世界をリードするエンジニアになろう

挑戦者の軌跡
OB Special Interview
日本テレビ放送網株式会社
技術統括局担当
取締役　専務執行役員
田村 信一 さん
大切なことは東京電機大学で学んだ
世界をリードするエンジニアになろう
2011年、完全なる地上デジタル放送の時代を迎えるテレビ放送業界。
そこでは多くの東京電機大学 OB たちが活躍しています。
日本テレビ技術部門のトップである田村信一氏もその一人。
同じくテレビ各局で中枢を担う OB たちとともに、これまでデジタル放送の基盤づくりを先導、
ここにまた、新たな歴史を切り拓こうとしています。
「ノー」と言わない 勇気
OBネットワークが不可能を可能 にする
私が東京電機大学の学生だった当時、工業実習という、企業で実
放送業界に限らず電機や機械のメーカーをはじめ幅広い業界で
践体験をする科目がありました。私はその際、日本テレビで送信機
活躍しています。私はかつて、テレビのアナログ信号をデジタルに
の調整と測定の実習を受けたのですが、それはまさしく
「実学」とい
圧縮する、それまでにない全く新しい機器の開発に携わりましたが、
える貴重で刺激的な体験の数々でした。それがきっかけとなり、私は
これが成功したのも、東京電機大学のネットワークがあったからでし
日本テレビに入社、送信部門のエンジニアとしてキャリアをスタート
た。この時ほど、東京電機大学の校友会の広さを感じたことはありま
させました。やがて局内における電波のエキスパートとして認められ
せん。これからのエンジニアには、既存の枠組みを超えた発想力と
るようになり、現在はデジタル放送のエリアを広げることを使命とし
行動力が求められます。この点で、東京電機大学の「実学尊重」
「技
て、中継局の増設に全力を挙げて取り組んでいます。
術は人なり」という理念は、
まさに時代のニーズに応えるものだと思
今や、デジタル化は世界規模で進化しています。イギリスで開始
います。だからこそ、東京電機大学の出身者は多種多様な業界で活
されて以来、2009年6月にはアメリカが完全移行。デジタル化は間
躍できるのです。東京電機大学の学生は、幅広い OBのネットワーク
違いなく世界のテレビ放送の主流になります。デジタル放送によっ
と自らを大きく成長させる可能性を手にできるのです。
て、テレビ局だけでなく、あらゆるメディア地図は激変するでしょう。
地デジのもたらすクオリティーの高い映像美やクリアな音声、それに
データ放送などは、テレビそのものの価値観を変えていきます。デ
大学で 得られるもの
ジタル放送とは、長年にわたって、多くの人々によって絶え間なく続
東京電機大学の 4年間で得られるものは数多くあります。その一
けられてきた放送技術開発の集大成なのです。
つに、国内外いろいろな場所から集まり、いろいろな価値観や想い
この最前線に私が立つことができるのは、周囲からの難しい要求
をもった多くの仲間たちの存在があります。
に対して、絶対に「ノー」とは言わず、とにかく興味をもって自分で
大学進学を目指す皆さんには、自分が何をしたいのかという目標
やってみるという姿勢と信念があったからです。こうして、新しい知
をもって大学を選んでほしい。そして大学ではできるだけたくさん
識や技術を無我夢中で体得してきました。これは学生時代の実習か
の仲間を作ってほしいと思います。そこで得られる経験は、必ずや社
ら学んだことで、今でもその姿勢は変わりません。
会に出たときに大きな力となるはずです。
TDUがデジタル放送の歴史 を切り拓く
私は今、東京電機大学の校友会の一つである民間放送校友会の
会長をしています。全国に127社ある民間放送会社で会員数は約
250名。放送業界には東京電機大学の OBが非常に多く活躍し、放
送業界の基盤を支える力になっています。
2003年に開始した地上デジタル放送の検討委員会の設置当時
の在京社メンバーは、東京電機大学の OBでほとんど占められ、日本
におけるデジタル放送の歴史を切り拓き、
リードし続けていると言え
るでしょう。それだけに、東京電機大学の学生は、放送業界から大い
プロフィール
田村 信一 さん
1969 年 ３ 月、工 学 部 卒。
同 年 4 月、日 本 テレビ 放 送
網 株 式 会 社 に 入 社。主 とし
て 送 信 部 門 でキャリアを 積
み重ね、2002 年に技術統
括局長、2010 年に現職へ。
株式会社日本デジタル放送
システムズの役員も兼務。
に期待されているのです。
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