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2016/09/16 名古屋 「第14回MRPユーザーサポート講習会」の模様(PDF)
MRP Mail magazine 第14 号 2016年 11 月 ◆特集◆ 第14回 MRP ユーザーサポート講習会 2016年9月16日(金) 基調講演 名古屋東急ホテル(名古屋) 今後ますます変化を求められる 「病院経営」と「事務部門の役割」 公益財団法人がん研究会 常務理事/経営本部長/病院本部副本部長 櫛山 博 先生 分科会 〈分科会Ⅰ:女性調達担当者会議 ~女性でもできる!調達業務に女性らしさを生かそう~〉 ・調達の基礎 ~価格交渉と物替え、女性の目線を生かした調達~ 京都大学医学部附属病院 経理・調達課 課長補佐 林 寿美子 様 ・ディスカッション 〈分科会Ⅱ:事務部門が直面する「環境変化」と「その対策」〉 ・2025 年問題に向けて各都道府県が推し進める「地域医療構想」 ~医療機関の課題と対策~ ニッセイ情報テクノロジー株式会社 ・各「地域」の「購買担当実務者会議」開催報告 ~コスト削減、共同交渉・購入等~ 長野県エリア:信州大学医学部附属病院 経営管理課 契約室 主査 白木 中部エリア: 名古屋大学医学部附属病院 経理課 専門職員 國枝 その他エリア:エリア実務者会議事務局 康浩 様 直哉 様 ・トピックス ①~機器保守費用の削減スキームについて(主な手段)~ ②~急増する医薬品費の増加要因分析とその関連情報について~ 株式会社エム・アール・ピー MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 2016 年 9 月 16 日(金)、 名古屋にて、第 14 回 MRP ユーザーサポート講習会 を開催いたしました。 全講演併せて約 120 名の皆様にご参加頂き、 この度も盛況のうちに会を終えることができました。 誠にありがとうございました。 今回のメールマガジンでは、当日の講演の様子を掲載し ております。 <MRPユーザーサポート講習会 開催目的> MRP ユーザーサポート講習会は、 ①MRPが有するコンサルティングやシステム等の機能を効率的に活用頂き、 病院の経営改善に今以上に役立てて頂くこと ②病院の事務の方々へ様々な情報を提供することによって、 少しでも病院マネジメントに貢献していくこと ③病院間の情報や人のネットワーク作りに貢献すること を目的としております。 上記について、当日の様子を次ページ以降に掲載いたします。 -2- MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 基調講演 今後ますます変化を求められる 「病院経営」と「事務部門の役割」 公益財団法人がん研究会 常務理事/経営本部長/病院本部副本部長 櫛山 博 先生 ■がん研究会のあゆみ 1908 年癌研究会創設 1934 年大塚に癌研究所・附属病院開設 2011 年 4 月 公益財団法人がん研究会 発足 ・過去 5 年間で外来患者・新入院患者は増えてきており、手術室を増設し、手術件数の増加に対応 している。 ・首都圏からの入院患者が多いが、最近では外国人の患者(7 割以上が中国から)も増えてきている。 ■日本の医療の現状 2025 年には 75 歳以上が全人口の 18%となり、2060 年には全人口は 8,674 万人にまで減少す る一方で 65 歳以上は全人口の約 40%となる。 65 歳以上の高齢者が全人口の 21%を超える「超高齢社会」を迎え、医療・介護のニーズもピークに 向かい、社会保障給付は高齢化とともに今後も急激な増加が見込まれ、税・社会保険料といった国民 負担の増大が見込まれる。 -3- MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 厚生労働省では高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもと、要介護状態になっても住み慣れ た地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・ 生活支援が一体的に提供される『地域包括ケアシステム』の構築を推進している。 超高齢社会を迎えるにあたって、医療費の増加、経済の低迷による保険料の伸び悩みにより、医療保 険は各制度とも大きな赤字を計上し、医療保険の財政運営がきわめて厳しい状況になる為、医療制度 改革が必要になった。 医療制度改革の目指すべき方向・・・利用者の視点に立った効率的で、安心かつ質の高い医療の提供 健康寿命を延ばし、生活の質を高める保健医療サービスの提供 国民に信頼される持続可能で安定的な医療保険制度の構築 視点を変えて考えると 医療制度改革は、国の財政難からくる財政改革であり、 病院で行われている経営改革と同じである。(収入の増や経費削減など) ■病院経営とは ・病院のミッション達成のための経営 (がん研のミッション:がん克服をもって人類の福祉に貢献する) – ミッション達成のためには病院が存続し続けなくてはならない – 患者さんへの最適な医療の提供 – 病院で働く職員、パートナー企業の方々の生活の安定 – 教育・地域医療などへの貢献 ・正規職員、非常勤職員、パートナー企業(外部委託企業)の方々などすべての方がミッションを 共有し、それぞれの職務を実践していくことが重要 ■事例:がん研の経営改革 2011 年 4 月の公益財団法人化とともに、経営の健全化を目指しガバナンスの確立、組織改革、 就業規則の見直し、などの改革を行った。 -4- MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 ガバナンスの確立 業務の個人帰属から組織帰属へ 権限と責任の明確化 規程の整備 がん研組織の改革 三本部制への移行 経営本部・・企画総務部、人事部、財務部、調達部、情報システム部 病院本部・・有明病院、病院統括管理部 研究本部・・がん研究所、がん化学療法センター、ゲノムセンター、研究管理部 経営会議の設置 コンプライアンス室の設置 トップダウンとボトムアップの融合 経営改革タスクフォース・・「01」運動 ※「01」運動・・・医師、看護師、医療技術職員、事務職員等すべての職員が、それぞれの現 場での問題点や、やりたいこと等を洗い出し、発表する機会を設けた。 (1)現在の取り組みについて ・SG(Step Up がん研)経営改革会議の実施 中期ビジョン会議の開催、診療報酬改定への対応、収入増・コスト削減 (2)業務環境の整備 ・職場の業務環境の整備 (3)業務改革推進活動における「課題と改善策」の検証 例) ・残業時間が多い⇒時間外が多い原因は何か? ・業務に偏りがある⇒具体的にどのような偏りがあるのか? ・人材育成、知識不足⇒どのようなレベル?どのような人材? 等 ○現状の課題について「原因」に言及する必要があり、個人や課内の課題について どうしたら改善できるのか、一人一人が「最善・最適」な策を考えてみることが重要! ○グラフや数値にして出すことによって改善するべき箇所や結果が分かりやすくなる。 ■残業時間改善の例■ 26年度 月平均 27年度 6~11月平均 最終目標値 3,692 3,014 2,354 (一人あたりh)/月 25 20 16 コスト/月 ※試算値 9,599,200円 7,835,126円 6,121,206円 コスト/年 ※試算値 11、519万円 9,402万円 7,345万円 時間 (h)/月 時間 1人1日あたり 12分の超勤削 減 1,598万円の削減 年間約3,600万円のコスト減 ■事務部門と経営 ●これまでの病院の体制 ・病院は医師が中心 ・医師の指示のもと医療を行うといった法規制 ― 薬剤師が行う調剤も医師の指示による行為 ― 看護師が行う看護業務も医師の指示による など -5- MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 ・病院内の委員会の委員長もほとんどが医師。医師も委員会活動を行いたいわけではない ・課長や事務部長の裁量で実施できるものも委員会等での審議を踏まえて実施が多いのでは? ⇒これからは事務部門がより積極的に病院経営に参加し、取り組んでいくことが必要! ●これからの事務部門と経営の関係 ・法的規制がないものについては、医師・看護師等に変わって事務部門が積極的に取り組んでいく ことが必要。 ・事務部門が経営に積極的に取り組むためには、事務部門のレベルアップが必要。 ― 診療報酬・DPC コーティング、医療訴訟の相談に乗れる など ― 医療に係る動向の把握(診療報酬改定、包括ケア、地域医療計画 など) ― 病院収支の将来予測を作成できる ― 各種データの分析・提供 ― 広報活動 など ・自分の専門分野において、医師や看護師などにも負けない知識・指導力などの能力と自信を 身に付ける事が大切である。 ⇒そのためには、各レベルに沿った研修の実施が重要となる。 ●研修の取り組みについて 人材育成は組織をあげて取り組むべきもので、非常に重要な課題であると考え、単なる知識やスキ ルの向上にとどまらず、組織の生産性や競争力向上(=医療の質の向上)に貢献できるようにする。 ・業務洗い出し表を作成・・・業務をするうえで、なにが問題に感じているのかを具体的に考える。 例:電話件数が多い→感覚ではなく、”具体的に何件あるのか” ”電話にかかる時間はどれぐらいか””どんな内容の電話が多いのか”等、細かく突き詰めて考 える。 洗い出した問題点を元に職務配分表を作成し、それを踏まえて、人員配置・人事異動を行う。 ・管理部門全体をスキルアップ・・・OA スキルの見直し。各部門でどれぐらいの PC スキルが必要 かをリストアップし、現時点で出来るレベルを段階に分けて評価する。 (足りない部分を洗い出し具 体的に目標を立ててスキルアップを目指す。 )→半年後に習熟状態を確認 ・若手社員を対象とした研修・・・これから何を目指していくかという事を具体的に考え、ディスカ ッションする中で、普段の業務中とは違う姿が見られる=新しい人材発掘にもなる。 目標管理意識を持つ・・・この場合も具体的な目標を建てることが大切。 自己啓発本の図書・・・寄贈された自己啓発に関する本を自由に読めるようにする。 ■まとめ■ ●病院経営とは、各病院が掲げるミッションを達成する為の経営であり、色々な視点から考えていく ことが大切。また、病院経営に携わるすべての人々がミッションを共有しそれぞれの職務を実践し ていくことが必要である。 ●これからの病院経営では、事務部門は専門分野において医師や看護師などにも負けない知識・指導 力等の能力と、自信を身に付けることが大切。 ●経営改革を行う際の問題点の洗い出しや解決策は、データに基づき把握し、具体的な策であること が重要。また、実施結果の評価、評価に基づく見直しなどの PDC サイクルが重要。 -6- MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 分科会Ⅰ 女性調達担当者会議 調達の基礎 ~価格交渉と物替え、女性の目線を生かした調達~ 京都大学医学部附属病院 経理・調達課 課長補佐 林 寿美子 様 ■女性調達担当者会議開催の目的 各地で講座等を実施する中で女性調達担当者の方から下記の意見があった。 ・女性管理職がどんな風に活躍されているのか、話を聞いてみたい。 ・女性の視点で日常業務等について意見交換したい。 ・年齢の離れた男性職員には、なかなか質問がしにくいこともあり悩んでいる。 等 ⇒こういった意見にお答えし、担当者同士で日頃の業務や業務における疑問・悩みを話し合うため の場として女性調達担当者会議を開催することとなった。 ■価格交渉と物替え・業者替え きっかけは平成16年の国立大学の法人化と病院経営の赤字⇒赤字改善に向けた取り組みへ 1.既存品の価格を改善に着手 平成 18 年 8 月より MRP とのコンサルタント契約を結び、ベンチマークを用いた既存品の価格 交渉に着手した。 ・着手前に現状分析を行う ・手法は当初~現在まで調達事務職員だけで交渉 2.新規材料への取り組み 新規材料や臨時購入品は、MRP ベンチマークシステムを利用して交渉を行う。 ・年間交渉後の新規は原則「同メーカー・同定価・同償還=同一価格以下」のルールづけ 交渉者に大事なのは 商品を知ること、有利性、話術、価格追求心、商品の値頃感、タイミングと駆け引き ・・・これらは、実践の積み重ねと経験でしか得られないもの 3.材料の変更と統一化に着手 ベンチマーク交渉だけでは限界があり、既存品の削減率が鈍り始める。 そこで、平成 19 年後半から、他社製品への切り替え(物替え)に取り組んだ。 他社製品を募ることで取引が活性化し、ベンチマーク交渉にも好影響となった。 4.大学の診療材料調達事務担当者としてのマネジメントの基本 (1)ドクターフィーの材料は「厳選して」できるだけ自由に使わせて医療と患者に貢献する。 そのために、 ①医療者と会話する、②材料を知る、③高い材料は高いなりに安く購入する、 ④メーカーと直接話をする、⑤無駄を出さないために管理の方法や買い方を工夫する (2)一般的な材料はできるだけ標準化し、規格・品目数も限定・統一する。また、定期的に材料 を見直し、安価な材料に切り替える。業者・メーカーからの提案もメリットのあるものは積極 的に検討する。 -7- MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 そのために、 ①医療者と会話する、②材料を知る、③とことん競争させる、④メーカーと直接話をする (3) 「材料選定委員会」は調達事務がコントロールし積極的に発言する (4)医療者にさまざまな情報をわかりやすく発信する ■病棟移転・役務業務の見直しについて 病棟移転は調達担当者にとって非常に負担の多いことだが、 (1)従来からの慣習等を見直すよい機会 (2)事務が価格交渉やマネジメント能力を発揮することで、計画以上の設備を新調したり、 更新できたりするよい機会 (3)残った什器類をうまく活用して院内を綺麗にする⇒女性の目線を生かす! ・移転時の取り組み例 平成28年の南病棟、北病棟移転の際に取り組んだこと ゴミ箱の整備・・おしゃれなゴミ箱の導入、病院の顔となる玄関前もおしゃれに・・ 病棟に余ったゴミ箱もラミネートしておしゃれに変身、分別の強化を図る ナースカート用ゴミ分別クリップ 残った什器類をうまく活用して院内を綺麗にする⇒女性の目線や特性を生かす・・! 南病棟EVホール 正面玄関入口 病棟の個室の余りを利用・・ 既存品=クリーニング実施 新規購入は残額費用から・・ 病棟の余りと新規購入でフロアーごとに色を変えて設置 ■調達事務担当者に実行してほしいこと (1)何事にも興味を持つ (2)広く大きなアンテナを張る (3)良いと思うことをすぐ実行する、実行を継続する 大事なのは“やる気”と“実行力”です! ■ディスカッション ディスカッションでは、各参加者の方から ・日頃の業務で悩んでいること ・交渉の手法について ・院内での連携について などの質問があり、コーディネーターの林様だけではなく、参加者の方からも実際どのように 取り組んでいるのか意見をいただきながらの、非常に闊達なディスカッションとなった。 -8- MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 分科会Ⅱ 事務部門が直面する「環境変化」と「その対策」 2025 年問題に向けて各都道府県が推し進める 「地域医療構想」~医療機関の課題と対策~ ニッセイ情報テクノロジー株式会社 ヘルスケア営業本部 西村 明 様 ■地域医療構想の背景 日本は 2025 年に人口の3人に 1 人が 65 歳以上、5 人に 1 人が 75 歳以上となる。高齢化によ り、医療と介護を必要とする人が増加することが予想される。 しかし、現在の日本の病床は急性期中心の医療体制のため、身近にリハビリテーションを受けられ る病院が少なく在宅・職場復帰に時間が掛かる。加えて今後、在宅復帰に向けた医療やリハビリテー ションの需要が増加するため現在の医療提供体制のままでは対応できなくなってくる。 ■地域医療構想によりバランスの取れた医療提供体制へ こうした中で、都道府県は、 「地域医療構想」を策定し、今後の医療需要の増大・変化に対応でき る、高度急性期から回復期・慢性期、在宅医療までバランスのとれた医療提供体制を構築する。 H27.2.23 全国厚生労働関係部局長会議(厚生分科会)医政局資料 厚生労働省は各都道府県に対し、地域医療構想策定を後押しする各種支援ツールを提供。 都道府県はその各種支援ツールを活用しながら地域医療構想を策定し、 「構想区域」ごとに開か れる「地域医療構想調整会議」に情報提供を行なう。 「地域医療構想調整会議」には医療機関も 参画しながら地域医療構想実現に向けて取り組む。 ⇒病床再編(機能分化・連携)についてはあくまでも医療機関の自主的な判断で進める ■地域医療構想に向けての医療機関の課題と対策 地域医療構想への取り組みに向けて各種指標を多面的に判断するマネジメントが求められ、 『今からの時代』に向き合って取り組むことが重要。 (1)自院の「現状実態」の把握と「将来の姿」を描く (2)そのために自院の資産である医療データを活用する ・ 「地域」 「地域医療構想調整会議」で議論できる(戦える)エビデンスの作成 ・2025 年に向けた病床再編を意識したロードマップの作成 -9- MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 医療機関の課題と対策 課題 ・必要病床数の検討(現在・将来) ・病床再編における収入インパクト ・在院日数(転棟日数)の適正化 ・自院の立ち位置が不透明 ・解決すべき課題が不明確 ・重要度の高い問題指標(格差指標)の把握 対策 ・病床再編シミュレーション ・医療需要・必要病床数を推計する ・病床機能別分類の境界点を知る ・自院の解決すべき課題を論理的・ 科学的に発見する ・自院の立ち位置を知る (ベンチマークの活用) ・経営管理に必要な指標を日常的に 把握する(モニタリング) ⇒必要に応じてシステムやツールを活用し、分析の実施、課題の把握を行っていく。 ■まとめ ・病床数の調整(削減)のみが地域医療構想ではない ・地域の課題を抽出し、調整会議等において、医療機関が参加して協議し、自主的に地域に 必要な医療機能を過不足なく分担する ・過少なものを単に増やすのではなく、過剰なものを過少なものに転換する ・課題に対して目標を設定し、PDCA サイクルを回す ・過不足のない機能転換を通して必要病床数が調整・整備される - 10 - MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 分科会Ⅱ 事務部門が直面する「環境変化」と「その対策」 各「地域」の「購買担当実務者会議」開催報告 ~コスト削減、共同交渉・購入等~ ■はじめに ・ 「購買担当実務者会議」開催のきっかけ 各病院ご担当者様からの『他院との交流がなく、どのような取り組みが行われているのか わからない』といった声が多かった。 ・『近隣の病院で情報交換・情報共有を行うことによって、お互いの病院にとって有益になる ような解決策を見出すこと』を目的に平成 23 年 6 月名古屋にて「第 1 回中部エリア病院 調達業務実務者会議」が開催 ⇒その後、全国に拡大。都道府県単位での開催も実施している。 ・平成 28 年 11 月時点で全国7ブロック、都道府県単位5エリアで開催。 ■長野県エリア開催報告 (信州大学医学部附属病院 経営管理課 契約室 主査 白木 康浩 様) ■長野県の医療機関の連携について ・人口密度が低く、各医療機関の距離が遠いため、医療機関での連携が少なかった。 ・平成 25 年 12 月から「病院契約関係者勉強会」を開催し、価格交渉手法・共同交渉について 情報交換を行ってきた。 ⇒平成 28 年 6 月「第 1 回長野県購買実務担当者会議」を開催。 当日は信州大学での経費削減に向けた取り組みの発表や、4 つのテーマに分けて班別討議を行った。 ■今後の課題 1.成果を出すこと ・・・共同交渉を拡大し、多くの医療機関に参加して頂けるようにする。 2.組織的な取り組み ・・・担当変更による業務能力低下を防ぐ。 ■中部エリア開催報告 (名古屋大学医学部附属病院 経理課 専門職員 國枝 直哉 様) ■開催の経緯について ・国立大学病院間での交流や勉強会は年 1、2 回行われているが、同じ地域の病院の購買担当者が 集まって意見交換する機会がなかった。 - 11 - MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 ■過去の開催状況及び開催目的について ・平成 23 年 6 月の「第 1 回」開催を始めとし、これまで計 14 回「中部エリア病院調達業務実 務者会議」を開催。 ・目的:中部エリアで身近な情報交換・情報共有を行うことを目的とする。 ・参加者:大学病院、公立病院、民間病院、自治体の病院管理部門 ⇒開設主体の垣根はない。 ■今後の展望について 参加施設・参加者にとって有意義な会を継続開催していくために【医療材料】 【医薬品】だけでな く、 【医療機器調達】 【役務契約】など、各施設の課題・問題点を中部エリアで強調して話し合える場 にしていく。 ■その他取り組みについて 【情報共有】 、 【共同交渉】 、 【人材育成】をコンセプトに、医療用消耗品類の安定供給と経費削減の 取り組みを効果的・効率的に遂行するための購買事務連携を図ることを目的とし、 「中部エリア 5 病 院による共同交渉」を実施。 ・中部エリアの特性を生かした交渉を行い、人材育成の面でも 2、3 ヶ月単位で実務者レベル会議 を開催することで、交流を深めることができる。 今後について、現状 5 病院の価格合わせだけではディーラー、メーカーのメリットがないため、 ディーラー、メーカーにメリットが出るよう、5 病院が一斉に新たな製品へ切替えができるように する。 ■その他エリア開催報告 (エリア実務者会議事務局) ■関東エリア開催について 平成 26 年 6 月の開催を第 1 回とし、年 1 回定期開催。平成 28 年 6 月で第 3 回目の開催とな った。 「第 3 回関東エリア実務者会議」は国立国際医療研究センター様を幹事病院とし、医療材料一括 調達に関する発表の他、4 つのテーマに分かれてグループ別ディスカッションを実施した。 ■今後の取り組みについて アンケート結果からは共同購入・共同交渉に関する関心が高く、検討中の施設も多い。 ※ただし、エリア特有の慣習等もあるため、議論を深めながら段階的に進めていく予定である。 ■群馬分科会開催について 関東エリア実務者会議に参加した施設で、群馬県の病院からより近隣のエリアで情報・意見交換会 を行いたいとの要望があり、関東エリア実務者会議の分科会として平成 28 年 5 月に「群馬分科会」 を初開催した。 「第1回群馬分科会」は前橋赤十字病院様を幹事病院に、前橋赤十字病院の概要・取り組みについ て発表頂いた。また、グループディスカッションは 3 つのテーマに分かれて実施した。 ■今後の取り組みについて アンケート結果にて継続開催を要望する意見が多く、第 2 回以降も引き続き開催を予定している。 ■その他 その他エリアの本年度の開催状況と秋以降の開催予定について報告を行った。 - 12 - MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 分科会Ⅱ 事務部門が直面する「環境変化」と「その対策」 その他トピックス 株式会社エム・アール・ピー ■トピックス① ~機器保守費用の一般的な削減のスキームについて~ 2.「フルメンテナンス契約」のタイミング及びメリット・デメリット 契約のタイミング(更新時も同様) 大型医療機器のフルメンテナンス契約のメリットやデメリット、 契約のタイミングなどについて解説を行った。 ①機器購入時に保守契約もあわせて締結 ②無料補償期間(1年~2年)終了後に契約 ③契約時に過去購入した機器の保守(同メーカー)も纏めて契約 他 メリット ①安心感 ・24時間365日等の修理対応 ・故障前の交換作業で診療に支障を与えない対応 1.機器保守契約金額削減のポイント (1)契約内容を把握する (2)契約内容をデータで管理する ②費用面 修理発生時に新たな費用を見込まなくてよい ③事務作業面 修理時は作業報告書の受領のみで事務作業が簡便 他 デメリット ①契約金額が高額である ②適正な契約金額か判断ができない ③都度修理した場合の費用と比較・検討ができない。 他 上記をポイントとして、保守契約金額削減のスキームについて事例を交えながら 4 例紹介した。 2.まとめ~機器保守契約金額削減のために~ (1)契約書や仕様書の内容を把握する (2)契約期間や契約金額・保守内容等をデータで一元管理する。 (3)損保を活用した場合のシミュレーションを削減効果の一つの目安とし、 その他の手法に関してはメリットとデメリットを理解し検討する。 (4)経営層と現場にコスト削減の手法と方法論を理解頂き、協力を得る事が必須。 (5)契約更新時には現在の契約内容と実際の修理内容を比較し、フルメンテナンスの減額交渉 やその他のスキームへの切替等を検討する。 ■トピックス② ~急増する医薬品費の増加要因分析とその関連情報について~ 1.医薬品を取り巻く環境について 国民医療費と医薬品費との関係や、最近の医薬品に関する制度変更について等、関連ニュースを 取り上げながら報告を行った。 入院 入院 外 + (出展)医療費の伸びの構造について (平成 28 年 4 月 8 日 厚生労働省保険局) 調剤 2.その他 88 施設を対象に行った MRP 医薬品増加分析の結果について、解説・報告を行った。 - 13 - MRP Mail magazine 第14 号 2016 年 11 月 ◆お知らせ 【予定】<今後の MRP ユーザーサポート講習会について> ○平成 29 年度は、 地方開催を含め、年 1~2 回の開催を予定しております。 ※次回の開催時期は、現在のところ未定です。 ★テーマ・開催方式等については、皆様方から頂戴いたしました アンケートの結果を参考とさせて頂きます。 皆様方のご参加、心よりお待ち申し上げております。 MRP ユーザーサポート講習会 事務局 株式会社エム・アール・ピー 大阪オフィス 〒532-0003 大阪市淀川区宮原3丁目4番30号ニッセイ新大阪ビル 15階 TEL:06-6398-0561 FAX:06-6398-0562 - 14 -