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超高齢社会への貢献

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超高齢社会への貢献
特集2
超高齢社会への貢献
ノーマライゼーションの実現
社会生活の維持
自立排泄の維持・回復
「Social continence」
「尊厳を守り自立を促すケア」
3つの排泄ケアコンセプト
軽度
高齢者の心身の自立を支援し
健康長寿社会の実現に貢献します
中度
重度
QOL向上
残存能力を活かす
介護力サポート
尿もれに邪魔されず
外出を楽しむ
できることは自分で
トイレ排泄支援
双方の負担軽減
外出意欲
自立排泄
夜間良眠・日中離床・
スキンケア※
ユニ・チャームの願いは、
「誰もがいつまでも自分らしく暮らすことができる社会=ノーマライゼーション」の実
現です。高齢者の方々の自立を支え、豊かな社会生活が維持できるように、体の状態や生活スタイルに応じた
3つの排泄ケアコンセプトの下、商品を開発、提案しています。
● アジアの国別65歳以上の
人口の推移
取り組みの背景
健康長寿社会の実現― 日本からアジアへ
日本が世界一の長寿国となって久しいですが、近
年、平均寿命は男女ともに80歳を超え、今後も高齢化
が進むことが予測されています ※。
しかしその一方で、
2010年
2030年
20年間の
増加数
アジア
全体
279
524
245
中国
110
229
119
インド
60
126
66
日本
29
36
7
13
29
16
6
13
7
12
7
健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活で
インド
ネシア
きる 健康寿命"は、平均寿命よりも、男性で9年、女性
タイ
に至っては12年も短いのが現状です。
韓国
※内閣府「平成26年版 高齢社会白書」
65
70
80
85
90(年)
600(百万人)
※ユニ・チャーム調べ
74.21
65歳以上の高齢者人口が21%を超える 超高齢社
上の高齢者"という
「老老介護」世帯が、すでに5割を超
86.61
女性
400
会"にある日本では、 介護する側もされる側も65歳以
9.02年
71.19
5
200
介護者の高齢化
75
80.21
男性
■ 2010年
■ 2020年
■ 2030年
0
● 平均寿命と健康寿命の差
60
※装着時の肌快適性を追求すること
12.40年
■ 平均寿命 ■ 健康寿命(日常生活に制限のない期間)
平均寿命と健康寿命の差
※厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会・第2回健康日本21(第
二次)推進専門委員会 資料
えています。加齢により体力が低下しているシニア世
代にとって、介護の負担は大きく、共倒れの不安もつき
まといます。団塊世代が高齢者の年齢を迎え、さらな
る核家族化の進展により、老老介護の世帯は一層の増
加が見込まれます。
高齢者の方々の負担をできる限り減らし、自分らしく
快適な日々を過ごしていただけるように、ユニ・チャー
急速な高齢化は、日本だけが抱える問題ではありま
せん。中国やインドなどのアジア諸国でも65歳以上の
人口増加が進み、避けられない高齢化の道をたどって
います。
ムは社会課題の解決に取り組んでまいります。
● 介護者の年齢分布
80歳以上 12.9%
39歳以下 2.0%
40~49歳 8.0%
世界でも例を見ない 超高齢社会"に直面する私た
ちが、さまざまな課題をどう乗り越えていくのか。ユニ・
チャームは、これまでに培った技術とノウハウを最大
限に活かし、日本、そしてアジアの 健康長寿社会"の
実現に向けて全力で取り組んでいます。
16
unicharm CSR report 2015
50~59歳
21.4%
70~79歳
24.8%
60~69歳
31.0%
※厚生労働省
「平成25年 国民生活
基礎調査の概況」
ユニ・チャームの取り組み
介護する方・される方の声を活かす
1987年に大人用紙おむつ「ライフリー」ブランドの
発売を開始して以来、高齢者が長く健康的に生活でき
るよう、
トイレ動作の自立を支援する紙パンツやサー
ビスを提供しています。
86%の介護者がトイレで排泄させてあげたいと望
「ライフリー スルッとはける
うす型軽快パンツ」
「ライフリー
さわやかパッド男性用」
男性用の軽度失禁パッド発売
みながら、つい手助けしてしまう実態がありますが、主
40代の女性なら、3人に1人が経験するといわれる
な原因は、紙パンツを引き上げる際に、お尻にひっか
軽い尿もれ"。
しかし、排尿後尿滴下を引き起こしや
かってしまうことにありました。2014年10月に、
「ライフ
すい体の構造や、加齢による前立腺のトラブルにより、
リー スルッとはける うす型軽快パンツ」を発売。軽い
男性もまた、50代の約2割が 軽い尿もれ"を経験して
力でするっと引き上げやすいギャザーに変更し、自立
います。
しかしこれまで、世間的な認知の低さや専用
排泄をサポートできる商品に改良しました。今回のリ
品の少なさに、ひとりで思い悩む男性も少なくありま
ニューアルは、はきやすさの向上だけでなく、
「はきや
せんでした。
すそう」
「自分でできそう」
というご本人の心理的側面
にも変化をもたらしました。
そこで、2014年4月に、男性特有の体の構造に合わせ
た「ライフリー さわやかパッド男性用」を発売。ズボン
にしみない、目立たない工夫を施しました。尿もれによ
り活動的に過ごす意欲をなくしてしまわないよう、生活
おむつ交換では「引上げ」が最も大変
の質を高める支援をしていきます。
100
141
とする
ご本人にとって負担が大きそうな動作
【紙パンツ主使用者に質問 複数回答】
※ユニ・チャーム調べ
また、 体位変化に伴うお腹周りの膨らみ"にも注目。
体を起こすたびに固定テープがお腹を締めつけてし
まう"といった不満に応え、動きに合わせて伸縮する
テープを搭載した「ライフリー のび∼るフィットⓇ うす
型軽快テープ止め」も、新たに
ラインナップに加えました。
ユニ・チャーム株式会社
グローバル開発本部
商品開発部
「ライフリー のび~るフィットⓇ
うす型軽快テープ止め」
中嶋 海陽
● 男女体勢別 お腹周りの膨らみ変化率
「ライフリー さわやかパッド男性用」は、尿もれの不安によ
り外出等を控えることなく、普段どおり不安なく快適に過ごし
■ 立位 ■ 座位
100%
とすると
105%
100%
とすると
106%
てもらいたいとの思いから生まれた商品です。排尿後、
ちょっ
ともれてしまいズボンにシミができてしまったことに気付く。
日本成人男性の50歳以上の3人に1人がこの尿もれを経験し
ています。男性は性器が外に出ているため上下左右に動きま
す。
これを違和感なく包み込む工夫を凝らすことに腐心しま
した。実際に自ら何度も装着を繰り返した結果、立体感のある
男性
女性
カップ構造にたどり着き商品化を実現しました。
※一般社団法人 人間生活工学研究センター調べ(対象年齢区分75-79歳)
unicharm CSR report 2015
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超高齢社会への貢献
特集2
排泄ケアの啓発活動
ユニ・チャームでは、正しい介護の知識や排泄ケア
象に「失禁対策」をテーマにした軽い尿もれとセルフケ
アについてのセミナーを開催。参加者からは「教えてい
ただいた骨盤底トレーニングで、尿もれを防止したい」
の普及啓発活動に取り組んでいます。市民向け講座や
など前向きな声があがり、職員の方からも
「企業と協働
フォーラムで実際にデモンストレーションなどを行い
で、介護予防活動の事業を実施し、行政だけではでき
ながら、介護に対する理解を深めていただく機会を提
ない情報提供ができ、
供しています。
今後も協力して区民の
健康寿命延伸に取り組
アジア
排泄ケアの講義をPPCSで実施
んで いきた い」との 声
をいただきました。
2014年9月、台湾で開催された第9回Pan Pacific
Continence Society(PPCS)Meetingの中で、当社排
泄ケア研究所の研究員が「高齢者の排泄障害と排泄ケ
福島県棚倉町で「家族介護講座」開催
アの重要性」について講演しました。
この大会は、参加
当社の工場がある福島県棚倉町の町役場におい
した日本・中国・韓国・台湾の尿失禁協会の会員の交
て、2013年に続き2014年も
「家族介護講座」を開催。尿
流を図ることを目的に、毎年開催されています。講演の
もれの基礎知識やおむつの正しい選び方・あて方を解
中で、自立した排泄が
説し、参加者と尿もれのセルフチェックや骨盤底トレー
高齢者の生活を支える
ニングを実施しました。実際に家族の介護をしている
原 点 で あることを、介
方や施設職員など約30人が参加し、
「今まで間違った
護に携わる人たちに訴
お む つ の 使 い 方 をし
えました。
ていた。もれていた原
因がよく分かりました」
日本
排泄ケアセミナー等の活動を
全国で展開
「 い ざというときの 準
備ができた」などの感
想をいただきました。
静岡県掛川市で「介護教室」開催
「掛川市在宅介護者の会」の市民向けに介護教室を
開催しました。テーマは、
「おむつの選び方とあて方」。
大阪府高槻市 看護助産専門学校で講義
超高齢社会の看護援助をする上で、おむつの正しい
当社排泄ケア研究所の講師により、おむつの構造やも
知識や使用方法を知り、よりよいケアにつなげていき
れ発生のメカニズムなどを解説し、正しいあて方の重
たいという目的で、大阪府高槻市の愛仁会看護助産専
要性をご理解いただきました。参加者からは、
「今後介
門学校より依頼を受け、
「おむつの正しい選び方と使い
護に携わるため、参考になった」
「おむつの機能や吸
方」の講義を実施しました。おむつの役割と使い方、商
収 回 数 など、これまで
品機能実験や正しいあて方について、参加した学生と
知らなかったことを学
職員約100人に説明しました。参加者からは「今まで実
ぶことができよかった」
習に行っても分からないことが多かった。学んだことを
と、好評を得ました。
活かしていきたい」
「お
むつのいろいろな機能
が理解できた」などの
声をいただきました。
横浜市鶴見区で「失禁対策講座」開催
横浜市が民間企業・団体と協働で社会課題解決に取
り組む仕組みである共創フロントにおいて、市民を対
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unicharm CSR report 2015
人とペットの共生社会の実現に向けて
「マナーウェアⓇ
「マナーウェアⓇ
男の子用」
女の子用」
取り組みの背景
ユニ・チャームの取り組み
高齢者の心や体に元気と活力を与える
ペットとの暮らし
ペットの健康とマナー
ペットは私たちの心を癒し、暮らしに潤いを与えてく
人間同様、ペットも長寿化、高齢化が進みつつありま
れる大切なパートナーです。ペットとの触れあいは、高
す。ユニ・チャームでは、2001年からペットの紙おむつ
齢者の健康状態によい影響を与えるという調査報告も
を発売。飼い主とペットが快適で楽しい時間を過ごせる
あり、近年注目されています。認知症の予防や、血圧・
ようにと、
さまざまな商品を送り出してきました。
脈拍の安定、病気の治癒力が上がるといった予防医学
日本では、愛犬と一緒に外出したいという飼い主が
の効果、また、疎外感が軽減されて安心感が得られる、
多くいる一方、一緒に外出できる場所は欧米に比べて
ペットを通じて他の飼い主と会話をする機会が増える
まだ限られています。愛犬が外出先でマーキングなど
といった、心の健康や社会参加に対する効果があると
の粗相をしてしまうなど、
しつけが不十分なケースが
いわれています。日頃「ストレスを感じている人」の通
あることがその理由のひとつと考えられます。
院回数が、犬を飼っていない人の年10.37回に対して
そこで、私たちが積極的に取り組んでいるのが、
「マ
飼っている人は年8.62回にとどまっているとの調査結
ナーケア」という新たな提案です。外出時に、マーキ
果もあります。
ングなどの粗相を防ぐ犬用排泄ケア商品「マナーウェ
ユニ・チャームでは、ペットの健康寿命を延ばすこと
アⓇ 男の子用」を2014年10月に、
「マナーウェアⓇ 女の
が高齢者の健康・長寿につながるとの考えから、
「ペッ
子用」を2015年3月に発売。マナーウェアをはかせるこ
トと人間の共生社会」の実現を目指しています。
とで、飼い主と愛犬が一緒に外出し、多くの場所に一
緒に出かけられる環境を創造していきます。
● ペット飼育と高齢者の通院頻度
日頃ストレスを感じている人の通院回数
10.37回/年
犬を飼っていない人
8.62回/年
犬を飼っている人
0
2
4
6
8
10
12
(回)
※ペットとの共生推進協議会「笑顔あふれる、ペットとの幸せな暮らし。」
「マナーウェアⓇ 男の子用」
排泄ケアのイメージを払拭するお
しゃれなデザイン。
くるっとお腹に
巻くだけの形状で、はかせやすいだ
けでなく、元気に動き回るワンちゃ
んのはき心地にも配慮しています。
「マナーウェアⓇ 女の子用」
「おむつ=介護・かわいそう・はず
かしい」といった抵抗感を払拭す
る、洋服感覚のおしゃれなデザイ
ン。独自の吸収体形状と伸縮する
特 許 技 術で 元 気 に 動き回るワン
ちゃんでも嫌がりません。
公益社団法人日本動物病院協会
会員
もみの木動物病院
村田 香織 様
マナーウェアでペットを受け入れやすくなるでしょう
ペットが人の心身の健康に大きな効果をもたらすことが、多
くの調査や学術研究で分かっています。ペットと暮らすことは
高齢者の疎外感を緩和して笑顔を増やし、運動の機会をつく
り、病院に行く回数も減るといわれています。
さらに社会的潤滑
油としての役割もあり、ペットとの外出はコミュニケーションの
機会を増やします。
しかし排泄問題が原因でペット同伴を拒否
する施設も少なくありません。外出時にマナーウェアをつけるこ
とで、ペットを受け入れられやすくし、高齢者が地域社会に溶け
込む機会を増やすことにもつながるでしょう。
unicharm CSR report 2015
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