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平成 14 年度政策評価の実施に関する計画 平成 14 年 3 月 財 務 省
平成 14 年度政策評価の実施に関する計画 平成 14 年 3 月 財 務 省 平成 14 年度政策評価の実施に関する計画 「平成 14 年度政策評価の実施に関する計画」は「行政機関が行う政策の評価に関する法律」 第 7 条及び財務省の「政策評価に関する基本計画」に基づき、平成 14 年度に財務省が行う政 策評価の対象となる政策、評価の具体的方法等を定めるものです。 (注) 財務省の政策評価に関する情報は、インターネットの財務省ホームページ(http://www.mof.go.jp/)の政策評価の欄でも ご覧いただけます。 1. 財務省における政策評価 (1) 政策評価に関する基本計画 中央省庁等改革に伴い各府省に導入された政策評価を財務省は平成 13 年度から実施し ていますが、本年 4 月から「行政機関が行う政策の評価に関する法律」が施行されるこ とから、今般、財務省の政策評価の実施に関する方針等を定める「政策評価に関する基 本計画」を策定・公表しました。 「政策評価」は、国の行政機関が主体となり、政策の効果等に関し、測定又は分析し、 一定の尺度に照らして客観的な判断を行うことにより、政策の企画立案やそれに基づく 実施を的確に行うことに資する情報を提供するものであり、 「企画(Plan)」 、 「実施(Do)」 、 「評価(See)」を主要な要素とする政策の大きなマネジメント・サイクルの 中にあって制度化されたシステムとして組み込まれ実施されるものです。 ① 政策評価担当組織の設置 平成 12 年7月に大蔵省に政策評価官・政策評価室を設置しました。 ② 「財務省の政策評価の在り方に関する懇談会」の開催 平成 12 年 10 月 20 日以降、 「財務省の政策評価の在り方に関する懇談会」 (事務次官 主催、座長:西室泰三東芝取締役会長、経済団体連合会副会長)を 12 回開催し、有識 者の方々から幅広く意見等をいただいております。 財務省の毎年度の政策の目標、実施計画の策定及び評価書の策定に当たっては、省 内のみの議論でなく、客観性を確保し、評価の質を高めるため、 「財務省の政策評価の 在り方に関する懇談会」等の意見を取り入れることにしています。 ③ 「財務省の使命」、「政策の目標」と「政策評価の実施要領」の策定・公表 平成 13 年1月6日財務省の発足の際に、 「財務省の使命」 、 「政策の目標」と「財務省 における政策評価の実施要領」を策定・公表しました。 ④ 「平成 13 年度政策評価の実施に関する計画」の策定・公表 平成 13 年 3 月 30 日に「財務省における平成 13 年度政策評価の実施に関する計画」 を策定・公表し、平成 13 年度から政策評価を実施しています。 ⑤ 「政策評価に関する基本計画」の策定・公表 平成 14 年 4 月からの「行政機関が行う政策の評価に関する法律」の施行に伴い、 今般、 「実施要領」を見直し、 「政策評価に関する基本計画」を策定・公表しました。 (2) 財務省の使命と政策評価の目的 ① 財務省の使命 納税者としての国民の視点に立ち、効率的かつ透明性の高い行政を行い、国の財 務を総合的に管理運営することにより、健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会 を実現するとともに、世界経済の安定的発展に貢献すること。 ② 財務省の政策評価の目的 1 財務省の使命、政策の目標、政策等を国民に明らかにし、納税者としての国民に 対する説明責任(アカウンタビリティ)を果すこと 2 財務省の行政全般について、客観的な政策評価の実施を確保することにより、常 により効率的で質が高く時代の要請に合った成果重視の行政を目指し続けること 2 3 財務省の仕事の進め方を改善し、職員の意欲の向上、組織の活性化を図ること 4 財務省が財政当局として、各府省の政策評価の結果を適切に活用していくこと 平成 14 年度政策評価の実施に関する計画 財務省の行政分野すべてについて、 「実績評価」を行い、特に重要な政策・施策について 「総合評価」を計画的に行います。 (注)個別の事務事業については、個々の事業の特性に応じて最も適した評価方法や実施の計画を検討し、 「実績評価」や 「総合評価」の枠組みの中で評価するものと個別に「事業評価」を行うものを区別して評価を実施していきます。 (1) 計画期間:平成 14 年度(平成 14 年 4 月から平成 15 年 3 月まで) 「平成 14 年度政策評価書」は平成 15 年 6 月末を目途として策定・公表することを予 定しています。 (注)平成 14 年 6 月末を目途として「平成 13 年度政策評価書」を、平成 15 年 3 月末を目途として「平成 15 年度政策評 価の実施に関する計画」を策定・公表することを予定しています。 (2) 政策評価の方式 ① 実績評価(事後評価) 行政の幅広い分野において、あらかじめ達成すべき目標を設定し、それに対する実 績を測定しその達成度を評価することにより、政策の達成度合いについての情報を提 供することを主眼とする評価方式です。 ② 総合評価(事後評価が中心。テーマによっては事前評価の場合もあり得る。 ) 特定のテーマを設定し、様々な角度から掘り下げて総合的に評価を行い、政策の効 果を明らかにするとともに、問題点の解決に資する多様な情報を提供することを主眼 とする評価方式です。 ③ 事業評価(事前評価、事後評価) 個別の事務事業を中心として、事前の時点で評価を行い、途中や事後の時点での検 証を行うことにより、行政活動の採否、選択等に資する情報を提供することを主眼と する評価方式です。 (3) 実績評価 ① 財務省の行政分野全てについて、47の目標等(総合目標9、政策目標33、組織 運営の方針5)を設定して「実績評価」を行うこととしています。 イ 総合目標:財務省の政策の目標の基本となるもの 通貨に対する信認を確保しつつ、健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会を実現すると ともに、世界経済の安定的発展に貢献すること この下にある目標:平成 14 年度を含め中期的に取り組むべき目標 平成 14 年度に取り組むべき目標 ロ 5 4 政策目標:各分野ごとの政策の目標 政策目標1:健全な財政の確保 この下にある目標:5 政策目標2:適正かつ公平な課税の実現 この下にある目標:5 (注)この下にある目標の中には、中央省庁等改革基本法第 16 条第 6 項に基づく 国税庁の実施庁としての実績の評価(平成 14 年 7 月から実施予定(事務年度 が7月から翌年 6 月))の実績目標3つが含まれています。 政策目標3:財政投融資の適正かつ効果的な実施 この下にある目標:2 政策目標4:国の資産・負債及び国庫の適正な管理並びに通貨に対する信頼の維持 この下にある目標:14 政策目標5:貿易の秩序維持と健全な発展 この下にある目標:4 政策目標6:国際通貨システムの安定と国際協力・交流の推進 この下にある目標:3 ハ 組織運営の方針:各部局共通の組織に関する運営方針 高度な専門性に裏打ちされた、効果的・効率的かつ透明性の高い行政運営を実施するため の組織の維持・構築 この下にある方針:5 実績評価で用いる目標と計測のための指標については、同一年度内においても、社会 経済情勢等の変化により、政府の方針等が新たに設定・転換された場合には、目標の記 述の変更や指標の修正等を行う場合があります。 ② 実績評価の評価基準 実績評価は、次の観点から多面的に評価することを基本とします。 イ 指標等に照らした目標の達成度。 ロ 目標を達成するための事務運営のプロセス(施策・活動の手段や進め方)が適 切、有効かつ効率的であったか。 ハ 結果の分析(特に目標未達成の場合の反省点の把握)が的確に行われているか。 ニ 当該政策自体の改善や、政策評価システムの運用の改善について有益かつ積極 的な提言がされているか。 (4)総合評価 総合評価の平成 14 年度実施計画においては、平成 13 年度に着手したものを含め、現段 階における中期的な計画として、次のテーマを掲げています。 ・ 我が国の財政の現状と課題 【平成 13 年度着手。中間報告について平成 14 年 6 月末 を目途に総合評価書として策定・公表する予定。 】 ・ 我が国のアジア通貨危機支援【平成 13 年度着手。14 年度終了予定。途中経過につい て平成 14 年 6 月末を目途に総合評価書として策定・公表する予定。】 ・ 電子政府の実現(税関手続、国税の電子申告等)【平成 15∼16 年度に着手】 ・ 特殊関税制度(セーフガード、アンチダンピング等) 【措置の発動状況を見つつ、中期的に着手】 (5)事業評価 事務事業については、財務省の所掌する行政の性質から「事業評価」の対象となるも のは僅かであり、研究開発、政府開発援助(ODA) 、規制、補助事業等が対象として考 えられますが、引き続き、政策評価を実施していく中で、その実施の検討を行います。 ① 研究開発については、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」 (平成 13 年 11 月内 閣総理大臣決定)に基づき、研究開発評価指針を策定する準備作業中です。 なお、独立行政法人酒類総合研究所(平成 13 年4月設立)も、本指針に基づく評価 を実施する予定です(独立行政法人移行前の国税庁醸造研究所が平成9年以降、研究 開発の評価を実施) 。また、同研究所は、独立行政法人通則法(平成 11 年法律第 103 号)に基づいて業務の実績の評価を財務省の独立行政法人評価委員会から受けること になっています。 ② 政府開発援助(ODA)については、個別に「事業評価」を行っていく検討を進め るとともに、国際協力銀行を通じた政府開発援助(有償資金協力)については、その 主務官庁である外務省をはじめとする関係省と連携し評価を推進します。 ③ 規制については、 「規制改革推進3か年計画(改定) 」 (平成 14 年 3 月閣議決定) 「Ⅲ 1エ 行政の情報化」に関連する事項として、上記(4)のとおり「電子政府の実現(税 関手続、国税の電子申告等)」の総合評価が平成 15∼16 年度に着手予定です。規制の 新設については、「規制改革推進3か年計画(改定) 」 (平成 14 年 3 月閣議決定)を踏 まえつつ、個別に「事業評価」を行っていく検討を進めます。 ④ 補助事業等については、他の政策分野での取組を参考としつつ、試行的な評価の実 施や評価の仕組みについての検討を進めます。 (以上) 平成 14 年度実績評価の実施計画 平成 14 年 3 月 財 務 省 1 財務省の使命と政策の目標 平成14年3月29日 財務省の使命:納税者としての国民の視点に立ち、効率的かつ透明性の高い行政を行い、国の財務を総合的に管理運営することにより、健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会 を実現するとともに、世界経済の安定的発展に貢献すること。 総合目標:通貨に対する信認を確保しつつ、健全で活 政策目標1:健全な財政の確保 政策目標5:貿易の秩序維持と健全な発展 11 重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善の推進 5- 1 内外経済事情を踏まえた適切な関税率の設定・関税制度の 力ある経済及び安心で豊かな社会を実現する 12 必要な歳入の確保 改善 とともに、世界経済の安定的発展に貢献する 13 地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移転に関する事務の適 52 税関手続における利用者の利便性の向上 こと (14年度を含め中長期的に取り組むべき目標) 1 今後の財政運営に当たっては、歳出の質の改善や抑制等 を推進するとともに、受益と負担の関係についても引き続 き検討を行いつつ、効率的で持続可能な財政への転換を図 る。また、こうした財政構造改革を、政府が進める各般の 構造改革とともに推進することにより、民間需要主導の持 続的な経済成長の実現に寄与することを目指す 2 中長期的な税制のあり方について、少子・高齢化や国際 化などの経済社会の構造変化や財政状況を踏まえ検討を行 い、あるべき税制を構築する 3 財政投融資については、行財政改革の趣旨を踏まえ、民 間ではできない分野・事業に特化する等対象分野・事業の 重点化を図るとともに、時々の社会経済情勢を踏まえ、セ ーフティネットの構築等真に政策的に必要と考えられる資 金需要には的確に対応する 4 関係機関と連携を図りつつ、金融破綻処理制度の適切な 整備を図るとともに、迅速・的確な金融危機管理を行うこ とにより、金融システムの安定の確保を目指す 5 我が国経済の健全な発展に資するよう、地球的規模の問 題への対応を含む国際的な協力等に積極的に取り組むこと により、世界経済の持続的発展、国際通貨システムの安 定、アジアにおける地域協力の強化、国際貿易の秩序ある 発展を目指す (14年度に取り組むべき目標) 6 財政・経済の構造改革に積極的に取り組み、関係機関と 連携を図りつつ、適切な財政経済の運営を行う 7 我が国の財政事情が厳しい中、持続可能な財政への転換 を推進するため、歳出の一層の効率化と質的改善を図るな ど、引き続き財政構造改革に取り組む 8 税制面においては、あるべき税制についての基本的な方 針を踏まえ、社会経済情勢の変化等に適切に対処し、所要 の税制改正を行う 9 財政投融資計画の策定に当たっては、財政投融資改革の 趣旨を踏まえ、民業補完性、政策コスト分析、償還確実性 等の精査により、対象事業の重点化を図るとともに、現下 の社会経済情勢に鑑み真に必要と考えられる資金需要には 的確に対応し、全体規模を縮減する 切な遂行 5- 3 社会悪物品等の密輸阻止 1- 4 公正で効率的かつ透明な財政・会計に係る制度の構築及びそ 5- 4 税関手続の国際的調和・簡素化 の適正な運営 政策目標6:国際通貨システムの安定と国際協力・交流の 1- 5 安定的で効率的な国家公務員共済制度の構築及び管理・運営 推進 政策目標2:適正かつ公平な課税の実現 6- 1 外国為替及び国際通貨システムの安定 2- 1 社会経済情勢の変化等に対応しつつ、公平・中立・簡素とい 6- 2 開発途上国等における安定的な経済社会の発展に資するた う租税原則に則った税制の実現 めの多国間・二国間の協力 2- 2 内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収 6- 3 国際協力・交流の推進 2- 3 酒類業の健全な発達の促進 組織運営の方針:高度な専門性に裏打ちされた、効果的・ 2- 4 税理士業務の適正な運営の確保 効率的かつ透明性の高い行政運営を実施す 2- 5 関税等の適正な賦課及び徴収 政策目標3:財政投融資の適正かつ効果的な実施 1 3- 1 民間では実施困難であるが政策として必要な事業を実施する 2 機関への資金供給の確保と重点化・効率化 3 3- 2 財投債による確実な資金調達とALMの充実 4 政策目標4:国の資産・負債及び国庫の適正な管理並びに通 5 貨に対する信頼の維持 4- 1 国有財産の適正かつ効率的な管理及び処分と電子情報処理シ ステムを活用した現状把握及び情報開示 4- 2 庁舎及び宿舎の計画的整備の推進と新たな手法の活用 4- 3 適正な予算執行の確保 4- 4 決算の作成を通じた国の財政状況の的確な開示 4- 5 国庫収支の適正な調整等、国庫金の正確な管理及び効率的な 運用 4- 6 国債の円滑かつ確実な発行及び国債管理政策の適正な遂行と 発行市場等の整備 4- 7 貨幣の発行、日本銀行券製造計画の策定及び偽造・変造の防 止等による通貨制度の適正な運用 4- 8 造幣事業の健全な運営 4- 9 印刷事業の健全な運営 4-10 日本銀行の業務及び組織の適正な運営の確保 4-11 金融破綻処理制度の適切な整備及び迅速・的確な金融危機管 理 4-12 政府関係金融機関の適正かつ効率的な運営の確保 4-13 たばこ・塩事業の健全な発展の促進と適切な運営の確保 4-14 地震再保険事業の健全な運営 るための組織の維持・構築 政策立案・調整機能の発揮 高い能力と見識を有する人材の育成・確保 国民・市場に対する的確な情報の発信・開示と意見の集約 電子政府実現に向けた行政の情報化の推進 政策評価の着実な実施等による効果的・効率的な組織の運営 2 財務省の実績評価における指標の設定状況 47 目標 等 国際比較に関する指 標のある目標 [業績指標の ある目標等] [参考モニタリン グ指標しかな [指標のない 目標等] い目標等] 参考モニタリング指標22 15 ・ 業績指標のある目標等15 ・ 参考モニタリング指標しか ない目標等30 ・ 指標のない目標等2 2 (5)(7) 利用者満足度に関す る指標のある目標 業績指標22 参考モニタリング指標5 30 47 業績指標60 参考モニタ リング指標 134 参考モニタリング指標 179 指 標 373 ・ 業績指標60 ・ 参考モニタリング指標313 3 財務省の実績評価における目標と対応する指標(総括表) (注)※は、業績指標を表します。 Ⅰ 総合目標 通貨に対する信認を確保しつつ、健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会を実現するとともに、 世界経済の安定的発展に貢献すること (14 年度を含め中長期的に取り組むべき目標) 1 今後の財政運営に当たっては、歳出の質の改善や抑制等を推進するとともに、受益と負担の関係 についても引き続き検討を行いつつ、効率的で持続可能な財政への転換を図る。また、こうした財 政構造改革を、政府が進める各般の構造改革とともに推進することにより、民間需要主導の持続的 な経済成長の実現に寄与することを目指す 総 1-1 公債発行額・公債依存度の推移 総 1-2 公債残高の累増 総 1-3 国及び地方の財政収支の対GDP比の国際比較 総 1-4 国及び地方の債務残高の対GDP比の国際比較 総 1-5 プライマリーバランス(一般会計)等の推移 総 1-6 国民負担率の国際比較 総 1-7 国民負担率の上昇状況 総 1-8 国民経済に占める財政の役割の国際比較(政府最終消費支出、一般政府総固定 資本形成、社会保障移転等の対GDP比) 2 中長期的な税制のあり方について、少子・高齢化や国際化などの経済社会の構造変化や財政状況 を踏まえ検討を行い、あるべき税制を構築する 総 2-1 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移 総 2-2 税収比率の推移 総 2-3 主要税目(国税)の税収の推移 総 2-4 国民負担率の内訳の国際比較 3 財政投融資については、行財政改革の趣旨を踏まえ、民間ではできない分野・事業に特化する等 対象分野・事業の重点化を図るとともに、時々の社会経済情勢を踏まえ、セーフティネットの構 築等真に政策的に必要と考えられる資金需要には的確に対応する 総 3-1 財政投融資計画の推移 総 3-2 財政投融資計画残高の推移 総 3-3 財政投融資計画(使途別分類)の推移 総 3-4 財政投融資計画残高(機関別) 総 3-5 道路関連機関に対する財政投融資計画の推移 総 3-6 空港関連機関に対する財政投融資計画の推移 総 3-7 財政融資資金の道路関連機関への融通条件 総 3-8 財政融資資金の空港関連機関への融通条件 総 3-9 政府関係金融機関に対する財政投融資計画の推移 総 3-10 住宅関連機関に対する財政投融資計画の推移 総 3-11 中小企業関連機関に対する財政投融資計画の推移 総 3-12 総 3-13 総 3-14 総 3-15 総 3-16 財政融資資金の政府関係金融機関への融通条件 財政融資資金の住宅関連機関への融通条件 財政融資資金の中小企業関連機関への融通条件 地方向け財政投融資計画の推移 財政融資資金の地方公共団体に対する各事業毎の融通条件 4 関係機関と連携を図りつつ、金融破綻処理制度の適切な整備を図るとともに、迅速・的確な金融 危機管理を行うことにより、金融システムの安定の確保を目指す 総 4-1 預金保険機構の借入残高 総 4-2 交付国債の償還額 総 4-3 自己資本比率 総 4-4 不良債権残高・比率 総 4-5 不良債権の累積処分の状況 5 我が国経済の健全な発展に資するよう、地球的規模の問題への対応を含む国際的な協力等に積極 的に取り組むことにより、世界経済の持続的発展、国際通貨システムの安定、アジアにおける地 域協力の強化、国際貿易の秩序ある発展を目指す 総 5-1 最近の世界経済動向 総 5-2 国際機関による世界経済の成長率見通し 総 5-3 途上国の貧困削減状況 総 5-4 地球環境問題への対応状況 総 5-5 世界全体の貿易量 総 5-6 輸出入額及び貿易バランス(対GDP比を含む)の推移 総 5-7 関税負担率の推移とその国際比較 (14 年度に取り組むべき目標) 6 財政・経済の構造改革に積極的に取り組み、関係機関と連携を図りつつ、適切な財政経済の運営 を行う 総 6-1 国内総生産 総 6-2 完全失業率 総 6-3 鉱工業生産 総 6-4 卸売物価 総 6-5 消費者物価 総 6-6 経常収支(名目額) 7 我が国の財政事情が厳しい中、持続可能な財政への転換を推進するため、歳出の一層の効率化と 質的改善を図るなど、引き続き財政構造改革に取り組む 総 7-1 補助金等の整理合理化状況 8 税制面においては、あるべき税制についての基本的な方針を踏まえ、社会経済情勢の変化等に適 切に対処し、所要の税制改正を行う 総 2-1 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移(再) 総 2-2 税収比率の推移(再) 総 2-3 主要税目(国税)の税収の推移(再) 総 8-1 平成 14 年度税制改正(内国税関係)による増減収見込額 9 財政投融資計画の策定に当たっては、財政投融資改革の趣旨を踏まえ、民業補完性、政策コスト 分析、償還確実性等の精査により、対象事業の重点化を図るとともに、現下の社会経済情勢に鑑 み真に必要と考えられる資金需要には的確に対応し、全体規模を縮減する 総 9-1 弾力条項の発動状況 総 9-2 財政投融資計画 総9-3(参 財投機関債の発行予定額 考添付) 総 9-4 総 9-5 総 9-6 総 9-7 総 9-8 総 9-9 総 9-10 総 9-11 財投債の発行額 財政融資資金特別会計の損益計算書・貸借対照表 産業投資特別会計の損益計算書・貸借対照表 財政融資資金特別会計の資金運用・調達における平均残高 財政融資資金の預託者別期末残高 財政融資資金の預託金の残存期間別残高 財政投融資関係のリポート等の作成・公表回数 財政投融資関係のホームページへの資料の掲載状況 Ⅱ 各分野毎の政策目標 1 健全な財政の確保 1−1 重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善の推進 予算編成の過程においては、限られた財政資金を効率的・効果的に活用するということが基 本となる。この点を踏まえ、予算が時々の政策課題等に対応した効果的なものとなるようにす る。 1-1-1 一般会計予算の主要経費構成比 1-1-2 一般会計所管別内訳の構成比と伸率 1-1-3 一般会計歳出(国債費・地方交付税交付金等・一般歳出)の構成比と推移 <各経費> 1-1-4 社会保障関係費の推移及び内訳 1-1-5 文教及び科学振興費の推移及び内訳 1-1-6 公共投資関係費の推移 1-1-7 公共投資関係費の内訳 1-1-8 ODA予算の推移 1-1-9 ODA予算の内訳 1-1-10 主要国のODA実績の国際比較(2000年暫定値) 1-1-11 防衛関係費の推移及び内訳 1-1-12 中小企業対策費の推移 1-1-13 中小企業対策費の内訳 1-1-14 農林水産関係予算の推移及び内訳 1-1-15 エネルギー対策費の推移 1-1-16 エネルギー対策費の内訳 1-1-17 一般歳出に占める補助金等 1-1-18 補助金等の内訳(交付先別、主要経費別) 1-1-19 分野別国家公務員数 1-1-20 人口千人当たりの公務員数の国際比較 1−2 必要な歳入の確保 財政需要は税収及びその他収入により賄うことが基本である。税収及びその他収入の見積り を適切に行うとともに、経済情勢等に配意しこれらの確保に努めるほか、重点的な予算配分や 経費の節減合理化等に努めてもなお財源が不足する場合には、公債の発行により必要な歳入の 確保を図る。 1-2-1 一般会計歳入予算の推移 1-2-2 一般会計税収の推移 1-2-3 一般会計税収の予算額と決算額の推移 総 2-1 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移(再) 1−3 地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移転に関する事務の適切な遂行 国の財務を統括する観点から、地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移転に関する事務を適 切に遂行する。 1-3-1 平成 14 年度地方財政計画 1-3-2 地方公共団体向け補助金等の概要 1−4 公正で効率的かつ透明な財政・会計に係る制度の構築及びその適正な運営 支出等の公正・適正を確保しつつ、限られた財政資金を効率的・効果的に活用することを可 能とし財政の透明性の向上に資するような財政・会計に係る制度を構築し、その運営を適正に 行う。 1−5 安定的で効率的な国家公務員共済制度の構築及び管理・運営 国家公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するため、安定的で効率的な国家 公務員共済組合制度を構築し、管理・運営する。 1-5-1 男女別組合員数の年次推移 1-5-2 国家公務員共済年金受給者数及び年金額の年次推移 1-5-3 国家公務員共済年金の保険料率の推移 1-5-4 国家公務員共済年金の財政見通し 1-5-5 国家公務員共済年金の給付原価と財源構成 2 適正かつ公平な課税の実現 2−1 社会経済情勢の変化等に対応しつつ、公平・中立・簡素という租税原則に則った税制の実現 社会経済情勢の変化等に対応しつつ、公平・中立・簡素という租税原則に則った税制を企 画立案する。税制改正要望への対応を含めて税制調査会の審議に資するよう資料の作成・提 出を行うとともに、税制調査会において示された税制改正についての指針を受け、税制改正 大綱・要綱、関係法令を作成する。また、経済の国際化に対応して、租税条約等の国際課税 の諸課題に適切に対処する。 総 2-4 国民負担率の内訳の国際比較(再) 2-1-1 所得・消費・資産等の税収構成比の推移(国税) 総 2-1 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移(再) 総 2-2 税収比率の推移(再) 総 2-3 主要税目(国税)の税収の推移(再) 2-1-2 所得税納税人員の推移 2-1-3 2-1-4 2-1-5 2-1-6 2-1-7 2-1-8 2-1-9 2-1-10 2-1-11 2-1-12 2-1-13 2-1-14 2-1-15 2-1-16 2-1-17 2-1-18 2-1-19 所得税・個人住民税の抜本改革等による負担軽減状況 所得税・個人住民税の実効税率の国際比較 給与収入階級別の所得税・個人住民税負担額の国際比較 個人所得課税の税率の推移 所得税率の国際比較 課税最低限の国際比較 法人税率の推移 法人所得課税の実効税率の国際比較 法人数の推移 租税特別措置による減収額の内訳 企業関係租税特別措置の整理合理化状況の累年比較 国民所得に占める消費課税(国税・地方税)の割合 付加価値税率(標準税率)の国際比較 消費税制度改正の推移 最近における相続税の主な改正 主要諸外国の相続税の負担率 相続税の課税状況の推移 2−2 内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収 ※ 2-2-1 電子申告等の着実な導入 ※ 2-2-2 来署納税者の好感度 ※ 2-2-3 苦情の3日以内の処理件数割合 2-2-15 所得税確定申告書の提出人員 2-2-16 法人税確定申告書の提出件数 2-2-17 国税職員の定員の推移 2-2-18 収納済税額(会計年度単位) 2-2-19 エレベーター・スロープの設置署数 2-2-20 事務改善についての提案件数 2-2-21 非行の予防講話等の実施回数(1署当たり) 2-2-22 国際化・高度情報化関連研修の実施状況 2-2-23 税務大学校における研修の受講者数・延べ日数 2−2−1−1 納税環境の整備:申告・納税に関する法令解釈や事務手続などについて、分かりや すく的確に周知・広報を行う。 ※ 2-2-4 国税の広報に関する評価 ※ 2-2-5 法令解釈通達の公表割合 ※ 2-2-6 ホームページへの法令解釈通達の掲載割合 2-2-24 ホームページへのアクセス件数 2-2-25 タックスアンサーへのアクセス件数 2-2-26 タックスアンサーの各種届出書・申告書の様式等のホームページへのアクセス 件数 2−2−1−2 納税環境の整備:納税者からの問い合わせや相談に対して、迅速かつ的確に対応す る。 ※ 2-2-7 税務相談室における面接相談の満足度 ※ 2-2-8 税務相談室における電話相談の満足度 ※ 2-2-9 納税証明書の15分以内の発行割合 ※ 2-2-10 所得税還付金の一定期間内の処理件数割合 2-2-27 税務相談室の相談件数 2-2-28 確定申告期の申告相談等件数 2−2−1−3 納税環境の整備:租税の役割や税務行政について幅広い理解や協力を得るため、関 係省庁等及び国民各層からの幅広い協力や参加の確保に努める。 ※ 2-2-11 国税の広聴活動に関する評価 ※ 2-2-12 租税教育に関する評価 2-2-29 租税教育推進協議会の開催回数 2-2-30 各種説明会の開催回数・参加人員 2-2-31 地方税務協議会等の開催回数 2-2-32 税務大学校における公開講座の満足度 2-2-33 租税史料館の来館者数 2−2−2−1 適正・公平な税務行政の推進:適正・公平な課税を実現するため、関係法令を適正 に適用する。 ※ 2-2-13 「更正の請求」の3か月以内の処理件数割合 ※ 2-2-14 酒類製造及び販売業免許申請の標準期間内の処理件数割合 2-2-34 譲渡所得の特例適用についての事前協議件数 2-2-35 土地の評価に係る標準地数 2-2-36 租税条約に基づく相互協議の発生・処理件数 2−2−2−2 適正・公平な税務行政の推進:適正・公平な課税を実現するため、適正申告の実現 に努めるとともに、申告が適正でないと認められる納税者に対しては的確な調査・ 指導を実施することにより誤りを確実に是正する。 2-2-15 所得税確定申告書の提出人員(再) 2-2-37 所得税確定申告書の郵送提出割合 2-2-38 確定申告期の還付申告センター及び署外の申告会場の利用者数 2-2-39 確定申告期のタッチパネルの利用件数 2-2-40 所得税申告説明会の開催回数・参加人員 2-2-41 所得税青色申告承認者数 2-2-42 記帳指導を受けた人数 2-2-16 法人税確定申告書の提出件数(再) 2-2-43 資料情報の収集枚数 2-2-44 租税条約に基づく情報交換件数 2-2-45 税務調査等に基づく追徴税額 2-2-46 査察事績 2−2−2−3 適正・公平な税務行政の推進:適正・公平な課税を実現するため、期限内収納の 実現に努めるとともに、期限内に納付を行わない納税者に対して滞納処分を執行す るなどにより確実に徴収する。 2-2-18 収納済税額(会計年度単位)(再) 2-2-47 所得税の期限内収納税額割合 2-2-48 物納の処理件数 2-2-49 延納の処理件数 2-2-50 滞納整理中の税額 2-2-51 発生滞納税額の年度別整理割合 2−2−2−4 適正・公平な税務行政の推進:納税者の正当な権利利益の救済を図るため、不服申 立て等に適正・迅速に対応する。 2-2-52 「異議申立て」の3か月以内の処理件数割合 2-2-53 「審査請求」の1年以内の処理件数割合 2−3 酒類業の健全な発達の促進 2−3−1 酒類業者の経営基盤の安定を図るとともに、消費者利益の観点から、酒類の品質・安全 性の確保を図り、未成年者飲酒防止等についても適切な配慮を行う。 2-3-1 酒類業組合等に対する行政施策の説明回数 2-3-2 酒類業者に対する酒類取引実態調査件数 2-3-3 酒類の品質等の確保(製造工程改善に関する指導相談件数) 2-3-4 酒類の品質等の確保(市販酒類買い上げ調査件数) 2−3−2 環境保全の観点から、酒類容器のリサイクルなど、酒類に係る資源の有効な利用の確保 に努める。 2-3-1 酒類業組合等に対する行政施策の説明回数(再) 2−4 税理士業務の適正な運営の確保 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念 にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現 を図るという使命を負っている。これを踏まえ、税理士が申告納税制度の適正かつ円滑な運営 に重要な役割を果たすよう、その業務の適正な運営の確保に努める。 2-4-1 税理士登録者数の推移 2-4-2 税理士会への説明会及び協議会の開催回数 2-4-3 法人税申告の税理士関与割合 2-4-4 税理士法第33条の2に係る書面の添付割合 2−5 関税等の適正な賦課及び徴収 2−5−1−1 納税環境の整備:輸入者に対する関税制度の周知、関税率表の所属区分等の周知を 図る。 ※ 2-5-1 税関ホームページへのアクセス件数 2-5-7 関税等徴収額(国税全体に占める割合を併記) 2-5-8 講演会・説明会の開催回数 2-5-9 ホームページへの申告書等の様式掲載件数 2−5−1−2 納税環境の整備:カスタムスアンサーの機能強化等税関相談・事前教示の充実を図 る。 ※ 2-5-2 税関相談制度の運用状況(税関相談に即日で対応した割合) ※ 2-5-3 税関相談制度の運用状況(税関相談についての利用者満足度) ※ 2-5-4 カスタムスアンサー利用状況(インターネット掲載率) ※ 2-5-5 事前教示制度の運用状況(事前教示に一定期間以内で回答した割合) 2-5-10 税関相談制度の運用状況(税関相談官相談処理件数) 2-5-11 カスタムスアンサー利用件数(テレフォンサービス) 2-5-12 カスタムスアンサー利用件数(インターネット版利用件数) 2-5-13 事前教示制度の運用状況(事前教示回答件数) 2−5−2−1 適正な納税申告の確保:税関における輸入品の品目分類及び課税価格の評価の適正 性を確保する。 ※ 2-5-6 卓越した着想・調査手法等による非違発見事案の件数 2-5-14 審査・検査における非違件数 2-5-15 税関分析法等の見直し及び検討件数 2-5-16 関税等の滞納整理中の税額 2-5-17 事後調査実績(実施件数) 2-5-18 事後調査実績(事後調査における不足申告価格(申告漏れ)) 2-5-19 事後調査実績(事後調査における非違の割合) 2-5-20 加算税の徴収実績(徴収件数) 2-5-21 加算税の徴収実績(徴収額) 2−5−2−2 適正な納税申告の確保:通関業者の業務の適正な運営により関税の適正な申告及び 納付を確保するため、通関業者・通関士に対する適切な指導・監督を行う。 2-5-22 通関業者の業務の運営状況(通関業の許可件数及び総数) 2-5-23 通関業者の業務の運営状況(通関業者・通関士の処分件数) 2−5−2−3 適正な納税申告の確保:物流業界を取り巻く環境の変化等に対応しつつ、保税地域 における適正な貨物管理を確保するため、保税制度の適切な運用を図る。 2-5-24 保税地域数(総数、新規許可件数及び更新件数) 2-5-25 保税地域数(保税業務検査等における非違発見件数及び処分件数) 3 財政投融資の適正かつ効果的な実施 3−1 民間では実施困難であるが政策として必要な事業を実施する機関への資金供給の確保と重点 化・効率化 ※ 3-1-1 財政投融資のホームページへのアクセス件数 3-1-2 財政投融資計画及び実績 3-1-3 財政融資資金の貸付金の相手先別期末残高 3-1-4 財政融資資金の貸付金の残存期間別残高 3-1-5 延滞債権等の有無 総 3-4 財政投融資計画残高(機関別)(再) 総 3-5 道路関連機関に対する財政投融資計画の推移(再) 総 3-6 空港関連機関に対する財政投融資計画の推移(再) 総 3-7 財政融資資金の道路関連機関への融通条件(再) 総 3-8 財政融資資金の空港関連機関への融通条件(再) 総 3-9 政府関係金融機関に対する財政投融資計画の推移(再) 総 3-10 住宅関連機関に対する財政投融資計画の推移(再) 総 3-11 中小企業関連機関に対する財政投融資計画の推移(再) 総 3-12 財政融資資金の政府関係金融機関への融通条件(再) 総 3-13 財政融資資金の住宅関連機関への融通条件(再) 総 3-14 財政融資資金の中小企業関連機関への融通条件(再) 総 3-15 地方向け財政投融資計画の推移(再) 総 3-16 財政融資資金の地方公共団体に対する各事業毎の融通条件(再) 3-1-6 財政投融資対象機関数の推移 3-1-7 財政融資資金の保有有価証券の期末残高 3-1-8 財政融資資金の保有有価証券の残存期間別残高 3-1-9 財政融資資金の公共債引受額 3-1-10 政策コスト分析の対象機関 3-1-11(参 政策コスト分析 考添付) 3−2 財投債による確実な資金調達とALMの充実 3-2-1 平成 13 年度、平成 14 年度財投債発行予定額 3-2-2 平成 13 年度、平成 14 年度財投債の種類別発行予定額 3-2-3 財投債の発行年度別償還年次表 総 9-9 3-1-4 財政融資資金の預託金の残存期間別残高(再) 財政融資資金の貸付金の残存期間別残高(再) 4 国の資産・負債及び国庫の適正な管理並びに通貨に対する信頼の維持 4−1 国有財産の適正かつ効率的な管理及び処分と電子情報処理システムを活用した現状把握及び 情報開示 4−1−1−1 国有財産全体の有効活用の促進を図るため、行政財産等の使用状況実態調査結果の フォローアップを行う。 4-1-5 行政財産等の使用状況実態調査結果 4-1-6 行政財産等の使用状況実態調査結果のフォローアップ結果 4−1−2―1 未利用国有地の売却促進を図るため、未利用国有地等の処分可能性について点検を 行う。 4-1-7 財務省所管一般会計所属普通財産(土地)の年度別現在額の推移 4-1-8 未利用国有地等(財務省所管一般会計所属普通財産)の総点検結果のフォローア ップ結果 4−1−2−2 処分対象となっている未利用国有地の売却促進を図るため、売却手法の多様化を図 りつつ、計画的に早期処分に努める。 ※ 4-1-1 未利用国有地等の売却実施計画及び実績の推移(一般会計) 4−1−2−3 普通財産の管理及び処分について、事務の効率化及び外部委託の活用などにより、 適正かつ迅速な事務処理に努める。 ※ 4-1-2 普通財産の管理処分事務の外部委託状況 ※ 4-1-3 用途廃止財産等の売却事務処理状況 ※ 4-1-4 国有財産に関する相談・照会等処理状況 4-1-9 未利用国有地の管理業務の状況 4-1-10 普通財産(土地)の貸付状況の推移 4-1-11 所有権が不明確な財産の調査及び国有地と民有地の境界立会の状況 4-1-12 地方分権推進計画による法定外公共物(里道・水路)の譲与完了状況 4-1-13 用途廃止財産の引受等及び処分状況の推移 4-1-14 物納不動産(土地)の引受状況の推移 4-1-15 国有財産に関する相談・照会等の窓口対応状況の推移 4-1-16 NTT株式及びJT株式の処分実績の推移 4−1−3−1 国有財産の現在額及び処理実績等の現状を的確に把握する。 4-1-17 国有財産現在額の状況(国有財産区分別現在額) 4-1-18 国有財産現在額の状況(国有財産会計別・分類別・種類別現在額) 4-1-19 国有財産現在額の状況(国有財産分類別・所管別現在額) 4-1-20 未利用国有地等の売却結果の推移(一般会計) 4−1−3−2 国有財産の現状に関する情報公開や情報発信を積極的に推進する。 4-1-21 国有財産の現状に関する情報提供及び情報発信の充実 4-1-22 インターネットを通じた国有財産の情報開示に対するアクセス状況 4−2 庁舎及び宿舎の計画的整備の推進と新たな手法の活用 4−2−1 各省庁の管理する庁舎等の行政財産について、計画的整備の推進を図るため、必要な調 整、審査等を的確に行うとともに、宿舎の設置にあたり新しい整備手法であるPFI方式 を積極的に活用する。 4-2-1 庁舎敷地の取得等調整計画の策定状況の推移 4-2-2 宿舎設置計画の策定状況等の推移 4-2-3 宿舎箇所数の推移 4-2-4 光ファイバー網利用可能宿舎状況の推移 4-2-5 特定国有財産整備計画の策定状況の推移 4-2-6 特定国有財産整備計画における完成事業件数の推移 4―3 適正な予算執行の確保 国会の議決を経て成立した予算に従い、国の予算の執行が合法規的かつ効率的に執行される ことを確保する。 4-3-1 上半期分支払計画予定額の推移(一般会計分) 4-3-2 繰越額の推移 4-3-3 補助金等実態調査の実施状況の推移 4-3-4 会計検査院検査報告に掲記された不当事項等の推移 4−4 決算の作成を通じた国の財政状況の的確な開示 政府が法令等の定めるところに従って執行した予算の実績を、国民及び国会に財政状況とし て報告するという決算の性格を踏まえ、正確でわかりやすい決算の作成に努める。 4-4-1 予算使用の状況 4-4-2 歳入歳出決算の会計検査院への提出日の推移 4-4-3 一般会計の決算概要(財政法第6条の純剰余金の推移) 4-4-4 一般会計の決算概要(収納済歳入額及び支出済歳出額の推移) 4−5 国庫収支の適正な調整等、国庫金の正確な管理及び効率的な運用 国庫金の効率的運用を図るとともに、予算の適切な執行を確保するため、国庫の資金繰りを 適切に行い、国庫金の正確な管理を行う。 ※ 4-5-1 国庫余裕金繰替使用の平均残高の推移 ※ 4-5-2 国内指定預金(一般口)の月中平均残高の推移 ※ 4-5-3 財務省証券の年度末発行額の推移 ※ 4-5-4 一般会計歳入歳出主計簿と国庫原簿との突合結果 4-5-5 財政資金対民間収支の実績 4-5-6 国庫の状況についての説明・統計資料の公表の状況 4−6 国債の円滑かつ確実な発行及び国債管理政策の適正な遂行と発行市場等の整備 (1) バランスの取れた発行計画の策定 (2) 保有者層の多様化 (3) 債務管理の適正化 (4) 発行市場・流通市場の整備 (5) 情報発信の充実 (6) 市場との緊密な対話 (7) 資金調達に係る入札事務の一元化 4−6−1 財政資金の確保及び国債発行事務に関する透明性の確保・向上 ※ ※ ※ ※ ※ 4-6-1 4-6-2 4-6-3 4-6-4 4-6-5 4-6-6 4-6-7 4-6-8 4-6-9 4-6-10 4-6-11 必要な財政資金に対して確保した資金の割合 所定の時期に入札予定の公表を行った割合 所定の時期に発行予定額の事前公表を行った割合 入札の結果発表を当日所定の時刻に行った割合 国債及び借入金現在高の四半期毎公表を行った割合 平成 12 年度末現在における普通国債の発行年度別償還年次表 年度末現在における普通国債(割引国債を除く)の加重平均表面利率の推移 FBの募入平均利回りの推移 市中発行分国債の平均発行年限の推移 広告実施や刊行物作成の状況 国債市場懇談会の開催実績 4−7 貨幣の発行、日本銀行券製造計画の策定及び偽造・変造の防止等による通貨制度の適正な運 用 通貨に対する信頼の維持を目的として、通貨の円滑な供給及び通貨の偽造・変造の防止等によ る通貨制度の適正な運用を行う。 ※ 4-7-1 製造計画の達成割合 4-7-2 最近の通貨の流通高 4-7-3 記念貨幣の発行状況 4−8 造幣事業の健全な運営 4−8−1−1 貨幣の安定確実な供給:社会経済状況に応じた貨幣需要の変化に対応し、安定的か つ確実に製造し供給する。 ※ 4-8-1 貨幣製造計画の達成度及び製造数量の推移 4-8-5 造幣局特別会計の財務状況の推移 4−8−1−2 貨幣の安定確実な供給:貨幣セットの販売等により、高度な貨幣製造技術を内外に 広く紹介する。 ※ 4-8-2 貨幣セットの販売数量 4−8−2 偽造防止技術の研究開発への取組:通貨の信頼の維持にとって、純正画一、高品質で、 かつ、偽造抵抗力の高い貨幣を製造することは必要不可欠であるため、偽造防止技術の研 究・開発を行う。 ※ 4-8-3 偽造防止技術等の研究件数 4−8−3 金属加工及び試験分析技術の向上:貨幣製造技術を応用した勲章等の金属製品の製造や、 貴金属製品の品位証明等の技術の向上を図る。 ※ 4-8-4 貴金属製品の品位の証明(返却日数)目標達成度 4-8-6 勲章・金属工芸品類受注数量の推移 4-8-7 貴金属製品の品位の証明受注数量の推移 4−9 印刷事業の健全な運営 4−9−1 日本銀行券の安定確実な供給:日本銀行券は、一切の経済取引に無制限に通用する強制 力を持った通貨として、日本の経済活動の基礎をなすものである。財務大臣からの製造計 画の通知を受けて、国民が信頼して使用できる日本銀行券を安定的かつ確実に供給する。 ※ 4-9-1 日本銀行券の製造計画の達成度及び製造数量の推移 4−9−2 偽造防止技術の研究開発への取組:印刷関連技術やカラーコピー技術が日々進歩してい る中、銀行券の偽造防止対策の重要性はますます高まっている。通貨に対する国民の信頼 を維持するため、蓄積された偽造防止技術の高度化を図り、独自の偽造防止技術の研究・ 開発に努める。 ※ 4-9-2 偽造防止技術等の研究件数の推移 4−9−3 官報の正確・確実な供給:官報は、明治 16 年に創刊されて以来、国が発行する唯一の 法令公布の機関紙、国の広報紙、そして国民の公告紙として極めて重要な役割を果たして いる。紙面の発行を通じて、立法、行政及び司法に関わる情報を正確かつ確実に国民に伝 達する。 ※ 4-9-3 官報の訂正記事件数(受付件数10万件当たり)の推移 4-9-4 官報の発行部数の推移 4-9-5 官報ホームページへのアクセス件数の推移 4−10 日本銀行の業務及び組織の適正な運営の確保 日本銀行の業務及び財産の公共性に鑑み、その業務が適正かつ効率的に行われるよう、日本 銀行の業務運営における自主性を十分配慮した上で、その健全な業務の運営を確保する。 4-10-1 認可対象経費予算 4-10-2 自己資本残高 4−11 金融破綻処理制度の適切な整備及び迅速・的確な金融危機管理 金融破綻処理制度の内容が金融システムにとって必要にして十分なものとなるよう、預金保 険機構等の監督を通じて破綻処理の実施状況を把握するとともに、必要に応じて金融庁等と連 携しつつ、その適切な整備を図る。また、常に金融市場等の動向を注視し、関係機関と連携し つつ、迅速・的確な金融危機管理を行うことにより、市場の機能が維持されるように努める。 4-11-1 預金保険機構の資金援助の件数及び額の推移 総 4-1 預金保険機構の借入残高(再) 4-11-2 資本増強額の状況 4―12 政府関係金融機関の適正かつ効率的な運営の確保 民間金融のみでは対応困難で政策性のある分野への資金供給という政策金融の機能が適切に 発揮されるよう、日本政策投資銀行等の政府関係金融機関の適正かつ効率的な運営の確保を図 る。 4-12-1 政府関係金融機関の出融資計画額(補正後)の推移 4-12-2 政府関係金融機関の融資残高のシェアの推移 4-12-3 政府関係金融機関の金利の推移 4-12-4 政府関係金融機関の平均貸付期間(新規貸出し) 4-12-5 政府関係金融機関の貸付金償却額の推移 4-12-6 政府関係金融機関の延滞率の推移 4-12-7 政府関係金融機関のリスク管理債権の状況 4-12-8 政府関係金融機関の金融再生法開示債権の状況 4−13 たばこ・塩事業の健全な発展の促進と適切な運営の確保 たばこ・塩事業の健全な発達の促進と適正な運営の確保を図るため、財政制度等審議会たば こ事業等分科会の運営や各事業の監督を行う。 4−13−1 財政制度等審議会たばこ事業等分科会の議事要旨、議事録及び資料の作成・公表 4-13-2 財政制度等審議会たばこ事業等分科会たばこ・塩事業部会開催回数 4−13−2 製造たばこ小売販売業許可の標準処理期間達成率の向上 ※ 4-13-1 製造たばこ小売販売業の許可に係る標準処理期間達成率 4-13-3 製造たばこ小売定価認可申請件数及び同認可件数の推移 4-13-4 小売販売業許可申請件数及び同許可件数 4-13-5 行政不服申立て受理件数、同処理件数及び未処理件数 4−13−3 製造たばこ小売販売業許可Q&A(仮称)の作成・公表 4−13−4 塩需給見通し・塩需給実績の調査・公表 4-13-6 塩需給見通し及び塩需給実績 4-13-7 塩製造業者、塩特定販売業者、塩卸売業者の登録件数の推移 4−14 地震再保険事業の健全な運営 地震保険への信頼確保に資するため、再保険制度の整備と特別会計の運営を図る。 ※ 4-14-1 地震保険の普及率の推移 4-14-2 地震再保険特別会計の損益計算書・貸借対照表 4-14-3 地震保険制度における政府と民間の責任(危険)準備金残高 4-14-4 地震保険における総支払限度額(1回の地震における)の推移 4-14-5 過去の地震災害の支払額(元受保険会社の支払額) 5 貿易の秩序維持と健全な発展 5−1 内外経済事情を踏まえた適切な関税率の設定・関税制度の改善 関税率の設定、関税制度の改善にあたっては、国際的な経済・貿易の発展への貢献、国内産 業の実情、需要者への影響を総合的に勘案しつつ、公平・簡素・透明という観点にも留意する ことが重要である。これを踏まえ、適切な関税率の設定及び特殊関税、特恵関税等の関税率に 係る諸制度の改善とその適正な運営を図るとともに、それに関連する国際交渉(WTO(世界 貿易機関)、二国間交渉等)に取り組む。 総 5-6 輸出入額及び貿易バランス(対GDP比を含む)の推移(再) 5-1-1 輸出入許可・承認件数の推移 総 5-7 関税負担率の推移とその国際比較(再) 5-1-2 設定税目数及び実行税目数の推移 5-1-3 特恵関税を適用した輸入額 5−2 税関手続における利用者の利便性の向上 5−2−1 税関手続に係る制度等の改善:輸出入通関・保税その他の税関手続における利用者の利 便性を向上する。そのために、簡易申告制度の利用促進、通関情報処理システム(NAC CS)等の更なる充実による電算・システム化の推進、ローリスク貨物に対する手続の簡 素化などを推進する。特に、IT革命に対応して、輸出入及び港湾諸手続のペーパーレス 化、ワンストップサービス(シングルウィンドウ化)を推進する。 ※ 5-2-1 輸入通関における平均所要時間(調査実施年度のみ) ※ 5-2-2 輸出入通関における利用者満足度 ※ 5-2-3 NACCSの運用状況(システム稼働率) ※ 5-2-4 NACCSの運用状況(電算処理率) ※ 5-2-5 輸入通関の迅速化のための制度(予備審査制、到着即時許可制度、簡易申告制 度)の利用状況(通関所要時間(調査実施年度のみ)) 総 5-6 5-1-1 輸出入額及び貿易バランス(対GDP比を含む)の推移(再) 輸出入許可・承認件数の推移(再) 5-2-6 5-2-7 ACTIS徴税業務利用率 輸入通関の迅速化のための制度(予備審査制、到着即時許可制度、簡易申告制 度)の利用状況(制度利用率) 輸出通関の迅速化のための制度(包括事前審査制度)の利用状況(制度利用 率) 旅具通関に対する利用者の評価 5-2-8 5-2-9 5−2−2 情報提供機能の強化:これらの施策の実効性を確保する観点から、関税率表の所属区分 等の公開、カスタムスアンサーの機能の充実、税関相談、事前教示等により、税関手続に 関する利用者への情報提供機能を強化する。 ※ 2-5-1 税関ホームページへのアクセス件数(再) ※ 2-5-2 税関相談制度の運用状況(税関相談に即日で対応した割合)(再) ※ 2-5-3 税関相談制度の運用状況(税関相談についての利用者満足度)(再) ※ 2-5-4 カスタムスアンサー利用状況(インターネット掲載率)(再) ※ 2-5-5 事前教示制度の運用状況(事前教示に一定期間以内で回答した割合)(再) 2-5-8 講演会・説明会の開催回数(再) 2-5-9 ホームページへの申告書等の様式掲載件数(再) 2-5-10 税関相談制度の運用状況(税関相談官相談処理件数)(再) 2-5-11 カスタムスアンサー利用件数(テレフォンサービス)(再) 2-5-12 カスタムスアンサー利用件数(インターネット版利用件数)(再) 2-5-13 事前教示制度の運用状況(事前教示回答件数)(再) 5−3 社会悪物品等の密輸阻止 5−3−1 取締体制等の整備:不正薬物・銃砲等の社会悪物品、知的財産権侵害物品、有害廃棄物、 ワシントン条約該当物品、盗難車両等の密輸阻止を図る。そのために、密輸事犯の大口化 や多様化等の変化に対応した取締体制を整備するとともに、取締機器を拡充し効率的に活 用する。 ※ 5-3-1 不正薬物の水際押収量の割合 ※ 5-3-2 卓越した着想・調査手法等による密輸摘発事案の件数 5-3-5 船舶・航空機・旅客数(外国貿易船(機)及び特殊船(機)入港数) 5-3-6 船舶・航空機・旅客数(入国旅客数) 5-3-7 旅具検査における摘発件数 5-3-8 社会悪物品等の密輸事犯の摘発実績(不正薬物) 5-3-9 社会悪物品等の密輸事犯の摘発実績(銃砲) 5-3-10 社会悪物品等の密輸事犯の摘発実績(ワシントン条約該当物品) 5-3-11 社会悪物品等の密輸事犯の摘発実績(盗難車両) 5-3-12 社会悪物品等の密輸事犯の摘発実績(知的財産権侵害物品) 5-3-13 知的財産関連輸入差止申立等件数 5−3−2 関係機関との連携と情報の収集等:内外関係機関との積極的連携や情報交換等を推進す るとともに、密輸情報の収集・分析を強化し、適切に活用する。 ※ 5-3-3 密輸摘発事案のうち情報を活用したものの割合 5-3-14 関係機関との連携・情報収集の実績(国内関係機関からの情報入手件数) 5-3-15 関係機関との連携・情報収集の実績(国内関係機関との共同取締・犯則調査件 数) 5-3-16 5-3-17 関係機関との連携・情報収集の実績(外国関係機関との情報交換件数) 関係機関との連携・情報収集の実績(密輸防止に関する覚書に基づく通報件 数) 5-3-18 関係機関との連携・情報収集の実績(密輸情報ダイヤル提供件数) 5−3−3 広報啓発活動の積極的展開:これらの施策の実効性を確保する観点から、街頭キャンペ ーン、税関展、講演等による積極的な広報啓発活動を展開する。 ※ 5-3-4 税関広報に関する評価(認知度・好感度) 5-3-19 広報啓発活動の実施状況(街頭キャンペーン実施回数) 5-3-20 広報啓発活動の実施状況(税関展の開催数) 5−4 税関手続の国際的調和・簡素化 社会悪物品等の密輸阻止等に配慮しつつ、税関手続における利用者の利便性の向上を推進す ることが、国際貿易の円滑化のために重要である。このため、WCO(世界税関機構)、WT O(世界貿易機関)等の国際機関やAPEC(アジア太平洋経済協力)、ASEM(アジア欧 州会合)等の地域協力の枠組みにおける取組に積極的に貢献するとともにG7税関手続専門家 会合における取組の成果を推進し、税関手続の国際的調和・簡素化を図る。 5-4-1 関係国際会議における活動状況 6 国際通貨システムの安定と国際協力・交流の推進 6−1 外国為替及び国際通貨システムの安定 (1) 為替市場のモニタリング、国際協調等を通じて外国為替の安定に努める。 (2) IMF(国際通貨基金)やG7(7か国財務大臣・中央銀行総裁会議)等における国際通貨シス テムの安定に関する国際的な取組への積極的な参画、アジアにおける地域協力の強化、円の国際化 の推進に向けた環境整備等を通じて国際通貨システムの安定に努める。 (上記(1)及び(2)に共通) 6-1-1 為替相場の動向 6-1-2 国際収支動向 6-1-3 対外資産負債残高(対GDP比を含む) 6-1-4 外貨準備動向 6-1-5 外国為替平衡操作の実施状況 6-1-6 国際通貨システム安定への対応状況 6-1-7 テロリスト等に対する我が国による資産凍結措置対象者数 6-1-8 IMFへの主要国出資 6-1-9 IMFの活動状況(日本人幹部職員数等を含む) 6-1-10 アジアの地域金融協力実施状況 6-1-11 アジアにおける通貨スワップの進展状況 6-1-12 貿易取引通貨別動向 6-1-13 各国通貨当局保有外貨の通貨別動向 6−2 開発途上国等における安定的な経済社会の発展に資するための多国間・二国間の協力 国際協力銀行や国際開発金融機関等を通じて、開発途上国等に支援を行うこと等により、こ れら諸国における貧困削減及び安定的な経済社会の発展の促進に努める。 6-2-1 開発途上国に対する資金の流れ 6-2-2 国際開発金融機関関連の国際会議 6-2-3 国際開発金融機関に対する主要国の出資 6-2-4 6-2-5 6-2-6 6-2-7 国際開発金融機関等に対する拠出金 国際開発金融機関の活動状況(日本人幹部職員数等を含む) 国際協力銀行による出融資等実施状況(国際金融等業務) 円借款実施状況 6−3 国際協力・交流の推進 (1) 開発途上国を対象とした研修・セミナーの開催、専門家の派遣等を通じ、開発途上国の人材育 成を図り、国際協力・交流の推進に努める。 6-3-1 研修・セミナー等の実施状況(国際局・財務総合政策研究所) (2) 開発途上国の税関当局に対し、WCO(世界税関機構)等の国際機関や二国間及びAPEC (アジア太平洋経済協力)等の地域協力の枠組みを利用して、関税・税関行政分野における研修員 の受入れ、専門家派遣、地域セミナーの開催等の技術協力事業を実施する。また、先進国を含めた 各国税関当局と二国間・多国間の枠組みを通じた関係を強める。これらにより、国際貿易の一層の 円滑化、社会悪物品等の密輸阻止等に資するとともに、税関当局間の国際協力・交流関係の更なる 発展を目指す。 6-3-1 研修・セミナー等の実施状況(関税局) Ⅲ 各部局共通の組織運営の方針 高度な専門性に裏打ちされた、効果的・効率的かつ透明性の高い行政運営を実施するための組織 の維持・構築 1 政策立案・調整機能の発揮 財務省全体として、期待される任務を果たしていくために、財政経済の基本的な運営方針などに 関する基本的な政策の立案を行うとともに、財務省各部局間及び関係機関との間の必要な調整を行 う。 2 高い能力と見識を有する人材の育成・確保 本省、財務局、税関及び国税庁の各研修担当部門において、職員に対し、職務の遂行に必要な知 識・技能の付与等職務遂行能力の向上を目的とした研修を実施する。 組 2-1 各種研修の実施状況 組 2-2 トップセミナーの実施状況 3 国民・市場に対する的確な情報の発信・開示と意見の集約 (1) 各種施策・統計の適時・適切な公表、ホームページの充実、有識者との意見交換の充実等の広 報活動を幅広く展開することにより、国民・市場に対して的確な情報を発信するとともに、意見 の集約を図る。 組 3-1 ホームページへのアクセス件数 組 3-2 ホームページの英語版へのアクセス件数 組 3-3 主要施策の説明会・講演会の開催件数 組 3-4 パンフレット作成件数 組 3-5 財務省に寄せられたメールによる質問・意見・相談等の件数 組 3-6 財務局における講演会等の開催件数 組 3-7 財務行政モニターの提出意見数 (2) 国民に開かれた透明性の高い行政を実現するため、情報公開法の下で、行政情報の公開と国民 への説明責任の徹底を図る。 4 電子政府実現に向けた行政の情報化の推進 国民サービスの向上と行政運営の質的向上を図るため、行政情報化推進基本計画(平成9年 12 月閣議決定)等に沿って、財務省における情報化を総合的・計画的に推進する。 ※ 組 4-1 申請・届出等手続のオンライン化実施手続数 ※ 組 4-2 官庁会計事務データ通信システム導入官署数 ※ 組 4-3 職員へのパソコン配備状況 5 政策評価の着実な実施等による効果的・効率的な組織の運営 (1) 行政コストの削減に努めるとともに、効果的・効率的な組織の運営を図る。 ※ 組 5-1 財務省の定員削減状況 ※ 組 5-2 経理担当者会議の開催状況(財務本省) ※ 組 5-3 規制改革への取組状況 組 5-5 財務省の定員の推移 組 5-6 財務省所管の一般会計予算額の推移(行政経費分) (2) 政策評価に関する基本計画に基づき、評価の実施計画・評価書の策定・公表を行っていくこと により、政策評価を段階的に着実に実施していく。 ※ 組 5-4 総合評価の着手件数 組 5-7 実績評価における目標等数・指標数 (3) 予算編成、税制改正、関税改正、財政投融資計画の策定において、各省庁の政策評価を適切に 活用していく。 4 政策の目標ごとの政策所管課等及び各局・庁評価担当組織 総合目標1 政策の目標 政策所管課等 各局・庁評価担当組織 今後の財政運営に当たっては、歳出の質の改善や抑制 主計局(主計企画官、調査課、総務課)、大臣官 主計局主計企画官、大臣官 等を推進するとともに、受益と負担の関係についても引き 房総合政策課、主税局(総務課、調査課) 房総合政策課、主税局総務 続き検討を行いつつ、効率的で持続可能な財政への転換 課 を図る。また、こうした財政構造改革を、政府が進める各 般の構造改革とともに推進することにより、民間需要主導 の持続的な経済成長の実現に寄与することを目指す 総合目標2 中長期的な税制のあり方について、少子・高齢化や国際 主税局(総務課、調査課、税制第一課、税制第 主税局総務課 化などの経済社会の構造変化や財政状況を踏まえ検討 二課、税制第三課、国際租税課) を行い、あるべき税制を構築する 総合目標3 財政投融資については、行財政改革の趣旨を踏まえ、民 理財局(財政投融資総括課、管理課、計画官) 理財局総務課 間ではできない分野・事業に特化する等対象分野・事業 の重点化を図るとともに、時々の社会経済情勢を踏まえ、 セーフティネットの構築等真に政策的に必要と考えられる 資金需要には的確に対応する 総合目標4 関係機関と連携を図りつつ、金融破綻処理制度の適切な 大臣官房信用機構課 整備を図るとともに、迅速・的確な金融危機管理を行うこ とにより、金融システムの安定の確保を目指す 総合目標5 我が国経済の健全な発展に資するよう、地球的規模の問 題への対応を含む国際的な協力等に積極的に取り組む ことにより、世界経済の持続的発展、国際通貨システム の安定、アジアにおける地域協力の強化、国際貿易の秩 序ある発展を目指す 財政・経済の構造改革に積極的に取り組み、関係機関と 連携を図りつつ、適切な財政経済の運営を行う。 総合目標6 大臣官房信用機構課 国際局(総務課、調査課、国際機構課、地域協 国際局、関税局総務課 力課、為替市場課、開発政策課、開発機関課、 開発金融課)、関税局(関税課、参事官室、調査 課、税関調査室、関税企画官室) 大臣官房総合政策課、主計局(総務課、調査 課)、主税局(総務課、調査課) 大臣官房総合政策課、主計 局主計企画官、主税局総務 課 主計局主計企画官 総合目標7 我が国の財政事情が厳しい中、持続可能な財政への転 主計局(総務課、主計企画官) 換を推進するため、歳出の一層の効率化と質的改善を図 るなど、引き続き財政構造改革に取り組む 総合目標8 税制面においては、あるべき税制についての基本的な方 主税局(総務課、調査課、税制第一課、税制第 主税局総務課 針を踏まえ、社会経済情勢の変化等に適切に対処し、所 二課、税制第三課、国際租税課) 要の税制改正を行う 財政投融資計画の策定に当たっては、財政投融資改革 理財局(財政投融資総括課、管理課、計画官) 理財局総務課 の趣旨を踏まえ、民業補完性、政策コスト分析、償還確実 性等の精査により、対象事業の重点化を図るとともに、現 下の社会経済情勢に鑑み真に必要と考えられる資金需 要には的確に対応し、全体規模を縮減する 健全な財政の確保 総合目標9 政策目標1 政策目標1−1 政策目標1−2 重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善の推 主計局(総務課、調査課、主計官、主計企画官)主計局主計企画官 進 必要な歳入の確保 主計局(総務課)、主税局(総務課) 主計局主計企画官、主税局 総務課 政策目標1−3 地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移転に関する事務 主計局(主計官、主計企画官)、主税局(税制第 主計局主計企画官、主税局、 の適切な遂行 三課)、理財局計画官 理財局総務課 政策目標1−4 公正で効率的かつ透明な財政・会計に係る制度の構築 及びその適正な運営 安定的で効率的な国家公務員共済制度の構築及び管 理・運営 政策目標1−5 主計局(法規課、総務課、司計課) 主計局主計企画官 主計局(給与共済課) 主計局主計企画官 政策目標2 適正かつ公平な課税の実現 政策目標2−1 社会経済情勢の変化等に対応しつつ、公平・中立・簡素と 主税局(総務課、調査課、税制第一課、税制第 主税局総務課 いう租税原則に則った税制の実現 二課、税制第三課、国際租税課) 内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収 国税庁(総務課、人事課、会計課、企画課、厚 国税庁総務課 生課、事務管理課、国際業務課、広報広聴官、 首席国税庁監察官、相互協議室、税務相談官、 課税総括課、個人課税課、資産課税課、法人課 税課、酒税課、消費税室、審理室、資産評価企 画官、鑑定企画官、管理課、徴収課、調査課、 査察課、税務大学校)国税不服審判所 酒類業の健全な発達の促進 国税庁(酒税課、鑑定企画官) 国税庁総務課 税理士業務の適正な運営の確保 国税庁(総務課) 国税庁総務課 関税等の適正な賦課及び徴収 関税局(業務課、総務課、監視課、調査保税 関税局総務課 課)、関税中央分析所 財政投融資の適正かつ効果的な実施 実績目標2−2 実績目標2−3 実績目標2−4 政策目標2−5 政策目標3 政策目標3−1 民間では実施困難であるが政策として必要な事業を実施 理財局(財政投融資総括課、管理課、計画官) 理財局総務課 する機関への資金供給の確保と重点化・効率化 政策目標3−2 財投債による確実な資金調達とALMの充実 理財局(財政投融資総括課) 理財局総務課 政策目標4 国の資産・負債及び国庫の適正な管理並びに通貨に対 する信頼の維持 政策目標4−1 国有財産の適正かつ効率的な管理及び処分と電子情報 理財局(国有財産企画課、国有財産情報室、国 理財局総務課 処理システムを活用した現状把握及び情報開示 有財産調整課、国有財産有効利用推進室、国 有財産業務課、特定国有財産整備室、総務課 調査室、国有財産審理課) 政策目標4−2 庁舎及び宿舎の計画的整備の推進と新たな手法の活用 理財局(国有財産企画課、国有財産調整課、特 理財局総務課 定国有財産整備室) 政策目標4−3 適正な予算執行の確保 主計局(司計課、総務課)、会計センター研修部 主計局主計企画官 政策目標4−4 決算の作成を通じた国の財政状況の的確な開示 主計局(司計課) 政策目標4−5 国庫収支の適正な調整等、国庫金の正確な管理及び効 理財局(国庫課) 率的な運用 国債の円滑かつ確実な発行及び国債管理政策の適正な 理財局(国債課) 遂行と発行市場等の整備 理財局総務課 理財局(国庫課) 理財局総務課 政策目標4−8 貨幣の発行、日本銀行券製造計画の策定及び偽造・変 造の防止等による通貨制度の適正な運用 造幣事業の健全な運営 造幣局(総務部総務課企画調整室) 造幣局総務部 政策目標4−9 印刷事業の健全な運営 印刷局(総務部経営企画管理官室) 印刷局総務部 政策目標4−10 日本銀行の業務及び組織の適正な運営の確保 理財局(総務課) 理財局総務課 政策目標4−11 金融破綻処理制度の適切な整備及び迅速・的確な金融 危機管理 政策目標4−12 政府関係金融機関の適正かつ効率的な運営の確保 大臣官房信用機構課 大臣官房信用機構課 大臣官房政策金融課 大臣官房政策金融課 政策目標4−6 政策目標4−7 政策目標4−13 たばこ・塩事業の健全な発展の促進と適切な運営の確保 理財局(総務課たばこ塩事業室) 政策目標4−14 地震再保険事業の健全な運営 大臣官房政策金融課 主計局主計企画官 理財局総務課 理財局総務課 大臣官房政策金融課 政策目標5 貿易の秩序維持と健全な発展 政策目標5−1 内外経済事情を踏まえた適切な関税率の設定・関税制度 関税局(関税課、参事官室、調査課、業務課、 関税局総務課 の改善 調査保税課) 税関手続における利用者の利便性の向上 関税局(業務課、総務課、監視課、調査保税 関税局総務課 課、事務管理室) 政策目標5−2 政策目標5−3 社会悪物品等の密輸阻止 関税局(監視課、総務課、調査課、業務課、調 査保税課) 政策目標5−4 税関手続の国際的調和・簡素化 関税局(調査課、参事官室、税関調査室、関税 関税局総務課 企画官室) 政策目標6 国際通貨システムの安定と国際協力・交流の推進 政策目標6−1 外国為替及び国際通貨システムの安定 政策目標6−2 関税局総務課 国際局(調査課、国際機構課、地域協力課、為 国際局総務課 替市場課) 開発途上国等における安定的な経済社会の発展に資す 国際局(開発政策課、開発機関課、開発金融 国際局総務課 るための多国間・二国間の協力 課) 政策目標6−3 国際協力・交流の推進 組織運営の方針 高度な専門性に裏打ちされた、効果的・効率的かつ透明 性の高い行政運営を実施するための組織の維持・構築 国際局(開発政策課)、財務総合政策研究所研 国際局、関税局総務課 究部国際交流室、関税局(調査課、参事官室)、 税関研修所 組織運営の方針1政策立案・調整機能の発揮 大臣官房文書課、総合政策課、地方課 組織運営の方針2高い能力と見識を有する人材の育成・確保 大臣官房秘書課、関税局(管理課)、税関研修 大臣官房秘書課、関税局、国 所、財務総合政策研究所研修部、国税庁(人事 税庁総務課 課、税務大学校) 組織運営の方針3国民・市場に対する的確な情報の発信・開示と意見の集 大臣官房文書課広報室、文書課情報公開室 約 組織運営の方針4電子政府実現に向けた行政の情報化の推進 大臣官房文書課、総合政策 課、地方課 大臣官房文書課 大臣官房審議官室、文書課広報室、文書課情 大臣官房審議官室、大臣官 報管理室、主計局(法規課)、関税局(総務課)、房文書課、主計局主計企画 会計センター管理運用部、国税庁(企画課) 官、関税局総務課、国税庁総 務課 組織運営の方針5政策評価の着実な実施等による効果的・効率的な組織の 大臣官房文書課政策評価室、大臣官房審議官 大臣官房文書課、会計課、主 運営 室、文書課企画調整室、会計課、主計局(主計 計局主計企画官、主税局、関 企画官)、主税局(税制第一課、税制第二課、税 税局、理財局総務課 制第三課、国際租税課)、関税局(関税課)、理 財局(財政投融資総括課、計画官) (注)1 「政策所管課等」欄及び「各局・庁評価担当組織」欄の第一番目に記載した課が、各目標ごとの取りまとめ課である。 2 官房各課の実績評価は、官房各課が1次審査を行う 総合目標:通貨に対する信認を確保しつつ、健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会を実現す るとともに、世界経済の安定的発展に貢献すること ○総合目標1:今後の財政運営に当たっては、歳出の質の改善や抑制等を推進するとともに、受 益と負担の関係についても引き続き検討を行いつつ、効率的で持続可能な財政へ の転換を図る。また、こうした財政構造改革を、政府が進める各般の構造改革と ともに推進することにより、民間需要主導の持続的な経済成長の実現に寄与する ことを目指す 政策所管課等:主計局主計企画官、調査課、総務課、大臣官房総合政策課、主税局総務課、調査 課 基本的考え方 平成14年度予算編成に当たっては、 「国債発行額30兆円以下」との目標を掲げ、 「5兆円 を削減しつつ重点分野に2兆円を再配分する」との方針の下、歳出の思い切った見直しと重点 的な配分を行い、将来の財政破綻を阻止するための第一歩を踏み出しました。 しかしながら、我が国の財政事情は、平成14年度末の国・地方の長期債務残高が693兆 円に達する見込みであるなど、G7諸国の中で最悪の状況にあります。こうした状況の中、プ ライマリーバランスの黒字を達成するとの中期的な目標に向けて財政構造改革を推進すること が重要な課題です。 財政当局としましては、平成14年1月に閣議決定された「構造改革と経済財政の中期展望」 において示された、 ① 「改革と展望」の期間中(平成14年度から平成18年度まで)の政府の大きさ(一般政 府の支出規模の対GDP比)は現在の水準を上回らない程度とすることを目指す、 ② 2010年代初頭にはプライマリーバランスを黒字化することが望まれる、 との中長期の財政運営のあり方を踏まえ、財政構造改革に取り組んでまいります。より具体的 には、配分の重点化、諸制度の改革、さらには事務事業の効率化、PFIの活用などを中心と する財政構造改革を推進することにより、歳出の質を改善するとともに、歳出を抑制して参り ます。また、受益と負担の関係についても引き続き検討を行い、効率的で持続可能な財政への 転換を図ります。 こうした財政構造改革は、政府が進める規制改革等他の構造改革や不良債権処理とあいまっ て、効率性の低い部門から効率性や社会的ニーズの高い成長分野への労働力や資金の移動を促 進するとともに、成長分野における潜在的需要を開花させ、新しい消費や投資を生み出すもの であり、民間需要主導の持続的な経済成長の実現に寄与するものと考えます。 ○総合目標2:中長期的な税制のあり方について、少子・高齢化や国際化などの経済社会の 構造変化や財政状況を踏まえ検討を行い、あるべき税制を構築する 政策所管課等:主税局総務課、調査課、税制第一課、税制第二課、税制第三課、国際租税課 基本的考え方 21 世紀における日本を展望するとき、少子・高齢化や国際化、情報化の進展など、様々 な構造変化が見込まれます。税制は経済社会の礎であり、これらの変化等にどのように対 応していくのか、財政のあり方との関連において租税の果たすべき機能をどのように考え るのか、といったことを改めて検討し、税制全体を 21 世紀にふさわしいものに改革してい くことが求められています。 税制は、国民生活、経済活動、そして社会のあり方と密接に関連するものです。税制の あり方を考えることは、国のあり方をどのように考えていくかということでもあります。 このため、国民一人一人が今後の税制論議に参加し、その上で、あるべき税制について選 択していくことが重要です。 平成 12 年7月、内閣総理大臣の諮問機関である税制調査会は、中期答申( 「わが国税制 の現状と課題−21 世紀に向けた国民の参加と選択−」 )を取りまとめました。この答申に おいては、税は公的サービスの財源であるという基本に立ち返った上で、近い将来、税制 全般について抜本的な見直しが避けられないとの認識の下、今後の税制論議に向けての材 料を提供するため、我が国税制の現状と課題が幅広く整理されています。政府としては、 この中期答申を踏まえ、今後の税制のあり方を検討しており、平成 12 年9月、内閣総理大 臣から同調査会に対し「21 世紀初頭における望ましい税制の構築に向けての審議を求め る」との諮問がなされています。 公的サービスは国や社会を支えるために欠かすことができないものです。租税はそのよ うな公的サービスを賄うために必要な財源を調達するため、社会の構成員である国民皆が 広く公平に分かち合うものです。国民が必要とする公的サービスを求めることと租税でそ の費用を賄うこととは、国民全体として受益と負担という表裏一体の関係にあり、 租税は、 公的サービスを賄うのに十分な量であることが求められます。 経済社会の活力を維持していく観点から、税制は、少子・高齢化、国際化などの経済社 会の構造変化に対し適切に対応していくことが必要です。税制と経済社会との調和が保た れているのかどうかについて「公平・中立・簡素」という基本原則に照らして点検し、必 要な改革に取り組んでいくことが求められます。 税制の改革は、政府が取り組んでいる構造改革の柱の一つとして極めて重要な意義を有 するものであると考えます。 個人や企業の経済活動が多様化しており、経済の活力を高めていくためには、個人や企 業の自由な選択を妨げず、これを最大限尊重することが重要です。21 世紀においては、経 済活動に中立で歪みのない、簡素でわかりやすい税制の構築が求められるとともに、少子 高齢化、国際化、情報化などの構造変化にも的確に対応した税制の改革が必要となってい ます。 特に数年にわたり、恒久的な減税の実施など、税制においても景気への最大限の配慮が なされてきた結果、わが国の租税負担率はG7諸国で最低の水準となっているなど、いわ ゆる「税負担の空洞化」ともいうべき状況が生じていることに留意する必要があります。 租税が公的サービスを皆で広く公平に支えていくための会費であることを踏まえれば、こ うした状況について、そのあり方を議論することが必要です。 現在、税制調査会においては、平成 14 年1月の総会に出席された内閣総理大臣の指示も 踏まえ、あるべき税制の構築に向けて、広く税制上の課題について検討が行われており、 6月頃を目途に基本的な方針が示される予定です。 財務省は、税制の企画・立案当局の立場から、地方税を所管する総務省とともに、ある べき税制の構築に向けて、広く税制上の課題について取り組むとともに、税制調査会の事 務局として、その調査・審議過程において必要な資料の作成・提出・説明を行います。 税は国民生活と密接に関わるものであり、先般の税制調査会の中期答申においても、21 世紀にふさわしい税制のあり方を議論する際には「税制論議への国民の参加と責任ある選 択」が求められ、そのために必要な判断材料を国民に幅広く提供することが重要であると の指摘がなされています。このような観点から、財務省としては、税制の抜本的見直しの 必要性に関する広報に積極的に取り組み、税の使途を含む税制全般に対する国民の理解が 深まるよう努めます。具体的には、パンフレットの作成・配付、ホームページを通じた情 報提供、全国各地における講演や意見交換、広告掲載等の広報活動を行います。 また、税制調査会は、総会の公開を実施するなど審議の透明性確保に努めてきているほ か、審議の参考とするため、同調査会に対する意見の募集を行っています。さらに、審議 の透明性をより一層確保するため、総会のインターネット中継を行っています。なお、特 に平成 14 年度においては、あるべき税制の構築に向けた検討を行うに当たり、 「税につい ての対話集会」を開催することとしており、財務省は、同調査会の事務局として、これら インターネット中継を含む審議の公開や意見募集、 「税についての対話集会」に関する事務 をも適切に実施していきます。 ○総合目標3:財政投融資については、行財政改革の趣旨を踏まえ、民間ではできない分野・事 業に特化する等対象分野・事業の重点化を図るとともに、時々の社会経済情勢を 踏まえ、セーフティネットの構築等真に政策的に必要と考えられる資金需要には 的確に対応する 政策所管課等:理財局財政投融資総括課、管理課、計画官 基本的考え方 財政投融資は、民間においては実施困難な大規模・超長期プロジェクトの実施や民間金融に おいて融資困難な長期資金の供給を、租税財源を用いるのではなく、有償資金を用いて行うも のであり、財政政策の中で有償資金の活用が適切な政策分野に効率的・効果的に対応する仕組 みです。 平成 14 年度財政投融資計画は、財政投融資改革、行財政改革を踏まえ、全体規模を縮減しつ つ、対象事業の重点化を図るとともに、現下の社会経済情勢に鑑み真に政策的に必要と考えら れる資金需要には、的確に対応するとの方針に基づき縮減いたしました。 具体的には、政府系金融機関については、中小企業向けについて、中小企業に対する円滑な 資金供給を図るため、必要な貸付規模を確保し、日本政策投資銀行、国際協力銀行において、 各々融資事業の見直しを行う等の対象事業の重点化を行いながら、必要な貸付規模を確保して います。また、地方や公団・事業団といった社会資本整備に関係の深い財投機関においても、 個々の資金需要を精査し、必要な事業規模を確保する等、現下の景気情勢にも的確に対応して います。 なお、財政投融資については、平成 13 年度の財政投融資改革により、その原資について、従 来の郵便貯金や年金積立金が資金運用部に預託された制度から、特殊法人等の施策に真に必要 と考えられる資金を国債の一種である財投債により市場から調達する仕組みへと抜本的に改め られ、また、各財投機関が、財投機関債を発行することにより自ら市場において資金調達を行 うことを原則とし、財投債は、自己調達が困難であったり、不利な条件を強いられる場合等に これを活用することとされております。 本総合目標においては、財政投融資に関連して、以下の具体的な施策を実施することとしま す。 ○施策1 財政投融資対象機関の政策目的を的確に達成するため、どの分野、どの事業を財政投融資 の対象とするかについて、国民のニーズや社会・経済情勢の変化などに応じて、民業補完性 や償還確実性の観点から、十分精査することとし、今後とも、スクラップ・アンド・ビルド を行うなど、不断の見直しを行っていきます。 ○施策2 財政投融資計画の編成について、各省庁・各機関に対し、それぞれの施策・事業に関する 政策評価の提出を求め、また、財政投融資の運用等に関するディスクロージャーの一層の充 実を進めながら、審査過程を透明性のあるオープンな編成とするよう努めます。 ○施策3 財政投融資計画の対象機関に対する財政融資資金からの貸付や政府保証債の発行について、 事業の執行状況、財政投融資以外からの借入れの状況、余裕金の状況等各機関の資金繰りを 十分精査して行うこととし、財政投融資計画の着実な実行を図ります。 ○施策4 財政投融資対象機関は、市場の評価を通じ、特殊法人等改革の趣旨に沿った業務運営の効 率化へのインセンティブを高める等の観点から、財投機関債の発行に努めることとされてい ます。平成 14 年度は、財政投融資改革の第 2 年目に当たりますが、各機関の発行金額、発行 条件等その発行状況全般を把握し、財投機関の円滑な業務運営ができるよう配慮しつつ、こ の改革の趣旨が実現されるよう努めます。 ○施策5 財政投融資対象機関に対する既往の財政融資資金からの貸付金について、貸付目的に沿っ た事業実施が行われているかについて、適切にモニタリングを行いつつ、約定通りの確実な 回収を行います。 ○施策6 財政投融資からの貸付金がある財政投融資対象機関のうち、 今後、 「特殊法人等整理合理化 計画」 (平成 13 年 12 月閣議決定)に基づき、その組織・事業の見直しが進められる機関につ いては、当該見直しの中において、既往の貸付金の償還確実性等を確保するとともに、当該 機関に対する財政投融資の在り方について検討してまいります。 ○総合目標4:関係機関と連携を図りつつ、金融破綻処理制度の適切な整備を図るとともに、迅 速・的確な金融危機管理を行うことにより、金融システムの安定の確保を目指す 政策所管課等:大臣官房信用機構課 基本的考え方 金融システムは、資金仲介・リスク仲介機能や決裁機能を担い、経済活動の基盤をなすもの であることから、国民経済の発展のためには金融システムの安定の確保が不可欠です。 バブル経済の崩壊の中で我が国金融機関は、多額の不良債権を抱え、我が国の金融システム に対する内外の信頼が失われつつあるという状況にまで至ったことから、その後、政府は、金 融機能の安定及び再生を図るための断固たる措置を講じてきており、不良債権問題については 経済構造改革の集中調整期間終了後の平成16年度の正常化を目指す等、預金者及び市場から 信頼され、揺るぎない金融システムを再構築するよう努めています。 そうした中、財務省は、金融庁等と密接な連携を図りつつ、金融破綻処理制度の適切な整備 を図るとともに、迅速・的確な金融危機管理を行うことにより、金融システムの安定を確保し ていくこととしています。 ○総合目標5:我が国経済の健全な発展に資するよう、地球的規模の問題への対応を含む国 際的な協力等に積極的に取り組むことにより、世界経済の持続的発展、国際 通貨システムの安定、アジアにおける地域協力の強化、国際貿易の秩序ある 発展を目指す 政策所管課等:国際局総務課、調査課、国際機構課、地域協力課、為替市場課、開発政策課、 開発機関課、開発金融課 関税局関税課、参事官室、調査課、税関調査室、関税企画官室 基本的考え方 経済のグローバル化が進む中で、我が国経済の健全な発展に資するため、世界経済の 持続的発展、国際通貨システムの安定、アジアにおける地域協力の強化、国際貿易の秩 序ある発展を図ることが極めて重要となっています。自由かつ公正な国際経済社会の実 現やその安定的発展に向け、貧困や地球環境といった地球的規模の問題への対応等に積 極的に取り組むことを通じて、世界経済の中で大きな地位を占める我が国が主体的な役 割を果たすことが求められています。このため、次の施策を実施します。 (1)世界経済の持続的発展等に向けた国際的な協力への取組 我が国は、これまでもサミット、G7(7か国財務大臣・中央銀行総裁会議) 、APE C(アジア太平洋経済協力会議)、ASEM(アジア欧州会合) 、ASEAN(東南アジ ア諸国連合)+3(日中韓)等の国際会議への参画等を通じて、世界経済の持続的発展、 国際通貨システムの安定、地域協力の強化に向けた国際的な取組に積極的な役割を果た してきており、今後とも引き続き積極的に取り組むこととしています。 (2)国際貿易の秩序ある発展に向けた国際的な協力への取組 国際貿易の秩序ある発展を目指す観点から、関税に関する国際的な取組に積極的に参 画いたします。我が国としては、多角的貿易体制の維持、強化のため、WTO(世界貿易 機関)第 4 回閣僚会議において立上げが合意された新たな多角的貿易交渉に積極的に取 り組んでまいります。併せて、これを補完し、世界の貿易自由化を促進するとの観点か ら、自由貿易協定等の二国間・地域間での経済連携強化の検討も進めることとしていま す。 (注)財務省が単独では統制できない外部要因 世界経済の持続的発展、国際通貨システムの安定等の目標達成に際しては、世界各国 のマクロ経済情勢、社会・政治情勢、市場の動向等、様々な外部要因が影響することに 留意し、対応する必要があります。 ○総合目標6:財政・経済の構造改革に積極的に取り組み、関係機関と連携を図りつつ、適 切な財政経済の運営を行う 政策所管課等:大臣官房総合政策課、主計局総務課、調査課、主税局総務課、調査課 基本的考え方 (1)我が国経済は、近年バブル経済の崩壊及びその後の景気の長期的低迷により、それま での右肩上がりから変容を余儀なくされ、また、少子高齢化、経済のグローバル化やソ フト化、情報化といった構造変化も急速に進んでいます。 また我が国の景気は雇用情勢も含め厳しい状況にありますが、このような状況の下、 我が国経済社会が、新しく迎えた 21 世紀において安定的に発展するためには、我が国経 済社会の抱える構造的諸課題に対処していくことが求められています。 (2)このため、政府としては、 「改革なくして成長なし」との基本的考え方の下、状況の変 化に細心の注意を払いながら、不良債権処理、特殊法人等改革、規制改革など各般の構 造改革を積極的に推進しております。財務省としても、財政構造改革や抜本的な税制改 革に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 (3)財政構造改革については、平成 14 年度予算において、歳出の一層の効率化を進める一 方、予算配分を重点分野に大胆にシフトいたしました。 また、今後の財政運営に当たっては、先般閣議決定された「構造改革と経済財政の中 期展望」(「改革と展望」)において示された、 ① 「改革と展望」の期間中の政府の大きさ(一般政府の支出規模の対GDP比)は現 在の水準を上回らない程度とすることを目指す、 ② 2010 年代初頭にはプライマリーバランスを黒字化することが望まれる、等の記述を 踏まえ、財政構造改革に取り組んでまいります。 (4)税制の改革については、政府が取り組んでいる構造改革の柱の一つとして極めて重要 な意義を有するものであると考えており、今後、 広く税制上の課題に総合的に取り組み、 平成 14 年6月頃を目途に、あるべき税制について基本的な方針を示すとともに、当面対 応すべき課題について年内にとりまとめ、平成 15 年度以降、実現してまいりたいと考え ております。 ○総合目標7:我が国の財政事情が厳しい中、持続可能な財政への転換を推進するため、歳出の 一層の効率化と質的改善を図るなど、引き続き財政構造改革に取り組む 政策所管課等:主計局総務課、主計企画官 基本的考え方 平成14年度予算編成に当たっては、 「国債発行額30兆円以下」との目標を掲げ、 「5兆円 を削減しつつ重点分野に2兆円を再配分する」との方針の下、歳出の思い切った見直しと重点 的な配分を行い、将来の財政破綻を阻止するための第一歩を踏み出しました。 しかしながら、我が国の財政事情は、平成14年度末の国・地方の長期債務残高が693兆 円に達する見込みであるなど、G7諸国の中で最悪の状況にあります。こうした状況の中、プ ライマリーバランスの黒字を達成するとの中期的な目標に向け、平成13年度における取組み に引き続き、財政構造改革に取り組んでまいります。 ○総合目標8:税制面においては、あるべき税制についての基本的な方針を踏まえ、社会経 済情勢の変化等に適切に対処し、所要の税制改正を行う 政策所管課等:主税局総務課、調査課、税制第一課、税制第二課、税制第三課、国際租税課 基本的考え方 税制については、 「総合目標2 中長期的な税制のあり方について、少子・高齢化や国際 化などの経済社会の構造変化や財政状況を踏まえ検討を行い、あるべき税制を構築する」 において述べたところですが、こうした中長期的な税制のあり方を踏まえつつ、税制を取 り巻く諸課題に適切に対処し、毎年度、所要の税制改正を行うこととしています。 税制調査会において、あるべき税制の構築に向けて、広く税制上の課題について検討が 行われており、6月頃を目途に基本的な方針が示される予定です。その後、この基本的な 方針を踏まえ、当面対応すべき課題についてとりまとめ、平成 15 年度以降実現していくこ ととしています。 財務省は、税制の企画・立案当局の立場から、地方税を所管する総務省とともに、ある べき税制の構築に向けて、広く税制上の課題に取り組むとともに、税制調査会の事務局と して、その調査・審議過程において必要な資料の作成・提出・説明を行います。 このように、あるべき税制の構築について、税制調査会で議論が行われていることとあ わせて、税制改正は、通常、予算要求と併せ提出される関係府省からの税制改正要望を受 けて、その時々の社会経済情勢や財政状況等を踏まえて検討が行われるため、平成 15 年度 税制改正に当たって検討すべき個別の項目を包括的に示すことは困難ですが、現時点で挙 げられる項目としては、租税特別措置の見直しがあります。平成 14 年度税制改正において も、租税特別措置の徹底的な見直しを行いましたが、租税特別措置は、公平・中立・簡素 という租税原則の例外措置と位置付けられるものであり、その政策目的・効果等を十分吟 味し、更に整理・合理化に努めていくこととします。 ○総合目標9:財政投融資計画の策定に当たっては、財政投融資改革の趣旨を踏まえ、民業補完 性、政策コスト分析、償還確実性等の精査により、対象事業の重点化を図るとと もに、現下の社会経済情勢に鑑み真に必要と考えられる資金需要には的確に対応 し、全体規模を縮減する 政策所管課等:理財局財政投融資総括課、管理課、計画官 基本的考え方 本総合目標においては、平成 15 年度財政投融資計画の編成に関連して、以下の具体的な施策 を実施することとします。 ○施策1 平成 15 年度においても、総合目標3に則った財政投融資計画の編成を行います。 (参考)総合目標3 財政投融資については、行財政改革の趣旨を踏まえ、民間ではできない分野・事業に特化す る等対象分野・事業の重点化を図るとともに、時々の社会経済情勢を踏まえ、セーフティネッ トの構築等真に政策的に必要と考えられる資金需要には的確に対応する ○施策2 財政投融資対象機関の政策目的を的確に達成するため、どの分野、どの事業を財政投融資 の対象とするかについて、国民のニーズや社会・経済情勢の変化などに応じて、民業補完性 や償還確実性の観点から、十分精査することとし、平成 15 年度財政投融資計画においても、 スクラップ・アンド・ビルドを行うなど、不断の見直しを行っていきます。 ○施策3 平成 15 年度財政投融資計画の編成においても、各省庁・各機関に対し、それぞれの施策・ 事業に関する政策評価の提出を求め、また、財政投融資の運用等に関するディスクロージャ ーの一層の充実を進めながら、審査過程を透明性のあるオープンな編成とするよう努めます。 各分野毎の政策目標 政策目標1:健全な財政の確保 ○政策目標1−1:重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善の推進 政策所管課等:主計局総務課、調査課、主計官、主計企画官 基本的考え方 現代社会においては、国家は、例えば一般行政事務や国防、外交、警察といった分野のほか、 社会資本の整備、教育、社会保障など、多岐にわたる分野で多くの活動を行っています。これ らの国の諸活動は、民間の経済活動を補ったり、必ずしも民間によっては提供しえないサービ スを供給する活動です。国家は、これらの活動に必要な資金を租税や公債などの手段により調 達し、必要な分野に資金を供給していますが、このような活動を歳入・歳出という収支面、経 済面から捉えたものが「財政」といえるでしょう。また、 「予算」とは、このような財政を運営 する毎年度のプログラムということができます。 財政に求められる役割は、時代とともに変遷を辿って来ましたが、今日の財政には、防衛や 外交といった競争的市場メカニズムでは提供されない「公共財」等を提供するという「資源配 分機能」に加え、租税の徴収と社会的弱者等への財政支出を通じた「所得の再分配機能」など のほか、景気変動に的確に対応しその調整を図る「経済安定化機能」を果たすことが求められ るに至っています。 このような諸機能を統合的、多元的に発揮していくためには、国民全体にとって真に必要な 公共サービスの分野に的確に必要な資金を重点的に配分し、逆に重要性や必要性の低い分野、 相対的な優先度の低い分野には配分しないという配分の方針を「財政の規律」として保持し、 財政活動全般を効率的、効果的なものとする必要があります。このような考え方の徹底を図る ことは、今日のように、厳しい財政事情の下では、特に重要と考えられます。 このような基本的な考え方にたち、財務省は、毎年の予算編成を行うに当たって、租税とい う財政活動の主たる財源を支える「納税者」の視点を財政運営に活かしていくことを基本とし て、予算配分の重点化を図り、財政の効率化・質的改善を推進することとします。 ○政策目標1−2:必要な歳入の確保 政策所管課等:主計局総務課、主税局総務課 基本的考え方 健全な財政を確保するためには、財政需要について、原則として公債や借入金などにはよら ず、税収及びその他収入により賄うべきであるという考え方が基本となります(非募債主義・ 財政法第4条第1項) 。 こうした考え方の下、 ① 歳入面では、税収及びその他収入の見積りを適切に行うとともに、経済情勢等に配意しこ れらの確保に努めること ② 歳出面では、重点的な予算配分や経費の節減合理化等に努めること(1-1 で既述) が求められます。 しかしながら、そうした努力を重ねた上でもなお財源が不足する場合には、公債の発行に より必要な歳入の確保を図ることとなります。 このうち、まず税収は、内国税である租税及び印紙収入並びに輸入品に対し課される関税か ら成るものです。税収は、国の歳入(一般会計)全体において基幹的な地位を占めており、租 税の基本的機能は、公的サービスの財源調達機能であるといえます。毎年度の予算編成におい ては、歳入予算の主要な部分を占める国税収入について、その時点で判明している課税実績、 政府経済見通しに係る諸指標等を基礎に、適切な見積りに努めることとしています。 次に、その他収入は、国の歳入のうち、税収及び公債金収入以外の部分から成り、歳入全体 に占める割合としては、概ね5%程度に過ぎませんが、現下の極めて厳しい財政事情の下、そ の他収入についても、可能な限りその確保を図るべきことが、予算編成の基本方針においても 示されているところです。平成14年度においては、平成15年度予算の編成に向けて、現下 の極めて厳しい再生事情の下、可能な限りのその他収入確保に努めるとともに、各項目別に、 過年度の動向や最近の実績等を基として、適切な収入の見積りに努めることとします。 最後に、公債の発行は、政策目標 1-1 で述べたような歳出の重点化、節減合理化に努めても なお財源が不足する場合に限って、やむを得ざる措置として行います。 ○政策目標1−3:地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移転に関する事務の適切な遂行 政策所管課等:主計局主計官、主計企画官、主税局税制第三課、理財局計画官 基本的考え方 国と地方は公経済を支える車の両輪であり、近年における極めて厳しい景気情勢と減税とが 相まって、国税・地方税の税収が大きく落ち込むなど、国・地方ともに財政状況は極めて厳し い状況にあります。 このような状況において、国の財務を統括する観点から、地方の歳入・歳出、国・地方間の 財政移転に関する事務を適切かつ円滑に遂行することが重要です。 なお、地方財政に関する事務については、地方財政計画の策定、地方税制度、地方債計画及 び地方債許可方針の策定、地方債の許可等を所管する総務省との調整が重要となります。 ○政策目標1−4:公正で効率的かつ透明な財政・会計に係る制度の構築及びその適正な運営 政策所管課等:主計局法規課、総務課、司計課 基本的考え方 現行の財政・会計に係る制度は、国の予算その他財政の基本に関して定める財政法や会計手 続を規定する会計法等の法令により形づくられています。その基本にある考え方は、 ① 国の財政を処理する権限は国会の議決に基づいて行使しなければならないこと、 ② 財政の健全性を確保すること、 ③ 国の支出は適正かつ公正に行われなければならないこと、 といった点です。 平成14年度末に国・地方の長期債務残高が693兆円に達する見込みであるなど我が国財 政が依然として厳しい状況にあり、プライマリーバランスの黒字を達成するとの中期的な目標 に向けて財政構造改革を推進することが重要な課題となっている中で、我が国の財政・会計に 係る制度の運用については、財政資金の適正・効率的な使用、透明性、説明責任の向上などが 従来にも増して求められています。 このような状況の中で、公正・透明で効率的な財政・会計に係る制度の運営・運用を適正に 行っていくことは財務省の重要な政策課題であると考えます。 なお、財政制度等審議会の公企業会計小委員会において、現在、特別会計財務諸表の見直し に関する検討を行っているところです。 ○政策目標1−5:安定的で効率的な国家公務員共済制度の構築及び管理・運営 政策所管課等:主計局給与共済課 基本的考え方 国家公務員共済組合制度は、国家公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与する とともに国家公務員の職務の能率的運営に資することを目的とする社会保険制度です。 具体的には、被保険者である組合員(国家公務員)と使用者である国とが所要の保険料を 分担拠出し、組合員又はその被扶養者について所要の保険事故が発生した場合に、所定の保険 給付等を行っています。 (1)短期給付事業 ・保健給付 病気、負傷又は出産に係る給付 ・休業給付 育児、介護等の休業に係る給付 ・災害給付 災害に係る給付 (2)長期給付事業 ・退職給付 退職に係る給付 ・障害給付 病気やケガによる障害に係る給付 ・遺族給付 死亡に係る給付 (3)福祉事業 ・病院、宿泊所等の経営、臨時支出に対する貸付け、生活必需物資の供給等 上記の目的を踏まえ、安定的で効率的な国家公務員共済組合制度の構築及び管理・運営を行 っていくことが重要であると認識しています。 政策目標2:適正かつ公平な課税の実現 ○政策目標2ー1:社会経済情勢の変化等に対応しつつ、公平・中立・簡素という租税原則 に則った税制の実現 政策所管課等:主税局総務課、調査課、税制第一課、税制第二課、税制第三課、国際租 税課 基本的考え方 税制については、 「総合目標2 中長期的な税制のあり方について、少子・高齢化や国際 化などの経済社会の構造変化や財政状況を踏まえ検討を行い、あるべき税制を構築する」 及び「総合目標8 税制面においては、あるべき税制についての基本的な方針を踏まえ、 社会経済情勢の変化等に適切に対処し、所要の税制改正を行う」において述べたように、 あるべき税制の構築に向けて検討を進めるとともに、公的サービスの財源調達という税の 基本的機能に留意して、社会経済情勢の変化等に適切に対応しつつ、公平・中立・簡素と いう租税原則に則った税制の実現を目指します。 (1)租税の意義と役割 租税の基本的な機能は公的サービスの財源を調達することにあります。国民が必要と する公的サービスを求めることと租税でその費用を賄うこととは、国民全体として受益 と負担という表裏一体の関係にあり、租税は、公的サービスを賄うのに十分な量である ことが求められます。 また、民主主義社会では、公的サービスの費用は、社会の構成員である国民が皆で広 く公平に分かち合うことが必要です。このように、租税は「社会共通の費用を賄うため の会費」であると言うことができます。 その会費として必要な租税を、社会の構成員のうち、誰が、どのように分担していく か、その方法を決めているものが税制です。 (2)税制の基本原則 税制は、単一の税目のみではなく、いくつかの税目から成り立っていますが、それぞ れの税目には長所と短所があり、所得・消費・資産等に対する課税を適切に組み合わせ ることにより、全体として偏りのない税体系を選択していくことが必要です。 どのような原則により税制を構築することが望ましいかについては、従来から各種の 租税原則が提唱されてきましたが、それらは結局「公平・中立・簡素」の三つに集約す ることができます。 (3)税負担の現状と今後の方向 恒久的な減税の継続や累次の税制改革の結果、わが国の租税負担率(対国民所得比) は 22.9%(平成 14 年度見込み)と、主要先進国中、最も低い水準にあり、社会保障負 担率を加えた国民負担率で見ても、諸外国に比べて低い水準にあります。こうした「税 負担の空洞化」ともいうべき状況が生じているところですが、租税は公的サービスを皆 で広く公平に支えていくための会費であることを踏まえ、国民の参加と選択のもと、議 論することが必要です。 公的サービスの水準が上昇傾向にある一方、租税負担を含む国民負担が低水準に留ま っている結果、歳出と歳入のギャップが拡大傾向にあります。現在、明らかに租税の果 たすべき公的サービスの財源調達機能は極めて不十分な状態に置かれています。21 世紀 の経済社会を展望し、租税は公的サービスを賄うのに十分な財源を国民皆が広く公平に 分かち合うものであることを改めて認識した上で、少子・高齢化、国際化・情報化、ラ イフスタイルの多様化など、経済社会の構造変化と調和のとれたあるべき税制の構築に 向けて、税制全般にわたる抜本的な改革が必要となると考えます。 ○国税庁が達成すべき目標に対する実績の評価 主として政策の実施に関する機能を担う国税庁の実績の評価については、中央省庁等 改革基本法第 16 条第 6 項第 2 号により、 「府省の長は、実施庁の長にその権限が委任 された事務の実施基準その他当該事務の実施に必要な準則を定めて公表するとともに、 実施庁が達成すべき目標を設定し、その目標に対する実績を評価して公表すること」と 規定されています。 国税庁の実績の評価については、国税庁の事務が事務年度(7 月から翌年 6 月)に基 づいて実施されていることに鑑み、平成 14 事務年度実施計画を平成 14 年 6 月末に策定 し公表します。 国税庁の所管する「2-2 内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収」 、 「2-3 酒類業の健全 な発達の促進」及び「2-4 税理士業務の適正な運営の確保」については、その概要を掲 載します。 ○実績目標2−2:内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収 政策所管課等:国税庁(総務課、人事課、会計課、企画課、厚生課、事務管理課、国際業 務課、広報広聴官、首席国税庁監察官、相互協議室、税務相談官、課税 総括課、個人課税課、資産課税課、法人課税課、酒税課、消費税室、審 理室、資産評価企画官、鑑定企画官、管理課、徴収課、調査課、査察課、 税務大学校)、国税不服審判所 基本的考え方 (1)国税庁は、納税者の皆様の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現するため、 納税環境を整備し、適正・公平な税務行政を推進することにより、内国税の適正かつ公 平な賦課及び徴収に努めています。(国税庁の事務の実施基準及び準則に関する訓令(以 下「実施基準・準則」という。)第 3 条及び第 4 条第 1 号) ①納税環境の整備(実施基準・準則第 4 条第 1 号イ) わが国は、納税者の皆様が自ら所得金額や税額を計算し、それに基づいて申告し、納 税するという申告納税制度を採用しています。この制度を円滑に運営していくため、納 税者の皆様に租税の意義を正しく理解していただくとともに、申告と納税に必要な法令 解釈や事務手続を容易に知ることができるよう、広報、相談等を通じて納税環境の整備 に努めています。 納税環境の整備に関しては、後述のとおり実績目標の細目として業績目標を3項目(2 −2−1−1∼2−2−1−3)設定します。 ②適正かつ公平な税務行政の推進(実施基準・準則第 4 条第 1 号ロ) 申告納税制度の下において、納税者の皆様の納税道義が高まり、適正な申告と納税が 確保されるためには、納税者の皆様の間で課税が適正・公平に行われているとの信頼が 確保され、正しい申告と納税を行う意欲が堅持されていくことが不可欠です。 このため、税務行政においては、適正・公平な課税の実現に向け、関係法令を適正に 適用し、適正に申告を行わない納税者や期限内に納付しない納税者に対しては、的確な 調査や滞納処分等を行っています。 また、納税者の皆様の正当な権利利益の救済を図ることにより、適正かつ公平な税務 行政の推進に努めています。 適正かつ公平な税務行政の推進に関しては、後述のとおり実績目標の細目として業績 目標を4項目(2−2−2−1∼2−2−2−4)設定します。 (2)税務行政を取り巻く環境は、経済取引の一層の複雑化・広域化に加えて、金融・資本 市場の自由化やインターネットの普及により、経済社会の国際化・高度情報化が急速に 進展しており、所得・資産の把握が一層困難になっています。 また、平成 12 年度の納税者数を見ると、所得税の確定申告者数が 20,385 千人、法人 税の確定申告書提出件数が 2,701 千件となっており、すう勢としては増加しています。 一方、国税職員の定員は平成 9 年度以降減少となり、 平成 13 年度からの 5 年間で 2,606 名の削減目標がたてられています。 今後とも納税者の皆様の信頼と期待に応え、いわゆる顧客満足度を高めていくため、 国税庁は、税務行政を取り巻く環境の変化に的確に対応し、新たな課題に対して、創意 工夫しながら税務行政の効率化、納税者利便の一層の向上及び適正・公平な課税の実現 に努めることとしています。 平成 14 事務年度においては、自書申告の推進・定着、電子申告等の導入に向けた取組、 滞納防止策の充実と滞納整理の促進に引き続き重点的に取り組みます。 【2-2-1 電子申告等の着実な導入】 (3)事務の実施に当たっては、透明性と効率性に配意しつつ事務を行うこと(実施基準・準 則第 4 条本書)が求められています。実績の評価の実施を通じて、税務行政の透明性の確 保、事務運営の改善等の一層の充実を図るとともに、納税者の皆様の視点に立って、職 員の応接態度や税務署の利用のしやすさに配意するなど納税者利便の向上を図り、税務 行政に対する信頼と協力を得ることができるよう、事務に取り組みます。 【2-2-2 来署納税者の好感度】 【2-2-3 苦情の3日以内の処理件数割合】 (納税環境の整備) ○業績目標 2-2-1-1:申告・納税に関する法令解釈や事務手続などについて、分かりや すく的確に周知・広報を行います。 「実施基準・準則第 4 条第 1 号イ (イ)」 納税者の皆様の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現するため、納税者の 皆様の適正な申告・納税に有用な情報を公表するとともに、広く国民各層に対しても 各種広報媒体を活用するなどして、身近な税の情報や業務内容等をお知らせし、税に ついての正しい理解が得られるように広報の充実に努めています。 【2-2-4 国税の広報に関する評価】 【2-2-5 法令解釈通達の公表割合】 【2-2-6 ホームページへの法令解釈通達の掲載割合】 ○業績目標 2-2-1-2:納税者からの問い合わせや相談に対して、迅速かつ的確に対応し ます。「実施基準・準則第 4 条第 1 号イ(ロ)」 申告納税制度が円滑に機能するためには、納税者の皆様が正しく申告・納税してい ただくことが重要となります。そのため、納税者の皆様が気軽に税に関する相談がで きるような税務相談体制を整備し、納税者の皆様からの問合せや相談に対して、迅速・ 的確かつ親切に対応しています。 【2-2-7 税務相談室における面接相談の満足度】 【2-2-8 税務相談室における電話相談の満足度】 【2-2-9 納税証明書の 15 分以内の発行割合】 【2-2-10 所得税還付金の一定期間内の処理件数割合】 ○業績目標 2-2-1-3:租税の役割や税務行政について幅広い理解や協力を得るため、関 係省庁等及び国民各層からの幅広い協力や参加の確保に努めます。 「実施基準・準則第 4 条第 1 号イ(ハ)」 税務行政の運営に当たっては、申告納税制度が円滑に機能するよう国民の皆様の理 解と信頼を得ることが基本になります。租税の役割や税務行政について国民各層から の幅広い理解、協力や参加を得るため、広聴機能の強化、租税教育の充実、各種説明 会の開催及び地方公共団体との協力体制の推進、更には、広く社会人を対象とした公 開講座の実施等を行っています。 【2-2-11 国税の広聴活動に関する評価】 【2-2-12 租税教育に関する評価】 (適正・公平な税務行政の推進) ○業績目標 2-2-2-1:適正・公平な課税を実現するため、関係法令を適正に適用します。 「実施基準・準則第 4 条第 1 号ロ(イ)」 申告納税制度が円滑に機能することを目指して、適正・公平な課税を実現するため には、納税者の皆様の立場に立って、国民の皆様すべてに均一・均質の税務行政サー ビスが提供されていることを確認しつつ、関係法令を適正に適用します。 【2-2-13 「更正の請求」の3か月以内の処理件数割合】 【2-2-14 酒類製造及び販売業免許申請の標準期間内の処理件数割合】 ○業績目標 2-2-2-2:適正・公平な課税を実現するため、適正申告の実現に努めるとと もに、申告が適正でないと認められる納税者に対しては的確な調 査・指導を実施することにより誤りを確実に是正します。 「実施基 準・準則第 4 条第 1 号ロ(ロ)」 税務行政について、国民の皆様の理解と信頼を得るため、適正・公平な課税の実現 を目指すとともに、納税者の皆様の視点に立った納税者サービスの一層の充実を図る 観点から自書申告の推進・定着及び電子申告等の導入に向けて取り組みます。 また、適正に申告されている方とそうでない方との課税の公平を図るため、資料情 報の収集・分析に努めるとともに、申告が適正でないと認められる法人や個人に対し て、的確な調査・指導の実施に努めています。 ○業績目標 2-2-2-3:適正・公平な課税を実現するため、期限内収納の実現に努めると ともに、期限内に納付を行わない納税者に対して滞納処分を執行す るなどにより確実に徴収します。 「実施基準・準則第 4 条第 1 号ロ (ハ)」 期限内収納の確保と滞納整理は、申告・調査による適正課税の確保と並んで税務行 政を支える事務の中心であり、適正・公平な課税の実現は、これらの事務が適正に行 われて初めて完結するものです。 このため、租税収入の円滑な確保に努めるとともに、期限内に納付しない納税者に 対して、滞納処分を執行するなどにより、確実な徴収に努めています。 ○業績目標 2-2-2-4:納税者の正当な権利利益の救済を図るため、不服申立て等に適正・ 迅速に対応します。 「実施基準・準則第 4 条第 1 号ロ(ニ)」 国際化、高度情報化等の経済社会の変化に対し的確かつ柔軟な対応が求められてい る中で、審理、不服審査や訟務の重要性もますます高まるものと考えられ、税務行政 全体として適切に遂行していく必要があります。 行政不服審査制度は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行 為に関して、簡易・迅速な手続により納税者の皆様の権利利益の救済を図るとともに、 行政の適正な運営を確保することを目的とするものであり、税務行政の適正な執行を 担保する上で重要な役割を果たしています。納税者の皆様の理解と信頼を得るよう、 適正かつ迅速な処理を目指すとともに、より利用しやすい環境の整備に努めています。 ○実績目標2−3:酒類業の健全な発達の促進 政策所管課等:国税庁(酒税課、鑑定企画官) 基本的考え方 酒類産業行政は、経済社会情勢の変化に対応して、総合的視点から酒類業界に必要な 施策を行うとともに、酒類取引の安定を図ることにより、酒類業の健全な発達と酒税の 確保に資することを目的としています。 酒類業界は、国際化の進展や酒類の消費構造の変化、規制緩和を含む経済社会システ ムの改革の進展など生産・流通・消費のあらゆる面における大きな環境変化と未成年者 飲酒防止、酒類容器のリサイクル等の社会変化に直面しています。 このような状況下において、消費者の利益にも配慮した施策を講じることによって、 酒類業の健全な発達の促進に努めています。 酒類の品質・安全性の確保は酒類製造業者が行うことが原則ですが、酒類製造業者の 多くが中小企業であり技術基盤が弱い実態を踏まえ、必要に応じて技術指導を実施し、 その際には、市場に流通している酒類の品質・安全性にかかわる成分の実態把握を行っ ています。 なお、酒類業の発達、改善や酒類の品質・安全性の確保に向け、必要な醸造技術等の 研究・開発を独立行政法人酒類総合研究所と連携して行います。(実施基準・準則第 3 条 及び第 4 条第 2 号) ○業績目標 2-3-1:酒類業者の経営基盤の安定を図るとともに、消費者利益の観点か ら、酒類の品質・安全性の確保を図り、未成年者飲酒防止等につい ても適切な配慮を行います。「実施基準・準則第 4 条第 2 号イ」 (1) 酒類業者の経営基盤の安定等 酒類業の健全な発達を図るためには、酒類業者の大部分を占める中小企業が、 経済社会環境の変化に適切に対応できるよう、活性化・経営革新に向けた酒類 業者の自主的な取組を啓発・支援するとともに、公正なルールに基づく競争環 境を整備していくことが不可欠です。 また、致酔性・依存性を有する酒類の特性に鑑み、より良い飲酒環境を形成 する観点から、関係者が協力して、未成年者飲酒防止対策に取り組むことが必 要です。 このため、酒類業組合等に対して各種行政施策の説明を行うなど、経営活性 化、公正取引及び未成年者飲酒防止に関する取組を促します。また、酒類の取 引実態調査を実施して、取引の実態を把握するとともに、公正なルールに基づ く競争環境の整備に努めます。 (2) 酒類の品質・安全性の確保等 酒類は嗜好品であり、国民の消費生活に関係の深い飲料であることから、酒 類製造等の技術指導、酒類の品質・安全性の確保や醸造技術の研究・開発を行 うことが必要です。 このため、技術基盤の弱い中小酒類製造業者に対して、必要に応じて製造工 程の改善に関する技術指導を実施するとともに、市販酒類を小売店等から買い 上げ、品質評価や理化学分析を行い、その結果を公表します。また、酒類製造 業者にも通知します。 ○業績目標 2-3-2:環境保全の観点から、酒類容器のリサイクルなど、酒類に係る資源 の有効な利用の確保に努めます。「実施基準・準則第 4 条第 2 号ロ」 「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」や「食品循環資源 の再生利用等の促進に関する法律」等により、酒類容器のリサイクルや酒類の製造・ 販売段階において発生する食品廃棄物等の発生抑制と適切な再生利用などの対応が 求められており、酒類に係る資源の有効な利用の確保に取り組むことが必要となっ ています。 このため、酒類業組合等を通じて、酒類業者にこれらの行政施策の周知・啓発を 図るよう努めていきます。 ○実績目標2−4:税理士業務の適正な運営の確保 政策所管課等:国税庁(総務課) 基本的考え方 (1)税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制 度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税 義務の適正な実現を図ることを使命(税理士法第 1 条)としています。 (2)税理士制度は、社会公共的な使命を負っている税理士が納税義務者を援助すること によって、納税義務を適正に実現し、これによって申告納税制度の円滑、適正な運営 に資することを期待して設けられたものです。 また、昭和 26 年(1951 年)に税理士法が施行されて以来、税理士制度は時代の推移 とともに変化する社会の要請に応えて申告納税制度の定着と発展に寄与するとともに、 納税義務の適正な実現、納税者の皆様に対する税知識の普及、国家財政の確保に大き な役割を果たしています。 (3)国税庁は、本年4月から施行される改正税理士法の早期定着を図ります。 また、税理士制度の趣旨を踏まえて、信頼される税理士制度を確立するため、税理 士会との協議会等を通じて、税理士に対して正確な税法の理解と業務の適正な運営の 周知を図るとともに、税理士に対する適切な指導監督を行い、税理士業務の適正な運 営の確保に努めています。(実施基準・準則第 4 条第 3 号) ○政策目標2−5:関税等の適正な賦課及び徴収 政策所管課等:関税局業務課、総務課、監視課、調査保税課、関税中央分析所 基本的考え方 (1)納税環境の整備 現在、関税及び輸入品に係る内国消費税については、原則として申告納税制度が採用さ れており、関税等の適正な賦課及び徴収を確保するためには、輸入者の方々に対する積極 的な情報提供等を通じて、適正な申告が可能となる納税環境を整備することが必要です。 このため、次の業績目標及び業績指標を設定します。 ○業績目標 2-5-1-1:輸入者に対する関税制度の周知、関税率表の所属区分等の周知を図る。 適正な申告をしていただくためには、何よりも関税制度自体について輸入者の方々 に十分な情報を提供することが必要です。このため、ホームページへの情報掲載等、 関税制度についての広報に努めるとともに、制度改正に際しては説明会等を積極的に 開催します。また、輸入しようとする貨物の品目分類、適用税率について輸入者の方々 にとって予め判明しやすくするため、参考情報を提供するシステムの設置やこのよう な情報の刊行物への掲載等を通じて情報提供に努めます。 当該目標に対応する業績指標として、 「税関ホームページへのアクセス件数」を設定 し、インターネットを通じた情報提供の浸透状況を測定します。税関ホームページは、 これまで関税制度、税関手続案内、貿易統計等の情報を提供してきましたが、14 年度 においては、品目分類情報、課税価格の換算に用いる外国為替情報、保税地域情報、 知的財産権侵害物品に係る輸入差止申立情報、ワシントン条約情報等、新規掲載情報 を増やし内容を一層充実させるとともに、貿易統計等について情報の検索機能を付加 する等利用者の方々にとっての利便性の向上を図ります。 【2-5-1 税関ホームページへのアクセス件数】 (単位:件) 平成 10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度目標値 集計実績無 59,952 142,041 N.A. 増加 アクセス件数 (出所)関税局総務課調 (注)財務省ホームページ内に開設している税関ホームページ(トップページ)のアクセス件数。 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書に て公表予定。 ○業績目標 2-5-1-2:カスタムスアンサーの機能強化等税関相談・事前教示の充実を図る。 税関では、輸出入者の方々に適正な申告をしていただく一助として、関税に関する法 律の解釈・適用、申告・申請等の手続に関する相談を受け付ける総合的な窓口として、 税関相談官を設置しています。また、平成 8 年から税関手続についての相談を音声又 はファックスで自動的に回答する「カスタムスアンサー」を導入しています。このよ うな取組により、他省庁所管の手続を含む輸出入関連手続全般にわたる幅広い情報を 提供します。 当該目標に対応する業績指標として、 「税関相談制度の運用状況(税関相談に即日で 対応した割合)」を設定し、税関相談に迅速に対応できているかどうかを測定します。 14 年度においては、本指標の向上を目指して業務運営を行います。 また、対応の速さのみでなく、税関相談事務の内容が利用者の方々の要望に適った ものであるかどうかを測るため、 「税関相談制度の運用状況(税関相談についての利用 者満足度)」を設定します。 本指標は税関相談制度の利用者の満足度合いをアンケート調査し、次年度以降の業 務の改善に生かすものです。具体的には、税関相談制度についての総合的な満足の度 合いを、回答者の方々にとって迷い・遠慮を少なくするため7段階(大変満足、満足、 どちらかといえば満足、どちらともいえない、どちらかといえば不満、不満、大変不 満)の選択肢に分けて、そのうち上位2段階(大変満足、満足)の割合を「税関相談 の運用状況(税関相談についての利用者満足度) 」として示します。また、税関相談制 度を構成する個別の事務の内容についても、アンケート調査により利用者の印象、意 見等を聴取し、その結果を分析することにより、税関相談制度について改善を図り、 利用者の方々の要望により適ったものとしていきます。 さらに、「カスタムスアンサー」については、平成 12 年度から税関ホームページに 掲載しているところですが、掲載率を 100%とすることを目指します。 【2-5-2 税関相談制度の運用状況(税関相談に即日で対応した割合) 】 平成 10 年度 割合 11 年度 12 年度 集計実績無 (単位:%) 13 年度 14 年度目標値 N.A. 向上 (出所)関税局業務課調 (注)税関相談官が処理した事案のうち、受付から回答までの所要時間が即日だったものの割合。 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書 にて公表予定。 【2-5-3 税関相談制度の運用状況(税関相談についての利用者満足度) 】 平成 10 年度 満足度 集計実績無 11 年度 12 年度 (単位:%) 13 年度 14 年度目標値 N.A. 向上 (出所)関税局業務課調 (注)アンケート調査により計測 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書 にて公表予定。 【2-5-4 カスタムスアンサー利用状況(インターネット掲載率) 】 平成 10 年度 掲載率 ― 11 年度 ― 12 年度 94.7 13 年度 (単位:%) 14 年度目標値 94.7 100 (出所)関税局業務課調 (注)インターネット版掲載コード/カスタムスアンサー照会用コード数 また、税関においては、輸入者の方々に適正な申告をしていただく一助として、輸入 を予定している貨物の品目分類、適用税率について、事前に照会を受け付け、回答を行 う事前教示制度を設けています。本制度の利用により、税関にとっては、適正な輸入 申告が確保されるとともに、輸入者の方々にとっても、事前に関税率が判明し原価計 算が確実に行える、通関の迅速化が図られる等大きなメリットがあります。 当該目標に対応する業績指標として、 「事前教示制度の運用状況(事前教示に一定期 間以内で回答した割合)」を設定し、事前教示に迅速に対応できているかどうかを測定 します。事前教示の中には、過去の類似する事例を参考として利用できることから比 較的時間を要せず回答できるものもありますが、様々な調査など慎重な検討が必要と なり時間を要するものがあります。このようなものであっても迅速な対応に努めるた め、14 年度においては、13 年度に引き続き、文書による照会に対して 30 日以内で回 答した割合(回答するために必要な資料等の提供が遅れるなど税関が関与できない要 因により 30 日以内に回答できない場合を除く。 )について、95%程度以上となること を目指して業務運営に努めます。また、口頭による照会については、即日で回答した 割合(回答又は質問のための税関からの電話等に照会者が応答しないなど税関が関与 できない要因により即日に回答できない場合を除く。 )について、本指標の向上を目指 して業務運営を行います。 【2-5-5 事前教示制度の運用状況(事前教示に一定期間以内で回答した割合) 】 (単位:%) 平成 10 年度 文書による回答 口頭による回答 89.0 集計実績無 11 年度 92.3 12 年度 13 年度 14 年度目標値 87.4 N.A. 95 程度以上 N.A. 向上 (出所)関税局業務課調 (注)事前教示回答件数のうち、受付から回答までの所要時間が一定期間(文書による回答につ いては 30 日、口頭による回答については即日)以内であったものの割合。 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書 にて公表予定。 (2)適正な納税申告の確保 税関は、情報提供等を通じて輸出入者の方々に適正な申告をお願いするばかりでなく、 能動的に諸施策を講ずる必要があります。このため、次の業績目標及び業績指標を設定 します。 ○業績目標 2-5-2-1:税関における輸入品の品目分類及び課税価格の評価の適正性を確保する。 関税等の適正な賦課及び徴収を確保するには、申告内容(品目分類及び課税価格等) の適正性を審査・確認するため、税関において、必要に応じて輸入貨物を実際に検査 したり、その組成等を分析することが必要です。経済のグローバル化が進む中で、迅速 な通関の要請に応えつつ、税関における審査・検査等を的確に実施していくことが社 会的な要請となっています。 さらに、税関においては、輸入許可後において、輸入貨物に係る納税申告(輸入申 告)が適正に行われていたか否かの調査を実施しており、これを事後調査と言います。 その際、不適正な申告に対する是正措置を講じるとともに、輸入者の方々にコンプラ イアンス(法令遵守)意識を一層高めていただく観点から、適切な申告指導を行うこ ととしています。税関は、こうした事後調査を適時・的確に実施するために、調査水 準の維持・向上に努めています。 当該目標に対応する業績指標として、 「卓越した着想・評価手法等による非違発見事 案の件数」を設定し、審査・検査及び事後調査事務の水準の向上が図られているかど うかを測定します。 本指標は、通関(旅具通関を含む)時及び事後調査等において発見した非違事案(審 理部門において摘発した関税等ほ脱事犯を含む)について、情報の収集・分析・活用、 着眼点、困難性等の観点から設定した選考基準に基づき、ポイント制で評価し、評点 が合計で3点以上又は一項目で満点(2点)となる事案の件数を計上するものです。 〔選考基準〕 1.情報の収集・分析・活用 創意工夫を凝らした情報の収集、分析又は活用が非違発見(関税等ほ脱事犯の摘 発を含む。以下同じ。)の端緒となった場合に1点を与える。 なお、当該創意工夫が他の事案における非違発見に有効であると認められる場合 には更に1点を加点する。 2.着眼点 担当者が細心の注意力や推理力を発揮して非違を発見した場合に1点を与える。 なお、着眼点が過去に例のないような優れたもので、他の事案における非違発見 に有効であると認められる場合には更に1点を加点する。 3.困難性 地道な努力や粘り強い調査等により困難を克服して非違を発見した場合に1点を 与える。 なお、特に程度の高い困難を克服した場合には更に1点を加点する。 4.その他の卓越性 以上のほか、非違発見等に関し、事務処理の効率化又は機器の活用等に創意工夫 が認められる場合に1点を与える。 なお、当該創意工夫が他の事案における非違発見に有効であると認められる場合 には更に1点を加点する。 【2-5-6 卓越した着想・調査手法等による非違発見事案の件数】 平成 10 年度 非違発見事案の件数 11 年度 集計実績無 12 年度 (単位:件) 13 年度 14 年度目標値 N.A. 増加 (出所)関税局監視課、業務課、調査保税課調 (注)各事案について、情報の収集・分析・活用、着眼点、困難性等の観点から評点し、一定基 準以上のものの件数を計上 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書 にて公表予定。 ○業績目標 2-5-2-2:通関業者の業務の適正な運営により関税の適正な申告及び納付を確 保するため、通関業者・通関士に対する適切な指導・監督を行う。 通関手続は専門的な知識を必要とするため、輸出入者の方々の多くは、通関手続を自 ら行うのでなく、専門家である通関業者に依頼しています。適正な納税申告が行われ るためには、専門家である通関業者・通関士の適正な業務遂行が必要であり、こうした 観点から、通関業者・通関士に対する適切な指導・監督等を実施します。 ○業績目標 2-5-2-3:物流業界を取り巻く環境の変化等に対応しつつ、保税地域における 適正な貨物管理を確保するため、保税制度の適切な運用を図る。 輸入の許可を受ける前の外国から本邦に到着した貨物については、貨物の荷抜け、 すり替えを防止するとともに、効率的な税関検査の実施を確保するため、原則として、 税関の監督下にある特定の地域(保税地域)に置くこととされています。当該制度を 適切に運用し、保税地域において外国貨物が適正に管理されることを通じて、適正な 納税申告の確保を図ります。 政策目標3:財政投融資の適正かつ効果的な実施 ○政策目標3−1:民間では実施困難であるが政策として必要な事業を実施する機関への資金供 給の確保と重点化・効率化 政策所管課等:理財局財政投融資総括課、管理課、計画官 基本的考え方 国の政策分野の中には、目的や性格に応じて、租税財源ではなく有償資金を活用することが 適当な分野があります。財政投融資は、そのような分野の事業を効率的・効果的に推進するた めに活用されています。すなわち、財政投融資は、租税財源でなく、有償資金を用いて、民間 では実施困難な大規模・超長期プロジェクトを実施したり、民間金融では融資困難な長期資金 を供給することにより、財政政策の中で有償資金の活用が適切な政策分野に効率的・効果的に 対応する仕組みです。 そこで、本政策目標3−1においては、以下の具体的な施策を行います。 ○施策1 財政投融資対象機関のうち、道路、空港等の事業実施機関については、各機関が実施して いる大規模・超長期プロジェクト等の進捗状況、収支状況等について、各年度の財政投融資 計画の編成や財政投融資の実行等を通じて把握し、その内容を各年度の財政投融資計画に反 映させます。 ○施策2 財政投融資対象機関のうち、政策金融機関については、各機関の出口の融資の実行状況、 リスク管理債権や繰上償還等の財務状況や民間金融機関の融資状況を把握し、国民のニーズ や社会・経済情勢の変化などに応じて、融資制度の不断の見直しを行うこととし、その内容 を各年度の財政投融資計画に反映させます。 ○施策3 政策金融機関への投融資については、貸渋り対策等の政策対応に万全を期する観点からの セーフティネットとしての性格が強いため、結果として、貸付けが見込みを下回り、その結 果、財政融資資金からの機関への貸付計画も一部不用になる場合があります。こうした点に は留意しつつも、財政融資資金を効率的・効果的に活用する観点から、財政投融資対象機関 全般について、できる限り財政投融資計画の不用額を縮減するよう努めます。 ○施策4 財政投融資計画の編成について、各省庁・各機関に対し、それぞれの施策・事業に関する 政策評価の提出を求め、また、財政投融資の運用等に関するディスクロージャーの一層の充 実を進めながら、審査過程を透明性のあるオープンな編成とするよう努めます。 例えば、財政投融資計画の編成について財政制度等審議会財投分科会で御審議頂く際、各 省・各機関側の要求内容及びその政策評価を提示するとともに、それらに対する編成上の論 点を併せて示す等により、透明性を高めることとします。 また、財務省のホームページや「財政投融資レポート」の内容を一層充実するとともに、 よりわかり易いものとなるよう工夫します。これにより、財政投融資に関するホームページ のアクセス件数が対前年度以上となることを目指します。 【3-1-1 財政投融資ホームページへのアクセス件数】 平成 10 年度 平成 11 年度 平成 12 年度 アクセス件数 ― 44,241 44,390 平成 13 年度 N.A. (単位:件) 平成 14 年度 前年度以上 (目標) (出所)大臣官房文書課広報室調 (注1)上記は、財務省ホームページ内に開設している財政投融資のホームページ(トップページ)のアクセス件数で ある。 (注2)財務省本省内からのアクセス件数は除く。 (注3)平成13年度は、14年3月末以降にデータが確定するため、評価報告時に掲載する。 ○施策5 政策コスト分析については、 平成14 年度の財政融資対象の全特殊法人等31 機関について、 引き続き、各財投機関が、事業・施策に係る一定の前提条件を設定して計算することとし、 財政投融資対象事業に係る将来の国民負担に関するディスクロージャーを行います。 また、金利や事業収入等の前提条件が変化した場合の政策コストの変化を見る感応度分析 について、平成 13 年度は 12 機関において実施していますが、14 年度は更に対象機関の拡充 に取り組みます。その際、前提条件が変動し易く、それによって政策コスト分析の結果が大 きく変わり得るケースについては、それに応じた前提条件を設定する等、よりきめ細かなも のとします。 ○政策目標3−2:財投債による確実な資金調達とALMの充実 政策所管課等:理財局財政投融資総括課 基本的考え方 平成 13 年度からの財政投融資制度の抜本的改革により、財政投融資は、郵便貯金や年金積立 金の全額が資金運用部に預託されるという従来の仕組みが改められ、特殊法人等が施策を遂行 する上で真に必要となる資金を財投債を発行することにより市場から調達する仕組みに変える など、その仕組みを抜本的に改め、市場経済との調和が図られました。また、財政投融資の運 用期間が長期にわたる一方、必要な資金を財投債として市場から調達する仕組みとなっている ことから、ALM(資産・負債管理)が財政融資資金の管理および運用に関する重要な課題と なりました。 そこで、本政策目標3−2においては、以下の具体的な施策を行います。 ○施策1 財投債については、既往の貸付の継続に関わる資金繰り及び市場に与える影響に配慮し、 平成 13 年度から7年間の経過措置として、郵便貯金・年金等が財投債の一部を直接引き受け る措置が講じられています。 財投債の規模は、財政融資資金による新たな貸付及び既往の貸付の継続に必要な資金を十分 に精査したものとします。また、上記直接引受けは、経過措置であるため、新規分の直接引 受けについては、漸次、その割合を低下していくこととしており、今後、次第に財投債の市 中発行割合を高めていきます。 ○施策2 ALM(資産・負債管理)について、財政融資資金の管理および運用に関する重点課題と 位置付け、その適切な実施に努めます。財投債の発行年限についても、国債全体の発行年限 の中で、長期の貸付を行っている財政融資資金の資産内容を踏まえた年限構成となるよう努 めます。 ○施策3 財政融資資金の透明性を高め、市場からの信認を維持するため、財政融資資金の資産・負 債の状況等についてディスクロージャーを更に充実します。例えば、保有有価証券等の内訳 の公表を充実します。 政策目標4:国の資産・負債及び国庫の適正な管理並びに通貨に対する信頼の維持 ○政策目標4−1:国有財産の適正かつ効率的な管理及び処分と電子情報処理システム を活用した現状把握及び情報開示 政策所管課等:理財局国有財産企画課、国有財産情報室、国有財産調整課、 国有財産有効利用推進室、国有財産業務課、特定国有財産整備室、 総務課調査室、国有財産審理課 基本的考え方 (1)各省庁の管理する国有財産の有効活用の促進 国有財産は、国の庁舎等行政目的の遂行のために供する「行政財産」と行政財産 以外の一切の財産である「普通財産」とに分類されています。 行政財産は、国の庁舎等行政目的の遂行のために供されているものであり、各省 庁が管理することとされていますが、土地、建物等の不動産が現在の用途において 有効に利用されていない場合、他に転用することにより有効に利用し、また、国全 体として不要となった場合には、速やかに処分する必要があります。 したがって、行政財産の管理及び処分においては、このような利用や処分を含め ての国全体としての有効活用という観点から総合調整が必要であり、国有財産法に より、この役割が財務大臣に与えられています。 ○業績目標4-1-1-1:国有財産全体の有効活用の促進を図るため、行政財産等の使用状況実 態調査結果のフォローアップを行う。 平成10年度から3ヵ年間で実施した行政財産等の使用状況実態調査の結果、有効 に利用する必要が認められ処理計画が策定された財産について、フォローアップを 行い、平成13年度における処理状況等の結果を取りまとめるとともに、処理未済と なっている財産については各省庁に処理計画に沿った早期処理を要請します。 また、フォローアップ結果については、インターネット等により処理済状況等を 一件別に公表します。 (2)財務省の管理する国有財産の適正かつ効率的な管理及び処分 普通財産の管理及び処分については、法令による特例を除き、財務省が行うこと とされています。 普通財産は、米軍へ提供している財産や地方公共団体への無償貸付財産(公園用 地等)などのように特定の目的に供されている財産を除き、国の行政目的のために 所有しているものではないので、最終的には、今後行政目的の遂行のために供する こと等が想定されるものを除き、金銭に換価して財政収入とすることが適当な財産 といえるものです。 現在未利用となっている財産の処分にあたっては、物納財産のように原則として 速やかに換金すべき財産については、効率的かつ計画的な売却促進に努めるととも に、都市部に所在する大規模財産など財産の性質に応じ、地域の再開発や街づくり に寄与し都市再生の推進に貢献するような処分に努めます。 なお、処分するまでの間は、適正かつ効率的な維持管理に努める必要があります。 ○業績目標4-1-2-1:未利用国有地の売却促進を図るため、未利用国有地等の処分可 能性について点検を行う。 未利用国有地等について、平成10年度に総点検を行い、「公用・公共用に利用する 財産」と「それ以外の財産」に区分し、後者は、さらに「処分対象財産」及び「処分 困難財産」に仕分けし、処分対象財産については、売却促進を図っています。 未利用国有地等の点検については、この総点検のフォローアップを平成14年度 も引き続き行い、処理状況の把握及び区分等の見直しを行うとともに、新たに発 生する未利用国有地等についても総点検と同様に区分することとし、これに基づ き処分対象財産の処理促進に努めます。 ○業績目標4-1-2-2:処分対象となっている未利用国有地の売却促進を図るため、売 却手法の多様化を図りつつ、計画的に早期処分に努める。 未利用国有地等については、平成12年度末現在、全国で約15,600件のストック を抱えており、更なる売却促進を図る必要があります。 処分対象財産となっている未利用国有地等について、一般競争入札及び価格公 示売却方式により、売却促進を図ります。 特に、平成14年度においては、郵送による期間入札(一般競争入札のうち、国 有財産中央審議会からの売却手法の多様化の提言等を踏まえ、平成11年度に導入 した手法。)の一層の推進を柱として、売却実施件数の増加を図ることとし、具 体的には、前年度約2,900件に比べて約3割増の約3,900件を目標に売却促進に努め ることとします。 また、郵送による期間入札以外の売却手法が適当と考えられる物件については、 それぞれの物件の内容等を踏まえ、例えば、都市部に所在する大規模物件につい ては、応札者が不動産の証券化により資金調達することが可能となるような入札 方式を実施する等、適切な売却手法を検討し、可能なものから実施することとし ます。 【4-1-1 未利用国有地等の売却実施計画及び実績の推移(一般会計)】 (単位:件、%) 区 分 売却実施計画 売却実施実績 実施率 一般競争入札 839 905 108 平成10年度 価格公示売却 1,551 1,583 102 合計 2,390 2,488 104 一般競争入札 1,655 1,689 102 平成11年度 価格公示売却 1,182 1,182 100 合計 2,837 2,871 101 一般競争入札 2,006 2,221 111 平成12年度 価格公示売却 896 864 96 合計 2,902 3,085 106 一般競争入札 2,008 N.A. N.A. 平成13年度 価格公示売却 894 N.A. N.A. 合計 2,902 N.A. N.A. 一般競争入札 3,829 平成14年度 価格公示売却 97 合計 3,926 (出所)財務局等から報告を受けて、国有財産業務課で集計 (注)平成13年度の売却実施実績は、年度終了後5月末にデータが確定するため、実績評価書に掲載しま す。 ○業績目標4-1-2-3:普通財産の管理及び処分について、事務の効率化及び外部委託 の活用などにより、適正かつ迅速な事務処理に努める。 ① 未利用国有地を処分するまでの間の管理(草刈・柵設置・不法投棄物処理等)に ついて、予算の費用対効果の観点からの効率性や有効性等を踏まえつつ、適正な維 持管理に努めます。 ② 地方公共団体等及び借地権等を有している権利者に対して貸付けを行ってい る財産については、機会に応じて買受勧奨を行い、借主が引き続き貸付けを希 望する場合には、貸付料の改定、貸付期間の更新等の事務手続を適正に行いま す。 ③ けいはん 脱落地、畦畔等で所有権が不明確な財産に対する所有確認のための調査依頼や国 有地と民有地との境界の確認に関する申請などの住民からの要請に対しては、申請 に至る背景等を的確に把握し、速やかに法務局等の関係機関への照会調査や現地 確認調査等を行い、適正な事務処理に努めます。 ④ 普通財産の売却及び貸付事務等の管理処分事務について、外部委託の活用を 積極的に推進します。 平成14年度においては、未利用物納財産等の処分、旧里道(道路)・水路及 び権利付財産の管理処分について、価格決定事務や契約事務など会計法令によ り国自らが行わなければならない事務を除き、100%の外部委託を目指します。 【4-1-2 普通財産の管理処分事務の外部委託状況】 平成14年度 区 項 分 合 (単位:件、%) 計 発 注 受注者の 委託発注率 したもの ないもの A B B/A 目 一 般 競 争 入 札 価 格 公 示 売 却 旧里道・水路の売払 旧里道・水路の貸付 旧里道・水路の交換・譲与 権 利 付 財 産 の 売 却 権利付財産の新規貸付 権利付財産の継続貸付 合 計 (出所)財務局等から報告を受けて、国有財産業務課で集計 (注)平成14年度の実績は、年度終了後にデータが確定するため、実績評価書に掲載します。 ⑤ 地方分権推進計画に基づき、法定外公共物のうち機能を有しているものにつ いて、地元市町村からの譲与申請(平成12年4月1日から5年以内を目途)を受 け、譲与契約の締結について迅速な処理に努め、平成17年3月31日までに譲与 の完了を目指します。 (注)法定外公共物とは、道路法、河川法等の適用又は準用を受けない公共物 をいい、代表的なものとして里道(道路)や水路があります。 また、法定外公共物のうち機能を有しているものとは、地域住民等に里 道や水路等の用途で現に使われているものをいいます。 ⑥ 機能を喪失した法定外公共物は、国有財産法の規定によって用途の廃止手続 が行われます(「用途廃止財産」という。)が、それらの用途廃止財産等の売 却事務について、確実な処理に努めるとともに、隣接土地所有者からの売却の 申請書を受け付けてから売却価格を通知するまでの期間を30日(休日その他の 閉庁日を除く。)以内とするよう事務処理の迅速化に努めます。 (注)住宅の建替え等に伴い、所有地内に機能を喪失した里道・水路などがあ ることが確認された場合には、使用者等の申請により、用途廃止された当 該里道・水路などを財務局が引き受けて当該使用者等への売却等の処理を 行っています。 【4-1-3 用途廃止財産等の売却事務処理状況】 平成14年度 (単位:件、%) うち30日 (閉庁日を除く)以 売却価格通知件数 A 処理率 B/A 内処理件数 B (出所)財務局等から報告を受けて、国有財産業務課で集計 (注) 平成14年度の実績は、年度終了後にデータが確定するため、実績評価書に掲載しま す。 ⑦ 相続税物納申請財産については、収納の適否の判断にあたり、管理又は処分 に関し財務局等の意見を必要とするものについて、国税当局との連絡を密にし つつ、措置すべき事項、補正を要すべき事項がある場合には、税務署等に対し、 これらの事項を速やかに連絡する等、引受事務の円滑な処理に努めます。 ⑧ 有財産に関する相談・照会等に対しては、その場で回答できないものについ ては、その理由を示すとともに原則として1週間以内に回答又は途中経過を連 絡することとします。 なお、応接にあたっては、できる限り専門用語を避け、平易な言葉を用いつ つ、親切・丁寧な応接に心掛けます。 【4-1-4 国有財産に関する相談・照会等の処理状況】 平成14年度 (単位:件、%) う ち 1週 間 以 内 に 回 答 又 は 相談・照会等件数 A 途中経過を連絡した件数 B 処理率 B/A (出所)相談・照会等実績を国有財産審理課で集計 (注) 平成14年度の実績は、年度終了後にデータが確定するため、実績評価書に掲載しま す。 ⑨ 国債整理基金特別会計に属するNTT株式及びJT株式について、当該年度の予 算の限度数の範囲内で、株式市場の動向等を見つつ、処分を進めます。 (3)電子情報処理システムを活用した国有財産の的確な現状把握と積極的な情報開示 国有財産総合情報システム(各省庁、各財務局をネットワーク化することにより、 国有財産に関する情報をデータベース化し、国有財産の現状把握や情報提供に活用 するシステム)を導入し、国有財産のより効率的な現状把握を行うとともに、財務 省で取りまとめている国有財産全体の現在額等及び財務省が売却を予定している 財産や主要な売却実績等について、冊子やパンフレットのほかインターネットの活 用等国民が利用しやすい方法による情報公開、情報発信に努めます。 ○業績目標4-1-3-1: 国有財産の現在額及び処理実績等の現状を的確に把握する。 ① 国有財産の現在額等について、国有財産総合情報システムを導入してより効 率的に把握するとともに、毎年度、会計検査院の検査を経た上で国会に報告し ます(「国有財産増減及び現在額総計算書・国有財産無償貸付状況総計算書」 等)。 ② 処分対象財産となっている未利用国有地等の売却結果を取りまとめ、今後の売却 促進に資することとします。 ○業績目標4-1-3-2: 国有財産の現状に関する情報公開や情報発信を積極的に推進 する。 ① 国有財産の現在額等や処分状況等の情報について、冊子を発行するとともに、 国有財産総合情報システムを活用してインターネットのホームページ(国有財 産情報公開システム等)を充実することとし、特に、平成14年度においては、 行政財産に加え普通財産についても、その所在地、数量、台帳価格等の具体的 な情報を一件別に提供するなど、国民に利用しやすい方法による情報提供及び 情報発信の拡大を図ります。 ② インターネットを通じた国有財産情報に対するアクセス状況を把握し、公表 するとともに、これを踏まえホームページのより一層の充実を図ります。 ○政策目標4−2:庁舎及び宿舎の計画的整備の推進と新たな手法の活用 政策所管課等:理財局国有財産企画課、国有財産調整課、特定国有財産整備室 基本的考え方 政策目標4−1の基本的考え方で述べたとおり、国の庁舎等行政目的の遂行のた めに供する行政財産の管理及び処分においては、有効活用の観点から総合調整が必 要であり、国有財産法により、その役割が財務大臣に与えられています。 このため、財務大臣は、各省庁の庁舎等の取得等計画を確実に把握した上で各省 庁間の調整を行い、庁舎及び宿舎の計画的整備の推進を図る必要があります。 また、宿舎の設置にあたっては、民間の創意工夫の活用及び施設整備の効率化の 観点から、公共施設の新しい整備手法であるPFI方式を積極的に活用していくこ ととします。 ○業績目標4-2-1:各省庁の管理する庁舎等の行政財産について、計画的整備の推 進を図るため、必要な調整、審査等を的確に行うとともに、宿 舎の設置にあたり新しい整備手法であるPFI方式を積極的に 活用する。 (1)各省庁の庁舎敷地の取得等に関する調整計画の策定にあたって、各省庁から提 出された取得等予定事案について、施設整備の必要性、妥当性及び計画の実 行可能性等の審査を的確に行い、狭隘・老朽化した庁舎の建替えなど計画的 整備の推進を図るよう各省庁と必要な調整を行います。 (2)宿舎の設置に関する年度計画の策定にあたって、各省庁から提出された宿 舎設置に関する要求について、宿舎設置の必要性、妥当性及び計画の実行可 能性等の審査を的確に行い、集約立体化による老朽宿舎の建替えなど効率的、 計画的な宿舎整備を推進します。 また、宿舎整備にあたっては、IT戦略本部の重点施策である「高速・超高速 インターネットの普及の推進」の一環として、光ファイバー網の利用が可能とな るよう配管設備等の整備を行うとともに、地域の街づくりと一体となった整備を 図るため、地域の実情に応じて宿舎と商業施設等の併設等を行うなど宿舎の機能 性・利便性の向上を図ります。 なお、集約立体化に伴い不要又は余剰となる宿舎敷地を民間に売却することに より、地域の再開発を誘発するなど都市再生に資するとともに、特定国有財産整 備特別会計の活用を通じ、国民負担の軽減を図りつつ宿舎の整備を行います。 更に、平成 14 年度においては、都内の3宿舎(赤羽、駒沢及び池尻住宅)に ついて、PFI方式を活用して建替えを行うため、PFI法に定められた民間事 業の募集、選定及び契約等の手続を行います。 (3)特定国有財産整備計画の策定にあたって、各省庁から提出された庁舎及び宿舎 の整備に関する要求について、整備の必要性、処分予定財産の適否及び計画 の実行可能性等の審査を的確に行った上で、各省庁と必要な調整を図ります。 (注)特定国有財産整備計画とは、庁舎及び宿舎の用に供する国有財産につ いて、移転再配置等のための事業につき、これらの新施設整備及び見合 いの旧施設の受入れ等を定めた計画をいいます。 ○政策目標4−3:適正な予算執行の確保 政策所管課等:主計局司計課、総務課、会計センター研修部 基本的考え方 国の予算は、国会の議決に基づき各省各庁の長に配賦され、その執行の責任及び権限は各省 各庁の長に委ねられていますが、その執行にあたっては、財務大臣の承認を要するものが法令 に定められています(例:財政法第34条の規定による支払計画、財政法第43条の規定によ る歳出予算繰越の承認等) 。したがって、その承認にあたっては、その定めに則り、かつ国の支 出の経済的、効率的執行が行われるよう努めていくことや、また、予算執行の実態を調査する ことにより、次年度以降の予算の編成に反映することも必要であります。 こうした点を踏まえ、財務省としては、 (1) 事業の効果が実際に実現しているか (2) 事業の進捗していないものの要因分析 (3) 事業のコストが、例えば民間と比較して適切か 等の観点から、財務局も活用しつつ、14 年度から、予算執行調査を実施することとし、 「予算 執行評価会議(仮称) 」を新たに設置し、予算執行の一層の把握に努めて参ります。 また、毎年、会計検査院の指摘事項が相当数発生していること、機械化等により会計事務の 形態も変化してきていること等を踏まえ、合法的かつ効率的な予算執行等を行うために各種の 会議や予算執行上の留意事項の指導を行うほか、大学教授をはじめ各分野の専門家を講師に招 いた各種の研修を行うことによって、会計事務職員のより一層の資質の向上に努める必要があ ります。 ○政策目標4−4:決算の作成を通じた国の財政状況の的確な開示 政策所管課等:主計局司計課 基本的考え方 国の決算は、国会の議決によって成立した予算の執行実績を示すものであり、一会計年度に おける収入・支出の実績を計算、整理、記録したものであります。したがって、決算は予算の ような規範性はなく、政府が財政法、会計法等の定めるところに従い執行した実績を国民及び 国会に対して報告する性格を持っています。 このような決算の性格を踏まえ、広く国民が財政に対する関心及び理解を深めるためにも、 今後とも正確でわかりやすい決算の作成に努めます。 ○政策目標4−5:国庫収支の適正な調整等、国庫金の正確な管理及び効率的な運用 政策所管課等:理財局国庫課 基本的考え方 国庫金の効率的運用を図るとともに、予算の適切な執行を確保するため、国庫の資金繰りを 適切に行い、国庫金の正確な管理を行っています。 従って、以下の施策を行います。 ○施策1 国庫収支の適正な調整及び国庫金の効率的な運用 (1)国庫には予算の歳入・歳出やその他の収入や支出がありますが、収入の受入の時期は様々 であり、同様に支出の支払についても、各月、各日の収支は均等ではありません。国庫の 適切な執行を確保するためには、このような受入(収入)と支払(支出)のタイミングの“ず れ”を調整することが必要となります。 この調整の方法としては、 ① 各特別会計等を所管する省庁や、国庫金を統一的に計理している日本銀行等からの情 報を基により正確に国庫収支を見積り、 ② 国庫全体として資金の不足が見込まれる場合には、財務省証券を発行することにより 不足資金を調達し、 ③ 反対に資金に余裕が生じた場合には、利子の付される国内指定預金(日本銀行に設け られる政府預金)に組み替えることにより余裕資金を管理しています。 (2)また、国庫を形成する個々の特別会計等において、当該特別会計等の資金繰り上資金不 足となった場合には、当該特別会計等からの資金調達請求に基づき、財務大臣が国庫大臣 として政府短期証券の発行や一時借入金の借入等により資金調達を行っています。 (注)平成 14 事務年度から従来国庫課が担当していた政府短期証券及び交付税特会の民間 借入の入札事務も含め、資金調達に関する入札事務全般を国債課が統一的に担当するこ ととなっております。 (3)他方、国庫全体として余裕が生じていても個々の特別会計等毎にみると資金が不足して いる場合もあります。そのような場合には、当該特別会計等に国庫余裕金の繰替使用を行 うことにより、政府短期証券の発行や一時借入金の借入等を減らすことができ、当該特別 会計等の利子負担を軽減することができます。 このように、国庫全体の資金繰りを適切に行うことにより、国庫金の効率的な運用に資す るよう努めています。 国庫金の効率的な運用の具体的な施策として、国庫全体として余裕が生じている場合には、 引き続き、資金が不足している特別会計等に対し国庫余裕金の繰替使用を積極的に行うこと 等により、当該特別会計等の利子負担の軽減を図るとともに、各特別会計等に属する資金の 相互活用も含めた国庫金全体の効率的な管理を行うことにより、政府預金残高の水準の引下 げに努めます。 【4-5-1 国庫余裕金繰替使用の平均残高の推移】 (単位:億円) 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度 4月 - - - 5月 - - - 6月 - - - 7月 - - - 8月 - - 4,311 9月 - 285 17,987 10 月 - 6,824 49,937 11 月 1,001 18,025 70,959 12 月 24,567 33,789 83,591 1月 - 37,552 64,515 2月 1,369 20,610 47,272 3月 38 1,629 N.A. 2,287 9,863 N.A. 年度平均 前年度より上回る (目標) (出所)理財局国庫課調 (注)平成13年度実績値は、14年3月末にデータが確定し、評価報告時に掲載する。 (11月に財政金融統計月報 で公表予定。 ) 【4-5-2 国内指定預金(一般口)の月中平均残高の推移】 (単位:億円) 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度 4月 10,734 89,916 119,936 5月 4,351 59,984 71,211 6月 9,434 75,188 63,343 7月 5,341 24,932 65,634 8月 8,675 66,088 116,931 9月 13,816 79,014 95,965 10 月 7,028 72,211 42,614 11 月 8,448 80,921 34,053 12 月 29,210 96,848 38,582 1月 44,768 87,414 35,320 2月 88,198 145,702 84,271 3月 109,389 172,887 N.A. 年度平均 28,148 87,184 N.A. 前年度より下回る (目標) (出所)理財局国庫課調 (注1)平成13年度実績値は、14年3月末にデータが確定し、評価報告時に掲載する。 (注2) 「国内指定預金(一般口) 」とは、政府預金のうち国庫余裕金繰替使用後の余裕資金残高である。 4月から6月の大口の支払により国庫金が不足することに備えるとともに、政府短期証 券の公募発行額の平準化を図るため、平成 12 年度と 13 年度においては前年度末に財務省 証券の発行を行いましたが、平成 14 年度における国庫金のより効率的な管理に努めること により、13 年度末の財務省証券の発行額を減らしました。 平成 14 年度においても、翌年度における国庫金の効率的な管理に努めることにより、年 度末の財務省証券の発行額を減らすよう努めます。 【4-5-3 財務省証券の年度末発行額の推移】 (単位:兆円) 12 年 3 月 13 年 3 月 3.6 14 年 3 月 2.8 15 年 3 月 N.A. 0(目標) (出所)理財局国庫課調 (注)平成13年度実績値は、14年3月末にデータが確定し、評価報告時に掲載する。 (11月に財政金融統計月 報で公表予定。 ) ○施策2 国庫金の正確な管理 国庫金は、会計法第 34 条第 1 項及び日本銀行法第 35 条第 1 項の規定により、日本銀行が取 り扱うこととされています。このため、国庫金は様々な経路を通り全て日本銀行に集中され、 そこで総括的な計算整理がなされます。 財務省においては、日本銀行からの報告に基づいて、 「国庫原簿」を作成しており、これと各 省庁の予算執行の結果(一般会計歳入歳出主計簿)とを突合することにより、国庫金の正確な 管理を図っており、平成14年度においても、引き続き、国庫金の正確な管理に努めていきま す。 【4-5-4 一般会計歳入歳出主計簿と国庫原簿との照合結果】 (単位:円) 年 事 度 10 項 収納済歳入額 (A) 89,782,693,817,964 84,391,798,185,514 5,390,895,632,450 国 庫 原 簿 (B) 89,782,693,817,964 84,391,798,185,514 5,390,895,632,450 比 較 増 減 額 0 0 (A) 94,376,336,447,511 89,037,431,392,656 5,338,905,054,855 国 庫 原 簿 (B) 94,376,336,447,511 89,037,431,392,656 5,338,905,054,855 比 較 増 減 額 0 0 0 歳入歳出主計簿 (A) 93,361,027,159,847 89,321,049,910,374 4,039,977,249,473 国 庫 原 簿 (B) 93,361,027,159,847 89,321,049,910,374 4,039,977,249,473 比 較 増 減 額 (A)-(B) 13 0 歳入歳出主計簿 (A)-(B) 12 金 歳入歳出主計簿 (A)-(B) 11 歳入歳出差引余剰 支出済歳出額 0 0 0 歳入歳出主計簿 (A) N.A. N.A. N.A. 国 庫 原 簿 (B) N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. 0(目標) 比 較 増 減 額 (A)-(B) (出所)主計局司計課、理財局国庫課調 (注)突合は、翌年度の7月に実施。 ○施策3 国庫収支に関する情報提供 国庫収支の状況については、次のとおり、定期的に情報提供を行っています。 ① 原則として毎月第 1 営業日に「財政資金対民間収支」 (注1)の前月実績、当月見込の 計数を新聞発表し、ホームページにも掲載しています。 ② 四半期毎に「国庫の状況報告書」 (注2)を作成し、閣議を経て国会に報告するととも に官報及びホームページに掲載しています。 ③ 毎年 1 回「財政金融統計月報(国庫収支特集) 」に前年度の財政資金対民間収支の実績 と国庫収支に関する統計資料を掲載しています。 (注1)財政資金対民間収支は、国庫と民間との間における資金受払の収支(国庫対民間収 支)に、国庫金の受払が金融市場に及ぼす影響を加味すべく、所要の調整を行ったも のです。 (注2)国庫の状況報告書は、財政法第 46 条第 2 項の規定に基づく国会及び国民に対する 報告として、政府預金の増減並びにその原因となる国庫対民間収支及び国庫対日銀収 支の状況について集計を行ったものです。 平成 14 年度においても、 引き続き国民に対する国庫収支の迅速かつ正確な情報提供に努めて まいります。また、 「財政資金対民間収支」については、見込額の精度を高めていくことに努め ます。 ○政策目標4−6:国債の円滑かつ確実な発行及び国債管理政策の適正な遂行と発行市場等の整 備 政策所管課:理財局国債課 基本的考え方 14 年度の国債発行額は、新規財源債30兆円、借換債約70兆円、財投債約34兆円を予定 しており、その合計額は約134兆円となります。ここから、公的部門引受と個人向け国債を 差し引いたものが市中で発行する国債となりますが、この額は約105兆円と過去最大となっ ており、 国債の円滑かつ確実な発行とその適切な管理の重要性が大きくなっています。 そこで、 以下の施策を行います。 (1)国債発行に当たっては、国債を円滑かつ確実に消化すること及び長期的な調達コストを 抑制することが必要です。このため、以下のような 14 年度国債発行計画を策定していま す。 ○施策1 バランスの取れた発行計画の策定 14 年度国債発行計画における年限構成の策定においては、 ・過度の短期化による借換リスクの増大を避ける ・特定の年限・ゾーンに偏った発行による金利上昇を招かない ということに配意し、短期・中期・長期・超長期の各ゾーンについてバランスのとれた発 行額を設定しています。 この結果、 14年度に市中で発行する国債の平均発行年限は、 5年6ヶ月となっており、 13年度当初予算の5年4ヶ月から2ヶ月伸びています ※14 年度国債発行予定額 <発行根拠法別発行額> 区 分 13年度当初 新 規 財 源 債 建 設 国 債 特 例 国 債 借 換 債 財政融資特会債 (市中発行分) (経過措置分) 合 計 283,180 87,600 195,580 596,883 438,974 (104,974) (334,000) 1,319,037 (収入金ベース、単位:億円) 13年度1次補正後 14年度予定 300,000 90,760 209,240 593,296 438,974 (104,974) (334,000) 1,332,270 300,000 67,900 231,100 696,156 343,527 (109,527) (234,000) 1,339,683 <年限構成別・消化方式別内訳> 区 (収入金ベース、単位:億円) 分 30年債 20年債 15年変動利付債 10年債 5年債 3年割引債 2年債 短期国債 13年度当初 6,000 30,000 32,000 204,000 189,000 6,000 168,000 264,184 13年度1次補正後 6,000 32,000 36,000 204,000 197,000 6,000 168,000 263,417 14年度予定 6,000 42,000 54,000 216,000 228,000 4,000 191,527 306,451 市 中 発 行 分 計 (除く短期国債) 899,184 (635,000) 912,417 (649,000) 1,047,978 (741,527) 郵 貯 窓 販 日 銀 乗 換 財政融資特会債 経 過 措 置 分 郵便貯金資金等 年 金 資 金 簡易生命保険積立金 公 的 部 門 計 個 人 向 け 国 債 合 計 24,500 61,353 24,500 61,353 21,000 33,704 334,000 334,000 234,000 179,000 119,000 36,000 179,000 119,000 36,000 136,000 67,000 31,000 419,853 1,319,037 419,853 1,332,270 288,704 3,000 1,339,683 (2)国債の大量発行が続く中、国債の確実かつ円滑な消化を図るためには、国債保有者層の 多様化を図ることが必要です。このため、14 年度においては、以下の施策を講じます。 ○施策2 保有者層の多様化 我が国の国債の保有者別内訳をみると、 個人や非居住者等の割合が低い (それぞれ、 2.5%、 4.9%(13 年9月末現在) )一方で金融機関等の割合が高く(33.5%)なっています。この ように特定の層に偏った保有構造の下では、経済金融情勢の変化等に伴って国債相場が一 つの方向に動きやすくなる可能性があるという問題も指摘されています。こうした観点か ら、個人を対象とした、個人向け国債の導入を(平成 15 年1月以降を目途に、発行開始を 予定。 ) 、海外投資家を対象とした、非居住者の利子非課税制度の拡充を、それぞれ検討し ます。 (3)発行した国債の残高を正確に管理するとともに、利払いや償還を確実に行うことは、発 行当局にとって基本的な使命です。このため、14 年度においては、次の施策を講じます。 ○施策3 債務管理の適正化 国債の大量発行が続く中において、特定年の満期集中を緩和し、国債発行額を平均的に ならすことは、国債の円滑かつ確実な消化を図る上で重要です。現行の国債残高の満期構 成についてみると、20 年度に 10 年債の満期が集中していることから、同年度に償還が到 来する国債の借換債の発行額が急増することが想定されます。このため、第 154 通常国会 に所要の法律案を提出し、14 年度以降の各年度において 20 年度に満期が到来する国債の 買入消却を実施することとしています。 (4)国債は、金融・資本市場を形成する有価証券の一つとして、極めて重要な役割を担って おり、効率的で流動性の高い国債市場が求められていることを踏まえ、発行当局としても、 国債発行市場・流通市場の整備を行うことが必要です。このため、14 年度においては、以 下の施策を講じます。 ○施策4 発行市場・流通市場の整備 決済の迅速性や安全性の更なる向上に資するため、金融庁・法務省と共に社債や国債の ペーパーレス化を実現するための新たな振替決済システム(現物証券の発行・受け渡しを 行わずコンピュータの帳簿上の口座振替えのみで決済するシステム)を創設するほか、多 数の投資家間の決済を一括してネット決済するための清算機関の制度化を検討しています。 (第 154 回通常国会に法案提出。 ) また、利付国債の元本部分と利札部分を分離して、別々に流通させるストリップス債を 14 年度中に導入することも検討しています。 (第 154 回通常国会に法案提出。 ) (5)国債の発行市場における透明性の確保・向上を図るため、国債の発行等に関する情報提 供の更なる充実が必要です。このため、14 年度においては以下の施策を講じます。 ○施策5 情報発信の充実 国債発行市場や国債管理政策についての透明性を一層高めていくことが、確実かつ円滑 な消化に資するとの認識に基づき、国債に関するより充実した情報発信に努めます。 (6)国債の確実かつ円滑な消化を図るため、市場との緊密な対話を行う必要があります。この ため、14 年度においては以下の施策を講じます。 ○施策6 市場との緊密な対話 国債発行等に当たって、市場関係者等の意見を幅広く伺う場として、12 年9月から国債 市場懇談会を開催し、市場関係者及び学者・研究者から意見を頂き、施策に活かしていく こととしており(例えば、13 年3月開催の国債市場懇談会では、発行市場・流通市場を巡 る諸問題について「流通市場における流動性向上のための提言」として論点整理していま す。 ) 、引き続き活発な議論・検討が行なわれるよう努めます。また、現在の国債市場懇談 会に加え、投資家から直接意見やニーズを伺う会合を設けることも検討します。 (7)国債発行当局としては、必要とされる財政資金を確保し、資金調達事務を効率的かつ機 動的に行うことが必要です。このため、以下の施策、業績目標及び業績指標を設定します。 ○施策7 資金調達に係る入札事務の一元化 国庫課が担当していた FB 及び交付税特別会計の民間借入の入札事務も含め、 資金調達に 関する入札事務全般を国債課が統一的に担当することとします。 ○業績目標 4-6-1 財政資金の確保及び国債発行事務に関する透明性の確保・向上 【4-6-1 必要な財政資金に対して確保した資金の割合】 国債の発行による調達を予 定した財政資金 (a) 新 規 財 源 債 34,000,000,000,000 建 設 国 債 17,050,000,000,000 特 例 国 債 16,950,000,000,000 借 換 債 42,431,048,491,000 合 計 76,431,048,491,000 新 規 財 源 債 37,513,500,000,000 建 設 国 債 13,166,000,000,000 特 例 国 債 24,347,500,000,000 借 換 債 40,084,369,045,000 合 計 77,597,869,045,000 新 規 財 源 債 33,004,000,000,000 建 設 国 債 11,138,000,000,000 特 例 国 債 21,866,000,000,000 借 換 債 53,269,685,216,000 合 計 86,273,685,216,000 新 規 財 源 債 28,318,000,000,000 建 設 国 債 8,760,000,000,000 特 例 国 債 19,558,000,000,000 借 換 債 59,688,290,029,000 財政融資特会債 43,897,400,000,000 合 計 131,903,690,029,000 新 規 財 源 債 30,000,000,000,000 建 設 国 債 6,790,000,000,000 特 例 国 債 23,210,000,000,000 借 換 債 69,615,550,534,000 財政融資特会債 34,352,700,000,000 合 計 133,968,250,534,000 発行根拠法別区分 10年 度 11年 度 12年 度 13年 度 14年 度 (収入金ベース。単位:円、%) 国債の発行により調達 割 合 した財政資金 (b) (b)/(a) 33,999,999,735,102 100.0 17,049,999,880,371 100.0 16,949,999,854,731 100.0 42,431,025,263,246 100.0 76,431,024,998,348 100.0 37,513,553,121,568 100.0 13,165,999,676,402 100.0 24,347,553,445,166 100.0 40,084,362,976,348 100.0 77,597,916,097,916 100.0 33,003,999,125,341 100.0 11,137,999,700,480 100.0 21,865,999,424,861 100.0 53,269,680,646,078 100.0 86,273,679,589,419 100.0 N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) (出所)理財局国債課調 (注1)11年度及び12年度の特例国債による調達予定額は、税収が当初予想を上回った等の事由により、出 納整理期間中に減額されたため、 「平成11年度国債発行予定額」及び「平成12年度国債発行予定額」上 の予定額とは異なります。 (注2)財政融資特会債とは、財政融資資金特別会計国債のことです。 (注3)各年度の実績は、翌年度6月末(各年度出納整理期間終了時点)に判明します。 【4-6-2 所定の時期に入札予定の公表を行った割合】 10年度 11年度 12年度 第 1 四半期 第 2 四半期 13 第 3 四半期 年度 14年1月 14年2月 14年3月 4月 5月 6月 7月 8月 14 9月 年度 10月 11月 12月 1月 2月 3月 入札実績回数 (a) 割合 うち入札予定 公表が所定の 時期に行われ (b)/(a) (%) た入札の回数 (b) 63 ― ― 133 133 100.0 148 148 100.0 42 42 100.0 34 34 100.0 40 40 100.0 14 14 100.0 15 15 100.0 N.A. N.A. N.A. 入札日程公表における 入札予定回数 (c) 割合 うち予定通り行 われた入札の回 (d)/(c) 数 (%) (d) ― 133 148 42 34 40 14 15 13 19 ― 133 148 42 34 40 14 15 N.A. ― 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 N.A. 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) (出所)理財局国債課調 (注1) 入札日程の事前公表は、11年度第1四半期より四半期毎、14年1月より月毎に行なっています。 (注2) 各実績値は、当該期間の最終営業日終了時点で判明します。 (注3) 公表する入札予定については、 事後的な状況の変化によって変更する可能性がある旨の留保を付してい ます。 【4-6-3 所定の時期に発行予定額の事前公表を行った割合】 入札回数 1 0 年 度 1 1 年 度 1 2 年 度 1 3 年 度 4月 5月 6月 7月 8月 14 9月 年 10月 度 11月 12月 1月 2月 3月 合 計 (a) 63 133 148 N.A. うち所定の時期に発行予定額の事 前公表を行った回数 (b) ― 82 148 N.A. 割 合 (b)/(a) (%) ― 61.7 100.0 N.A. 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) (出所)理財局国債課調 (注1)国債の発行予定額の入札1週間前公表は、11年3月より行なっています。 (注2)借入金等の発行予定額の入札2週間前公表は、12年10月より行っています(それ以前は、入札1週 間前に行っていました) 。 (注3)各実績値は、当該期間の最終営業日終了時点で判明します。 【4-6-4 入札の結果発表を当日所定の時刻に行った割合】 割 合 入札回数 (a) 10年度 11年度 12年度 13年度 4月 5月 6月 7月 8月 14 9月 年 10月 度 11月 12月 1月 2月 3月 合 計 63 133 148 N.A. うち入札の結果発表を所定の時 刻に行った回数 (b) ― 133 148 N.A. (b)/(a) (%) ― 100.0 100.0 N.A. 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) 100.0(目標) (出所)理財局国債課調 (注1)FB以外の国債の入札当日の入札結果発表は、13年5月22日より、午後1時30分頃に行ってい ます(平成12年4月からは、入札当日午後2時に、それ以前は入札当日午後2時30分に結果発表を 行っていました) 。 (注2)FBの入札当日の入札結果発表は、13年5月23日より、午後1時30分頃に行っています(それ 以前は入札当日午後2時に結果発表を行っていました) 。 (注3)借入金等の入札結果発表は、13年11月22日より、午後1時30分頃に行っています(それ以前は 入札当日午後2時に結果発表を行っていました) 。 (注4)各実績値は、当該月の最終営業日終了時点で判明します。 【4-6-5 国債及び借入金現在高の四半期毎公表を行った割合】 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 9年度 ○ ○ ○ ○ 100.0 10年度 ○ ○ ○ ○ 100.0 11年度 ○ ○ ○ ○ 100.0 12年度 13年度 ○ 〇 ○ 〇 〇 〇 100.0 N.A. 14年度 (出所)理財局国債課調 (注)各四半期末時点の現在高の公表は、翌四半期最終月の下旬に行っています。 割 合(%) 100.0(目標) ○政策目標4−7:貨幣の発行、日本銀行券製造計画の策定及び偽造・変造の防止等による通貨 制度の適正な運用 政策所管課等:理財局国庫課 基本的考え方 通貨に対する信頼の維持を目的として、通貨(注)の市中への円滑な供給及び通貨の偽造・ 変造の防止等による通貨制度の適正な運用のため、以下の施策を行います。 (注1)通貨とは、貨幣及び日本銀行法第 46 条第1項の規定により日本銀行が発行する銀行 券をいう(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第2条第3項) 。 (注2)貨幣については、財務省造幣局において製造されており、発行は政府(財務省)が日 本銀行に交付することにより行われています(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法 律第4条) 。 また、日本銀行券については、財務省印刷局において製造されており、日本銀行が受 入れた後、 日本銀行が市中に対して発行することとなっています (日本銀行法第 46 条) 。 ○施策1 貨幣及び日本銀行券の発行・製造計画の策定 財務省においては、必要とされる貨幣及び日本銀行券の円滑な供給を図る観点から、市中 の流通状況や造幣局・印刷局の製造能力等を勘案の上、貨幣については発行枚数、日本銀行 券については製造枚数を定めています。 14 年度の貨幣及び日本銀行券の発行・製造計画は以下のとおりとしています。 14 年度 貨 幣 13.4 億枚 日本銀行券 30.9 億枚 【4-7-1 製造計画の達成割合】 ①貨 幣 (単位:億枚、%) 9年度 10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 計 画(A) 19.7 14.2 8.6 12.8 12.4 実 績(B) 19.7 14.2 8.6 12.8 N.A. 達 成 割 合 100.0 100.0 100.0 100.0 N.A. (B)/(A) 14 年度 13.4 100.0 (目標値) (出所)理財局国庫課 (注 1)当該計画は、貨幣の市中流通状況等により、年度途中において変更される場合がある。 (注 2)平成13年度実績値は、14年3月末にデータが確定し、評価報告時に掲載する。 ②日本銀行券 (単位:億枚、%) 9年度 10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 計 画(A) 38.7 39.7 38.3 34.4 31.0 実 績(B) 38.7 39.7 38.3 34.4 N.A. 達 成 割 合 100.0 100.0 100.0 100.0 N.A. (B)/(A) 14 年度 30.9 100.0 (目標値) (出所)理財局国庫課 (注 1)当該計画は、日本銀行券の市中流通状況等により、年度途中において変更される場合がある。 (注 2)平成13年度実績値は、14年3月末にデータが確定し、評価報告時に掲載される。 ○施策2 貨幣・日本銀行券の偽造・変造を防止 通貨の偽造・変造等の増加は、国民の通貨に対する信頼を失わせ、経済社会に深刻な影響 を及ぼすおそれがあることから、日本銀行や警察当局とも連絡を密にし、偽造・変造等の増 加の防止に努めています。 14 年度においても、引き続き新 500 円貨(ニッケル黄銅貨)の流通を促進する観点から、 需要に適切に対応した発行を行なうこととしています。 なお、新 500 円貨の発行高は以下のとおりです。 (単位:億枚) 発行高 12 年度 13 年度 14 年度 8.0 5.3 6.6 ○施策3 国民のニーズに応じ、記念貨幣を発行 記念貨幣については、 「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第5条第2項において、 「国家的な記念事業として閣議の決定を経て発行する」こととされています。 14 年度においては、ワールドカップサッカー大会記念貨幣(1万円金貨、千円銀貨、500 円ニッケル黄銅貨)を発行することとしています。また、国民のニーズ等を踏まえ、弾力的 な記念貨幣の発行に努めることとしています。 ○施策4 造幣局・印刷局の独立行政法人化に伴う関連政省令等の整備 造幣・印刷事業(造幣局・印刷局)については、平成 15 年度前半の独立行政法人への移行 に向けて、所要法案が第 154 回国会に提出されたところです。 今後、所要の関連政省令等の整備を進めていきます。 ○政策目標4−8:造幣事業の健全な運営 政策所管課等:造幣局総務部総務課企画調整室 基本的考え方 国は貨幣の製造及び発行権を有しており、造幣局は財務省設置法に基づく特別の機関と して、経済取引の基礎をなし国民生活に不可欠である貨幣を製造し、日本銀行に引き渡し ています。 造幣局では、貨幣製造事業をはじめとして、勲章等金属工芸品製造事業、貨幣セット等 販売事業、貴金属製品の品位証明事業等を行っていますが、その中でも貨幣については経 済取引の基礎をなすものであることから、高度な偽造防止技術と品質管理体制をもって、 安定的かつ確実に製造し、供給する必要があります。 一方、財政面においては、造幣局の事業を企業的に運営しその健全な発展に資するため、特 別会計を設置し一般会計と区分して経理、運営しています。また、発行している貨幣の信頼を 維持するため、造幣局特別会計には貨幣回収準備資金が設けられており、発行の額面相当額を 繰り入れる一方、引換え又は回収するための費用及び造幣事業の運営に要する費用を同資金か ら賄うこととされています。同資金から一般会計への繰入額については、政令で定める額(貨 幣流通額の 100 分の 5 等)を超える額を一般会計へ繰り入れています(造幣局特別会計法第 19 条の 2) 。 造幣局としては、決められた特別会計予算を有効に活用し、造幣事業に対する国民の理 解を得ながら、事業の健全な運営を図ることに努めてまいります。 なお、造幣事業については、平成 15 年度前半の独立行政法人への移行に向けた所要の法 案が第 154 回国会に提出されました。引き続き通貨の安定的かつ確実な供給、通貨に対す る信認の保持など、通貨製造業務の特殊性を考慮しつつ、必要な検討を行い、着実に移行 のための準備を進めます。 ○業績目標 4-8-1:貨幣の安定確実な供給 ○業績目標 4-8-1-1:貨幣製造計画の達成 貨幣は日本経済取引の基礎をなすものであり、その安定のためには、常に社会経済状 況に応じた貨幣需要の変化に対応し、安定的かつ確実に製造し、供給する必要がありま す。 貨幣の製造数量はその時々の経済情勢に加え、記念貨幣発行の有無等にも左右される ため、毎年大きく変動しますが、品質管理活動に関する取組や職員の教育の強化等を通 じて、製品の安定製造に向けた生産管理体制の強化を図ることにより、決められた製造 計画を 100%確実に達成します。 【4-8-1 貨幣製造計画の達成度及び製造数量の推移】 9 年度 10 年度 (単位:達成度%、製造枚数百万枚) 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度 目標値 貨幣製造計画の達成度 100 100 100 100 N.A. 100 1 万円記念金貨幣 0.11 0 0.2 0 N.A. 0.1 5 千円記念銀貨幣 10 0 0 0 N.A. 0 千円記念銀貨幣 0 0 0 0 N.A. 0.1 500 円ニッケル黄銅記念貨幣 0 0 0 0 N.A. 30 500 白銅記念貨幣 40 0 15 0 N.A. 0 500 円ニッケル黄銅貨幣 0 0 0 800 N.A. 660 500 円白銅貨幣 160 180 124.972 0 N.A. 0 100 円白銅貨幣 300 200 180 150 N.A. 10 50 円白銅貨幣 170 90 50 10 N.A. 10 10 円青銅貨幣 380 420 430 300 N.A. 520 5 円黄銅貨幣 290 160 10 10 N.A. 100 1 円アルミ貨幣 670 370 70 10 N.A. 10 2,020.11 1,420 880.172 1,280 N.A. 1,340.2 貨幣の製造数量 計 (出所)決算書、予算書、造幣局事業企画部企画課調 (注)平成 13 年度実績値は、14 年 3 月末にデータが確定するため、6 月までに評価書に公表予定。 ○業績目標 4-8-1-2:貨幣セットの販売数量 貨幣に対する国民の要望及び需要に応えるとともに、造幣事業、貨幣製造技術等の周知 宣伝のため、貨幣の持つ素材価値、記念性等に着目した様々な貨幣セットを販売し、高 度な貨幣製造技術を内外に広く紹介します。 貨幣セットの販売数量は、造幣事業、貨幣製造技術等の周知宣伝の指標になります。 外装ケース等の工夫や新技術を取り入れた年銘板の採用、さらには販売方法の工夫によ り、目標の販売数量を達成するよう努めます。 貨幣セットの販売数量は、記念貨幣発行の有無に大きく左右され、平成 9 年度は長野 オリンピック冬季競技大会記念貨幣、11 年度は天皇陛下御在位 10 年記念貨幣が発行さ れたため、販売数量が多くなっています。12、13 年度は新規の記念貨幣の発行がないた め、販売数量は若干低めではありましたが、14 年度はワールドカップサッカー大会記念 貨幣の発行が予定されているため、販売数量も増加する見込みです。 【4-8-2 貨幣セットの販売数量】 9 年度 (単位:千セット) 10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度 目標値 貨幣セットの販売数量 通常セット 729 740 657 631 N.A. 668 プルーフセット 212 239 150 227 N.A. 250 その他セット 709 61 460 236 N.A. 362 1,650 1,040 1,267 1,094 N.A. 1,280 計 (出所)造幣局事業企画部販売事業課調 (注)平成 13 年度実績値は、14 年 4 月末までにデータが確定するため、6 月までに評価書に公表予定。 (参考)通常セットには通常貨幣セット(ミントセット)及び敬老貨幣セット等、プルーフセットには通常プ ルーフセット等、その他セットには記念貨幣関係のセットのほか世界文化遺産セット等があります。 ○業績目標 4-8-2:偽造防止技術の研究開発への取組 通貨の信頼の維持にとっては、国民が真正な貨幣であることを疑わずに安心して貨幣 の受渡しができることが必要不可欠です。そのために、何よりも偽造され難い貨幣をつ くることが重要であり、偽造防止技術の研究開発に継続的に取り組みます。 なお、平成 13 年 12 月には新研究棟も完成し、より一層充実した体制のもとで引き続 き偽造防止技術の研究開発に努力してまいります。 【4-8-3 偽造防止技術等の研究件数】 (単位:件) 9 年度 10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度 目標値 偽造防止技術等の研究件数 (成果確認件数) 9 9 10 10 N.A. 10 (出所)造幣局事業企画部研究企画管理官調 (注)平成 13 年度実績値は、14 年 4 月上旬までにデータが確定するため、6 月までに評価書に公表予定。 (参考)成果確認件数とは、報告書としてまとめられる等、一定の成果が得られたものを指します。 ○業績目標 4-8-3:金属加工及び試験分析技術の向上 造幣局では、貨幣の製造を通じて有する金属の加工技術、精製分析技術等を応用して、 勲章等金属工芸品の製造や貴金属製品の品位証明業務等を行っていますが、これらの受 注は金属加工技術や試験分析技術の向上につながります。 この品位証明業務は、造幣局が貴金属製品の製造業者又は販売業者からの依頼に応じ て品位試験を行い、この試験に合格したものにマークを打刻してその品位を証明するも ので、通称ホール・マークといわれ、貴金属取引の安定に寄与しています。造幣局では、 受け付けた製品を決められた日数以内に返却できるよう、試験分析技術の向上に努力し ています。 返却日数は、現在は 4 日間以内を目途としており、顧客のサービスの観点からも、14 年度 も 100%この返却日数を守ることを目指します。 【4-8-4 貴金属製品の品位の証明(返却日数)目標達成度】 9 年度 10 年度 11 年度 (単位:%) 12 年度 13 年度 14 年度 目標値 貴金属製品の品位の証明 (返却日数)目標達成度 100 100 100 100 N.A. 100 (出所)造幣局事業企画部業務課調 (注)平成 13 年度実績値は、14 年 4 月上旬までにデータが確定するため、6 月までに評価書に公表予定。 ○政策目標4−9:印刷事業の健全な運営 政策所管課等:印刷局総務部経営企画管理官室 基本的考え方 印刷局は、財務省設置法に基づく特別の機関として、政府及び日本銀行等の公的機関からの 要請を受け、国民生活や経済活動に不可欠な銀行券等の貴重な印刷物や政府の広報などに必要 な官報等の政府刊行物を製造し、発行するという事業を担当しています。 印刷局の事業は、国の行政や国民生活に密接不可分のものであり、貴重性、正確性、秘密性 又は緊急性を要する製品を安全、確実に、かつ効率的に製造することにより、公的機関や国民 の信頼を得ているものであります。 その中でも、日本銀行券については、国の通貨制度の根幹をなすものであり、国(財務大臣) が自ら製造計画を策定し(注1)、印刷局が製造していますが、日本銀行券が一切の経済取引に無 制限に通用する強制力を持った通貨であるという性格上(注2)、高度な偽造防止技術及び徹底し た製造管理体制をもって、安定的に供給する必要があります。 また、官報については、明治 16 年に創刊されて以来、国の唯一の法令公布の機関紙、国の広 報紙、そして国の公告紙として極めて重要な役割を果たしており、印刷局が製造・発行してい ますが、立法・行政及び司法に関わる情報を正確かつ確実に、しかも合理的な価格で国民に提 供する必要があります。 一方、財政面においては、印刷局の事業を企業的に運営し、その健全な発展に資するために 特別会計を設置し、一般会計と区分して経理を行うこととされ、必要な経費については自己調 達するといういわゆる独立採算制が採用されているとともに、事業活動の結果生じた決算上の 利益については、一般会計に納付することとされており(印刷局特別会計法第 11 条) 、平成 13 年度予算額で 35.3 億円、平成 14 年度予算額で 34.8 億円となっています。 したがって、印刷局としては、定められた特別会計予算、保有する設備、技術及び職員の資 質等を有効に活用し、公共性と企業性の調和に配慮の上、事業の健全な運営を図るとともに、 印刷局の事業活動に対する国民の理解の一層の浸透に留意しつつ、国民の負託に応えられるよ うに努めてまいります。 なお、印刷事業については、平成 15 年度前半の独立行政法人への移行に向けた所要の法案が 第 154 回国会に提出されました。引き続き通貨の安定的かつ確実な供給、通貨に対する信認の 保持など、通貨製造業務の特殊性を考慮しつつ、必要な検討を行い、着実に移行のための準備 を進めます。 (注1)製造計画については、 「政策目標4-7 貨幣の発行、日本銀行券製造計画の策定及び偽造・変造の防止等に よる通貨制度の適正な運用」で説明しています。 (注2)日本銀行法第 46 条第2項 「前項の規定により日本銀行が発行する銀行券(以下「日本銀行券」という。 )は、法貨として無制限に通用す る。」 ○業績目標 4-9-1:日本銀行券の安定確実な供給 日本銀行券は、一切の経済取引に無制限に通用する強制力を持った通貨として、日本の経 済活動の基礎をなすものです。上述の製造計画を基に、国民が信頼して使用できる日本銀行券 を安定的かつ確実に供給します。 日本銀行券の製造数量については、 社会経済状況に応じた需要の変化などにより変動します が、品質管理活動に関する取組や職員の教育の強化等を通じて、製品の安定製造に向けた生産 管理体制の強化を図ることにより、財務大臣から通知を受けた製造計画を 100%確実に達成し ます。 【4-9-1 日本銀行券の製造計画の達成度及び製造数量の推移】 (単位:達成度%、製造数量百万枚) 10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度目標値 日本銀行券の製造計画 100 100 100 100 100 の達成度 日本銀行券の製造数量 一万円券 五千円券 二千円券 千円券 計 1,320 320 − 2,330 3,970 1,530 280 − 2,020 3,830 1,260 240 770 1,170 3,440 720 240 0 2,140 3,100 280 250 0 2,560 3,090 (出所)財務大臣の製造計画、印刷局製造部技術課調 (注)二千円券は平成 12 年7月に発行 ○業績目標 4-9-2:偽造防止技術の研究開発への取組 印刷技術やカラーコピー技術が日々進歩している中、 銀行券の偽造防止対策の重要性はます ます高まっています。通貨に対する国民の信頼を維持するため、ユーロ券など海外の銀行券に おける採用技術の動向調査等を引き続き行い、その結果を参考とし、蓄積された偽造防止技術 の高度化を図り、偽造防止効果の高い独自の偽造防止技術の研究・開発に努めます。 【4-9-2 偽造防止技術等の研究件数の推移】 10 年度 11 年度 偽造防止技術等の研究件数 38 41 (単位:件) 12 年度 42 13 年度 14 年度目標値 46 45 以上 (出所)印刷局製造部開発課調 ○業績目標 4-9-3:官報の正確・確実な供給 官報は、 明治 16 年に創刊されて以来、 国が発行する唯一の法令公布の機関紙、 国の広報紙、 そして国民の公告紙としての役割を果たしています。紙面の発行を通じて、立法、行政及び 司法に関わる情報を正確かつ確実に国民に伝達します。その際、官報の果たす公共性な役割 に鑑み、合理的な価格での提供に努め、国民ができるだけ入手し易いように配慮してまいり ます。 官報の発行については、 「官報、法令全書、職員録等の発行に関する命令」 (総理府令・大 蔵省令)により、法律、政令、省令などの官報に掲載すべき事項等が定められていますが、 印刷局は官報の普及を図るため、官報販売所を指定して、普及業務を委託しています。 また、印刷局は、官報紙面の補完的役割を担うものとして、平成 11 年 11 月 15 日からイン ターネットを通じて、過去1週間に発行された官報を無料で閲覧できるサービスを実施して います。これに加えて、日付等による検索、閲覧、印刷を行うことができる有料の官報情報 検索サービスを平成 13 年9月1日から実施し、さらに、平成 14 年 1 月1日から視覚障害者 に配慮したサービスを追加しています。 官報のホームページを訪れた人の毎月の延べ人数は、月毎により変動いたしますが、平成 12 年度で概ね 12 万人、平成 13 年度で 18 万人前後となっています。 官報は、法令の公布紙として、その掲載内容は国民の権利・義務に直接関わるものであり、 また国の広報紙・公告紙としては、政府の施策等を国民に周知するものであることから、官 報掲載手続について、紙原稿による受付けから電子入稿に変更するなどの方策に取り組むこ ととし、より正確な情報伝達に努めます。 【4-9-3 官報の訂正記事件数(受付件数 10 万件当たり)の推移】 10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 官報の訂正記事件数 231 165 111 N.A. (単位:件) 14 年度目標値 110 以下 (出所)印刷局業務部官報課調 (注)平成 13 年度実績値は、平成 14 年5月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書で公表予定 ○政策目標4−10:日本銀行の業務及び組織の適正な運営の確保 政策所管課等:財務省理財局総務課 基本的考え方 日本銀行法第5条第1項においては、 「日本銀行は、 その業務及び財産の公共性にかんがみ、 適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならない。 」 、また、同法第2項において、 「この法律の運用に当たっては、日本銀行の業務運営における自主性は、十分配慮されなけ ればならない。 」とされています。 こうした法律の規定を踏まえ、平成14年度においても引き続き、経費予算の認可、財務 諸表の承認等を通じ、日本銀行の業務及び組織の適正な運営が確保されるように努力します。 また、 「特殊法人等整理合理化計画」 (平成13年12月18日に公表)における指摘事項(注 1)が具体化されるよう、日本銀行における取組み(注2)をフォローアップしていきます。 (注1) 「特殊法人等整理合理化計画」における指摘事項 業務を更に効率的かつ適正に実施する。このため、区分経理を行い、業務毎のコストの明 確化等を図る。 (注2)日本銀行における取組み ① 人員の削減(平成11年度より、中期人員目標(5年間で、500人程度の人員削減) を実施。平成13年度上期末までに約280人を削減済み) ② 小樽支店の廃止(平成14年9月予定) ③ 業務分野毎のコストの公表(所要のシステム等を整備の上、平成15年度分から公表予 定) ○政策目標4−11:金融破綻処理制度の適切な整備及び迅速・的確な金融危機管理 政策所管課等:大臣官房信用機構課 基本的考え方 金融機関の破綻に関する業務や一般金融機関等からの資産の買取りに係る業務及び金融シス テムの安定のための預金保険制度の運用に係る業務等を行っている預金保険機構の業務運営に 関し、金融庁と共管で、例えば予算、資金計画等について、個別に規定された権限に基づき認 可等の事務を行うとともに、業務運営全般についても一般監督権限に基づいた監督を行ってい ます。保険契約者保護機構及び投資者保護基金等についても同様に監督を行っており、そこか ら得られる情報を今後の金融破綻処理制度の企画・立案に活かすこととしています。 また、金融危機管理を適切に行うために、必要があると認められるときは、日本銀行に対し て信用秩序の維持に資するための特別の融資を要請することとしています。 さらに、金融危機管理等に係る政策判断の参考とするため、省内の関係各課と連携しつつ金 融市場等を注視し、その動向分析を行っていくこととしています。 ○政策目標4−12:政府関係金融機関の適正かつ効率的な運営の確保 政策所管課等:大臣官房政策金融課 基本的考え方 国が政策を実現していく手段として、 税制、 補助金等と同様に財政の資源配分機能を果たし、 金融という手法により政策を遂行する仕組みが政策金融です。 政策金融は、民業補完の見地から、国民経済的にみて重要で、市場原理に基づく民間のみで は適切に対応することが困難な分野に、長期・安定的な資金を適正かつ有効なコスト(金利) で供給するものであり、民間部門の自主性を尊重しながら経済活動を促進・奨励する役割を果 たしています。 このような政策金融を担っているのが、政府関係金融機関です。各々の政府関係金融機関の 目的は以下の通りです。 国際協力銀行 :我が国の輸出入・海外における経済活動の促進、国際金融秩序の安 定、開発途上地域の経済社会開発等に寄与するための貸付け等 日本政策投資銀行 :経済社会の活力の向上及び持続的発展、豊かな国民生活の実現、地 域経済の自立的発展に資するための長期資金の供給等 国民生活金融公庫 住宅金融公庫 農林漁業金融公庫 :小規模事業、生活衛生関係営業者等が必要とする事業資金等の供給 :住宅の建設及び購入に必要な長期資金の供給 :農林漁業の生産力の維持増進と食料の安定供給の確保のための長期 資金の供給 中小企業金融公庫 公営企業金融公庫 :中小企業者の行う事業の振興に必要な長期資金の供給 :公営企業の健全な運営を通じて住民の福祉の増進に寄与するための 長期資金の供給 沖縄振興開発金融公庫:沖縄における産業の開発を促進するなど、沖縄の経済の振興と社会 の開発に資するための資金供給 政策金融の機能が的確に発揮されるためには、その担い手である政府関係金融機関が適正か つ効率的に運営されていることが重要です。 (1)政府関係金融機関の業務の不断の見直し 政府関係金融機関においては、 「特殊法人等整理合理化計画」 (平成 13 年 12 月 19 日閣議 決定)において定められている事業見直しについて、平成 14 年度から具体化に取り組み、 民業補完を徹底しながら、真に政策的に必要な資金供給を行っていくこととしております。 具体的な内容は各機関によって異なりますが、金融経済情勢を踏まえながら、例えば、民 間金融で対応可能となった対象事業の撤退や、融資条件や限度額など特別貸付制度等の内容 の見直し、貸付債権の流動化や保証機能の活用など市場親和的な制度の導入に、取り組むこ ととしております。 また、近年のいわゆる貸し渋り対策にみられるように、金融・資本市場が十分に機能しな い場合等の政策的に必要な緊急の資金補完につき、民業補完に徹しつつ、適切かつ機動的に 行っていきます。 (2)政府関係金融機関の財務の健全性の確保 政府関係金融機関の運営においては、現在の金融経済情勢に起因する資金需要に的確に応 えつつ、償還確実性の原則を踏まえ、政府関係金融機関の資産に係るリスクの正確な把握を 含め、財務の健全性確保に十分配慮することが重要な課題です。 そこで、機関等に対し、融資業務の状況等について報告を求め又は検査を実施することに より、政策目的に沿った業務が行われているか、関係法令に沿って適正な会計処理を行って いるか等をチェックするとともに、機関による資産の自己査定結果の正確性を検証するなど 資産内容の実態の正確な把握に努めます。また、こうしたリスク管理の強化の必要性を踏ま え、金融庁のノウハウや専門性を活用するため、これらの機関に対し金融庁検査を導入しま す。金融庁検査の平成 15 年中の導入が可能となるよう、準備を進めてまいります。 不良債権を含む財務内容のディスクロージャーの充実については、民間金融機関における ディスクロージャーの動向をも踏まえ、鋭意努力しているところです。具体的には、平成8 年3月期から、すべての機関について、延滞債権額(元金が 6 箇月以上延滞している貸出金 の残高)の公表を開始し、平成 10 年3月期からは、リスク管理債権の公表を実施していま す。さらに、平成 13 年 3 月期からは、 「特殊法人等に係る行政コスト計算書作成指針」に基 づき作成される行政コスト計算財務書類において、 「金融機能の再生のための緊急措置に関 する法律」に基づく開示債権を公表するなど、その充実に取り組んでいます。 以上の施策の遂行にあたっては、各政府関係金融機関や、それを所管する関係省庁等との調 整が必要となります。また、その実績は、経済動向及び金融環境等の外的要因に左右されます。 ○政策目標4−13:たばこ・塩事業の健全な発展の促進と適切な運営の確保 政策所管課等:理財局総務課たばこ塩事業室 基本的考え方 たばこ事業法第 1 条では、同法の目的は「我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もって財 政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資すること」とされており、また、塩事業法 第 1 条では、同法の目的は「塩事業の適切な運営による良質な塩の安定的な供給の確保と我が 国塩産業の健全な発展を図るために必要な措置を講ずることとし、もって国民生活の安定に資 すること」とされております。 これらを受けて、たばこ・塩事業の健全な発展の促進と適切な運営の確保のため、主として 以下の施策を行います。 (1)財政制度等審議会たばこ事業等分科会の適切な運営の確保について たばこ事業及び塩事業に関する重要事項については、財政制度等審議会たばこ事業等分科 会において調査・審議を行った上で提言を受けることになっています。 同分科会からの提言を受けて、たばこ事業及び塩事業に関する政策の企画、立案及び施行 に引き続き反映させます。 また、同分科会事務局として円滑な調査・審議が行われるよう、同分科会、たばこ事業部 会、塩事業部会及び定価部会の運営に携わっています。 なお、たばこ事業部会及び塩事業部会については、 (2) 、 (3)で別途記載していますので ご参照下さい。 ○業績目標 4-13-1:財政制度等審議会たばこ事業等分科会の議事要旨、議事録及び資料の作 成・公表 財政制度等審議会たばこ事業等分科会、たばこ事業部会及び塩事業部会の審議状況を公 表することは、同分科会等の運営に係る透明性の確保に重要であると考えていることから、 引き続き同分科会等の議事要旨、議事録及び資料を財務省ホームページに掲載します。特 に議事録につきましては、分科会等開催後、おおむね1ヶ月を目途にホームページに掲載 するように努めます。 (2)たばこ事業の適切な運営の確保について イ 財政制度等審議会たばこ事業部会について 財政制度等審議会たばこ事業等分科会は、たばこ事業部会を設置し調査・審議を行っ た結果、平成 13 年 12 月 12 日に「日本たばこ産業株式会社の民営化の進め方に関する中 間報告」をとりまとめました。 これらを踏まえてJT株式の政府保有比率の引下げを行うとともに、JTが機動的に 新株等の発行を行い得るようにするため、 「日本たばこ産業株式会社法の一部を改正する 法律案」を第 154 回通常国会に提出しました。 本法律案において、政府はJTの成立の時に政府に無償譲渡されたJT株式の総数 (200 万株)の2分の1以上の株式を保有していなければならないこととするとともに、 政府の株式保有比率を「当分の間、発行済株式総数の3分の2以上」とする附則を廃止 することとしています。この結果、JTは新株等の発行を行い得ることになりますが、 政府保有比率低下の歯止め措置として、政府はJTの発行済株式総数の3分の1を超え る株式を保有しなければならないこととしています。 なお、同部会では、引き続き「喫煙と健康に関する問題、未成年者喫煙防止問題、た ばこの流通・販売に関する規制」について調査・審議を行います。 ロ 未成年者喫煙防止に対する取組状況について たばこ事業法等の規定に基づき自動販売機の設置場所が十分な管理・監督が期し難い 場所であると認められる場合には、未成年者喫煙防止の観点から、たばこ小売販売業の 許可をしないこととしています。 たばこ小売販売業者等に対しては、自動販売機の適正な設置等、未成年者喫煙防止に 十分留意の上営業を行うよう、引き続き文書等で周知します。 また、関係団体が行う未成年者喫煙防止活動について後援を行っており、関係団体が 進めているたばこ自動販売機への年齢識別装置の開発・導入等に関し指導・助言を行う など、引き続き未成年者の喫煙防止に取り組みます。 なお、 平成 14 年 2 月 4 日に開催された財政制度等審議会たばこ事業等分科会たばこ事 業部会において、当面「喫煙と健康に関する問題、未成年者喫煙防止問題」について審 議されることとなっており、今後、当部会での議論を踏まえ、未成年者喫煙防止に係る 施策を企画立案します。 ハ WHOたばこ対策枠組条約について 現在、WHO(世界保健機関)では、2003 年総会において「たばこ対策枠組条約」を 採択することを目標に、これまで4回の政府間交渉を行っていますが、引き続き関係省 庁などと連携を図り、政府代表の一員としてこの政府間交渉へ参加します。 (注) 「たばこ対策枠組条約」とは、喫煙の健康に及ぼす影響から現在及び将来の世代を保 護するため、加盟国(約 190 ヶ国)の関与により調和のとれたたばこ規制措置を実施す るための枠組みを提供することを目的とするものであり、現在、加盟国で検討されて おります。 ニ たばこ事業について 日本たばこ産業株式会社法及びたばこ事業法などに基づき、①日本たばこ産業株式会 社に対する認可等、②製造たばこ小売定価の認可、③たばこ事業法に基づき当局が行っ た処分に対する不服申立て及び訴訟への対応、④各財務局等が行っているたばこ事業者 に対する許可・登録等に関する事務の調整、などを行っています。 これらの事務については、引き続きその適切な運営に努めると共に、各財務(支)局 及び各税関などと連携を図り、日本たばこ産業株式会社及びたばこ事業者の適切な管 理・監督に努めます。 ○業績目標 4-13-2:製造たばこ小売販売業許可の標準処理期間達成率の向上 製造たばこの小売販売を業として行おうとする者は、たばこ事業法第22条に基づき、 その営業所ごとに財務大臣の許可を受けなければならないことと規定されていますが、そ の迅速な処分結果が出されることが申請者にとって重要となります。 よって、製造たばこ小売販売業の許可に係る標準処理期間を設定し、各財務(支)局な どから標準処理期間の達成率に関する報告を受けて公表します。 【4-13-1:製造たばこ小売販売業の許可に係る標準処理期間達成率】 (単位:%) 平成 13 年度見込み 達成率 N.A. 14 年度目標値 90 以上 (出所)財務局等から報告を受けて、理財局総務課たばこ塩事業室で集計 (注1)標準処理期間とは、当該申請を受理した日の属する月末から3ヶ月以内のこと。 (注2)調査対象:平成 13 年 4 月から平成 14 年 2 月までに申請・受理したもの。 (注3)平成 13 年度見込みについては、評価報告時に掲載する。 ○業績目標 4-13-3:製造たばこ小売販売業許可Q&A(仮称)の作成・公表 なお、製造たばこ小売販売許可に係る取扱いについて、許可申請者等から問合せの多い 事項を中心にQ&Aをとりまとめ、平成 14 年 7 月を目途に財務省ホームページに掲載しま す。 (3)塩事業の適切な運営の確保について イ 塩産業の構造改革について 財政制度等審議会たばこ事業等分科会は、塩事業部会を設置し調査・審議を行った結 果、平成 13 年 11 月 29 日に「塩の製造、輸入、流通にわたる原則自由の市場構造への移 行を円滑に進めるための対応について」の答申をとりまとめ、平成14年4月1日以降 の原則自由の市場構造への移行に備え、輸入精製塩との競争条件を整えるため、基本税 率を 0.5 円/kg、暫定税率を平成 14 年度 3.3 円/kg、15 年度 2.9 円/kg、16 年度 2.5 円/kgとすることを盛り込んだ「関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する 法律案」が第 154 回通常国会に提出されました。 また、塩業界の構造改革を支援するため、現行の助成措置の枠組みの中で、塩業界が 造成した基金に対して塩事業センターが助成を行うこととしました。 これまでも塩事業センターが助成金を交付する際には、同センターに説明を求めるな ど適切な管理・運営の確保に努めておりますが、新たに塩業界が造成した基金により行 われる事業についても、同センターを通じて同基金に関する定期報告を受けるなど、同 センターと連携を図り適切な管理・運営の確保に努めます。 また、原則自由の市場構造への移行にあたり、塩製造業界及び塩卸売業界が進める構 造改革に関して、塩事業センターと連携し、適切な指導・助言に努めます。 ロ 塩事業者に対する監督等について 塩事業法などの規定に基づき、①塩の需給見通し及び需給実績の調査及び公表、②塩 産業の効率化を図るための、塩事業者に対する助言、指導等、③塩事業センターの指定 及び監督、④各財務局等が行っている塩事業者に対する登録・届出等に関する事務の調 整、などを行っています。 塩事業法に規定された経過措置期間の終了に伴い、塩特定販売業及び塩卸売業等への 新規参入者の急増が予想されますが、各財務(支)局及び各税関などと連携を図り、新 規参入者の登録事務などの適切な運営の確保に努めるとともに、塩事業者などの適切な 管理・監督に努めます。 ○業績目標 4-13-4:塩需給見通し・塩需給実績の調査・公表 塩需給見通し及び塩需給実績については、塩事業者及び消費者などに必要な情報を提供 することを目的として、毎年度、調査・公表しておりますが、これは塩事業者などの事業 活動の指針に寄与する重要な情報であることから、引き続きこの塩需給見通し及び塩需給 実績の調査・公表に努めます。 ○政策目標4−14:地震再保険事業の健全な運営 政策所管課等:大臣官房政策金融課 基本的考え方 地震保険制度は、昭和39年の新潟地震を契機に、政府と損害保険業界で補償制度を検討 した結果、昭和41年に制定された「地震保険に関する法律」に基づいて発足しました。 地震保険は、民間の損害保険会社が引き受けた地震保険の責任の一部を政府が再保険す るもので、地震被害が大きく、損害額が巨額に上る場合、民間の損害保険会社だけでは支 払いが困難になるので、損害額が一定の額を超過した場合、その超過した部分について、 国が再保険金を支払うという仕組です。 政府が再保険を行うことによって、地震保険への加入者を増加させ、保険集団を安定さ せることにより、被災者が地震で被害に遭った場合の生活の安定や生活再建等に寄与する ことを目的としています。 この目的を実現するためには、財務省においては、地震再保険事業を健全に運営するこ とが必要であります。また保険会社等に対しては、地震保険の普及活動等を積極的に行う よう指導・助言等を行っているほか、政府自らも普及のための広報活動を行っています。 地震保険の保険金支払に係る官民合計の総支払限度額については、巨大地震の発生に対 応し得るよう、予想最大損害額(注)の推定を基に設定しています。 また、再保険事業は極めて長期の保険収支を前提として運営されているため、政府の再 保険事業収支の状況等を明らかにし、かつ予測しがたい大地震の発生に際して保険金の支 払いに支障が生じないように弾力的に予算上、資金上の措置を講じる必要性があることか ら、独立した地震再保険特別会計によって運営されているところであります。 (注)過去最大級の地震である関東大地震が再来したと仮定した場合に予想される最大支払総額を指す。 平成14年度においては、今後の契約の増加により、予想最大損害額が14年度中に現行の 官民総支払限度額を超える見込であることから、4月1日より官民総支払限度額を現行の 4兆1千億円から4兆5千億円に引き上げる予定であり、引き続き確実な保険制度の運営 を行っていきます。また、政府としても財務省として作成した駅貼りポスター等により、 引き続き広報活動を行っていく予定です。 政府は、毎年、地震保険の普及状況等を把握するための指標として、地震保険の加入状 況等(契約件数等)により、地震保険普及率を算出していますが、再保険事業の最終的目 的は地震保険の普及による被災者の生活の安定等であることから、実績評価の指標として は普及率を用いることとします。 現在までのところ、地震保険の普及率は下表のようになっており、前年度より上昇を14 年度の目標といたします。 【 4-14-1 地震保険の普及率の推移】 9年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 目標値 契約件数(A) 世帯数 (B) 普及率(A/B) (千件) 6,565 6,924 (千世帯) 46,157 46,812 (%) 14.2 14.8 7,326 7,664 47,420 48,015 15.4 N.A. 前年度よ り上昇 16.0 (出所)地震再保険株式会社 (注) 平成13年度実績値は、14年8月末にデータが確定するため、9月までに地震再保険株式会社のディスクロ ージャー誌等に公表される予定。 政策目標5:貿易の秩序維持と健全な発展 ○政策目標5−1:内外経済事情を踏まえた適切な関税率の設定・関税制度の改善 政策所管課等:関税局関税課、参事官室、調査課、業務課、調査保税課 基本的考え方 関税の機能の一つとして、国内産業保護機能がありますが、関税政策の企画立案に際し ては、国際的な経済・貿易の発展への貢献、国内産業の実情、需要者への影響を総合的に 勘案し、他の政策手段とあいまって、国民経済の健全な発展、さらには世界経済の健全な 発展につながるものとする必要があります。 このような考え方に基づき、財務省では、最近における内外の経済情勢、貿易動向等の 変化を踏まえ、公平・簡素・透明という観点に留意しつつ、適切な関税率の設定及び特殊 関税、特恵関税等の関税率に係る諸制度の改善とその適正な運営を図っており、各年度に おいて所要の関税改正を行うこととしています。 なお、各年度における関税率の設定・関税制度の改善に当たっては、物資所管省庁であ る農林水産省や経済産業省、あるいは外交政策を所管する外務省をはじめ各省庁から提出 された関税改正要望をもとに関係省庁と協議するとともに、学識経験者、産業界や消費者 の代表者等からなる関税・外国為替等審議会での調査、審議の結果を反映することとして います。 また、同様の考え方から、WTO(世界貿易機関)第 4 回閣僚会議において立上げが合 意された新たな多角的貿易交渉や二国間交渉等の場において、関税交渉等に積極的に取り 組むこととしています。 ○政策目標5−2:税関手続における利用者の利便性の向上 政策所管課:関税局業務課、総務課、監視課、調査保税課、事務管理室 基本的考え方 (1)税関手続に係る制度等の改善 貿易の秩序維持と健全な発展を目指すにあたっては、輸出入通関・保税その他の税関手 続について、適正な申告が確保される環境を整えた上で簡便な手続と円滑な処理を実現 し、国際物流の円滑化・コスト低減を図り、利用者の方々の利便性を向上することが重 要です。このため、次の業績目標及び業績指標を設定します。 ○業績目標 5-2-1:輸出入通関・保税その他の税関手続における利用者の利便性を向上す る。そのために、簡易申告制度の利用促進、通関情報処理システム(N ACCS)等の更なる充実による電算・システム化の推進、ローリス ク貨物に対する手続の簡素化などを推進する。特に、IT革命に対応 して、輸出入及び港湾諸手続のペーパーレス化、ワンストップサービ ス(シングルウィンドウ化)を推進する。 輸出入許可・承認件数は年々増加していますが、税関としては、物流を阻害するこ となく円滑な通関処理を実現するため、申告等手続のシステム化や諸手続の改善を推 進しています。 輸出入申告手続のシステム化をはじめとする様々な取組みによって通関の迅速化が どれだけ実現されているかを測定するため、業績指標として「輸入通関における平均 所要時間(調査実施年度のみ)」を設定します。但し、14 年度においては、通関時間調 査の実施予定がないため、本指標による目標達成度の評価は行いません。 さらに、輸出入通関における利用者の方々の利便性がどれだけ向上しているかを測 定するため、「輸出入通関における利用者満足度」を設定します。 本指標は輸出入者及び輸出入者から依頼を受けて輸出入手続を行う通関業者の方々 の満足度合いをアンケート調査し、次年度以降の業務の改善に生かすものです。具体 的には、輸出入通関についての総合的な満足の度合いを、回答者の方々にとって迷い・ 遠慮を少なくするため7段階(大変満足、満足、どちらかといえば満足、どちらとも いえない、どちらかといえば不満、不満、大変不満)の選択肢に分けて、そのうち上 位2段階(大変満足、満足)の割合を「輸出入通関の運用状況(輸出入通関について の利用者満足度)」として示します。また、輸出入通関を構成する個別の利便性につ いても、アンケート調査により利用者の印象、意見等を聴取し、その結果を分析する ことにより、輸出入通関について改善を図り、利用者の方々の要望により適ったもの としていきます。 【5-2-1 輸入通関における平均所要時間(調査実施年度のみ)】 平均所 海上 要時間 (単位:時間) 平成 4 年度 7 年度 9 年度 12 年度 (H5.3 実施) (H8.3 実施) (H10.3 実施) (H13.3 実施) 13.1(116.2) 10.2(95.1) 5.6(86.7) 4.9(73.8) 1.6( 43.7) 1.8(46.3) 0.7(31.5) 0.6(25.7) 航空 (出所)関税年報、財務省ホームページ:関税局業務課調 (注)輸入申告から輸入許可までの時間(船舶等の入港から輸入許可までの時間も参考提示) 【5-2-2 輸出入通関における利用者満足度】 平成 10 年度 満足度 集計実績無 11 年度 (単位:%) 12 年度 13 年度 14 年度目標値 N.A. 向上 (出所)関税局業務課調 (注)アンケート調査により計測 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書 にて公表予定。 輸出入申告・保税その他の税関手続のシステム化については、昭和 53 年にNACC S(通関情報処理システム)を導入しておりますが、税関関連の申請・届出等手続に ついての更なるシステム化を実現するため、平成 14 年度に税関手続申請システム(C uPES)を導入する予定です。NACCSについては、累次のシステム更改や他省 庁システムとのインタフェース化等を行い、通関の迅速化や、輸出入者の方々の負担 軽減を図ってきたところです。 さらに、輸出入・港湾関連手続のワンストップサービス(シングルウィンドウ化) の推進を図るため、関係府省の間において検討体制(輸出入・港湾手続関連府省連絡 会議)を整備し、平成 14 年 1 月に基本方針を策定しました。ここで取り組むことして いるシングルウィンドウ化とは、NACCSや関係省庁のシステムを相互に接続・連 携することにより、一回の入力・送信で全ての必要な輸出入・港湾関連手続を行える ようにするものです。今後とも、関係府省と協力しつつ、平成 15 年度のできるだけ早 い時期にシングルウィンドウ化を実現することとしています。NACCSの開発・運 用にあたっては、利用者にとって使い易く、運用にあたってコストが低く、国際標準 にも配慮し、手続面で簡素なシステムを構築していくことに努めているところであり、 平成 14 年 4 月から海上システムの利用料金の引下げが実施されることとなりました。 近年、一定の要件を満たした航空貨物の輸出入申告について、マニフェスト等によ る簡易な申告を認めたことにより、NACCSを経由しない申告も微増していますが、 13 年 10 月の航空NACCSの更改において、これらの申告についても、NACCS による処理を可能とし、また、航空NACCSのシステム更改に当たっては、更改後 のシステムに円滑に移行できるよう利用者の方々への説明会を積極的に実施しました が、引き続き、システムの稼動に万全を期すとともに、電算処理率の向上に努めてい ます。 こうしたシステム化の推進という目標に対応する業績指標として、 「NACCSの運 用状況(システム稼働率)」を設定し、システムによる行政サービスがどれだけ安定的 に提供されているかを測定することで、稼働率をできるだけ 100%に近づけることを目 指します。 また、「NACCSの運用状況(電算処理率)」を設定し、実際のシステム化の活用 状況を測定することとします。14 年においては、13 年 10 月に実施された航空NAC CSの更改により、これ以降電算処理率が輸出入ともに 90%程度以上となることを目 指します。 【5-2-3NACCSの運用状況(システム稼働率) 】 平成 10 年度 11 年度 12 年度 99.9 99.9 100 100 システム 航空 NACCS 稼働率 (単位:%) 海上 NACCS 13 年度 14 年度目標値 99.8 N.A. 100 程度 99.9 N.A. 100 程度 (出所)通関情報処理センター調 (注1)システム実稼動時間÷1日のうちメンテナンス時間(※)を除く時間 (※)メンテナンス時間 航空:午前 4:30∼午前 6:00(平成 13 年 10 月からは午前 4:30∼午前 5:00) 海上:午前 2:00∼午前 5:00 (注2)システムを更改した年度(航空:平成 13 年度、海上:平成 11 年度)においては、旧シ ステムと更改システムとを合わせた数値 (注3)システムの更改後は EDI 仕様を採用したことから、ホストコンピュータの稼働率を示す 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書 にて公表予定。 【5-2-4NACCSの運用状況(電算処理率) 】 平成 10 年 11 年 (単位:%) 12 年 13 年 14 年目標値 電算 輸出許可 92.6 91.0 92.2 N.A. 90 程度以上 処理率 輸入許可 85.9 84.2 82.2 N.A. 90 程度以上 (出所)関税局事務管理室調 (注)NACCSにより処理された輸出入申告件数/税関への全輸出入申告件数(輸出入申告件 数には、輸出入許可、蔵入承認件数、移入承認件数、総保入承認件数及び積戻し件数を含む) 。 平成 13 年実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書に て公表予定。 輸出入通関・保税その他の税関手続については、簡便な手続と円滑な処理を実現す るために様々な改善を行ってきています。 輸出入通関については、①輸出に係る包括事前審査制度の導入<輸出者が同一種類 の貨物を継続して輸出する場合、あらかじめ包括的に審査を行うことにより、輸出通 関の迅速化を図る制度>(昭和 54 年) 、②1万円以下の少額貨物に対する免税制度の 創設(平成元年)、③予備審査制の導入<船舶・航空機の入港前であっても、あらかじ め税関において書類の審査を受けることにより、輸入通関の迅速化を図る制度>(平 成3年)や航空貨物に係る到着即時輸入許可制度の導入<予備審査制を利用した航空 貨物のうち、取締り上支障がないものとして検査が不要とされた貨物について、貨物 の到着が確認され次第、輸入申告が行われれば直ちに輸入を許可することにより、輸 入通関の迅速化を図る制度>(平成8年) 、④10 万円以下の少額貨物に対する簡易税率 制度の創設(平成5年)⑤簡易申告制度の導入<輸入申告と納税申告を分離し、納税 申告の前に貨物を引取ることを可能とする制度>(平成 13 年3月)などの改善を行っ てきました。これらの制度については、手続を簡素化し、通関手続の迅速化に寄与す るものであることから、今後とも説明会等を通じて周知していきます。 保税制度については、①総合保税地域制度の創設(平成 4 年) 、②保税蔵置場制度の 創設(保税上屋と保税倉庫の統合) (平成 6 年) 、③全面的な自主管理制度の導入(平 成 9 年)などの改善を行ってきました。 通関業制度については、許認可等申請手続の簡素合理化を図る観点から、平成 14 年 度に①通関業の許可申請に係る添付書類の記載事項の簡素化、②通関業許可申請事項 の変更届の提出先の一元化を行います。 さらに、予備審査制における対象貨物の全輸入貨物への拡大(平成 6 年)や執務時 間外の受理の実施(平成 7 年)など、制度導入後においても、利用者の方々のニーズ を踏まえた累次の見直しを実施しており、これらの取組みを通じて、通関時間の一層 の短縮を図っています。 当該目標に対応する業績指標として、 「輸入通関の迅速化のための制度(予備審査制、 到着即時許可制度、簡易申告制度)の利用状況(通関所要時間(調査実施年度のみ))」 を設定し、税関手続に係るこれらの改善によって通関の迅速化がどれだけ実現されて いるかを測定します。但し、14 年度においては、通関時間調査の実施予定がないため、 本指標による目標達成度の評価は行いません。 【5-2-5 輸入通関の迅速化のための制度(予備審査制、到着即時許可制度、簡易申告制 度)の利用状況(通関所要時間(調査実施年度のみ))】 平成 4 年度 7 年度 (H5.3 実施) (H8.3 実施) (単位:時間) 9 年度 12 年度 (H10.3 実施) (H13.3 実施) 海 予備審査制利用有 6.6 4.4 1.6 1.3(54.1) 上 予備審査制利用無 13.6 10.9 6.2 5.9(79.4) 航 予備審査制利用有 0.8 0.1 0.1 0.1( 4.8) 空 予備審査制利用無 1.6 1.9 0.7 0.6(31.5) ― 【集計実績無】 0 ( 1.7) 到着即時輸入 ― 許可制度利用 (出所)関税年報、財務省ホームページ:関税局業務課調 (注1)予備審査制を利用した場合と利用しなかった場合、それぞれについての輸入申告から輸 入許可に至るまでの時間。 (注2) 12 年度欄には、船舶等の入港から輸入許可までの時間を括弧書きで参考表示した。 (2)情報提供機能の強化 税関手続に係る制度等の改善を図るとともに、輸出入者の方々に対する積極的な情報 提供を実施し、税関行政の透明性を確保することが、利用者の方々の利便性向上のため に重要です。このため、次の業績目標及び業績指標を設定します。 ○業績目標 5-2-2:これらの施策の実効性を確保する観点から、関税率表の所属区分等の 公開、カスタムスアンサーの機能の充実、税関相談、事前教示等によ り、税関手続に関する利用者への情報提供機能を強化する。 税関行政の透明性を確保し、税関手続を行う利用者の方々の利便性の向上を図るために は、何よりも関税制度自体について輸出入者の方々に十分な情報を提供することが必要で す。このため、ホームページへの情報掲載等、関税制度についての広報に努めるとともに、 制度改正等に際しては説明会等を積極的に開催しています。 当該目標に対応する業績指標として、 「税関ホームページへのアクセス件数」を設定し、 インターネットを通じた情報提供の浸透状況を測定します。税関ホームページは、これま で関税制度、税関手続案内、貿易統計等の情報を提供してきましたが、14 年度におい ては、品目分類情報、課税価格の換算に用いる外国為替情報、保税地域情報、知的財 産権侵害物品に係る輸入差止申立情報、ワシントン条約情報等、新規掲載情報を増や し内容を一層充実させるとともに、貿易統計等について情報の検索機能を付加する等 利用者の方々にとっての利便性の向上を図ります。 【2-5-1 税関ホームページへのアクセス件数】 (単位:件) 平成 10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度目標値 集計実績無 59,952 142,041 N.A. 増加 アクセス件数 (出所)関税局総務課調 (注)財務省ホームページ内に開設している税関ホームページ(トップページ)のアクセス件数。 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書に て公表予定。 税関では、輸出入者の方々に適正な申告をしていただく一助として、関税に関する法 律の解釈・適用、申告・申請等の手続等に関する相談を受け付ける総合的な窓口とし て、税関相談官を設置しています。また、8 年から税関手続についての相談を音声又は ファックスで自動的に回答する「カスタムスアンサー」を導入しています。このよう な取組みにより、他省庁所管の手続を含む輸出入手続全般にわたる幅広い情報を提供 します。 当該目標に対応する業績指標として、 「税関相談制度の運用状況(税関相談に即日で 対応した割合)」を設定し、税関相談に迅速に対応できているかどうかを測定します。 14 年度においては、本指標の向上を目指して業務運営を行います。 また、対応の速さのみでなく、税関相談事務の内容が利用者の方々の要望に適った ものであるかどうかを測定するため、 「税関相談制度の運用状況(税関相談についての 利用者満足度)」を設定します。 本指標は税関相談制度の利用者の満足度合いをアンケート調査し、次年度以降の業務の 改善に生かすものです。具体的には、税関相談制度についての総合的な満足の度合いを、 回答者の方々にとって迷い・遠慮を少なくするため7段階(大変満足、満足、どちらかと いえば満足、どちらともいえない、どちらかといえば不満、不満、大変不満)の選択肢に 分けて、そのうち上位2段階(大変満足、満足)の割合を「税関相談の運用状況(税関相 談についての利用者満足度) 」として示します。また、税関相談制度を構成する個別の事務 の内容についても、アンケート調査により利用者の印象、意見等を聴取し、その結果を分 析することにより、税関相談制度について改善を図り、利用者の方々の要望により適った ものとしていきます。 さらに、 「カスタムスアンサー」については、平成 12 年度から税関ホームページに掲載 しているところですが、掲載率を 100%とすることを目指します。 【2-5-2 税関相談制度の運用状況(税関相談に即日で対応した割合) 】 平成 10 年度 割合 11 年度 12 年度 集計実績無 (単位:%) 13 年度 14 年度目標値 N.A. 向上 (出所)関税局業務課調 (注)税関相談官が処理した事案のうち、受付から回答までの所要時間が即日だったものの割合。 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書 にて公表予定。 【2-5-3 税関相談制度の運用状況(税関相談についての利用者満足度) 】 平成 10 年度 満足度 11 年度 12 年度 集計実績無 (単位:%) 13 年度 14 年度目標値 N.A. 向上 (出所)関税局業務課調 (注)アンケート調査により計測 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書 にて公表予定。 【2-5-4 カスタムスアンサー利用状況(インターネット掲載率)】 平成 10 年度 掲載率 ― 11 年度 ― 12 年度 94.7 13 年度 (単位:%) 14 年度目標値 94.7 100 (出所)関税局業務課調 (注)インターネット版掲載コード/カスタムスアンサー照会用コード数 また、税関においては、輸入者の方々に適正な申告をしていただく一助として、輸入 を予定している貨物の品目分類、適用税率について、事前に照会を受け付け、回答を行 う事前教示制度を設けています。本制度の利用により、税関にとっては、適正な輸入 申告が確保されるとともに、輸入者の方々にとっても、事前に関税率が判明し原価計 算が確実に行える、通関の迅速化が図られる等大きなメリットがあります。 当該目標に対応する業績指標として、 「事前教示制度の運用状況(事前教示に一定期 間以内で回答した割合)」を設定し、事前教示に迅速に対応できているかどうかを測定 します。事前教示の中には、過去の類似する事例を参考として利用できることから比 較的時間を要せず回答できるものもありますが、様々な調査など慎重な検討が必要と なり時間を要するものがあります。このようなものであっても迅速な対応に努めるた め、14 年度においては、13 年度に引き続き、文書による照会に対して 30 日以内で回 答した割合(回答するために必要な資料等の提供が遅れるなど税関が関与できない要 因により 30 日以内に回答できない場合を除く。 )について、95%程度以上となること を目指して業務運営に努めます。また、口頭による照会については、即日で回答した 割合(回答又は質問のための税関からの電話等に照会者が応答しないなど税関が関与 できない要因により即日に回答できない場合を除く。 )について、本指標の向上を目指 して業務運営を行います。 【2-5-5 事前教示制度の運用状況(事前教示に一定期間以内で回答した割合) 】 (単位:%) 平成 10 年度 文書による回答 口頭による回答 89.0 集計実績無 11 年度 92.3 12 年度 13 年度 14 年度目標値 87.4 N.A. 95 程度以上 N.A. 向上 (出所)関税局業務課調 (注)事前教示回答件数のうち、受付から回答までの所要時間が一定期間(文書による回答につ いては 30 日、口頭による回答については即日)以内であったものの割合。 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書 にて公表予定。 ○政策目標5−3:社会悪物品等の密輸阻止 政策所管課:関税局監視課、総務課、調査課、業務課、調査保税課 基本的考え方 (1)取締体制等の整備 現在、第 3 次覚せい剤乱用期と言われるなど不正薬物の乱用が深刻化しており、また、 銃器問題が引き続き社会問題となっている中で、税関においては、覚せい剤・麻薬・銃 砲等のいわゆる社会悪物品の国内流入を水際で阻止することを最重要課題の一つと位置 付け、積極的な取締りを実施しています。このほか、知的財産権侵害物品及び有害廃棄 物等の輸出入が禁止されている物品についても、国際貿易における秩序維持を図るため、 水際における取締りを行っています。また、現在、社会問題となっている盗難車両の不 正輸出等についても、警察当局等と連携し、水際において適切な対応を行っています。 さらに、昨年 9 月、米国における同時多発テロの発生を受けて、テロ対策の強化に万全 を期すため、通関検査体制の強化、税関関連施設における巡回の強化等を実施していま す。なお、本年 5 月末より 1 ヶ月にわたり日本・韓国の共同開催によるワールドカップ サッカー大会が行われますが、同大会期間中に増大が予想される旅客への対応等につい ても万全を期してまいります。 近年はコンテナ貨物等商業貨物の利用や洋上取引による密輸事犯の大口化、犯罪組織 の関与による密輸手口の巧妙化が進んでおり、これらに的確に対応するため、密輸摘発 能力の水準の向上に努め、社会悪物品等の一層効果的な取締りを図る必要があります。 このため、次の業績目標及び業績指標を設定します。 ○業績目標 5-3-1:不正薬物・銃砲等の社会悪物品、知的財産権侵害物品、有害廃棄物、 ワシントン条約該当物品、盗難車両等の密輸阻止を図る。そのために、 密輸事犯の大口化や多様化等の変化に対応した取締体制を整備すると ともに、取締機器を拡充し効率的に活用する。 社会悪物品等の密輸阻止の強化に向け、機動班の設置、拠点官署への職員の重点配 置、近隣税関官署の相互応援等、職員を効率的に活用するため、取締体制を機動的に 編成・整備します。 また、貨物を不正輸出入の可能性の高い貨物(ハイリスク貨物)と低い貨物(ロー リスク貨物)に選別し、ローリスク貨物については極力審査・検査を簡略化する一方、 ハイリスク貨物に対して重点的な審査・検査を行うことにより、迅速な通関に対する 要請に応えつつ、通関段階における社会悪物品等の密輸防止に努めます。 さらに、コンテナ貨物大型X線検査装置及び監視取締支援情報通信システムを増配 備するなど、X線検査装置、監視カメラ、麻薬探知犬等の取締機器の拡充・高度化を 図るとともに、効率的な活用に努めます。 こうした密輸阻止に向けた取組に対応する業績指標として、 「不正薬物の水際押収量 の割合」を設定し、他の関係機関と連携して、我が国への不正薬物の流入を水際にお いてどれだけ阻止できているかを測定します。当該指標は、他の関係機関による実績 等外的要因から毎年の変動が激しいため、過去5年間の移動平均で把握します。 また、密輸事犯の大口化、密輸手口の巧妙化が進む中で、それに対応するための税 関の密輸摘発能力の水準を維持・向上していくことが重要です。このため、 「卓越した 着想・調査手法等による密輸摘発事案の件数」を設定し、密輸摘発能力の水準の向上 が図られているかどうかを測定します。 本指標は、税関が摘発した不正輸出入事犯(関税等ほ脱事犯を除く)について、情 報の収集・分析・活用、着眼点、困難性等の観点から設定した選考基準に基づき、ポ イント制で評価し、評点が合計で3点以上又は一項目で満点(2点)となる事案の件 数を計上するものです。 〔選考基準〕 1.情報の収集・分析・活用 創意工夫を凝らした情報の収集、分析又は活用が密輸事犯の摘発の端緒となった場 合に1点を与える。 なお、当該創意工夫が他の密輸事犯の摘発に有効であると認められる場合には更に 1点を加点する。 2.着眼点 担当者が細心の注意力や推理力を発揮して密輸事犯を摘発した場合に1点を与える。 なお、着眼点が過去に例のないような優れたもので、他の密輸事犯の摘発に有効で あると認められる場合には更に1点を加点する。 3.困難性 地道な努力や粘り強い調査等により困難を克服して密輸事犯を摘発した場合に1点 を与える。 なお、特に程度の高い困難を克服した場合には更に1点を加点する。 4.その他の卓越性 以上のほか、密輸事犯の摘発に関し、事務処理の効率化又は機器の活用等に創意工 夫が認められる場合に1点を与える。 なお、当該創意工夫が他の密輸事犯の摘発に有効であると認められる場合には更に 1点を加点する。 【5-3-1 不正薬物の水際押収量の割合】 平成 6∼10 年 水際押収量の割合 68.8 (単位:%) 7∼11 年 75.5 8∼12 年 80.4 9∼13 年 N.A. 10∼14 年目標値 向上 (出所)関税局監視課調 (注)当該年を含めた過去 5 年間における不正薬物(覚せい剤、大麻、麻薬類(ヘロイン、コカ イン、あへん) )の国内全押収量(厚生労働省統計)中、水際押収量(税関が摘発した事件、 または警察等他機関が摘発した事件で税関が関与したものに係る押収量)の占める割合 平成 9∼13 年実績値は、平成 13 年における国内全押収量を把握後、実績評価の実施計画又は 実績評価書にて公表予定。 【5-3-2 卓越した着想・調査手法等による密輸摘発事案の件数】 平成 10 年度 密輸摘発事案の件数 集計実績無 11 年度 12 年度 (単位:件) 13 年度 14 年度目標値 N.A. 増加 (出所)関税局監視課調 (注)各事案について、情報の収集・分析・活用、着眼点、困難性等の観点から評点し、一定基 準以上のものの件数を計上。 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書に て公表予定。 (2)関係機関との連携と情報の収集等 社会悪物品等の密輸を水際で阻止するためには、内外を問わず関係機関と積極的に連 携して取り組んでいくことが不可欠です。また、関係機関に加え民間からも密輸情報を 収集するとともに、その情報を有効に活用する必要があります。このため、次の業績目 標及び業績指標を設定します。 ○業績目標 5-3-2:内外関係機関との積極的連携や情報交換等を推進するとともに、密輸 情報の収集・分析を強化し、適切に活用する。 船内検査等の合同取締りや犯則事件の共同調査、積極的な情報交換を通じて、関係 機関との連携を強化します。 特に、密輸情報については、警察及び海上保安庁等の国内関係機関や外国税関(日 本駐在のアタッシェを含む。)及び世界税関機構(WCO)等といった外国関係機関と の情報交換等を積極的に推進するとともに、密輸防止のための民間からの情報提供の 促進に努めます。また、税関における密輸情報を全国一元的に管理し、分析手法の向 上を図り、収集した情報を積極的に活用することにより、密輸の摘発に努めます。 当該目標に対応する業績指標として、 「密輸摘発事案のうち情報を活用したものの割 合」を設定し、様々な手段で収集した情報を有効に活用したかどうかを測定します。 【5-3-3 密輸摘発事案のうち情報を活用したものの割合】 平成 10 年 情報を活用したものの割合 集計実績無 11 年 9.0 (単位:%) 12 年 13 年 13.5 14 年目標値 8.8 向上 (出所)関税局監視課調 (注)国内関係機関、外国関係機関、関係業界又は一般市民等からの事前情報を端緒として摘発 した件数の社会悪物品の密輸摘発総件数に占める割合。 (3)広報啓発活動の積極的展開 こうした社会悪物品等の密輸阻止のための施策を進めるに当たっては、国民の皆さま に税関の役割等について十分御理解、認知をいただくことが重要です。このため、次の 業績目標及び業績指標を設定します。 ○業績目標 5-3-3:これらの施策の実効性を確保する観点から、街頭キャンペーン、税関 展、講演等による積極的な広報啓発活動を展開する。 社会悪物品等の密輸阻止に係る諸施策の実効性を確保する観点から、街頭キャンペ ーン、税関展、講演等による積極的な広報啓発活動を展開します。 当該目標に対応する業績指標として、税関の広報啓発活動が国民の皆さまにどれだ け認知され、また、その内容についてどれだけ的確にご理解いただいているのかを測 定するため、「税関広報に関する評価(認知度・好感度) 」を設定します。 本指標は税関広報に関する認知度・好感度をアンケート調査し、次年度以降の業務 の改善に生かすものです。具体的には、税関広報についての総合的な印象の度合いを、 回答者の方々にとって迷い・遠慮を少なくするため7段階(大変好感が持てる、好感 が持てる、まぁ好感が持てる、どちらともいえない、あまり好感が持てない、好感が 持てない、全く好感が持てない)に分けて聞き、そのうち上位2段階(大変好感が持 てる、好感が持てる)の割合を「税関広報に関する評価(認知度・好感度) 」として示 します。また、税関広報を構成する個別の活動についても、アンケート調査により国 民の皆様の印象、意見等を聞き、その結果について分析することにより、税関広報に ついて改善を図り、国民の皆様により理解、認知をいただくようにします。 【5-3-4 税関広報に関する評価(認知度・好感度)】 平成 10 年度 評価 集計実績無 11 年度 12 年度 (単位:%) 13 年度 14 年度目標値 N.A. 向上 (出所)関税局総務課調 (注)アンケート調査により計測 平成 13 年度実績値は、14 年 6 月末までにデータが確定するため、平成 13 年度実績評価書 にて公表予定。 ○政策目標5−4:税関手続の国際的調和・簡素化 政策所管課等:関税局調査課、参事官室、税関調査室、関税企画官室 基本的考え方 WTO(世界貿易機関) 、WCO(世界税関機構)等の国際機関をはじめ、APEC(ア ジア太平洋経済協力) 、ASEM(アジア欧州会合)等の地域協力の枠組みやG7(7 か国 財務大臣・中央銀行総裁会議)のプロセス等において、税関手続の国際的調和・簡素化を 推進するための様々な取組がなされています。これらの取組を通じて、税関手続の国際的 標準化や税関行政に関する規則の統一等が図られることにより、国際貿易の円滑化が促進 され、ひいては、税関手続における利用者の利便性の向上、社会悪物品等の密輸阻止等に も資するものと考えられます。 主要な国際貿易国である我が国にとって、税関手続の国際的調和・簡素化が果たすこれ らの役割は非常に重要なものであり、上記国際機関、地域協力の枠組みやG7等における 取組に積極的に参画し、リーダーシップを発揮しつつ強力に貢献していく必要があります。 現在の具体的な取組としては、主に以下のようなものが挙げられます。 (1)WTO、WCO等の国際機関における取組 税関手続の国際的調和・簡易化を目的とした「税関手続の簡易化及び調和に関する国際 規約」は、1973 年に京都で開催されたWCO総会で採択されたことに因んで、 「京都規 約」とも呼ばれていますが、その策定等関連作業において常に重要な役割を果たしてき た我が国にとって、名実ともに縁の深いものとなっています。1999 年には、その後の税 関手続の進展を反映し、現行規約よりも実効性のある改正京都規約が採択されました。 我が国は、2001 年 6 月に改正京都規約を受諾したところであり、その早期発効に向けた WCOの取組に積極的に貢献しています。 また、WTO及びWCOにおいては、各国における原産地規則の透明性・予見可能性 を高め、もって円滑な国際貿易を促進することを目的として、WTO原産地規則協定に 基づく原産地規則の国際的な調和(統一)が進められています。我が国は、WCOに対 する人的貢献などを通じて積極的な貢献を行っていますが、同時に、規則が我が国の慣 行からみても十分合理性を有するものとなるよう努めています。 さらに、WTOにおいては、税関手続の国際的調和・簡素化を含む貿易円滑化につい て、2 年後に予定されている第 5 回閣僚会議で交渉の開始について決定することとされ、 それまでの間WTO物品理事会において交渉の準備作業が行われています。我が国は、 同理事会及び関連会合に出席し、本件を推進しているグループ(コロラド・グループ) の一員として、同理事会の取組に積極的に貢献しています。 (2)APEC、ASEM等の地域協力の枠組みにおける取組 APEC、ASEM等の地域協力の枠組みにおいても、主に税関手続関連事項を扱う 小委員会・部会等において、税関手続の国際的調和・簡素化に向けた作業が行われてい ます。 APECについては、税関手続小委員会において、モノの貿易に関する必要書類の削 減・撤廃を目的とした「ペーパーレス貿易」等の 14 項目からなる共同行動計画を設定し、 域内各メンバーが協力してその実施に向けた活動を行っています。 ASEMにおいても、手続作業部会が 2000-2002 年の行動計画として「ASEM税関 手続データベース(ウェブサイトに掲載)の改訂を通じた透明性の向上」等 11 項目の具 体的共通目標を設け、税関手続の国際的調和・簡素化に努めているところであり、我が 国としても同部会に引き続き積極的に貢献していきます。 (3)G7における取組 リヨン・サミット(1996 年)経済コミュニケを受け、G7各国の税関専門家により、 輸出入手続に係る電子的な税関申告の標準化・簡素化作業(申告項目の標準化・簡素化 及び共通電子申告フォーマットの開発)が進められてきました。本作業については、2001 年 12 月 31 日を以って完了し、G7が開発したEDI標準については、 2002 年 1 月以降、 WCOが管理・更新し各国税関への普及に向け取り組んでいます。我が国は、G7の主 要なメンバーとしてその責務を果たしてきましたが、WCOに引き継がれた後も積極的 に貢献していきます。 なお、今後、G7各国においては開発された電子申告フォーマット等をテストするた めのプロトタイプ(実証試験)の実施に向け、必要な作業を進めていくこととなってお り、我が国としても、各国の状況を踏まえつつ、取り組んでいきます。 政策目標6:国際通貨システムの安定と国際協力・交流の推進 ○政策目標6−1:外国為替及び国際通貨システムの安定 政策所管課等:国際局調査課、国際機構課、地域協力課、為替市場課 基本的考え方 近年世界各国の経済の相互連関が一層深まり、国際的な資金移動が一層活発化する中で、 我が国と外国との資金の流れの安定を図るとともに、国際通貨システムを安定させること が益々重要となっています。そのような認識の下、財務省では、外国為替及び外国貿易法 (外為法)に基づいて外国為替制度の運営にあたっているほか、国際通貨システムの安定 に取り組んでいます。具体的には次の施策を実施します。 (1)外国為替の安定 外国為替市場においては、市場参加者の思惑等により、ファンダメンタルズ(基礎的 な経済状況)を反映しないまま急激な為替の変動が生ずる場合がありますが、このよう な変動は物価や国際収支、更には経済全体に悪影響を及ぼす恐れがあり、望ましくない と考えられます。為替レートは、ファンダメンタルズを反映しつつ、安定的に推移する ことが重要であり、そのためには、為替市場における各国の緊密な協力等が不可欠です。 財務省においては、必要に応じた通貨当局の介入、国際金融市場のモニタリング等を通 じ、外国為替相場の安定に向けた取組を行っています。例えば、昨年9月の米国同時多 発テロ後、為替相場はテロ直後から急速に円高に振れましたが、ファンダメンタルズを 外れた円高の進行は、我が国経済の回復にとって好ましくないとの考え方の下、為替介 入を行いました。国際金融市場のモニタリングは、広く国際経済情勢の変動に的確に対 応する前提として、その取引の実態を的確に把握するとともに、国際収支統計等の作成 を通じて市場への対外的な資金の流れについての正確な情報提供にも役立っています。 今後とも引き続き、為替市場のモニタリング、国際協調等を通じて外国為替の安定に努 めていきます。 (2)国際通貨システムの安定に関する国際的な取組への参画 ① 最近では、国際金融市場において資金の急激な増加、金融取引の技術の飛躍的な進 歩、ヘッジファンド等の新しいタイプの投資家の影響力の増大等、これまでに見られ なかった国際通貨システムの不安定要因が現れてきています。1997 年(平成 9 年)に 起こったアジア通貨危機は、市場の信認の低下による短期資本の急激な流出という新 しい型の危機であり、このような危機を予防し、また発生した危機に適切に対応する ため、国際通貨システムの構造を強化することが重要な課題となっています。また、 昨年 9 月に発生した米国同時多発テロ事件を受け、テロリスト等に対する資産凍結等 の措置などテロ資金対策に係る国際的な取組が進められています。 我が国は、これまでもサミット、G7(7か国財務大臣・中央銀行総裁会議) 、G20 (20 か国財務大臣・中央銀行総裁会議) 、IMF(国際通貨基金)関連の各種会議等 を通じて、国際通貨システムの安定に関する国際的な取組に積極的に参画しており、 今後とも引き続き国際通貨システムの安定に努めていきます。 ② とりわけ、IMFは、国際通貨システムの中心的な役割を担う機関として、為替の 安定、国際収支の不均衡是正のための資金提供といった従来のIMFの機能に加えて、 世界経済が直面している様々な課題の解決にますます重要な役割を担うようになって きています。我が国はIMFの出資において第二位を占めるなど、従来からIMFの 運営に積極的に参画しており、今後とも引き続き国際通貨システムの安定に向けた議 論に積極的に参加していきます。 (3)アジアにおける地域協力の強化 ① また、通貨危機の発生を予防し、国際通貨システムの安定を図るためには、このよ うなIMF改革の推進等のグローバルな取組と並行して、地域における協力を強化す ることも重要です。具体的には、世界経済における重要性を増し相互依存関係が一層 高まっている東アジア地域において、国際貿易・投資を通じた共通の利益や地域内で の危機伝播リスクに対する共通の懸念に鑑み、地域協力を積極的に推進していく必要 があります。 ② 現在、2000年5月にタイのチェンマイで開催されたASEAN(東南アジア諸 国連合)+3(日中韓)蔵相会議において合意されたチェンマイ・イニシアティブの 具体化として、ASEAN+3の間での二国間スワップ及びレポ取極のネットワーク 構築に向けた作業が行われています。21 世紀におけるアジアの安定した繁栄を達成す るため、チェンマイ・イニシアティブの具体化を通じた域内金融協力ネットワークの 構築や政策対話の強化等、アジア域内の通貨・金融市場の安定に向けた域内協力の強 化に今後とも引き続き積極的に取り組んでいきます。 (4)円の国際化の推進に向けた環境整備 円の国際化は、我が国を含むアジア諸国の経済の安定や東京市場の活性化に貢献する ものと考えられます。財務省は、金融・資本市場における環境整備等に係る広範な政策 提言、諸施策の実施を通じて、円の国際化の推進に向けた環境整備に取り組んでおり、 今後とも引き続き、円の資金調達・運用の利便性の向上等、円の国際化の推進に向けた 環境整備について調査・検討を継続していきます。 (注)財務省が単独では統制できない外部要因 外国為替及び国際通貨システムの安定の達成に際しては、世界経済の動向、市場の動 向、諸外国の経済政策、諸外国政府や国際機関との調整、関係省庁との調整等様々な外 部要因が存在することに留意し、対応する必要があります。 ○政策目標6−2:開発途上国等における安定的な経済社会の発展に資するための多国間・ 二国間の協力 政策所管課等:国際局開発政策課、開発機関課、開発金融課 基本的考え方 情報通信の飛躍的な進歩や経済自由化の進展とともに、経済効率の向上や国際的な相互 依存が急速に進んでいますが、こうしたグローバリゼーションの流れから取り残される 国々や貧富の拡大が問題となっています。2001 年 9 月に発生した米国同時多発テロは世界 経済に悪影響を与え、貧困問題を更に悪化させるおそれがあります。 また、1997 年に端を発したアジア通貨危機は、我が国経済とアジア経済の密接不可分の 相互依存関係を照らし出しました。 こうした中で、我が国は、開発途上国の持続的な経済・社会の発展に貢献していく必要 があります。 我が国の厳しい経済財政状況を踏まえつつ、受入国の状況等を勘案した上で、有償資金 協力、技術協力及び国際機関への出資・拠出等多様な経済援助・資金協力を通じて、開発 途上国等における安定的な経済社会発展に協力し、先進国の一員として我が国の国力にふ さわしい国際的責務を果たしていきます。具体的には、次の施策を実施します。 (1)国際開発金融機関等を通じた開発途上国等への支援 世界銀行、アジア開発銀行等の国際開発金融機関(Multilateral Development Banks: MDBs)は、開発途上国の経済・社会開発を促進することを目的として設立され、加 盟国による出資金や資本市場からの借入金を財源として開発途上国のプロジェクト等へ の融資や技術援助等の活動を行っています。国際開発金融機関を通じた途上国支援には、 ① 豊富な専門的技術能力・統計作成能力や情報網を活用して効果的な援助を行うこと ができること、 ② 二国間援助では場合により困難となる被援助国との政策対話を政治的に中立的な立 場から行えること、 ③ 協調融資や保証を通じた触媒機能の発揮により、民間資金を活用した効率的な支援 が行えること、 ④ 多数の国にまたがる地域的に広がりのある支援を効率的に実施できること、 等の長所があります。 途上国のニーズが多様化している現在、国際開発金融機関が果たすべき役割はますま す高まっています。我が国は、国際開発金融機関の主要株主として、出資・拠出及び国 際開発金融機関の政策運営への積極的な参画を通じて、開発途上国の貧困削減・経済発 展に幅広く貢献しています。今後とも引き続き、各機関の協定や我が国の開発援助に関 する基本的な方針を踏まえ、適切な貢献を行っていきます。 (2)国際協力銀行を通じた開発途上国等への支援 国際協力銀行は、政府の対外政策の実施機関として ① 開発途上地域の経済及び社会の開発又は経済の安定に寄与することを目的とする 超長期・低利の貸付け等(海外経済協力業務)及び ② 国際金融秩序の安定又は我が国の輸出入若しくは海外における経済活動の促進を 目的とする貸付け等(国際金融等業務) を行っております。 財務省は、国際協力銀行が行う海外経済協力業務(円借款)について、政府開発援助 を主管している外務省等の関係省庁や相手国政府と協議をしつつ企画・立案を行ってい ます。また、国際金融等業務については、国際協力銀行法や我が国の政策等を踏まえつ つ、融資制度の企画・立案及び融資業務の監督を行っています。 今後とも引き続き、国際協力銀行を通じた開発途上国の経済・社会開発や国際金融秩 序の安定等への貢献に取り組んでまいります。 ○政策目標6−3:国際協力・交流の推進 政策所管課等:国際局開発政策課、財務総合政策研究所研究部国際交流室、 関税局調査課、参事官室、税関研修所 基本的考え方 (1)開発途上国の経済発展に必要な制度・政策についての知識・経験・ノウハウの提供 開発途上国が持続的な経済発展を進めるためには、各国の発展段階・経済構造に応じ た適切な経済・社会の枠組みの制度設計を行う必要があり、また、当該枠組みの下で適 切な経済・社会活動をする必要があります。このため、我が国として、開発途上国の制 度設計に対する知的支援を行うことが不可欠です。また、 「政府開発援助に関する中期政 策」 (平成 11 年 8 月 10 日対外経済協力関係閣僚会議決定)にも示されているように、我 が国援助の基本理念である開発途上国自身の自助努力を促す観点から、経済・社会開発 の担い手となる人材育成を支援することが重要です。このような支援を通じて、我が国 の経済発展の経験・ノウハウを開発途上国の持続的な発展に有効に活用することができ ると考えられます。 このような考えから、国際局及び財務総合政策研究所は、開発途上国の政策担当者を 対象としたセミナーの実施を通じて、開発途上国の経済発展に必要な制度・政策につい ての知識・経験・ノウハウの提供による国際協力・交流の推進に積極的に取り組んでい きます。 (2)開発途上国における貿易の円滑化及び社会悪物品水際取締能力の向上のための知識・ 経験・ノウハウの提供 世界経済における相互依存度が高まるにつれ、開発途上国を含めた各国の関税制度の 調和・統一並びに関税行政の国際協力・交流の推進が必要となってきています。こうし た現状を受けて、関税局では、開発途上国の税関当局に対し、WCO等の国際機関や二 国間及びAPEC等の地域協力の枠組みを利用して、関税・税関行政分野における研修 員の受入、専門家派遣、地域セミナーの開催等の技術協力事業を実施しています。また、 先進国を含めた各国税関当局と二国間・多国間の枠組みを通じた関係を強めています。 これらの取組によって、国際貿易の一層の円滑化、社会悪物品等の密輸阻止等に資する とともに、税関当局間の国際協力・交流関係の更なる発展を目指しています。 (注)研修・セミナー等の参加者に対し、研修内容等に関する意見を聴取することにより、 その後の研修・セミナー等の内容の更なる向上に努めていく考えです。 各部局共通の組織運営の方針 組織運営の方針:高度な専門性に裏打ちされた、効果的・効率的かつ透明性の高い行政運営を 実施するための組織の維持・構築 ○組織運営の方針1:政策立案・調整機能の発揮 政策所管課等:大臣官房文書課、総合政策課、地方課 基本的考え方 (1)内外情勢の変化の中で、その期待される任務を十全に果たし、諸課題に適切に対応する ため、財務省にはより効果的かつ効率的な行政運営を行うことが求められています。 (2)こうした認識の下、財務省は、 ① 官房が中心となって、省内各部局間及び関係機関との間の必要な調整を行いつつ、財 政経済の基本的な運営方針などに関する総合的又は基本的な政策の立案を行うとともに、 省内各部局において個々の政策を立案する中で、必要な連絡調整を行う、 ② 財務省の総合的な地方支分部局である財務局との連絡を密にし、財務局の調査・分析 結果の本省施策への反映や、本省施策の地方への浸透を図る、 ことなどにより、省全体として、政策の立案・調整機能を十分に発揮する必要があると 考えております。 ○組織運営の方針2:高い能力と見識を有する人材の育成・確保 政策所管課等:大臣官房秘書課、関税局管理課、税関研修所、財務総合政策研究所研 修部、国税庁人事課、税務大学校 基本的考え方 効果的、効率的な行政運営を行うためには、職員の職務遂行能力の維持・向上を図るこ とが必要です。また、専門知識の修得に止まらず、見識を高め、教養を身に付け、良識を 涵養することも重要です。 財務省では、本省・財務局、税関、国税庁の各組織毎に財務総合政策研究所研修部、税 関研修所、税務大学校の各研修機関が、その専門性に応じて研修を実施しています。 ○組織運営の方針3:国民・市場に対する的確な情報の発信・開示と意見の集約 政策所管課等:大臣官房文書課広報室、文書課情報公開室 基本的考え方 (1)的確な情報発信 各種施策・統計の適時・適切な公表・説明、ホームページの充実、国民との意見交換 の充実等の広報活動を幅広く展開することにより、国民・市場に対し的確な情報を発信 するとともに、意見の集約を図ります。 (2)情報公開法への適切な対応 国民に開かれた透明性の高い行政を実現するため、情報公開法の下で、行政情報の公 開と国民への説明責任の徹底を図ります。 ○組織運営の方針4:電子政府実現に向けた行政の情報化の推進 政策所管課等:大臣官房審議官室、文書課広報室、文書課情報管理室、主計局法 規課、関税局総務課、会計センター管理運用部、国税庁企画課 基本的考え方 行政分野への情報通信技術の成果の活用により、国民サービスの向上と行政運営の質的向 上を図るため、行政情報化推進基本計画(平成9年 12 月閣議決定)及びe−Japan重点 計画(平成 13 年3月高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定)等に沿って、以下の とおり、財務省における情報化を総合的・計画的に推進します。 (1)国民、企業と行政との間の情報化 財務省の行政分野において、国民、企業が、様々な行政情報へのアクセス、申請・届出 等手続をインターネット等により簡易に行うことを可能とすることを通じ、国民等の利便 性や行政運営の透明性の向上を図ります。 このため、次の施策等を推進します。 ① 財務省の諸活動に関する情報等の行政情報のホームページ等による電子的提供の充実 ② 税関関連手続、国税関連手続など財務省所管の申請・届出等手続の電子化 【組 4−1 申請・届出等手続のオンライン化実施手続数】 12 年度実績 13 年度実績 14 年度目標値 総手続数 A 15 年度目標値 1292 実施手続数B 32 35 294 1292 B/A 2% 3% 23% 100% (出所)財務省申請・届出等手続の電子化推進アクションプラン (注)総手続数には、オンライン化に馴染まない手続(1 手続)を含みません。 ③ 歳入・歳出の電子化 【組 4−2 官庁会計事務データ通信システム導入官署数】 10年度 591 11年度 781 12年度 937 13年度 862 14年度目標値 864 (出所)会計センター調 (注)13年度において導入官署数が対前年比75官署の減少となっているのは、独立行政法人化等によ るものです。 (2)行政の事務・事業の情報化 行政の事務・事業の運営の中で日々作成・入手される文書について、文書のライフサイク ルを通じ、電子情報を原則とする行政運営を実現することにより、行政運営の効率化を図り ます。 このため、情報ネットワークを通じた情報共有・活用に向けた業務運営の見直しを推進し、 財務省内部などにおける情報の収集・伝達・共有・処理の電子化を推進します。 (3)行政情報化のための基盤整備等 行政の情報化の基盤整備として、地方支分部局等を含めたパソコン1人1台体制の整備や 情報セキュリティ対策の推進を図るとともに、総合的・計画的な企画・実施に向けて、財務 省行政情報化推進委員会の機能を活用します。 【組 4−3 職員へのパソコン配備状況】 10年度 11年度 12年度 2.9 人/台 2.0 人/台 1.7 人/台 (出所)大臣官房文書課情報管理室調 (注)各年度4月1日現在 13年度 1.3 人/台 配備目標 1.0 人/台 ○組織運営の方針5:政策評価の着実な実施等による効果的・効率的な組織の運営 政策所管課等:大臣官房文書課政策評価室、大臣官房審議官室、文書課企画調整室、会計 課、主計局主計企画官、主税局税制第一課、税制第二課、税制第三課、国 際租税課、関税局関税課、理財局財政投融資総括課、計画官 基本的考え方 (1)財務省の行政運営 平成 13 年1月の中央省庁等改革に伴い、「財務省」が発足いたしました。財務省は、納 税者としての国民の視点に立ち、効率的かつ透明性の高い行政を行い、国の財務を総合的に 管理運営することにより、健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会を実現するとともに世 界経済の安定的発展に貢献することを使命とする旨明らかにしました。経済社会の在り方が 変わり、国民の利害が複雑化し、価値観が多様化する中で、諸課題に適切に対応していくた めには、行政運営の在り方も、時代に即応したものとしていく必要があり、財務省は、以下 の3点を重視して行政運営に努めてまいります。 ① まず、財務省は、政策の透明性の向上を図ります。国民に対して積極的に的確な情報 を発信するとともに、国の財政事情や予算編成についても透明性を向上させてまいりま す。財務省の使命と政策の目標を、公表しておりますが、政策評価制度は、財務省の考 え方を広く国民に明らかにし、政策の内容や実施状況について、国民への説明責任を果 たすものであります。いわば、財務省の行政を国民に投影し、その反響を踏まえて自ら 評価し、自己規律していくものであり、今後その着実な実施に努めてまいります。 ② また、納税者としての国民の視点に立って政策を展開してまいります。このため、財 務省の政策について御質問や御意見を伺う場を積極的に設けてまいります。また、情報 化の急速な進展は、行政サービスの質的向上と業務の効率化を図るチャンスでもありま す。国税や税関等の手続の電子化を進めるなど、財務省における情報化を総合的・計画 的に推進してまいります。 ③ さらに、高度な専門性に裏打ちされた効果的・効率的な行政運営を行うことも重要で あります。高い能力と見識を有する人材の育成・確保に努めるとともに、各分野等の専 門家や市場関係者との意見交換を積極的に進めつつ政策形成を図り、新たな時代の潮流 を見据えて、従来の発想にとらわれず、山積する諸課題に取り組むことにより、財務省 は、国民の期待に応えてまいりたいと考えています。 (2)行政コストの削減、効果的・効率的な組織管理 少子高齢化の進展、経済のグローバル化やソフト化、情報化といった経済の構造変化が 急速に進む中で、男女共同参画社会の実現など新たな行政ニーズと課題が増大するとともに、 これまで以上に国民本位の質の高い行政サービスの実現が求められております。 厳しい財政事情の下、こうした要請に応えていくためには、行政の減量化・効率化による、 行政コストの削減や、行政手続の簡素化等に努めていく必要があり、このため、政府におい ては、「行政コスト削減に関する取組方針」(平成 11 年4月閣議決定)、「新たな府省の 編成以降の定員管理について」(平成 12 年 7 月閣議決定)、「行政改革大綱」(平成 12 年 12 月閣議決定)、「規制改革推進3か年計画(改定)」(平成 14 年3月閣議決定)等を策 定し、全省庁が一体となってこれらの課題に取り組んできております。 財務省としても、これらの閣議決定を踏まえ、また、納税者としての国民の視点に立って、 限られた行政資源を優先順位の高い施策に重点的に配分するとともに、国民にとって負担の 少ない行政運営を実現するため、以下の諸施策の推進に努めます。 ① 効果的・効率的な組織・定員管理 財務省としては、これまでも、計画的な定員削減に取り組んできたところですが、平成 12年7月に閣議決定された「新たな府省の編成以降の定員管理について」において、平 成13年度以降5年間に3,652人を削減することとしており、その着実な実施を図っ ていくこととしております。 また、限られた定員をもって、効果的・効率的な組織運営を図るために、新たな行政需 要への対応等、不断の見直しを行い、組織の質的改善に取り組んでまいります。 【組 5-1 財務省の定員削減状況】 10 年度 削減数 11 年度 547 544 (単位:人) 12 年度 13 年度 577 729 13 年度から 14 年度 5年間の削 目標値 減目標 731 3,652 (出所)大臣官房文書課調 ② 経費の効果的、効率的執行 財務省の行政需要が年々増加する中で、新規施策経費の要求に当たっては、既定経費の 節減合理化による見直し等に努めるとともに、緊急度・優先度等を勘案しながら、必要な 予算の確保に努めます。 また、予算執行に当たっても、経理担当者会議を少なくとも四半期に1回以上開催し、 経費削減等に関する周知徹底等に努め、経費の効果的・効率的な執行に取り組んでまいり ます。 【組 5-2 経理担当者会議の開催状況(財務本省)】 10 年度 開催回数 11 年度 2 (単位:回) 12 年度 2 14 年度 13 年度 4 目標値 4 4 (出所)大臣官房会計課調 ③ 行政事務・手続の簡素化・効率化等 平成11年4月に閣議決定された「行政コスト削減に関する取組方針」において、財務 省の主要な取組事項として以下の3項目が挙げられており、これらの施策に積極的に取り 組んでまいります。 イ 各会計官署への官庁会計事務データ通信システムの導入の促進による会計事務の合理 化 ロ 輸出入手続全体のワンストップ化の順次拡大及び海上貨物運送される輸出入貨物に係 る総合オンライン化による利用者利便の向上 ハ 定型的な税務相談等をホームページに掲載することによる納税者利便の向上 また、規制改革については、平成13年度を初年度とする「規制改革推進3か年計画 (改定)」に盛り込まれた施策を着実に実施し、国民負担の軽減に努めてまいります。 【組 5-3 規制改革への取組状況】 (単位:件) 規 制 改 革 推 進 3 か 年 計 画(改定) 年 度 平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 計画事項 8 20 21 うち措置済 8 ― ― (出所)大臣官房審議官室調 (注)平成 14 年3月末現在 ④ 行政改革の推進 平成12年12月に、21世紀の行政のあり方を示す指針として「行政改革大綱」が閣議 決定され、政府として新たな行政システムを構築すべく行政改革を推進しております。 昨年1月には、政府の行政改革推進本部が設置され、特殊法人等改革、公益法人に対する 行政関与のあり方の改革、公務員制度改革等についての検討が進められ、「特殊法人等整理 合理化計画」(平成13年12月閣議決定)、「行政委託型公益法人等改革の実施計画」 (平成14年3月閣議決定)、「公務員制度改革大綱」(平成13年12月閣議決定)が策 定されたところです。 財務省としても、こうした政府全体の基本的な方針に沿って、関係省庁との協力を図りつ つ、積極的に行政改革に取り組んでまいります。 なお、造幣・印刷事業(造幣局・印刷局)については、平成15年度前半の独立行政法人 への移行に向けて、所要の法案を第154回国会に提出したところです。引き続き通貨の安 定的かつ確実な供給、通貨に対する信認の保持など、通貨製造業務の特殊性を考慮しつつ、 必要な検討を行い、所要の政令案の立案等、着実に移行のための準備を進めます。 (3)政策評価の着実な実施 ① 財務省の「使命」と「政策の目標」 財務省は、平成 13 年 1 月 6 日の発足の際に、「納税者としての国民の視点に立つ」と いうことを基本的スタンスとする「財務省の使命」を明らかにするとともに、財務省の行 政分野すべてについて今後の取り組むべき課題を「政策の目標」として公表し、それ以降 の社会経済情勢の変化(施政方針演説、財政演説等)を踏まえて、目標の記述を変更して おります(平成 13 年 3 月 30 日、同年 9 月 26 日、そして今般変更しています)。 この財務省のすべての行政分野における「政策の目標」について、その達成度に関する 「実績評価」を行うことにしています。 ② 「財務省の政策評価の在り方に関する懇談会」の開催 平成 12 年 10 月 20 日以降、「財務省の政策評価の在り方に関する懇談会」(事務次官 主催)を、これまでに 12 回開催し、有識者の方々から幅広く御意見等を頂いております。 財務省の毎年度の政策の目標、「政策評価に関する実施計画」、「政策評価書」等の策 定に当たっては、省内のみの議論ではなく、客観性を確保し、評価の質を高める観点ため、 「財務省の政策評価の在り方に関する懇談会」等の意見を取り入れることにしています。 (注)「財務省の政策評価の在り方に関する懇談会」メンバー(敬称略) 浅利 慶太 劇団四季代表 伊藤 元重 東京大学大学院経済学研究科教授 猪口 邦子 上智大学法学部教授 牛尾 治朗 ウシオ電機株式会社代表取締役会長 大宅 映子 ジャーナリスト 北城 恪太郎 日本IBM株式会社代表取締役会長 木村 陽子 地方財政審議会委員 髙木 勇三 日本公認会計士協会理事 田辺 国昭 東京大学大学院法学政治学研究科教授 (座長) 西室 泰三 株式会社東芝取締役会長、経済団体連合会副会長 山本 清 国立学校財務センター研究部教授 吉野 直行 慶應義塾大学経済学部教授 (五十音順) ③ 財務省の政策評価の目的 イ 財務省の使命、政策の目標、政策等を国民に明らかにし、納税者としての国民に対す る説明責任(アカウンタビリティ)を果すこと ロ 財務省の行政全般について、客観的な政策評価の実施を確保することにより、常によ り効率的で質が高く時代の要請に合った成果重視の行政を目指し続けること ハ 財務省の仕事の進め方を改善し、職員の意欲の向上、組織の活性化を図ること ニ 財務省が財政当局として、各府省の政策評価の結果を適切に活用していくこと ④ 政策評価の方式 ア 財務省の行政分野すべてについて「実績評価」を行い、特に重要な施策について「総 合評価」を行うことにしています。 イ 個別の事務事業については、個々の事務事業の特性に応じて最も適した評価方法や実 施の計画を検討し、「実績評価」や「総合評価」の枠組みの中で評価するものと「事業 評価」をするものを区別して評価を実施していくことにしています。 ⑤ 14 年度の実績評価 財務省においては、財務省の行政分野全てについて、47 の目標等(総合目標9、政策 目標 33、組織運営の方針5)を設定して「実績評価」を行うこととしています。 ⑥ 14 年度の総合評価 財務省においては、特に重要な政策・施策について「総合評価」を計画的に行うことと しております。「平成 14年度総合評価の実施計画」においては、平成 13 年度に着手し たものを含め、現段階における中期的な計画として、次のテーマを掲げています。 ・ 我が国の財政の現状と課題【平成 13 年度着手。中間報告について平成 14 年6月を目途に総合評価 書として策定・公表する予定。】 ・ 我が国のアジア通貨危機支援【平成 13 年度着手。途中経過について平成 14 年6月を目途に総合 評価書として策定・公表する予定。平成 14 年度終了予定。】 ・ 電子政府の実現(税関手続、国税の電子申告等) 【平成 15∼16 年度に着手。】 ・ 特殊関税制度(セーフガード、アンチダンピング等) 【措置の発動状況を見つつ、中期的に着手。】 【組 5-4 総合評価の着手件数】 (単位:件) 平成 13 年度に着手したもの 現段階において中期的に取 り組むことを予定している もの 総合評価の着手件数 2 2 (出所)平成 14 年度政策評価実施計画 (注) 平成 14 年 3 月末現在 ⑦「政策評価各府省連絡会議」等への参画 政府全体として政策評価を着実に実施していくためには、今後、各府省がその所掌する 政策の特性等を踏まえた効果的な取組を行っていくことが重要です。また、財務省は財政 当局として、各府省の政策評価の結果の適切な活用を図るよう努める必要があります。こ のため、各府省及び総務省行政評価局の政策評価担当組織相互間で連絡・協議することを 目的として設置された「政策評価各府省連絡会議」等を通じて議論に参画し、より良いル ール作りに貢献していきます。 上記のほか、評価結果等に対する国民の意見の集約・政策へのフィードバック、政策評 価に関する調査研究などに取り組んでいきます。 (4)予算編成等の過程における各府省の政策評価の結果の適切な活用 平成14年度予算の概算要求に際して、予算、税、財政投融資の担当部局は、各省庁に対 して施策等の意図・目的、必要性、効果・効率性等に関する資料を提出するよう求め、各府 省の政策評価を予算編成等の過程において有効に活用していくために、更に検討を進める必 要があると考えています。 また、平成 13 年1月に主計局に政策評価係を設置しました。 平成 14 年度総合評価の実施計画 平成 14 年 3 月 財 務 省 平成 14 年度総合評価の実施計画 1.総合評価の実施 財務省は「政策評価に関する基本計画」において、特に重要な政策・施策について「総合 評価」を計画的に行うことと定めています。 「総合評価」とは、特定のテーマを設定し、様々な角度から掘り下げて総合的に評価を行 い、政策の効果を明らかにするとともに、問題の解決に資する多様な情報を提供することを 主眼とする評価方式です。 ⑴ 実施の機会 総合評価を実施する機会としては、大きな制度改正を予定する場合、時限法において期 限が到来した場合、実績評価においてより掘り下げた総合的な評価が必要と判断された場 合などが考えられます。 ⑵ 総合評価の対象 総合評価については、時々の課題に対応して、評価の実施体制、業務量、緊急性等を勘 案しつつ、テーマを選択し、重点的に実施していきます。その実施に当たって重点的に採 り上げるものとしては、例えば、 ① 社会経済情勢の変化により改善・見直しが必要とされるもの、 ② 国民からの評価に対するニーズが高く、緊急に採り上げて実施することが要請される もの、 ③ 社会経済や国民生活に与える影響が大きいもので開始から一定期間が経過したもの、 ④ 従来の政策・施策を見直して、新たな政策展開を図ろうとするもの、 ⑤ 評価を実施してから長期間が経過したもの、 などが考えられます。 ⑶ 総合評価の実施方法 総合評価の実施方法としては、 ① 財務省自らが評価を行う、 ② 審議会や学識経験者等による研究会等で当該政策・施策に係る審議・検討を行う、 ③ 外部研究機関に委託する、 の 3 つの方法を基本として実施します。 2.総合評価の平成 14 年度実施計画におけるテーマ ⑴ 上記の考え方に基づき、総合評価の平成 14 年度実施計画においては、平成 13 年度に既に 着手したものを含め、現段階における中期的な計画として、次のテーマを掲げています (各々の概要については別紙参照)。 ① 我が国の財政の現状と課題【平成 13 年度着手】 学識経験者からなる「財政の受益と負担に関する研究会」の意見を踏まえて決定し た具体的なテーマ(注)について、各研究者に調査研究を委託。13 年度における中間 報告について、同研究会や財務省の政策評価の在り方に関する懇談会での議論・検討 を経た後、14 年 6 月末を目途に総合評価書として策定・公表する予定。 (注)次の 3 つのテーマを設定。 ・受益と負担における地域間・所得階層間の分布状況の分析 ・各世代の過去から将来にわたる受益と負担の分析・比較 ・公共事業(社会資本整備)による経済効果の発現に関する分析 ② 我が国のアジア通貨危機支援【平成 13 年度着手。14 年度終了予定】 外部研究機関に評価を委嘱。13 年度における途中経過について、財務省の政策評価 の在り方に関する懇談会での議論・検討を経た後、14 年 6 月末を目途に総合評価書と して策定・公表する予定。 ③ 電子政府の実現(税関手続、国税の電子申告等)【平成 15~16 年度に着手】 ④ 特殊関税制度(セーフガード、アンチダンピング等)【措置の発動状況を見つつ、中期 的に着手】 ⑵ なお、平成 14 年度中の社会経済情勢の変化等により、新規に別のテーマについて総合評 価を行ったり、上記のテーマの内容に追加・修正を行ったりする必要が生じた場合には、 本実施計画に関わらず、必要な追加・修正を行うことがあります。 (以上) 総合評価のテーマの概要 テーマ名 1.我が国の財政の現状と課題 概 要 ・ 実施期間 今日の我が国財政の現状について、マクロの財政構造(歳出・歳入・公債等) 、国民にとっ ・ 平成 13 年度着手。中間報告について てのアウトカム・アウトプット(受益)とインプット(負担)の状況等を、財政の国民経済上 平成14年6月末を目途に総合評価書と 果たす役割を踏まえつつ分析し、財政当局の立場から見た問題点を明らかにすること等により、 して策定・公表する予定。 将来必ず成し遂げなくてはならない課題である財政構造改革に向けて、議論の基礎を提供する。 ・ 平成 15 年度の税関手続・国税関連手 2.電子政府の実現(税関手続、国税 ① 税関手続の IT 化 続の電子化の導入が予定されているこ 輸出入関連の申請・届出等の手続について、 「申請・届出等手続の電子化推進アクション・プ の電子申告等) とから、平成 15 年度若しくは平成 16 ラン」に基づき、平成 15 年度までにインターネット等を利用した手続のオンライン化を図るこ 年度着手。 ととしている。また、輸出入・港湾関連手続について関係府省と協力しつつ、平成 15 年度ので きるだけ早い時期にシングルウィンドウ化を実現することとしている。こうした税関手続の IT 化が、輸出入者の申請・届出等の手続に要する時間の短縮等どのような効果をもたらしたかにつ いて、導入後一定期間経過後に評価を行う。 ② 国税関連手続の IT 化 国税関連手続についても、納税者利便の向上という観点から、平成 15 年度までに申告手続等 をインターネット等のネットワークで行うシステムを導入することを目指している。こうした諸 手続の IT 化が納税者の利便性にどのような効果をもたらしたかについて、導入後一定期間経過 後に評価を行う。 3.我が国のアジア通貨危機支援 ・ アジア諸国の通貨危機に際して、我が国は平成 10 年秋に、アジア諸国の実体経済回復のための ・ 平成 13 年度着手。平成 14 年度終了 中長期の資金需要に応え、国際金融資本市場の安定化を図るため、 「アジア通貨危機支援に関す 予定。途中経過について平成 14 年 6 る新構想」を表明し、支援を行ってきたが、これまでの通貨危機支援策に関して分析を行い、今 月末を目途に総合評価書として策定・ 後の通貨危機の予防と解決のための教訓を得るための評価を行う。 公表する予定。 4.特殊関税制度(セーフガード、ア ・ 輸入品の急増や不当廉売などにより我が国の産業が損害を被ることを防止することを目的とし ・ 措置の発動状況を見つつ、中期的に ンチダンピング等) た緊急関税(セーフガード)や不当廉売関税(アンチダンピング)等の特殊関税に関して、最近 着手。 の貿易情勢のもとで、今後発動が行われた場合、その状況に関して分析を行い、所期の効果を果 たしているかどうか等について評価を行う。