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Gladstone LNG - JOGMEC 石油・天然ガス資源情報
豪州 :Santosの新たな挑戦; 炭層ガス(CSG=CBM)を用いた Gladstone LNG 2007年8月22日 調査部 坂本 茂樹 1 要点 1.サントス、2007年7月、Gladstone LNG構想発表 z クィーンズランド州生産の炭層ガス(CSG)使用 z 2014年 LNG生産開始 ← 2009年 投資決定 z ガス性状は良好(メタン95% ) 2.サントスの石油ガス事業 z 豪州・アジアの既存石油ガス生産は今後漸減 z LNG生産、 CSG生産を増やす方針 3.Gladstone LNGの影響 z 石炭系ガスの事業機会拡大 z LNGの事業機会拡大・需給緩和に好材料か (注)広義でCSG(Coal Seam Gas)=CBM(Coalbed Methane ) 2 Gladstone LNG事業概要 z 液化基地: クィーンズランド州Gladstone z 設備能力: 300~400万トン/年 z 投資額 : 50-70億豪ドル;液化設備+ガス田開発 z 最終投資決定:2009年 z 生産開始: 2014年 z ガス供給: Bowen, Surat堆積盆地のCSGガス田 z ガス埋蔵量 :自社鉱区で4 Tcf を確保 z ガス輸送: 425kmのガス・パイプライン建設 3 Gladstone液化基地とガス田位置 (出所) Santos社 説明資料 4 ガス田開発とガス性状 1.サントスのCSG事業:生産量=全豪の25%強 z Fairview(権益76%) 、Scotia(権益100%) z 2014年(LNG生産開始)の開発井:400本 z 全事業期間を通じ、更に800本の開発井掘削 2.ガス性状:メタン95%、CO2・N分・エタン分低い z 液化した場合、低カロリーLNGに分類 ⇒高カロリー市場の東アジア➪都市ガス向け要調整 3.Gladstone LNG向けのフィード・ガス供給 z サントス保有鉱区のガスを使用 z 条件によっては、他社鉱区のガスも購入検討 5 炭層ガス(CSG)生産設備 (出所)Santos社“Gladstone LNG”発表資料(2007年7月18日) 6 炭層ガス(CSG地上生産設備) (出所)Santos社“Gladstone LNG”発表資料(2007年7月18日) 7 Gladstone LNG基地 (出所)Santos社“Gladstone LNG”発表資料(2007年7月18日) 8 Gladstone LNGの特徴、影響 1.ガス田等の特徴 z ガス性状が良い(メタン95%、 CO2・N分低い) z (沖合ガス田に比べて)ガス生産コストが低い 2.事業採算 z 既存LNG事業には劣る z Plutoを含む新規LNGに比べ同等、または勝る 3.クィーンズランド州政府はLNG計画を支持 z CSG資源の事業機会、輸出拡大、雇用機会創出 4.豪州、世界LNG需給への影響 z LNG事業機会の拡大→世界的CSG利用の拡大 z LNG需給(高コスト→需給逼迫)への緩和効果 9 Santosの事業:石油・ガス、LNG 1.石油ガス上流事業: 2012年以降漸減 z 豪州、東南アジア(インドネシア等)で事業展開 z 豪州では最大の国内市場向けガス供給者 z 今後、Fairview等CSGプロジェクトで増産を計画 2.LNG事業: 2014年以降LNG比率拡大を計画 z ダーウィンLNG/Bayu-Undanガス田:10.64%権益 z 近隣の保有ガス田(Petrel, Caldita等)→ ダーウィンLNGへの繋ぎ込みを計画 z ExxonMobilのPNG LNG検討グループ:13.8%権益 ⇒今後はLNG事業に注力 10 Darwin LNGと周辺のサントス・ガス田 (出所) サントスHP 11 Santos社生産量見通し(~2020年) 12 (出所)Santos 2006年決算説明資料(2007年2月) サントス社CSG生産量想定 (出所)Santos 2006年決算説明資料(2007年2月) 13 Gladstone LNGの課題 1.オペレータ問題 z サントスはLNG操業・販売の経験無し z 独立系中堅の同社が単独でLNG事業実施は荷が重い z 投資決定後、(LNG経験者)新パートナー参入か 2.ガス田操業: コスト制御努力が必要 3.環境保護対策 z Gladstoneは産業用港湾→西豪州ほど規制が厳しくない z 炭層から生産する水の利用;QLD州政府の要請可能性 4.域内向ガス供給義務:検討作業部会の提案間近 z クィーンズランド州政府:Gladstone LNGを支持 ➪ Gladstone LNGに対する障害は小さい? 14 豪州のCBM事業 1.制度・政策 z 陸域油ガス田と同様、CBM資源は各州政府管轄 z クィーンズランド州:州内発電量の13%以上に ガス使用義務( CBMを含む) 2.探鉱、開発、生産 z 2000年以降、探鉱・生産が急速に拡大 z 坑井掘削、生産の90%以上:クィーンズランド州 3.主要な事業者 z サントスの他、Arrow Energy 、Origin等 15 豪州のCBM生産量推移 (Geoscience Australia) Ne wSouth Wale s Q u e e n slan d Bc f/年 70 豪州CBM: 掘削数 生産量推移 60 50 40 30 20 10 0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 豪州CBM坑井掘削数推移(Geoscience Australia) 本 NewSouthWales Queensland Victoria 300 250 200 (出所) 150 Geoscience 100 Australia 50 0 2000 2001 2002 2003 2004 16 その他 CBM使用のLNG計画 1.豪州LNG Ltd.社のGladstone LNG z 液化基地: クィーンズランド州Gladstone z 設備能力: ~100万トン/年 z 生産開始: 2011年 z CSG供給: Arrow Energy(2007年5月契約締結) 2.中国山西省晋城市の小規模LNG (2件) z 事業者: 聯盛グループ、香港中華ガス z 設備能力: ともに 26万トン/年 z 生産開始: ともに 2008年 z 販売: 南東部の産業需要家向けローリー出荷 17