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= 〔 Studies in Modern French Philosophy (`17) 〕 現代フランス哲学に

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= 〔 Studies in Modern French Philosophy (`17) 〕 現代フランス哲学に
事務局 開設
記載欄 年度
2017年度
科目
区分
専門科目
科目
現代フランス哲学に学ぶ
履修
制限
1554905
コード
(’17)=
無
科目名(メディア)
=
英文名
= 〔 Studies in Modern French Philosophy ('17) 〕 単位
数
2
(R)
〔主任講師(現職名): 戸島 貴代志 (東北大学教授)
〕
〔主任講師(現職名): 本郷 均 (東京電機大学教授)
〕
【 本 学 担 当 専 任 教 員 : 魚住 孝至 (放送大学教授)
】
講義概要
フランスの現代哲学は、多様な展開を見せる。この講座では、その諸相を押さえるために、ベルクソン、サルトル、メ
ルロ=ポンティ、フーコー、リクールの5人に絞って取り上げ、お話しする。この哲学者たちは、さまざまな立場を代
表する人物であり、この人たちが、現実といかに格闘し、いかに思索をつむいでいったか、これを学ぶことによって、
受講者自らが哲学するときにも、道しるべとなる人たちである。彼らの哲学を学ぶことを通じて、みずから哲学するこ
とへと誘うことができれば、と考えている。
授業の目標
代表的な哲学者の思想を理解し、その思想が、どのような時代状況の中で、どのような課題と相対することによって
現れてきたのかを理解することが、第一の目標である。それが、西洋哲学のより大きな文脈の中で、どのような問題
を提起することになっているのか、このことを理解することが、第二の目標である。そして、このような理解の上に立っ
て、受講者それぞれの現在にあって、それぞれの哲学からどのような可能性を見いだすことができるかを考えるこ
と、これが最終的な目標である。
履修上の留意点
特になし。
回
テ ー マ
現代フランス哲学概
1 観
内 容
執 筆 担 当放 送 担 当
講 師 名講 師 名
(所属・職名) (所属・職名)
ベルクソンの哲学を境に、フランス哲学は〈近世〉のそれか
ら〈現代〉のそれへと大きく流れを変える。この意味でベルク
ソン哲学を源流と見た場合の、現代フランス哲学の全体像
を、「実存思想」「構造主義」「解釈学」「現象学」のそれぞれ 戸島 貴代志 戸島 貴代志
(東北大学教 (東北大学教
の視点から概観する。
授)
授)
【キーワード】
直接性、生、実存、ニヒリズム、現象学、事象そのものへ、構
造
1回目に続いて、ベルクソン哲学における基本概念を、『意
識の直接与件についての試論』や『物質と記憶』における
ベルクソン固有の立場に立って説明しつつ、現代フランス
哲学にきわめて大きな影響を与えたハイデガーの哲学との 戸島 貴代志 戸島 貴代志
源流としてのベルクソ
2 ン
比較を試みる。ベルクソンもハイデガーもともに「時間」の問 (東北大学教 (東北大学教
授)
授)
題がその主張の核に控えていることを解説する。
【キーワード】
持続、時間の空間化、弾み、創造、生命、情緒
ベルクソン哲学の進
3 展
『試論』や『物質と記憶』以降のベルクソン哲学の発展とし
て、生命進化の問題と社会における宗教や道徳の問題を
取り上げる。『創造的進化』において提唱された「生命の飛
躍」が、『道徳と宗教の二源泉』では「愛の飛躍」という精神 戸島 貴代志 戸島 貴代志
的な現象へと移される。これによってベルクソン哲学が経た (東北大学教 (東北大学教
変化を批判的に理解する。
授)
授)
【キーワード】
能産的自然と所産的自然、開いたものと閉じたもの、進化
そのものと進化したもの、直観と知性、物質的障害
回
テ ー マ
ベルクソン哲学の可
4 能性
内 容
執 筆 担 当放 送 担 当
講 師 名講 師 名
(所属・職名) (所属・職名)
ベルクソン哲学に残された最大の問題として「神秘」を取り
上げる。現代の技術文明における人間と世界の関係を、マ
ルセルの思想や再びハイデガーの後期思想との比較を交
戸島 貴代志 戸島 貴代志
えつつ、ベルクソン哲学における今後の課題として説明す
(東北大学教 (東北大学教
る。
授)
授)
【キーワード】
計算、分析、直観、存在と所有、問題と神秘、技術
5
戦後のフランス哲学
理解のために
第二次世界大戦終結後、フランスは新たな哲学・思想展開
の舞台となっていく。しかし、その展開は、戦前のドイツにお
ける現象学とハイデガーの哲学を独自に受容することで可
本郷 均
本郷 均
能となった。戦後フランス哲学を理解するために必要な考
(東京電機大 (東京電機大
え方を学ぶ。
学教授)
学教授)
【キーワード】
第二次世界大戦前のフランス哲学、現象学、ハイデガー
6 サルトルの哲学
サルトルは「実存主義」の立役者の一人である。彼の小説
『嘔吐』と哲学書『存在と無』、特に一般に「実存主義」理解
を広めることになった『実存主義とは何か』における「実存は
本郷 均
本郷 均
本質に先立つ」とは何を意味しているのかについて、考え
(東京電機大 (東京電機大
る。
学教授)
学教授)
【キーワード】
実存主義、実存と本質、マルクス主義、サルトル
メルロ=ポンティは、フッサールの「現象学」の立場に立ち、
ゲシュタルト心理学の成果を取り込みつつ、自身の哲学を
展開する。『知覚の現象学』はその成果である。そこで、「身
本郷 均
体」を、これまでには扱われてこなかったような仕方で取り上 本郷 均
メルロ=ポンティの哲
7 学1
げる。これがその後の「身体論」のルーツの一つとなる。この (東京電機大 (東京電機大
学教授)
学教授)
「身体」が持つ意味の拡がりを考察する。
【キーワード】
現象学、知覚、身体、世界
メルロ=ポンティは『知覚の現象学』刊行後、政治的なテー
マと言語に関する考察を進めていく。そして、1961年、53歳
で急逝する直前まで、新たな存在論を構築しようとしてい
た。死後まとめられた『見えるものと見えないもの』には、そ
本郷 均
本郷 均
メルロ=ポンティの哲 れまでの彼の哲学を根本的に考え直すという課題と、多く
(東京電機大 (東京電機大
8 学2
のメモから、彼は何を、どのように考えようとしていたのかを
学教授)
学教授)
学ぶ。
【キーワード】
政治哲学、ソシュール、言語、存在論
1950年代後半から1960年代にかけてのフランスでは、それ
まで支配的な地位にあった主体性の哲学が問いに付され
るとともに、新たな思考の地平が開かれることになる。フラン
慎改 康之
慎改 康之
1960年代からの思想 ス思想の大きな転機をしるしづけるこの時代の思潮を、「構
(明治学院大
(明治学院大
9 状況
造主義者」と呼ばれた人々の言説を手がかりに解読する。
学教授)
学教授)
【キーワード】
主体性、構造主義、ソシュール、レヴィ=ストロース、ラカ
ン、バルト、アルチュセール
フーコーの哲学的歴史研究の全体を、主体性と真理との関
係をめぐる問いによって導かれた探究として読み解くことを
試みる。まず、「知」の歴史的変容を扱った1960年代の「考
慎改 康之
慎改 康之
ミシェル・フーコーの 古学的」分析を、1950年代のフーコー自身が帰属していた
(明治学院大 (明治学院大
10 哲学1
思考の地平からの離脱のプロセスとして明らかにしていく。
学教授)
学教授)
【キーワード】
人間学、知、言説、考古学
回
テ ー マ
内 容
執 筆 担 当放 送 担 当
講 師 名講 師 名
(所属・職名) (所属・職名)
1970年代から1980年代にかけて、フーコーの研究の軸は、
「知」から「権力」へ、さらには「自己との関係」へと移動す
る。刑罰制度やセクシュアリティをめぐる歴史的分析が行わ
慎改 康之
れるなかで、主体性と真理との関係をめぐる問いがそうした 慎改 康之
ミシェル・フーコーの
11
分析全体をどのように貫いているのかということを、彼の著 (明治学院大 (明治学院大
哲学2
学教授)
学教授)
作および講義録を読み解きながら明らかにしていく。
【キーワード】
系譜学、権力、規律、自己
1980年代の現代フランス思想は、流行思想としての構造主
義の退潮と、政治や社会、経済の次元での世界規模の変
動を受けて、「ポスト構造主義」と他称される先鋭的な諸思
想と、「倫理や宗教への回帰」とが交錯する複雑な様相を呈
してくる。その状況を、「自己と他者」という対概念を軸にし 杉村 靖彦
杉村 靖彦
1980年代からの思想 て、さまざまな動向から読み解いていく。その上で、この時
(京都大学准 (京都大学准
12
状況
期からリクールの哲学がフランスで再評価され始めた経緯 教授)
教授)
を探る。
【キーワード】
ポスト構造主義、倫理、宗教、自己、他者、リオタール、レ
ヴィナス、デリダ、リクール
前回に描いたような状況の下、フランスの知的舞台への帰
還を果たした1980年代のリクールの思想を、大著『時間と物
語』を中心にたどっていく。そして、物語論から自己論へと
向かうその展開の内に、構造主義以降の思想と社会の錯
杉村 靖彦
杉村 靖彦
ポール・リクールの哲 綜状況を反映し、それに応答していこうとする思索の姿を読
(京都大学准 (京都大学准
13 学1
みとっていく。
教授)
教授)
【キーワード】
時間と物語の循環、時間性のアポリア、歴史とフィクションの
交差、物語的自己同一性、行為し受苦する自己、自己の解
釈学
1990年代以降のリクールを導く「自己の解釈学」の立場を
確認した上で、2000年の大著『記憶・歴史・忘却』をたどる。
この書は20世紀の思想と歴史の生き証人としてのリクール
の総括の書であると同時に、21世紀の世界にとって危急の
杉村 靖彦
杉村 靖彦
ポール・リクールの哲 問題となる数々の主題に触れている。記憶、死者、歴史、
14 学2
赦し等、注目すべき論点を取り上げて、この書から何を学 (京都大学准 (京都大学准
教授)
教授)
べるかを考えていきたい。
【キーワード】
自己の解釈学、記憶の作業、生者と死者、歴史的条件、特
異なものの範型性
現代フランス哲学に
15 学ぶ
【①哲学・現象学の限界とその向こう側】1990年代に現れた
「フランス現象学の神学的転回」批判は、哲学の問題とは何
かを問う側面もあった。アンリやマリオンの哲学を介してこの
点に触れることで、フランス哲学のもう一つの側面を押さえ
ておくことにしよう。
【②ベルクソン哲学と東洋思想】本科目の出発点であった
ベルクソン哲学と我が国の禅思想との比較を試みる。ベル
クソンのいう「直観」と、禅思想を背景とした西田幾多郎の
「純粋経験」の、それぞれにおける〈主客未分〉について考
える。
【キーワード】
①哲学(愛知)、ロゴス、キリスト教、知と信、現れないものの
現象学
②自由、中立性、必然、事実性、純粋経験、禅、言葉
戸島 貴代志
(東北大学教
授)
本郷 均
(東京電機大
学教授)
戸島 貴代志
(東北大学教
授)
本郷 均
(東京電機大
学教授)
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