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自動車リサイクル法対策アンケート集計結果報告
自動車リサイクル法対策アンケート集計結果報告 日本 ELV リサイクル機構 事務局 1.アンケート概要 自動車リサイクル法の見直しに向けて、広く意見を集めるため、ELV 機構全会員を 対象にアンケートを実施した。 【実施期間】 平成 24 年 11 月 6 日(火)~11 月 22 日(木) ※締め切りは 11 月 22 日(木)であったが、集計結果にはそれ以降に 届いた回答も含む。 【回答会社数】109 社 2.回答抜粋 アンケートの回答を内容面からいくつかの項目に分類した。以下にその項目ごとの代表 回答を回答数の多い順にまとめた(「その他」除く)。なお、法律外の設問にも法律に 関する回答と内容が重複するものがみられたので、後ほど改めて分類を検討する。 自動車リサイクル法に関する問題 ■登録抹消・還付について(23 社/109 社) ・重量税の還付が破砕業者に出すまで請求できない。そのために排出業者から解体を 急かされることとなり、十分なリユースができない。 ・お客様より「解体報告日を早く出してほしい」といつも言われる。実際に解体作業 をする前にマニフェスト処理を完了しなければいけないことになる。 ・軽自動車は解体日の通知か 2 日後に検査協会と同じ日に通知されるのに、普通車は 解体日の通知か 2 日後、運輸支局へは次の日に通知されるため、連絡が遅れる。 ■解体作業規定について(14 社/109 社) ・使用済自動車処理に際し、解体事業者の資源回収の保管期間が 60 日ではあまりにも 不十分である。ときには電子移動報告があっても入庫が遅延するケースが散見され る。資源回収が新車販売の入庫変動により悪化するなど、回収能率の損失が発生し て資源循環の妨げになる。 ・使用済自動車を引き取ってリユース部品として車を保管しておきたいが、永久抹消 をしなくてはならないので、すぐに解体処理をしなくてはならない。 -1- ■リサイクル料金について(14 社/109 社) ・フロンでの回収料金やエアバック類での処理料金が、実務にあった金額ではない。 ・古い車で追加フロン、エアバックがついているもので、未預託になっているものは、 代金を別払するため、依頼先(ディーラーなど)に預託をお願いしないとならない ため、移動報告の連絡が遅くなってしまう。 ■関係当事者について(13 社/109 社) ・メーカー系の販売店より仕入れるときにいつも中古車として販売される。よって価 格の上昇を招き、利益が出ない状態になっている。 ・引取業者が早くデータの引渡をすると確認通知が出てしまう。データ重視のため、 実車との相違が出ている。 (エアバックの個数等) ■エアバックについて(12 社/109 社) ・エアバックの引渡期限と回収時期が現行ではズレを生じやすく、自治体への遅延報 告日を過ぎてしまうことがある。 ・エアバックのリコール対象車が全車種に広く取り外し作業に時間を要す。 (助手席) ・エアバックの車上展開することによりクラクションスイッチが破損され、クラクシ ョンラバーが販売できない。取り外しだとできるのに車上展開を契約するとできな いのはおかしい。 ■電子マニフェストについて(10 社/109 社) ・エアバック(取外回収)引渡について、あとから1台の車両を検索できないため、 確認に時間がかかる。 ・リサイクルシステム(電子マニフェスト)が Windows のインターネットエクスプロ ーラー限定なのは問題では?外出時に他の端末で進捗状況が確認できない。 ・前工程からの引渡内容違いで、次工程の訂正ができない。 ■法律の実効性について(10 社/109 社) ・主要部品を取り外した車を出す業者がある。 ・中古車と ELV の明確な区分が無いため、従前であれば ELV となるべき車が中古車 としてオークションに出品され、高値で落札した輸出バイヤーを通じて国外に車や パーツとして流出する。このため国内の資源リサイクルは促進しがたい状況となっ ている。また、ELV の価格高騰は解体業の経営を圧迫している。 ■ELV の定義について(5 社/109 社) ・中古車としての再販価値のない車を最終ユーザーから名目価格(例:1 千円)をつけ、 プラスリサイクル券という価格にて入札会などで販売する傾向が強まっている。 このような車は得てして外人バイヤーが買取り、輸出している。この結果、日本国内で リサイクルされる使用済み自動車発生台数が減少し、 「圧縮されスクラップとして海外 輸出」 「解体業の許可を持たない外人などによる不法解体」といったことが起きている 可能性が高い。………無許可業者は有用な部品のみ取り外し、フロンの空中放出など -2- 適正処理にほど遠い作業をしていることが想定される。法律により引取業者に、この ような中古車販売を行わないことを止めるよう、義務付けられないか。 ■制度設定について(5 社/109 社) ・引取業者というお墨付きがあるため、修理工場・板金塗装工場などの異業者が解体 業者の引取業務を邪魔して困る。 ・解体業者におけるパーツ及び素材回収は収益性最優先となり、人手のかからない有価 素材および部位のみが対象となる。結果、未回収素材はシュレッダー破砕されるため 有価金属および素材の回収・後処理のために選別設備や ASR 処理設備を必要とし、エ ネルギー多消費による環境負荷(CO2 発生、ASR 残渣処理)が増える傾向にある。 ■登録・許可の更新について(3 社/109 社) ・更新の期限を変更してほしい。 ・更新時の書類が多すぎる。 ■法律について(2 社/109 社) ・自動車リサイクル法が広く一般に認知されていない部分があり、リサイクル料金が 解体業者の利益と勘違いされることがある。 ■全部利用について(1 社/109 社) ・31 条全部利用の販売先(国内電気炉メーカー)が挟まってきている。 ■ASR について(1 社/109 社) ・廃エンジン再生加工過程において、かかる非金属素材は、鉄・アルミニウムといった 金属素材と分別され、エンジンダストとして処分されている。この処分費用として、 解体事業者はエンジン再生加工業者に 3%支払っている。 このような非金属素材採用は軽量化に有効であることは認めるが、拡大生産者責任の 観点より、エンジンダストを ASR と同様に扱っていただきたい。 ■発炎筒について(1 社/109 社) ・発煙筒がシュレッダー内で爆発し、人身事故や近所迷惑などで困っている。 ■法律の概念について(1 社/109 社) ・循環型社会形成推進基本法は通称 3R 政策と呼ばれ、R の優先順位を Reduce > Reuse > Recycle と定めている。 自動車メーカーは有用部品の Reuse より金属資源の Recycle に重点を置いているようにみえる。3R の優先順位の遵守が望まれる。 ■その他(8 社/109 社) ・解体業者は台数計算ではなく重量計算でするべきだと思う。車体番号やナンバー等 で管理しているのは引取業者で、もちろん解体業者も入庫台数での管理もしている が、出荷時には重量にて計算しているのは事実。フロンガスにおいても一緒。 ・フロン・エアバックの処理がされていないのに車両が引き渡されてきてしまう。返 品対応を行っているが、調査に時間がかかり、スムーズな作業ができない。 -3- 自動車リサイクル法以外に関する問題 ■法律の実効性について(18 社/109 社) ・リサイクル部品と思われるエアバックなどがヤフーオークションに出品されている。 ・自動車解体業の許可がない鉄クズ回収業者が解体をしている。 ・顧客からの引渡報告について、エアバック等の有無の間違いが多い。 ■ELV 市場価格について(11 社/109 社) ・廃車の価格を企業が高くつけすぎているため、中小企業も鉄などの価格に関係なく 高く買わなければいけない状態になっていると思う。 ・使用済自動車の減少と使用済自動車の高騰。 ■登録抹消・重量税還付について(11 社/109 社) ・軽自動車の一時抹消(返納)時、書類が多く保管が大変。 ・自動車重量税還付の起算日がわかりにくい。 ■電子マニフェストについて(8 社/109 社) ・他業者から解体車を引き取って 1~2 週間してやっと引渡報告がくる車や連絡を自ら 入れないと引渡報告してくれない車が多発している。 ・リサイクルシステムに載っているエアバック適正処理情報が見にくい。 ■ELV 減少について(5 社/109 社) ・使用済自動車の入庫が激減している。経営が成り立たない。 ■エアバックについて(4 社/109 社) ・AB 作動処理をする場合、外車など個数も多くボルボ V40・70 等はコネクターを付 け替えなければならないので、時間がかかる。 ・エアバックのコンピューターのボルトが取りにくい。ボルトを回す工具の消耗が早い。 (回しにくい、かたいので、工具が折れてしまう) ■リサイクル料金について(4 社/109 社) ・預託・AB・フロン等、各作業に対する手数料があまりにも安すぎる。業者の人件費・ 保管経費を考えてほしい。 ・長期放置車両のリサイクル料金申請の際、車台番号の石摺は困難である。 ■情報公開について(3 社/109 社) ・セキュリティ(盗難防止)のための再販できない部品がもっと増えてくる。 ・自動車リサイクルシステムに関して、機械式エアバックが装着されているにもかか わらず、電気式の詳細が表示される物件がある。 (トヨタのコルサ・ターセル等) ■中古部品販売について(3 社/109 社) ・運送会社の料金が一気に値上げされたため、部品の取り寄せなども高くなっている。 ■解体許可申請について(2 社/109 社) ・解体の届出の複雑な書類処理。 ・許可更新申請時でヤードの拡張(減含む)に対し、その都度変更届提出制で困っている。 -4- ■自動車メーカーについて(2 社/109 社) ・セキュリティ(盗難防止)のための再販できない部品がもっと増えてくる。 ・自動車メーカー系列の商社が地域単位で関係ディーラーから排出される ELV の解体 業者への配分、引渡し価格をコントロールしている。また、解体業者で回収した素 材についても、価格およびリサイクル先をコントロールしてきている。 ■制度設計について(2 社/109 社) ・解体済車両から規定量の残留放射能が検出されて、廃車ガラの出荷ができない車両 がある。 (自動車リサイクル法上の期日を超えてしまうため、確認通知および遅延報 告が発行されてしまう) ・電炉メーカーが引き受けない放射線量を浴びた車両を解体・破砕前処理した場合の プレス個体の処遇。 (0.3msv 以上) ■無許可業者の存在について(2 社/109 社) ・許可を取った業者より許可のない人の方がやりたい放題でどうかと思う。 ■ELV 回収作業中の駐車違反について(1 社/109 社) ・解体事業者は ELV 引取時、引取業者の店舗周辺の公道にキャリアトラックを一時停 めたあと、店舗からキャリアトラックまで仮ナンバーをつけて ELV を運転、トラッ クに積載する。この作業に 5~15 分程度時間を要するが、運転手が ELV を運転して キャリアトラックに戻った瞬間に駐車監視員(2006 年 6 月から制度化)に駐車違反 として取り締まられた経験を持つ解体業者が少なくない。 ■ELV の定義について(1 社/109 社) ・廃車の定義がないため、使用済自動車を中古車扱いとして売買を強要される。 ⇒結果、リサイクル料金を解体業者が負担している。 ■解体作業規定について(1 社/109 社) ・とにかく車両を1日でも長く置けるようにしてほしい。 (解決策記述なし) ■損保会社について(1 社/109 社) ・損保会社の事故車引き取りに関して疑問点が多すぎる。 (解決策記述なし) ■その他(5 社/109 社) ・業務効率化のため、5S 活動等すすめていきたいが、なかなか徹底してできない。 機構への意見 機構に対して多くのご意見をお寄せいただきまして、誠にありがとうございました。 皆さまからのご意見は、執行部にて検討させていただき、ご期待に沿えるよう活動を展開 していく所存でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 -5-