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学習メモ
テレビ学習メモ
地学基礎
監修講師:武田康男
第 3 編 地 球
第 32 回
雲と降水
今回学ぶこと
雲は高度 10km 付近までの対流圏の中で,空気中の水蒸気がチリに集まって
できた雲粒(小さな水滴や氷の粒)からできたものです。対流圏の中では高度と
ともに気圧と気温が下がるので,上昇した水滴は上空で氷の粒になっていきます。
そして,氷の粒に水蒸気がたくさんついて大きくなり,雪となって降ってきます。気
温が高くなって,途中で雪が融けると雨になります。こうして対流圏の中では,雲
がつくられ,雨や雪などさまざまな気象現象が起こっています。
対流圏
対流圏の中では,いろいろな雲が発生し,雨や雪
対流圏は,地表から高度約 10km 程度(極地方
8 ~ 10km,熱帯地方 12 ~ 15km)までの大気の層。
が降り,風が吹くなど,日常に見られるさまざまな
高度が上がるにつれて気圧が下がると共に気温も下
気象現象が起こっている。
▼
がり,高度 10km 付近で気温が− 50℃程度と低く
なっている。そして,その上の成層圏では気温が高
くなっていく。
雲の発生
地表付近で暖まった空気が上昇すると,上空で気
ペットボトルを使って雲粒をつくる実験では,水
圧が下がるため,空気が膨張する。すると,上昇し
蒸気がたくさん入っている容器の中に線香の煙をチ
た空気は気温が下がり,空気中の水蒸気がチリに集
リとして入れた。そして,容器の中の気圧を上げて
まり,小さな水滴や氷の粒ができる。これを雲粒と
から,一気に気圧を下げると,小さな水滴がたくさ
いい,雲粒が集まったものが雲である。
んできて,ペットボトルの中が白くなった。その中
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高校講座・学習メモ
地学基礎
雲と降水
で,たくさんの小さな水滴が動いているのが見えた。
気が気圧の低下で冷えて雲をつくっていた。山頂を
その水滴が雲粒と同じものである。
越えて反対側に下ると,気圧が上がって空気が暖ま
富士山の笠雲の観察では,山に沿って上昇した空
り,雲は消えていった。
降水のしくみ
雲粒は小さいので,落下速度がとても小さく,落
う。過冷却水滴は,気圧の変化や衝撃など,何かの
下の途中で蒸発してしまい,落ちてこない。雨や雪
きっかけで氷の粒になると,まわりから次々と水蒸
になるには,粒が大きくなる必要がある。
気を集め,大きく重くなって落下して雪となる。雪
雲の中では− 20℃程度まで,小さな水滴のまま
は気温が高いと融けて雨になる。
で凍っていないことが多い。これを過冷却水滴とい
▼
学習の
まとめ
対流圏は,上空10km程度までの大気の層で,上空へ行くほど気温が下がる。対
流圏の中では,雲が発生し,雨や雪,風などの気象現象が起こる。
地表付近で暖まった空気が上昇すると,上空では気圧が下がるために膨張し,気
温が下がる。すると,水蒸気がチリのまわり付いて,小さな水滴や氷の粒ができ
る。これを雲粒という。
−20℃程度までの雲の中で,過冷却水滴が小さな氷の粒に変わると,まわりか
ら水蒸気が集まって成長し,雪となって降ってくる。雪が落下途中で融けると雨
になる。
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