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154号(PDFファイル)
中華民国台湾投資通信
June 2008 vol.154
飛躍する台湾産業
ネットビジネス市場(1)
2007年台湾国内のブロードバンド利用は470万回線を超え、第3世代の携帯電話利用は100万回線を超えた。
世界的に見て台湾のインターネット普及率は高く、インターネットのサイバー空間が非常に大きなビジネ
スチャンスを生んでいると考えられる。今月号から台湾のインターネット産業をご紹介したい。
全体概況
ネットオークションは、大手では、Yahoo の
「Yahoo!奇摩 拍賣」
とPC HOME と E-bay の合弁
本稿ではインターネット産業をオンラインショッ
である
「露天拍賣」
が二大サイトといえる。
ピング
(EC:B2C)
、ネットオークション (EC: C2C)、
オンラインゲーム、ネット音楽配信、ネット放送、ネッ
ト広告と分類する。この分類に沿うと、2005 年に
ネットオークションは、消費者間のオークション
1,022 億元だった市場規模は、2007 年には 2,037 億
という C2C の位置づけのほかに、オンラインショッ
元となり、2008 年には 2,829 億元と見込まれている。
ピングという B2C の入門編ともなっている。小規模
この伸びを牽引しているのは主にオークションとオ
の店舗や個人が EC を手がける際に、自社サイトの
ンラインショッピングの二つの領域である。
構築ではなく、オークションサイトのプラットフォー
ムを利用して出店するケースである。この割合は日
図1 ネットビジネス市場規模予測(2005−2008)
本より非常に高いと言われている。
NT百万元
300,000
250,000
次に、エンターテインメント領域では、台湾のオ
200,000
ンラインゲームは、2006 年にヒット商品のリリース、
150,000
アイテム課金システムの普及などにより市場が上向
100,000
いた。一方、音楽配信では、これまで「ネット配信は
50,000
0
ネット広告
ネット放送
ネット音楽配信
オンラインゲーム
C to C EC
B to C EC
2005
2006
3,048
82
90
7,532
31,000
60,482
3,698
454
482
8,780
51,600
82,393
2007
4,950
632
717
12,000
77,400
108,074
タダ」と言う意識をユーザーが抱いていたが、オンラ
2008(c)
イン配信の普及に伴い、利用者側にも有償利用を受
5,986
750
10,000
13,200
114,500
138,465
け入れる土壌ができた。また、著作権の問題も解決
し現在主要事業者が全て合法化されたことから正常
なビジネス環境が整ったと言える。
出所)資策会MIC、数位内容産業年鑑、IAMA
注:2007年度のネット広告、オンラインゲームは実績、
その他は予測値。
ネット利用概況
次に、ネットユーザーの利用概況について紹介する。
上記の 6 つの領域のうち、オンラインショッピング
利用時間(図 2)について、
「1 時間以上、2 時間未満」
とネット広告については次回以降で詳細を見ていく事
の 20.7%が最も多く、次は「2 時間以上、3 時間未満」
にするが、それ以外のオークション、オンラインゲー
の 14.7%である。
ム、音楽配信についてここで簡単に概況に触れたい。
3
飛躍する台湾産業
ネットビジネス市場
(1)
多かったが、その比率は急速に低下しており、2008
図2 ブロードバンド利用者平日平均利用時間
0%
5%
10%
15%
20%
に躍り出た。これは Web2.0 の広がりから、単なる
10.2%
0.5∼1h
サイト閲覧にとどまらない、ユーザー参加型の情報
20.7%
1∼1.5h
14.7%
2∼3h
収集が急速に浸透していると考えられる。また、
「オ
9.9%
3∼4h
4∼5h
ンラインゲーム」は 20% 以上の利用率を維持してい
6.2%
6.0%
5∼6h
7∼8h
年1月には「情報収集」が急増し 57.48% とトップ
4.9%
0.5h未満
6∼7h
25%
る。さらに、有償サービス利用 ( 図 5) に関して、
「ネッ
1.7%
ト通話」が少し減少したが、ほかのサービスに対して、
2.6%
料金を支払う意欲が増えている傾向がある。
出所)TWNIC「97年度台湾寛頻網路使用調査報告」
図4 ブロードバンドの利用目的
国家通信委員会
(National Communications
(%)
Commission、以下 NCC)
によれば
(図 3)
、ADSL の
80
70
利用は安定的に成長し、2007 年は 420 万回線を超え、
60
ほぼ普及したといえる。一方、日本と比較して遅れ
50
ていた 3G サービスが成長期に入り、3G Phone と
40
30
3G Data Card 利用が順調に増加している。3G サー
20
ビス利用は 160 万回線を超えた。
10
0
2003
図3 台湾のブロードバンド利用状況推移
情報収集
2004
2005
HP閲覧
2006
Email受送信
2007
2008
オンラインゲーム
2009
ネットショッピング
900
利用者数
(万回線)
800
図5 各ブロードバンド有償サービスの利用意向
79.1
700
34.8
600
500
400
300
50.4
52.8
400.2
3
57.9
10.4
108.7
249.2
421.2
(%)
その他
3G Data Card
3G Phone
ADSL
45
40
35
30
424.9
200
25
20
100
0
15
2006
2007
10
2008(e)
5
0
出所)NCC「寛頻上網帳号数」
注1:2008年データは2008年4月までの実績を年度換算した推計値。
注2:その他にはCable Modem、PWLAN、Leased Lineが含まれる。
2003
2004
2005
ネット通信
ネット放送
2006
2007
ネット音楽配信
ネット金融
2008
2009
ネットランリング
オンラインゲーム
出所)図4、5共にTWNIC「年度台湾寛頻網路使用調査報告」
(2004∼2008年)より。
注)数字は毎年1月時点のデータ。
一方で、インターネットの利用目的(図4)は 2004
年時点では「ホームページ閲覧」、
「Email 受送信」が
お詫びと訂正:2008 年 3 月号投資通信 vol.151 の太陽電池関連産業 (2)p.4 右段第 7、23 行に「宇通光能」を「宇通光電」と誤っ
て表記しておりました。関係者に深くお詫び申し上げるともに、ここに訂正します。 (誤)宇通光電 →(正)宇通光能
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