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配布資料〔PDF/340KB〕
大黒屋光太夫記念館 趣 旨 企画展「光太夫の肖像」開催要項 光太夫の肖像は,あまり多くは残っていません。 ひょう み ん ご ら ん の き さしえ 現存する肖像としては, 「 漂 民御覧之記」の挿絵に描かれたものが有名です。しかし, その「漂民御覧之記」は,写本は非常に多く残っていますが,原本はわかっておらず, た き げ ん とく 多紀元徳が描いたと言われる挿絵のオリジナルも不明です。他には,天理図書館の「ヲロ ならびに ひょうりゅうにん き こ く まつまえかためのずならびに い こ く じんそうぎょうず シヤ人物 并 小屋内図」・鈴鹿市所蔵の「 漂 流 人 帰国 松前堅之図并 異国人相形図」など か と う え い び あん わがころも にラクスマン一行の中の人物として光太夫が描かれていたり,加藤曳尾庵「我 衣 」の挿 絵には晩年の光太夫のスケッチが描かれていたりします。しかし,光太夫の肖像画は, 漂流記などの挿絵に描かれたりするのみで,単独では発見されていませんでした。 平成 20 年度に鈴鹿市が購入した掛け軸は,光太夫・磯吉の単独の肖像画としては初め ての発見となります。今回の企画展は,新資料のお披露目を兼ねて,光太夫の肖像に焦 点をあてて開催するものです。 会 期 平成 21 年 5 月 13 日(水)~ 7 月 20 日(月) 開館 10:00 閉館 16:00 月・火・第 3 水曜日休館 会 場 大黒屋光太夫記念館 (三重県鈴鹿市若松中一丁目 1-8) 入場料 無料 主 鈴鹿市 催 展示資料 *光太夫・磯吉肖像 ・漂民御覧之記 5 点 ・吹上秘書(複製) ・石井研堂「日本漂流譚」 ・ヲロシヤ人物并小屋内図(複製) ・漂流人帰国松前堅之図并異国人相形図 ・芝蘭堂新元会図 ・魯西亜漂泊聞書(複製) ・我衣(パネル) ・ジーファース(パネル) ・漂民御覧之記(早稲田・パネル)など 参考 1 参考 2 奇観録(早稲田大学) 吹上秘書(北海道大学) 芝蘭堂新元会図 (鈴鹿市) 漂流人帰国松前堅之図并異 国人相形図(鈴鹿市) 新資料の発見について §名称:「大黒屋光太夫・磯吉像画幅」 (軸装 竪幅紙本著色) §価格:600,000 円(税込) §サイズ:本紙 竪 103 ㎝×横 50.5 ㎝ 表装 竪 191 ㎝×横 56 ㎝ §内容: 大黒屋光太夫の資料は非常に少なく,特に光太夫の肖像は, 「漂民御覧之記」の挿絵・当市所 蔵の「漂流人帰国松前堅之図并異国人相形図」の内・ 「我衣」挿絵・ 「ロシア人小屋内図」の内・ 「芝蘭堂新元会図」の内に見られる程度で,いずれも小品である上に,肖像画としては皆無で す。 今回,購入した画幅は,構図からみても光太夫・磯吉の肖像に間違いなく,発見されている 肖像の中で最も大きいだけでなく,単体の肖像画としては初めての発見となります。 今後は,光太夫の肖像について照会があった時には,この絵をPRしていきたいと思ってお ります。 §購入の経緯: 京都大学大学院人間・環境学研究科教授の松田清さん(洋学史専門)から情報と写真をいた だき確認したところ,光太夫と磯吉であることは間違いないと判断しました。展示品として見 ごたえがある大さでもあり,初めての単体の肖像画でもあることから,大黒屋光太夫記念館の 資料として購入するのが適切であると判断しました。 §学識経験者からのコメント 紙本、泥絵風の素朴な絵で、どんな目的で書かれたのか。全くの想像ですが、何か見世物小 屋(*)にでも掛けられたもののような雰囲気です。マスコミ(テレビ、新聞など)に報道し てもらって、大黒屋光太夫記念館の存在と光太夫新資料の意義について、ひろく一般に知って もらうことを、是非、おすすめします。 *光太夫の一行で根室でなくなった小市の遺品は,小市の供養という名目で四日市・津 にとどまらず名古屋・京都などでも展覧会が行われました。