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ネパール大地震救援 報告会

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ネパール大地震救援 報告会
地震で被災した子どもへの
支援活動―
子ども主体の活動の可能性
認定NPO法人 国際子ども権利センター
(C-Rights シーライツ) 代表理事
文京学院大学教員
甲斐田万智子
1
今日のお話
1. 震災後のネパールの子どもや女性
が直面するリスクと進まない復興
2. マイティ・ネパールの活動
3. CWINの活動
4. 必要とされていること
2
認定NPO法人 国際子ども権利
センター(C-Rights シーライツ)
 子どもの性的搾取、児童労働、人身取引だけでなく、子ど
もへの暴力問題に取り組むための活動方針
1. 「子どものエンパワーメント」(子どもに対する暴力から、自分
のちからで自分や友達をまもることができるよう、そして子ど
もが自分の気持ちや意見を自由に表現できるよう応援する)
2. 「おとなのエンパワーメント」(子どもの権利条約の考え方を
もとに、子どもの声を聴き、子どもをまもることのできるおと
なを増やす)
3. 「社会のエンパワーメント」(子どもの声が大切にされ、子ど
もとおとなが共に学び合い解決をめざす、子どもにやさしい
社会をつくる)
3
シーライツのアプローチは?
 ニーズに応じて、‘対象者’に提供するのではなく、人は権利
を生まれながらに持っているものであり、当事者(rights
holders)がニーズを得ることは当然のことと主張できるように
する。
★権利を持っている意識が人々に「ちから」を与える。
 子どもに権利教育を行うだけでなく、子どもを取り巻くおとなたちが
自分たち自身を子どもの権利を実現する責務履行者(duty
bearers)と自覚して、行動できるように能力強化をする。
 すべての子どもが伸びやかに育ち、「ちから」を発揮することがで
きる社会、すべての子どもにやさしい社会
4
本来子どもを守るのはその国の仕事
でも国だけではなく、社会全体が子どもを
守る責任がある。
 子どもが権利侵害を受けそうになったときに守ろ
うとするおとながいて、地域にその仕組みがある
 子どもの権利侵害を理解し、それらから子どもを
守ろうと意識
 法律違反の子どもの権利侵害は、法で取り締ま
るという意識
5
女性と子どもの指数
乳児
死亡率
1000人当り
5歳未満
死亡率
1000人当り
初等教育
就学率
小学校最終
学年に
在学する率
女子
中等教育
就学率
児童婚
18歳未満
カンボジア
33人
38人
96%
92%
44%
18%
ネパール
32人
40人
98%
95%
60%
41%
日本
2人
3人
100%
100%
100%
ー
専門家が付添う出
産の比率
妊産婦
死亡率
10万人当り
児童労働率
出生登録率
妻への暴力
を女性が正
当と考える割
合
カンボジア
44%
250人
150人に1人
18%
71%
46%
ネパール
36%
280人
34%
42%
23%
日本
100%
5人
ー
ー
ー
児童労働: 5~11歳で週1時間以上の経済活動あるいは28時間以上の家事労働
12~14歳で週14時間以上の経済活動あるいは28時間以上の家事労働
すべてのデータの出典:日本ユニセフ協会「世界子供白書2014」
ー:データ無し
6
震災の被害が深刻な地域
7
大地震後の
ネパールの子どもや女性たち
人身売買
年間、15000人の少女たちがアジア各国の性産業に売られている
 従来は、インドが中心だったのが、最近では、中東や中国に
 従来は、陸路で。最近は、飛行機でマレーシアの携帯会社に。
 大地震後、28000人の少女たちがジェンダーに基づいた暴力を受け
る危険に直面(UNFPA)
 地震後、家や仕事、食糧の穀物を失い、家族から海外に出て働かない
かと言われる
孤児院ビジネス
 孤児ではないのに、連れてこられ、ボランティアから寄付金を集めるの
に利用される
8
マイティ・ネパールの活動
 1993年設立
 極貧の状態にある女
性などを対象に、支援
活動を開始
 ストリート・チルドレン
や孤児など、行き場の
ない子どもたちも保護
し、教育の機会を 提
供
9
アヌラダ・コイララさん
 インドの警察やNGOと連携して人身
売買の被害に遭った女性たちを救
出
 「ギータはお化粧をして客をとらされ
るようになったのは、9才のときでし
た。夜中の2時まで働かされ、一晩
に60人もの客を相手にしなければな
りませんでした。」
 2010年にCNNヒーローとして選ばれ
る。「いつの日か私たちは人身売買
を必ずなくします」
10
マイティ・ネパール
 人身売買を廃絶するため
に、被害者のため、リハビ
リテーション・センター、トラ
ンジット・ホーム(避難所)、
HIV/AIDS感染者のための
ホスピスを運営
 サバイバー女性たちのエン
パワーメント
11
子どもの保護施設
リハビリテーション・センター
475人の少女、女性、子どもが滞在。人身売買や家庭内暴力
のサバイバー。そのうち450人が施設内の学校に通学。
識字教育、職業訓練、収入向上プログラムなどを実施
12
震災後の活動
救出され、家庭で暮らせない
子どもを保護
皮膚を移植した少女
13
騙されてインドで保護された
27人の女性を保護 起訴
 27人はアラブ首長国連邦で
仕事を世話してもらえると騙
され、75000ルピー支払った。
 デリーのホテルに分散して宿
泊しているところを警察に「逮
捕」された。
 訪問した日、被害者の1人が
センターに来て、加害者を特
定
 彼女は3才の息子を置いて3
年間の予定で出稼ぎに行く予
定だった
14
マイティ・ネパールが地震前と地
震後に防いだ人身売買のケース
15
地震後、人身売買防止の強化
 チェックポイントを2ヶ所増
やし、13ヶ所で人身売買の
被害に遭っていそうな少女
たちを救出
 啓発活動を強化
 アヌラダさん「内務省、法
写真は地震後に保護された少女
務省はよくやっています。
でも女性と子ども社会福祉
省と労働省が行動を起こさ
ない限り、抜け穴が埋まら
ず、人身売買はなくなりま
せん。」
16
子どもたちに性的搾取と子どもの権
利についてのトレーニング 7月
子どもの権利アンバサダーと教員対象
17
CWIN
Child Workers in Nepal
Concerned Center
 1987年にガウリ・プラ
ダン氏によって設立
 働く子どもとストリート
チルドレンを支援
 「子どもにかかわるこ
とということは、終わる
ことのない社会変革
のプロセスだ」
18
スムニマ・トゥラダーさん
政府を巻き込んで制度を
つくることが大事です
ECPAT Nepalの代表もつとめる
かつて保護した少女が
スタッフに
19
テレビ番組、ラジオ番組
 8年前から毎週30分の
子どもの権利に関する
番組を制作
 ラジオ番組も3つの局で
放送。
 これまでに50のドキュメ
ンタリーも制作
 CWINがかかわている子
どもが「人身売買」「児
童婚」の啓発ビデオの
キャストとして参加
20
ガールズ・ピース・ホームの
子どもの権利メンバー
「私は鏡ではないけれど
割れてしまった」と歌う少女
子どもの権利をみんなに
知らせれば社会は変わる
21
ガールズ・ピース・ホーム
最上階にヒビが入っており
危険
新しい建物の計画を説明
22
避難所の子どもたちに支援
チャイルド・フレンドリー・パック
スクールバッグ
15品目の中にチャイルドラインの
電話番号と心のケアの説明書も
23
ボーダナートキャンプ
被災地(シンドパルチョーク)
から避難してきた家族と子ども
チャイルドフレンドリーパックの配布
24
長引く不安定な避難キャンプ生活
いつ立退きにあうかわからない
が、こっちの学校は楽しい
おばさんと一緒に暮らしてい
る
25
ツチパティキャンプ
900のテントに1900世帯8000人以上が暮らす
カトマンズ最大のキャンプ
26
スペースはあるのに、
学びたい子どもたちが学べない
チャイルド・フレンドリー・
セーフ・スペース
臨時学習センター
臨時のセンターは3ヶ月で
閉鎖と決まっている
27
チャイルド ホットライン
1098
 チャイルドラインを1998年に始め
る カトマンズに13人のスタッフ
 5つの地域にチャイルドライン地方
事務所
 子どもが全国どこからでも無料で
電話をかけられる。
 CWINがチャイルドラインを始め、
後に政府が資金を出すようになっ
た。
 携帯会社のNcellも資金を出して
いる。
28
震災後の
チャイルドラインによる救出事例
1)5月シンドパルチョー
クから45人の子どもが、
正式な手続きをとらず
(担当機関に通知しない
まま)違法な方法でポカ
ラのチャイルドケアホー
ム(児童養護施設)に。
警官から通報。
ドナーから寄付金を募る
ため。
29
震災後の
チャイルドラインによる救出事例
 2)5月。3人の子どもがシンドパ
ルチョークからポカラへ中国人
に連れて来られた。12才の女
の子、9才と7才の男の子。路
上で見かけた人がポカラの
チャイルドラインに通報。家族
を探したところ、母子家庭だっ
たが地震で母親を亡くし、祖母
が面倒をみてた。現在トラン
ジットホーム(一時保護セン
ター)で保護し、家に帰れるか
どうか検討している。
30
震災後の
チャイルドラインによる救出事例
3)5月。シンドパルチョー
クから11才の女の子がブ
ローカーに連れてこられ、
家事使用人として働かさ
れていたが、自分でチャイ
ルドラインに電話をかけて
きて、警察と一緒にCWIN
が行き保護した。彼女の
家は父子家庭で、地震で
倒壊し、住むところがなく
なった。
31
震災後の
チャイルドラインによる救出事例
4)6月。19人の子どもがブロー
カーにゲストハウスに連れてこら
れ、従業員がチャイルドラインに電
話。インドに連れて行かれるところ
だった。学校の先生からもインドに
行くといいと言われた。19人のうち、
男子10人、女子9人。男子は地方
の裁判所。9人はカトマンズのヘル
プラインの一時センターに滞在し
カトマンズ。2つの裁判。しかし、ブ
ローカーが政治家とつながってお
り、圧力や脅迫があり、諦めて起
訴を取り下げた。
32
子どもたち、特に女の子が集ま
れるスペースもが必要
子ども保護デスク
チャイルドフレンドリー・セーフ
スペース
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子ども・当事者主体の活動
 当事者の子ども女性の主体性を大切にし、エンパワーする。
⇒エンパワーされた少女たちは、回復し新しい道を歩んでいる。ス
タッフとして働く少女も多い。
1人の少女の例 フライドチキンの幹部マネージャーに
 たくさんのネットワークをもち、さまざまなステークホルダーの能
力強化をはかっている。
⇒地域住民、警官など。
 政府とも積極的にかかわり、制度をつくろうとしている。
 2人のファイティング・スピリットもすごいが、たくさんの優秀なス
タッフが育っている。
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