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福島県市町村国民健康保険広域化等支援方針[平成27年3月改定

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福島県市町村国民健康保険広域化等支援方針[平成27年3月改定
福島県市町村国民健康保険広域化等支援方針
平成22年12月策定
(平成25年3月改定)
(平成27年3月改定)
福島県保健福祉部国民健康保険課
目
第1
次
基本的な事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P
1
1 策定の目的
2 対象期間
第2
本県の市町村国保の現状及び将来見通し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P
1
1 概況
2 被保険者等の状況
3 財政状況
4 国保税の状況
5 医療費(療養諸費)の状況
6 将来見通し
第3
県と市町村の役割分担・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P
9
第4
具体的な施策及び実施項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P
9
1 財政運営の広域的な取組
2 事業運営の広域的な取組(医療費適正化事業)
3 標準設定
第5 県、市町村間の連絡調整・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P 13
第6 今後の方向性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P 13
第1
1
基本的な事項
策定の目的
この福島県市町村国民健康保険広域化等支援方針(以下「本方針」という。)は、国民健康保険法
(昭和 33 年法律第 192 号)
(以下「国保法」という。)第 68 条の 2 の規定に基づき、市町村が保険者
である国民健康保険(以下「市町村国保」という。)について、財政の安定化を推進する観点から、
財政運営及び事業運営の広域化に係る指針として、市町村の意見を聴いた上で、県が策定するもので
ある。
2
対象期間
持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(平成 25 年法律 112 号)
(以
下「プログラム法」という。
)第 4 条第 7 項第 1 号ロにおいて「国民健康保険の運営について、財政
運営をはじめとして都道府県が担う」との方向性が示されたことから、本方針の対象期間は、平成 27
年度から県が財政運営を担うまでの期間とする。
第2
1
本県の市町村国保の現状及び将来見通し
概況
国民健康保険は、被用者保険等に加入する者を除く全ての者を被保険者の対象とする公的医療保険
制度であり、国民皆保険制度の最後の砦として重要な役割を担っている。
しかし、県内の市町村国保は、被保険者数 3,000 人以下の小規模保険者がほぼ半数の 29 を占めて
おり、全国の市町村国保同様、低所得者あるいは高齢者が多く加入しているため、国民健康保険税(以
下「国保税」という。
)の負担が重く、被用者保険と比較して一人当たりの医療費水準が高い傾向に
あるなどの構造的な問題を抱えている。
なお、平成 25 年度の財政状況は、決算補填目的により一般会計から 15.6 億円繰り入れても単年度
収支が 33 保険者において赤字であり、それを過年度からの繰越金あるいは基金からの繰入金で解消
している。
また、本県では、平成 23 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津
波及びその後の余震により引き起こされた大規模地震災害(以下、「東日本大震災」という。)、さら
には東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、
「原子力災害」という。)等により、今なお 11 万人
を超える県民が避難を余儀なくされている。避難生活の長期化等の影響により一人当たりの医療費水
準は全国平均を上回っており、国保税の収納率についても着実に伸びてはいるものの全国下位にとど
まっていることなど、課題も浮き彫りとなってきている。
本県の市町村国保の現状をデータで見ると以下のとおり。
※
データの出典について特に記載がないものは「国民健康保険事業状況(福島県国民健康保険課)
」の市町村国保
分による。
(平成 25 年度は速報値)
1
概況
平成23年度
世帯数(年度末)
平成24年度
平成25年度
306,667 世帯
303,322 世帯
299,934 世帯
被保険者数(年度末)
555,878 人
542,739 人
527,195 人
被保険者数(年間平均) (A)
563,979 人
551,704 人
537,992 人
単年度収入 (B)
221,018,462,390 円
232,156,288,187 円
226,276,237,905 円
単年度支出 (C)
216,313,562,514 円
228,384,181,281 円
226,162,417,485 円
4,704,899,876 円
3,772,106,906 円
113,820,420 円
収入合計 (E)
230,014,355,790 円
245,850,572,520 円
243,466,605,319 円
支出合計 (F)
216,977,912,530 円
229,279,522,747 円
229,087,134,755 円
13,036,443,260 円
16,571,049,773 円
14,379,470,564 円
26
28
33
1,982,106,692 円
1,746,315,529 円
1,556,466,524 円
40,612,111,370 円
41,488,856,071 円
44,877,384,019 円
36,251,995,044 円
37,500,101,627 円
40,557,803,366 円
89.27 %
90.39 %
90.38 %
72,010 円
75,201 円
83,416 円
170,145,839,076 円
176,080,119,686 円
173,124,943,227 円
132,629,183,569 円
138,891,730,990 円
132,107,294,501 円
77.95 %
78.88 %
76.31 %
301,688 円
319,157 円
321,798 円
11,979,701,445 円
11,945,700,146 円
13,310,858,828 円
事
業
勘
定
決
算
状
況
単年度収支差引額 (D=B-C)
収支差引額 (G=E-F)
単年度収支赤字市町村数
決算補填目的の一般会計繰入額(※2)
調定額 (H)
(
国 収納額 (I)
※
保
1
) 税 収納率 (J=I/H*100)(※3)
被保険者数一人当たり調定額 (K=H/A)
療養諸費 (L)
(
医 保険者負担分 (M)
※
療
1
) 費 保険者負担率 (N=M/L*100)
被保険者一人当たり療養諸費 (O=L/A)(※4)
高額療養費(※1)
(※1)一般被保険者と退職被保険者との合計であり、国保税については現年度分のみである。
(※2)平成24年度決算補填等目的の一般会計繰入額全国計 3,534億円(全国26位)
(※3)平成25年度現年度分収納率全国平均 90.42%(全国38位)
(※4)平成24年度一人当たりの医療費(療養諸費)全国平均 315,856円(全国31位)
2
被保険者等の状況
本県の平成 25 年度末における市町村国保の世帯数は 299,934 世帯(対前年度▲3,388 世帯、1.1%
減)
、被保険者数は 527,195 人(対前年度▲15,544 人、2.9%減)であった。
(表 1・図 1)
市町村国保被保険者の資格異動状況については、異動増加(加入)・異動減少(離脱)ともに社会
保険の離脱・加入によるものが最も多く、平成 23 年度は東日本大震災及び原子力災害の影響があり
社保離脱による国保加入が大幅に増加した。
(図 2・図 3)
平成 25 年度における被保険者の構成割合については、65 歳~74 歳が 33.0%(全国 32.5%)を占め
ており、平均年齢は 51.5 歳(全国 50.4 歳)となっている。(図 4)
2
表 1 被保険者状況
市町村国保
福島県総数
(各年度末現在)
(翌年度4月1日現在)
世帯数(A)
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
被保険者数(B)
世帯数(C)
市町村国保の割合
世帯数
人口(D)
305,685
563,788
730,766
2,032,302
(99.4%)
(98.4%)
(100.5%)
(99.4%)
304,598
557,065
719,720
2,014,603
(99.6%)
(98.8%)
(98.5%)
(99.1%)
306,677
555,878
714,202
1,969,852
(100.7%)
(99.8%)
(99.2%)
(97.8%)
303,322
542,739
716,361
1,949,595
(98.9%)
(97.6%)
(100.3%)
(99.0%)
299,934
527,195
722,382
1,937,530
(98.9%)
(97.1%)
(100.8%)
(99.4%)
※ 下欄 (
被保数
(A)/(C) (B)/(D)
41.8%
27.7%
42.3%
27.7%
42.9%
28.2%
42.3%
27.8%
41.5%
27.2%
)内の数値は対前年比
※ 福島県総数の世帯数・人口は「福島県の推計人口(福島県統計課)」による。
図 1 各年度別世帯数及び被保険者数
(単位:千人、千世帯)
600
564
557
556
550
543
350
527
330
500
450
被 400
保
数 350
300
310
306
305
307
303
300
290
270
250
200
250
H21
H22
H23
市町村国保被保険者数
H24
H25
市町村国保世帯数
図 2 被保険者数の増加(加入)事由
図 3 被保険者数の減少(離脱)事由
3
世
帯
数
図 4 福島県の市町村国保の被保険者の年齢構成及び平均年齢
(資料)国民健康保険実態調査
3
財政状況
本県における平成 25 年度市町村国保事業の決算状況は、歳入総額が 2,434 億 6,661 万円(対前年
度▲23 億 8,397 万円、1.0%減)
、歳出総額が 2,290 億 8,713 万円(対前年度▲1 億 9,239 万円、0.1%
減)
、収支差引額は 143 億 7,947 万円(対前年度▲21 億 9,158 万円、13.2%減)、単年度収支差引額は
1 億 1,382 万円である。
(表 2)
平成 25 年度の単年度収支差引額が前年度と比較して大幅に減少した要因は、保険者ごとに様々で
あるが、その要因一つとしては、東日本大震災及び原子力災害による国保税及び医療費の一部負担金
減免に係る災害臨時特例補助金及び調整交付金の超過交付分の返還があったためと考えられる。
なお、決算補填目的の一般会計繰入金(15 億 5,647 万円)を除いた実質単年度収支差引額は▲14
億 4,265 万円となっていること及び単年度収支赤字保険者数が前年度よりも 5 増加し 33 保険者とな
ったこと、また、前年度繰上充用金を計上した保険者がいることから、財政状況は厳しいといえる。
4
表 2 国民健康保険事業勘定決算状況
(単位:円)
科目
単年度収入
H23
(A)
歳 基金等繰入金
入 繰越金
H25
221,018,462,390
232,156,288,187
226,276,237,905
1,282,665,032
718,008,459
353,185,857
7,713,228,368
12,976,275,874
16,837,181,557
収入合計
(B)
230,014,355,790
245,850,572,520
243,466,605,319
単年度支出
(C)
216,313,562,514
228,384,181,281
226,162,417,485
601,943,175
833,948,466
2,779,885,277
0
0
23,438,993
62,406,841
61,393,000
121,393,000
216,977,912,530
229,279,522,747
229,087,134,755
13,036,443,260
16,571,049,773
14,379,470,564
4,704,899,876
3,772,106,906
113,820,420
26
28
33
1,982,106,692
1,746,315,529
1,556,466,524
基金等積立金
歳
前年度繰上充用金
出
公債費
支出合計
収支差引額 (D)
(B)-(D)
単年度収支差引額 (A)-(C)
単年度収支赤字市町村数
決算補填目的の一般会計繰入金
4
H24
国保税の状況
国保事業における主要な財源である国保税については、平成 25 年度現年度分調定額が 448 億 7,738
万円(対前年度 33 億 8,852 万円、8.2%増)
、収納額が 405 億 5,780 万円(対前年度 30 億 5,770 万円、
8.2%増)となった。
(表 3)
また、平成 25 年度の収納率は 90.38%で前年度とほぼ横ばいではあったものの、これまでの方針で
目標収納率として掲げてきた 89.00%を上回った。なお、平成 25 年度の全国の収納率と比較すると、
0.04 ポイント下回っており、順位としては 38 位にとどまっている。(表 3、図 4)
なお、平成 25 年度の一人当たり調定額は 83,416 円(対前年度 8,215 円、10.9%増)となり、東日
本大震災による国保税減免の終了及び復興需要による所得水準の上昇が反映されたものと考えられ
る。
5
表 3 国保税の推移(一般+退職)
(単位:万円)
現年課税分
年
度
調定額
前年度比
収納額
滞納繰越分
収納率
福島県
全国
調定額
収納額
収納率
福島県
全体
収納率
21
5,028,869
98.5%
4,383,192
87.17%
88.01%
2,465,580
319,943
12.98%
62.76%
22
4,801,700
95.5%
4,171,784
86.88%
88.61%
2,504,298
326,851
13.05%
61.58%
23
4,061,211
84.6%
3,625,200
89.27%
89.39%
2,527,683
372,725
14.75%
60.68%
24
4,148,886
102.2%
3,750,010
90.39%
89.86%
2,224,055
420,153
18.89%
65.44%
25
4,487,738
108.2%
4,055,780
90.38%
90.42%
1,952,571
358,898
18.38%
68.56%
図 4 国保税収納率の推移(一般+退職、現年分)
91.00%
90.39%
90.00%
89.00%
89.39%
88.61%
88.01%
90.42%
90.38%
89.86%
89.27%
88.00%
87.00%
87.17%
86.88%
H21
H22
86.00%
H23
全国
H24
H25
福島県
図 5 一人当たりの国保税調定額の推移
(単位:円)
100,000
90,000
87,870
85,197
80,000
83,416
75,201
72,010
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
H21
H22
H23
H24
6
H25
5
医療費(療養諸費)の状況
平成 25 年度における療養諸費は 1,731 億 2,494 万円(対前年度▲29 億 5,518 万円、1.68%減)であ
った。
(表 4)
被保険者一人当たりの療養諸費は 321,798 円(対前年度 2,641 円、8.3%増)であり、原子力災害に
よる避難生活の長期化等の要因により増加している。(図 6)
なお、平成 24 年度においては、全国の一人あたり医療費を 3,301 円上回っている。
表 4 療養諸費の推移(一般+退職)
(単位:円)
年
度
療養諸費
(A)
21
22
23
24
25
162,100,199,942
163,495,886,570
170,145,839,076
176,080,119,686
173,124,943,227
保険者負担分
(B)
前年度比
101.84%
100.86%
104.07%
103.49%
98.32%
118,720,687,332
119,986,260,397
132,629,183,569
138,891,730,990
132,107,294,501
前年度比
101.53%
101.07%
110.54%
104.72%
95.12%
保険者負担率
(B)/(A)
73.24%
73.39%
77.95%
78.88%
76.31%
図 6 一人あたりの療養諸費(一般+退職)
(単位:円)
330,000
319,157
320,000
299,333
310,000
300,000
289,885
290,000
280,000
321,798
308,669
315,856
301,688
290,092
283,238
270,000
260,000
H21
H22
H23
全国
6
H24
H25
福島県
将来見通し
平成 27 年 1 月 13 日に国の社会保障制度改革推進本部において、
「平成 30 年度から、都道府県が財
政運営の責任主体となる」旨の内容を含んだ「医療保険制度改革骨子」が決定されたため、本方針の
終期と想定される平成 29 年度を見据え、
被保険者数及び医療費について以下のとおり推計を行った。
なお、この推計は、平成 20 年度の後期高齢者医療制度発足以降の平成 21 年から 5 年間の実績を踏
まえ見通したものであり、諸般の事情により推計値と今後の実績値が乖離することがあり得ることを
申し添える。
7
(1) 被保険者数
被保険者数については、国立社会保障・人口問題研究所がまとめた「日本の地域別将来推計人口
(平成 25 年 3 月推計)
」の本県の 75 歳未満の人口をもとに、平成 22 年の 75 歳未満の人口に対す
る被保険者数の割合をもって推計した。
平成 25 年度 527,195 人→平成 29 年度 507,440 人(3.7%減)
<参考>
平成 21 年度 563,788 人→平成 25 年度 527,195 人(6.5%減)
(2) 医療費
医療費については、東日本大震災後の平成 23 及び 24 年度を除く 3 箇年度(平成 21、22 及び 25)
の一人当たりの医療費の伸びの平均及び被保険者数対前年度比を乗じて推計を行った。
平成 25 年度 17,312,494 万円→平成 29 年度 17,849,016 万円(3.1%増)
<参考>
平成 21 年度 16,210,020 万円→平成 25 年度 17,312,494 万円(6.8%増)
本県の市町村国保においては、医療の高度化や被保険者の高齢化により一人当たり医療費は増加し
ており、今後もこの傾向は続くものと考えられる。
また、本県には、東日本大震災や原子力災害の一部負担金免除等による医療費波及増といった特殊
事情もあり、今後ますます財政運営が厳しくなることが予想される。
第3
県と市町村の役割分担
上記第 2 により、本県は全国と比較して、一人当たりの医療費水準が高く、国保税の収納率が低い。
財政状況については、平成 25 年度において単年度収支差引額が 1.1 億円の黒字であるものの、赤字保
険者が 33 存在している上、決算補填目的の一般会計繰入も 15.6 億円行っており、依然として厳しい状
況にある。
また、
被保険者数も平成 21 年度から 25 年度にかけて 6.5%減となり今後も減少が見込まれることから、
効率性の観点において、市町村が担う事務の広域化についても積極的な取組が必要であると考えられ
る。
本方針では、目標とする国保税収納率及び医療費水準について全国平均(中位)を目安とし、収納率
については具体的に標準設定を掲げるとともに、広域化に向け取組む具体的な施策については、以下「第
4
具体的な施策及び実施項目」のとおりとする。
市町村は本方針に掲げた実施項目に積極的に取り組むこととし、県は福島県医療費適正化計画等他計
画との整合性を図りつつ、調整交付金により、これまでの市町村の取組に対する支援と併せて、取組結
果に対する支援の拡充を検討する。また、平成 27 年度から始まる全ての医療費を対象とした保険財政
共同安定化事業の円滑な実施に当たっては、拠出超過市町村に対し当面超過額を全額支援するなど、方
針の確実な実現に向け、県と市町村は連携して取組むこととする。
8
第4
1
具体的な施策及び実施項目
財政運営の広域的な取組
(1) 保険財政共同安定化事業の拡充
平成 24 年の国保法改正により、平成 27 年度から対象医療費が全ての医療費に拡大されるが、
拠出金の算定方式については、法の規定通り医療費実績割 50、被保険者割 50 とする。
なお、平成 26 年度に行った試算は、下記のとおり。
また、震災以降一人当たり医療費が増加している状況を鑑み、国民健康保険事業の円滑な運営に資
するため、拠出超過保険者に対しては、県調整交付金で拠出超過額を当面全額支援することとする。
(保険財政共同安定化事業に係る実績及び試算)
算定方式
対象医療費
医療費割
H25実績
50
試算
50
被保数割
50
50
年度
交付
H25
拠出
H21~23
交付
H25
拠出
H23~25
30万円超
1円以上
拠出超過、交付超過
交付額
(拠出額)
(円)
区分
金額(円)
保険者数
(A)
(B)
(拠出超過)
▲ 785,482,000
28
(交付超過)
785,482,000
31
(拠出超過)
▲ 1,184,466,434
29
(交付超過)
1,184,466,434
30
20,688,883,009
52,874,936,226
【現状】
○
平成 25 年度県内市町村の一人当たり医療費の格差は 1.65 倍である。
最大 445,443 円
最小 269,445 円
県平均 321,798 円
(2) 福島県国民健康保険広域化等支援基金の活用
福島県国民健康保険広域化等支援基金(以下「支援基金」という。)は、平成14年に国と県の負
担により設置され、市町村合併など広域化を行う市町村間の保険料(税)平準化を進めるために必
要な資金を貸し付ける「保険財政広域化支援事業」、見込みを上回る給付の増大や収納率の悪化等
により生じた年度途中の財政収支の不均衡の緩和等のために必要な資金を貸し付ける「保険財政自
立支援事業」により、主として貸付事業を行ってきた。
今後は、これまでの貸付事業に加え、広域化等に伴う事務経費及び広報啓発事業などの費用に
充てるための交付事業の活用についても積極的に検討していく。
2
事業運営の広域的な取組(医療費適正化事業)
平成 24 年度の本県の一人当たり医療費は 319,157 円と全国平均の 315,856 円を 3,301 円上回って
おり、医療費の適正化に向けて、各保険者は特定健診及び特定保健指導の実施率を向上させるととも
に、ジェネリック医薬品の普及促進等に着実に取り組んでいく必要がある。
また、市町村国保は努力義務ではあるものの、平成 26 年度からデータヘルス計画の策定を求めら
れており、データに基づく保健事業による医療費適正化の効果が期待されるところである。
さらに、医療費適正化に係るポピュレーションアプローチ等は、市町村国保単独での実施と比較し
9
て、被用者保険と連携しての取組はより大きな効果が期待されることから、被用者保険あるいは福島
県保険者協議会と連携した積極的な取組が必要である。
(1)
レセプト(診療報酬明細書)点検の充実
① レセプト点検担当職員のスキルを向上させるため、研修会を開催する。
② 柔道整復師の施術療養費等の適正化については、各保険者は必要に応じて連携した取組
を行っていく。
【現状】
○
平成 26 年度のレセプト点検は、外部委託(業者委託)が 45 保険者、自主点検が 14 保険者となっ
ている。
【課題】
○
電子レセプトによる診療報酬請求が拡大されたことにより、福島県国民健康保険団体連合会(以下「国
保連」という。)よる一次審査の精度が高まっているため、市町村における二次点検においては、一
次審査との役割分担をしたうえで、効率的・効果的な審査を行っていく必要がある。
○
(2)
療養費の不正請求に対しては、適正に対応していく必要がある。
①
ジェネリック医薬品の普及促進
ジェネリック医薬品の普及促進のため、市町村保険者は関係機関等との連携協力の下、被保険
者への啓発、差額通知を実施する。
③
希望カードについては、被保険者証交付時など機会を捉え必要に応じて配布する。
③
平成 24 年 10 月以降、国保連からジェネリック医薬品調剤実績及び削減効果実績表の提供を受
けられることとなったため、これらの資料を有効活用した効果分析を行う。
【現状】
○
(3)
平成 26 年度は差額通知実施 55 保険者、希望カードの配布実施 52 保険者となっている。
効果的な保健事業の実施
① 特定健診及び特定保健指導
ア 特定健診の実施率向上のため、保険者は、被保険者の受診機会の確保に努める。
イ メタボリックシンドローム該当者及び予備群を減少させるため、各保険者の特定保健指導体
制を強化するとともに、医療機関等における特定保健指導実施も検討する。
②
データヘルス計画
ア PDCAサイクルに沿った効果的かつ効率的な保健事業を実施するため、各保険者はデータ
ヘルス計画の策定について積極的に検討する。
10
【現状】
○
国保連において平成 26 年度に稼働した国保データベースシステム(KDB)では、国保・後期高齢
者医療、特定健診・保健指導及び介護保険等の給付情報等を結びつけて分析することが可能となった。
○
平成 26 年度調査におけるデータヘルス計画策定予定保険者数は、37 となっている。
○
国保連において平成 26 年 10 月に設置された「保健事業支援・評価委員会」は、保険者のデータヘ
ルス計画に基づく事業の検証のほか、計画の策定支援も可能である。
【課題】
○
市町村国保は、他健康保険と比べ特定健診及び保健指導の実施率が低い。
特定健診実施率
国保 36.3% 協会けんぽ 39.9% 健保組合 70.1%
特定保健指導実施率
国保 16.8% 協会けんぽ 12.8% 健保組合 18.1%
※国保:福島県
(4)
協会けんぽ及び健保組合:全国
(平成 24 年度)
医療費適正化に係るインセンティブの検討
各市町村保険者の医療費適正化に向けた効果的な取組を期待するため、これまでの取組に対
する調整交付金の交付と併せて取組成果に対する県調整交付金メニューの拡充を検討する。
【現状】
○
調整交付金 2 号交付金では、医療費の適正化に資する事業への支援として、医療費適正化特別対策事
業をはじめとした交付メニューを設けている。
○
本県の地域差指数の推移
地域差指数
H21
H22
H23
H24
H25
0.972
0.963
0.976
1.005
1.043
(※地域差指数)医療費の地域差を表す指標として、一人当たり医療費について、人口の年齢構成の
相違分を補正し、全国平均を1として指数化したもの。
3
標準設定
本県の標準設定は、下記のとおりとする。
安定的な財政運営を確保するためには、国保税収納率向上が最重要の課題であることから、市町村
保険者は目標達成に向け不断に対策を講ずるとともに、滞納繰越額の圧縮にも努める。
また、標準的な保険料(税)算定方式については、4 方式から 3 方式を目指していく。
(1)
国保税収納率の目標(一般+退職)
①
本県の現年分の目標収納率を 91%とする。
②
現年分の市町村保険者規模別は、下記 5 区分で収納率の目標を設定する。
ア 5 万人以上
( 3 保険者)・・・90.00%
イ 1 万人以上 5 万人未満( 9 保険者)・・・92.50%
ウ 3 千人以上 1 万人未満( 18 保険者)・・・93.21%
エ 1 千人以上 3 千人未満( 23 保険者)・・・93.83%
オ 1 千人未満
( 6 保険者)・・・97.68%
11
③
滞納繰越分の目標収納率は、各保険者とも 20%とする。
④
収納率の目標を上回った保険者又は目標を達成できなかった場合でも収納率の向上があった
保険者に対しては、県の調整交付金での対応を検討する。
⑤
収納率の目標を達成できなかった保険者については、国保連が主催する国保税収納対策事業に
積極的に参加する。
【現状】
○
復興需要による県内経済の持ち直し等により、平成 25 年度収納率は 90.38%と、従前の支援方針の
収納率目標である 89%を平成 23 年度から 3 年連続で上回った。
○
調定額
㉓406 億円
㉔415 億円 ㉕449 億円
収納率
㉓89.27%
㉔90.39%
㉕90.38% (再掲)
平成 25 年度一人当たり調定額
最大 109,739 円
最小 62,745 円
平均 83,416 円 (格差 1.75 倍)
※最小からは、原子力事故により被災区域を抱えている(いた)市町村(田村市、南相馬市、川俣町、
双葉郡 8 町村及び飯舘村)を除いている。
【課題】
○
平成 25 年度の収納率は、全国平均の収納率(90.42%)を下回り、順位も 38 位にとどまっている。
(平成 24 年度 34 位)
○
平成 25 年度の滞納繰越分調定額は約 195 億円であり、現年分調定額約449億円の4割を超えてい
る状況にある。
(2)
標準的な保険料(税)算定方式
財政運営の県単位化を踏まえ、保険料(税)の算定方式の統一に向けた環境整備を進める。
①
算定方式に「資産割」がある市町村は、資産割の縮小・廃止に向けたシミュレーションを行う
など、資産割縮小に向けた取組を積極的に推進することとし、資産割の廃止を目指す。
②
応能割及び応益割の標準負担割合については、国標準割合の応能(所得割・資産割)50%、応
益(被保険者均等割・世帯別平等割)50%を目指す。
12
【現状】
○
算定方式の推移
3 方式
○
H21
H22
H23
H24
H25
H26
3 保険者
4 保険者
4 保険者
4 保険者
6 保険者
15 保険者
応能・応益の平均負担割合の推移
H21
H22
H23
H24
H25
H26
応能
52.4%
50.7%
50.4%
50.5%
52.3%
52.3%
応益
47.6%
49.3%
49.6%
49.5%
47.7%
47.7%
【課題】
○
安定的な収入として資産割が大きな割合を占めている市町村もある。
○
資産割には、固定資産税との二重課税の問題や、利益が出ない固定資産の保有は必ずしも担税力に結
びつかないなどの側面もある。
○
応益割(均等割、平等割)で国保税を軽減されている被保険者であっても、資産割には軽減措置がな
い。
第5
県、市町村間の連絡調整
県及び市町村間の連携を図るため「福島県市町村国保広域化等連携会議」を活用し意見交換及び調整
を行い、支援方針に定められた各項目の実施状況について検証する。
また、市町村国保主管課長会議等においては、情報提供及び意見聴取に努めるものとする。
第6
今後の方向性
国民健康保険の財政運営の県移行に向けた動きへの対応については、国の動向を注視しつつ、今後の
取組を検討していく。
13
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