Comments
Description
Transcript
講演資料(PDF:2.1MB)
自然と共生するスマートエコアイランド種子島シンポジウム ~動き始めた大学等との連携による新たな可能性~ 平成28年3月6日(日)15:05-15:35 ホテルニュー種子島 コンベンションホール 排熱を有効活用する蓄熱輸送システム ~再生可能エネルギーを貯めて(ストレージ)賢く(スマート)使う種子島~ 総合機械工学科 教授 修士1年 中垣隆雄 藤井祥万 Copyright © Nakagaki Lab. 種子島のすばらしい恵み 「サトウキビ」 サトウキビバガスは極めて優良な再生可能エネルギー 収集システム △ 放置林地残材,間伐材など →広範囲に散在,集荷の仕 組みなし,収集に追加のエネルギー必要 ○ 工芸農産物,畜産廃棄物など →比較的狭い範囲,加工 工場への既存の集荷システムがある 発電の変動 △ 太陽光発電・風力発電 →お天気任せ,風任せ,調整力 として火力発電の焚き増し+電力貯蔵(グリーンパラドックス) ○ バイオマス発電 → 能動的に負荷・太陽光・風力の変動を カーボンニュートラルに調整可 (電力市場の完全自由化) さらに排熱も利用できる.(コージェネレーションシステム) Copyright © Nakagaki Lab. 自然と共生 保存の知恵 一度に大量の恵み 貯蔵で平準化 食品の腐敗防止 風土に合った保存法 =先人の知恵、文化 塩蔵(梅干し 7月) 糖蔵(いちごジャム 6月) Copyright © Nakagaki Lab. 乾季を乗り切る 乾燥(干し柿 12月) 発酵(鮒ずし) 冬を越す 燻製(鮭とば) 燻す知恵 (囲炉裏) 現状のエネルギーフロー サトウキビ 製糖工場(冬~春) 精製糖工場 (大阪) 原料糖 バガス 電気 化石 燃料 熱 未利用熱 CGS 火力 発電所 電気 ・・・ 熱(約100℃) Copyright © Nakagaki Lab. 焼酎工場,澱粉工場など (通年稼動) 製 品 未利用熱輸送システム サトウキビ 製糖工場(冬~春) 精製糖工場 (大阪) 原料糖 化 石 燃 料 減 少 バガス (乾燥後) 火力 発電所 熱 CGS 蓄熱輸送システム 電気 ・・・ 熱(約100℃) Copyright © Nakagaki Lab. 電気 焼酎工場,澱粉工場など (通年稼動) 製 品 蓄熱技術 (Thermal Energy Storage) 冬 春 製糖工場 夏 秋 短期間に大量の排熱 熱需要地 (焼酎,澱粉等) 少ないが通年の熱需要 潜熱蓄熱 総蓄熱量 顕熱蓄熱[2] 化学蓄熱 水酸化マグネシウム 水,レンガ Daily [2]https://sustainable.stanford.edu/ Copyright © Nakagaki Lab. PCM Weekly Monthly ゼオライト Seasonally 蓄熱媒体と蓄熱密度 100 蓄熱媒体と相手方 (Adsorbates, Reactants) Energy density [GJ/m3] 反応,吸着のいずれも ありふれていて 安くて 安全で そのまま捨てられる ことが要件. ○水,CO2などが望ましい 材料のエネルギー貯蔵密度と作動温度の 関係 化学反応は生成物基準で、固体粒子空 隙率60%を考慮 亀山・加藤, ”骨太のエネルギーロードマッ プ”,化学工業社 (2005)に加筆 Carbon Ethanol ターゲット温度域 100℃~350℃ 10 Li4SiO4 Conventional upper limit NaF H2O Vapor LiOH CaCO3 LiF MgCO3 Ca(OH)2 Mg(OH) 2 1 LiNi 5H6 H2O Copyright © Nakagaki Lab. MetalHydride Battery Combustion Chemical Latent heat Molten Salt Adsorption Silica gel CaCl 28NH 3 Elithlitor Ice 0.1 NiCl 26NH 3 Silica gel/H 2O Zeolite NaCl Li-ion Super AC/Ethanol NaOH Na2HPO412H 2O n-Eicosane Na SO 12H O 2 4 2 n-tetraDecane CaCl 6H O 2 300 400 2 600 800 1000 1300 Temperature [K] 身近な蓄熱技術 湯たんぽ(顕熱) エコキュート(顕熱) 蓄熱式暖房機(顕熱) 目的は電力負荷平準化 保冷材(潜熱) Copyright © Nakagaki Lab. エコアイス(潜熱) 大規模な蓄熱技術 エリスリトールによる潜熱蓄熱輸送 直接接触潜熱蓄熱技術を用いた熱輸送システムの開発, 神戸製鋼技報56巻2号(2006) ソーラーレシーバー(溶融塩) Copyright © Nakagaki Lab. ユングストローム式空気予熱器 高炉の熱風炉 (蓄熱レンガ,バッチ式) 商用例 トランスヒートコンテナ(三機工業) コンテナ 世帯数 A重油 利用可 換算 換算 能熱量 種類 コンテナ 10ton/ 15.2m3 GJ/台 世帯/台 L/台 エリスリ トール 1.8 14 46 酢酸ナト リウム三 水和物 1.3 10 33 ゼオライ ト* 6.4 49 162 いずれ冷める *密度 0.7ton/m3 安価な燃料 蓄熱密度 0.8GJ/ton 熱損失 20% と競合 Copyright © Nakagaki Lab. ゼオライト吸着・再生サイクル 製糖工場 熱需要地 再生過程 吸着過程 ※雨濡れ厳禁! 吸着質の選択 0.25 吸着過程 吸着量 kg/kg 0.20 水 180°C 0.15 水の膨張 200°C 0.10 水蒸気 再生過程 0.05 0.00 0 20 40 60 80 水蒸気分圧 kPa 吸着等温線 Copyright © Nakagaki Lab. 100 120 ゼオライトの破損防止 → 水蒸気 バガスの含水率と発熱量 ・バガスの発熱量 高位発熱量(HHV)推定式 ( 化学工学会) HHV=45.71・C - 2.70 [MJ/kg-dry] C : 乾燥状態での炭素分率 ・CHN元素分析 CHN元素分析 C 46.12 H 5.687 N 0.1691 O 48.02 ・含水率測定 乾燥状態: HHV=18.4 [MJ/kg] cf: 石炭 29 A重油 45.6 CHN元素分析装置 Weight, g 60 40 含水率44% 20 0 0 40 80 120 160 200 Time, min. Copyright © Nakagaki Lab. 電気炉 ※乾燥させればバガス自体貯蔵可 ✖焼却灰などの新たな問題 投入発熱量(Wet) =8.6[MJ/kg] ※差分は水蒸気の潜熱 で大気へ放散 →乾燥工程で増熱 バガス乾燥と蓄熱ユニット バガス乾燥プロセス ミルタービン(圧搾工程) サトウキビ ヤード サトウキビ ボイラ バガスヤード 蒸気ヘッダ G 効用缶 (5缶) 蒸気タービン ・・・ 真空濾過器 バガス乾燥プロセス導入 ~ ~ 結晶缶 (5缶) 蓄熱ユニット ・・・ ~ ~ 連続沈殿槽 煙突 ・・・ 原料糖 電気集塵機 糖蜜 糖蜜輸送 港・大阪へ Copyright © Nakagaki Lab. 蓄熱ポテンシャル 31713 32000 42倍 蓄熱材の改善で さらに増大可能 30000 熱量 GJ/year 10000 8949 需要側の12倍 8000 6082 6000 4000 輸送トラック 6ton/day 626×n 2832 2000 0 蓄熱 再生速度 蓄熱 ポテンシャル 考慮 ポテンシャル 現行プロセス 製糖工場 Copyright © Nakagaki Lab. 再生速度 考慮 輸送 752 熱需要 バガス乾燥 焼酎工場 年間 1564 ゼオライトの吸着特性と発熱 𝑝𝑠𝑎𝑡 MPa 吸着水蒸気分圧p 800 600 400 利用可能熱量 1.6 1.2 0.8 0.4 0.0 飽和温度と 飽和水蒸気圧 0 qe 50 200 0 0 𝑇0 𝑤𝑒𝑞 100 200 温度𝑇𝑧 ℃ 300 400 𝑇𝑧 𝑞𝑒 = 𝑞ƴ − 𝑞𝑧 = ∆𝐻𝑎𝑑𝑠 𝑤𝑒𝑞 − 𝑤0 − න 𝑐𝑧 𝑑𝑇 𝑇0 ∆𝐻𝑎𝑑𝑠 = 𝑅𝑇 𝐶 − 𝑙𝑛 𝑝 吸着エンタルピー(4.4 MJ/kg) 𝑐𝑧 :ゼオライト比熱(0.7 kJ/kgK ) 熱需要温度↗ 吸着水蒸気分圧p ↘ ↓ 利用可能熱量𝑞𝑒 ↘ Copyright © Nakagaki Lab. 𝑤𝑒𝑞 kg/kg 吸着熱量𝑞 ́ kJ/kg 1000 0.20 0.15 0.10 0.05 0.00 100 温度𝑇𝑠𝑎𝑡 𝑝 𝑤𝑚𝑎𝑥 𝐾 𝑝 𝑠𝑎𝑡 = 𝑝 1+𝐾𝑝 𝑠𝑎𝑡 150 ℃ 200 Langmuir isotherm 180°C 200°C 𝑤0 0 20 40 60 80 100 120 吸着水蒸気分圧𝑝 kPa 熱需要温度↗=ゼオライト温度𝑇𝑧 ↗ ↓ 平衡吸着量𝑤𝑒𝑞 ↘=利用可能熱量𝑞𝑒 ↘