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日産自動車株式会社カレスト座間
大型新業態店舗の“悩み”を“強み”に転じる iPAQ と RFID タグによる顧客優位の車両検索サービス 日産自動車株式会社 カレスト座間 カレスト座間は、日産自動車の戦略拠点として 1999 年 12 明確なワンプライス販売、 そしてお客様のお求めがない限り営業 スタッフからは声をかけないという “ノン・プレッシャー”の徹底を 月、東京ドーム9個分という広大なスペースにオープンした日 本初のオートモールだ。中古車 1,000 台、新車 100 台、用品 「わがままクルマ市場」を掲げる同店の 30,000点を常設し、 来場客は、年間80万人に及ぶ。多くの来店客のクルマ選びを 図っています。営業担当者はご来店客の応対にだけ集中、そのご 要望にお応えしながら親身にアドバイザー役を務めています」 年中無休の同店の営業時間は 10:00 ∼ 20:00 と長く、あくまで も顧客の利便性を優先する姿勢を貫いている。実際、 仕事帰りな どに遠方から来店するケースも多い。商圏は半径約15Km、車で 1時間圏と、通常の中古車販売店のそれを大きく上回っている。 支援し、試乗や見積をスムーズに運ぶきめ細かなサービスの 実現を目指して、HP iPAQ Pocket PC(以下:iPAQ )とRFID (Radio Frequency Identification)による革新的なサービス しかし、同店の魅力である品揃えの豊富さと広大さは、逆に新た な悩みを生んでいた。つまり「膨大な在庫から目当てのクルマを 探すのが大変」 「プライスボードに記されたスペックを見落としが ち」 「事務所から試乗車までの距離があり、試乗までの待ち時間 も長い」など、 来場客の利便性を阻害する二律背反的な結果を招 基盤を形成した。 いていたのだ。これは、営業担当や試乗担当の立場からは「試乗 お客様のチャレンジ 受付業務が煩雑」 「諸費用等を含めた見積のために再度事務所 広大な敷地に豊かな品揃え―― に戻らねばならず、試算にも時間がかかる」といった声として顕 その魅力と二律背反する悩みを解決するIT を 在化。多くの来場客が押しかける週末には、顧客サービスやス リサイクルによる環境保全や循環型社会への呼応、 またファン層 ムーズな業務の流れを阻害するボトルネックの要因ともなってい の拡大やブランド・ロイヤリティの向上などの面から、 製品ライフサ たのである。 この問題の解決を図る検討を開始しました。 イクル全体をとらえたメーカーの使命として、自動車メーカー各 「先進技術を使って、 社は中古車事業に注力している。そんな中で誕生したカレスト座 もちろん、 その仕組みは、 お仕着せの技術ではなくお客様やスタッ 間は、 中古車、 新車からカー用品全般に至る豊富な品揃えと、 車検 フにとって使い勝手の良いものでなければなりません。さらに、 カ から整備、 オプションパーツ取り付けまでメンテナンス全般に対応 レスト座間らしい先進性や楽しさを感じていただけるものにした する能力を有した超大型施設だ。 「カレスト」という名称は、 「カーライフ(Car)の最上級(-est)」を い、 と考えたのです。そこで2003年11月、 10社のベンダに声を かけて提案を募りました」 築き「愛車(Car)の憩い(Rest)」を提供する、 というダブルミーニ 情報戦略の指針を築く役割を担う日産自動車・グローバル情報シ ングによる造語。カーライフを取り巻くアメニティをトータルに提 ステム本部システム企画部のアシスタントマネージャー 久田哲 供したい、 という同社の思想が如実に表現されている。 郎氏はそう回想する。 「お客様にクルマのある生活を喜んでいただける最高に楽しく 夢のある場、 すなわち“わがままクルマ市場”が、 私達の基本コン セプトです」と語る業務マネージャー藤井雅太氏はさらにこう続 ける。 「営業担当が足で稼ぐ見込み客訪問、 『要応談』という不透明な価 格設定。私達は、 こういった形態が主流だった旧来の中古車販売 のビジネスモデルを大きく変革しました。ご来店客への店売りと HPのソリューション 上とともに、 楽しく先進的な当店のイメージ形成に貢献していると iPAQとRFIDタグの機動力で、 実感しています」 (藤井氏) 場所に縛られない車両検索・情報閲覧・試乗予約を実現。 また在庫車両の情報は、 現場での相応性を考慮し、 日産自動車の 「各社の提案は、 モバイル技術を核としたPDAの活用という意味 センターで前日の締め後に更新された最新の中古車データベー では共通していました。しかし、 HPの提案は将来を見越したビジョ スを活用。夜間バッチでデータを更新しておき、ローカル間でや ンが明快だったこと。そして、 すでに多くの実績を築いているデバ りとりすることでレスポンスの向上を図っている。 日産カレスト座間株式会社 業務マネージャー 藤井 雅太 氏 イスとしてiPAQを有しており、 即座に導入∼運用が図れる現実性 無線 LAN でのデータのやり取りには不安定な要素も多く存在す があったこと。また、既存の中古車在庫 DB を活用して、構築ス るが、 ネットワーク部隊、 開発部隊双方の連携および製品部隊の情 ピードの圧縮を図るなど、 実戦的なアイデアや示唆に富んでいた 報を活用し、 レスポンスの確保が最大限になされる工夫が図られ 点を評価しました」 (久田氏) ている。システム構築に当たって、 サービス内容の共同考案から 具体的なシステム構築に先だつ 2004 年 7 月、HP のコンサルタ ハードウェアの調達、RFIDタグの車両搭載、iPAQ上のアプリケー ントが同店に出向き、実際の展示場にてオンサイトでの実態調査 ションや無線 LAN の環境構築までを一括して行った HP のトータ を実施した。ベテランと新人の営業担当者に同行し、 商談の経緯 ルなソリューション提供は高く評価された。 や時間、 実際の試乗手順やタイムロスなどを計測。カレスト座間が 目指す「あるべき姿」とのフィット&ギャップ分析を進めた。日産自 日産自動車株式会社 販売ネットワーク本部 店舗運営支援部 カレスト事業推進室 泉 重盛 氏 ビジネスベネフィット 動車の立場からカレストの業務支援を進める販売ネットワーク本 CS 向上、業務生産性アップ、 部店舗運営支援部カレスト事業推進室 泉重盛氏は、当時の印象 さらにマーケティングや店舗づくりの意思決定支援も見据えて を以下のように語る。 また、 各車両のRFIDからダウンロードされる車両情報には、 年式や 「もともとHPには外資系ベンダのドライなイメージを抱いていま 走行距離といったスペックだけでなく、キズやへこみなどの情報 したが、足繁く現場に通い、 ストップ・ウォッチを手に、実際の商談 ももれなく開示。アカウンタビリティを徹底した真摯な企業姿勢 時間を計測するなど、 地道な調査や準備を実施するする姿勢に親 が来場者の好感を呼ぶとともに、 トラブルのないスムーズな商談 しみと安心感を覚えました」 を支援する効果も生まれている。 2004 年 8 月にシステム構築がスタート。上流部分でコンセプト 「いままで中古車店やディーラーという場所は『女性が最も入りづ を明確に固め、 プロジェクトは順調に進行、当初の予定通り同年 らい店』だと言われていました。カレストはオープン以来、 女性も 12月にカットオーバを迎えた。ここにおいて、来場客自身が広い 気軽にお立ち寄りいただける店づくりを目指し、事実女性のご来 展示場内を自由に行き来しながら、 iPAQ 上で求める条件に沿っ 店も多くなっています。今回はその辺りも考慮し、美術館やテーマ た車両やその展示場所を検索。また、車両のフロントガラスに貼 パークなどの PDA 活用事例を研究しました。親しみやすさ、優し 付した薄い RFID タグから、iPAQ に車両データをダウンロードし いインターフェースを実現してもらい、喜んでいます」 (泉氏) て、 詳細なスペックを確認することができる仕組みが完成した。ま 「いままでも、 商談から成約に至るクロージング過程は、 ある程度 た試乗したい場合も、 営業担当を呼び、 iPAQ上をRFIDタグにかざ 体系化できていました。しかし、 今回のシステムのおかげで、 お客 すだけで予約登録が完了する。 様が商談に至るまでのアクションのログがとれますので、今後は 「iPAQの操作は、一目でわかる直感的なものなので、 システム導 展示や品揃えなど、 よりお客様のお求めにフィットした店づくりを 入に伴う担当者教育も約1時間程度の説明で終わりました。また 進めるこができます。HPさんには今までハードウェア・ベンダーと アンケートからも、初めて手にされたお客様も、 すぐに使いこなし してのイメージしかありませんでしたが、 今回のお付き合いを通じ ておられることがわかりました。お客様の利便性と業務効率の向 日産自動車株式会社 グローバル情報システム本部 システム企画部 アシスタントマネージャー 久田 哲郎 氏 て、 システムやコンサルティングなどの実力にも触れられた気がし 導入ハードウェア HP iPAQ Pocket PC 5550×13 台 カレスト座間システム概要図 CF 拡張 jacket×13 台 カレスト座間 IC タグリーダ×13 台 PDA+ICタグリーダ 無線 LAN・AP×2台 トライアル用サーバ Switch×2 台 Get-Uシステム 無線LAN PDAナビアプリ (専用Webブラウザ) データ取込み プログラム Webサーバ Get-U DB http 読み込み CRI DB ICタグ 車両データ 車両情報アクセス記録 カレスト分の 車両データ情報 システム範囲 ました。また、抽象論に陥りがちなコンサル段階から、業務現場に ています」 (藤井氏) 足のついた地道な動きをしていただきました。現場の追加要求に 次のフェーズでは、 クルマに対するお客様の感想や評価を自由に も『検討します』ではなく『解決します』という回答が得られた点 書き込める機能などを付加し、 カーライフを巡るお客様同士のコ に頼もしさを感じました。今後とも、 システムの成長性を支える提 ミュニティ広場としての機能強化を計画している。同社では、 カレ 案をお願いしたいですね」 (久田氏) スト座間での成果を見据えながら、 カレスト幕張や今後オープン 「今回のシステムによって、 車両検索∼試乗∼見積に至る流れが 予定のカレスト村山への水平展開、 マーケティング情報の収集・活 スムーズになったおかげで、 『より多くのクルマを比較検討した 用も視野に入れ、 iPAQとRFIDによる革新的なサービス基盤のさ い』というお客様の“わがまま”にお応えすることができます。今 らなる進化を図っていく予定だ。 後さらにお客様本位の活用方法を、一緒に考えていきたいと願っ カレスト座間のチャレンジ ● 膨大な中古車在庫からの迅速な 検索 クルマごとのスペックや特記事項 ● HPの提供ソリューション ● iPAQ と RFID によって車両検索・ 試乗予約・見積までをシステム化 カレスト座間の要件に対する システム効果 検索∼試乗の流れがスムーズにな ● り、営業効率が向上 より多くの候補から最適なクルマ ● を明確に提示 がチョイスできるようになり、顧客 試乗までの事務処理と顧客の待ち 満足度が向上 ● 時間の圧縮 見積処理の正確化・迅速化 ● 場所を選ばず即座に見積処理が行 ● え、営業生産性が向上 お問い合わせはカスタマー・インフォメーションセンターへ 03-5304-6660 月∼金 9:00 ∼ 19:00 土 10:00 ∼ 18:00(日、祝祭日、年末年始および 5/1 を除く) HP PDA 製品に関する情報は http://www.hp.com/jp/pocketpc 記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。 記載事項は 2005 年 3 月現在のものです。 本カタログに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。 © Copyright 2005 Hewlett-Packard Development Company,L.P. 日本ヒューレット・パッカード株式会社 〒 140-8641 東京都品川区東品川 2-2-24 天王洲セントラルタワー PDFCRP05008