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エコクレイウォール工法

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エコクレイウォール工法
無排泥粘土遮水壁工法
エコクレイウォール工法
1.技術の概要
エコクレイウォール(以下、
「EC ウォール」という)工法は、少量の EC ウォール掘削液を用いて
掘削し、さらに粉体状の EC ウォール材を原位置土と混合撹拌することで地中に人工的な粘土遮水壁
を造成する工法である。従来のセメントスラリー系遮水壁工法のように体積増加がないため、施工時
の排泥を発生させない特性を有する。また、粘土壁であることから変形追随性を有しており、遮水性
能は等厚式で透水係数 1.0×10-7cm/s 以下、柱列式で透水係数 1.0×10-6cm/s 以下となる。そのため、
一般遮水工事から汚染土壌の拡散防止・最終処分場の封じ込めなどの適用が可能である。
EC ウォール工法は、施工方法として等厚式地中連続壁工法と柱列式地中連続壁工法での施工に適
している。
水槽
スラリープラント
サイロ
布掘り(1m×1m程度)
水槽
スラリープラント
サイロ
布掘り(1m×1m程度)
粉体圧送プラント
粉体圧送プラント
発動発電機
発動発電機
粉体噴射
掘削液+掘削土
ECウォール
ECウォール
粉体噴射
図-1 EC ウォール施工標準図
2.技術の特徴
(1)十分な遮水性能
透水係数は、等厚式で k=1×10-7cm/s 以下、柱列式で k=1×10-6cm/s 以下と非常に優れた遮水
性能を有している。
(2)長期難透水性能
使用する材料は無機の粘土鉱物を主体とし、長期における難透水性確認試験においても十分な耐
用年数が推定できることから、長期難透水性能に優れた壁体性能を有している。
(3)変形追随性
壁体自体が変形追随性を有するため、クラック等の亀裂が生じにくい、安全性に優れた壁体性能
を有している。
(4)安全性
使用する材料は無機の粘土鉱物を主体とするため、環境に対する安全性を有している。
(5)経済性
施工時の排泥が発生しないため、排泥処理費が生じないことから経済性に優れている。
3.審査証明の結果
(1)現場で採取した EC ウォール試料および室内で作製した EC ウォール供試体の室内透水試験に
おいて、透水係数が等厚式の場合 1.0×10-7cm/s 以下、柱列式では 1.0×10-6cm/s 以下であり、
造成された遮水壁が十分な遮水性能を有することが確認された。
(2)EC ウォール供試体の透水試験時における累積透水量から、造成された遮水壁が長期にわたって
難透水性を示すことが確認された。
(3)EC ウォール供試体の一軸圧縮試験および EC ウォール試料の三軸圧縮試験により、造成された
遮水壁が変形追随性を有することが確認された。
(4)EC ウォール材の溶出試験により、環境に対して使用材料が安全であることが確認された。
(5)施工現場の目視により、等厚式では排泥が発生せず、また柱列式では少量の排泥が確認された。
4.技術の適用範囲
適用範囲と留意条件を下記に示す。
表-1 EC ウォール工法の標準適用深度および壁厚
機
種
標準施工深度
壁厚
35m
550∼850mm
等厚式施工機
28m
壁形状
t
t1=550、600、650mm
t2=316、396、470mm
t1
t2
t1=850、900mm
23m
t2=602、670mm
注 1)上記適用範囲を超える深度、壁厚、曲線施工については別途検討する必要がある。
注 2)土留等、壁体に大きな曲げ応力が発生する場合は別途検討する必要がある。
柱列式施工機
〈その他留意条件〉
(1)地中障害物の有無
(2)N 値 100(柱列式の場合 N 値 50)を超える土質
(3)粒径φ100mm を超える礫を含む地盤
(4)土丹、岩盤などを含む地盤
(5)地下水流速が著しく大きい場合
5.施工状況および壁体出来形
施工状況(写真は等厚式)および出来形全景を下記に示す。
6.施工実積
主要な施工実績を下記に示す。(平成 19 年 3 月)
表-2
No
工事名
1 某民間工場内
主要実績一覧
発注者
壁厚
(削孔径)
(mm)
深度
(m)
壁面積
2
(m )
壁造成
目的
対象地盤
透水係数
工 期
仕 様
某民間企業
600
15.0
4,223.0
遮水壁
(封じ込め)
砂層主体
10-8(cm/s)
オーダー
平成16年2月
平成16年6月
等厚式
―
(600)
28.0
261.0
遮水壁
砂礫層主体
10 (cm/s)
オーダー
平成16年6月
平成16年7月
柱列式
首都高速
道路公団
(600)
28.6
367.0
遮水壁
(褄部)
砂・粘土互層
10-8(cm/s)
オーダー
平成16年6月
平成16年8月
柱列式
―
550
15.0
35.0
275.4
遮水壁
砂礫層主体
10-8(cm/s)
オーダー
平成16年10月
平成16年11月
等厚式
某民間企業
(900)
18.0
4,432
遮水壁
(封じ込め)
砂層主体
10 (cm/s)
オーダー
平成17年1月
平成17年2月
柱列式
西日本高速道路
株式会社
550
26.5
1,686.0
遮水壁
(褄部)
砂・粘土互層
10-8(cm/s)
オーダー
平成18年6月
平成18年7月
等厚式
大高南特定土地
区画整理組合
550
遮水壁
砂・シルト互層
(封じ込め)
10-8(cm/s)
オーダー
平成18年10月
平成18年12月
等厚式
某民間企業
(550)
ECウォール
砂・シルト互層
の性状確認
10 (cm/s)
オーダー
平成18年11月
平成18年11月
柱列式
-8
2 試験工事
3
SJ63工区(1・2)下部・擁壁・
その他工事に伴う山留め壁工事
4 試験工事
5 某民間工場内
6 第2京阪道路打上工事
7
大高南特定土地区画整理事業
53街区
8 某民間工場内(試験施工)
13.0
11,724.8
∼19.0
14.0
合 計
7.技術保有会社および連絡先
ライト工業株式会社 技術本部 技術部
〒102-8236 東京都九段北 4-2-35
TEL 03-3265-2456
FAX 03-3288-0896
8.審査証明実施機関
財団法人 土木研究センター
9.審査証明年月日
平成 19 年 5 月 22 日
37.8
23,007.0
-8
-7
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