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VOL.53を読む - 日本ELFシステム協会

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VOL.53を読む - 日本ELFシステム協会
8-9-10
[ザ・ジェルファ]
Aug.Sep.Oct.
Vol.53
、v
JELFA 会員の皆様にお届けする最新ニュースです。 ・JELFA総会報告 ..... 2P
・JELFAフォーラム2015 開催報告 ..... 3 P 〜 5P
・定期研修ツアー参加者報告 ..... 6 P 〜 8P
ジェルファ コラム
花のある暮らしこそが 花 育
豊明花き株式会社 代表取締役
福永 哲也
私が通勤時に乗り換える駅にお取引先の花屋
さんがあります。数年前のある日にあらかじめ
花束を頼んでおきました。会社からの帰り道に
立ち寄って、花束を受け取り、再び電車に乗り
ました。
花束を持って帰宅した私に家内は「今日は何の
日だった?」と不思議そうな顔。リビングでテ
レビを見ていた3人の子供たちもなんだろうと
怪訝な表情。
「誕生日でもないし、母の日でもないよね。」
「どこかのパーティーでもらってきたの?」
「いいえ、違います。今日は 11 月 22 日です。
何の日だかわかりませんか?いい夫婦の日です。
お母さん、いつもありがとう!これからもよろし
く。」と日頃の感謝を伝えて花束を渡しました。
家内は「えー、そうなの。お父さん、どうもあ
りがとう。こちらこそ、よろしくお願いします。」
と嬉しそうに受け取りました。
その日は初めて「いい夫婦の日」に花束を買っ
て帰ったので、何の日だったかなとなったので
す。我が家では私の仕事柄、家の中も外も植
物がたくさんありますし、母の日や誕生日に花
を贈ることもしております。一般のご家庭よりは
日頃から花や緑にあふれていると思います。し
かし、誕生日でもないのに日頃の感謝の気持ち
を花束に託して伝えられるということは嬉しいこ
とだったようで、家内はとても喜んでくれました。
ところが嬉しそうにしていたのは家内だけでは
ありませんでした。その様子を見ていた子供た
ちが口々に言いました。
長女(高校生)
「お父さん、カッコいい!(弟に
向かって)お前も大人になったらお父さんみた
いに花を贈るような旦那さんにならないとね。」
長男 ( 中学生 )「お母さん、良かったね。」
次女 ( 小学生 )「お父さん、優しいね。」
父親が感謝の気持ちを伝えながら花束を贈り、
母親がその花束を嬉しそうに受け取る。そんな
両親の様子に子供たちも嬉しかったようで、ニ
コニコと笑顔があふれていました。
ELF バケット流通量のご報告
★月間流通量
つまり花束のやり取りが良かったのではなく、
気持ちのやり取りが花束を通して印象深いもの
になったということです。このように気持ちを花
に託して贈るということには不思議な力があり
ます。贈る側も贈られる側も素直な気持ちにな
れます。それと同時に子供たちがその様子を見
ることで、花を贈りながら気持ちを伝えるとい
うことは素晴らしいことだなと感じるようになり
ます。
普段の生活の中で花を飾る、花を贈るなどの行
為を身近に見ることも子供たちにとっての花育
ではないかと思います。彼らが大人になったと
きに、ここは花を置くスペースだなと普通に思
えるように、誰かと会うときに花束を用意してか
ら向かうように。
そのためには我々大人が日頃から花贈りを実践
して、花を飾る生活をしていくことが花のある
暮らしを当たり前のこととして捉える次世代を育
んでいく大切な一歩ではないでしょうか。
2015年8月末現在
総計流通量 52,486,425
(2001年から 2015 年 8 月末まで)
8月の流通量 401,680 個
ELFバケット店舗利用特約制度
JELFA では、新
しい 取 組 みとし
て、ELF バ ケ ッ
トの 店 舗 で の 一
時利用を許可す
る特約制度を設
けています。
The JELFA 1
JELFA総会報告
2015年8月 26日、
JELFA の第 6 回通常総会が東京・大手町サンスカイルームにて行われました。
正会員 113名中63名(内、書面表決者数 41名)の出席をいただき、総会は開会されました。
会長の柏村哲徳が議長に推薦され、総会の進行を行いました。
議 題
✎
✦
❶ 第 1号議案 平成26年度(2014 年度)事業報告について
❷ 第2号議案 平成26年度(2014 年度)活動計算並びに監査報告について
❸ 第3号議案 平成27年度(2015 年度)事業計画(案)について
❹ 第4号議案 平成27年度(2015 年度)活動予算(案)について
第 1 号~第 2 号議案の平成 26 年度の活動報告と収支報告について
JELFA の活動計算書(経常収益:計 13,132,295 円 経常費用:10,854,172 円 前期繰越額:3,648,283 円 次期繰越額:
5,926,406 円)について、詳細の報告があり、出席会員に承認されました。
✦
第 3 号~第 4 号議案の平成 27 年度の事業計画と活動予算について(抜粋)
今年度も、
「流通品質の追求」を念頭に、生産から消費者までの層に ELFバケットシステムの役割と必要性を理解していただけるよう、活
動を進めてまいります。
また、一昨年度から実施しております ELF バケット利用についての新制度「店舗利用特約制度」
を積極的に推し進めてまいります。更に
当協会が開催する地域セミナーやフォーラムなどの研修、交流会では、花き業界全体で考えるべきテーマを設定し、花き業界全体が活性
化できるよう努めてまいります。
今年度は、農水省補助事業として、オリンピック・パラリンピックフラワー安定供給対策事業を協賛することに決定し、主に花きの日持
ち性の検証及び輸送環境試験を実施いたします。
また、
輸出に取り組む事業者向け対策事業の幹事会社として、
11月にオランダで開催される展示会 IFTF(International Floriculture
& Horticulture Trade Fair)とアールスメア トレード・ショウへの出展を実施いたします。
定例で開催しております定期研修ツアーでは、若手を中心に参加者を募り、
海外の業界の物流・商流を研修する予定です。
実践的かつ公共的な組織として、今年度も役割を果たしていきたいと考えております。
(1) ELFバケットシステムの普及・啓発に関する事業
・展示会参加など
・会報誌による、ELFバケットシステム・その他についての情報の提供
・ホームページによる、ELFバケットシステムについての情報の提供
・ELFバケット普及推進活動(店舗利用特約制度の普及)
(2) 花き業界についての調査・研究及びその公表に関する事業
・EU 諸国を訪問予定(5月)
(3) 花き業界の活性化を目的とした研修会・セミナー等の企画・
開催に関する事業
・花き業界の活性化を目的とした研修会・セミナー等の企画・開催(東京、
名古屋、
仙台)
(4) 花き業界に関連する個人・団体への協力・支援に関する事業
・補助事業に関する推進事業 2
The
JELFA
✿
JELFAフォーラム 2015 開催報告
「定期研修ツアーで学んだオランダの花き流通~定期研修ツアー総括」
JELFA 定期研修ツアーは、2002年から毎年実施され、昨年度で
プログラム
13 回目を迎え、延べ 256名の方にご参加いただきました。今回は、
14:00 ~ 14:15
開会挨拶(JELFA 会長 柏村哲徳)
研修を行ったオランダを始めとして、EU 圏内の花き流通が 10 数
来賓の挨拶 農林水産省生産局 花き産業・
年間で劇的に変化している状況を振り返るとともに、参加された皆
施設園芸振興室長 綱澤 幹夫 氏
様がどのように研修された内容を日々の業務に活用されているの
14:15 ~ 15:15
か、また、JELFA 定期研修ツアー参加者の同窓会的集会を開催し
15:15 ~ 16:00
定期研修ツアー 参加者 報告
JA 静岡経済連 箕浦 秀紀 氏
て、旧交を温めていただくと同時に、いかに今後の花き業界を発展
東京フラワーポート株式会社 小塚 和幸 氏
させていくのかについて情報交換して頂くことを主目的として開
クリザール・ジャパン株式会社 伊藤 毅史 氏
催いたしました。皆様、大変お忙しいところ、85名の方にご参加い
ただきました。
講演内容の抜粋
佐無田仁(JELFA 副会長)講演
16:10 ~ 16:40
地下智宏(JELFA 事務局)講演
16:40 ~ 16:55
JELFA からのお知らせ
16:55 ~ 17:00
閉会挨拶
17:15 ~ 19:00
交流会
基調講演 JELFA副会長・株式会社フラワーオークションジャパン 佐無田 仁
❶ ツアー概要
❷
ツアーは、毎年11月のオランダの IFTFとフローラホーランド・トレード
ショウに合わせて企画しております。できるだけ若い人たちに参加してい
ただき、オランダの花き産業の基礎的学習をして頂くことを目的にしてお
ります。常務理事4名は、毎回参加し市場をはじめ流通過程の変革につい
て説明や助言を行い、意義ある研修になるよう努めております。
❷ ツアーの歴史
オランダを中心に土日の休日は、EU 圏内のもう1 か国を視察しており
ます。切り花関係だけでなく、EUの歴史や文化にも接して有意義な休日
を過ごします。
❸ オランダの変遷の背景
❸
①今までのオランダは北海沖からの安価な天然ガスで施設園芸をリード
していました。
しかし、世界的な燃料費の値上がりにより、切り花生産が採
算割れに陥り、大規模生産者はアフリカをはじめ諸外国へ拠点を移し、小
農家は廃業しました。その結果、オランダ国内の生産が減少したことが変
遷の一番の原因です。
②以前は、オランダ、
ドイツ、イギリス、フランス、スイスが EU 内の5大消
費国でした。近年は、ロシアをはじめ東欧諸国、中国、
ドバイを中心とした
中東諸国に販路が拡大しています
❹
③市場―仲卸業者―生花店という単純な流通経路から、市場―仲卸業者
―花束加工会社―量販店という流通に変化し、最近の流通はますます多
岐にわたるようになり、競争が一段と激しくなってきています。
❹ オランダ花き市場の合併
2008 年に巨大 2 市場が合併し、90%以上のシェアを持つフローラ
The JELFA 3
ホーランド市場が発足しました。マークはアールスメア市場のもので、社名
❺
はフローラホーランド、本社はナールドバイクになりました。
❺ フローラホーランドの現在・各拠点と役割
大型輸出入業者向けセリと小型花屋向けセリを分け、将来的にはセリ場を無
くす方向に向かいつつあります。フローラホーランドも生産地が国外に移転
したことにより、各市場がどういった役割を果たしていくのかを決めることが
難しく、今後も統廃合を実施して合理化を目指していくでしょう。
❻ フローラホーランドの各拠点
創立当初の切り花産地のアールスメア市場、球根類産地のラインズブルグ
市場、鉢物産地のナールドワイク市場が中心となっています。
❻
❼ 取引(セリ)の変化
上左から2002 年は、セリ時計の下に商品が流れ、セリ室も満席でした。
2006 年になると画像になり商品現物も流れていました。しかしこの頃から
セリ室に買参人が来なくなる傾向が目立ってきました、2008 年には、商品
無しの画像のみのセリ場になり、この頃から大手仲卸業者での在宅セリが始
まりました。2012 年には、セリ室は次々と取り壊されており、在宅セリが主
流のシステムに移行しています。
❽ バーチャルなセリ(セリ人の部屋)
在宅セリ用のセリ室、
1人黙々とパソコンに向かって打ち込んでいます。品目
別に数室あります。
❾ パーチャルなセリ(仲卸のディーリングルーム)
❼
品目別のバイヤーが会社内でセリ買いを行います。大手はこのようなディー
リングルームを設置していますが、中小業者はパソコン2~3で対応してい
ます。
❿ フローラホーランド ナールドバイクフローリストクロック
2014 の秋、定期研修ツアーで視察しましたが、買参人は60%程度と苦闘
していました。近年、小規模な花屋さんは在宅セリをしており、セリ場には足
を運んでくれないようです。特殊な品種、品目の上場がセリ場の賑わいのカ
ギになるようです。日本産の特殊な品種に非常に興味を持っているとのこと
でした。
❽
4
The
JELFA
❾
✿
JELFAフォーラム2015 開催報告
⓫ チェック機能の変化
⓫
20年前からパソコン入力を行い、初期には、品質は市場の品質検査官が検査していまし
た。やがては、自主申告制となり、現在はお互いの信頼の下で流通しています。生産者は、
一度信頼を落とすと、回復に多大な費用と期間かかるという事を十分認識しているようで、
現在はうまく機能しているようです。
⓬ 消費 (売り場)の変化
2000 年頃までは、専門店が優勢でした。
しかし、やがてスーパーマーケットが日持ち保証
販売を軌道に乗せたことにより、現在では7 対 3とスーパーマーケットがシェアをのばして
います。
⓫
⓭ 生産の変化
現在のオランダで生産が行われるものは、球根類、特殊な品種、スプレーマムのように工業
的に生産できて、重量の重い品目が主流となっています。海外生産品は、大口の通い段ボー
ルで市場まで送られ、市場のリパックセンターでバケツに入れられ、国内品と同様に流通網
に乗っていきます。日本国内では、海外生産品はバケツではなく、段ボール箱で流通してい
るという間違った情報が一部流されていますが、すべてバケツにリパックされています。
⓮ 展示会の変化
2002 年当時は、アールスメアマーケットは鉢物が中心で、施設園芸中心のホルティフェア
に切り花が出展されていました。2012 年から現在のような、アールスメアに切り花が出
⓮
展されるという状況になっています。今年度、JELFA はこの二つの展示会に農水省の補
助事業として日本の切り花を展示し、PR 活動を行う予定です。
⓯
⓯ フローラホーランドの 2020 年5つの計画
組合員の利益確保のため、ヨーロッパの花の消費を今より20 パーセント伸
ばすことをうたっています。どの様に具体化していくのか注意深く見守りた
いと考えています。
⓰ 目標
組合員の利益確保のため、ヨーロッパの花の消費を今より20 パーセント伸ば
すことをうたっています。どの様に具体化していくのか注意深く見守りたいと考
⓰
えています。
⓱ オランダのまとめ
90%以上のシェアを持っているフローラホーランドは、今やオランダの花き産
業の中心であり全てを左右する存在となっています。フローラホーランドは、今
後もこの 立 場を自覚
し、基本に忠実にしつ
⓱
つ、新しいことにチャ
レンジし、世界の花き
業界をリードする存在
であり続けることを目
指しています。
The JELFA 5
定期研修ツアー参加者報告
講演内容の抜粋
定期研修ツアーで学んだオランダの花き流通とその後の業務への展開
JA 静岡経済連東京事務所 箕浦 秀紀 氏
4 年前の 2011 年に参加しました。生産者、花市場、輸出入業者、花束加工会社、スーパーマーケット、展示会、
トレード・ショウを研修しましたが、生産現
場、花市場は、規模が大きく機械化による省力化が非常に進んでいる印象を受けました。輸出入業者では、生産地に出資して互いの情報を共有し、Win
-Win の関係でビジネスを行っていることに感銘を受けました。イギリスでは、スーパーマーケットのメインゲートの一番目立つ所に花売り場があり、花
に対する意識の強さを感じました。
トレード・ショウでは、商品をただ見せるのではなく、生産者とバイヤーが一体となり商取引をしており、その真剣さに
触れることができたのは貴重な体験でした。
●研修から得たオランダの特徴
●オランダと比較した日本の優位
●研修から得たオランダの特徴
✿ 今後の展開
①品質・規格の統一化、組織の強化。共販のメ
リットを活かした販売、特に部会ごとのター
ゲットを定め、戦略を練り、作ったものを売る
のではなく、買参人のニーズをくみ取って、売
れる品種を作る方向を目出す。
②オンラインの発達と共に、ネット注文や販売 チャネルの拡充に努める。
③花の消費拡大、充実を部会、JA、県、国が一
体となって遂行する。
最後に、研修で得た事柄以外に、花き業界のあらゆる分野の方との繋がりや、情報交換も非常に大きな成果でした。この業界に入って 1 年目の海外研修と
いうことで、見るもの全てに圧倒されました。知識をもった今行けば、さらに違った研修になるだろうとも思っています。今後もこのような研修は途切れる
ことなく続けていただければと思います。
講演内容の抜粋
市場における鮮度保持体制について~定期研修ツアーで見たオランダの花き流通~
東京フラワーポート株式会社 小塚 和幸 氏
✿ オランダの花き生産概要
2008 年に参加。オランダは九州とほぼ同じ面積で、日本の花き粗生産額は。約 30%増しで面積が
狭い中で施設栽培を充実させ、何回転も行い生産額を上げ、合理的、効率的な生産が行われていた
ことが伺えました。
✿ オランダの花き卸売市場
研修した年の 1 月に大手 2 市場が合併し、シェア90%のフローラホーランド市場が誕生しました。合
併のメリットは、システムや設備の統一や出荷コストの削減で、販売面では2つの営業が統合して同じ
方向に向かって活動できることが大きな利点です。さらに、生産者の出荷伝票をI
T化し、流通のリード
タイムや出荷コストの削減を図っていました。
6
The
JELFA
✿
JELFAフォーラム2015 開催報告
オランダの花き卸売市場は、生産者の利益を守ることを目的に生産者団体
ドチェーンシステムの確立が示されていますが、まだまだ未整備の状態が
によって設置されています。出荷される商品には、市場で決められた規格、
続いているのが現実です。
等級、荷姿等品質を一定に管理するためのルールがあり、生産者はこの基準
を遵守していました。また、市場内には日持ち試験室が設けられ、一定の基準による
試験を受けた結果によっては販売価格に大きく影響。卸売市場が価格形成の中心
✿ 今後の市場の在り方
最後に、これからの花き市場の在り方について、オランダのような壮大な
となっており、生産者や売買参加者に対し大きな責任を負っていると言えます。
ビジョンはありませんが、日本本来の機能を強化する事が重要と思いま
✿ 花きの鮮度保持
だわりの品質の追求等です。それらをもとに生産・流通・販売の一体的な
研修したオランダの川上から川下までの鮮度保持の流れを表で示しています。
取り組みが重要です。また、物流の中間に位置する市場の役割は大きく、
各セクションが決められたことを忠実に履行し、コールドチェーンが完全に出来上
今後の花き業界をリードする役割も大きいと考えています。それぞれの市
がっています。日本でも、国の方針で品質管理の高度化に向けた、コール
場が、地域の特性を活かし、魅力的な「場」を提供し、付加価値を生み出
す。日本本来とは、形が変わったもの、曲がったもの、使い方の多様性、こ
す市場にならなければならないと考えています。
講演内容の抜粋
JELFA ツアー報告
クリザール・ジャパン株式会社 伊藤 毅史 氏
2 年前、2013 年オランダとフランスのパリの研修に参加。本日は研修で得たものについて、3 点に絞って感想を述べます。
✿ オランダ、フランス、日本
✿ 鮮度保持状況
世界各国からの見学者が絶えないアールスメア市場内の通路には、各国
生産段階でも、流通段階でも、とくに量販店で、話に聴いていたとおり、鮮
の言葉で歓迎のメッセージが書かれており、花を通じた世界のつながり
度保持剤がごく当たり前に使用されていました。オランダでは、無駄を省く
を感じました。街に出た際には、建物もオランダは赤茶っぽく、フランスは
ことに対しての投資には積極的で、例えば人件費などは削減の対象になり
白っぽく、町並みに色が少なく、殺風景に感じました。そのため家庭には花
ます。これに対して作業を自動化する設備などの投資などは、設備につい
をいけて温かみを出そうとしているように思え、消費傾向の違いにも影響
ては減価償却もできることから、積極的に行われるということです。このよ
をしているのではないかと感じました。展示会では、ファッションのトップ
うな、コストについてかなりシビアなオランダで、鮮度保持についての取り
ブランドとのコラボレーションなども見られ、オランダならではだと感じま
組みが継続的に行われるということは意味があるのではないかと思いま
した。
した。
SHARING KNOWLEDGE
SHARING KNOWLEDGE
GBP 2012
GBP 2012
SHARING KNOWLEDGE
GBP 2012
The JELFA 7
✿
JELFAフォーラム2015 開催報告
✿ 人との繋がり
同じ業界の違った分野の人と情報交換できたことは有意義な経験でした。
最後に、JELFA の研修ツアーでは、生産や流通、販売などの一部のみ
研修中、時には食事中やバスの移動中、現場の花を見ながら、一日中、時に
を見るのではなく、すべてを網羅的に見ることができるのが何よりの特
は夜遅くまで花き業界や仕事についての考え方について話ができたこと
徴だと思います。現在、生産者の方から量販店の方まで、鮮度保持剤を
により、得られたものがたくさんありました。また、毎回参加されている理
伝えていくのが役目ですが、この研修で見てきたことをお話しすること
事の皆さんからの、13 年間の変遷や今後の課題、各現場の説明も初め
もあり、また、仕事をする上でのモチベーションにもつながっています。
て参加する者にとっては貴重な情報でした。
講演内容の抜粋
大きな曲がり角に来た花き輸送 ~輸送環境の変化と社会的規制~
JELFA 事務局・日本植物運輸株式会社 地下 智宏
✿ 輸送環境の変化
近年、同業者の廃業、撤退が目立っており、非常に厳しい環境下に置かれています。そ
の原因は主に以下の5項目であると考えられます。出荷量の減少、出荷物の分散・小ロッ
ト化、
ドライバー不足、輸送におけるコストの上昇、社会的規制です。
✿ 出荷量の減少
毎年 10%程度減少している状況です。2 年前からは切り花、鉢物とも廃転業が目立
ちます。台風等の自然現象の被害で再投資を諦めたり、切り花売価の低迷で採算が悪
化していることも拍車をかけています。需要期以外の作付けが減少している傾向にあ
ります。需要期も春以外は減少し、
とくにお盆需要が年々減少しています。
✿ 出荷物の分散・小ロット化
1つの市場への出荷量が減少し、他市場への少量出荷が増える傾向にあります。対応で
きない業者が増え、やがて宅配業者に頼らざるを得なくなり、コストアップで地元市場
への出荷にならざるを得なくなっています。
✿ 輸送におけるコストの上昇
品質保持のため、低温輸送が主流になりつつある際に、空調機等の整備のコストアップ
は非常に負担が重く転廃業につながっています
✿ 社会的規制
トラック、大型バス等の事故率は、自家用車等に比べ非常に低いのですが、人身事故は
マスコミ等のターゲットにもなりやすく、法規制、罰則は年々厳しくなってきています。
ここ2 年間の規制が特に厳しくなっており、それにより廃業、撤退に追い込まれる業者
が増えています。
✿ 今後の取り組み
花き業界については、繁忙期と閑散期の差が激しく、閑散期は空気を運んでいるような
状態となります。厳しい状況に置かれていることには変わりはありませんが、生産者、市
場と情報を共有し、今後とも安定した流通網を確保して、業界に貢献してまいります。
★☆次号は、定期研修ツアーについての情報を中心にお届け致します。
※回覧してください。 なお、各部署や個人宛など社内の複数発送も賜ります。ご連絡ください。
JELFA のホームページ
セミナーの報告など様々な情報を公開しています。
http://www.jelfa.net
The
JELFA
8
発行:特定非営利活動法人 日本 ELF システム協会
編集:JELFA 事務局
東京都大田区東海2−2−1 大田市場花き部FAJ内新館4階
TEL/FAX 03-3799-5817
E-mail [email protected]
郵送先 〒 143-8721 大田市場内郵便局 私書箱39号
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