Comments
Description
Transcript
簡易顕微分光装置の開発と学校教育への応用
島根大学教育学部紀要(自然科学)第42巻 75頁~79頁 平成20年12月 75 簡易顕微分光装置の開発と学校教育への応用 秋重幸邦 * ・ 湯浅聖子 ** Yukikuni Akishige* and Seiko Yuasa** Development of a Simple Microspectrophotometer and Application for School Education ABSTRACT We made a simple microspectrophotometer using an old microscope, an optical fiber, a spectrophotometer with CCD and a personal computer. Furthermore, we successfully made a fluorescence spectrophotometer using a solidstate laser and a sharp cut filter for detecting emission from small Ruby chips, around 0.1 mm. We propose some experimental techniques concerning the optical spectroscopy for school education. 【キーワード:顕微分光装置、透過スペクトル、反射スペクトル、発光スペクトル、ルビー】 【Keywords: Microspectrophotometer、Transmission Spectrum、Reflection Spectrum、Emission Spectrum、Ruby】 1.はじめに 光を波長成分に分解し、そのスペクトルを記録するために使用する道具として分光器がある[1]。市販の分光器は、透 過率や反射率を正確に求めるには便利であるが、専用機として開発されているため、反射率測定にはそのためのアダプ ターが必要であったり、発光スペクトルを測定するためには、別途装置を購入する必要があったりと、小回りが利かない。 中学校や高校での光の実験に、簡単に使える分光器があれば、生徒たちに興味深い授業を展開することが出来ると思わ れる。我々は、古くなって捨てられていた偏光顕微鏡をベースにして、顕微鏡として微小部を観察することができるだ けでなく、その光を光ファイバーを用いて、CCDのついた手のひらサイズの小型の分光器に導き、光強度をパーソナル コンピュータに出力することで光のスペクトルが測定できる顕微分光システムを構築した。さらに、励起光として固体 レーザーを取り付けることで、0.1 ㎜程度のルビーの小片からの発光スペクトルを精度よく測定することを可能にした。 我々は、この簡易顕微分光システムのことを、2004年ごろから研究室のホームページで紹介していたところ、いくつか の研究機関から装置についての問い合わせがあった。また、中学や高校への出張授業の際にも、この小型システムを持 参し、パソコンの画面をプロジェクターを通してスクリーン上に投影して、太陽、蛍光灯、ダイオードなどの身近な光 のスペクトルを測定しながら生徒に提示し、生徒の興味・関心を惹いてきた。 平成20年の学習指導要領の改訂で、理科の授業は、現行より小学校でプラス55時間(116 %) 、中学校でプラス95時間 (133 %)となり、観察・実験の時数が大幅に増えることになった[2]。内容的には、観察・実験の結果を整理し考察する 学習活動、科学的な概念を使用して考え説明する学習活動の充実が謳われ、さらに、日常生活や社会との関連を重視す るよう謳われている。これらのことを実践するためにも、身近な現象を取り扱う実験教材の開発は重要であり、今回紹 介する簡易顕微分光装置もそうした理科教材の一つとして、大いに教育用として役に立つと思われる。教育用の簡易分 光器として、これまで、レプリカフィルムを用いたもの[3]、CDを用いたものなどが報告されている[4]。また、偏光板 を用いた着色現象の教材等も考案されている[5]。しかし、分光実験用として高校や大学で本格的に使える装置製作に関 する報告は、あまり見当たらない。 本論文では、独自に開発した簡易顕微分光装置について紹介し、学校現場において光の実験に使用することを目的に 本装置を活用した、いくつかの実験例を紹介する。 2.簡易顕微分光装置 顕微分光装置の構成を図1に、部品名等を表1に示す。システムの中心となる顕微鏡は、オリンパスのPOM型偏光顕 微鏡に落射装置と写真撮影装置を取り付けたものである。顕微鏡の下部は取り払い、簡易XYステージを置いている。 落射装置のランプは、透過スペクトル測定のときは顕微鏡の下部に置き(図1) 、反射率測定の時には、正規の上部位 置に取り付けて使用した。また、ルビーの発光スペクトルを測定するときには、落射装置のランプを取り外し、そこに 固体レーザーを取り付け励起光源とした(図1) 。顕微鏡上部の写真撮影装置は改造し、光ファイバーを通して光を分 * 島根大学教育学部自然環境教育講座 ** 島根大学事務補佐員 76 簡易顕微分光装置の開発と学校教育への応用 光器に導出できるように、カメラ部分を取り外し、光ファイバー用コネクターを取り付けた。また、レーザー光を直接 ߁ߦޔశ〝ࠍಾࠅᦧ߳ CCD ࠞࡔߢࡕ࠾࠲↹㕙ߦ↹ࠍജߢ߈ࠆࠃ߁ߦߒߡࠆޕಽశེߪޔ࿑ ౮⌀ߢࠩ ߁ߦޔశ〝ࠍಾࠅᦧ߳ ߁ߦޔశ〝ࠍಾࠅᦧ߳CCD CCDࠞࡔߢࡕ࠾࠲↹㕙ߦ↹ࠍജߢ߈ࠆࠃ߁ߦߒߡࠆޕಽశེߪޔ࿑ ࠞࡔߢࡕ࠾࠲↹㕙ߦ↹ࠍജߢ߈ࠆࠃ߁ߦߒߡࠆޕಽశེߪޔ࿑111౮⌀ߢࠩ ౮⌀ߢࠩ 目で見ないように、光路を切り替へCCDカメラでモニター画面に画像を出力できるようにしている。分光器は、図1写 㔚Ḯߩਅߦࠆ㤥ࡏ࠶ࠢࠬޔOcean Optics ␠ߩ HR2000 ߢⷙߩ╬ࠣࡦࠖ࠹ࠣޔᩰߪ 1 ߦ␜ߒߡࠆޕಽశེߦ 㔚Ḯߩਅߦࠆ㤥ࡏ࠶ࠢࠬޔOcean Optics ␠ߩ HR2000 ߢⷙߩ╬ࠣࡦࠖ࠹ࠣޔᩰߪ 1 ߦ␜ߒߡࠆޕಽశེߦ 㔚Ḯߩਅߦࠆ㤥ࡏ࠶ࠢࠬޔOcean Optics ␠ߩ HR2000 ߢⷙߩ╬ࠣࡦࠖ࠹ࠣޔᩰߪ 1 ߦ␜ߒߡࠆޕಽశེߦ 真でレーザー電源の下にある黒いボックス、Ocean Optics社製のHR2000で、グレーティング等の規格は表1に示してあ ߪ CCD ᬌེ߇ขࠅઃߌࠄࠇߡ߅ࠅޔಽశߐࠇߚశߩᒝᐲࠍޔઃዻߩᓮ↪࠰ࡈ࠻ࠍ߁ߎߣߢࡦࠦ࠰ࡄޔߢ⺒ߺข ߪ CCD ߪ CCDᬌེ߇ขࠅઃߌࠄࠇߡ߅ࠅޔಽశߐࠇߚశߩᒝᐲࠍޔઃዻߩᓮ↪࠰ࡈ࠻ࠍ߁ߎߣߢࡦࠦ࠰ࡄޔߢ⺒ߺข ᬌེ߇ขࠅઃߌࠄࠇߡ߅ࠅޔಽశߐࠇߚశߩᒝᐲࠍޔઃዻߩᓮ↪࠰ࡈ࠻ࠍ߁ߎߣߢࡦࠦ࠰ࡄޔߢ⺒ߺข る。分光器にはCCD検出器が取り付けられており、分光された光の強度を、付属の制御用ソフトを使うことで、パソコ ࠆߎߣ߇ߢ߈ࠆޕ ࠆߎߣ߇ߢ߈ࠆޕ ࠆߎߣ߇ߢ߈ࠆޕ ン上で読み取ることができる。 ࠩశ ࠩశ ࠩశ ࡞ࡆⰯశ ࡞ࡆⰯశ ࡞ࡆⰯశ శ᧼ శ᧼ శ᧼ శ᧼ శ᧼ శ᧼ 図1.簡易顕微分光装置:(左) 装置写真、(右) システムのブロック図。 ࿑ 1㧚◲ᤃ㗼ᓸಽశⵝ⟎㧦(Ꮐ) ⵝ⟎౮⌀(ޔฝ) ࠪࠬ࠹ࡓߩࡉࡠ࠶ࠢ࿑ޕ ࿑ ⵝ⟎౮⌀(ޔฝ) ࠪࠬ࠹ࡓߩࡉࡠ࠶ࠢ࿑ޕ ࿑1㧚◲ᤃ㗼ᓸಽశⵝ⟎㧦(Ꮐ) 1㧚◲ᤃ㗼ᓸಽశⵝ⟎㧦(Ꮐ) ⵝ⟎౮⌀(ޔฝ) ࠪࠬ࠹ࡓߩࡉࡠ࠶ࠢ࿑ޕ 表1.簡易顕微分光装置に用いた部品一覧 1㧚◲ᤃ㗼ᓸಽశⵝ⟎ߦ↪ߚㇱຠ৻ⷩ 1㧚◲ᤃ㗼ᓸಽశⵝ⟎ߦ↪ߚㇱຠ৻ⷩ 1㧚◲ᤃ㗼ᓸಽశⵝ⟎ߦ↪ߚㇱຠ৻ⷩ ળ␠ ╬ ળ␠ ળ␠ ╬ ╬ ⇟ภ ⇟ภ ⇟ภ Ԙ Ԙ Ԙ ㇱຠฬ ㇱຠฬ ㇱຠฬ ಽశེ ಽశེ ಽశེ ԙ ԙ ԙ శḮ శḮ శḮ ࿕ࠩ ࿕ࠩ ࿕ࠩ BWT-5E BWT-5E BWT-5E Ԛ Ԛ Ԛ ԛ ԛ ԛ శḮ శḮ శḮ శࡈࠔࠗࡃ శࡈࠔࠗࡃ శࡈࠔࠗࡃ ࡂࡠࠥࡦ࠹ࡦࡦࡊ ࡂࡠࠥࡦ࠹ࡦࡦࡊ ࡂࡠࠥࡦ࠹ࡦࡦࡊ Ocean Optics Ocean Optics Inc. Ocean Optics Ԝ Ԝ Ԝ శ㗼ᓸ㏜ శ㗼ᓸ㏜ శ㗼ᓸ㏜ ࠝࡦࡄࠬ ࠝࡦࡄࠬ ࠝࡦࡄࠬ 400 nmǾ㧧2 mm 400 400nmǾ㧧2 nmǾ㧧2m POM ဳ POM POMဳဳ ⪭ⵝ⟎ޔ౮⌀ᓇⵝ⟎㧔ᡷㅧ㧕ઃ ⪭ⵝ⟎ޔ౮⌀ᓇⵝ⟎㧔ᡷㅧ㧕ઃ ⪭ⵝ⟎ޔ౮⌀ᓇⵝ⟎㧔ᡷㅧ㧕ઃ ԝ ԝ ԝ ࡄ࠰ࠦࡦ ࡄ࠰ࠦࡦ ࡄ࠰ࠦࡦ ᧲⦼ ᧲⦼ ᧲⦼ Windows 98 Windows Windows98 98 Ocean Optics Inc. Ocean OceanOptics OpticsInc. Inc. HR2000 HR2000 HR2000 ⷙᩰ ⷙᩰ ⷙᩰ ဳ࿁᛬ᩰሶ 600 line/mm; ࠣ࠹ࠖࡦࠣ#3 ဳ࿁᛬ᩰሶ ဳ࿁᛬ᩰሶ600 600line/mm; line/mm;ࠣ࠹ࠖࡦࠣ#3 ࠣ࠹ࠖࡦࠣ#3 350-780 nm㧧ࠬ࠶࠻ 25Ǵm㧧ᵄ㐳ಽ⸃⢻ 0.89 350-780 nm㧧ࠬ࠶࠻ 25Ǵm㧧ᵄ㐳ಽ⸃⢻ 350-780 nm㧧ࠬ࠶࠻ 25Ǵm㧧ᵄ㐳ಽ⸃⢻0.89 0.89 nm㧧CCD ᬌེ 350-850 nm nm㧧CCD nm㧧CCDᬌེ ᬌེ350-850 350-850nm nm ᵄ㐳 532 nm ᵄ㐳 532 ᵄ㐳 532nm nm YVO :Nd 10 mW YVO 10 44:Nd YVO 10mW mW 4:Nd 10 W 10 W 10 W 3.身近な色を分光する りㄭߥ⦡ࠍಽశߔࠆ 3.3.3. りㄭߥ⦡ࠍಽశߔࠆ りㄭߥ⦡ࠍಽశߔࠆ 3.1 マジックの色の透過スペクトルと反射スペクトル 3.1 ࡑࠫ࠶ࠢߩ⦡ߩㅘㆊࠬࡍࠢ࠻࡞ߣࠬࡍࠢ࠻࡞ 3.1 3.1 ࡑࠫ࠶ࠢߩ⦡ߩㅘㆊࠬࡍࠢ࠻࡞ߣࠬࡍࠢ࠻࡞ ࡑࠫ࠶ࠢߩ⦡ߩㅘㆊࠬࡍࠢ࠻࡞ߣࠬࡍࠢ࠻࡞ 簡単に分光曲線を得る実験の一つとして、図2に示した分光測定用プレートを用い ◲නߦಽశᦛ✢ࠍᓧࠆታ㛎ߩ৻ߟߣߒߡޔ ࿑ ߦ␜ߒߚಽశ᷹ቯ↪ࡊ࠻ࠍ↪ߡޔ ◲නߦಽశᦛ✢ࠍᓧࠆታ㛎ߩ৻ߟߣߒߡޔ ࿑ ◲නߦಽశᦛ✢ࠍᓧࠆታ㛎ߩ৻ߟߣߒߡޔ ࿑222ߦ␜ߒߚಽశ᷹ቯ↪ࡊ࠻ࠍ↪ߡޔ ߦ␜ߒߚಽశ᷹ቯ↪ࡊ࠻ࠍ↪ߡޔ て、マジックの色の反射率、透過率のスペクトルを測定した。スライドガラスにステ ࡑࠫ࠶ࠢߩ⦡ߩ₸ޔㅘㆊ₸ߩࠬࡍࠢ࠻࡞ࠍ᷹ቯߒߚࠬࡦ࠹ࠬߦࠬࠟ࠼ࠗࠬޕ ࡑࠫ࠶ࠢߩ⦡ߩ₸ޔㅘㆊ₸ߩࠬࡍࠢ࠻࡞ࠍ᷹ቯߒߚࠬࡦ࠹ࠬߦࠬࠟ࠼ࠗࠬޕ ࡑࠫ࠶ࠢߩ⦡ߩ₸ޔㅘㆊ₸ߩࠬࡍࠢ࠻࡞ࠍ᷹ቯߒߚࠬࡦ࠹ࠬߦࠬࠟ࠼ࠗࠬޕ ンレステープを貼り、その上にマジックで色を塗ったものと(反射率測定用) 、スラ ࠹ࡊࠍ⾍ࠅߩߘޔߦࡑࠫ࠶ࠢߢ⦡ࠍႣߞߚ߽ߩߣ㧔₸᷹ቯ↪㧕ࠟ࠼ࠗࠬޔ ࠹ࡊࠍ⾍ࠅߩߘޔߦࡑࠫ࠶ࠢߢ⦡ࠍႣߞߚ߽ߩߣ㧔₸᷹ቯ↪㧕ࠟ࠼ࠗࠬޔ ࠹ࡊࠍ⾍ࠅߩߘޔߦࡑࠫ࠶ࠢߢ⦡ࠍႣߞߚ߽ߩߣ㧔₸᷹ቯ↪㧕ࠟ࠼ࠗࠬޔ イドガラスに直接マジックで色を塗ったもの(透過率測定用)を準備し、顕微鏡の ࠬߦ⋥ធࡑࠫ࠶ࠢߢ⦡ࠍႣߞߚ߽ߩ㧔ㅘㆊ₸᷹ቯ↪㧕ࠍḰߒޔ㗼ᓸ㏜ߩ XY ࠬ࠹ࠫ ࠬߦ⋥ធࡑࠫ࠶ࠢߢ⦡ࠍႣߞߚ߽ߩ㧔ㅘㆊ₸᷹ቯ↪㧕ࠍḰߒޔ㗼ᓸ㏜ߩ XY ࠬߦ⋥ធࡑࠫ࠶ࠢߢ⦡ࠍႣߞߚ߽ߩ㧔ㅘㆊ₸᷹ቯ↪㧕ࠍḰߒޔ㗼ᓸ㏜ߩ XYࠬ࠹ࠫ ࠬ࠹ࠫ XYステージに載せ、図1の顕微分光装置を用いて分光した。今回取り上げたマジッ ߦタߖޔ࿑ ߩ㗼ᓸಽశⵝ⟎ࠍ↪ߡಽశߒߚޕ࿁ขࠅߍߚࡑࠫ࠶ࠢߪ ZEBRA ᴤᕈ ߦタߖޔ࿑ 111ߩ㗼ᓸಽశⵝ⟎ࠍ↪ߡಽశߒߚޕ࿁ขࠅߍߚࡑࠫ࠶ࠢߪ ZEBRA ᴤᕈ ߦタߖޔ࿑ ߩ㗼ᓸಽశⵝ⟎ࠍ↪ߡಽశߒߚޕ࿁ขࠅߍߚࡑࠫ࠶ࠢߪ ZEBRA クはZEBRA油性マーカー・ハイマッキーの赤茶黄緑青紫の色である。照射する光はᴤᕈ 図2.マジックの色の分光測 ࿑ 2㧚ࡑࠫ࠶ࠢߩ⦡ߩಽశ ࿑ ࿑2㧚ࡑࠫ࠶ࠢߩ⦡ߩಽశ 2㧚ࡑࠫ࠶ࠢߩ⦡ߩಽశ ࡑࠞࡂࠗࡑ࠶ࠠߩ⿒⨥㤛✛㕍⚡ߩ⦡ߢࠆޕᾖߔࠆశߪࡂࡠࠥࡦࡦࡊࠍ ࡑࠞࡂࠗࡑ࠶ࠠߩ⿒⨥㤛✛㕍⚡ߩ⦡ߢࠆޕᾖߔࠆశߪࡂࡠࠥࡦࡦࡊࠍ ࡑࠞࡂࠗࡑ࠶ࠠߩ⿒⨥㤛✛㕍⚡ߩ⦡ߢࠆޕᾖߔࠆశߪࡂࡠࠥࡦࡦࡊࠍ ハロゲンランプを使用し、反射率を測定する場合はスライドガラスの上から、透過率 定用プレート。(上) 反射率測 ᷹ቯ↪ࡊ࠻(ޕ) ᷹ቯ↪ࡊ࠻(ޕ) ᷹ቯ↪ࡊ࠻(ޕ) ↪ߒޔ₸ࠍ᷹ቯߔࠆ႐วߪࠬࠗ࠼ࠟࠬߩ߆ࠄޔㅘㆊ₸ࠍ᷹ቯߔࠆ႐วߪࠬ ↪ߒޔ₸ࠍ᷹ቯߔࠆ႐วߪࠬࠗ࠼ࠟࠬߩ߆ࠄޔㅘㆊ₸ࠍ᷹ቯߔࠆ႐วߪࠬ ↪ߒޔ₸ࠍ᷹ቯߔࠆ႐วߪࠬࠗ࠼ࠟࠬߩ߆ࠄޔㅘㆊ₸ࠍ᷹ቯߔࠆ႐วߪࠬ を測定する場合はスライドガラスの下から光を照射する。顕微鏡から光ファイバーを 定用で、スライドグラスの上 ₸᷹ቯ↪ߢޔ ࠬࠗ࠼ࠣ ₸᷹ቯ↪ߢޔ ࠬࠗ࠼ࠣ ₸᷹ቯ↪ߢࠣ࠼ࠗࠬޔ ࠗ࠼ࠟࠬߩਅ߆ࠄశࠍᾖߔࠆޕ㗼ᓸ㏜߆ࠄశࡈࠔࠗࡃࠍㅢߒߡಽశེߦዉ߆ࠇߚ ࠗ࠼ࠟࠬߩਅ߆ࠄశࠍᾖߔࠆޕ㗼ᓸ㏜߆ࠄశࡈࠔࠗࡃࠍㅢߒߡಽశེߦዉ߆ࠇߚ ࠗ࠼ࠟࠬߩਅ߆ࠄశࠍᾖߔࠆޕ㗼ᓸ㏜߆ࠄశࡈࠔࠗࡃࠍㅢߒߡಽశེߦዉ߆ࠇߚ 通して分光器に導かれた光は分光され、CCDで検出された光強度のデータが、パソコ にステンレステープを張り、 ࠬߩߦࠬ࠹ࡦࠬ࠹ ࠬߩߦࠬ࠹ࡦࠬ࠹ ࠬߩߦࠬ࠹ࡦࠬ࠹ శߪಽశߐࠇޔCCD ߢᬌߐࠇߚశᒝᐲߩ࠺࠲߇ߢ࠻ࡈ࠰ߩࡦࠦ࠰ࡄޔಣℂߐࠇޔ శߪಽశߐࠇޔCCD ߢᬌߐࠇߚశᒝᐲߩ࠺࠲߇ߢ࠻ࡈ࠰ߩࡦࠦ࠰ࡄޔಣℂߐࠇޔ శߪಽశߐࠇޔCCD ߢᬌߐࠇߚశᒝᐲߩ࠺࠲߇ߢ࠻ࡈ࠰ߩࡦࠦ࠰ࡄޔಣℂߐࠇޔ その上に色を塗る。(下) 透過 ンのソフトで処理され、反射率や透過率スペクトルとして表示される。図3に、マジ ࡊࠍᒛࠅޔ ߘߩߦ⦡ࠍ ࡊࠍᒛࠅޔ ߘߩߦ⦡ࠍ ࡊࠍᒛࠅޔ ߘߩߦ⦡ࠍ ₸߿ㅘㆊ₸ࠬࡍࠢ࠻࡞ߣߒߡ␜ߐࠇࠆޕ࿑ ߦޔ⿒ߩࠢ࠶ࠫࡑޔ㤛ޔ㕍ߩ₸ࠬ ₸߿ㅘㆊ₸ࠬࡍࠢ࠻࡞ߣߒߡ␜ߐࠇࠆޕ࿑ 333ߦޔ⿒ߩࠢ࠶ࠫࡑޔ㤛ޔ㕍ߩ₸ࠬ ₸߿ㅘㆊ₸ࠬࡍࠢ࠻࡞ߣߒߡ␜ߐࠇࠆޕ࿑ ߦޔ⿒ߩࠢ࠶ࠫࡑޔ㤛ޔ㕍ߩ₸ࠬ 率測定用で、スライドグラス ックの赤、黄、青の反射率スペクトルを、図4に、茶、緑、紫の透過光スペクトルを Ⴃࠆ(ޕਅ) ㅘㆊ₸᷹ቯ↪ Ⴃࠆ(ޕਅ) ㅘㆊ₸᷹ቯ↪ Ⴃࠆ(ޕਅ) ㅘㆊ₸᷹ቯ↪ ࡍࠢ࠻࡞ࠍޔ࿑ ߦߩ⚡ޔ✛ޔ⨥ޔㅘㆊశࠬࡍࠢ࠻࡞ࠍ␜ߔޕਅߦಲߦߥߞߚᵄ㐳ߩశ ࡍࠢ࠻࡞ࠍޔ࿑ 444ߦߩ⚡ޔ✛ޔ⨥ޔㅘㆊశࠬࡍࠢ࠻࡞ࠍ␜ߔޕਅߦಲߦߥߞߚᵄ㐳ߩశ ࡍࠢ࠻࡞ࠍޔ࿑ ߦߩ⚡ޔ✛ޔ⨥ޔㅘㆊశࠬࡍࠢ࠻࡞ࠍ␜ߔޕਅߦಲߦߥߞߚᵄ㐳ߩశ の上に直接色を塗る。 示す。下に凸になった波長の光が吸収され、吸収されずに目に届く部分の光が混ざり ߢޔ ࠬࠗ࠼ࠣࠬߩߦ ߢޔ ࠬࠗ࠼ࠣࠬߩߦ ߢޔ ࠬࠗ࠼ࠣࠬߩߦ ߇ๆߐࠇޔๆߐࠇߕߦ⋡ߦዯߊㇱಽߩశ߇ᷙߑࠅว․ޔቯߩ⦡ߣߥߞߡࠆߎߣ ߇ๆߐࠇޔๆߐࠇߕߦ⋡ߦዯߊㇱಽߩశ߇ᷙߑࠅว․ޔቯߩ⦡ߣߥߞߡࠆߎߣ ߇ๆߐࠇޔๆߐࠇߕߦ⋡ߦዯߊㇱಽߩశ߇ᷙߑࠅว․ޔቯߩ⦡ߣߥߞߡࠆߎߣ 合い、特定の色となっていることが分る。 ⋥ធ⦡ࠍႣࠆޕ ⋥ធ⦡ࠍႣࠆޕ ⋥ធ⦡ࠍႣࠆޕ ߇ಽࠆޕ ߇ಽࠆޕ ߇ಽࠆޕ --2-22-- - ፉᩮᄢቇᢎ⢒ቇㇱ♿ⷐ㧔⥄ὼ⑼ቇ㧕╙ 42 Ꮞ ٤㗁㨪٤㗁 ᐔᚑ٤ᐕ٤ 77 秋重幸邦 ・ 湯浅聖子 00 80 60 40 20 00 㕍 㤛 80 ₸㧔㧑㧕 ₸㧔㧑㧕 ⿒ ₸㧔㧑㧕 ₸㧔㧑㧕 ₸㧔㧑㧕 ₸㧔㧑㧕 80 00 60 40 20 0 400 450 500 550 600 650 700 750 800 ᵄ㐳㧔㨚㨙㧕 60 40 20 0 400 450 500 550 600 650 700 750 800 ᵄ㐳㧔㨚㨙㧕 0 400 450 500 550 600 650 700 750 800 ᵄ㐳㧔㨚㨙㧕 00 00 80 80 80 60 40 ⨥ 20 0 400 450 500 550 600 650 700 750 800 ᵄ㐳㧔 n m 㧕 ㅘㆊ₸㧔㧑㧕 ㅘㆊ₸㧔㧑㧕 00 ㅘㆊ₸㧔㧑㧕 ㅘㆊ₸㧔㧑㧕 ㅘㆊ₸㧔㧑㧕 ㅘㆊ₸㧔㧑㧕 ࿑ 3㧚⿒ޔ㤛ޔ㕍ߩ₸ࠬࡍࠢ࠻࡞ޕ 図3.赤、黄、青の反射率スペクトル。 60 40 ✛ 20 60 40 ⚡ 20 0 400 450 500 550 600 650 700 750 800 ᵄ㐳㧔 n m 㧕 0 400 450 500 550 600 650 700 750 800 ᵄ㐳㧔 n m 㧕 ࿑ 4. ⨥ߩ⚡ޔ✛ޔㅘㆊ₸ࠬࡍࠢ࠻࡞ޕ 図4.茶、緑、紫の透過率スペクトル。 3.2 ᳇ಽሶߩ✢ࠬࡍࠢ࠻࡞ 3.2 気体分子の線スペクトル ᳇ࠍࠟࠬ▤ߦኽߒ㔚ሶࠍᛂߜߔߣߩߘޔ᳇․ߩ⦡ߩశࠍߔࠆ(᳓⚛ࠟࠬ㧦㕍⚡߇߆ߞߚ⊕ߞ߸శ ޔ 気体をガラス管に封入し電子を打ち出すと、その気体特有の色の光を放出する(水素ガス:青紫がかった白っぽい光、 ࠽࠻࠙ࡓ㧦㤛⦡ߩశ ࡦࠝࡀޔ㧦⿒శߥߤ)․ࠆߦ߁ࠃߩߎޕቯߩᵄ㐳ࠍᜬߞߚశߩᵄ㐳ಽᏓࠍޠ࡞࠻ࠢࡍࠬ✢ޟ ナトリウム:黄色の光、ネオン:赤い光など)。このようにある特定の波長を持った光の波長分布を「線スペクトル」と ߣ߁ޕ᳇ಽሶߩ✢ࠬࡍࠢ࠻࡞ߪޔ㜞ᩞߩᢎ⑼ᦠߢ߽ޔ㐿߈ߩࠞࡍࠫߢ⚫ߐࠇߡࠆ[6]࠭ࡊޔߒ߆ߒޕ いう。気体分子の線スペクトルは、高校の教科書でも、見開きのカラーページで紹介されている[6]。しかし、プリズム ࡓߢಽశߒߚ౮⌀ߢࠅߩࠇߙࠇߘޔశߩᒝᐲߪಽࠄߥޕᚒߩޘಽశࠪࠬ࠹ࡓࠍ↪ߡޔ᳇ಽሶߩࠬࡍࠢ࠻࡞ࠍ᷹ で分光した写真であり、それぞれの光の強度は分らない。我々の分光システムを用いて、気体分子のスペクトルを測定 ቯߒߚޕ㗼ᓸಽశⵝ⟎߆ࠄశࡈࠔࠗࡃࠍߪߕߒޔశࠍ⊒ߒߡࠆࡦࡊߩࠟࠬ▤ߦߩࡃࠗࠔࡈޔవ┵ࠍ⋥ធߡ した。顕微分光装置から光ファイバーをはずし、光を発しているランプのガラス管に、ファイバーの先端を直接あてる。 ࠆߩߘޕ㓙ޔ⸘ߥశ߇ࠄߥࠃ߁ޔㇱደࠍ⌀ߞᥧߦߒߡ߅߆ߥߌࠇ߫ߥࠄߥޕ࿑ 5 ߆ࠄ࿑ 8 ߦࠝࡀޔࡓ࠙ࡋޔ その際、余計な光が入らないよう、部屋を真っ暗にしておかなければならない。図5から図8に、ヘリウム、ネオン、窒素、 ࡦ⊒ߩ▤࡞࠻ࠢࡍࠬߩࡓ࠙࠻࠽ޔ⚛⓸ޔశߩ᭽ሶࠍ౮ߒߚ౮⌀ߣߘߩࠬࡍࠢ࠻࡞ࠍ␜ߔޔߦ߁ࠃߩߎޕ᷹ቯߒߚశ ナトリウムのスペクトル管の発光の様子を写した写真とそのスペクトルを示す。このように、測定したい光へ直接光フ ߳⋥ធశࡈࠔࠗࡃߩవ┵ࠍߡࠆߛߌߢࠬࡍࠢ࠻࡞ࠍ◲නߦ᷹ቯߔࠆߎߣ߇ߢ߈ࠆߩߎޕ႐วޔ㗼ᓸ㏜ߪᔅⷐߥߩ ァイバーの先端をあてるだけでスペクトルを簡単に測定することができる。この場合、顕微鏡は必要ないので、測定シ ߢޔ᷹ቯࠪࠬ࠹ࡓߪ㕖Ᏹߦዊߐߊߥࠅޔ ᜬߜㆇ߮߇ኈᤃߢࠆޕᚒޔߪޘᒛ⻠⟵ߩ㓙ߥߤߦࠍࡓ࠹ࠬࠪߩߎޔᜬෳߒޔ ステムは非常に小さくなり、持ち運びが容易である。我々は、出張講義の際などに、このシステムを持参し、太陽光、 ᄥ㓁శⰯޔశἮߩశߩ࠼ࠝࠗ࠳ޔశߥߤߩࠬࡍࠢ࠻࡞ࠍߘߩ႐ߢ᷹ቯߒߦࡦࠢࠬޔᄢ߈ߊᤋߒߒ↢ᓤߚߜߦឭ 蛍光灯の光、ダイオードの光などのスペクトルをその場で測定し、スクリーンに大きく映し出し生徒たちに提示してい ␜ߒߡࠆޕ る。 ᒝᐲ(ޓછᗧ㧕 ᒝᐲ(ޓછᗧ㧕 ࡋ࠙ࡓ ࿑ 5㧚ࡋ࠙ࡓߩ⊒శߣࠬࡍࠢ࠻࡞ޕ 図5.ヘリウムの発光とスペクトル。 3 50 4 00 45 0 50 0 550 600 650 70 0 7 50 ᵄ㐳㧔㨚㨙㧕 -3- 78 簡易顕微分光装置の開発と学校教育への応用 ᒝᐲ(ޓછᗧ㧕 ࡀࠝࡦ 3 50 40 0 4 5 0 5 0 0 5 50 60 0 6 5 0 7 00 7 50 ࿑ 6. 図6.ネオンの発光とスペクトル。 ࡀࠝࡦߩ⊒శߣࠬࡍࠢ࠻࡞ޕ ᵄ㐳㧔㨚㨙㧕 ᒝᐲ(ޓછᗧ㧕 ⓸⚛ 3 5 0 4 0 0 4 5 0 5 0 0 5 5 0 6 00 65 0 7 0 0 7 5 0 ࿑ 7㧚⓸⚛ߩ⊒శߣࠬࡍࠢ࠻࡞ޕ 図7.窒素の発光とスペクトル。 ᵄ㐳㧔㨚㨙㧕 ᒝᐲ(ޓછᗧ㧕 ࠽࠻࠙ࡓ 図8.ナトリウムの発光とスペクトル。 ࿑ 8㧚࠽࠻࠙ࡓߩ⊒శߣࠬࡍࠢ࠻࡞ޕ 3 5 0 4 00 4 50 50 0 5 50 6 00 65 0 70 0 7 5 0 ᵄ㐳㧔㨚㨙㧕 3.3 ルビーの発光スペクトル 3.3 ࡞ࡆߩ⊒శࠬࡍࠢ࠻࡞ 物質が光を反射したり透過することによって色が見えるほか、物質にある光をあてることで、物質によってさまざ ‛⾰߇శࠍߒߚࠅㅘㆊߔࠆߎߣߦࠃߞߡ⦡߇߃ࠆ߶߆ࠆߦ⾰‛ޔశࠍߡࠆߎߣߢߥ߹ߑ߹ߐߡߞࠃߦ⾰‛ޔ まな波長の光を発する現象が見られることがある。このような発光現象の一つが蛍光である。蛍光を発する物質のう ᵄ㐳ߩశࠍ⊒ߔࠆ⽎߇ࠄࠇࠆߎߣ߇ࠆ⊒ߥ߁ࠃߩߎޕశ⽎ߩ৻ߟ߇ⰯశߢࠆⰯޕశࠍ⊒ߔࠆ‛⾰ߩ߁ߜޔቲ⍹ ち、宝石としてもよく知られているルビーがある。ルビーの構造はコランダム型構造と言われるA2B3型イオン結晶を ߣߒߡ߽ࠃߊ⍮ࠄࠇߡࠆ࡞ࡆ߇ࠆߩࡆ࡞ޕ᭴ㅧߪࠦࡦ࠳ࡓဳ᭴ㅧߣ⸒ࠊࠇࠆ A㧞B㧟ဳࠗࠝࡦ⚿᥏ࠍߟߊࠆઍ つくる代表的な構造である。コランダムは酸化アルミニウムAl2O3のα型のことをいいα-Al2O3と記す。ルビーは、 ⊛ߥ᭴ㅧߢࠆ㉄ߪࡓ࠳ࡦࠦޕൻࠕ࡞ࡒ࠾࠙ࡓ Al㧞O㧟ߩDဳߩߎߣࠍD-Al㧞O㧟ߣ⸥ߔޔߪࡆ࡞ޕD-Al㧞O㧟⚿᥏ߩ α㧟㧗 -Al2O3結晶のAl3+イオン0.01~3 モル%をCr3+イオンが置換している。純粋なα-Al2O3は無色透明であるが、ルビ Al ࠗࠝࡦ 0.01㨪3 ࡕ࡞㧑ࠍ Cr㧟㧗ࠗࠝࡦ߇⟎឵ߒߡࠆߥ☴⚐ޕD-Al 㧞O㧟ߪή⦡ㅘߢࠆ߇ߡߒࠍ⦡⿒߇ࡆ࡞ޔ 3+ ーが赤い色をしているのは、置換したCr イオンが350~450 nm(紫~藍) 、500~600 nm(緑~黄)付近の波長を吸 㧟㧗 nm㧔⚡㨪⮣㧕ޔ500㨪600 nm㧔✛㨪㤛㧕ઃㄭߩᵄ㐳ࠍๆߔࠆߚߢࠆޕ ࠆߩߪ⟎ޔ឵ߒߚ Cr ࠗࠝࡦ߇ 350㨪450 3+ 収するためである。さらに、ルビーのCr イオンは、吸収するそれらの波長の光を照射すると、ルビーは 695 nm付近に ߐࠄߦ ߩࡆ࡞ޔCr3㧗ࠗࠝࡦߪޔๆߔࠆߘࠇࠄߩᵄ㐳ߩశࠍᾖߔࠆߣ ߪࡆ࡞ޔ695 nm ઃㄭߦ R1ޔR2 ߣ߫ࠇࠆ R1、 R2と呼ばれる蛍光を発する。マイクロメートルサイズの結晶でも、 吸収帯付近の波長のレーザー光で照射することで、 Ⱟశࠍ⊒ߔࠆ⚿ߩ࠭ࠗࠨ࡞࠻ࡔࡠࠢࠗࡑޕ᥏ߢ߽ޔๆᏪઃㄭߩᵄ㐳ߩࠩశߢᾖߔࠆߎߣߢޔᒝᐲߩᒝⰯశ 強度の強い蛍光スペクトルを得ることができる。 ࠬࡍࠢ࠻࡞ࠍᓧࠆߎߣ߇ߢ߈ࠆޕ 今回、0.1 ㎜くらいに細かく砕いたレーザー用人工ルビーを用い、このルビーの蛍光を測定した。励起光源として、 ࿁ޔ0.1 mm ߊࠄߦ⚦߆ߊ⎈ߚࠩ↪ੱᎿ࡞ࡆࠍ↪Ⱟߩࡆ࡞ߩߎޔశࠍ᷹ቯߒߚޕബశḮߣߒߡޔ 表1に示したYVO4;Ndレーザーの532 nmの光を対物レンズで集光し照射した。このレーザー光と区別して、ルビーの 1 ߦ␜ߒߚ YVO4㧧Nd ࠩߩ 532 nm ߩశࠍኻ‛ࡦ࠭ߢ㓸శߒᾖߒߚࠩߩߎޕశߣߒߡߩࡆ࡞ޔ -4- 79 秋重幸邦 ・ 湯浅聖子 ፉᩮᄢቇᢎ⢒ቇㇱ♿ⷐ㧔⥄ὼ⑼ቇ㧕╙ 42 Ꮞ ٤㗁㨪٤㗁 ᐔᚑ٤ᐕ٤ R1、R2蛍光を取り出すために、670 nm以上の波長の光を通すシャープカットフィルターを対物レンズと接眼レンズの間 R1に入れている(図1) ޔR2 Ⱟశࠍขࠅߔߚߦޔ670 nm એߩᵄ㐳ߩశࠍㅢߔࠪࡖࡊࠞ࠶࠻ࡈࠖ࡞࠲ࠍኻ‛ࡦ࠭ߣធ⌒ࡦ࠭ߩ㑆 。ルビー蛍光の強度の調節は、偏光板の調整によって行う。本装置には、励起用のレーザー光が ߦࠇߡࠆ㧔࿑ 1㧕Ⱟࡆ࡞ޕశߩᒝᐲߩ⺞▵ߪޔశ᧼ߩ⺞ᢛߦࠃߞߡⴕ߁ޔߪߦ⟎ⵝᧄޕബ↪ߩࠩశ߇ㅢ 通る箇所とルビーの蛍光が通る箇所にそれぞれ偏光板が入っている。それぞれ0~ 90度動かすことができ、その角度の ࠆ▎ᚲߣ࡞ࡆߩⰯశ߇ㅢࠆ▎ᚲߦߘࠇߙࠇశ᧼߇ߞߡࠆޕ ߘࠇߙࠇ 0㨪90 ᐲേ߆ߔߎߣ߇ߢ߈ⷺߩߘޔᐲߩ⺞ᢛ 調整で、光強度を調整している。 ߢޔశᒝᐲࠍ⺞ᢛߒߡࠆޕ レーザー発振機から発振されたレーザー光は、顕微鏡の透過照明装置を通って、ステージの上のルビーに照射される。 ࠩ⊒ᝄᯏ߆ࠄ⊒ᝄߐࠇߚࠩశߪޔ㗼ᓸ㏜ߩㅘㆊᾖⵝ⟎ࠍㅢߞߡߩࠫ࠹ࠬޔߩ࡞ࡆߦᾖߐࠇࠆޕ ルビーの蛍光は、分光器で分光され、そのスペクトルがパソコンに映し出されるが、蛍光を発しているルビーの様子は、 ࡞ࡆߩⰯశߪޔಽశེߢಽశߐࠇߦࡦࠦ࠰ࡄ߇࡞࠻ࠢࡍࠬߩߘޔᤋߒߐࠇࠆ߇Ⱟޔశࠍ⊒ߒߡࠆ࡞ࡆߩ᭽ሶߪޔ 光路を切り替えることで、モニター画面で見ることもできる。図9は、この装置によって得られた蛍光している0.1 mm శ〝ࠍಾࠅᦧ߃ࠆߎߣߢ↹࠲࠾ࡕޔ㕙ߢࠆߎߣ߽ߢ߈ࠆޕ࿑㧥ߪߡߞࠃߦ⟎ⵝߩߎޔᓧࠄࠇߚⰯశߒߡࠆ 0.1 mm ぐらいのルビーの発光状態とそのスペクトルである。 ߋࠄߩ࡞ࡆߩ⊒శ⁁ᘒߣߘߩࠬࡍࠢ࠻࡞ߢࠆޕ 0.5㨙㨙 0.5㨙㨙 4000 ᒝᐲ㧔㨍.㨡.㧕 3500 㧾㧝 3000 2500 2000 㧾㧞 500 000 500 0 680 685 690 695 700 705 70 ᵄ㐳㧔㨚㨙㧕 ࿑ 9㧚⊒శߒߡࠆᓸ⚦ߥ࡞ࡆߣߘߩ⊒శࠬࡍࠢ࠻࡞ޕ 図9.発光している微細なルビーとその発光スペクトル。 4. ߹ߣ 4.まとめ ࿁⚫ߒߚ◲ᤃ㗼ᓸಽశⵝ⟎ߪޔฎߊߥߞߚ㗼ᓸ㏜ࠍᡷ⦟ߒޔᣂߚߦዊဳ CCD ಽశེޔశࡈࠔࠗࡃޔ࿕ࠩ 今回紹介した簡易顕微分光装置は、古くなった顕微鏡を改良し、新たに小型CCD分光器、光ファイバー、固体レーザ ߥߤߩᦨᣂᯏེࠍ⚵ߺㄟࠎߛᧄޔᩰ⊛ߥ㗼ᓸಽశⵝ⟎ߣߒߡ߽߃ࠆⵝ⟎ߢࠆޕりߩ࿁ࠅߦࠆ⦡߿శޔᓸዊߥ‛⾰ ーなどの最新機器を組み込んだ、本格的な顕微分光装置としても使える装置である。身の回りにある色や光、微小な物 ߩ⦡߿⊒శߩᄌൻ߽ߡߣࠆߎߣ߇ߢ߈ࠆޔߚ߹ޕ㗼ᓸ㏜ࠍߪߕߒߡޔశࡈࠔࠗࡃߩవ┵߆ࠄ⋥ធಽశེߦశࠍዉߊߎ 質の色や発光の変化も見てとることができる。また、顕微鏡をはずして、光ファイバーの先端から直接分光器に光を導 ߣߢޔ㕖Ᏹߦࠦࡦࡄࠢ࠻ߢᜬߜㆇ߮߇◲නߥಽశࠪࠬ࠹ࡓࠍ᭴▽ߢ߈ࠆࠍ࠲ࠢࠚࠫࡠࡊޕ↪ߔࠇ߫ޔᢎቶߢߩṶ␜ታ くことで、非常にコンパクトで持ち運びが簡単な分光システムを構築できる。プロジェクターを利用すれば、教室での 㛎ߥߤߦ↪น⢻ߥⵝ⟎ߢࠆޕᓟ߽ᒁ߈⛯߈ߚ↪ࠍ⟎ⵝߩߎޔᢎ⢒ታ〣ࠍⴕߞߡⴕߊ੍ቯߢࠆޕ᥉Ბ⋡ߦߒߥ 演示実験などに使用可能な装置である。今後も引き続き、この装置を用いた教育実践を行って行く予定である。普段目 ⇇ࠍ↢ᓤߚߜߦ㛎ߐߖࠆߎߣߢޔℂ⑼㔌ࠇ⑼ቇ㔌ࠇߩసߦዋߒߢ߽ᓎߦ┙ߡࠇ߫ᐘߢࠆޕ にしない世界を生徒たちに体験させることで、理科離れ・科学離れの克服に少しでも役に立てれば幸いである。 参考文献 ෳ⠨ᢥ₂ [1] 辻内順平、黒田和男 、大木裕史 、河田聡 、小嶋忠 、武田光夫 、南節雄 、谷田貝豊彦 他編: 「最新光学技術ハン [1] ㄞౝ㗅ᐔޔ㤥↰↵ ޔᄢᧁผ ޔᴡ↰⡡ ޔዊ᎑ᔘ ޔᱞ↰శᄦ ޔධ▵㓶 ⼾⽴↰⼱ޔᒾ ઁ✬㧦ᦨޟᣂశቇᛛⴚࡂ ドブック」、朝倉書店、2002年. ࡦ࠼ࡉ࠶ࠢᦠୖᦺޔޠᐫޔ2002 ᐕ㧚 [2] 平 成20年 度 小 学 校・ 中 学 校 新 学 習 指 導 要 領: 文 部 科 学 省 の ホ ー ム ペ ー ジ、http://www.mext.go.jp/a_menu/ [2] ᐔᚑ 20 ᐕᐲዊቇᩞਛቇᩞᣂቇ⠌ᜰዉⷐ㗔㧦ᢥㇱ⑼ቇ⋭ߩࡎࡓࡍࠫޔ shotou/new-cs/index.htm. http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm㧚 [3] 宮崎菜穂子、目修三: 「回折格子を用いた簡易分光器の活用:幼稚園から大学生・社会人まで」、応用物理教育、27 (1)、 [3] ችፒ⩿Ⓞሶୃ⋡ޔਃ㧦ޟ࿁᛬ᩰሶࠍ↪ߚ◲ᤃಽశེߩᵴ↪㧦ᐜ⒩߆ࠄᄢቇ↢␠ળੱ߹ߢޔޠᔕ↪‛ℂᢎ⢒ޔ 49-51、2003. 27(1)ޔ49-51ޔ2003㧚 [4] 若林文高、濱田浄人、曽根興三:「ティッシュ箱などの空き箱を利用したCD分光器」、化学と教育、52(2)、 [4] ⧯ᨋᢥ㜞ޔự↰ᵺੱᦥޔᩮ⥝ਃ㧦ߩߤߥ▫ࡘࠪ࠶ࠖ࠹ޟⓨ߈▫ࠍ↪ߒߚ CD ಽశེޔޠൻቇߣᢎ⢒ޔ52㧔2㧕ޔ 114-115、2004. 114-115ޔ2004㧚 [5] 千葉芳明、本多亮:「偏光による着色現象の簡易教材化」、応用物理教育、29 (2)、17-20、2005. [5][6] 中山正敏、大井みさほ 他著: ජ⪲⧐ᧄޔᄙ੫㧦ޟశߦࠃࠆ⌕⦡⽎ߩ◲ᤃᢎ᧚ൻޔޠᔕ↪‛ℂᢎ⢒ޔ29(2)ޔ17-20ޔ2005㧚 「物理IB PHYSICS」、三省堂、1995. [6] ਛጊᱜᢅޔᄢߺߐ߶ ઁ⪺㧦‛ޟℂ IB PHYSICSޔޠਃ⋭ၴޔ1995㧚 -5-