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5学年 ゆでる調理をしよう
ゆでる調理をしよう 19 対象学年 ∼環境にやさしい調理∼ 教科 小学校 5 家庭 学年 単元 家庭 B日常の食事と調理の基礎 (2)調理の基礎 関連教科・単元 時間数 家庭 D身近な消費生活と環境 4年理科 A(2)金属・水・空気と温度 8 目 標 関心・意欲・態度 ・目的に応じたゆで方に関心をもち、調理をしようとしている。 ・自分の生活と身近な環境に関心をもって、環境に配慮した生活をしようとしている。 思考・判断・表現 ・調理の目的や材料に合った洗い方、切り方、ゆで方、食べやすさなどを考えたり、衛生で環境 に配慮した調理について、自分なりに工夫したりしている。 知識・技能 ・ゆでる調理の特性や材料や目的に応じたゆで方を理解し、調理をすることができる。 ・環境に配慮した調理の仕方について理解している。 単元における視点 ●展開例の趣旨 ふだん食べている食事とは何かしらの調理されているものであることに改めて注目し、おいしく食事をするために調理の 重要性を意識させる。しかし、調理をするとエネルギーを使用したり、ゴミが出たりと、環境へ負荷をかけることになっ てしまう。そこで、より環境に配慮した調理を行い、おいしく食事をするためにはどのような工夫ができるかを、ゆでる 調理の学習をすすめる中で気付かせて、調理への関心を高めていくとともに、実践していくための技能・理解を身に付け ていけるようにする。 5年生の早い段階で環境に配慮した調理について学習することで、2年間を通して環境のことを考えて調理実習に望んで いけると考える。 ●単元における展開例の位置づけ エコにゆでるための工夫として、野菜の切り方、ゆで方に注目させて、よりエネルギーを使わずに調理をする工夫を考え させていく。野菜をゆでる中にも様々な工夫ができることに気づき、より良い選択をして調理が行えるようにする。 また、調理計画の段階では、片付け方にも注目させ、ゴミを減らすための工夫や洗剤の扱い方など取り上げ、調理実習や 家庭実践へとつなげていく。 展開計画 全 8 時限 時数 1 3 各時間の学習課題と主な学習内容 1.野菜を食べくらべてみよう ・ゆで野菜と生野菜(ゆで時間が短い野菜)をくらべ、どのような違いがあるかを話し合って、調理の重要性に気付く。 2.工夫してゆでてみよう ・野菜の切り方とゆで方に注目させて、工夫してゆでるための方法を探る。その際に、短い時間でゆでることがエネルギーの 削減につながることもふまえて、環境にやさしい工夫を考えていく。 3.ゆで野菜サラダ作りの計画を立てよう 1 2 1 ・切り方、ゆで方以外の工夫として、片付け方を取り上げ、ゴミを減らす工夫やドレッシングなどの油よごれの処理の仕方、 洗剤の扱い方などについて考える。 ・切り方、ゆで方、片付け方に分けて、どのように調理を行っていくか計画を立てる。 4.ゆで野菜サラダを作ってみよう ・前時までの学習から学んだこと生かして、調理を行う。 5.活動をふり返ろう ・題材のまとめとして自分の活動をふり返り、今後もより環境に配慮した調理を行えるようにしていく。 114 ゆでる調理をしよう (第 1 時/全 8 時限) 時 数 1 1.野菜を比べてみよう 時 間 ねらい ゆでる調理の特徴と材料や目的に応じたゆで方が分かる。 評価のポイント 生野菜とゆで野菜を比較することで、調理をする意味を理解することができる。 具体的な学習活動・内容 使用する教材・資料/指導上の留意点 1 活動の見通しをもつ。身支度をする。 2 ゆでた野菜と生の野菜では、何が違うかを予想する。 ・自分の生活経験を思い起こさせる。 ・やわらかさが違う? ・予想をたてることで、どのような観点で野 ・食べた感じが違う? 菜の変化を見ていけばよいかを意識させる。 ・見た目が違う? ・量が減る?増える? ・予め指導者が用意をしておく。 3 野菜を食べ比べてみる。 ・生食が難しい場合は、短時間ゆでて用意を 野 菜 … キ ャ ベ ツ・ する。 にんじん・玉ねぎ・ ・見た目やかおり,食感など諸感覚を使って サラダほうれん草 感じるようにさせる。 など ・感じたことをどんどん記入するように声かけ をする。 ・発表の際に比較できるように、野菜を少し 残しておくとよい。 4 試食をし,気付いた点をワークシートに記入する。 ○実物を確認しながら、すすめていく。 ○色・味・かさ・食感・時間に注目させる。 ・玉ねぎは生だと辛い。 ・ほうれん草の量がゆでると少ない。 ・野菜の香りがしなくなった。 ・生野菜とゆで野菜の変化から、なぜ「ゆで 5 全体で気付いた点を発表する。 ・にんじんとキャベツはゆでたほうがやわらかくなった。 る」調理をするのかを考えさせる。 ・ゆでることがどのような「おいしさ」につ ・ほうれん草は色が濃くなった。 ながるかに着目させる。 ・玉ねぎはゆでたほうが辛さがなくなった。 ・次時のゆで野菜へと生かせる部分や日常の ・ほうれん草とキャベツはかさが減った。 食事と関連させて考えられるようにする。 6 ゆでる調理の特ちょうをまとめる。 ・ゆでるとやわらくなって、食べやすい。 ・味が変わって,いろいろな料理が楽しめる。 ・かさが減ったので,たくさん食べられる。 ・野菜の種類によって、ゆでる時間が違う。 ・料理は見た目も大事だから、色が濃くてカラフルな方が美味し そうに見える。 115 19 19 ゆでる調理をしよう (第 2 ∼ 4 時/全 8 時限) 時 数 3 2.工夫してゆでてみよう 時 間 ねらい 工夫してゆでるためにはどのような方法があるか考える。 評価のポイント ・目的や材料に合わせた調理の仕方を理解することができる。 ・より環境にやさしい調理の工夫を自分なりに考えることができる。 具体的な学習活動・内容 使用する教材・資料/指導上の留意点 1 野菜をゆでるときにどのような工夫ができるかを考える。 ・ただゆでるのではなく、目的をもってゆで られるようにする。 ・野菜の切り方 ・ゆで方 ・野菜の食感(ゆでる時間) 2 短い時間でゆでるために、どのような工夫ができるか話し合う。 ・授業の限られた調理時間でつくるためには、 ・野菜の切り方を工夫する。 早くゆであがる方がいいことにふれ、エコ ・早くお湯をわかせるようにする。 な調理に注目させる。 3 具体的な試し調理の方法を班で話し合い、予想をたて、調理 を行う。 ・試し調理の際は、条件をそろえるために、 水の量と野菜の量を同じにして、ゆで時間 〈野菜の切り方〉 はふっとう後○分や竹串が通るまでなどと ・野菜の厚さ(大きさ)をかえる。 基準を決める。 厚さが 2 mmと 10 mmのもの 〈ゆで方〉 ・水の量をかえる。 116 ゆでる調理をしよう 具体的な学習活動・内容 使用する教材・資料/指導上の留意点 ・なべのふたをする。 ・ガスの使用量を減らすことを意識させてい く。 ・火の強さをかえる。 ・火が強すぎて鍋からはみだしている場合は、 エネルギーの無駄であることも気付かせる。 強火と弱火 ・よりエネルギーを使わずに調理することが、 4 実験結果から、早くゆでられる方法をまとめる。 ・野菜はうすく切ったほうが火の通りがはやい。 環境に配慮することにつながることをおさ ・お湯をわかすまでは、ふたをしたほうがいい。 える。 ・火の強さは、なべの底からとび出ている部分はエネルギーのむ だなので調節したほうがいい。 ・野菜の量に合った水量でゆでることが大事。 117 19 19 ゆでる調理をしよう (第 5 時/全 8 時限) 時 数 1 3.ゆで野菜サラダ作りの計画を立てよう 時 間 ねらい 調理実習にむけて、より具体的に調理計画をたてる。 評価のポイント ・前時に調べた工夫をふまえて、計画をたてることができる。 ・切り方やゆで方以外も調理をするときに環境へ配慮できることがないかを自分なりに考えて工夫することができる。 具体的な学習活動・内容 使用する教材・資料/指導上の留意点 1 前次で学習したことを振り返り、短時間でゆでる方法を確認する。 2 ゆで方や切り方以外にも環境に配慮できる点はないかを話し 合う。 ・家庭ごみに占める生ゴミの割合表や生活排水 の資料 環境省「生活排水読本」 ・なるべく生ごみがでないようにする。 ・油よごれは古布で拭き取ってから洗う。 ・洗剤を使いすぎない。 ・桶を使ってため洗いをする。 ・次回の調理実習に使用するため、生ごみ入れ を作成すると意欲付になる。 ・広告やリサイクル用紙を再利用した生ごみ入れ ・ごみを減らす工夫や節水の工夫を考えさせて いく。 ・家庭で行っているエコな工夫も思い出せるよ うに支援をしていくとよい。 ・ブロッコリーの芯も薄く切って調理する ・エネルギー削減や環境への視点が入るよう 3 調理計画を立てる。 ・何種類もの野菜を1つの鍋でゆでられるように、入れる順番を 考えよう。固い物(根菜)から順番に。 ・野菜の切り方は早く食べられるように、薄くしよう。 ・ドレッシングを作るときは、作りすぎないように気を付けよう。 118 にアドバイスをしていく。 ゆでる調理をしよう (第 6 ∼ 7 時/全 8 時限) 時 数 2 4.ゆで野菜サラダを作ってみよう 時 間 ねらい 試し実験をふまえて調理計画をたて、実践する。 評価のポイント 環境に配慮した調理をおこなうことができる。 具体的な学習活動・内容 使用する教材・資料/指導上の留意点 1 実習の準備をする。 ・ガスの使用量を減らして 2 調理計画をもとに調理をおこなう。 ・前回、作成した生ごみ入れを使用する。 ・野菜を切る ・ゆで方や切り方を意識させていく。 ・ゆでる ・食べきれる量を調理し、食品ロスが減らせ ・ドレッシングを作る るように工夫させる。 「食品ロス」…食べられる状態であるにもか かわらず廃棄される食品 3 試食をする。 ・ちょうど良い固さにゆでられたか。 ・片付け方も工夫ができることを思い出させる。 4 片付けをする。 ・油よごれは古布でふいてから洗う。 ・洗い桶を使って、ため洗いをおこなう。 ・水を使いすぎない。 119 19 19 ゆでる調理をしよう (第 8 時/全 8 時限) 時 数 1 5.活動をふり返ろう 時 間 ねらい 今までの学習から、環境に配慮した調理についてまとめる。 評価のポイント 調理実習をふり返り、環境やエネルギー削減の調理法について理解することができる。 具体的な学習活動・内容 使用する教材・資料/指導上の留意点 ・ふり返りをおこない、今後の調理に生かし 1 実調理実習の様子をふりかえる。 ていく。 ・野菜の切り方を薄くして、早くゆでられた。 ・お湯をわかすときは、ふたをしたら早くふっとうした。 ・節水するように心がけた。 2 今後、生活の中でどのように調理をおこなっていくかをまと める。 ・材料を切るときは、食べやすい大きさや厚みも考えて、切って いくようにする。 ・洗い物をするときは水を出しっぱなしにしないで、少ない水で 洗えるようにしていく。 ・なべやフライパンの大きさに火の強さを調整して、ガスの無駄 遣いをしないように気を付ける。 ●その他参考資料等 ・東京ガス:キッズ東京ガス ・FOODACTIONNIPPON ・大阪ガス ・一般社団法人日本ガス協会 エコ・クッキング http://syokuryo.jp/index.html http://okids.chouriryoku.jp/ http://www.gas.or.jp/ 120 ・5年生の早い段階で、エネルギーや環境のこ とを考えて調理をおこなうことで、2年間を 通して考えていくためのきっかけとしていく。 ・まとめたことを教室に掲示するなどして、 今後の実習でも意識していけるようにする。 ゆでる調理をしよう 121 19 19 ゆでる調理をしよう 122