光資源・・・・・・・・・・・・・・・・8 (4)観光特産品・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 (5)祭り・イベント・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 (6)観光ルート・観光コース・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 (7)周辺市町村の主な観光施設・・・・・・・・・・・・・・・・・14 (8)アンケート調査の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 第2 観光振興の基本的考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 1 基本目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 2 キャッチフレーズ・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 3 基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 (1)人々が交流する賑わいのある観光まちづくり ・・・・・・・・・19 (2)恵まれた観光資源を生かした観光まちづくり・・・・・・・・・19 (3)広報・宣伝活動に力を入れた観光まちづくり ・・・・・・・・・20 (4)多様なセクターの連携による観光まちづくり ・・・・・・・・・20 (5)多様化する観光需要に対応した観光まちづくり・・・・・・・・20 4 基本施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 (1)既存観光地の魅力づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 (2)都市観光の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 (3)まつりやイベントの魅力アップ・・・・・・・・・・・・・・・22 (4)回遊できる観光地づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 (5)ホスピタリティの醸成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 (6)広報・宣伝活動の強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 (7)多様なセクターの観光面での連携強化・・・・・・・・・・・・ 23 (8)様々な観光需要への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 (9)料理・物産品等の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 5 主要事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 第2章 基本計画各論 第1 基本施策・主要事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29 1 既存観光地の魅力づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29 (1)「水戸 のロマンチックゾーン」の魅力づくり・・・・・・・・・・29 (2)偕楽園公園周辺の魅力づくり・・・・・・・・・・・・・・・・31 (3)備前堀周辺(備前堀,常照寺等)の魅力づく り・・・・・・・・ 32 (4)周辺観光スポット(植物公園,森林公園,七ツ洞公園,大串貝塚ふ れあい公園,六地蔵寺,大塚池公園,かたくりの里公園,くれふし の里古墳公園等)の魅力づくり ・・・・・・・・・・・・・・・33 2 都市観光の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 (1)「(仮称)水戸黄門ミュージアム」づくり・・・・・・・・・・・35 (2)弘道館周辺の魅力づくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 (3)水戸芸術館及び周辺の魅力づくり・・・・・・・・・・・・・・38 (4)歴史的建造物(近代建築物等)の保存と活用 ・・・・・・・・・39 (5)まちかど観光スポットづくり・・・・・・・・・・・・・・・・40 (6)中心市街地の 活性化と都市観光の充実・・・・・・・・・・・・41 3 まつりやイベントの魅力アップ・・・・・・・・・・・・・・・・43 (1)「水戸 の梅まつり」の魅力アップ・・・・・・・・・・・・・・・43 (2)「水戸 黄門まつり」の魅力アップ・・・・・・・・・・・・・・・44 (3)「水戸藩時代まつり」のリニューアル・・・・・・・・・・・・・45 (4)新たなイベントとまちとの融合・・・・・・・・・・・・・・・46 (5)各種祭り・イベントの魅力アップ及び支援充実 ・・・・・・・・47 4 回遊できる観光地づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49 (1)「水戸黄門」の市内漫遊ルートづくり・・・・・・・・・・・・・49 (2)偕楽園周辺の回遊ルートづくり(表門起点 )・・・・・・・・・・50 (3)観光スポット(水戸黄門関連以外)の回遊ルートの充実・・・・51 (4)便利で魅力ある観光交通手段づくり・・・・・・・・・・・・・52 (5)観光・文化施設の共通チケット設定・・・・・・・・・・・・・53 (6)観光誘導案内板等の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・55 5 ホスピタリティの醸成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56 (1)「水戸 黄門」等の郷土意識の高揚・・・・・・・・・・・・・・・56 (2)観光ホスピタリティの充実・・・・・・・・・・・・・・・・・57 (3)観光ボランティア(市民,企業,学生)の充実 ・・・・・・・・58 (4)「(仮称)水戸黄門観光賞」の創設 ・・・・・・・・・・・・・・59 (5)宿泊者に対する観光サービスの充実・・・・・・・・・・・・・59 6 広報・宣伝活動の強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60 (1)「水戸 黄門」を活用した統一的案内板づくり・・・・・・・・・・60 (2)観光に関わる優良デザイン(土産品パッケー ジ,観光情報誌等) の顕彰・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61 (3)「水戸黄門」ブランドを活用したPR・・・・・・・・・・・・・62 (4)観光案内所の魅力向上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63 (5)「水戸大使」の強化・充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・63 (6)旅行会社・マスコミ等への水戸のPR・・・・・・・・・・・・64 (7)観光PRにおけるIT化の推進・・・・・・・・・・・・・・・64 (8)水戸市全体での観光強化期間の設定・・・・・・・・・・・・・65 (9)「(仮称)水戸黄門倶楽部」の設立 ・・・・・・・・・・・・・・66 (10)観光マップ・観光ガイドブックのリニューアル・・・・・・・・66 7 多様なセクターの観光面での連携強化・・・・・・・・・・・・・68 (1)市民,事業者,行政等の連携強化・・・・・・・・・・・・・・68 (2)「水戸黄門」「水戸藩」等の広域観光ルートづくり・・・・・・・69 (3)「水戸八景」「新水戸八景」等の掘り起こし・・・・・・・・・・69 (4)周辺地域(市町村及び隣接県)との連携強化・・・・・・・・・71 (5)関連都市(姉妹都市,親善都市,歴史上つな がりのある都市等) との連携強化・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72 8 様々な観光需要への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74 (1)水戸の梅まつり時期の交通混雑緩和(水戸の入口での P&R等) ・75 (2)車社会への対応(駐車場需要への対応)・・・・・・・・・・・・76 (3)「水戸学」等の学術研究の観光面での活用・・・・・・・・・・・77 (4)コンベンション(会議・展示会等)活動の充実・・・・・・・・78 (5)スポーツイベントの観光面での活用(PR等)・・・・・・・・・79 (6)体験型観光への対応充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・80 (7)フィルムツーリズムへの対応充実・・・・・・・・・・・・・・81 (8)文化財の観光面での活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・82 (9)観光面でのユニバーサルデザイン化推進・・・・・・・・・・・83 (10)外国人観光客への対応充実・・・・・・・・・・・・・・・・・84 9 料理・物産品等の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・86 (1)伝統工芸品の保存及び活用・・・・・・・・・・・・・・・・・86 (2) 「水戸黄門」ブランドを活用した土産品の充実・・・・・・・・・87 (3)「(仮称)水戸料理」の開発研究・・・・・・・・・・・・・・・88 (4)土産品の品質向上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90 (5)郷土芸能の存続及び充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・91 (6)「発酵文化研究」の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92 第2 計画の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・93 付属資料 水戸市新観光基本計画策定経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・94 水戸市観光審議会諮問書・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・97 水戸市観光審議会中間答申書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・98 水戸市観光審議会答申書・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・99 水戸市観光審議会条例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100 水戸市観光審議会委員名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・101 アンケート調査結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・102 用語解説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・115 序 章 水戸市新観光基本計画の策定に当たって 第1 計画策定の趣旨 都市の魅力や活気を創出する上で,観光は重要なテーマの一つです。水戸市においても このことを認識し,平成7年度に「水戸市観光基本計画」を策定しました。以来,これを 指針として観光振興に取り組んでまいりましたが,策定から9年が経過し観光に対するニ ーズが高度化,多様化している今日においては,より魅力ある個性に富んだ観光施策の推 進が必要とされてきています。 これらのことを踏まえ,水戸市では新たに観光基本計画(本計画)の策定を行うことと なり,計画の策定に当たっては平成 14 年 10 月に水戸市観光審議会を設置しました。 水戸市観光審議会は,市長の諮問機関として,関係機関,団体の役員及び学識経験者に より組織されたもので,2年間に渡って審議会を開催し,水戸市の観光まちづくりのあり 方について審議を行ってきました。 また,水戸市民及びその他の地域の人々が水戸市の観光に対してどのようなイメージを 持っているかを明確にし,審議及び計画策定に際しての参考とするために,アンケート方 式による意向調査及びパブリックコメントを実施しました。 本計画は,意向調査の結果を参考にするとともに,水戸市観光審議会での審議内容の結 果を反映させ,水戸市第5次総合計画(平成 16 年度策定)との整合を図りながら策定した ものです。 第2 計画の位置付け この計画は,水戸市観光審議会での審議内容やアンケート調査の結果等を踏まえながら, 国,県の観光に関する計画及び「水戸市第5次総合計画」との整合性に留意し策定するも のとします。また,この計画は,今後,観光施策を計画的,総合的に実施していくための 指針となるものであり,予算の編成,本市の独自性や地域性を踏まえた具体的な事業の実 施に関する基本的な方針を明確にするものとして位置付けます。 第3 計画の期間 本計画の期間は,平成 17 年度から平成 26 年度までの 10 年間とします。 また,社会情勢や観光ニーズの変化に対応するため,必要に応じて見直しを行うことと します。 -1- 第 基 本 1 計 章 画 総 論 第1 1 観光を取り巻く情勢 一般社会における観光の動向 水戸市の今後の観光を考える上で,観光を取り巻く社会動向を認識しておく必要があり ます。観光を取り巻く主な社会動向としては,①旅行形態の変容,②観光地間競争の激化, ③都市型観光の隆盛,④外国人旅行客の増大,⑤観光における自然・環境の重視,⑥体験 型観光の増大などが挙げられます。 ■ 観光を取り巻く主な社会動向 ①旅行形態の変容 「みんな」から「個」へ(※団体旅行から個人旅行へ) ニーズの多様化・高度化 本物志向 高齢者観光需要の増加 ②観光地間競争の激化 観光地数の増加 海外旅行の普及 国内パック旅行の低廉化 ③都市型観光の隆盛 まちなかにおける新たな観光(文化,芸術,交流等) ④外国人旅行客の増大 日本の特性を活かした旅行 ⑤観光における自然・環境の重視 身近な観光資源の活用(フィッシング等) ⑥体験型観光の増大 「見る」観光から「体験する」 「学ぶ」観光へ(グリーンツーリズム等) 2 茨城県における観光の動向 「茨城県観光客動態調査」によると,茨城県への入り込み観光客は,ここ数年は 2,500 万人前後で推移していましたが,平成 14 年度には 2,820 万人と増加に転じました。これは, 平成 14 年3月にリニューアルオープンしたアクアワールド・大洗(大洗町)への入り込み が好調であったこと,夏期の天候に恵まれ海水浴客が増えたこと等が要因と考えられます。 市町村別の入り込み客数では,大洗町が第1位であり約 442 万人,次いで笠間市が約 324 万人で第2位,水戸市は約 288 万人で第3位となっています。 -2- ■ 茨城県における観光の動向 ①平成 14 年度の茨城県の観光客は 2,820 万人。その9割近くが日帰り客である。 ②旅行形態は,家族及び友人・知人のグループが8割以上で,団体は1割である。 ③季節別では,観梅やあんこう鍋ツアー等で賑わう冬期(1∼3月)の入り込みが一番 多く,次いで海洋レクリエーション客で賑わう夏期(7∼9月)の順となっている。 ④県外客の約7割が首都圏居住者である。 ⑤観光客の約8割が自家用車の利用者である。 ⑥観光客の平均消費額は,日帰り客が 4,100 円/人,宿泊客が 18,400 円/人。 表1−1 表1−2 茨城県の観光客入込状況 県内市町村の観光客入込数 上位 10 位 (単位:千人) 区分 平成7年度 平成8年度 平成9年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 総数 29,977 26,901 25,546 23,347 25,545 25,001 26,369 28,202 日帰り客 26,080 22,866 21,459 19,378 21,458 21,501 23,205 24,536 割合 87.0% 85.0% 84.0% 83.0% 84.0% 86.0% 88.0% 87.0% 宿泊客 3,897 4,035 4,087 3,969 4,087 3,500 3,164 3,666 (単位:人) 割合 13.0% 15.0% 16.0% 17.0% 16.0% 14.0% 12.0% 13.0% (観光客動態調査/茨城県) (人) 35,000 30,000 第1位 大洗町 4,422,200 第2位 笠間市 3,239,500 第3位 水戸市 2,883,700 第4位 つくば市 2,704,400 第5位 鹿嶋市 2,320,900 第6位 潮来市 2,227,300 第7位 ひたちなか市 1,687,100 第8位 日立市 1,523,000 第9位 北茨城市 1,098,700 第10位 大子町 1,076,900 25,000 20,000 総数 日帰り客 宿泊客 15,000 10,000 (観光客動態調査/茨城県) 5,000 平 成 1 4年 度 平 成 1 3年 度 平 成 1 2年 度 平 成 1 1年 度 平 成 1 0年 度 平 成 9年 度 平 成 8年 度 平 成 7年 度 0 図1−1茨城県の観光客入込状況(観光客動態調査/茨城県) 4500 4000 3666 3500 ︵ 1996 2115 1967 2880 2373 2431 1996 1720 ︶ 千 2500 人 2000 2908 2834 3000 1316 1500 1000 500 0 4月 図1−2 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 茨城県の月別観光客入込状況(平成 14 年度観光客動態調査/茨城県) -3- 3 水戸市における観光の動向 (1)入込み観光客数 平成 14 年度の水戸市の観光客入り込み状況は,全体で約 288 万人です。その内日帰り 客が9割を占めます。季節別の観光客の入り込み状況は,1∼3月の冬期が全体の8割近 くを占め,水戸の梅まつりの開催時期に観光客が集中しており,依然として通年型観光地 への発展が遂げられていない状況となっています。 表 1−3 水戸市の観光客入込状況(年度別) (単位:千人) 区分 平成7年度 平成8年度 平成9年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 総数 3,247 3,062 3,260 3,187 2,940 2,940 2,798 2,884 日帰り客 3,150 2,939 2,836 2,900 2,705 2,587 2,518 2,509 割合 97.0% 96.0% 87.0% 91.0% 92.0% 88.0% 90.0% 87.0% 宿泊客 97 123 424 287 235 353 280 375 割合 3.0% 4.0% 13.0% 9.0% 8.0% 12.0% 10.0% 13.0% (観光客動態調査/茨城県) (人) 3,500,000 3,000,000 2,500,000 総数 日帰り客 宿泊客 2,000,000 1,500,000 1,000,000 500,000 平 成 1 4年 度 平 成 1 3年 度 平 成 1 2年 度 平 成 1 1年 度 平 成 1 0年 度 平 成 9年 度 平 成 8年 度 図1−3 平 成 7年 度 0 水戸市の観光客入込状況(年度別) (観光客動態調査/茨城県) ︵ 1200 1038.4 1100 1000 900 720 800 700 千 600 人 439.9 500 400 300 200 73.3 86.9 75.7 90.6 96.8 98.4 56 60 47.7 100 0 4月 5月 6月 7月 8月 9月10月11月12月1月 2月 3月 ︶ 図1−4 水戸市の月別観光客入込状況 (平成 14 年度観光客動態調査/茨城県) -4- (2)観光資源 水戸市を代表する観光資源としては,偕楽園,弘道館,水戸芸術館,千波湖及び千波公 園等が挙げられます。市内には,この他に備前堀,水戸のロマンチックゾーン(保和苑及 び周辺地区),植物公園,森林公園等の観光資源があります。 なお,水戸市域を5つの地区に区分し,地区毎に観光資源の現状についてとりまとめる と次の通りです。 ■ 地区区分 ①中心市街地地区 ②偕楽園公園及び周辺地区 ③下市地区 ④水戸のロマンチックゾーン及び周辺地区 ⑤その他地区(郊外部) ①中心市街地地区 中心市街地地区における主な観光資源は次の通りです。 ■ 観光資源 ・水戸城跡(塁及び濠), 水戸城薬医門 ・弘道館,弘道館公園 ・水戸東武館 ・義公生誕の地,黄門神社 ・県三の丸庁舎,庁舎広場 ・常陽史料館 ・水戸彰考館跡 (大日本史編纂の地) ・水戸東照宮 ・水戸市立博物館 ・水戸芸術館 ・銀杏坂市民ギャラリー ・黄門さんおしゃべりパーク ・水戸市水道低区配水塔 ・藤田東湖生誕の地 ・常陽藝文センター ・旧川崎銀行 (現・東京三菱銀行) ・まちの駅みと ・納豆展示館 ②偕楽園公園及び周辺地区 偕楽園公園及び周辺地区における主な観光資源は次の通りです。 ■ 観光資源 ・偕楽園,偕楽園公園 ・彰考館,徳川博物館 ・笠原水道,水源 ・水戸八景「仙湖の暮雪」 ・常磐神社,義烈館 ・護国神社,桜山 ・紀州堀緑地 ・神崎寺(銅製経筒) ・妙雲寺(武田耕雲斎の墓) ・千波湖,千波公園 ・千波八景 ・茨城県立歴史館 ・茨城県近代美術館, 中村彝アトリエ -5- ・茨城県民文化センター ・別雷皇太神 ・信願寺(銅造阿弥陀如来立像) ・本法寺(会沢正志斎の墓) ・桜川緑地 ・逆川緑地 ・沢渡川緑地 ③下市地区 下市地区における主な観光資源は次の通りです。 ■ 観光資源 ・綿引家住宅 ・備前堀 ・酒門共有墓地 ・駅南平和公園(平和の像) ・竈神社 ・吉田古墳 ・銷魂橋 ・薬王院(薬王院本堂) ・百樹園 ・吉田神社 ・善重寺(木造聖徳太子立像) ・別春館(梅酒と酒の資料館) ④水戸のロマンチックゾーン及び周辺地区 水戸のロマンチックゾーン及び周辺地区における主な観光資源は次の通りです。 ■ 観光資源 ・保和苑 ・二十三夜尊桂岸寺 ・愛宕山古墳,愛宕神社 ・長者屋敷跡 ・水戸八幡宮 ・常磐共有墓地 ・萬葉曝井の森 ・台渡里廃寺跡 ・祇園寺 (銅造阿弥陀如来及両脇侍立) ・回天神社,回天館 ⑤その他地区(郊外部) その他地区(郊外部)における主な観光資源は次の通りです。 ■ 観光資源 ・大塚池公園 ・常陸の湯 ・成沢鉱泉 ・河和田城跡 ・報仏寺(銅造大黒天像) ・お菓子博物館 ・かたくりの里公園 ・くれふしの里古墳公園 ・中崎家住宅 ・満福寺 ・福性院(木造釈迦如来坐像) (木造阿弥陀如来脇侍三尊像) ・安国寺(枝垂れ桜) ・有賀神社 ・大串貝塚ふれあい公園 ・六地蔵寺(六地蔵寺本堂) ・佛性寺(佛性寺本堂) ・稲荷神社(大串のささらばやし) ・水戸八景「青柳の夜雨」 -6- ・植物公園 ・森林公園 ・楮川ダム ・七ツ洞公園 ・ふるさと農場 ・内原郷土史義勇軍資料館 ・東光寺 (東光寺薬師堂及び厨子) ・真仏寺(銅像阿弥陀如来立像) (地 図) -7- (3)水戸徳川家に関わる観光資源 水戸徳川家に関わる観光資源は次の通りです。 ■ 観光資源 【中心市街地地区】 ・水戸城跡 ・弘道館 ・弘道館公園 ・義公生誕の地 ・水戸彰考館跡 (大日本史編纂の地) ・ 水戸東照宮 ・黄門さんおしゃべりパーク 【偕楽園公園及び周辺地区】 ・偕楽園 ・好文亭 ・吐玉泉 ・玉龍泉 ・彰考館,徳川博物館 ・笠原水道水源 ・水戸八景「仙湖の暮雪」 ・常磐神社,義烈館 【水戸のロマンチックゾーン及び 周辺地区】 ・常磐共有墓地(格さんの墓) 【その他地区】 ・水戸八景「青柳の夜雨」 【下市地区】 ・備前堀 (4)観光特産品 水戸市の主な観光特産品を,食関係と製造関係とで区分けして整理すると,次の通りで す。 ■ 水戸市の主な観光特産品 【食 関 係】 ・納豆 ・水戸の梅 ・梅羊かん ・のし梅 ・あんこう料理 ・味噌 ・シェーブルチーズ ・統一ブランド「梅色未来」 ・納豆料理 ・梅料理 ・水戸藩らーめん ・食菜録料理 ・黄門料理 【製 造 関 ・農人形 ・水府提灯 ・米粒人形 ・桶 ・吉原殿中 ・酒造 ・漬け物 係】 ・剣道具 ・涸沼竿 ・水戸押絵 ・黄門人形 ・七面焼 ・水戸黒 ・水戸彫金額 -8- (5)祭り・イベント 水戸市の主な祭り・イベント等についてまとめると,次の通りです。 ■ 水戸市の主な祭り・イベント等 【水戸市もしくは水戸観光協会が事務局となる祭り・イベント】 ・磯節全国大会(県民文化センター) 2月 ・水戸の梅まつり(偕楽園,弘道館) 2月 20 日∼3月 31 日 ・水戸の桜まつり(桜山,千波湖,桜川,六地蔵寺,大串貝塚ふれあい公園)4月上旬 ・水戸のつつじまつり(偕楽園,森林公園) 4月下旬∼5月上旬 ・水戸のあじさいまつり(保和苑)6月上旬∼下旬 ・水戸黄門まつり(市内全域)8月上旬 ・水戸の萩まつり(偕楽園)9月 1 日∼20 日 ・水戸の菊花展(県三の丸庁舎広場)10 月下旬∼11 月中旬 ・水戸市産業祭(水戸市総合運動公園)11 月 ・水戸藩時代まつり(水戸市内) 11 月上旬(不定期) 【各種団体による祭り・イベント】 ・水戸国際陸上 ・310(水戸)の日 ・那珂川年忘れ花火大会 ・お堀の桜のライトアップ ・スターライトファンタジー ・成人の日もちつき大会 ・ハロウィーン ・イタリアフェア ・宴や夜市 ・くろばね朝市 ・大好きいばらきふれあいまつり ・いばらき読書フェスティバル ・商店会感謝フェスティバル -9- (6)観光ルート・観光コース 水戸市内及び周辺観光地との組み合わせによる観光ルートおよび観光コースとして,現 在顕在化している主要なものは,次の通りです。 ①水戸徳川家観光ルート 水戸市・水戸観光協会では,交通手段や所要時間,テーマによって,各種観光ルート「水 戸徳川家観光ルート」を紹介しています。水戸徳川家観光ルートは次の通りです。 ■ 水戸徳川家観光ルート(足で確かめる水戸徳川観光ルート) <徳川慶喜公> (1)徒歩+バス〈市内漫遊ル−トA〉所要時間:約4時間 水戸駅-バス 15 分-徳川博物館-徒歩 10 分-偕楽園,常磐神社-バス 10 分-回天神社, 保和苑-バス 15 分-弘道館-徒歩 10 分-水戸駅 (2)徒歩+バス〈市内漫遊ル−トB〉所要時間:約5時間 水戸駅-バス 15 分-偕楽園,常磐神社-徒歩 20 分-徳川博物館-バス 10 分-県立歴史館バス 10 分-水戸芸術館-バス 10 分-弘道館-徒歩 10 分-水戸城跡-徒歩 5 分-水戸駅 (3)徒歩+バス〈市内漫遊ル−トC〉所要時間:約5時間 水戸芸術館-徒歩 15 分-弘道館-徒歩 10 分-水戸城跡-徒歩 10 分-水戸駅-バス 15 分徳川博物館-徒歩 10 分-偕楽園,常磐神社-徒歩 10 分-県立歴史館-バス 10 分水戸芸術館 <徳川斉昭公> (4)徒歩+バス〈市内漫遊ル−ト〉所要時間:約4時間 水戸駅-バス 15 分-徳川博物館-徒歩 10 分-偕楽園,常磐神社-バス 10 分-水戸芸術館徒歩 15 分-弘道館-徒歩 10 分-水戸城跡-徒歩 10 分-水戸駅 <黄門さま(光圀公)> (5)徒歩〈市内漫遊・新緑ル−ト〉所要時間:約 5 時間 水戸駅-徒歩 70 分-笠原水源-徒歩 60 分-薬王院-徒歩 50 分-備前掘-徒歩 45 分義公生誕の地-徒歩 15 分-東照宮-徒歩 10 分-水戸駅 (6)徒歩+バス〈市内漫遊・あじさいル−ト〉所要時間:約3時間 水戸駅-バス 15 分-徳川博物館-末広 3 丁目バス停‐徒歩 5 分-保和苑・回天神社・ 常磐共有墓地-徒歩 15 分-愛宕神社-徒歩 5 分-曝井-徒歩 30 分-水戸八幡宮徒歩 45 分-東照宮-徒歩 10 分-水戸駅) <徳川頼房公> (7)徒歩〈市内漫遊ルート〉所要時間:約 5 時間 水戸駅-徒歩 10 分-東照宮-徒歩 50 分-偕楽園,常磐神社-徒歩 70 分-備前掘徒歩 50 分-義公生誕の地-徒歩 10 分-弘道館-徒歩 10 分-水戸駅 - 10 - ■ 水戸徳川家三名君観光ルート(車で巡る水戸徳川観光ルート) <徳川慶喜公> (1)自家用車〈慶喜公ここだけは行きたいル−ト〉所要時間:約3時間 徳川博物館-車 5 分-偕楽園,常磐神社-車 15 分-弘道館・水戸城跡(大手門,薬医門) (2)自家用車〈慶喜公これなら満足ル−ト〉所要時間:約5時間 徳川博物館-車 5 分-県立歴史館-車 5 分-偕楽園,常磐神社-車 10 分-回天神社 -車 5 分-水戸芸術館-車 5 分-弘道館・水戸城跡(大手門,薬医門) <徳川斉昭公> (3)自家用車〈維新の道ル−ト〉所要時間:約5時間 会沢正志斎の墓-車 10 分-徳川博物館-車 5 分-県立歴史館-車 5 分-偕楽園,常磐神社 -車 10 分-保和苑,回天神社-車 5 分-水戸芸術館-車 5 分-弘道館・水戸城跡 <黄門さま(光圀公)> (4)自家用車〈西側ルート〉所要時間:約3時間 徳川光圀公像-車 5 分-徳川博物館-車 5 分-偕楽園,常磐神社-車 10 分-常磐共有墓地, 保和苑(格さんの墓,水戸黄門諸国漫遊旅姿像)-車 15 分-水戸城跡(大手門,大日本 史編さんの地) (5)自家用車〈東側ルート〉所要時間:約4時間 徳川光圀公像-車 5 分-徳川博物館-車 5 分-偕楽園,常磐神社(義烈館)-車 15 分-笠原 水源,浴徳泉-車 15 分-六地蔵寺-車 20 分-水戸城跡(大手門,大日本史編さんの地) ②茨城県によるモデルコース 茨城県では,季節毎に趣向を凝らした「いばらき周遊の旅」おすすめコース全12コースを 紹介しており,うち4コースは偕楽園を,1コースは徳川博物館を含む内容となっていま す。 ■ 茨城県によるモデルコース(偕楽園,徳川博物館を含むもの) (ア)水戸の観梅といちご狩り(1泊2日) 東海駅(日立南IC)∼西山荘∼こめ工房∼偕楽園∼徳川博物館∼笠間(泊) 笠間∼茨城県フラワーパーク∼辻いちご団地∼筑波山∼筑波ハム工場∼土浦駅(桜土浦IC) (イ)春の花めぐりと笠間焼手ひねり(1泊2日) 岩 間 駅 ( 岩 間 I C ) ∼ あ た ご 天 狗 の 森 ∼ 笠 間 工 芸 の 丘 ∼ か た くり の 里 ∼ 偕 楽 園 ∼ 大 洗 ( 泊 ) 大洗∼国営ひたちなか海浜公園∼西山荘∼竜神大吊橋∼勝田駅(那珂IC) (ウ)秋の花めぐりとフルーツ狩り(1泊2日) 勝田駅(ひたちなか海浜公園IC)∼国営ひたちなか海浜公園∼偕楽園∼笠間日動美術館∼笠間(泊) 笠間∼茨城県フラワーパーク∼千代田町観光果樹園∼常陸風土記の丘∼石岡駅(千代田石岡IC) (エ) 冬の風物詩・古徳沼の白鳥と袋田の氷曝(1泊2日) 水戸駅(水戸 IC)∼偕楽園∼古徳沼∼西山荘∼月待の滝∼袋田温泉(泊) 袋田温泉∼袋田の滝∼奥久慈茶の里公園∼ゆばの里∼和紙のさと和紙資料館∼勝田駅(那珂IC) - 11 - ③観光タクシー 水戸市内のタクシー業者によるさわやか観光タクシーグループでは,テーマと所要時間 によって,各種モデルコースを紹介しています。観光タクシーモデルコースについては次 の通りです。 ■ 観光タクシーモデルコース (ア)水戸偕楽園と市内巡り(所要時間:1時間30分) 弘道館∼(偕楽園,好文亭)∼千波湖畔 (イ)水戸偕楽園と弘道館史跡巡り(所要時間:3時間) 弘道館∼(偕楽園,好文亭)∼千波湖畔∼県立近代美術館 (ウ)水戸の史跡と民謡磯節の大洗巡り(所要時間:5時間) 千波湖畔∼(偕楽園,好文亭)∼弘道館∼アクアワールド・大洗∼幕末と明治の博 物館∼大洗マリンタワー (エ)水戸と日本三大稲荷と陶器の町笠間を訪ねて(所要時間:5時間) 弘道館∼(偕楽園,好文亭)∼笠間稲荷神社∼日動美術館∼笠間焼窯元 (オ)水戸の史跡と光圀公の太田西山荘を訪ねて(所要時間:5時間) 千波湖畔∼(偕楽園,好文亭)∼弘道館∼太田西山荘∼瑞竜山 ④水戸のロマンチックゾーンにおける回遊ルート 保和苑周辺史跡観光連絡協議会が発行している「水戸のロマンチックゾーン」マップに は,次の回遊ルートが設定されています。 ■ 水戸のロマンチックゾーンにおける回遊ルート 曝井∼愛宕神社∼保和苑,常磐共有墓地,回天神社,桂岸寺∼祇園寺∼八幡宮 ⑤水戸TMO「水戸まちなかマップ」におけるおすすめまちウォッチングコース 水戸TMOが発行している「水戸まちなかマップ」では,水戸の中心市街地を回遊する ためのおすすめまちウォッチングコースが各種設定されています。 ■ 「水戸まちなかマップ」おすすめまちウォッチングコース (ア)歴史散策コース (イ)裏街廻りコース (ウ)芸術・文化コース (エ)水戸芸術館から千波湖・偕楽園コース (オ)オリジナルまち歩きコース(中心商店街廻りコース,ギャラリー廻りコース) ⑥水戸藩らーめん会による水戸市内観光コース 水戸藩らーめん会では,独自の観光マップを発行しており,歴史・芸術コースと周遊コ ースの2コースの水戸市内観光コースを紹介しています。 - 12 - ■ 水戸藩らーめん会による水戸市内観光コース (ア)歴史・文化コース 水戸駅∼市立博物館∼水戸芸術館∼県立歴史館∼徳川博物館∼県立近代美術館∼ 水戸駅 (イ)周遊コース 水戸駅∼弘道館∼水戸芸術館∼偕楽園∼千波湖∼県立近代美術館∼水戸駅 ⑦水戸ドライブインによるバスツアーモデルコースの紹介 水戸ドライブインでは,主に団体旅行企画者向けに,水戸ドライブインでの食事を含め た観光モデルコースの紹介をホームページ上にて行っています。 ■ 水戸ドライブインによるバスツアーモデルコース (ア)筑波山と水戸偕楽園の梅まつり(2月下旬∼3月下旬) 桜土浦 IC∼筑波山梅まつり∼偕楽園梅まつり∼那珂湊魚市場∼水戸 IC (イ)メロン狩りと紫陽花まつリコース(5月上旬∼6月下旬) 岩間 IC∼鉾田町メロン狩り∼保和苑あじさいまつり∼徳川博物館∼水戸 IC (ウ)果物狩りと偕楽園萩まつりコース(9月中旬∼10 月中旬) 千代田石岡 IC∼千代田町果樹園果物狩り∼偕楽園萩まつり∼那珂湊魚市場∼お酒 の資料館∼水戸 IC - 13 - (7)周辺市町村の主な観光施設 水戸市周辺の市町村において,現・水戸市観光基本計画策定(平成 8 年 3 月)以降に, できた主な観光施設等を以下にとりまとめました。 ■ 新たにできた主な観光施設等 【大洗町】 ・アクアワールド・大洗 ・ゆっくら健康館 ・わくわく科学館 ・「海遊号」循環バス 【茨城町】 ・ポケットファームどきどき 【美野里町】 ・四季文化館「みのーれ」 【笠間市】 ・県陶芸美術館 ・笠間市内観光周遊バス 【城里町】 ・ホロルの湯 【常陸大宮市】 ・三太の湯 【常陸太田市】 ・金砂の湯 ・梅里ガーデンアクアビラ ・竜っちゃん乃湯 (市町村名については平成 17 年2月現在) 【大子町】 ・フォレスパ大子 ・道の駅 奥久慈だいご ・大子町内観光周遊バス 【北茨城市】 ・県天心記念五浦美術館 ・マウントあかね ・中郷温泉通りゃんせ 【日立市】 ・鵜来来の湯十王 ・地産地消施設「鵜喜鵜喜」 【那珂市】 ・県きのこ博士館 - 14 - (8)アンケート調査の概要 ①調査の目的 水戸市及びその他の地域の人々が水戸市の観光に対してどのようなイメージを持って いるかを明確にし,本計画の検討・立案に際しての貴重な参考データとすることを目的と して,アンケートによる意向調査を実施しました。 ②調査方法 調査時期は平成15年8月で,茨城県観光客動態調査を行う際に同時に実施しました。茨 城県観光客動態調査と同様,市内の観光スポットを訪れた観光客(145名)に対して,調査 員同伴によるヒアリング及び書き取り式により,アンケートを実施しました。調査地とな った観光スポットは,偕楽園,弘道館,水戸芸術館,県立歴史館,県立近代美術館,水戸 市大串貝塚ふれあい公園,植物公園,森林公園の8ヶ所です。 また,上記とほぼ同様の内容のアンケートを,住民(水戸市民 256名)に対して実施 しました。市内の公民館31箇所にて配布・回収し,回答者自身による書き取り式としまし た。実施時期は上記と同時期です。 ③調査項目 調査内容については,前回(平成7年度)の調査結果と対比させることも意識し,同じ 質問項目を再度設けました(観光の予算,魅力の高い観光スポット,周辺市町村との観光 上の連携,魅力の高い特産品等,特産品の問題点,水戸の観光の方向性)。ただし,魅力の 高い観光スポットについては,前回は 10 候補地の中から選択してもらいましたが,今回は 候補地を 17 に増やしました。また,前回は「土産品の問題点」として意見を聞いた項目に ついて,今回は「観光特産品等の今後のあり方」との項目で意見を聞いています。なお, 今回の調査では水戸市への交通手段や観光ルート,潜在的観光資源についても尋ねました。 調査項目は以下のとおりです。 ■ 調査の項目 (ア)属性 (イ)交通手段(観光客のみ) (ウ)水戸市での観光の予算(観光客のみ) (エ)魅力の高い観光スポット (オ)観光ルートについて (カ)周辺市町村との観光上の連携について (キ)魅力の高い観光特産品等 (ク)観光特産品等の今後のあり方 (ケ)水戸市の観光の方向性について (コ)潜在的観光資源について (サ)自由意見 - 15 - ④調査結果の概要 回答者の性別は観光客,住民とも女性の方が多く,年代では中高年の割合が高くなって います。観光客の居住地は,県内と県外がほぼ同数で,次いで水戸市内の順となっていま す。県内では県北方面からの来訪者が最も多くなっています。県外では,東京都からの観 光客が最も多く,次いで神奈川県及び栃木県の順となっています。観光客の交通手段は, 自家用車利用が半数以上を占め,次いで鉄道利用,貸切バスの順となっています。 水戸市での観光予算については, 「3,000 円∼5,000 円未満」との回答と「5,000 円∼7,000 円未満」との回答がほぼ同数となっています。前回調査時(平成7年度)と比べると「5,000 円∼7,000 円未満」の人の割合が増えており,若干予算の上昇傾向がうかがえます。 水戸市における観光スポットの魅力度評価については,前回は観光客のみに調査を実施 しました。偕楽園の評価が圧倒的に高く全体の6割を占め,第2位が千波湖及び近代美術 館,第3位が水戸芸術館となっています。今回の調査では,観光客と住民に観光スポット の魅力度について評価してもらっています。その結果,観光客,住民ともに第1位は偕楽 園,第2位は千波湖及び近代美術館,第3位が弘道館で,水戸芸術館は第4位となってい ます。弘道館に対する評価が向上しているが,これは周辺における歴史的なまちなみ整備 の実施や隣接する茨城県立図書館のリニューアルオープンにより,弘道館周辺地区を訪れ る人が増えたことが一因と考えられます。 観光ルートについては,観光客では「水戸黄門ゆかりの地ルート」「水戸城跡の歴史散 策ルート」との回答が合わせて4割を占めています。住民では第1位が「偕楽園・千波湖 を中心とした憩いルート」で全体の3割弱あったが,「水戸黄門ゆかりの地ルート」「水戸 城跡の歴史散策ルート」との回答も合わせて約3割以上あり,観光客,住民ともに水戸黄 門のまち,歴史のまちとしての期待が高いことがうかがえます。 周辺市町村との観光上の連携については,前回調査時は大子,笠間方面との回答が多か ったが,今回は観光客の回答として第1位が大洗町,第2位が常陸太田市,住民の回答は 第1位が大洗町,第2位が笠間市の順となり,観光客,住民ともに大洗町との連携が有効 との意見が多くなっています。 観光特産品等の魅力度評価については,前回は「納豆」の評価が圧倒的に高く,次いで 「あんこう料理」「水戸の梅」の順でした。今回は,観光客の評価としては「納豆」「あん こう料理」 「梅干し」の順であり,住民の評価は「納豆」 「あんこう料理」 「水戸の梅」の順 であるが,納豆の評価が前回同様圧倒的に高く,観光客,住民ともに水戸の観光特産品は 「納豆」であるとの意識が高いことが明らかになっています。 土産品,観光特産品については,前回の調査では,土産品の問題点として「商品に個性 が感じられない」との回答が最も多く,次いで「商品等にセンスがない」 「販売店の雰囲気 が悪い」 「質や味が良くない」の順であったが,今回は観光特産品等の今後のあり方として, 観光客,住民ともに「質や味の向上」が第1位に挙げられています。第2位以降は,観光 客では「適正な価格設定」 「販売店舗の魅力アップ」,住民では「積極的なPRの実施」 「新 - 16 - たな商品開発」となっています。この回答結果からは,質や味の良いもの,納得のいく価 格設定のものを適切にPRしていくことの必要性があると考えられます。 水戸市の観光の方向性については,前回は「観光都市としての効果的な広告・宣伝の実 施」という回答が最も多く,次いで「まちなみ・景観の演出」 「観光案内施設の整備」の順 であったが,今回は観光客の回答としては「歴史的な街並みづくり」 「既存の観光地の魅力 アップ」 「祭りやイベントの充実」の順に多く,住民の回答としては「既存の観光地の魅力 アップ」 「歴史的な街並みづくり」 「公園緑地や水辺の活用」の順となっています。観光客, 住民とも水戸市が有している恵まれた歴史及び自然資源を活用した観光まちづくりを期待 していることがうかがえます。 潜在的観光資源については,観光スポットとして水戸のロマンチックゾーン(保和苑, 八幡宮等),下市地区,七ツ洞公園,笠原水源及び逆川緑地,水戸八景等の名前が挙げられ ています。特産品では農人形,水戸の梅,シェーブルチーズ等が挙げられています。いず れも,今後水戸市の貴重な観光資源としてもっと光を当て,さらなる活用を図る価値があ る場所,物として名前が挙がったと考えられます。 この他に自由意見として,観光客からは自然を生かしたゆったり滞在できる雰囲気づく り,回遊性のある観光ルートづくり,ホスピタリティの向上を望む声等が寄せられていま す。また,住民からは観光地としての整備の充実(休憩施設,案内設備,交通手段等),集 客力のある施設づくり,観光モデルルートの設定,イベントの充実等の他,PR活動の充 実等観光まちづくりへの積極的な取り組みを求める意見が目立っています。 - 17 - 第2 1 観光振興の基本的考え方 基本目標 水戸市は商業・サービス業を主な都市機能とする茨城県の県都であり,将来都市像とし て「県都にふさわしい風格と安らぎのある 元気都市・水戸」の実現を目指しています。 また,今回実施したアンケート調査結果より,水戸市の観光を考えるうえで,「水戸黄門」 は重要なキーワードであることが明らかとなりました。したがって, 「水戸黄門のまち・元 気都市水戸」といった都市イメージを大切にしながら,人々の交流とにぎわいをテーマと したまちづくりを今後行っていくことが重要です。このような基本的考え方を踏まえ,本 計画の基本目標及びキャッチフレーズを定めます。 水戸市は自然,文化,芸術,歴史等の地域資源に恵まれた都市です。今後は水戸黄門の ふるさととしてのイメージをさらに活用するとともに,豊富な地域資源を観光資産として 大いに活用し,観光スポットを回遊しながらまち歩きを楽しめる漫遊観光都市づくりを目 指します。このようにして観光機能の充実を図ることにより,都市の経済波及効果を高め ることが可能となります。このことを踏まえ,本計画の基本目標を『黄門さまと地域資源 を生かした,観光による漫遊元気都市づくり』と定めます。 ■ 基本目標 『黄門さまと地域資源を生かした,観光による漫遊元気都市づくり』 2 キャッチフレーズ 基本目標を受けて,市民及び外部の方向けに水戸市をアピールする際に使用するキャッ チフレーズを定めます。水戸市では,現在『黄門さまのふるさと水戸』というキャッチフ レーズを使用中していますが,これについては主に市民向けと位置づけ,今後も継続して 使用します。 ●シンボルマーク また,この他に水戸市観光審議会で多く支持された『黄門さま に会えるまち』を主に外部向けPR用と位置づけ,使用していく こととします。このキャッチフレーズについては,水戸市,水戸 観光協会においてのみならず,観光関連機関が発行する各種パン フレット及びインターネットホームページ等について,このキャ ッチフレーズを使用するように呼びかけていきます。 なお,現在使用中の水戸黄門のシンボルマークについても,水 - 18 - 戸黄門のまちらしさをアピールする上で有効と考えられることから,今後とも積極的に活 用していきます。 ■ キャッチフレーズ ・『黄門さまのふるさと水戸』 ●シンボルマーク ・『黄門さまに会えるまち』 3 ※現在使用中 基本方針 『黄門さまと地域資源を生かした,観光による漫遊元気都市づくり』との基本目標を受 け,観光振興への取り組みを行うために,次の基本方針を定めます。 ■ 1 2 3 4 5 基本方針 人々が交流する賑わいのある観光まちづくり 恵まれた観光資源を生かした観光まちづくり 広報・宣伝活動に力を入れた観光まちづくり 多様なセクターの連携による観光まちづくり 多様化する観光需要に対応した観光まちづくり (1)人々が交流する賑わいのある観光まちづくり 人を迎えることによって地域は刺激を受け,来訪者も旅先での新しい経験を通して刺激 を受けます。まちの賑わいや活気は,このようにして人々が回遊し,交流するところに生 まれます。回遊性のあるまちづくりを行い,来訪者に目的地の周辺にも足を向けてもらっ て交流人口を増加させることが,都市活性化の重要なテーマです。 回遊性のある観光地では,まちを行き交い,まち歩きを楽しむ人々の姿が見られます。 これは,受け入れ側である観光地サイドから来訪者に対して回遊ルートがわかりやすく提 示され,それが活用されていることの表れです。回遊ルートづくりとそれをサポートする 交通手段の設定を進めるなど, 「人々が交流する賑わいのある観光まちづくり」の実現を目 指します。 (2)恵まれた観光資源を生かした観光まちづくり 水戸市には,市の代表的なシンボルである水戸黄門や水戸藩に関するさまざまな名所, 史跡が存在します。主な観光資源としては偕楽園,弘道館が挙げられます。また,偕楽園 及び千波湖周辺一帯は自然公園としても名高い地区です。市内にはこの他に水戸のロマン チックゾーン,備前堀等を始め数多くの緑地,公園もあり,水と緑の自然観光資源が豊富 です。水戸芸術館や県立歴史館,県近代美術館等の芸術・文化施設も有しており,歴史, 自然,芸術,文化等の観光資源に恵まれた都市です。また,立地条件としても首都圏から 1時間程度で気軽に訪問できる位置にあります。これは,首都圏の人々にとっての日帰り - 19 - 型・週末滞在型の観光・レクリエーションの受け皿として機能し得ることを意味していま す。今後は,週末に身近に観光が楽しめるまちとして競合他地域との差別化を図るなど, 「恵まれた観光資源を生かした観光まちづくり」の実現を目指します。 (3)広報・宣伝活動に力を入れた観光まちづくり 情報化社会の進展により,人々は,気軽にかつ容易に大量の情報を入手できるようにな りました。旅行者は,TVや雑誌,インターネット等を利用して事前に情報収集を行った 上で豊富な選択肢の中から自分の目的に合う行き先を厳選するようになっており,観光地 は厳しい選択眼にさらされているとも言えます。このような状況を考え,今後は広報,宣 伝活動にさらに力を入れ,水戸市のイメージ向上を図り,観光客の関心を水戸市に向けさ せるようにすることが必要です。イメージ戦略の核として,水戸黄門を強く打ち出した「水 戸黄門ブランド」を活用し,他地域との差別化を図るなど, 「広報・宣伝活動に力を入れた 観光まちづくり」の実現を目指します。 (4)多様なセクターの連携による観光まちづくり 成熟社会においては,行政の一方的な押し付けによるまちづくりの時代は終わり,関係 者が緊密に連携しながら観光まちづくりを行う必要があります。観光の振興のためには, そのまちの魅力を高めること,つまり住民すべてが誇りに思えるまちを目指すことが必要 です。このように観光振興は地域の振興・活性化に直結する重要なテーマであることを認 識し,市民をはじめ,地域の企業や市民団体,NPO,観光関連団体(水戸観光協会,水 戸商工会議所等),民間事業者(交通関連業者,宿泊関連業者,飲食関連業者,物産関連業 者等),行政(水戸市,茨城県等)が連携して魅力ある観光まちづくりに取り組むことが必 要です。また,周辺市町村及び隣接県と連携を行い,行政区分にとらわれない観光メニュ ーの提供を行うことや,関連都市(姉妹都市,親善都市,歴史上つながりのある都市等) との連携を強化して観光振興に努めるなど,「多様なセクターの連携による観光まちづく り」の実現を目指します。 (5)多様化する観光需要に対応した観光まちづくり 週休2日制の浸透,交通網の充実,生活水準の向上等により人々の旅行経験が豊富にな り,観光需要は多様化・個性化する傾向が強まっております。また,今後の観光振興を考 える上では日本人を対象とする旅行だけでは限界があるとして,現在国全体で外国人訪問 客の増加に取り組んでおり,これについても受け皿をきちんと作っていく必要があります。 水戸市においても,こうした多様化する需要に対応した観光メニューを整備し,提供する とともに,観光客の便利で快適な滞在が可能となるようなサービスの提供が必要です。ま た,観光客の訪問地に対する印象を決定づける重要な要素となるのが,受け入れ側つまり 迎える人の応対態度です。諸観光施設や宿泊施設,交通機関等において,客として十分な もてなしや納得いくサービスを受けられたかどうか,また地元の住民との交流において温 かいふれあいを経験できたかどうかによって,来訪者の満足度は大きく変化します。この ように,受け入れ側は観光客に対しもてなしの心を持って接することの重要性を認識し, 観光関連事業者及び市民のホスピタリティの向上に努めるなど, 「 多様化する観光需要に対 - 20 - 応した観光まちづくり」の実現を目指します。 4 基本施策 本計画の基本方針に基づき,基本施策項目を次に示します。 ■ 基本施策項目 ①既存観光地の魅力づくり ②都市観光の充実 ③まつりやイベントの魅力アップ ④回遊できる観光地づくり ⑤ホスピタリティの醸成 ⑥広報・宣伝活動の強化 ⑦多様なセクターの観光面での連携強化 ⑧様々な観光需要への対応 ⑨料理・物産品等の充実 (1)既存観光地の魅力づくり 市内には,偕楽園をはじめとして恵まれた観光資源が点在しています。これらの既存観 光地について魅力向上への取り組みを行い,知名度を高めて観光資源としてさらなる活用 を図ることが,水戸市の観光都市としての基盤を強固にするためには欠かせないと考えら れます。このような考え方に基づき,偕楽園公園周辺地区の他,水戸のロマンチックゾー ン,備前堀周辺地区,周辺観光スポット(植物公園,森林公園,七ツ洞公園,大串貝塚ふ れあい公園,六地蔵寺,大塚池公園,かたくりの里公園,くれふしの里古墳公園等)の魅 力向上に努めます。 (2)都市観光の充実 近年,観光需要は多様化する傾向にあり,名所・旧跡を訪ねるだけでなく,個性あるま ちづくりを行っている都市を訪れ,まちなみの雰囲気そのものを散策して楽しむいわゆる 都市観光の人気が高まっています。都市観光においてはその場所が必ずしも昔からの観光 地である必要はなく,まち全体で一つのイメージを打ち出してプレゼンテーションできて いる都市が支持を集めています。都市観光が成功するためには,個性的な店舗の存在が不 可欠です。専門店であればそこでしか入手できない物やサービス,飲食店であればそこで しか味わえない味を求めて遠方からでも人は訪れます。水戸市においても,今後は都市観 光資源を充実させ,このような新たな観光需要の取り込みを図ることが必要です。なお, こうした取り組みを行う区域としては,JR水戸駅北口から大工町に至る国道50号沿道の 中心市街地地区が挙げられます。このような考え方に基づき,観光交流拠点施設づくり, 弘道館及び水戸芸術館周辺の魅力づくり,歴史的な建造物の保存と活用,まちかど観光ス - 21 - ポットづくり,中心市街地の活性化と都市観光の充実に努めます。 (3)まつりやイベントの魅力アップ まつりやイベントは,観光客を惹きつけ,地域に注目を向けさせることのできる重要な ツールであり,地域の魅力づくりと強く関連するものです。直接的には,その集客力から 経済波及効果を期待することができ,間接的にも地域の魅力をアピールすることに結びつ きます。このように,まつりやイベントは観光振興の起爆剤として位置づけることができ るものであり,その魅力向上に向けて取り組みを行うことが必要です。また,近年はショ ー的な要素の強い「見る」タイプのイベントだけでなく, 「参加して楽しむ」タイプのイベ ントの人気が高まる傾向にあります。「水戸の梅まつり」「水戸黄門まつり」といった既存 のまつりの魅力向上や, 「水戸藩時代まつり」のリニューアル,新たなイベントとまちとの 融合,各種まつり・イベントの魅力アップ及び支援充実に努めます。 (4)回遊できる観光地づくり 水戸市の観光資源は市内に点在しており,観光客が回遊して楽しめる仕掛けが十分にな されているとは言えない現状です。回遊する楽しみのあるまちづくりがなされていれば, 観光客の滞在時間も延び,ひいては現在の日帰り中心から宿泊利用への転換を促すことに もつながります。そこで,現在設定されている回遊ルートの見直し,回遊を促すための交 通手段,観光・文化施設の共通鑑賞券設定,観光誘導案内板整備に努めます。 (5)ホスピタリティの醸成 ホスピタリティとは,来訪者に対するおもてなしの精神のことです。観光は人的サービ スの集大成であり,来訪者に快適な滞在空間と時間を提供することができれば観光地とし ての評価は確実に高まります。しかし,水戸市の現状として,まち全体にホスピタリティ 精神が溢れているとの評価は必ずしも得ていない状況です。観光まちづくりを考える上で, ホスピタリティの向上は大いに望まれるところであり,また,そのためには観光事業を担 う人材の育成も必要です。ホスピタリティの醸成のために, 「水戸黄門」等の郷土意識の高 揚,観光ホスピタリティの充実,観光ボランティアの充実,「(仮称)水戸黄門観光賞」の 創設,宿泊者に対する観光サービスの充実に努めます。 (6)広報・宣伝活動の強化 情報化社会において,様々な選択肢の中から訪問先として水戸市を選んでもらうために は,絶えず競合他地域との差別化を図り,観光地としての水戸市のイメージ向上及び情報 発信に取り組む必要があります。こうしたことを認識し, 「水戸黄門」を活用した統一的案 内板づくり,観光に関わる優良デザインの顕彰, 「水戸黄門」ブランドを活用したPR,観 光案内所の魅力向上,「水戸大使」の強化・充実,旅行会社・マスコミ等への水戸のPR, 観光PRにおけるIT化の推進,水戸市全体での観光強化期間の設定,「(仮称)水戸黄門 倶楽部」の設立,観光マップ・観光ガイドブックのリニューアルに努めます。 (7)多様なセクターの観光面での連携強化 観光振興においては,多様なセクターの連携強化及び周辺市町村及び隣接県との広域的 - 22 - な連携が有効となるため,市民,事業者,行政等の連携強化,「水戸黄門」「水戸藩」等の 広域観光ルートづくり,「水戸八景」「新水戸八景」等の掘り起こし,周辺地域との連携強 化,関連都市との連携強化に努めます。 (8)様々な観光需要への対応 旅行形態の多様化に伴い,従来の名所・旧跡を回る旅の他,近年はエコツーリズム,グ リーンツーリズム等といった自然に親しみながら自分で体験し,学ぶタイプの観光形態も 人気が高まっています。また,映画やTVのロケ地を訪ねるフィルムツーリズム,コンベ ンションやスポーツイベントに参加し,その前後に観光を組み合わせるといった新たな観 光形態も浸透してきています。観光振興のためには,こうした来訪者のさまざまな需要に 対応し,ニーズに合ったサービスを提供する能力が要求されています。交通混雑緩和や駐 車場需要等の交通面での対応,様々な観光目的(学術研究,コンベンション,スポーツイ ベント,体験型観光,フィルムツーリズム等)への対応の充実,及び文化財の観光面での 活用,観光施設のユニバーサルデザイン化推進,外国人観光客への対応充実に努めます。 (9)料理・物産品等の充実 食は観光都市としての振興を図る上で重要なテーマです。人はおいしいものがある所に は,遠くても足を延ばすからです。また,地域オリジナルの土産品,伝統工芸品等, 「そこ でしか手に入らないもの」が存在することも,観光客を呼び寄せるためには必要です。こ のことを踏まえ,伝統工芸品の保存及び活用, 「水戸黄門」ブランドを活用した土産品の充 実,「(仮称)水戸料理」の開発研究,土産品の品質向上,郷土芸能の存続及び充実,納豆 を始めとする発酵食品を生かした発酵文化研究の推進に努めます。 - 23 - 5 主要事業 基本施策項目ごとの主要事業についてまとめると,次のとおりです。 (1)既存観光地の魅力づくり ■ 主要事業項目 ①「水戸のロマンチックゾーン」の魅力づくり ②偕楽園公園周辺の魅力づくり ③備前堀周辺(備前堀,常照寺等)の魅力づくり ④周辺観光スポット(植物公園,森林公園,七ツ洞公園,大串貝塚ふれあい公園,六地蔵 寺,大塚池公園,かたくりの里公園,くれふしの里古墳公園等)の魅力づくり (2)都市観光の充実 ■ 主要事業項目 ①「(仮称)水戸黄門ミュージアム」づくり ②弘道館周辺の魅力づくり ③水戸芸術館及び周辺の魅力づくり ④歴史的建造物(近代建築物等)の保存と活用 ⑤まちかど観光スポットづくり ⑥中心市街地の活性化と都市観光の充実 (3)まつりやイベントの魅力アップ ■ 主要事業項目 ①「水戸の梅まつり」の魅力アップ ②「水戸黄門まつり」の魅力アップ ③「水戸藩時代まつり」のリニューアル ④新たなイベントとまちとの融合 ⑤各種祭り・イベントの魅力アップ及び支援充実 (4)回遊できる観光地づくり ■ 主要事業項目 ①「水戸黄門」の市内漫遊ルートづくり ②偕楽園周辺の回遊ルートづくり(表門起点) ③観光スポット(水戸黄門関連以外)の回遊ルートの充実 ④便利で魅力ある観光交通手段づくり ⑤観光・文化施設の共通チケット設定 ⑥観光誘導案内板等の整備 - 24 - (5)ホスピタリティの醸成 ■ 主要事業項目 ①「水戸黄門」等の郷土意識の高揚 ②観光ホスピタリティの充実 ③観光ボランティア(市民,企業,学生)の充実 ④「(仮称)水戸黄門観光賞」の創設 ⑤宿泊者に対する観光サービスの充実 (6)広報・宣伝活動の強化 ■ 主要事業項目 ①「水戸黄門」を活用した統一的案内板づくり ②観光に関わる優良デザイン(土産品パッケージ,観光情報誌等)の顕彰 ③「水戸黄門」ブランドを活用したPR ④観光案内所の魅力向上 ⑤「水戸大使」の強化・充実 ⑥旅行会社・マスコミ等への水戸のPR ⑦観光PRにおけるIT化の推進 ⑧水戸市全体での観光強化期間の設定 ⑨「(仮称)水戸黄門倶楽部」の設立 ⑩観光マップ・観光ガイドブックのリニューアル (7)多様なセクターの観光面での連携強化 ■ 主要事業項目 ①市民,事業者,行政等の連携強化 ②「水戸黄門」「水戸藩」等の広域観光ルートづくり ③「水戸八景」「新水戸八景」等の掘り起こし ④周辺地域(市町村及び隣接県)との連携強化 ⑤関連都市(姉妹都市,親善都市,歴史上つながりのある都市等)との連携強化 - 25 - (8)様々な観光需要への対応 ■ 主要事業項目 ①水戸の梅まつり時期の交通混雑緩和(水戸の入口でのP&R等) ②車社会への対応(駐車場需要への対応) ③「水戸学」等の学術研究の観光面での活用 ④コンベンション(会議・展示会等)活動の充実 ⑤スポーツイベントの観光面での活用(PR等) ⑥体験型観光への対応充実 ⑦フィルムツーリズムへの対応充実 ⑧文化財の観光面での活用 ⑨観光面でのユニバーサルデザイン化推進 ⑩外国人観光客への対応充実 (9)料理・物産品等の充実 ■ 主要事業項目 ①伝統工芸品の保存及び活用 ②「水戸黄門」ブランドを活用した土産品の充実 ③「(仮称)水戸料理」の開発研究 ④土産品の品質向上 ⑤郷土芸能の存続及び充実 ⑥「発酵文化研究」の推進 - 26 - ■ 基本方針 『人々が交流 する賑わいの ある観光まち づくり』 ■ 1 2 3 4 5 『多様化する 『恵まれた観 観光需要に対 光資源を生か 応した観光ま した観光まち ちづくり』 づくり』 『多様なセク 『広報・宣伝 ターの連携に 活動に力を入 よる観光まち れた観光まち づくり』 づくり』 基本施策項目 既存観光地の魅力づくり 都市観光の充実 まつりやイベントの魅力アップ 回遊できる観光地づくり ホスピタリティの醸成 6 7 8 9 - 27 - 広報・宣伝活動の強化 多様なセクターの 観光面での連携強化 様々な観光需要への対応 料理・物産品等の充実 基 水戸市新観光基本計画の体系図 本 施 策 項 目 ① 「水 戸 の ロ マ ン チ ック ゾ ー ン 」 の 魅 力づ く り ② 偕楽 園 公 園 周 辺 の 魅力 づ く り 1 既存観光地の魅力づくり ③ 備前 堀 周 辺 ( 備 前 堀, 常 照 寺 等 ) の 魅力 づ く り ④ 周 辺 観 光 ス ポ ッ ト( 植 物 公 園 , 森 林 公 園 , 七 ツ 洞 公 園 , 大 串 貝 塚 ふ れ あ い 公 園 , 六 地 蔵 ■ 基本目標 『黄門さまと地域資源を生かした, 観光による漫遊元気都市づくり』 ■ キャッチフレーズ 寺 ,大 塚 池 公 園 ,か た く り の 里 公 園 ,く れ ふ し の 里 古 墳 公 園 等 ) の 魅 力 づ く り 2 3 都市観光の充実 まつりやイベントの 魅力アップ 『黄門さまのふるさと水戸』 『黄門さまに会えるまち』 ① ② ③ ④ 「(仮 弘道 水戸 歴史 称 館 芸 的 )水 戸 黄 門 ミ ュ ー ジ ア ム 」づ く り ⑤ ま ち か ど 観 光 ス ポ ッ ト づ く り 周 辺 の 魅 力 づく り ⑥ 中 心 市 街 地 の活 性 化 と 都 市 観 光の 充 実 術 館 及 び 周 辺の 魅 力 づ く り 建 造 物 (近 代 建 築 物 等 )の 保 存 と 活 用 ① 「 水 戸 の 梅 ま つ り 」 の 魅 力 ア ッ プ ④ 新 た な イ ベ ン ト と ま ち と の 融 合 ② 「 水 戸 黄 門 ま つ り 」 の 魅 力 ア ッ プ ⑤ 各 種 祭 り ・ イ ベ ン ト の 魅 力 ア ッ プ ③ 「 水 戸 藩 時 代 ま つ り 」 の リ ニ ュ ー ア ル ① 「 水 戸 黄 門 」 の 市 内 漫 遊 ル ー ト づ く り ④ 便 利 で 魅 力 あ る 観 光 交 通 手 段 づ く り ② 偕 楽 園 周 辺 の 回 遊 ル ー ト づ く り ⑤ 観 光 ・ 文 化 施 設 の 共 通 チ ケ ッ ト 設 定 ( 表 門 起 点 ) 4 回遊できる観光地づくり 及 び 支 援 充 実 ⑥ 観 光 誘 導 案 内 板 等 の 整 備 ③ 観 光 ス ポ ッ ト ( 水 戸 黄 門 関 連 以 外 ) の 回 遊 ル ー ト の 充 実 ■ 基本方針 5 1 ―ト 2 ホスピタリティの醸成 人々が交流する賑わいのあ 4 6 広報・宣伝活動の強化 ⑥ 旅 行 会 社 ・ マ ス コ ミ 等 へ の 水 戸 の PR ⑦ 観 光 PR に お け る IT 化 の 推 進 ② 観 光 に 関 わ る 優 良 デ ザ イ ン (土 産 品 ⑧ 水 戸 市 全 体 で の 観 光 強 化 期 間 の 設 定 パ ッ ケ ー ジ ,観 光 情 報 誌 等 )の 顕 彰 ⑨ 「(仮 称 )水 戸 黄 門 倶 楽 部 」の 設 立 ③ 「 水 戸 黄 門 」 ブ ラ ン ド を 活 用 し た PR ⑩ 観 光 マ ッ プ ・ 観 光 ガ イ ド ブ ッ ク の ④ 観 光 案 内 所 の 魅 力 向 上 リ ニ ュ ー ア ル ⑤ 「 水 戸 大 使 」 の 強 化 ・ 充 実 7 多様なセクターの 観光面での連携強化 多様なセクターの連携によ ① 市 民 ,事 業 者 ,行 政 等 の 連 携 強 化 ④ 周 辺 地 域 (市 町 村 及 び 隣 接 県 )と の 連 携 強 化 ② 「水 戸 黄 門 」「水 戸 藩 」等 の 広 域 観 光 ⑤ 関 連 都 市 (姉 妹 都 市 ,親 善 都 市 ,歴 史 上 つ な ル ー ト づ く り が り の あ る 都 市 等 )と の 連 携 強 化 ③ 「 水 戸 八 景 」「 新 水 戸 八 景 」 等 の 掘 り 起 こ し ① 水 戸 の 梅 ま つ り 時 期 の 交 通 混 雑 緩 和 る観光まちづくり 回様 遊で 観観 光光 地づ 53 .多 化きするる 需く要りに 対 応 ⑤ 宿 泊 者 に 対 す る 観 光 サ ー ビ ス の 充 実 ③ 観 光 ボ ラ ン テ ィ ア ( 市 民 ,企 業 ,学 生 ) 統 一 的 案 内 板 づ く り ④伝 活 動 に 力 を 入 れ 広報・宣 た観光まちづくり ② 観 光 ホ ス ピ タ リ テ ィ の 充 実 ① 「 水 戸 黄 門 」 を 活 用 し た た観光まちづくり 3 ④ 「(仮 称 )水 戸 黄 門 観 光 賞 」 の 創 設 の 充 実 る観光まちづくり 恵まれた観光資源を生かし ① 「 水 戸 黄 門 」 等 の 郷 土 意 識 の 高 揚 ( 水 戸 の 入 口 で の P&R 等 ) 8 様々な観光需要への 対応 した観光まちづくり ② 車 社 会 へ の 対 応 (駐 車 場 需 要 へ の 対 応 ) ③ 「水 戸 学 」等 の 学 術 研 究 の 観 光 面 で の 活 用 ④ コ ン ベ ン シ ョ ン (会 議 ・ 展 示 会 等 ) ⑥ 体 験 型 観 光 へ の 対 応 充 実 ⑦ フ ィ ル ム ツ ー リ ズ ム へ の 対 応 充 実 ⑧ 文 化 財 の 観 光 面 で の 活 用 ⑨ 観 光 面 で の ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン 化 推 進 ⑩ 外 国 人 観 光 客 へ の 対 応 充 実 活 動 の 充 実 ⑤ ス ポ ー ツ イ ベ ン ト の 観 光 面 で の 活 用 ( P R 等 ) 9 料理・物産品等の充実 ① 伝 統 工 芸 品 の 保 存 及 び 活 用 ④ 土 産 品 の 品 質 向 上 ② 「水 戸 黄 門 」 ブ ラ ン ド を 活 用 し た 土 産 品 の 充 実 ⑤ 郷 土 芸 能 の 存 続 及 び 充 実 ③ 「(仮 称 )水 戸 料 理 」の 開 発 研 究 ⑥ 「発 酵 文 化 研 究 」 の 推 進 −28− 第 基 本 2 計 章 画 各 論 第1 1 基本施策・主要事業 既存観光地の魅力づくり [目 標] 市内には,偕楽園をはじめとした恵まれた観光資源が点在しています。 偕楽園公園周辺地区のほか,水戸のロマンチックゾーン,備前堀周辺地区,周辺観 光スポットの魅力向上に努めます。 [施策の体系] 「水戸のロマンチックゾーン」の魅力づくり 偕楽園公園周辺の魅力づくり 既存観光地の魅力づくり 備前堀周辺(備前堀,常照寺等)の魅力づくり 周辺観光スポットの魅力づくり (1)「水戸のロマンチックゾーン」の魅力づくり [現況と課題] 市街地北西部に位置する保和苑・二十三夜尊及びその周辺の常磐共有墓地,回天神 社,愛宕神社,曝井,祇園寺,水戸八幡宮,光台寺を含む一帯は,国道118号から 一歩奥に入ると静かなたたずまいが感じられ,史跡と水と緑の自然を楽しみながら散 策が楽しめる地区で,市民が選ぶ「新水戸八景」にも選定されています。近年,地元 の保和苑周辺史跡観光連絡協議会と本市が中心となってこの一帯を「水戸のロマンチ ックゾーン」,沿道を「あじさい通り」と名付けて,のぼりを立てたり案内板やパンフ レットを作成するなど,地区のイメージ向上が図られています。中でも保和苑は,苑 内に自然の起伏を巧みに生かした日本庭園を有し,6月から7月にかけて5,500 株を超えるあじさいが見事な花を咲かせることで市民には知られている場所です。 しかしながら,新たな観光客の迎え入れという視点で当地区を見た場合,改善が望 まれる点も多く,例えば,アプローチ道路が狭く,道路案内も不十分なために国道1 18号からの入口がわかりにくいこと,保和苑内の施設やあじさいの鑑賞場所につい ての案内設備が不十分なことが挙げられます。 - 29 - 苑内の散策路や柵,トイレの外壁等各施設,駐車受付施設についても改善が望まれ るところです。入口部分には飲食店が1軒ありますが,住民向けの商店も混在し土産 物店等の観光商業の集積はされていません。国道118号沿道の商店についてもシャ ッターの降りた空き店舗が目立ち,全体にさびれた印象を受けます。 ●保和苑 ●保和苑・二十三夜尊入口部分 [計 画] 関東であじさいの名所として名高いのは鎌倉市の名月院ですが,水戸のロマンチッ クゾーンについて,本市が誇るあじさいの名所として,市観光協会等と連携を図りな がら,幅広く,観光PR活動を展開し,知名度の向上を図るとともに,地元商店街と の一体的な取り組みとして,あじさい通りにおける植栽の促進に努めます。 市外からも新たな観光客を迎えられる魅力ある観光資源を目指し,散策ルートを中 心として魅力あるまちなみ空間の形成や,湿地・湧水の活用と保全を図るとともに, 案内所や休憩所,トイレ等の施設整備,さらには,アクセス性の向上のための案内設 備の設置,駐車場の確保に努めるほか,土産物店等の観光商業の集積を促進します。 [主要事業] ・観光PR活動の展開 ・あじさい通りにおける植栽の促進 ・魅力あるまちなみ空間の形成 ・湿地・湧水の活用と保全 ・案内所や休憩所,トイレ等の施設整備 [事 例] ●金沢・ひがし茶屋街(石川県) ●川越市(埼玉県) - 30 - (2)偕楽園公園周辺の魅力づくり [現況と課題] 偕楽園は,石川県金沢市の兼六園,岡山県岡山市の岡山後楽園と並ぶ日本三名園の 一つであり,特に梅の名所として全国に知られています。園内には,約3,000本・ 100種の梅が植えられ,例年2月20日から行われる「水戸の梅まつり」は本市に とっても最大の観光イベントとなっています。また,園内には吐玉泉と呼ばれる湧水 があり,水と緑の公園として親しまれ,隣接する千波湖周辺地区と合わせた偕楽園公 園は,都市公園としてはニューヨークのセントラルパークに次いで世界第二位の面積 を誇り,新水戸八景の一つとして選定されています。千波公園周辺では千波湖で観光 ボートが利用できるほか,湖畔でレンタサイクルの貸し出しも行われ,遊具のある児 童公園やSLは子供達に人気があり,乳幼児連れの利用者も多い状況です。また,千 波公園の上部に位置する少年の森は,子供達には人気のあるアスレチック広場があり ますが,周囲が森に覆われていることもあり,わかりにくい状況です。 首都圏等他県から観光客が押し寄せるのは,観梅の時期に特化しており,春の桜や つつじ,秋の萩や紅葉等の自然観光資源については,市民や近隣在住者の間では楽し まれているものの,年間を通して観光客を獲得するには,至っていないのが現状です。 [計 画] 地区内において,歴史探索ルート,ウォーキングルート,サイクリングロードの設 置を行い,回遊性の向上を図るとともに,休憩施設の整備やトイレの拡充等検討しま す。 また,観梅の時期のほか,年間を通して観光客を迎え入れるため,つつじや萩など の自然観光資源の宣伝強化に努めるとともに,案内設備の充実を図ります。 今後は,エリア内を訪れた人々が快適に滞在して楽しめるように,既存の施設のさ らなる魅力向上と新たな飲食,休憩施設等の集積に取り組むとともに,自然に親しみ ながら交流できる野外交流イベント施設の整備に向け検討を進め,観光交流拠点の形 成を図ります。 周辺施設の県近代美術館や徳川博物館等におけるイベントや各種イベントとの連携 を図り,集客力を高めることを検討します。 [主要事業] ・野外交流イベント施設の整備 ・既存の施設のさらなる魅力向上と新たな飲食,休憩施設等の集積 ・歴史探索ルート,ウォーキングルート,サイクリングロードの設置による回遊性の向上 ・自然観光資源の宣伝強化 ・休憩施設の整備やトイレの拡充 ・案内設備の充実 - 31 - [事 例] ●おかげ横丁(三重県伊勢市) ●夢京橋キャッスルロード(滋賀県彦根市) (3)備前堀周辺(備前堀,常照寺等)の魅力づくり [現況と課題] 備前堀は,水戸藩初代藩主徳川頼房公の時代に伊 ●備前堀 奈備前守忠次が,下市地区の灌漑用水及び桜川・千 波湖の洪水防止のために築かせた用水堀であり,近 年その歴史的文化遺産を生かす景観整備が進められ, 歴史ロードの美しい景観を見せる静かな散策スペー スとして,市民が選んだ「新水戸八景」に選定され ています。8月に行われる灯篭流しの行事は,地区 の名物でもあり,地元の備前堀保存会では,保存・ 美化活動への取り組みが認められ,平成15年に水 戸商工会議所の「街づくり大賞・景観部門」を受賞しています。 周囲には,常照寺,善重寺,酒門神社,酒門共有墓地,常照寺池等多くの寺社や史 跡等が点在し,歴史と緑に恵まれた地区ですが,現在のところ多くの人が地区一帯を 回遊してまち歩きを楽しむ場所とまではなっていない状況です。 備前堀周辺のまちなみ景観づくりについては,以前から取り組みがなされており, 周辺の建物等の修景に対しては,水戸市都市景観条例により助成金の支給が行われ, まちなみ景観を促進しています。 [計 画] 水と緑のウォーキングスポットとしてアピールし,落ち着いたまちなみや水辺の雰 囲気を楽しみながら散策をしたり,隠れ家的名店で飲食も楽しめるスポットとして, 沿道の整備等の取り組みや,備前堀に舟を浮かべて水辺の雰囲気を演出することの検 討など,憩いと安らぎを感じられる親水空間の創出に努めます。 また,歴史的な建造物や古くからの下市の商店街などの資源を有効に活用するなど, 地域の特性を生かしながら,住む「人」,訪れる「人」の交流を創出する歴史文化体験 交流施設の整備を進めます。 - 32 - 備前堀周辺のまちなみ景観づくりについては,今後も制度を活用して,まちなみ景 観整備を促進します。回遊するためのベンチ等の休憩施設や公園整備の充実,地域の 観光スポットを紹介する案内板の設置を行い,下市地区の商店街との連携も図りなが ら地区全体の回遊性の向上を目指します。 [主要事業] ・憩いと安らぎを感じられる親水空間の創出 ・歴史文化体験の交流施設の整備検討 ・まちなみ景観整備の促進 ・地区全体の回遊性の向上 ・公園整備や休息施設の充実 ・案内板の設置 (4)周辺観光スポット(植物公園,森林公園,七ツ洞公園,大串貝塚ふれあい公園, 六地蔵寺,大塚池公園,かたくりの里公園,くれふしの里古墳公園等)の魅力 づくり [現況と課題] 市内には,豊かな自然に触れ合える憩いの公園,緑地等が点在しています。 植物公園は,広大な敷地に湿生花園,洋風庭園, ●森林公園 大温室,カフェテラスを有し,植物に関する講座や企 画展も開催していますが,市外には周知が十分でない ことや,道路案内標識はあるものの,位置がわかりづ らい状況です。 森林公園は,市西北部丘陵地帯の広大な森林を利用 して作られた公園で,等身大の恐竜のレプリカが置か れているほか,飼育しているヤギを生かしたシェーブ ルチーズを賞味できるなど,家族連れに人気のある公園で,新水戸八景にも選定され ています。春のつつじや秋の紅葉など植物も楽しめる花の名所となっています。 また,体験交流施設として森の交流センターがあり,枝打ちや下刈り等の森林学習 体験,自然観察会,木工や竹細工教室,そば打ちやこんにゃくづくり等の農産物の加 工体験を実施しています。 七ツ洞公園は,周辺の豊富な水と池を利用して作られた公園で,園内にはルアーフ ィッシングを楽しむ人の姿も見られ,敷地内には,英国式庭園や遊具を有し憩いの広 場となっていますが,植物の手入れが十分に行き届いていない状況も見られます。 大串貝塚ふれあい公園は,敷地内に伝説の巨人像・ダイダラボウが設置され大串貝 塚の出土遺産や縄文広場,縄文くらしの四季館等古代人の生活にふれることができる 場所であり,新水戸八景の一つに選定されています。目的地までは,国道51号から の案内看板が設置され,巨人像・ダイダラボウが目に入りながらも,行き方がわかり づらいという声も聞かれます。 - 33 - 六地蔵寺は,大串貝塚ふれあい公園の近くに位置 する真言宗の古寺で,本堂内には水戸徳川家歴代の 位牌がまつられています。境内には,枝垂れ桜の大 木やイチョウやスギの古木があり,四脚門は,室町 時代に建てられたもので県の文化財に指定されて いるほか多くの指定文化財を有しています。 ●六地蔵寺の枝垂れ桜 大塚池公園は,白鳥も訪れる水辺の公園として親しまれ,新水戸八景にも選定され ています。 かたくりの里公園は,内原地区にある県内有数のカタクリの群生地を生かした公園 で,毎年4月上旬にはその可憐な花を一目見ようと大勢の観光客が訪れます。公園は, 駐車場のすぐ隣で水路越しにカタクリを鑑賞することができます。 くれふしの里古墳公園も内原地区にある公園で, ●くれふしの里古墳公園 数多くの古墳群が密集した歴史のある土地柄を生か した公園は,巨大な埴輪型タワー「はに丸タワー」 がシンボルとなっています。園内には,複数の復元 古墳のほか広い芝生の広場や遊具等があり,公園で 遊びながら身近に歴史と触れ合うことができます。 [計 画] 植物公園は,飲食施設の質,量両面での充実や園内交通手段の多様化を検討します。 また 1 年を通して花に触れ合える場所として宣伝を強化し,道路案内標識の増設を図 ります。 森林公園については,水戸市の体験交流の拠点と位置づけ,再整備を進めてさらな る活用を図ります。 七ツ洞公園については,メンテナンスと美観の維持に努めます。 大串貝塚ふれあい公園については,案内設備及び遊具や体験設備等のさらなる充実 を図ります。 かたくりの里公園については,景観の保全に努め,さらなる魅力向上を図ります。 くれふしの里古墳公園については,周辺施設とのネットワークの充実を図ります。 [主要事業] ・植物公園 ・森林公園 ・七ツ洞公園 ・大串貝塚ふれあい公園 ・かたくりの里公園 ・くれふしの里古墳公園 飲食施設の質,量両面での充実 園内交通手段の多様化 宣伝強化,道路案内標識の増設 再整備を進めたさらなる活用 メンテナンス,美観の維持 案内設備及び遊具や休憩設備等のさらなる充実 景観の保全 周辺施設とのネットワークの充実 - 34 - 2 [目 都市観光の充実 標] 近年,観光需要は多様化する傾向にあり,名所・旧跡を訪ねるだけでなく,個性ある まちづくりを行っている都市を訪れ,まちなみの雰囲気そのものを散策して楽しむ都市 観光の人気が高まっています。 都市観光の充実を図るため, 「 (仮称)水戸黄門ミュージアム」づくりのほか,弘道館 周辺や水戸芸術館周辺の魅力づくり,歴史的建造物の保存と活用,まちかど観光スポッ トづくりや中心市街地の活性化と都市観光の充実に努めます。 [施策の体系] 「(仮称)水戸黄門ミュージアム」づくり 弘道館周辺の魅力づくり 水戸芸術館及び周辺の魅力づくり 都市観光の充実 歴史的建造物(近代建築物等)の保存と活用 まちかど観光スポットづくり 中心市街地の活性化と都市観光の充実 (1)「 (仮称)水戸黄門ミュージアム」づくり [現況と課題] 本市の観光は,水戸芸術館の創設以来新たな来訪者の獲得が図られているものの,依 然として偕楽園への依存度が高く,まちなかに多く点在する名所・旧跡への回遊度も低 いのが現状です。 偕楽園への観梅客の一極集中から脱し,季節を問わず観光客を呼び込めるような施策 が必要となります。 - 35 - [計 画] 本市のシンボルでもある中心市街地に隣接した偕楽園,千波湖を中心としたエリアに おいて,市民や観光に訪れる人が交流し,自然と歴史に親しむ観光交流拠点施設の形成 を図ります。 そのため,目的地までの交通手段の案内や本市及び周辺観光地の情報提供,水戸の味 や物産品の紹介,休憩,自然・歴史体験・探索などの楽しめる多様な機能を有する拠点 施設(「 (仮称)水戸黄門ミュージアム」)の整備を進めます。 このような拠点づくりへの取組を行うとともに,周辺施設と連携したイベントの開催, 中心市街地の商店街との有機的な連携の推進など,様々な施策の展開を図り,偕楽園へ の観梅客の一極集中から脱し,一年を通して観光客を呼び込める観光都市の実現を目指 します。 [主要事業] ・「(仮称)水戸黄門ミュージアム」づくり [事 例] ●高知県立坂本龍馬記念館(高知県高知市) 休館日:年中無休(12/26∼1/1 は休) 開館時間:9:00∼17:00 入館料:大人(18 才以上)400 円,高校生以下無 料 記念館の特長:展示室にて坂本龍馬の生涯や所 蔵品をわかりやすく紹介している他,龍馬グッ ズの通信販売も行っている。また,「坂本龍馬 倶楽部」(入会金 500 円,年会費 2 千円)の会 員は入館無料となる。 ●北斎館(長野県小布施町) 休館日:年中無休(12/31,1/1 は休) 開館時間:4月∼10 月 9:00∼17:00 11 月∼3月 9:30∼16:30 入館料 :大人 500 円,小・中・高生 300 円 併設機能:ミュージアム・ショップ(独自に開発 したオリジナルグッズを中心に販売),喫茶室 - 36 - (2)弘道館周辺の魅力づくり [現況と課題] 弘道館は徳川斉昭公によって創設された藩士の子弟教育の場で,江戸時代最大の藩校 として知られています。戦災を免れた正門,正庁,至善堂については国の重要文化財に 指定されている他,弘道館周辺と水戸城の壕は,新水戸八景にも選定されています。弘 道館周辺については,三の丸小学校から弘道館にかけて,三の丸歴史ロードとして整備 され,情景を醸し出しています。 弘道館公園については,学生警鐘,八卦堂等の史跡が点在しているほか,梅や桜の名 所にもなっていますが,県立図書館前の広場入口周辺において,案内表示が不足してい るため,初めて訪れた人には,弘道館公園であることがわかりづらい状況です。 また,弘道館から大手橋を渡ると水戸城の土塁や大日本史編纂之地の碑,本丸跡,旧 水戸城薬医門等があり,水戸城の面影を偲ぶことができますが,旧水戸城薬医門は水戸 一高の敷地内にあり目立たない状況になっています。 ●弘道館 [計 画] 国の特別史跡である弘道館を,今後も市民や観光客に対し,その歴史的背景の周知に 努めるとともに,歴史都市・水戸を象徴する史跡として,観光資源としての活用を図り ます。また,弘道館周辺については,薬医門等の歴史的観光資源の有効活用を検討する とともに,地区一帯の回遊性を高めるために,案内板の充実を図り,さらなる魅力づく りに努めます。 [主要事業] ・歴史的背景の周知 ・観光資源としての活用 ・案内板の充実 ・地区一帯の回遊性の向上 - 37 - (3)水戸芸術館及び周辺の魅力づくり [現況と課題] 水戸芸術館は音楽,演劇,美術の情報発信基地と ●水戸芸術館 して評価が確立しつつあり,新水戸八景にも選定さ れています。しかし,来訪者を市内に回遊させる仕 掛けや演出が十分でないため,水戸芸術館での催事 が終わると他の場所には立ち寄らずに帰路につい てしまう人が多いのが現状です。美術鑑賞やコンサ ートの余韻を楽しみながら立ち寄れるカフェやレ ストラン,ギャラリー,CDショップ,アートショ ップ等が民間活力により集積されることが当地 区の理想の姿といえます。現在,水戸芸術館の企画展の内容を周知する広告掲示や地 区全体を展示会場に見立てたイベントの実施など,さまざまな取り組みが行われてい ます。 [計 画] 水戸芸術館周辺の通り及び店舗でのアートに関する展示や,市民が参加して制作した オブジェの設置,周辺の建物のファサード整備など,市民や事業者等による取り組みを 促進し,水戸芸術館と調和する地域を目指します。 また,水戸芸術館広場を利用したイベントや周辺文化施設(国際交流センター,びよ んど,常陽資料館等)との共同イベントの開催,様々な観光振興の取り組みと水戸芸術 館の催し物との連動など,水戸芸術館を観光資源としてさらに生かしていくことに努め ます。 [主要事業] ・水戸芸術館周辺の通りや店舗でのアートに関する展示 ・オブジェの設置 ・建物のファサード整備等 ・水戸芸術館広場を利用したイベントの開催 ・周辺文化施設との共同イベントの開催 ・水戸芸術館の催し物との連動 - 38 - (4)歴史的建造物(近代建築物等)の保存と活用 [現況と課題] 市内には,三の丸の県三の丸庁舎,北見町の水戸市水道低区配水塔,泉町の旧川崎銀 行(現東京三菱銀行),金町の水戸地方気象台等の優れた歴史的建築物や古いまちなみ の雰囲気を残す土蔵が点在しています。しかし,積極的な保全への取り組みがなされて いないため,公共建築物についても老朽化が目立つものもあり,個人所有の土蔵の中に は近年取り壊されてしまったものもあります。 ●水戸市水道低区配水塔(北見町) [計 ●旧川崎銀行(現東京三菱銀行) (泉町) 画] 歴史的建造物をまちなみ景観資源としてとらえ,保存と活用を図ることに努めます。 老朽化したファサードについては所有者等の理解を得ながら修復に取り組む他,保存建 築物としての指定(登録文化財等)を行なうことや,案内板の設置により,建造物の価 値を市民に広くPRすることに努めます。 [主要事業] ・歴史的建造物の保存と活用 ・老朽化したファサードの修復 ・保存建造物としての指定 ・案内板の設置 ●旧真壁郵便局(真壁町) ●歴史的建造物を活かした店舗(フランス・パリ) - 39 - (5)まちかど観光スポットづくり [現況と課題] 都市観光において重要なのは,まちなかに人が滞留できる場所があることです。人の 滞留する場所には交流と賑わいが生まれるが,市内においては,バス停付近にデザイン 性に乏しいベンチが置かれている程度であり,滞留場所は乏しいのが現状です。 [計 画] 観光客にも目を留めてもらい,かつ歩行者が途中でひと休みしたり,まちを見ながら 会話を楽しんだりできる滞留場所として,まちなかに数箇所ポケットパーク(小広場) やオープンカフェ等の設置について,まちかど観光スポットに関わる事業者で検討を進 めます。 [主要事業] ・まちなかに数箇所ポケットパークの設置 ・オープンカフェ等の設置 [事 例] 黄門さんおしゃべりパーク 平成14年には,中心市街地の南町3丁目交差点 (南町3丁目) 付近に「黄門さんおしゃべりパーク」が設置された (これは,地元の南町3丁目商店街振興組合,南 町4丁目商店会が主体となり,水戸市及び茨城県 の補助を得て建立されたものである)。 ●モニュメント(ドイツ・ウルム市) ●モニュメント(鳥取県境港市) - 40 - (6)中心市街地の活性化と都市観光の充実 [現況と課題] JR水戸駅北口から大工町に至る国道50号沿道の中心市街地地区については,従来よ り水戸市の商業の中心地であったが,現在は買い物客の郊外への流出が進むと共に空洞 化が進み,空き店舗が目立ち活気に欠ける状況です。 この地区には,移転,廃業等により空き店舗となる店が出る一方でこだわりの飲食店, 子供服や婦人服のブティック,若者の支持を集めるライブハウス等,店の個性が支持さ れている店も点在しています。当地区においてこのような個性的な専門店の集積が進め ば来訪者が増加し,観光客にとっても地元買い物客にとっても歩いて楽しい活気のある まちが実現することになります。 [計 画] 当地区においては,これまでも中心市街地再生のために様々な取り組みがなされてき ているが,今後もタウンマネジメント事業等さまざまな事業手段を導入して,多様なセ クターの協力のもと郊外の大量陳列・価格訴求型大型ショッピングセンターとは一線を 画した店舗が集まるこだわりのまちとしての再生に取り組み,集客力を高めます。また, 都市観光の充実のため,中心市街地の空き店舗を利用して,本市ゆかりの偉人や著名人 の功績を広くPRするためのミニ記念館等を設置して観光ルート化を図り,観光客が中 心市街地や他の観光施設を回遊するスタンプラリーなどの検討を進めます。 なお,都市観光の充実のためには街の美化が不可欠であり,通りにごみのない,清潔 で美しい街並みを保ち,市民や観光客にとっても魅力のある街の美観の維持に努めます。 [主要事業] ・タウンマネジメント事業等様々な事業手段の導入 ・こだわりのまちとしての再生の取り組み ・ミニ記念館を設置した観光ルート化 ・スタンプラリーの実施 ・名物料理店や屋台横丁の集積 ・街の美観の維持 - 41 - [事 例] ●プレーゴ(石川県金沢市) ●パリのまちなみ(フランス) - 42 - 3 [目 まつりやイベントの魅力アップ 標] まつりやイベントは,観光振興の起爆剤として位置づけることができるものであり, 「見る」だけでなく「参加して楽しむ」まつりやイベントに着目し,魅力向上に向けた 取り組みに努めます。 [施策の体系] 「水戸の梅まつり」の魅力アップ 「水戸黄門まつり」の魅力アップ まつりやイベン 「水戸藩時代まつり」のリニューアル トの魅力アップ 新たなイベントとまちとの融合 各種祭り・イベントの魅力アップ及び支援充実 (1)「水戸の梅まつり」の魅力アップ [現況と課題] 「水戸の梅まつり」は,水戸市を代表する観光イベントであり,偕楽園,弘道館での 観梅時期に合わせて例年2月 20 日から3月 31 日まで行われており,期間中の日曜日を 「観梅デー」と称し,偕楽園内で野点(のだて)茶会や野外琴の会,水戸の梅大使や水 戸黄門漫遊一座との記念写真撮影,ひな流し等が行われています。加えて,期間中は偕 楽園,弘道館に市民観光ボランティア「歴史アドバイザー水戸」が常駐し,園内の案内 を行っています。 また,中心市街地においては,近年梅まつり時期に合わせた「310(みと)の日」等の イベントも実施されています。 - 43 - ●水戸黄門漫遊一座との記念撮影 [計 ●野点茶会風景 画] 水戸の梅まつり期間中は,中心市街地の商店街には梅をモチーフにした飾り付けが行 なわれているが,今後は,JR水戸駅や常磐自動車道,北関東自動車道等の市内インタ ーチェンジに歓迎アーチを設置したり,偕楽園周辺沿道に梅の木を植栽して,新たな鑑 賞スポットを創出することに努めます。 また,市民主体のイベントの開催と水戸の梅まつりとの連動を強化して活性化を図 ります。 [主要事業] ・歓迎アーチの設置 ・偕楽園周辺沿道への梅の木植栽 ・市民主体のイベントの開催と水戸の梅まつりとの連動強化 (2)「水戸黄門まつり」の魅力アップ [現況と課題] 「水戸黄門まつり」は8月第1週の金,土,日 曜に行われる本市の夏祭りで,上市地区,下 市地区を会場として行われています。水戸黄門 パレードや市民カーニバルに加えて,ミュージ ックギャラリー,神輿連合渡御,山車の巡行, タウンフェスティバル,サマードリームフェス タ,花火大会等多彩なイベントが開催されてい ます。特に水戸黄門パレードでは,テレビドラ マ「水戸黄門」の出演俳優を招き,華やかさを 演出しています。 - 44 - ●水戸黄門まつり また,協賛行事として,那珂川遠泳大会や水戸市民野球リレー大会,ワイワイくろば ねフェスティバル,灯篭流し等が行なわれ,平成16年度からは燃えろ!元気水戸まつ り!!も加わり市民が参加する祭りとしてにぎわいを見せています。 多くの人が集まる花火大会をはじめ,イベント終了後には心ない人によるごみの散乱 が目につきますが,ボランティア活動による清掃作業も行なわれています。 [計 画] 水戸黄門関連のイベントを織り込んでキャッチフレーズである『黄門さまに会えるま ち』らしさの創出に努めます。 また,今後も市民が参加して楽しめる「市民参加型」のまつりとして位置づけ,内容 の充実を図ります。会場については,県三の丸庁舎広場や水戸芸術館,くろばねパーク, 備前堀等も活用することにより,線的な展開から面的な展開への変換を図り,まち全体 で水戸黄門まつりのにぎわいが感じられることに努めます。 [主要事業] ・ 『黄門さまに会えるまち』らしさの創出 ・内容の充実 (3)「水戸藩時代まつり」のリニューアル [現況と課題] 「水戸藩時代まつり」は,以前水戸黄門まつりの中で行われていた大名行列を分離し, 平成9年から「見せるまつり」として例年 11 月に開催されてきたものです。参加者が武 者に扮装して市内を練り歩く時代模様仮装行列,追い鳥狩り武者行軍等が行われ,弓・ 槍・鉄砲等の演技も行われます。 ●水戸藩時代まつり 水戸藩の歴史を次世代に伝えていくことや,観光振 興のためにも今後とも継続が望まれるところですが, 開催費用の負担が多大であることや多数のボランテ ィアの協力を求める必要があること等が課題となっ ております。 [計 画] 準備期間を設けながら,市制施行記念事業等に合わせ,数年おきに開催することを検 討します。 - 45 - [主要事業] ・数年おきの開催の検討 (4)新たなイベントとまちとの融合 [現況と課題] 本市において近年始められた新たなイベントとしては,クリスマス時期の水戸芸術館 のライトアップ,桜の季節のお堀の桜のライトアップ,県三の丸庁舎広場を利用しての イベント,そして南町3丁目商店街振興組合,南町4丁目商店会による「ハロウィーン」 及び「成人の日・餅つき大会」,泉町2丁目商店街振興組合による「宴や夜市」,大工町 地区の若手事業者が始めた「310(水戸)の日」,くろばね商店会による「くろばね朝市」 等があります。 なかでも「310(水戸)の日」は,水戸の梅まつりに訪れた観光客を中心市街地に立 ち寄ってもらうための試みとして例年3月 10 日前後に実施され,水戸商工会議所や水 戸観光協会の支援,協力を得て参加団体の輪が広がってきています。平成 16 年は3月 13 日(土)を「水戸の日」として県三の丸庁舎広場,水戸芸術館等計5会場でオセロ大会や 水戸納豆早食い世界大会等のイベントが行われたほか,「310 ヘルスロード観梅ウォー キング大会」も同時開催されました。これは,茨城県・水戸ウォーキングクラブ・茨城 県ウォーキング協会・水戸商工会議所・備前堀まちづくり協議会の主催により,県三の 丸庁舎をスタート・ゴール地点として備前堀,千波湖,偕楽園,芸術館等の主要スポッ トを 15km ウォークするというものでした。 ●「310の日」イベント [計 ●南町3,4丁目商店街の「ハロウィーン」イベント 画] 新たなイベントについては,関係事業団体が団結して企画内容の協議を行い,イベン トの質的な向上を図るとともに,さらに多くの市民の参加を促すとともに,観光の振興 に努めます。 また,別掲の「(仮称)水戸料理」の開発研究と合わせ,市内の飲食店等と共同で食 - 46 - に関するイベントを行うことや,市内にある和洋菓子店及び全国の有名菓子店等の出店 協力を得て「(仮称)水戸スウィートフェスティバル」等の新たなイベントの創出に向 けた検討を進めます。 中心市街地地区においては,水戸芸術館と共同で芸術フェスティバルを行うことや若 者からの支持の高いライブハウス,ブティック等と共同でイベントを開催し,若者のま つりへの参画を促進することに努めます。 備前掘周辺地区においては,堀の開削から400周年を迎える平成22年に記念イベント を行うことや磯節を全国に普及させた横綱常陸山が架けた常陸山橋が地区内にあるこ とから磯節と下市商店街の融合イベントを行うことを検討します。 [主要事業] ・新たなイベントの質的向上 ・食に関するイベントの検討 ・「(仮称)水戸スウィートフェスティバル」等の新たなイベントの創出の検討 (5)各種祭り・イベントの魅力アップ及び支援充実 [現況と課題] 梅まつりや水戸黄門まつりのほかにも,本市には年間を通じてまつりが開催されてい ます。春の桜まつりに始まり,新緑のなかのつつじまつりや初夏のあじさいまつりに秋 の萩まつり,菊花展など,季節を感じながら花を愛でるまつり・イベントとして市民や 観光客に親しまれています。 ●桜まつり(桜川沿道) [計 ●あじさいまつり(保和苑) 画] 気候条件の良い時期に開催される桜まつりやつつじまつりについては,観光客が回遊 しやすいことから,桜のライトアップなどによるイベントの充実を図り,植物公園や森 - 47 - 林公園等と連携をし, (仮称)スプリングフェスティバルとしてアピールしていきます。 あじさいまつりについては,市民主体のまつりとして,まつり内容の充実に努めると ともに,会場周辺である「あじさい通り」のあじさい植栽の促進や,まちなみ景観整備 による魅力の向上を推進し,本市の新たな観光資源としての活用を図ります。 萩まつりについては,偕楽園の野点茶会や好文亭での茶会のもてなしや,薪能・月見 の会,ライトアップ等を行い,まつりの演出度を高めます。 菊花展については,イベント内容の充実や,展示作品の質の向上を図るため,菊花団 体の育成や表彰制度の充実等について検討を進めるとともに,市民主体のまつりとして 開催します。 [主要事業] ・ライトアップの実施 ・ (仮称)スプリングフェスティバルの開催 ・あじさい通りの植栽の促進 ・まちなみ景観整備による魅力の向上 ・茶会や薪能・月見の会等の開催 ・菊花団体の育成や表彰制度の充実 - 48 - 4 [目 回遊できる観光地づくり 標] 本市の観光資源は市内に点在しているが,観光客が回遊して楽しめる工夫が十分にさ れていないため,回遊する楽しみのあるまちづくりに努めます。 [施策の体系] 「水戸黄門」の市内漫遊ルートづくり 偕楽園周辺の回遊ルートづくり(表門起点) 回遊できる観光 地づくり 観光スポット(水戸黄門関連以外)の回遊ルートの充実 便利で魅力ある観光交通手段づくり 観光・文化施設の共通チケット設定 観光誘導案内板等の整備 (1)「水戸黄門」の市内漫遊ルートづくり [現況と課題] 水戸市内及び周辺観光地との組み合わせによる観光ルート及び観光コースは,水戸市, 水戸観光協会,茨城県,各種交通機関,保和苑周辺史跡観光連絡協議会,水戸TMO等 各種関連機関から提案されています。しかし,多種多様なパンフレットに似通ったコー スがそれぞれ掲載されているので,初めて本市を訪れた観光客はどこを見たらよいか戸 惑ってしまいかねない状況です。 [計 画] 本市のおすすめ観光ルートを観光客にわかりやすくアピールするために,本市を含め 各関係機関が協議して,現在あるルートの整理,統合を図る必要があります。特に水戸 黄門に関連する名所・史跡については「水戸黄門の市内漫遊ルート」として前面に打ち 出し,水戸黄門のふるさととしてのイメージを強化していくことを図るとともに,イメ - 49 - ージの強化にあたっては,まちなみ景観整備も合わせて進めることに努めます。 また,観光客の回遊を実現させるためには設定した観光ルートと周遊バス等の交通手 段のリンクについて検討し,観光パンフレットやマップに掲載することに努めます。 [主要事業] ・観光ルートの整理・統合 ・ 「水戸黄門の市内漫遊ルート」の強化 ・観光ルートと周遊バス等の交通手段のリンクについての検討 ・観光ルートのパンフレットやマップへの掲載 (2)偕楽園周辺の回遊ルートづくり(表門起点) [現況と課題] 偕楽園は,偕楽園臨時駅及び駐車場からのア ●好文亭表門 クセスの都合上,現在は東門を利用する人が多 い状況であり,年間を通し観梅の時期に観光客 が集中して訪れています。目的は園内のみの場 合が多く,園内の散策を終えると他の場所へバ ス等で移動してしまい,点としての偕楽園が浮 かび上がります。 [計 画] 本来の正門である表門を起点とした,開園当初の散策コース(表門→孟宗竹林→吐玉 泉→好文亭→仙奕台(せんえきだい)→三千本の梅林)に誘導するための回遊ルートづ くりに努め,魅力向上を図ります。 このためには,路線バスを利用して偕楽園を訪れる人を表門に誘導できるように,歩 行者向けの案内板の充実を図ります。また,元山町から偕楽園表門に至る市道上市217・ 218号線沿道地域において歴史的な雰囲気を演出するまちなみ景観の整備について検討 するとともに,表門へのアクセスを考慮した駐車場や偕楽園臨時駅の有効利用について 関係機関等と協議を図り,表門周辺の活用について検討を進めます。 なお,観光客の表門からの入園が促進されることは,大工町側からの入り込み客の増 加にも結びつき,大工町近辺の既存駐車場を利用して来園することも可能となり,表門 の活用が中心市街地の活性化にも影響を与えることから,表門を起点とした回遊ルート づくりの取り組みに努めます。 - 50 - [主要事業] ・歩行者向けの案内板の充実 ・まちなみ景観の整備の検討 ・表門へのアクセスを考慮した駐車場の検討 ・偕楽園臨時駅の有効利用 ・回遊ルートづくりの取り組み [事 例] ●おはらい町通り(三重県伊勢市) (3)観光スポット(水戸黄門関連以外)の回遊ルートの充実 [現況と課題] 水戸黄門及び水戸藩関連以外の観光スポットにおける回遊ルートについても,5つの コースがある中心市街地のみどころマップなど各関係機関からモデルコースが提案さ れていますが,各モデルコースは,統一した記載になっていないのが現状です。各関係 機関のモデルコースの整理,統一を図ることにより,スポットの観光資源化を促進する ことが可能となります。 [計 画] 回遊ルートについては,観光客に本市のおすすめルートをわかりやすく紹介するため, 各関係機関のモデルコースの整理,統一を図るとともに,多様化する社会のニーズに合 わせ, 「味覚を楽しむ」 「花めぐり」 「文化・芸術に触れる」 「自然を体感」等テーマ性を 持った回遊ルートの設定に努めます。 また,水に恵まれた本市の特徴を生かし,吐玉泉や玉龍泉,曝井,笠原水道水源等の 湧水地をめぐる回遊ルートを設定し,湧水の観光資源化に努めます。 さらに,本市に多数存在する歴史,自然,芸術,文化等の観光資源の有機的な連携を - 51 - 図るため,これまでの歴史ロードの整備を踏まえながら,道路や駐車場整備,交通手段 等も含めた一体的な検討を行い,(仮称)歴史をたずねる道の計画を策定します。 [主要事業] ・モデルコースの整理,統一 ・テーマ性を持った回遊ルートの設定 ・湧水をめぐる回遊ルートの設定 ・ (仮称)歴史をたずねる道の計画の策定 (4)便利で魅力ある観光交通手段づくり [現況と課題] 本市で観光する際の交通手段としては,アンケート調査結果にもあるとおり,自家用 車で訪れる人が多い状況です。これは,観光めぐりで回るには,交通手段を自家用車に 頼らざるを得ないほど,公共交通手段が充実していないことがあり,その対策が必要と なります。 [計 画] 観光客の利便性を高めるため,代表的な観光地と水戸駅の間を運行する周遊バスの導 入について,時間や期間を限定し,試験的に運行することについて検討します。検討に あたっては,バスのデザインや 100 円や 200 円といったコイン性の料金設定等,関係 機関と連携を図りながら導入に努めます。乗り入れについては,観光バス等の停車も含 め,水戸駅南口側で検討を進め,県都の新玄関口の創出を図り,広域観光拠点としての 機能強化に努めます。 また,観光客を引き寄せる楽しい交通手段として,馬車や人力車,電気自動車,千波 湖を一周するミニSL,ロードトレイン等がありますが,手軽な手段として自転車があ ります。千波湖畔では,レンタサイクルを導入していますが,今後は,洗練されたデザ インやユニークなデザイン等趣向をこらし,水戸駅南口をはじめ,水戸芸術館や保和苑, 下市地区など人が滞留する場所でレンタサイクルの貸出を検討します。 [主要事業] ・周遊バスの導入の検討 ・観光客を引き寄せる楽しい交通手段の検討 ・レンタサイクルの貸出の検討 - 52 - [事 例] 周遊バスについては,観光に力を入れたまちづくりを行っている全国各地で導入の事例 がある。例えば,石川県金沢市,長野県小布施町,福島県会津若松市等である。水戸市近 郊では,笠間市,大洗町,大子町において周遊バスの運行が実施されている。笠間市,大 子町の周遊バスは無料で乗車できる。また大洗町の周遊バス「海遊号」は,鹿島臨海鉄道 大洗駅を起点として,アクアワールド・大洗,大洗磯前神社等主な観光スポットの間を循 環するもので,一回乗車券(大人 100 円)と,周辺の観光施設の割引券がセットになった 1日フリー乗車券(大人 200 円)が販売されている。 ●おぶせ浪漫号(長野県小布施町) ●かさま周遊バス(笠間市) つくば市では,無料でレンタサイクルの貸し出しを実施している。利用者は,市内の6 ヶ所の無人のレンタサイクルポート(松見公園,竹園公園,並木公民館,二の宮公民館, 手代木公民館,中央第4駐車場側)において,コイン返却式で自転車を借りることができ る。指定地域内であれば,乗り出し場所と違う箇所で返却することもできる。 ●浅草の人力車(東京都台東区) ●小野川の屋形船(千葉県佐原市) (5)観光・文化施設の共通チケット設定 [現況と課題] 市内には,美術館や博物館など多くの文化施設があり,それぞれ独自に企画,運営さ - 53 - れています。 [計 画] 観光客の利用を促進し,観光・文化施設の魅力向上を図るため,各施設等と連携を図 りながら,施設の入場料を割引する等の共通鑑賞券の発行に努めます。 また,東京ディズニーランドに見られるような年間を通して利用できる年間パスポー トの発行についても検討を進めます。 [主要事業] ・共通鑑賞券の発行 ・年間パスポートの発行の検討 [事 例] 石川県金沢市においては観光・文化施設の共通鑑賞券及び年間パスポートの発行を行っ ている。また,福島県会津若松市においては,観光・文化施設,飲食店,宿泊施設の共通 割引券と市内周辺の交通機関の乗車券をセットにした利用券の発行を行っている。 ●文化施設共通鑑賞券及び年間パスポート(石川県金沢市) 〈共通鑑賞券〉 対象施設:市内の 10 件の文化施設 (金沢卯辰山工芸工房,中村記念美術館,金沢蓄音器館, ふるさと偉人館,泉鏡花記念館,安江金箔工芸館,寺島 蔵人邸跡,金沢湯桶夢二館,前田土佐守家資料館,室生 犀星記念館) 有効期間:利用開始日から3日間 価格:800 円 〈年間パスポート〉 対象施設:共通鑑賞券と同じ 有効期間:販売日から1年間 価格:2千円 - 54 - ●会津ぐるっとカード(福島県会津若松市) 対象エリア:会津地域の 15 市町村 価格:大人 2,600 円,子供 1,300 円 利用方法:JR 東日本みどりの窓口,全国 JTB 営業 店他で「会津ぐるっとカード引換券」を購入,そ の後エリア内の引換所でカードと引き換えて利用 特典:①対象エリア内の電車・バスが2日間乗り 放題②観光・文化施設,飲食店,宿泊施設の料金 が割引,③割引対象施設,割引内容及び会津のみ どころを掲載したガイドブック付 (6)観光誘導案内板等の整備 [現況と課題] 近年,鉄道に比べ車の利用者が増加しており,高速自動車道等の整備により,今後も 車による観光客の来訪が多くなることが予測されます。 また,県都である本市には,多くの人が訪れ,歩行者交通量も多く,最近はウォーキ ングブームとあわせ,歩いて観光地を回遊,散策する人も増えています。 これら来訪者に対し,わかりやすく回遊できる案内看板等が十分でない状況にありま す。 [計 画] 水戸市の観光まちづくりの充実を図るには,観光スポットの位置や目的地までの行き 方を来訪者にわかりやすく伝える観光誘導案内板や歩道を活用した整備が必要です。案 内板の整備については,車対策として車両系案内板を設置し,歩行者向けとして歩行系 案内板の設置を図ります。 また,全体図としての総合案内板を増設し,回遊できる観光客へのわかりやすい案内 表示に努めます。 [主要事業] ・観光誘導案内板等の整備(車両系,歩行系,総合案内) - 55 - 5 ホスピタリティの醸成 [目 標] ホスピタリティとは,来訪者に対するおもてなしの精神のことであり,観光は人的サー ビスの集大成です。 まち全体にホスピタリティ精神が溢れているとの評価は必ずしも得ていない状況からホ スピタリティの醸成に努めます。 [施策の体系] 「水戸黄門」等の郷土意識の高揚 観光ホスピタリティの充実 ホスピタリティ の醸成 観光ボランティア(市民,企業,学生)の充実 「(仮称)水戸黄門観光賞」の創設 宿泊者に対する観光サービスの充実 (1)「水戸黄門」等の郷土意識の高揚 [現況と課題] 本市の自然や歴史,文化遺産等について,かるた 遊びの中で楽しく学べる「水戸郷土かるた」が販 売されていますが,郷土の歴史や文化等について, 十分認識されていない状況です。 ●水戸郷土かるた [計 画] 本市の魅力を市内外の方に広めていくためには,市民一人一人が郷土の魅力につい て知識を深めていくことが必要です。 水戸黄門を始めとする郷土の偉人について子供にもわかりやすく解説した絵本や児 童書の作成,小中学生に対する郷土教育等を関連部署と連携しながら進めます。この - 56 - ことから,市民が郷土の歴史や魅力について自然に知識が深まり,弘道館等を活用し ながら,郷土教育の充実に努めます。 [主要事業] ・絵本や児童書の作成 ・小中学生に対する郷土教育 ・郷土教育の充実 (2)観光ホスピタリティの充実 [現況と課題] 観光の振興においてホスピタリティ(もてなしの心)の向上は欠かせないものです。 観光地の印象は,そこで触れ合った地元の人のホスピタリティによって大きく左右さ れるからです。本市においても,今後どのようにしてホスピタリティを向上させてい くかは大きな課題となります。 [計 画] 市民や観光関連事業者を対象として,ホスピタリティの重要性を呼びかける講習会 等の実施及び将来の水戸の観光を担う若い世代の育成について検討を進めます。 また,観光施設の接客担当者やバス,タクシー等の交通機関の運転士等に対しても, 接客マナーの向上の促進や本市の歴史や観光資源の知識の習得を図るため,観光ホス ピタリティ講習の実施に向け検討を進めます。 なお,修了者には講習修了を表すステッカーを発行し,それを掲示して観光客にア ピールしてもらうとともに,ホスピタリティに優れた人に対する表彰制度の創設に努 めます。 [主要事業] ・ホスピタリティ講習会の実施 ・観光を担う若い世代の育成 ・接客マナーの向上の促進 ・表彰制度の創設 [事 例] 茨城県でもホスピタリティ向上への取り組みを進めており,平成13年度より観光施設の 接客担当者やホテル従業員,バス運転士等接客関係者向けのホスピタリティ・セミナーを 県内各地で開催している。また,平成16年2月には県と(社)茨城県観光協会の主催で,一 般県民向けにホスピタリティの大切さを呼びかける講演会を開催した(場所は県立図書館, 講師はタレントのダニエル・カール氏) 。 - 57 - (3)観光ボランティア(市民,企業,学生)の充実 [現況と課題] 水戸観光協会では,水戸の梅まつり時期を主として観光ボランティアによるガイド を実施していますが,観光まちづくりにおいて,ボランティアの参加は欠かせないも のです。加えて,まつりや各種イベントの運営,偕楽園及び市内の観光スポットの美 観維持は,ボランティアの協力,活動があって成り立つものと言えます。 [計 画] ボランティア活動への参加により,市民のまちづくりへの参加意識も高まり,活力 のある観光の振興が期待できることから,観光ボランティアの充実に取り組みます。 ボランティアの充実にあたっては,市民に広く呼びかけ,観光地の清掃や案内,イ ベントのサポート等協力を依頼するとともに観光ボランティアの登録制度について検 討を進めます。 [主要事業] ・観光ボランティアの充実 ・観光ボランティアの登録制度の検討 [事 例] 茨城県では観光ボランティアガイドの育成やレベルアップを目指したセミナーを開催し ており,平成 15 年度には,水戸市と土浦市で初心者向け,経験者向けに県の歴史・文化の 基礎講習や接客の実地講習を行った。 高知県高知市のこうちTMOでは,安心して楽しく快適に買い物ができる商店街を演出 するため,清掃,介助,案内等を行うマスコット隊「エスコーターズ」を平成 13 年4月に 設置した。メンバーは地元の高知女子大学の学生で,赤い帽子とベストを着用し,毎週日曜 に市内の中心商店街を巡回している。商店街内での基本的な活動にとどまらず,自分達の気 付いたことを商店街に提言したり,絵本を作成,販売しその収益でゴミ箱を寄付したり,他 地域の商店街へ出向いて出張清掃を行ったりと活発に活動しており,全国各地からの視察が 相次いでいる他,山口県徳山市にも同様の組織が発足する等,他地域にも大きな影響を与え ている。 ●エスコーターズ(高知県高知市) 主な活動内容 案内:商店街情報の配布や,街の施設・店の案内 挨拶:商店街のマスコット役として,来街者に笑顔で 挨拶,声かけ 清掃:街路や公園の清掃 - 58 - 介助:障害者,高齢者等困っている方の買い物の介助 整理:自転車・オートバイの整理 (4) 「 (仮称)水戸黄門観光賞」の創設 [現況と課題] 現在はホスピタリティ向上への取り組みがなされていない状況です。ホスピタリティの 育成には,何らかの措置を講ずる必要があります。 [計 画] 市民や観光関連事業者のホスピタリティの向上を促進するため,観光振興に寄与した団 体や個人に対し,賞を設けて表彰する「 (仮称)水戸黄門観光賞」の創設について検討を進 めます。 [主要事業] ・「(仮称)水戸黄門観光賞」の創設 [事 例] 北海道旭川市では,顕著な活躍で郷土の名を高めた方,旭川の観光振興に長年尽くした 方を顕彰する「観光顕功賞」を昭和 55 年度から行っている。受賞者は市,商工会議所,観 光協会,各団体等からの推薦を受けて,観光協会観光顕功表彰委員会が審議,決定する。 (5)宿泊者に対する観光サービスの充実 [現況と課題] 本市の観光振興を図る上で市内の宿泊施設が果たす役割も大きいものです。ビジネス需 要だけでなく観光需要にも対応し,大洗,笠間地区及び県北地域等の県内の観光地への拠 点として機能するためには,今後観光客へのサービスのさらなる向上が必要です。 [計 画] 宿泊者に対する観光情報の提供や提携施設,飲食店等の割引等のサービスの充実を関係 者等に対して呼びかけていくことに努めます。 [主要事業] ・宿泊者に対する観光情報の提供や提携施設,飲食店等の割引等のサービスの充実 - 59 - 6 広報・宣伝活動の強化 [目 標] マスメディアやホームページ等の多様な広告媒体を通し,国内外へ観光情報を発信するなど,市 観光協会等と連携を図りながら,幅広く,観光PR活動を展開します。また,黄門さまキャラクタ ーを様々な機会を通して活用し,『黄門さまのふるさと水戸』のPRに努めるとともに,観光客に わかりやすい観光案内板の設置を進めます。 [施策の体系] 「水戸黄門」を活用した統一的案内板づくり 観光に関わる優良デザイン(土産品パッケージ,観光情報誌等)の顕彰 「水戸黄門」ブランドを活用したPR 観光案内所の魅力向上 「水戸大使」の強化・充実 広報・宣伝活動の強化 旅行会社・マスコミ等への水戸のPR 観光PRにおけるIT化の推進 水戸市全体での観光強化期間の設定 「(仮称)水戸黄門倶楽部」の設立 観光マップ・観光ガイドブックのリニューアル (1)「水戸黄門」を活用した統一的案内板づくり [現況と課題] 水戸市を『黄門さまのふるさと水戸』としてアピールする上で必要と思われるのが,「水戸黄門」 のイメージを視覚的にさらに強化することです。 水戸黄門関連の銅像については,現在も市内数箇所に設置されていますが,近年著しい発展を遂 - 60 - げ本市の玄関口でもあるJR水戸駅の南口周辺には,水戸らしさを表現する仕掛けがないのが現状 です。 また,案内板については,「市内観光施設誘導案内板設置調査」報告書に基づき,年々充実が図 られているものの,今後は特色ある統一的案内板の設置が望まれるところです。 [計 画] 「水戸黄門」の視覚的イメージ強化の手法としては,銅像の設置や「水戸黄門」を活用した統一 的案内板づくりが考えられます。銅像については,JR水戸駅南口ペデストリアンデッキに水戸黄 門一行像の設置を検討し,『黄門まさのふるさと水戸』の玄関口としての演出を図ります。 また,統一的案内板については,駅の案内板や主要幹線道路における道路案内標識,歩道橋部分 を利用した柵や欄干部分等において,水戸黄門のシンボルマークや印籠のデザインを取り入れた表 示の設置に取り組んでまいります。 [主要事業] ・銅像の設置及び「水戸黄門」を活用した統一的案内板づくり ・JR水戸駅南口ペデストリアンデッキに「水戸黄門一行像」の設置 [事 例] 東京都三鷹市では,JR三鷹駅前から三鷹の森ジブリ美術館まで巡回バスを運行している。バス はジブリ美術館がデザインしたイラストでラッピングされており,バス停は美術館のシンボル「ト トロ」を取り入れたデザインとなっている。また,三鷹駅からジブリ美術館までの街路にもジブリ の世界をモチーフにした案内板が設置されている。 ●「トトロ」デザインのバス停 ●三鷹の森ジブリ美術館への巡回バス「みたかシティバス」 (2)観光に関わる優良デザイン(土産品パッケージ,観光情報誌等)の顕彰 [現況と課題] 水戸市の都市イメージを高めるためには,水戸らしさを強く印象づける土産品等のパッケージ類 - 61 - にも工夫が必要です。市内においても黄門さまキャラクターを使用した商品が一部見受けられます が,先進の観光都市などの例を参考にしながら,パッケージデザインや観光情報誌等においても今 後の対策が必要です。 [計 画] 土産品のパッケージデザインや観光情報誌等において,水戸市の都市イメージ向上に貢献したも のについて表彰を行い,水戸市の観光に関わる事業者等の意識の向上を促すための事業を推進しま す。 [主要事業] ・優良デザインの顕彰制度を設け積極的な表彰 (3)「水戸黄門」ブランドを活用したPR [現況と課題] 銅像の設置及び案内板へのシンボルマークの活用の他にも,「水戸黄門」ブランドを活用したP Rについては各種各様であり,多くの利用が考えられるところです。現在使用中である名刺台紙や, パンフレット,ポスター,チラシ,のぼり旗,フラッグ等の他,『黄門さまのふるさと水戸』を発 信するためには,さらなる活用が望まれます。 [計 画] 公共建築物や様々な広告,宣伝ツール(観光パンフレット及びポスター等)において,水戸黄門 をモチーフにしたデザインを取り入れ,歴史都市としてのイメージを強化してまいります。また, 市の発行物,封筒,公用車等への掲載,観光バス,タクシーへのシンボルマーク又は,梅マーク等 の掲載,グッズの制作,販売,郵便ハガキや切手の発行等,水戸黄門キャラクターの活用を推進し ます。 [主要事業] ・公共建築物,広告,宣伝ツールでの水戸黄門デザインを取り入れた活用 ・水戸黄門キャラクターの活用の推進 - 62 - (4)観光案内所の魅力向上 [現況と課題] 水戸駅構内の観光案内所は,JR水戸駅のバリアフリー計画に合わせて拡張移転し,平成16年12 月に新しくオープンしました。今後は水戸市ばかりでなく,茨城県の玄関口としても大きな期待が 寄せられています。 [計 画] 水戸市及び周辺地域の名産品,伝統工芸の展示や郷土芸能の紹介等も行い,水戸市のみならず茨 城県の玄関口として観光客の様々なニーズに対応できる観光拠点としての役割を果たしていくこと を目指します。 [主要事業] ・様々なニーズに対応できる観光拠点としての役割 (5)「水戸大使」の強化・充実 [現況と課題] 水戸市PRについては,現在水戸の梅まつり期間を中心にPRを行なう「水戸の梅大使」が全国 的に知られていますが,他にも,水戸市では水戸の魅力をPRし,イメージを向上させるため,水 戸市にゆかりの深い著名人,文化人,経済人等の協力をいただき郷土のPRに努めていただいてい る現況にあります。 [計 画] 今後も水戸市にゆかりの深い著名人,文化人,経済人等に水戸大使になっていただき,水戸市の PRに結びつけてまいります。また,水戸市内で勤務していた企業等の幹部の方が異動する際に, 名刺又は大使の委嘱状を渡すことにより,転勤先で水戸市のPRをしていただくことなどの取り組 みを推進します。 [主要事業] ・水戸大使の強化と充実 - 63 - ■「ふるさと大使」制度について 全国各地で郷土の魅力を都市圏等でPRする「ふるさと大使」活用の動きが出ている。 「ふるさと大使」は,鹿児島県では「薩摩大使」 ,新潟県安塚町では「雪だるま特派員」等の名称で 活躍している。自治体等が転勤族や著名人に委嘱し,口コミ等で地域の産業や観光等をアピールして もらうもので,都会人のニーズを地方に伝える役割も担う。 (6)旅行会社・マスコミ等への水戸のPR [現況と課題] より多くの人々に水戸市の魅力を知っていただく上で,旅行会社やマスコミとの連携は欠かせな い条件です。マスコミに取り上げられることは地域の知名度を高めるとともに,注目を集めること に繋がるからです。この分野は,これまで比較的消極的な部分であったことから課題となっていま す。 [計 画] 旅行会社の企画商品において水戸市をツアー先として組み込んでいただくことは,集客に有効な 手段であることを認識し,旅行会社,マスコミ等に対し水戸市の魅力をアピールする活動を推進し ます。 [主要事業] ・旅行会社,マスコミ等への水戸のPR (7)観光PRにおけるIT化の推進 [現況と課題] 観光地の情報を入手する際に多くの人が閲覧し,活用するのがパソコン,携帯電話のインターネ ットホームページです。IT時代に対応するためにも,先取りの情報発信が必要です。 [計 画] 見やすくわかりやすい画面構成,最新情報の提供,提供する情報メニューの充実等を考慮した水 戸市及び水戸観光協会ホームページの内容の充実に努めます。また,水戸市をはじめ,周辺地域の 名産品(食品,工芸品等)をネットショッピングで購入できるような取り組みについて検討すると ともに,JR水戸駅北口や首都圏近郊の主要駅にあるシティビジョンの活用を図ります。 さらに,平成16年10月より供用が開始された県域デジタルテレビの活用を推進します。 - 64 - [主要事業] ・ホームページの内容の充実 ・名産品等,ネットショッピングで購入できるような検討 ・シティビジョンの活用 ・県域デジタルテレビの活用 [事 例] 大分県湯布院町の由布院温泉組合青年部では,携帯電話のインターネット接続機能を活用し, 「由 布院携帯散策」として観光情報の発信や散策コースの紹介を行っている。また,由布院温泉観光協 会では現在,町内に設置されている案内板のポールに,URLとプレート番号を表示したプレート の設置を進めている。これは,現地を訪れた人がそのURLへアクセスをしてプレートに表示され た番号を選ぶと,その案内板付近のみどころや楽しみ方を見ることができるというものである。 石川県金沢市の金沢市観光協会では,メールマガジン「メルマガ いいね金沢倶楽部」の配信を 行っている。あらかじめパソコンのメールアドレスを登録しておけば,月一回金沢の情報がパソコ ンのメールアドレスに配信される。 江戸崎町の観光農業公園「ポティロンの森」では, インターネットのホームページ上にクーポンが掲載 されており,これをプリントアウトするか携帯電話 の画面に表示して窓口で提示すれば入園料が2割引 になるサービスを行っている。 ●「ポティロンの森」の入園割引クーポン (8)水戸市全体での観光強化期間の設定 [現況と課題] 本市には,年間300万人近くの観光客が訪れるものの,現状は観梅時期に突出しています。今 後,通年観光のまちを目指すためには,現在行われている四季折々のまつりやイベント(初夏のあ じさいまつり,夏の黄門まつり,秋の萩まつり等)と連動した事業の展開により,市民の観光振興 意識の向上を図ることが望まれます。 [計 画] 水戸市全体で観光強化期間の設定を行うとともに,市制施行記念事業,徳川光圀公生誕年,徳川 斉昭公生誕年等と関連づけて,数年おきに観光強化年を設定することについても検討してまいりま す。 - 65 - [主要事業] ・市全体による観光強化期間の設定 ・観光強化年設定の検討 (9)「(仮称)水戸黄門倶楽部」の設立 [現況と課題] 初めて水戸に来ていただく観光客はもとより,本市を何度も訪ねていただくリピーターの確保は 今後の観光にとって大切なことです。本市の歴史や文化,自然に興味のある方,愛着を持ってくだ さる方を対象にリピーターを増やす試みが必要です。 [計 画] 歴史や文化,観光等についての情報提供を行なう他,「(仮称)黄門手形」といった名称で観光・ 文化施設の割引券等の特典を提供できるような「(仮称)水戸黄門倶楽部」の設立についての検討 を行います。 [主要事業] ・(仮称)水戸黄門倶楽部の設立に向けた検討 [事 例] 高知県高知市の高知県立坂本龍馬記念館では,館内に「坂本龍馬倶楽部」を設立している。会費 は入会金 500 円,年会費2千円で,会員の特典は坂本龍馬記念館への入館無料,イベント情報や会 報の郵送,龍馬に関する情報交換や全国の龍馬ファンとの交流等である。 (10)観光マップ・観光ガイドブックのリニューアル [現況と課題] 水戸市を案内する観光マップ,観光ガイドブックについては,現在観光案内所で気軽に入手でき るものだけでも様々なものが発行されており,観光客はどれを見たらよいか戸惑ってしまいかねな い状況にあります。 [計 画] 観光マップ,観光ガイドブックについては,今後一つに統合し,まとめていくことについて検討 を図ります。また,現在の英文の他,今後は中国語,ハングルでのパンフレットの作成を進めます。 - 66 - [主要事業] ・観光マップ,観光ガイドブックについては,今後一つに統合し,まとめることの検討 ・中国語,ハングルのパンフレットの作成 [事 例] イギリス・バーミンガム市では,市の歴史やみどころをわかりやすく説明した観光パンフレット の各国語版(英語,スペイン語,イタリア語,ドイツ語,中国語等)を作成し,当地を訪れた外国 人観光客に配布している。 ●イギリス・バーミンガム市の観光ガイドブック(日本語版) - 67 - 7 多様なセクターの観光面での連携強化 [目 標] 多様化する観光ニーズへの対応を図るため,市民,行政,各種団体等による協議会を設置し,総 合的な調整や連携による効果的な事業展開に努めます。また,重要な観光資源を有する近隣市町村 との連携により,全国にも発信できる広域的・複合的な観光ルートの創設を進めます。さらには, お互いが回遊して楽しめる観光地づくりを推進するとともに,観光・文化施設の共通鑑賞券設定な どを進め,広域的なエリアの中で多様に楽しむことのできる滞在型観光の振興に努めます。 [施策の体系] 市民,事業者,行政等の連携強化 「水戸黄門」「水戸藩」等の広域観光ルートづくり 多様なセクターの観 光面での連携強化 「水戸八景」「新水戸八景」等の掘り起こし 周辺地域(市町村及び隣接県)との連携強化 関連都市(姉妹都市,親善都市,歴史上つながりのある都市等)との連携強化 (1)市民,事業者,行政等の連携強化 [現況と課題] これからの観光まちづくりにおいては,行政だけでなく観光に関わるすべての人(地域の企業や 市民団体,NPO,観光関連団体,民間事業者等)が連携して取り込む必要があります。 [計 画] 相互の情報の共有化に取り組むため,観光に関わるすべての人が観光の諸問題に連携して取り組 む場としての協議機関の設置を検討します。 [主要事業] ・市民,行政,各種団体等による協議会の設置 - 68 - [事 例] 大分県湯布院町では, 「農業も観光も商業も一緒に働こう」との趣旨で, 「ゆふいん親類クラブ」 を創設し,地域ぐるみで湯布院流グリーンツーリズムを展開して,観光客を迎える取り組みを行っ ている。 ■ゆふいん親類クラブ 湯布院町の関係課(企画課,農政課,商工観光課) ,議会代表,農業,商業,観光関係団体等によっ て構成され,由布院温泉観光協会がその窓口となっている。 (2)「水戸黄門」「水戸藩」等の広域観光ルートづくり [現況と課題] 『黄門さまのふるさと』としての水戸市の魅力向上を図るためには,温泉のある県北地域を含む 旧水戸藩域にまで範囲を広げることが課題です。 [計 画] 今後は,「水戸黄門のゆかりの地を訪ねる」「水戸藩域を巡る」等のテーマ性のある広域観光ル ートの定着を目指します。 [主要事業] ・テーマ性のある広域観光ルートの定着 (3)「水戸八景」「新水戸八景」等の掘り起こし [現況と課題] 水戸藩の藩主が藩内の景勝地を選定したものとして,徳川光圀公による「千波八景」,徳川斉昭 公による「水戸八景」があります。また,これにならい市民によって選定されたのが「新水戸八景」 です。 「千波八景」は,徳川光圀公が千波湖の水景を領内随一の佳景として選定したものですが,現在, 市民の間での認知度は高くはない状況にあります。 しょうしょう 「水戸八景」は,旧水戸藩内の八つの景勝地で,天保年間に徳川斉昭公が中国の 瀟 湘 八景にな らい選定したものです。これらの地には,斉昭公自らの筆跡の八景名の碑が建てられ,今も素晴ら しい景色を楽しむことができます。 水戸八景の選定以来160余年を経過し,八景が水戸市内に2か所だけしか存在しないことから, 新たに市内から八景を選定することになり,平成8年に市民の投票により選定されたのが「新水戸 - 69 - 八景」です。 [計 画] 「千波八景」については,今後市民への郷土教育の機会等を利用して改めて紹介していくことと し「水戸八景」については,関係市町村と連携のうえ観光案内の充実を図り,観光資源としての活 用に取り組んでまいります。 また,「新水戸八景」については,水戸市を代表する観光資源であることを認識し,魅力の維持, 向上に努めるとともに,水戸八景同様スタンプラリーの実施や,新水戸八景にふさわしい詩情のあ るフレーズを市民から募集する等,新水戸八景としてのアピールを強化してまいります。 [主要事業] ・千波八景の紹介 ・水戸八景の観光案内の充実 ・水戸八景をめぐるスタンプラリーの実施 ・新水戸八景の魅力の維持と向上 ・新水戸八景をめぐるスタンプラリーの実施 ■「千波八景」 ・七面山の秋月 ・神崎寺の晩鐘 ・梅戸の夕照 ・下谷の帰帆 ・柳堤の夜雨 ・藤柄の晴嵐 ・葑田の落雁 ・緑岡の暮雪 ■「水戸八景」 ・仙湖の暮雪(水戸市偕楽園内) ・青柳の夜雨(水戸市青柳町) ・山寺の晩鐘(常陸太田市稲木) ・太田の落雁(常陸太田市栄町) ・巌船の夕照(大洗町祝町) ・広浦の秋月(茨城町下石崎) ・村松の晴嵐(東海村村松) ・水門の帰帆(ひたちなか市和田町) ■「新水戸八景」 ・弘道館周辺と水戸城の壕 ・保和苑と周辺史跡 ・偕楽園公園と千波湖周辺 ・水戸芸術館 ・備前堀 ・水戸市森林公園と楮川ダム ・ダイダラボウと大串貝塚ふれあい公園 ・大塚池公園 - 70 - (4)周辺地域(市町村及び隣接県)との連携強化 [現況と課題] 水戸市を訪れた人が周辺地域を,周辺地域を訪れた人が水戸市を回遊することにより人々の交流 が生まれ,地域全体の活性化が図られることから,周辺地域との連携は重要です。 現在は,水戸・笠間・大洗観光協議会,水戸地方広域観光連絡協議会が広域観光団体としての活 動を行なっていますが,今後はさらにエリアを拡大した取り組みが必要です。 また,茨城,千葉両県の計36市町村は,観光を軸にした快適な交流空間を目指す地域構想「(ひ たち(常陸)とふさ(房総)のジョイントアップ・プロジェクト)」を立ち上げ,国土交通省が平 成15年度に創設した「観光交流空間づくりモデル事業」に選定されて,連携した観光地づくりと 誘客運動に取り組んでいます。 [計 画] 笠間市,大洗町,ひたちなか市,つくば市,大子町等の周辺市町村及び千葉県,福島県等の隣接 県との連携を強化した観光振興について検討します。 また,小川町の航空自衛隊百里基地の民間共用化に伴い,小川町及び周辺市町村との連携強化に も取り組みます。 [主要事業] ・隣接県との連携強化 ・水戸・笠間・大洗観光協議会,水戸地方広域観光連絡協議会との連携充実 ・小川町及び周辺市町村との連携強化 ■「ひたち(常陸)とふさ(房総)のジョイントアップ・プロジェクト」 (平成 15 年度事業) ・茨城,千葉県の計 36 市町村による観光振興のためのプロジェクト。太平洋沿岸の「北部」 「中部」 「南部」の三エリアで構成され,北部エリアは水戸,日立,常陸太田,笠間,ひたちなか,大洗, 那珂,東海の計8市町村。中部エリアは茨城,千葉両県にまたがり,潮来,鹿嶋,神栖,波崎の県 内計4市町と成田,佐倉等千葉県の 11 市町村。南部エリアは館山,勝浦市等千葉県,南房総地域の 計 13 市町村。プロジェクトは三つのエリアがそれぞれ民間の力を借りながら共同で地域の魅力を発 掘。ハード,ソフト両面から快適な交流空間づくりに努め,地域のブランド化を目指す,としてい る。 - 71 - [事 例] 大子町,常陸太田市等県北西部の9市町では,豊かな自然を生 かした地域振興及び観光振興を目的として「グリーンふるさと振 興機構」を発足させ,対象地域の市町村と各種の団体,民間企 業が広域的な連携のもとにさまざまな活動を行っている。その一 つに「グリーンふるさとサポートクラブ」があり,会員になると 現地参加型イベントや自然,文化体験ツアーの案内を受けられる。 年会費は2千円である。 ■「グリーンふるさと」圏内の9市町 (市町名は平成 17 年2月現在) 大子町,常陸大宮市(旧山方町,大宮町,美和村,緒川村,御前山村) ,常陸太田市(旧常陸太田市, 里美村,水府村,金砂郷町) ,笠間市,城里町(旧桂村,常北町,七会村) ,岩瀬町,北茨城市,高萩 市,日立市(旧十王町) (5)関連都市(姉妹都市,親善都市,歴史上つながりのある都市等)との連携強化 [現況と課題] 水戸市は福井県敦賀市とは姉妹都市,滋賀県彦根市,香川県高松市とは親善都市の盟約を結び, 市民の友好,交流を深めています。また,アメリカ・カリフォルニア州アナハイム市とは国際親善 姉妹都市の盟約を結んでいる他,中国・重慶市と友好交流都市提携に合意しています。これらの関 連都市との間では,これまで,物産展の開催やまつりの際の交流,交歓研修生の相互派遣,親善都 市児童生徒美術展覧会等さまざまな形での交流が図られています。 [計 画] 今後はさらに,水戸藩とゆかりの深い東京都文京区(小石川後楽園),京都市,日本三名園を有 する金沢市(兼六園),岡山市(岡山後楽園),徳川御三家のつながりから名古屋市(旧尾張藩), 和歌山市(旧紀伊藩)等,本市とゆかりが深く,観光地としての魅力のある都市との連携を図るこ とについて検討を進めます。 また,ニューヨークのセントラルパーク,ロンドンのハイドパークと連携し,三公園サミットと 銘打ったイベントの開催等についても検討してまいります。 [主要事業] ・関連都市との連携強化 ・観光地としての魅力ある都市との連携 ・三公園サミットと銘打ったイベントの開催検討 - 72 - ■水戸市の友好交流都市 ・福井県敦賀市(姉妹都市) ・滋賀県彦根市(親善都市) ・香川県高松市(親善都市) ・アメリカ・アナハイム市(国際親善姉妹都市) ・中国・重慶市(友好交流都市) - 73 - 8 [目 様々な観光需要への対応 標] 関係団体との連携を強化し,コンベンションの誘致・受入体制の充実を図るとともに, アフターコンベンションの魅力の充実に努めます。 また,新たな観光として需要の高まっているグリーンツーリズム(農業体験,納豆づ くり体験等)やエコツーリズム(トレッキング,昆虫採取体験等)など,体験型観光の 検討を進めるとともに,県が設立したフィルムコミッションと連携を図りながら活動の 促進に努めます。 [施策の体系] 水戸の梅まつり時期の交通混雑緩和(水戸の入口での P&R 等) 車社会への対応(駐車場需要への対応) 「水戸学」等の学術研究の観光面での活用 コンベンション(会議・展示会等)活動の充実 スポーツイベントの観光面での活用(PR 等) 様々な観光需要への対応 体験型観光への対応充実 フィルムツーリズムへの対応充実 文化財の観光面での活用 観光面でのユニバーサルデザイン化推進 外国人観光客への対応充実 - 74 - (1)水戸の梅まつり時期の交通混雑緩和(水戸の入口でのP&R等) [現況と課題] 水戸の梅まつりの時期には県外からも多くの観光客が訪れ,市内の道路の混雑は甚だ しい現況にあります。「道が混むから梅まつりの時期には偕楽園近辺には行かない。」 という市民の声も聞かれることもあります。 [計 画] 自家用車の利用者に対し高速道路のインターチェンジ付近に車を止めてもらい,そこ から偕楽園までシャトルバスで送迎するパーク&ライド方式の採用により観光ピーク 時における交通混雑の緩和を図るなど,交通対策について検討します。 この方式が浸透すれば,観光客にとっては不慣れな街で駐車場を探す心配がなくなり, また市民にとっても日常生活に支障をきたす道路の渋滞が解消されることとなって,観 光地としての魅力の向上にもつながるものと思います。 臨時駐車場の設置場所としては,常磐自動車道水戸インターチェンジ付近,及び北関 東自動車道茨城東インターチェンジ付近が考えられます。 [主要事業] ・パーク&ライド方式の採用により観光ピーク時における交通混雑の緩和 [事 例] 石川県金沢市では,ゴールデンウィーク中の兼六園周辺の道路渋滞解消対策として, パーク・アンド・バスライド方式を実施している。平成 15 年には5月3日,4日の2 日間実施された。来訪者は北陸自動車道金沢東,西インター付近の臨時駐車場に駐車し, 専用バス「兼六園すいすい号」で市内中心部へ向かう。兼六園,ひがし茶屋街等の主要 な観光地を循環するバスで,乗り降り自由となっている。料金は,車1台に何人乗って いても千円(専用バス乗り放題,駐車料込み)である。 ●兼六園すいすい号(石川県金沢市) ●すいすい号のルートマップ - 75 - (2)車社会への対応(駐車場需要への対応) [現況と課題] 観光客が利用しやすいまちづくりを考える場合,駐車場需要への対応は不可欠な課題 です。観光地においても,広くて停めやすい駐車場が整備されていれば観光客も集めや すくなります。中心市街地や水戸のロマンチックゾーン,備前堀周辺地区等については 近隣に駐車スペースの確保が求められています。 [計 画] 中心市街地においては,まちを歩く都市観光を促進するためにも,平成5年から導入 されている共通駐車券システムを活用した既存の駐車場の利用促進を図ります。 また,大型バスの駐車場については,今後需要と採算性を見極めながら駐車場の整備 を検討し,周辺の観光スポットについても,駐車スペースの不足している場所について は駐車場の確保について検討するものとします。 [主要事業] ・既存の駐車場の利用促進 ・大型バスの駐車が可能な駐車場の整備検討 ・駐車スペースの不足している場所についての駐車場確保の検討 [事 例] 長野県小布施町では,観光客に車を駐車場に停めてもらい,あとはゆっくりまちなか を散策してもらうとの趣旨で「パーク&ウォーク」の推進を行っている。郊外の駐車場 の利用者は,町内周遊シャトルバス「おぶせ浪漫号」(料金は1日周遊券が 300 円)を利用 して町内の主な観光施設を周遊することができる。また,「軒下駐車場 (オープンガレ ージ)」として,黄色い旗の掲げてあるスペースでは企業や個人の家のおもてなしの心に よる協力のもと,無料で軒下に駐車することができる。 ●軒下駐車場(オープンガレージ)システム(長野県小布施町) - 76 - (3)「水戸学」等の学術研究の観光面での活用 [現況と課題] 歴史都市として,水戸の歴史を観光資源として活用していくことは重要です。今後は さらに関係機関とタイアップした取り組みが必要です。 [計 画] 水戸学の研究家を観光客として水戸市に迎え入れるため,「水戸学を学ぶ」ルートづ くりを行なうなど,市民が水戸学について知っていて案内できることを目標に,市民に 対して水戸学及び歴史的背景等を学ぶ場を設けるなど,事業実施に向けた検討を行ない ます。 [主要事業] ・「水戸学を学ぶ」ルートづくり ・水戸学及び歴史的背景等を学ぶ場の設定 ■「水戸学」とは 江戸時代,水戸藩で興隆した学派。国学・史学・神道を基幹とした国家意識を特色とし, 藩主徳川光圀の「大日本史」編纂に由来するが,特色ある学風を形成したのは寛政(1789 ∼1801)年間以降。尊王攘夷運動に大きな影響を与えた。 (広辞苑より) [事 例] 静岡県掛川市では,全国に先駆け昭和54年に ●掛川城天守閣(静岡県掛川市) 「生涯学習都市宣言」をし,郷土の歴史に学ぶ 「掛川事始(地域学のすすめ)」を始めとする26 に及ぶ生涯学習関連事業を20年余りにわたって 展開している。平成7年度からは,生涯学習の まち掛川を代表する取り組みとして「とはなに か学舎」と名付けた社会人向け生涯学習講座を 実施している。講座の内容は,一流講師による 講義や掛川の名所旧跡をバスでまわる「学びの バス」等である。掛川市では生涯学習によって 地域に学びながら地域を磨き上げる「生涯学習観光都市」を目指して「掛川・新観光ビ ジョン」を平成6年度に策定し,木造本格天守閣として掛川城を復元すると共に,周辺 市街地を城下町風のまちなみとして整備する取り組みを行っている。 - 77 - (4)コンベンション(会議・展示会等)活動の充実 [現況と課題] 観光とコンベンションは密接な関係にあり,双方が両輪のごとく相まって水戸市の魅 力ある都市づくりが可能となると言えます。観光サイドからはコンベンションは観光客 の集客セクションとして機能し,コンベンションサイドからは,観光はアフターコンベ ンションの関係からコンベンション主催者にとって重要な開催決定ファクターとして 機能します。このことから,観光とコンベンションは表裏の関係にあると言えます。 そして,県都の役割を果たす上でも,水戸市においては特に会議及び展示会系コンベ ンションについて積極的な誘致を行なっていくことが必要です。 [計 画] 今後は水戸市及び水戸観光協会のインターネットホームページにおいて,コンベンシ ョンに関する情報提供機能の充実に努めるとともに,アフターコンベンションの魅力を 高めるための手段としてコンベンション参加者に対し,文化・観光施設の入場割引クー ポンを配布することなどの施策について検討します。 また,コンベンション都市としての機能を充実させ,観光振興に役立てていくために 最も重要な事項としてはコンベンション・ビューローの設立が考えられるところですが, これについても今後検討します。 [主要事業] ・コンベンションに関する情報提供機能の充実 ・コンベンション参加者への文化・観光施設の入場割引クーポン配布 ・コンベンション・ビューローの設立 [事 例] ●つくば国際会議場・エポカルつくば つくば市では,土浦市と共同で「土浦・つくば コンベンションビューロー」を設立し,コンベン ション活動を活発に行っている。一定の条件を満 たした開催団体には助成金の交付を行う他,支援 グッズの提供,歓迎看板・ステッカーの設置,コ ンベンション・ボランティアの派遣等を行って会 議運営を支援している。ビューローパンフレット の配布,機関誌「土浦・つくばコンベンションニ ュース」の発行等,広報活動にも力を入れている。 - 78 - (つくば市) (5)スポーツイベントの観光面での活用(PR等) [現況と課題] 現在,水戸市で開催されている大規模なスポーツイベントとしては,水戸国際陸上大 会があります。また,プロサッカーJ2リーグの水戸ホーリーホックが水戸を本拠地と して活動しています。 スポーツイベントは「黄門まつり」等のいわゆる祭りイベントとは異なる客層を水戸 市に呼び寄せ,まちを活気づける手段として有効であると考えられます。また,近年の 健康志向の高まりにより,ウォーキング大会やマラソン大会といった市民参加型のスポ ーツイベントも人気を集めている現況にあります。 [計 画] 水戸ホーリーホックは,特定の企業や組織のみに多くを頼らずに市民が支える市民球 団であり,地域の活性化のためにも,今後も水戸ホーリーホックへの支援を継続させ, 水戸市への集客を図ります。 また,ウォーキング大会やマラソン大会についても,こうしたイベントは宿泊を伴う 集客につながるものでもあることから,イベント後の観光面での寄与が期待できます。 このため,ウォーキング協会やマラソン協会等の主催団体及び関連部署と連携しながら イベントの支援についての検討を進めます。 [主要事業] ・運動競技大会の開催支援 ・水戸ホーリーホックへの支援の継続 ・運動競技大会等の主催団体及び関連部署と連携したイベントの支援 [事 例] ●御三家登城ウォーク 平成 15 年 11 月には,千代田区江戸開府 400 年 記念事業実行委員会の主催,(社)日本ウォーキン グ協会の主管により「御三家登城ウォーク」が開催 された。徳川家康が江戸に幕府を開いて 400 年を 記念し,御三家登城隊が徳川家にゆかりの深い御 三家(尾張藩,紀伊藩,水戸藩)のご当地から江 戸城に向けて当時の情景を思いながら6つのルー トをウォークするというもので,一般のウォーカ ーが希望のステージに参加するサポートウォークも同時に実施された。 - 79 - (6)体験型観光への対応充実 [現況と課題] 近年は,観光地を見るだけでなく,自分なりにテーマを持って体験したり,現地の人々 と交流しながら興味のあることについて学ぶ,エコツーリズム(自然体験)やグリーン ツーリズム(農業体験),リバーツーリズム,漁業体験,料理体験,スポーツ・レクリ エーション体験,歴史体験,祭り・伝統芸能・伝統工芸体験などの体験型観光の人気が 高まっています。 水戸市においても,観光の新たな潮流となりつつあるこうした体験型観光の需要を対 応していく必要があります。 [計 画] 本市の有する豊富な歴史,文化,自然資源を生かすとの観点から,歴史体験や伝統芸 能,伝統工芸体験,エコツーリズム(自然観察会やネイチャーウォーキング,トレッキ ング,昆虫採集体験等),グリーンツーリズム(田植えや稲刈り等の農業体験,農作物 の植え付け,収穫体験,芋掘り,いちご,なし,ぶどう等の果実狩り,梅干し作り体験, 納豆作り体験,ガーデニング講習等)の体験型観光の事業を推進します。 また,自然体験型交流施設のある森林公園,少年自然の家,ふるさと農場等のある水 戸市西北部エリア及び下市地区の備前堀周辺エリア等において,自然や歴史に触れあえ る体験交流拠点の形成を図り,観光資源としての活用及び受け入れ体制を確立するとと もに,市民や来訪者へのPRを強化します。 [主要事業] ・自然や歴史に触れあえる体験交流拠点の形成 ・市民や来訪者に対するPRの強化 ●森の交流センター(森林公園内) - 80 - (7)フィルムツーリズムへの対応充実 [現況と課題] フィルムツーリズムは,映画やTV,CMのロケ地 ●県三の丸庁舎 を訪れて映像の世界を味わう新たな観光の形態です。 一方,観光客への情報発信及び映画やTVの制作者に 対するロケ地としての誘致活動,ロケ隊への各種支援 活動を行なう役割を持つのがフィルム・コミッション (FC)です。水戸市においても,平成9年から10 年にかけて放映されたNHK大河ドラマ「徳川慶喜」, 平成16年10月に放映されたNHKドラマ「ねばる 女」等に撮影協力を行なった実績があります。 なお,県三の丸庁舎は平成15年に公開された映画「半落ち」のロケ現場として使用 された他,TVドラマ等でも度々放送されています。 [計 画] フィルムツーリズムは,何気ない通りを人のにぎわう通りに変える観光振興の有力な 手法であることから,本市としても県の動きと連動しながらFC活動の充実に努めます。 [主要事業] ・県と連動したフィルム・コミッション活動の充実 ■「フィルム・コミッション(FC) 」の主な活動内容 ・すでに映画,TV,CM等のロケ地として使用された場所を新たな観光スポットとして PRし,観光振興に役立てる。 ・地区内に有する歴史・自然・観光資源等について,これから製作される作品のロケ地と して活用してもらえるように,製作関係者に対して誘致活動を行う。 ・実際にロケが行われる際に,ロケ隊に対して宿泊施設・飲食店等の紹介,警察や消防署 への許認可申請の支援等,各種のサポートを行う。 [事 例] 茨城県では,平成 14 年 10 月にフィルムコミッション(FC)推進室を設置し,積極 的にロケ誘致を行っている。東京から日帰り圏内にあり自然が多い立地条件や,映画 「HAZAN」を県を挙げて支援したことが関係者の間で評価され,映画,TVドラマのエ ンディングの字幕に県内の市町村名が「(撮影)協力先」として登場する機会が増えて いる。「HAZAN」の他,これまで映画「座頭市」「下妻物語」 ,NHK大河ドラマ「武蔵」 - 81 - 等の作品の撮影が県内で行われた。また,県内でFC 活動に力を入れているのは水海 道市である。平成 15 年に県内で撮影された映画・TV等は 94 作品であるが,そのうち 54 作品が水海道市でロケされた。市商工観光課内にFC推進室を設置しており,これ までNHK大河ドラマ「利家とまつ」,映画「ピンポン」 「ゼブラーマン」等の作品が市 内で撮影されている。 北海道富良野市は,昭和 56 年から平成 14 年まで放映されたフジTV系列のドラマ「北 の国から」の舞台として一躍有名になった。ドラマの撮影に使われた家等が一部そのま ま保存されており,TVドラマの世界を味わう為に現地を訪ねるファンは多い。ふらの 観光協会では,これらの撮影現場の保存及び管理を行うとともに,いくつかのスポット を有料で公開している。また,「北の国から」観光スポットマップを作成したり,「北の 国から」パスポートを販売したりして,観光客がロケ地を回遊しやすいように便宜を図 るとともに観光資源として活用している。 (8)文化財の観光面での活用 [現況と課題] 水戸市及び周辺地域には,弘道館,八幡宮本殿といった国指定の建造物文化財,県指 定の絵画や彫刻,伝統工芸品等の有形文化財,県指定の郷土芸能(水戸大神楽等)の無 形文化財等多くの文化財があり,この他にも吉田古墳,愛宕山古墳,大串貝塚,笠原水 道,水源,台渡里廃寺跡,水戸城跡などの国,県,市指定の史跡文化財も多く存在して います。 [計 画] 既存の歴史資源については,例えば「(仮称)水戸市民遺産制度」を作るなどして, 次世代に受け継ぐ市民の遺産として認定し,保存を図るとともに,市内外に観光資源と してのアピールの強化を図ります。 [主要事業] ・(仮称)水戸市民遺産制度の設立 ・歴史資源のアピール強化 ●笠原水道,水源(逆川緑地内) - 82 - (9)観光面でのユニバーサルデザイン化推進 [現況と課題] 今後の観光振興を考える上で,身体に障害のある方や高齢者,子供,妊婦,乳幼児連 れ等を含むすべての人が快適に利用できるまちを目指すことは不可欠な課題です。茨城 県では,観光客向けのバリアフリーにも力を入れており,「高齢者・障害者にやさしい 茨城」としても全国へ売り出そうとしています。この一環として,平成13年度から水 戸の梅まつり開催期間中は偕楽園東門入口でアウトドア用車いすの貸し出しと介助ガ イドの配置を実施している他,インターネット上で「偕楽園公園バリアフリーマップ」 を公開しているところであり,水戸観光協会でも千波公園において車いす及び杖の無料 貸し出しを実施している現況にあります。 一方,交通面においては,平成12年に「高齢者,身体障害者等の公共交通機関を利 用した移動の円滑化の促進に関する法律(交通バリアフリー法)」が施行されたことを 受け,水戸市では平成16年4月に「水戸市交通バリアフリー基本構想」を策定したと ころです。 [計 画] 今後も県の取り組み等と連動しながら,観光面でのユニバーサルデザイン化を推進す るとともに,交通機関にとどまらず飲食,宿泊,観光,文化施設,公園等,すべての観 光関連施設についてもユニバーサルデザイン化に向けた検討を進めます。また,その推 進状況についてもホームページ等で広く告知していくことも合わせて検討します。 [主要事業] ・観光面でのユニバーサルデザイン化の推進 ・すべての観光関連施設におけるユニバーサルデザイン化の推進 ・ユニバーサルデザイン化の推進状況のホームページによる告知 ■「バリアフリー」とは 高齢者や身体障害者が介護者の援助を受けずに一人で移動できるように,バリア (障害・障壁・不便)となるものを排除すること。特に,住みやすい住宅づくりや, 道路・交通機関など移動しやすい条件などを整備すること。住宅では段差や仕切り を無くし,交通機関や乗換駅周辺や街の中では車椅子で自由に乗り降りや移動でき る工夫をしたり,トイレのスペースを確保,エレベーターの設置や視覚障害者向け の誘導表示にも配慮すること。 (「建設情報の用語ABC」いばらき建設技術研究会編より) - 83 - ■「ユニバーサルデザイン」とは バリアフリーの考え方を発展させ,高齢者・障害者・子供など年齢,性別を問わずす べての人にとって使いやすく利用しやすく設計した製品,建物,環境などは,一般の 人にとっても便利で使いやすいはずであるとの考え方から,すべての人のためのデザ インあるいはすべての人に優しいデザインのこと。 (「建設情報の用語ABC」いばらき建設技術研究会編より) [事 例] 新潟県では, 「すべての人が安心して外出できるように」との観点から,「にいがたバ リアフリーガイドマップ」というインターネットホームページを開いており,これを閲 覧すれば県内の公共的施設等のバリアフリー情報を気軽に入手することができる。 (10)外国人観光客への対応充実 [現況と課題] 現在,国全体でインバウンド(外国の方々に日本に来てもらう観光政策)への取り組 みが強化されている現況にあります。このことを踏まえ,水戸市においても外国人観光 客への対応の充実に取り組む必要があります。 全国では,街頭や車中等で困っている外国人旅行者に善意で通訳を行なう善意通訳運 動(グッドウィル・ガイド)と呼ばれるボランティア運動が行われています。 [計 画] 本市においても外国人観光客への対応の充実に取り組むため,駅や観光施設,路線バ ス等における案内板表示及び道路案内標識,観光パンフレット等について外国語表記 (英語,中国語,ハングル等)の充実を図ります。 また,外国人旅行者,水戸市近郊に居住する外国人向けに水戸の歴史,文化等を紹介 し,体験してもらうための国際交流拠点づくりも望まれているところであり,JR水戸 駅構内の観光案内所及び観光拠点施設の中にもこうした機能を併設するための検討を 行ないます。 さらに,外国人旅行者に対する善意通訳運動についても,ホテル,レストラン等にお いて外国人旅行者受け入れに関する講習会を実施するなど,外国人旅行者に対するホス ピタリティを向上させるための検討を進めます。 - 84 - [主要事業] ・駅や観光施設,路線バス,道路案内標識等における案内表示の充実 ・観光パンフレット等の外国語表記の充実 ・善意通訳運動の普及と外国人旅行者の受け入れに関する講習会の実施 - 85 - 9 [目 料理・物産品等の充実 標] 観光と土産品は密接な関係にあります。買いたくなる魅力のある土産品の存在,そこ でしか買うことのできない土産品の存在は観光地の魅力を相乗的に向上させることに なります。 水戸市の場合,特産とされる代表的な土産品として,納豆,梅製品等がありますが, これらのものについては,人により好き嫌いが分かれるものが多く,年代を問わず誰に でも喜ばれる食関係の土産物が少ない状況にあります。これらのことから,今後は,目 の肥えた観光客の購買意欲をそそるような,水戸ならではの洗練されたお洒落なイメー ジの土産品の開発に取り組むとともに,本市ゆかりの先達の功績をはじめ,水戸黒や七 面焼などの活用に向けた事業の展開を推進するものとします。 また,郷土芸能については,様々なイベントの場を活用して披露する機会を設けるな ど,観光資源としての活用を図ります。 [施策の体系] 伝統工芸品の保存及び活用 「水戸黄門」ブランドを活用した土産品の充実 「(仮称)水戸料理」の開発研究 料理・物産品等の充実 土産品の品質向上 郷土芸能の存続及び充実 「発酵文化研究」の推進 (1)伝統工芸品の保存及び活用 [現況と課題] 水戸市及び周辺地域には,水戸金工,農人形,水府提灯,雛人形,七面焼,水戸黒, 剣道具,涸沼竿,水戸彫り,粟野春慶塗,米粒人形等の伝統工芸品があるが,一般には よく知られていないものが多く,時代の流れにより伝統を受け継ぐ職人も減少している 現状にあります。これらの工芸文化については,伝統を受け継ぐ人がいなくなればその 保存そのものが危ぶまれてしまうことから,技術の保存と観光資源としての活用を図る - 86 - 必要があります。 [計 画] JR水戸駅構内の観光案内所及び「(仮称)水戸黄門ミュージアム」のような拠点施 設において,伝統工芸品の展示や販売をはじめ,制作体験等を行なうこと,及び優良土 産品として選定しPRを強化することなどの他,水戸黒,七面焼等の伝統工芸に興味の ある市民向けの講習会の実施や伝統工芸継承のための支援に関する事業開催について の検討を進めます。 [主要事業] ・伝統工芸品の展示と販売 ・伝統工芸品の制作体験等の実施 ・伝統工芸に興味のある市民向け講習会の実施 ・伝統工芸の継承に向けた支援の検討 [事 例]●金沢市安江金箔工芸館(石川県金沢市) 休館日:12/29∼1/3,催物入替日 開館時間:9:30∼17:00 入館料:大人300円,65才以上200円(茶菓付),高校 生以下無料(但し茶菓代100円) 工芸館の特長:金箔打師の安江氏が収集・保存してい た金箔製造用具や美術工芸品270点を展示。蒔絵,漆 器,仏壇等,金沢の伝統工芸文化を支えてきた金箔 に関する資料の集大成とも言える展示館である。 (2)「水戸黄門」ブランドを活用した土産品の充実 [現況と課題] 水戸黄門を前面に打ち出した観光まちづくりに取り組む上で有効と思われるのが,イ メージキャラクターとしての「水戸黄門」を活用した土産品の充実です。最近,ハロー キティ,ドラえもんといった子供に人気のあるキャラクターが水戸黄門の衣装をまとっ た土産品も増えています。 [計 画] 今後についても,関係事業者に対し,水戸黄門キャラクターを生かした土産品の充実 を呼びかけていくとともに,こうした土産品についてのアイテム数を増やし観光客の選 - 87 - 択肢の幅を広げることについて検討します。 また,水戸黄門ブランドの活用と合わせ,地場産品を活用した地域限定バージョンの 土産品の充実を図ることや,パッケージデザインには水戸黄門,味は梅味,納豆味バー ジョンを取り入れた菓子等のアイテム数を増やし,「ここでしか買えない」「水戸なら では」の個性ある土産品を打ち出すことなどについても検討を進めます。 [主要事業] ・水戸黄門キャラクターを生かした土産品の充実 ・地場産品を活用した地域限定バージョンの土産品の充実 ・「水戸ならでは」の個性ある土産品の開発 [事 例] ●ハム太郎ちんすこう 【沖縄県の土産菓子】 全国各地では,地元の名産品を使って生産した 菓子の地域限定バージョンが発売されている。沖 縄県では黒糖やパイナップル,紅芋,ゴーヤ味等, 北海道では鮭,とうもろこし,じゃがいも,夕張 メロン味等,長野県ではリンゴやブルーベリー味 等である。 (3)「(仮称)水戸料理」の開発研究 [現況と課題] 水戸市及び周辺地域の名物料理としては,現在「あんこう料理」「納豆料理」「水戸 藩らーめん」「黄門料理」等があります。しかし,一方で「水戸には美味しいものがな い」「訪問客を案内する店がない」という声もたびたび聞かれます。これは,中心市街 地にあんこう料理の店が点在しているものの,JR水戸駅前の大型商業施設や偕楽園周 辺,大工町の飲食店街等に水戸料理の店が集積されていないこと等が原因とも考えられ ます。 また,観光客に対して地場の豊富な食材を活用してトータルに水戸の料理として味わ える店や機会を提供する仕掛けなども必要であり,「(仮称)水戸料理」の試食や,水 戸の食に関する情報収集の機会を設ける等の対応が望まれます。 [計 画] 観光客にとってわかりやすい場所に,水戸藩らーめん横丁,あんこう横丁,納豆料理 横丁といった水戸料理店の集積をはじめ,「屋台横丁」として水戸料理を主体とした屋 - 88 - 台の集積を図ることについての検討を進めます。 また,豊富な地場産品を提供することについては,旧水戸藩にまで食材の対象範囲を 広げ,「(仮称)水戸料理」として開発研究を行うとともに,レシピ作成とブランド化 を図り,地産地消の食文化のまちとしての観光振興を推進します。 なお,「(仮称)水戸料理」のブランド化推進のためには,まずは地元住民への浸透 が必要と考えられるため,レシピ作成と合わせ,食べ歩きの機会が多く,おいしい店や 料理についての情報量が豊富な市内の女性グループに呼びかけ,水戸の食に関する情報 収集の機会を設けた「(仮称)水戸料理」の試食会等を実施することなどについても検 討します。 [主要事業] ・あんこう横丁,屋台横丁等の水戸料理店の集積 ・「(仮称)水戸料理」の開発研究 ・レシピの作成と食のブランド化 ・「(仮称)水戸料理」試食会の実施 ■「(仮称)水戸料理」のベースとなる食材 ●水戸藩領図( 「水戸市史」より) (旧水戸藩域の地場産品) あんこう,奥久慈シャモ,常陸牛,ローズポーク, こんにゃく,ゆば,常陸秋そば,納豆,大洗の岩が き,いわし,涸沼のシジミ,梅,酒,味噌,漬物, シェーブル(ヤギ乳 100%チーズ),うなぎ等 [事 例] 栃木県宇都宮市では,「餃子消費量日本一の町」を キーワードとして餃子を活用した観光振興に取り組 んでいる。JR宇都宮駅東口には平成6年に餃子像 が設置された。また,業界団体である宇都宮餃子会 は観光協会と協力して,市内の餃子店78店舗(平成 15年度現在)を掲載した「宇都宮ギョーザマップ」 を発行している他,初めて宇都宮を訪れた人が宇都 宮の餃子27店(平成15年11月現在)の味を日替わり で味わえ,最新のイベントやレジャー情報も入手で きる拠点店舗「来らっせ」を運営している。 - 89 - ●来らっせ(栃木県宇都宮市) (4)土産品の品質向上 [現況と課題] 旅の想い出として,また家族や職場への土産として土地の名産品を購入することは, 観光の大きな楽しみの一つです。しかし,長引く不況や消費社会の成熟により土産物に ついても価格が手頃でありながらも味の良い物,土地の個性が感じられる物が支持され る傾向が強まっており,安いだけの品やどこにいても手に入る物だけを提供していては, その土地自体の魅力が低下することとなります。 現在,水戸の土産品としては,食関係では納豆,梅干,梅を使った菓子,吉原殿中, シェーブルチーズ,酒,漬物,味噌等,製造関係では水戸黄門関連グッズや農人形等の 伝統工芸品があります。 近年,梅にちなんだ土産品については,水戸商工会議所が事務局となって関連事業者 とともに統一ブランド「梅色未来」の開発に取り組み,梅の素材や色を生かした商品の ブランド化が図られています。 [計 画] 今後,梅関連の食品については,「梅色未来」に選定されるアイテム数を増やし,P R等も積極的に行い認知度を向上させブランド力を高めます。 [主要事業] ・「梅色未来」に選定されるアイテム数の増と積極的なPRの展開 ●統一ブランド「梅色未来」の酒 【事 例】 ●仙台の代表的な土産品 - 90 - (5)郷土芸能の存続及び充実 [現況と課題] 水戸市に伝わる郷土芸能としては,県の無形民俗文化財に指定されている大串のささ らばやし,大野のみろくばやし,水戸の大神楽等があります。また,日本三大民謡の一 つとされている磯節については毎年全国大会が開かれており,県内及び全国から500 名を超える参加があります。これらの郷土芸能については,保存への取り組みを行なわ ずにいると途絶えてしまい,一度途絶えてしまうと復活させるのに多大なエネルギーが 必要となります。このため,民謡,尺八,三味線等の芸能と合わせ,保存,存続への取 り組みを行なうことが必要です。 [計 画] 郷土芸能については,保存,存続の取り組みとして水戸の梅まつり,萩まつり等,様々 なイベントの場を活用して披露する機会を設けるとともに,貴重な観光資源としての活 用を図ります。 また,市内の既存施設を活用するなどし,こうした芸事を習う場の提供を行ないます。 [主要事業] ・郷土芸能の保存・存続に向けた取り組み ・芸事等を習う場の提供 [事 例] 新潟県新潟市では,市内の有力企業,料亭,ホテル,金融機関等を中心に約 80 社が 出資して芸妓の養成・派遣を目的とした株式会社を発足させ,小町芸妓の復興を図って いる。こうした試みは全国にも普及しており,京都市,岐阜市,山形県酒田市,富山県 氷見市,名古屋市等でも同等の試みが行われている。 ●エイサー(沖縄県) 沖縄県では郷土芸能として伝わる古典舞踊(紅型 をまとった女性の優雅な踊り),エイサー(若者の勇 壮な群舞)等の琉球舞踊が観光資源として活用され ている。観光客が宿泊するホテルや観光施設等で琉 球舞踊の鑑賞ができる他,空港の到着ロビーでもこ うした舞踊が披露されている。 - 91 - (6)「発酵文化研究」の推進 [現況と課題] 水戸市及び周辺地区には地場の豊富な食品,食材があるものの,それを観光振興に十 分生かすには至っていない現状にあります。食は,ただ空腹を満たすためだけのもので なく,その土地の風土や文化を知る手がかりとなることもあります。水戸を代表する食 品といえば納豆があげられますが,水戸や周辺地域には,この他にも酒,味噌,チーズ 等の地場産品もあります。これらは皆健康に良いとされる発酵食品であり,人々の食に よる健康増進への関心が高まっている社会動向を考えると,今後は観光資源としての活 用が期待できるものです。 [計 画] 今後は,食品や食器,食に関わるイベントまで含め,水戸の食文化の形成を図ること に力を入れて観光振興につなげることを目的に,納豆の研究を推し進めるとともに納豆 以外の発酵食品についても研究,開発を進め,合わせて品質の向上を図りながら観光資 源として打ち出すこととし「納豆のまち」から「発酵文化のまち」を目指します。 また,発酵食品関連事業者,関係団体,学識経験者,専門家等を中心として発酵文化 を研究する研究会「(仮称)水戸市発酵文化研究会」を作ることなどの検討を行い,現 在ある発酵食品の市民,観光客への周知徹底を図るとともに,発酵食品を生かした地場 産品の研究,開発及び発酵食品のブランド化を目指します。 [主要事業] ・納豆及び納豆以外の発酵食品の研究と開発 ・「(仮称)水戸市発酵文化研究会」設立に向けた検討 ・発酵食品を生かした地場産品の研究,開発 ・発酵食品のブランド化を目指した検討 [事 例] 石川県金沢市では,例年2月中旬の週末3日間に食に関するイベント「フードピア金 沢」を開催している。冬期の観光客減少への対策として,食材の最も豊富な冬に,石川 の食文化とそれを育てた風土を満喫してもらい観光客を呼び込もうという趣旨で昭和 60年に始められたが,現在では石川県の冬を代表する食の祭典として毎年多くの参加者 が金沢市を訪れるようになっている。イベントの主な内容は各界の著名人を招いての 「食談」,兼六園周辺の茶店で金沢芸妓の舞やお座敷太鼓を楽しむ「兼六園雪見宴会」,屋 台村やラーメン横丁に立ち寄りながらステージイベントも鑑賞できる「フードピアラン ド」等である。 - 92 - 第2 計画の推進 本計画の基本的な目標である「黄門さまと地域資源を生かした,観光による 漫遊元気都市づくり」の実現に向けては,行政と市民,事業者,各種団体,さ らには,周辺地域や関連都市等との連携,協力体制を強化しながら取り組むこ とが必要です。 そのため,本計画における各種施策を着実に推進するための体制を整備しま す。 1 観光のまちづくり推進体制 人々が交流し,にぎわう観光のまちづくりに向けた各種施策の推進に当た っては,市観光協会をはじめ,観光関連事業者,関係団体とのより一層の連 携の強化を図るとともに,市民,行政,各種団体等で組織する(仮称)産業 振興協議会を設置し,総合的な調整や連携を図りながら,効果的な事業の展 開に努めます。 また,県をはじめ,重要な観光資源を有する近隣市町村等との連携体制を 強化するとともに,水戸・笠間・大洗観光協議会など,関係団体も含めた広 域的な連携による推進体制づくりを進めることとします。 2 庁内推進体制 観光の振興に向けては,各種イベント等のソフト事業や景観整備等のハー ド事業を効果的に展開する必要があることから,関係部課間の連携,連絡等 の体制を強化しながら,全庁的に取り組むこととします。 - 93 - 付 属 資 料 資料1 水戸市新観光基本計画策定経過 資料2 水戸市観光審議会諮問書 資料3 水戸市観光審議会中間答申書 資料4 水戸市観光審議会答申書 資料5 水戸市観光審議会条例 資料6 水戸市観光審議会委員名簿 資料7 アンケート調査結果 資料8 用語解説 水戸市新観光基本計画策定経過 水戸市観光審議会 第1回観光審議会(平成14年10月28日市民会館) 委嘱状交付 審議事項 (1)水戸市観光基本計画の策定について (2)水戸のまつりの概要について (3)新基本計画(まつり)の考え方について (4)その他 第2回観光審議会(平成14年11月21日政策会議室) 報告事項 1 第1回審議会質問に対する資料の提出と考え方について 審議事項 (1)新基本計画(まつり)の考え方について (2)その他 第3回観光審議会(平成14年12月24日政策会議室) 報告事項 1 第2回水戸市観光審議会における審議事項について 審議事項 (1)中間答申 − 新基本計画(まつり)の考え方について(案) (2)その他 第4回観光審議会(平成15年6月10日市民会館) 講演 「観光とまちづくり」 流通経済大学社会学部国際観光学科 教授 香川 眞 審議事項 (1)新基本計画の考え方(策定事業の実施フローについて) (2)その他 アンケート調査 公民館 平成15年7月22日∼平成15年8月1日 観光地 平成15年8月 第5回観光審議会(平成15年8月25日政策会議室) 審議事項 (1)水戸の観光をとりまく現状 (2)意向調査の結果 (3)新観光基本計画の基本方針 (4)その他 第6回観光審議会(平成15年10月24日政策会議室) 審議事項 (1)コンセプト(案)について - 94 - (2)基本方針について (3)基本施策について (4)その他 第7回観光審議会(平成15年12月24日水戸芸術館会議場) 審議事項 (1)コンセプトについて (2)基本方針について (3)基本施策について その他 (1)次回以降審議事項について (2)スケジュール変更(案)について (3)その他 第8回観光審議会(平成16年2月18日市民会館) 審議事項 (1)基本方針について (2)基本施策について (3)その他 第9回観光審議会(平成16年4月15日市民会館) 付属機関会議の公開制度について 審議事項 (1)主要事業項目について 4 料理・物産品等の充実 5 祭りやイベントの魅力アップ 6 様々な観光需要への対応 (2)その他 第10回観光審議会(平成16年7月5日市民会館) 審議事項 (1)主要事業項目について 7 広報・宣伝活動の強化 8 多様なセクターの観光面での連携強化 9 ホスピタリティの醸成 (2)その他 第11回観光審議会(平成16年10月27日市民会館) 審議事項 (1)観光基本計画策定について (2)その他 パブリック・コメント手続き 水戸市観光基本計画(案)概要 案の公表開始日 平成16年12月17日(金) 平成17年 2月17日(木)(内原地区) 意見の提出期間 平成17年 1月14日(金) 平成17年 2月25日(金)(内原地区) - 95 - 市民等からの意見数 計 7人 66件 庁内会議 庁内調整会議 平成17年1月25日 政策会議 平成17年2月15日 第12回観光審議会(平成17年2月28日市民会館) 報告事項 (1)パブリック・コメント結果について 審議事項 (1)観光基本計画(案)について (2)その他 庁議決定 平成17年4月25日 - 96 - 観 光 諮 問 第 1 号 平成14年10月28日 水戸市観光審議会 様 水戸市長 岡田 広 水戸市観光基本計画の策定について(諮問) 本市の観光行政は,平成7年度に観光振興の指針となる「水戸市観光基本計画」を策 定し,施策の展開を図ってきたところであります。 しかしながら,策定後7年を経過した今日,観光に対するニーズは余暇時間の増大や 情報社会の進展に伴って多様化し,より魅力ある個性に富んだ観光施策を推進すること が必要となってきております。 このことから,水戸市観光審議会条例第2条の規定に基づき,水戸市観光基本計画の 策定について貴審議会の御意見を賜りたく諮問いたします。 - 97 - 観 審 答 申 第 1 号 平成14年12月27日 水戸市長 様 水戸市観光審議会 会長 和田光弘 水戸市観光基本計画の策定について(中間答申) 平成14年10月28日付観光諮問第1号で諮問のあったこのことのうち,新基本計 画(まつり)の考え方について,下記のとおり中間答申します。 記 基本的な考え方 本市のまつりは,地域経営資源の活用や,新たな観光スポットを創出するなど,創意工 夫をし,市民が楽しむとともに,交流人口の確保に努め,観光振興の一助とする。 ① 水戸の桜まつり・水戸のつつじまつり・水戸のあじさいまつり・水戸の萩まつりは, 今後も市民及び観光客のニーズを的確に捉え,行事内容等の精査を行いながら開催する。 なお,水戸のあじさいは,他のまつりと同様に行政から事務局を委譲し,市民主体の まつりとして一層の充実を図る。 ② 水戸黄門まつりは,まつりの名称と内容とに違和感があるとの意見も少なからずある ので,内容の精査をしながら,黄門さんに関連するイベントを入れるなどの内容の充実を 図り,また観客に対するホスピタリティーの醸成にも努め, 「市民が参加して楽しむまつり」 として開催する。 ③ 水戸の菊まつりは,行事内容の充実を図るため,菊花団体の育成やまつり会場の変更, さらに,他のまつりと同様に行政から事務局を委譲し,市民主体のまつりとするとともに, まつり全体を精査しながら開催する。 ④ 水戸藩時代まつりは,郷土の誇りとして歴史性を探求するとともに,学習的にも興味 を呼ぶ内容とし,観客滞留時間や費用対効果等の確保に努め開催する。 なお,開催については,名実共に「観客に見せるまつり」とするため,次年度は準備の ため休止とし,その後は,市民の声を反映し,準備期間の費用を予算化しながら,数年置 き開催とする。 ⑤ 水戸の梅まつりは,観光客のニーズを的確に捉え,新たな観光スポットの創出を図りな がら,なお一層,全国区のまつりを目指して開催する。 - 98 - 観審答申第2号 平成 17 年3月 29 日 水戸市長 加藤 浩一 様 水戸市観光審議会 会長 和田 光弘 水戸市観光基本計画の策定について(答申) 平成 14 年 10 月 28 日付観光諮問第 1 号により当審議会に諮問のありました水戸市観 光基本計画の策定につきまして,下記のとおり答申いたします。 記 1 2 水戸市観光基本計画については,十分に審議を重ね,「黄門さまと地域資源を活か した観光による漫遊元気都市づくり」を基本コンセプトとし,次の九つの基本施策を 柱とした各種主要事業を立案したので,今後の観光振興を図る指針とされるよう要望 します。 (1)既存観光地の魅力づくり (2)都市観光の充実 (3)まつりやイベントの魅力アップ (4)回遊できる観光地づくり (5)ホスピタリティの醸成 (6)広報・宣伝活動の強化 (7)多様なセクターの観光面での連携強化 (8)様々な観光需要への対応 (9)料理・物産品等の充実 計画の実現に向けては,全市的な取組が行われるよう,観光関連団体等との連携を はじめとした推進体制の確立を図るよう要望します。 - 99 - 水戸市観光審議会条例 (設置) 第1条 観光開発の推進を図るため,水戸市観光審議会(以下「審議会」という。)を置 く。 (所掌事項) 第2条 審議会は,市長の諮問に応じ,次の各号に掲げる事項を審議する。 (1) 観光資源開発に関すること。 (2) 広域観光に関すること。 (3) 観光行事に関すること。 (4) その他必要と認める事項に関すること。 (組織) 第3条 審議会は,関係機関,団体の役職員及び学識経験者のうちから,市長が委嘱す る20人以内の委員をもって組織する。 (任期) 第4条 委員の任期は,2年とする。ただし,補欠により委嘱された委員の任期は,前任 者の残任期間とする。 (会長及び副会長) 第5条 審議会に,委員の互選により会長及び副会長を置く。 2 会長は,審議会の会務を総理する。 3 副会長は,会長を補佐し,会長に事故あるとき,又は会長が欠けたときは,その職 務を代理する。 (会議) 第6条 審議会は,会長が招集し,会長は,会議の議長となる。 2 審議会は,委員の2分の1以上の出席がなければ開くことができない。 3 審議会の議事は,出席委員の過半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決す るところによる。 (小委員会) 第7条 審議会に,特別の事項を調査するため小委員会を置くことができる。 2 小委員会の委員は,第3条に規定する委員のうちから,会長が指名する。 3 小委員会に,委員長及び副委員長を置く。 4 委員長及び副委員長は,小委員会の委員の互選により選出し,小委員会の運営につ いては,前条の規定を準用する。 (庶務) 第8条 審議会の庶務は,産業経済部において行う。 (補則) 第9条 この条例に定めるもののほか,必要な事項は,別に定める。 付 則 この条例は,平成4年10月1日から施行する。 - 100 - 水戸市観光審議会委員 (順不同・敬称略) 区 分 会 長 副会長 委 員 氏 名 役 職 名 備 考 和田 光弘 鈴木 重男 小松﨑 常則 内藤 丈男 大橋 章 中山 義雄 相澤 宏之 中江 秀雄 綿引 智成 酒泉 松枝 才丸 洋子 加納 昌子 戸村 美恵子 篠原 正男 中里 修三 稲毛 一樹 久保田 時治 穴沢 勝 岡崎 初江 水戸観光協会会長 田沼 みち子 茨城放送営業局プロデューサー 須能 小圷 本田 川又 笹沼 山田 安斎 小池 亀田 小林 水戸市議会議長 旧委員 水戸市議会議長 旧委員 水戸市議会産業水道委員会委員長 旧委員 水戸商工会議所副会頭 旧委員 水戸観光土産品協会副会長 旧委員 東日本旅客鉄道㈱水戸支社営業部販売課長 旧委員 東日本旅客鉄道㈱水戸支社営業部販売課長 旧委員 茨城県商工労働部観光物産課長 旧委員 水戸青年会議所監事 旧委員 日本放送協会水戸放送局放送部長 旧委員 昭一 和男 忠弘 銀蔵 隆史 行雄 純夫 信之 龍太郎 雅敏 水戸商工会議所副会頭 水戸市議会議長 水戸市議会産業水道委員会委員長 水戸市商店会連合会専務理事 水戸観光土産品協会会長 茨城県旅館生活衛生同業組合水戸支部理事 東日本旅客鉄道㈱水戸支社営業部販売課長 日本旅行業協会関東支部茨城地区会 水戸女性会議監事 水戸市地域女性団体連絡会 水戸商工会議所女性会会長 水戸商工会議所青年部 水戸市住みよいまちづくり推進協議会常任理事 茨城県商工労働部観光物産課長 水戸青年会議所専務理事 ㈱常陽産業研究所 上席主任調査役 日本放送協会水戸放送局放送部長 茨城新聞社総務局総務部課長 役職名は,委員委嘱時のもの - 101 - アンケート調査結果 (1)属性 回答者の性別は,観光客,住民とも女性の回答者の割合が高かった。年代としては,観 光客では 30 代から 60 代以上までが約2割ずつと分散していたが,住民では 50 代及び 60 代以上の方が合わせて6割以上で,中高年層の占める割合が高くなっている。職業は,観 光客,住民とも無職の方の割合が高かったが,この中には専業主婦も含まれている。観光 客の居住地については,水戸市内を含む茨城県内からの旅行者が6割以上を占めている。 県外では,東京都からの観光客が最も多く,次いで神奈川県及び栃木県の順であった。 (人) 観 光 客 住 民 性 別 男性 61 42.1% 73 28.5% 女性 79 54.5% 159 62.1% 無回答 5 3.4% 24 9.4% 合計 145 100.0% 256 100.0% 年 代 10代 20代 30代 40代 50代 60代以上 無回答 合計 観 光 客 7 4.8% 21 14.5% 31 21.4% 28 19.3% 29 20.0% 27 18.6% 2 1.4% 145 100.0% 住 民 5 1.9% 14 5.5% 26 10.2% 39 15.2% 60 23.4% 99 38.7% 13 5.1% 256 100.0% 職 業 学生 農業 自営業 会社員 公務・教職員 団体職員 自由業 無職 その他 無回答 合計 観 光 客 21 14.5% 4 2.8% 8 5.5% 31 21.4% 9 6.2% 6 4.1% 2 1.4% 45 31.0% 13 9.0% 6 4.1% 145 100.0% 住 民 8 3.1% 4 1.6% 7 2.7% 13 5.1% 20 7.8% 4 1.6% 7 2.7% 104 40.6% 43 16.8% 46 18.0% 256 100.0% 居 住 地 水戸市内 県内 県外 海外 無回答 合計 観 光 客 43 29.6% 49 33.8% 51 35.2% 0 0.0% 2 1.4% 145 100.0% ※ 観光客の居住地内訳 ・県内 : 県北26,県央6,県南8,県西7,鹿行2 ・県外 : 東京15,神奈川6,栃木6,千葉5,福島3,埼玉3, 静岡2,山梨2,大阪2,北海道1,群馬1,長野1,岐阜1,愛知1,兵庫1,香川1 - 102 - (2)交通手段(複数回答有) 観光客の交通手段としては,自家用車が全体の約 54%を占め,最も多かった。鉄道の利 用者は,県内平均値を上回っている。その他としては,乗り合いバスやレンタカー等の回 答が多かった。 0 10 20 30 50 60 80 (人) 90 70 30 鉄道 高速バス 40 1 12 貸切バス 自家用車 82 26 その他 (3)水戸市での観光の予算 20,000∼30,000円 未満 1% 「3,000∼5,000 円未満」「5,000∼ 7,000 円未満」 「7,000∼10,000 円未 30,000円以上 3% 10,000∼20,000円 未満 8% 満」で全体の8割弱となっている。 1,000円未満 1% 1,000∼3,000円未 満 16% 7,000∼10,000円 未満 21% 3,000∼ 5,000円 未満 26% 5,000∼ 7,000円 未満 24% (人) 0 1,000円未満 5 10 15 20 25 30 35 2 1,000∼3,000円未満 23 36 3,000∼ 5,000円未満 5,000∼ 7,000円未満 35 7,000∼10,000円未満 31 10,000∼20,000円未満 20,000∼30,000円未満 30,000円以上 40 12 2 4 - 103 - (4)魅力の高い観光スポット 水戸の観光スポットについては,魅力が高い順に5つ番号を記入してもらい,1位評価 のものには5点,2位のものには4点,3位には3点,4位には2点,5位には1点の順 位点をつけて集計した。 観光客・住民ともに上位4位は同様であり,水戸芸術館を含めた水戸の観光地のイメー ジが定着していることがうかがえる。 第1位 「偕楽園」 第3位 「弘道館」 第2位 「千波湖」 第4位 「水戸芸術館」 ○ 観光客 (点) 0 偕楽園 弘道館 水戸芸術館 千波湖 徳川博物館 近代美術館 歴史館 保和苑 備前堀 大塚池公園 植物公園 七ッ洞公園 大串貝塚ふれあい公園 森林公園 県三の丸広場 大工町繁華街 中心市街地 ○ 住民 その他 50 150 200 250 300 242 109 87 171 44 68 57 38 0 7 29 4 30 45 2 3 13 0 (点) 0 偕楽園 弘道館 水戸芸術館 千波湖 徳川博物館 近代美術館 歴史館 保和苑 備前堀 大塚池公園 植物公園 七ッ洞公園 大串貝塚ふれあい公園 森林公園 県三の丸広場 大工町繁華街 中心市街地 その他 100 200 400 600 800 1000 1200 1118 401 242 596 132 218 152 152 51 55 153 78 107 150 47 7 21 3 - 104 - (5)観光ルートについて(複数回答有) ○ 観光客 観光客では「水戸黄門ゆかりの地ルート」が最も多くなっており,水戸黄門のまち・歴 史のまちとしての期待が高いことがうかがえる。 第1位 「水戸黄門ゆかりの地ルート」 第2位 「水戸城址の歴史散策ルート」 第3位 「偕楽園・千波湖を中心とした憩いルート」 0 20 40 60 80 83 水戸城址の歴史散策ルート 104 水戸黄門ゆかりの地ルート 23 ショッピングルート 9 路地裏文化発見ルート 29 グルメ食べ歩きルート 45 芸術・文化ルート 16 まちなかと偕楽園を行き来するルート 60 偕楽園・千波湖を中心とした憩いルート 32 下市歴史ルート 17 寺町風情を味わうロマンチックルート 8 郊外の自然満喫ルート その他 120 (人) 100 0 ○ 住民 住民は, 「偕楽園・千波湖を中心とした憩いルート」が最も多くなっており,住民のこの エリアの評価は極めて高いことがうかがえる。 第1位 「偕楽園・千波湖を中心とした憩いルート」 第2位 「水戸城址の歴史散策ルート」 第3位 「水戸黄門ゆかりの地ルート」 (人) 0 50 100 200 129 水戸城址の歴史散策ルート 99 水戸黄門ゆかりの地ルート ショッピングルート 22 14 路地裏文化発見ルート 42 グルメ食べ歩きルート 72 芸術・文化ルート 17 まちなかと偕楽園を行き来するルート 200 偕楽園・千波湖を中心とした憩いルート 下市歴史ルート 16 寺町風情を味わうロマンチックルート 57 郊外の自然満喫ルート 57 その他 150 0 - 105 - 250 (6)周辺市町村との観光上の連携について(複数回答有) ○ 観光客 大洗町との回答が最も多く,次いで常陸太田市,ひたちなか市の順であった。 第1位 「大洗町」 第4位「大子町」 第2位 「常陸太田市」 第5位「北茨城市」 第3位 「ひたちなか市」 第6位「笠間市」 0 大洗町 茨城町 笠間市 常北町 御前山村 那珂町 ひたちなか市 東海村 日立市 十王町 高萩市 北茨城市 常陸太田市 金砂郷町 水府村 山方町 大子町 里美村 鹿嶋市 潮来市 八郷町 真壁町 石岡市 千代田町 土浦市 つくば市 下館市 下妻市 千代川村 伊奈町 牛久市 結城市 古河市 岩井市 いわき市 茂木町 益子町 喜連川町 その他 20 40 60 80 (人) 100 120 116 9 34 2 5 6 51 11 15 15 4 42 60 32 19 1 48 2 28 14 27 10 19 7 7 27 7 2 5 18 3 14 16 13 15 1 10 0 0 - 106 - 140 ○ 住民 大洗町と笠間市との回答が群を抜いて多く,次いでひたちなか市,大子町の順であった。 第1位 「大洗町」 第4位「大子町」 第2位 「笠間市」 第5位「北茨城市」 第3位 「ひたちなか市」 第6位「常陸太田市」 ( 人) 0 20 大洗町 茨城町 40 60 80 100 180 167 14 14 31 ひたちなか市 112 東海村 日立市 21 18 十王町 高萩市 30 12 北茨城市 常陸太田市 81 78 金砂郷町 水府村 21 27 山方町 大子町 3 111 里美村 鹿嶋市 14 21 潮来市 24 八郷町 真壁町 10 4 3 0 土浦市 つくば市 4 下館市 下妻市 3 67 3 0 5 牛久市 結城市 5 9 古河市 9 岩井市 いわき市 18 18 茂木町 益子町 喜連川町 その他 160 16 御前山村 那珂町 千代川村 伊奈町 140 200 189 笠間市 常北町 石岡市 千代田町 120 3 27 5 0 - 107 - (7)魅力の高い観光特産品等 魅力の高い観光特産品等については,魅力が高い順に3つ番号を記入してもらい,1位 評価のものには3点,2位には2点,3位には1点の順位点をつけて集計した。 ○ 観光客 納豆およびあんこう料理が圧倒的に高くなっている。住民に比べると, 「水戸藩らーめん」 の評価が高くなっている。 「吉原殿中」の評価も比較的高い。 第1位 「納豆」 第2位「あんこう料理」 第3位 「梅干し」 (点) 0 50 納豆 納豆料理 納豆菓子 あんこう料理 水戸藩ラーメン 100 150 200 250 300 350 400 351 37 6 135 60 「森のシェーブル館」製品 梅干し 水戸の梅 梅ようかん のし梅 吉原殿中 酒(日本酒、梅酒、焼酎) 水戸の印籠 農人形 統一ブランド「梅色未来」 その他 29 62 24 45 12 37 15 19 7 13 0 ○ 住民 納豆が群を抜いて高くなっている。観光客に比べると, 「水戸の梅」の評価が高くなって いる。また,観光客と同様,「吉原殿中」の評価が比較的高い。 第1位 「納豆」 0 第2位「あんこう料理」 100 200 300 第3位 400 「水戸の梅」 500 600 700 606 納豆 納豆料理 27 16 納豆菓子 あんこう料理 197 水戸藩ラーメン 18 「森のシェーブル館」製品 20 145 梅干し 水戸の梅 161 梅ようかん 63 のし梅 63 91 吉原殿中 酒(日本酒、梅酒、焼酎) 20 9 水戸の印籠 農人形 10 統一ブランド「梅色未来」 4 その他 0 - 108 - (点) (8)今後の観光特産品等のあり方(複数回答有) ○ 観光客 「質や味の向上」との回答が最も多い。次いで, 「適正な価格設定」「販売店舗の魅力ア ップ」の順となっている。 第1位 「質や味の向上」 第2位 「適正な価格設定」 第3位 「販売店舗の魅力アップ」 第3位 「ひたちなか市」0 20 (人) 40 60 80 第6位「常陸太田市」 100 120 質や味の向上 140 124 新たな商品開発 42 適正な価格設定 77 パッケージデザイン等の配慮 28 販売店舗の魅力アップ 57 かつての地場産品の復活 12 積極的なPRの実施 54 水戸関連ブランドの充実(水戸黄門等) 36 その他 1 ○ 住民 観光客同様, 「質や味の向上」との回答が最も多く,次いで, 「積極的なPRの実施」 「新 たな商品開発」の順となっている。 第1位 「質や味の向上」 第2位 「積極的な PR の実施」 第3位 「新たな商品開発」 0 (人) 20 40 60 80 100 120 140 質や味の向上 180 170 新たな商品開発 90 適正な価格設定 61 パッケージデザイン等の配慮 37 販売店舗の魅力アップ 84 かつての地場産品の復活 56 積極的なPRの実施 125 水戸関連ブランドの充実(水戸黄門等) その他 160 65 3 - 109 - (9)水戸の観光の方向性について(複数回答有) ○ 観光客 「歴史的な街並みづくり」との回答が最も多く,歴史のまちとしての期待の高さがうか がえる。また,「祭り・イベントの充実」「水戸芸術館の活用」等の回答が住民に比べて多くなっ ている。 第1位 「歴史的な街並みづくり」 第2位 「既存の観光地の魅力アップ」 第3位 「祭りやイベントの充実」 第4位 「安価な巡回観光バスの設定」 第5位 「市内を回遊する観光ルートの充実」 第6位 「水戸黄門ブランドの活用」 第7位 「水戸芸術館の活用」 (人) 0 10 20 30 40 50 60 既存の観光地の魅力アップ 70 90 100 70 水戸黄門ブランドの活用 54 公園緑地や水辺の活用 34 まちなかの魅力向上 37 歴史的な街並みづくり 91 水戸芸術館の活用 52 水戸ホーリーホックの活用 27 祭りやイベントの充実 69 質の高い飲食店の充実 21 特産品の品質向上 15 郊外での観光農業の充実 4 市内を回遊する観光ルートの充実 55 安価な巡回観光バスの設定 56 周辺市町村との連携強化 15 統一された案内標識の設置 20 観光情報を入手できる場の整備 25 高齢者や障害者に配慮した観光地づくり 20 会議・展示場等のコンベンションの誘致 9 積極的なPRの実施 27 「もてなしの心」の向上 その他 80 13 0 - 110 - ○ 住民 「既存の観光地の魅力アップ」が最も多くなっている。観光客に比べて, 「公園緑地や水 辺の活用」が高くなっており,豊かな水と緑を生かした観光地づくりへの要求が高いこと がうかがえる。 第1位 「既存の観光地の魅力アップ」 第2位 「歴史的な街並みづくり」 第3位 「公園緑地や水辺の活用」 第4位 「安価な巡回観光バスの設定」 第5位 「市内を回遊する観光ルートの充実」 第6位 「祭りやイベントの充実」 第7位 「高齢者や障害者に配慮した観光地づくり」 0 20 40 (人) 60 80 100 既存の観光地の魅力アップ 140 125 水戸黄門ブランドの活用 50 公園緑地や水辺の活用 81 まちなかの魅力向上 63 歴史的な街並みづくり 99 水戸芸術館の活用 67 水戸ホーリーホックの活用 24 祭りやイベントの充実 72 質の高い飲食店の充実 30 特産品の品質向上 57 郊外での観光農業の充実 18 市内を回遊する観光ルートの充実 74 安価な巡回観光バスの設定 80 周辺市町村との連携強化 46 統一された案内標識の設置 51 観光情報を入手できる場の整備 30 高齢者や障害者に配慮した観光地づくり 68 会議・展示場等のコンベンションの誘致 7 積極的なPRの実施 61 「もてなしの心」の向上 その他 120 30 3 - 111 - (10)潜在的観光資源について(個別回答) ○ 観光客 (注記なしは1件) 【観光スポット】 【特産品】 ・保和苑(あじさい) 2件 ・農人形 ・下市 2件 ・那珂川の鮭 ・薬王院 ・八幡宮 ・水戸のロマンチックゾーン ・イチゴ農園 ・水戸八景周遊コース ・寺院めぐり ・那珂川べりを観光化して,舟遊びがで きるようにする。 ・河口まで遊覧船を出してください。 ○ 住民 (注記なしは1件) 【観光スポット】 【特産品】 ・七ツ洞公園 4件 ・井筒亦の「水戸の梅」 2件 ・笠原水源 3件 ・木村屋の「水戸の梅」 ・逆川緑地 2件 ( 「水戸の梅」と茶のセットでPRすると ・六地蔵寺と佛性寺(セットで) 良い) ・さくら通り ・「森のシェーブル館」のチーズケーキ ・水戸市森林公園と周辺果樹園等 ・シェーブルチーズ(より安いとよい) ・要石歌碑(弘道館内) ・水戸彫り ・尼港殉難者記念碑 ・農人形 ・八幡宮とその周辺 ・工芸品 ・まちなか ・水戸市内や周辺のうなぎ屋(都内の各店と ・ライブハウス 比べてもひけをとらないと思うので,それぞれの 店でなく,まとめて対外的に広告し ても良いと思う) - 112 - (11)自由意見 ○ 観光客 【観光全般について】 ・自然の中の水戸市また茨城県のゆっくりできる(高齢者,小さな子にもやさしい観光地づく りをめざしてほしいと願います)。 【宿泊施設について】 ・特色のある宿泊施設の充実を希望したい。 【特産品について】 ・吉原殿中は,製造元が何軒かあって味が統一されていない。 【観光周遊バスについて】 ・水戸の観光スポットを一周する観光バスをつくれば良い。 ・無料バスまたは一定の料金で周遊できる観光ルートバスを希望したい。 (梅まつり, あじさいまつり等の時期に限定しても良い) 【偕楽園の有料化について】 ・偕楽園を有料化して管理費に使う。 ・偕楽園を有料にしてPR費に充てる。 【ホスピタリティーについて】 ・タクシーの接客態度が他の地域に比べて改善の余地あり。 【PRについて】 ・PRをすること。 ○住民 【観光全般について】 ・四季折々の観光についてもっと積極的に検討してはいかがでしょうか。 ・活力ある水戸市。きれいな水緑豊かに花のある街にしたい。 ・もっと観光客が歩きやすく休みやすくきれいにしてほしい。 【観光地としての魅力について】 ・他県に比べて魅力がない。 ・魅力を感じる箇所が,水戸に住んでいる者と他から来た人の思いはどうか。魅力が少ないと 観光客を呼ぶのに苦労します。どの様に魅力を出していくか考えないと。 ・水戸は東京に近いので,もっと多くの人に観光にきてほしい。魅力ある街になってほしい。 【観光スポットについて】 ・歴史ロードのPRと駐車場の確保 ・八幡宮とその周辺の整備 ・逆川,笠原水源をもう少し多くの人が行きやすいように。また,周辺が公園として整備され たがいまいち統一性がない。 ・時々このようなアンケートを行い,観光スポットを発掘してほしい。 【施設について】 ・集客できる施設がほしい。 (駐車場,休憩施設など) ・若者の集まれる施設づくり。 - 113 - 【レクリエーションについて】 ・自然を利用した,体を動かす観光地を整備してほしい。 【回遊性について】 ・目的に応じた観光モデルルートの設定。 【宿泊について】 ・宿泊して楽しめる街。 (例:水戸芸術館→食事→宿泊→史跡等のプログラム) 【交通について】 ・いくら努力しても最大の欠点は駐車場の問題につきる。他の観光地では市民ぐるみで協力を し,私有地まで駐車場を提供してくれるが,水戸にはそれが全然ない。泉町地下駐車場は宝 の持ち腐れ。 ・駐車場の整備,観光地への交通アクセス整備。 ・道路標識等,車走行中でも判断しやすい見やすいものにしてほしい。また,標識から次の標 識の間に道を間違えたかと不安になる場合も多いので,追いかけやすい標識をお願いした い。 ・(JRの「偕楽園臨時駅」の廃止,その代わりに)縦横無尽に走るバスや質の良いタクシー の配送を望む。 ・県外から車で見える方で標識を見落とす方が道を尋ねます。もっとわかりやすく,大きな標 識が有ればと思います。 【祭り・イベントについて】 ・ねぶた,阿波踊りなどのように,楽しい踊りで一般の老若男女誰でも輪の中に入り,発 発 散できるような祭りをつくってほしい。 ・イベントを増やしてほしい。 【PRについて】 ・PRが下手。 ・もっと上手にPRを。 ・まずPR。 ・観光についての PR が他県等より大変遅れているので特に PR について考察されたい。 ・水戸の観光をもっと積極的に県外に PR して観光客を増やすことを期待しております。 ・PR不足だと思います。観光場所はたくさんあると思いますので,集客や案内に力を入れて ください。 ・積極的なPR活動(日常的に行う) 。 【その他の意見】 ・もっと積極的に取り組まなければほかの市町村に取り残されるような気がします。 ・観光地としての整備がお粗末すぎる(古河市を見習ってほしい) 。 ・市外の人の意見も取り入れてほしい。 ・子連れでも行けるようにしてほしい。 ・全てにおいて中途半端のような気がします。あともう一歩前に進むにはどうしたらいいか。 ・近年,大変便利になり,東京に近いので楽しみや見るものがどうしても東京の方へ出かけて しまいます。最近の水戸市のメイン通りの落ち込みには淋しささえ感じますがいずれにせよ 少子高齢化社会で人口が少なくなっていくわけですから仕方ないです。 - 114 - 用語解説 【グリーンツーリズム】(P2) 元はヨーロッパ諸国で 1970 年代から始まったもので,都市住民が農山漁村の自然や環 境,景観,暮らし,文化,人々の交流を楽しむ滞在型余暇活動のこと。農山漁村地域・ 住民にも,物心両面において計り知れない効果がもたらされるものと期待され,農山漁 村の活性化策としても,注目されつつある。 【シェーブルチーズ】(P8) ヤギ乳 100%カマンベールタイプのチーズで,熟成が進むにつれシェーブル独特のコクと風 味が増す。 【水戸TMO】(P12) TMOとは Town Management Organization のことであり,水戸市のタウンマネジメント に取り組む組織のことである。 【セクター】(P19) 部門。産業などにおいていくつかに部門を分けたときのひとつ。 【NPO】 (P20) 継続的,自発的に社会貢献活動を行う,営利を目的としない団体の総称である。 【ホスピタリティ】 (P21) お客様の立場からもてなす側のあり方を考え,お客様が事前に期待した以上の満足を与え ることが出来るよう実際に行動すること。 【エコツーリズム】(P23) 生態系や地域文化に悪影響を及ぼすことなく,自然地域を理解し,鑑賞し,楽しむこと ができるよう,環境に配慮した施設および環境教育が提供され,地域の自然と文化の保 護・地域経済に貢献することを目的とした旅行形態である。 【ユニバーサルデザイン】 (P23) ユニバーサル=普遍的な,全体の,という言葉が示しているように, 「すべての人のための デザイン」を意味し,年齢や障害の有無等にかかわらず,最初からできるだけ多くの人が 利用可能であるようにデザインすることをいう。 【フィルムツーリズム】 (P23) 映画やTV,CMのロケ地を訪れて映像の世界を味わう新たな観光形態をいう。 【コンベンション】(P23) 企業・組合・団体等の大会や会議,学会・研究会,見本市・展示会等,共通の目的を持っ て一定の場所に集合するさまざまな催しをいう。 【ミュージアム】(P24) 博物館。美術館。 - 115 - 【P&R】(P26) パーク・アンド・ライドの頭文字で自宅から自動車を使い駐車場に駐車(=パーク)し 公共交通機関(主に鉄道,バス)に乗り換えて(=ライド)目的地まで行くシステム。 【親水空間】(P33) 水辺において水に触れたり,水生植物の観察等が出来る場所,空間。 【ルアーフィッシング】(P33) ヨーロッパから導入された釣りの手法で,疑似餌を使って魚を釣ることをいう。 【ファサード】(P38) 建築物の正面の外観をいう。「顔」ともいえる部分で建築デザインの面からとても重要 である。 【オブジェ】(P38) 美術などで表現の対象となるもの,または作品。 【登録文化財】 (P39) 平成8年に,文化財登録制度が導入された。これは,近代の建造物を中心とする文化財建 造物を後世に幅広く継承していくため,届出制と指導・助言・勧告を基本とする緩やかな 保護措置を講じる制度であり,従来の指定制度を補完するものである。 【オープンカフェ】(P40) 外でお茶や会話が楽しめるヨーロッパスタイルのカフェをいう。 【タウンマネジメント】 (P41) 中心市街地における商業集積を一体として捉え,業種構成,店舗配置等のテナント配置, 基盤整備及びソフト事業を総合的に推進し,中心市街地における商業集積の一体的かつ計 画的な整備をマネジメント(運営・管理)することをいう。 【ツール】(P62) 道具。やり方。 【パーク・アンド・バスライド方式】(P75) 郊外のバスターミナルや主要バス停等に駐車場を整備し,マイカーからバスへの乗り継ぎ を便利にするシステムである。 【パーク&ウォーク】(P76) 郊外に大型駐車場を確保しまちなかは歩いて観光してもらうシステムをいう。 【シャトルバス】(P76) 特定の近距離区間を定期的に往復で結ぶバス。 【コンベンション・ビューロー】(P78) コンベンションを誘致するために積極的に活動する誘致推進組織のことをいい,誘致決定 後は,コンベンションを成功に導くため,主催者団体に対しさまざまな手伝いをする。 - 116 - 【リバーツーリズム】(P80) 環境美化,生態系保全,環境教育,体験観光・学習等の,河川の保全と活用を通じた地 域活性化の取り組みをいう。 【ネイチャーツーリズム】(P80) 環境美化,生態系保全,環境教育,体験観光・学習等の,河川の保全と活用を通じた地 域活性化の取り組みをいう。 【トレッキング】(P80) 山頂を目指すものではなく,景色・自然を楽しみながらゆったりと山道を歩くこと。 - 117 -